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---------------------------------------------------------- 2月後半の読書と感想、書評 2024/3/2(土) 1772 帰郷 三世代警察医物語(光文社文庫) 新津きよみ ホラーやサスペンス小説が有名な著者ですが、過去読んだ2作ではその要素はあまり感じられませんでした。今回はどうかな?と思って読み始めましたが、やはりそうした要素はなく、医者を主人公としたミステリー小説といったジャンルになるでしょう。 発刊は2014年でいきなり文庫です。著者あとがきで初めて知りましたが、著者の父親は医者で、地方の警察署の嘱託医を長く務めていて、それがこの小説のモチーフとなっています。 ただサブタイトルの「三世代警察医」は正しくなく、小説では祖父と孫(主人公)の二人が医者で、警察の嘱託医ということで、間の父親は画家という設定です。 また小説に登場する長野県大町市は、あとがきを読むまで架空の都市だとばかり思っていたら、実際に著者の出身地で実家のある場所だということを後になって知りました。 長野と言えば、松本市や長野市、あとは観光で行く安曇野や美しが丘、諏訪湖ぐらいしか馴染みがなく、安曇野のまだ先の北アルプスの麓にある大町市というのは盲点でした。本格的な山登りの好きな人には馴染みがありそうです。 その大町市で開業しながら警察の嘱託医をしている医者の祖父の代わりに空き家で発見された他殺死体の検死をすることになった東京の大学病院で研修医をしている主人公が、どうしてなんの縁もない大町市の空き家に放置されたのか、その謎を追いかけます。 こうした医者を主人公とした小説は、同じ長野県が舞台の「神様のカルテ」など、現役の医者が書くケースが多いのですが、著者の場合は、父親が医者と言うことで、その知識が豊富なのでしょう。 事件としてはそれほど複雑なものではなく、何度も繰り返される「空き家」がキーワードとなっています。日本で一番空き家率が高いのは確か山梨県でしたが、おそらく隣の長野県でも空き家の問題が日常化しているのだろうと思います。それがこの作品のヒントになっていそうです。 またこの小説は既に「父娘の絆 三世代警察医物語」という続編が2015年に出版されています。 ★★☆ ◇著者別読書感想(新津きよみ) ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ 人はどう死ぬのか(講談社現代新書) 久坂部羊 2022年に発刊された新書で、様々な医療現場に携わったあと、現在は在宅医療を中心にされている著者が本音で語る終末医療、つまり人の死に方についての指南書と言えるものです。 繰り返し書かれているのは、終末医療には限界があり、患者本人のためではなく、その周囲(家族や遠い親戚など)のために、「ベストを尽くしている」という態度や医療を提供することだけという空しい話です。 つまり患者の意思とは関係なく、高齢者や末期癌を患っている人の具合が悪くなると、家族などが慌てて救急車を呼んで病院へ移送されると、そこで待っているのは、ほとんど意味のない検査と治療でそれことスパゲッティ状態にされてしまうという現在の終末医療を非難しています。 現在は約7割の人が病院で亡くなるということですが、「死にたくなければ病院へ行くな。病院へ行くから死ぬんだ」と誰かがテレビの番組で話をしていましたが、7割の人が病院で亡くなっているならそれも正しいかも知れません。 著者も繰り返し、穏やかに最期を全うしたいなら「高齢者や末期癌の人はむやみに病院へ行くべきでない」と書いています。 著者の小説や他の新書でも同様のことがよく書かれていますが、そうした無用な終末医療を避けようとする思想や行動はマスコミや医療従事者含む一部の人には不評で、「人命は地球よりも重い」という迷言でなかなか普及していかないことが著者のジレンマとなっているようです。 私自身、もう高齢者になって、終末を迎える時期も近くなってきましたが、自分の死に方というのはなかなか思い描けず、たとえ考えたとしてもそう思い通りにいくわけもなく、難しい問題です。 本著にも出てきますが、医者に対して「自分ならどういう死に方が一番良いか」という質問では「癌」という答えが一番多いそうで、それはある日突発的に死に至るのではなく、ある程度は計画的に死に近づけるため、その準備をすることができるということでしょう。 この本の中でちょっとわかりづらいなと思ったのは、書かれている理想の終末医療の前提は寿命が近い高齢者向けの話のはずで、これが癌など他の重篤な病気でも体力もある若い人の場合はまたちょっと違うように思います。 そのあたりの区別が書かれていないので、「若い人の終末医療を懸命におこなわないとはけしからん!」という誤解を生じる人がいるように思います。 私もそう遠くない時期にこうした終末医療を選択する時がやってきます。その時には、本書を参考にして ・口から栄養を摂れなくなっても胃ろうは断る ・痛み止め以外の栄養補給などの点滴も断る ・呼吸が苦しくても人工呼吸器は断る ・自宅で倒れてもむやみに救急車を呼ばない を大きく紙に書いて貼っておき、家族にも重々申し渡しておこうと思います。 ★★☆ ◇著者別読書感想(久坂部羊) ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ 総員起シ(文春文庫) 吉村昭 戦史短編小説集で、当初1971年に単行本が出版された後、2篇が追加され1981年に文庫化されたノンフィクションに極めて近いと思われる作品集です。 収録されているのは、「海の棺」「手首の記憶」「烏の浜」「剃刀」「総員起シ」の5篇です。この5篇はそれぞれ太平洋戦争中か、終戦直後に実際に起きた事件や事故を、関係者などから聞き取り、調べて書かれたもので、極力著者の推理や想像を排して書かれているようです。 「海の棺」は、太平洋戦争中に北海道の襟裳岬近くの日高沖で輸送船大誠丸が米潜水艦に撃沈され、乗員約1400名のうち、死者・行方不明者が651名をで大量の兵士の遺体が日高町の海岸へ流れ着いた話ですが、なぜかその遺体の多くに手首が切り落とされていた謎とは? 「手首の記憶」は、太平洋戦争当時日本の領土だったサハリンにある太平炭鉱病院に勤務していた看護師達が終戦後にソ連の侵攻で追い詰められ集団自決をしますが、そこで死ぬことができず生き残った女性達のその後。 「烏の浜」は終戦直後の8月22日、樺太から避難してきた疎開者を乗せた小笠原丸が北海道の増毛町沖で、米軍の指示で無線信号を出しマストに航海灯を点灯して航海中、国籍不明(その後ソ連と判明)の潜水艦から攻撃を受けて乗員乗客638名が死亡した事件。 「剃刀」は、那覇の民間人の理容師が軍属として、司令部とともに米軍に南へ南へと追い詰められていく切ない話。 「総員起シ」は、愛媛県松山沖で、試験航海中に沈没してしまった伊号第三十三潜水艦の戦後9年が経ってから引き上げることになった話です。沈没しながらも二名が決死の脱出を成功させたことで、その状況が明らかになっていきます。 その沈没した潜水艦の中で、9年間、酸素が尽きた艦内の閉鎖区域では遺体は腐敗せず「総員起シが発令されたらみな飛び起きそうな状態」だったという話には泣かされます。 いずれの作品も、暗く、不条理な悲劇ばかりで、読んでいて息が詰まるほど重苦しいですが、こうしたリアルな歴史をわずか80年前に日本人が経験していたということは知っておくべきことかなと思いました。 ★★★ ◇著者別読書感想(吉村昭) ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ 傷だらけのカミーユ(文春文庫) ピエール・ルメートル 「カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ三部作」の第3弾にあたり、2012年にフランスで発刊され、翻訳版は2016年に文庫で発刊されています。原題は「Sacrifices」(犠牲)です。 毎度壮絶な残虐なシーンが出てきて、読み終えてからもしばらく嫌な思いが残ってしまうので、もういいかなと思っていましたが、忘れた頃にまた読みたくなる一種の中毒に罹ってしまったかのようです。と言ってもまだ今回が3作品目です。 今回もいきなり主人公カミーユ警部の恋人が宝石店に入ったギャングと鉢合わせして散々な目に遭わされます。世界一ついてない男と称されるジョン・マクレーン(映画ダイ・ハードの主人公)ばりにこのフランス警察のカミーユ警部もとことんついていません。 上司をだまし、同僚をだまして、恋人に重傷を負わせた強盗犯をひとりで追い詰めようとします。まったく後先のことを考えない直情的な性格で、それゆえ一歩離れた場所から眺めている読者は一緒に感情を高めていくことになるか、あるいはしらけていくかのどちらかでしょう。 私は仕事に感情を持ち込まないのを常としていたので、その後者の方です。したがって、どうも主人公には感情移入ができず、気持ちもわからず、逆に冷静な犯人を応援したくなってしまいます。 このシリーズは、この3部で終わりらしいので、どうでも良いですが、もし続編が出てももうさすがに良いかなと思っています。 ★☆☆ ◇著者別読書感想(ピエール・ルメートル) 【関連リンク】 2月前半の読書 やがて、警官は微睡る、キル・リスト、検事の本懐、みちづれ 短篇集モザイクI 1月後半の読書 25時、晴子情歌(上)(下)、淀川八景 1月前半の読書 東京クルージング、資源カオスと脱炭素危機、カオスの娘、橋を渡る ---------------------------------------------------------- 2024年1~2月に見た映画 2024/3/6(水) 1773 東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ 2007年 「東京タワー o.b.t.o」製作委員会 監督 松岡錠司 出演者 オダギリジョー、樹木希林 原作はリリー・フランキー著の2005年に発刊された小説で、私は遅ればせながら10年前の2014年に読んでいます。江國香織著の小説で「東京タワー」(2006年)というのがありますが、まったく別の小説です。 2014年11月後半の読書と感想、書評(東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン) 映画は第31回日本アカデミー賞(2008年)作品賞など5部門で最優秀賞を受賞しましたが、同賞を主催するのが日本テレビということもあり、この日本テレビが企画・制作に関わっている映画に受賞を忖度したのでは?と疑われていたとか。 それはともかく、主演のオダギリジョーにしても、その母親役の樹木希林にしても実力派、演技派の俳優で、最近多くあるアイドルが主演の学芸会映画とは違った奥深い迫力と、リアリティのある迫真の演技が光ります。 ただ本で読んだときには気持ちが高ぶってうっすら涙目になりましたが、映画の方はそうでもなく、ちょっとストーリーが平板に感じました。 それは原作と脚本の違いなのか、監督の考えなのかわかりませんが、いずれにしても俳優のせいではなく、映画の短い時間内に登場人物の感情の動きを詰め込みすぎたことからくるせいかも知れません。 名作の原作をわずか2時間の映画にするのはなかなか難しいのだなと思った次第です。 ★★☆ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ベンジャミン・バトン 数奇な人生(The Curious Case of Benjamin Button) 2008年 米(日本公開2009年) 監督 デヴィッド・フィンチャー 出演者 ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット 「グレート・ギャツビー」(1925年)の著書で有名なF・スコット・フィッツジェラルドが今から100年以上前の1922年に書いた小説が原作で、「エイリアン3」(1992年)や「セブン」(1995年)の監督をしたデヴィッド・フィンチャーが監督をした映画です。 第81回アカデミー賞では作品賞を含む13部門にノミネートされ、美術賞、視覚効果賞、メイクアップ賞を受賞 老人のような異様な姿で生まれ、次第に若返っていくという通常とは逆の人生を歩む主人公を描いたものですが、主演のブラッド・ピットが本来の姿で登場するのは中年~青年期だけで、それ以外の主人公は別人か特殊メイクかよくわかりませんでした。 老人だった頃にまだ子供だった女性と知り合い、お互いが青年期になった時点で恋が芽生えますが、やがて子供、そして赤ん坊のようになっていくことがわかっている主人公は女性の前から姿を消します。それが切ない別れです。 あまりリアリティのない物語ですが、おとぎ話のようなつもりで見るとそれもいいかもです。 ★★☆ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ジョー、満月の島へ行く(原題:Joe Versus the Volcano) 1990年 米 監督:ジョン・パトリック・シャンリィ 製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ 出演者:トム・ハンクス、メグ・ライアン 日本では劇場未公開のコメディ映画で、内容は豪華キャスティングなものの、メグ・ライアンが個性の違う3役を演じるアイドル映画みたいな感じに仕上がっています。 しがない会社員の主人公(トム・ハンクス)が、体調が思わしくないので病院へ行くと「脳の病気で治療法はなく、余命半年」と告げられます。 ショックを受けますが、会社の嫌な上司に辞表を叩きつけ、残り少ない人生をどうやって過ごそうか考えていると、ある鉱物資源の開発会社の社長が家に訪ねてきて、医者から話を聞いたということで、どうせ死ぬならある南の火山島へ行って勇士として火口へ飛び込んで欲しいと頼まれます。 それは100年に一度火山の噴火を止めるため生け贄が必要で、その火山島ではレアメタルがありその開発会社がその役目を引き受けたという構図です。 メグ・ライアンは、主人公が勤務している会社の身持ちが悪そうな同僚として、次に火山島へ出掛けるまでのあいだ主人公はロスで豪遊しますが、その見張り役としてセレブっぽい社長の娘(長女)として、3人目は火山島へ向かう大型ヨットに一緒に同乗する社長の娘(次女)という3役です。 その大型ヨットは社長の次女の所有ですが、火山島に向かっているとき台風に遭い難破してしまいます。 そのとき、次女を救い出してなんとか火山島へ漂流した主人公はやがて溶岩であふれる火口へと飛び込む役目が迫ってきます。 ま、コメディですけど、それにしてもチープすぎてちょっと残念。豪華な俳優陣を揃えながら、それで予算は使い果たしたようで、B級映画も良いところです。 ★☆☆ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ カウボーイ(原題 Cowboz) 1958年 アメリカ 監督:デルマー・デイヴィス 出演者:グレン・フォード、ジャック・レモン 私が生まれた頃に作られた66年前の古い映画ですが、カラーはもちろんのこと、内容も全然古びてなく、昔のコミカルなウエスタン映画として楽しめました。 タイトル通り、メキシコから何百頭の牛を陸路でアメリカへ運んでくるのがカウボーイの仕事ですが、決して撃ち合いばかりやっているわけではなく、夜になると野宿して質素な(と言っても牛ばかりをつぶして食ってます)食事をし、馬や牛の世話や、群れから離れた迷い牛を探して連れ戻したり、時には先住民の支配地を通過するので襲われたりします。 都会のシカゴにあるホテルのフロントマンで、ホテルをよく利用するメキシコの大富豪の娘と恋仲の男(ジャック・レモン)が、娘の父親から交際を拒否されてメキシコへ連れ戻されたため、仕事を辞めてメキシコへ牛を引き取りに行くというカウボーイのチームに加わろうとします。 牛を買う資金をギャンブルで使い果たしてしまったチームのリーダー(グレン・フォード)に資金を提供しパートナーとしてカウボーイ集団に同行しそこで起きる様々な珍道中で、この時代の映画にしてはハードなロケが中心でよくできています。 当初は都会育ちのフロントマンが、厳しいカウボーイの仕事に苦労しますが、徐々に慣れてきてやがてはリーダーにも認められるようになります。 しかし仲間の死や、先住民との争いなどで意見の対立が起きて、、、という流れです。 なにか懐かしい映画を見たなという感じで、もしかすると子供の頃にテレビで見ていたかも知れません。 ★★☆ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ かもめ食堂 2006年 製作 かもめ商会(日本テレビなど) 監督:荻上直子 出演者:小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ 以前から題名は知っていましたが、今回やっと見ることが出来ました。原作は数多くのエッセイや小説を書いている群ようこ氏の小説で、映画と同じ2006年に出版されています。 配役としてはいかにも日本的な若女将タイプの小林聡美の主役に対し、個性的な顔をした片桐はいりともたいまさこが助演というちょっと意外な感じですが、多くのアイドルの美形ばかりが登場する映画とは違っていたって普通の感じがして好感が持てます。 フィンランドのヘルシンキの町中に、手軽な日本料理を出す食堂「かもめ食堂」をオープンした主人公ですが、なかなか客は集まらず、日本オタクのフィンランド人青年がひとりでやってくる毎日です。 フィンランドの青年からガッチャマンの主題歌を教えて欲しいと頼まれますが、なかなか思い出せず、ある日書店で日本人女性を見つけて「教えてください」と頼みます。弟がアニメファンで一緒によく見ていたとのことで主題歌はすらすらと書いて教えてくれました。 その女性は特に目的のない旅をしていたので、一緒に住もうと誘い、その後食堂を手伝ってくれることになります。 当初は遠目で馬鹿にしていた近所の住民も、やがて美味しそうな匂いに誘われて店にやってくるようになり、様々な苦しみを抱える地元の人などもやってくるようになり店は次第に繁盛してきます。 なぜにフィンランドで日本食?という疑問はわからずじまいですが、まったく文化や食材、味覚の違う国での食堂っていうのはこれほど容易じゃないだろうなぁって感想。それを言っちゃおしまいですが。 前に見た映画「バグダット・カフェ」(1987年)もドライブイン(食堂)に集まってくる様々な人を描いた映画でしたが、それと似ていて、誰も死ぬことがなく、派手なアクションやCGが使われることもなく、淡々とした日常が素敵です。 またエンディングに流れる主題歌で井上陽水の「クレイジーラブ」がまた良い味を出しています。 学生やサラリーマン向けの安くてボリュームのある定食屋さんですが、コロナ禍を無事に乗り越えもう10年以上継続しているので、まずまず成功しているようです。 店名は映画(小説?)から拝借したようで、フィンランド語の表示もあります。 ★★★ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ビューティフル・マインド(原題:A Beautiful Mind) 2001年米(日本公開2002年) 監督 ロン・ハワード 出演者 ラッセル・クロウ、エド・ハリス、ジェニファー・コネリー ノーベル経済学賞を受賞したアメリカの数学者で、有名なゲーム理論を発表した研究者ジョン・ナッシュ(1928年~2015年)の破天荒な半生を描いた映画です。 2002年のアカデミー賞の作品賞、監督賞、助演女優賞、脚色賞を受賞し、同時にゴールデングローブ賞で作品賞、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞を受賞するという快挙を達成しています。 名門のプリンストン大学院に入学し、在学中にゲーム理論の論文を書き上げ、卒業後には順調にマサチューセッツ工科大学(MIT)のウィーラー研究所へ入ります。 そこで知り合った女学生と結婚し、一見は順調そうな生活ですが、徐々に妄想が激しくなり、数字の羅列を見るだけでその中に隠されている暗号や陰謀を自分がすべて見つけ出すという使命にのめり込んでいきます。 時は米ソ冷戦の中で、核兵器の開発競争と謀略が渦巻く中でのことで、自分は政府からスパイに任じられているという妄想が暴走していきます。 そうした妄想はいつ何時やってくるかはわからず、周囲の誰も信用できず、精神病院へ送られ苦しむことになります。 ただ妻だけは信じてくれて、やがて薬の力も借りて徐々に自分の妄想と折り合いを付けていくという流れで、人はちょっとしたことでこうなる可能性があるという怖い話でもあります。 ネタバレでおおよそのストーリーを書いてしまいましたが、実在した人物のストーリーだけに、調べればすぐにわかることなのでご容赦願います。なかなか面白かったです。 ★★★ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ 騙し絵の牙 2021年 「騙し絵の牙」製作委員会(松竹、KADOKAWAなど) 監督 吉田大八 出演者 大泉洋、松岡茉優、佐藤浩市など 本来なら2020年に公開予定だった作品ですが、コロナ禍のせいで、1年遅れての封切りとなった映画です。 映画の原作は塩田武士によるミステリー小説ですが、映画化に当たって大きくストーリーが変えられているそうです。未読なので詳しくはわかりませんが。 大手老舗出版社が舞台で、オーナー社長が突然亡くなり、後継社長争いが勃発します。 また同社の看板でもある文芸雑誌部門で働いていた主人公は、大物作家のパーティで作品の厳しい批評をしてしまい、週刊誌部門へ異動させられてしまいます。 そのカルチャー週刊誌部門の編集長がもうひとりの主人公で、型破りなアイデアや方策で傾きかけていた業績を改善していきます。 しかしアイドルながら文才や画才があるタレントを発掘し、週刊誌の目玉企画としていたところまでは良かったものの、そのアイドルに襲いかかってきたストーカーに対し護身のため持っていたハンドメイドガンを発砲し銃刀法違反で逮捕されることになります。 また主人公が文学部門で働いていた時に見いだした新人を週刊誌の連載で掲載しようとすると、文学部門から横やりが入ります。 二人の主人公、週刊誌の編集長と文芸部門から週刊誌部門へきた編集員の二人の反撃は、、、ってことです。 大泉洋のコミカルで軽快なしゃべくりは健在で、同時に裏で密かに牙をむくという難しい役柄です。この二つの相反する性格、特に裏で糸を引く冷徹なイメージには合わないかなという感じがしました。 ミステリーというよりかは、出版社を舞台にした企業ドラマという見方がいいのかも知れません。 ★★☆ 【関連リンク】 2023年11~12月 暴力脱獄(1967年)、ゴジラ -1.0(2023年)、ブロンコ・ビリー(1980年)、ティアーズ・オブ・ザ・サン(2003年)、ゼロの焦点(2009年)、バグダッド・カフェ(1987年) 2023年9~10月 ゲッタウェイ(1972年)、扉の影に誰かいる(1971年)、目撃(1997年)、ミステリと言う勿れ(2023年)、ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011年)、三人の名付親(1948年) 2023年7~8月 君たちはどう生きるか(2023年)、隣のヒットマン(2000年)、オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主(2013年)、起終点駅 ターミナル(2015年)、ブラッド・ファーザー(2016年) ---------------------------------------------------------- ラーメン店は本当に減っているのか? 2024/3/9(土) 1774 「厳しさ増す個人ラーメン店」を書いたのは昨年2023年9月なのでまだ半年しか経っていませんが、あらためてその続編を書いておきます。 家の近所にあったラーメン店のうちコロナ禍中に数店が相次いで閉店してしまい厳しさを実感していましたが、そのすぐあとに居抜きで新たなラーメン店が入ることが多く、競争による入れ替わりが激しいだけかなと思っていました。 しかしその新しく開店した店もまたすぐに閉店するなど、場所やメニューなど店の経営内容によって難しさを実感しています。 ◆2023年「ラーメン店」の倒産、 休廃業が過去最多 倒産が45件、 休廃業は29件、コストアップが重荷(東京商工リサーチ)
◆ラーメン店倒産過去最多 ファンに惜しまれながら閉店決めた店 店長の目にうっすら涙 「1000円の壁が…」(FNNプライムオンライン)
上記の記事を読んでいるとラーメン店は全国的に減少していると思いきや、全国の業種別の開店・閉店情報を掲載している「開店閉店ドットコム」でラーメン店を検索すると、意外ながらラーメン店の開店が多いのに気がつきます。 1年間のデータを調べるのはちょっと大変なので、2023年11月20日から2024年2月19日までの3ヶ月間の開店と閉店だけを抜き出してみたら、この3ヶ月間に開店したラーメン店は53店舗、一方、閉店したラーメン店は20店舗と、閉店の倍以上のラーメン店がオープンしています。
人口減少社会で、しかも高血圧や糖尿病、肥満など生活習慣病などに悩む高齢者が多い中で、決して健康的とは言えないラーメンをメインに提供する店の開店ラッシュはいったいどういうこと?と考えてしまいました。 考えられるのは、ラーメン店は資金面など比較的開店するのが容易で、脱サラや独立開業で新店を開店する人が後を絶たない。しかしその中で10年以上継続できるのは一部でしょう。 もう一つは開店情報の中には、チェーン店や大手外食系の店が多く含まれていることから、大資本と系列化で系列店の出店が相次いでいるように見えるとかでしょう。 私もラーメンは大好きで、社会人になってからよく食べるようになりました。好みは醤油、豚骨、塩、味噌、魚介、担々など何でもOKです。 個人営業店には店独特の味があり、大手フランチャイズの店はそれなりに味やサービスに当たり外れがなく、どちらが好きとかではなく、できるだけ多くの初めての店に足を運んで楽しんでいます。 しかしそのラーメン趣味も最近の価格高騰にはまいっています。コロナ前、ウクライナ侵攻前は通常のラーメンで千円を超すのはごく一部で、特盛りやなにかをトッピングしない限り700円以内で食べることができましたが、最近は普通のラーメンですら千円を超えるものが珍しくなくなってきました。 ラーメンに限らず食品全般の値段が上がっているから仕方ないと思いますが、以前はラーメンは昼食と夕食の間のおやつに食べていた時期もあるぐらい庶民的な値段という意識が捨てきれません。 ラーメン店巡りもそろそろ打ち止めかなと思っていますが、最近の傾向は店ごとにいわゆるジャンルが明確で、「家系」や「二郎系」「端麗系」「醤油系」「にぼし系」などの特徴を表に出している店が多いようです。 うまければなんでもいいんですけど、そうした特徴を打ち出すことが店の特徴になって客を呼べるのでしょうね。 しかしその「系」は、本家で修行した「のれん分け」ということもあるでしょうけど、言ってみれば本家の偽物で、ものまねとも言えます。同様にチェーン店の場合も、本店とチェーン店では味が違うこともよくあります。 かと言って、いきなり独自のオリジナルラーメンで勝負するっていうのはファンを増やすのに時間がかかりそうで、資金力の乏しい個人店では難しいのでしょう。 ラーメン店が冬の時代に突入した?と思いましたが、上記の開店・閉店情報を見る限り、まだまだチャレンジャーが多くいることで少しホッとしています。 【関連リンク】 1745 厳しさ増す個人ラーメン店 1607 代表的なB級ファストフードの価格推移 1165 ラーメンと私 ---------------------------------------------------------- 3月前半の読書と感想、書評 2024/3/16(土) 1775 とれない「痛み」はない(幻冬舎新書) 柏木邦友 著者は珍しい麻酔科医でありながら、現在はフリーの立場で麻酔医として病院で勤務しながら動物病院にも勤務されているという変わり種の方で、本著は2022年に出版されています。 私は2016年に初めて全身麻酔で手術を受けたとき、事前に麻酔医との面接?があり、アレルギーや体調などについてあれこれ問診されたことを思い出しました。 麻酔は手術をする医者(執刀医)がその前段としておこなうものとばかり思っていたので、その時は、「へぇー麻酔の専門医がいるんだー」と思いましたが、この本を読んで麻酔医の役割や、重要性がよくわかりました。 そういうあまり麻酔医という馴染みがない専門医療について書かれた本です。 一般的に人は加齢とともに、様々の痛みと闘っていかなければなりません。関節痛や神経痛、頭痛、腰痛などはもちろん、癌や慢性病など関わっていく病気も増えていきます。また出産という非常に強い痛みを伴う時にも麻酔を使った無痛出産が広がってきています。 麻酔というのは手術の時だけではなく、そうした痛みを和らげ、日常生活に支障が出ないようにする、また残された時間を安寧に送れるようにするために必要な術式で、「麻酔=危険、中毒」という従来からある概念はすでに変わってきています。 麻酔や鎮痛にも種類があり、使いすぎると中毒やオーバードーズになってしまう薬剤もあり、そのあたりの説明もなされています。 一般論としての話で、自分に当てはめてみてどうなのか?というのはわかりにくいのと、馴染みがない専門性の強い話が多くてやや理解が難しいですが、知識として知っておくのには役立ちそうです。 ★★☆ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ 記憶の渚にて(角川文庫) 白石一文 2016年に単行本、2019年に文庫版が出版された小説で、ジャンルとしてはミステリーとか一部ファンタジー?という感じの話でした。文庫版で577ページという長編です。 第1部では地方都市で零細なアトピー患者向け石鹸の販売代理をしている主人公が、長く疎遠状態だった作家をしていた兄が謎の自殺し上京しますが、兄の世話をしてくれていたと思われる女性を探し出したところ、その女性と離婚した元夫から難癖を付けられあっさりとナイフで刺されて死んでしまいます。 第2部では第1部から数年後、主人公とその自殺した兄の義理の甥という縁者が主人公となり、作家として活動していますが、自殺した作家の叔父がなぜ自殺しなければならなかったのか、叔父と仕事で関係があった元新聞記者とともに調べていきます。 このあたりから、宗教やスピリチュアルの話が多くなってくるのと、人間関係が叔父や叔母、腹違いの姉妹、遠い親戚など多くの人が登場してきてなかなか頭の中で整理がつかなくなります。 一応、巻頭には主な登場人物が書かれていましたが、実際に登場するのはその何倍もの人たちが次々出てきて、メモリー領域が少ない私は完全にオーバーフローしました。 本当なら登場人物と同時に、その相関関係図(家系図など)もあれば良いのですが、それは後でわかる本題のミステリーの要素にも関わってくるので最初には書けないでしょう。 こうした遺伝子に組み込まれているという前世に経験したことや、手をかざして治療する特殊能力、一晩でアトピーが治る神秘の樹木、亡くなった人の天の声が聞こえるなど、霊やスピチュアルな話はどうも苦手で、読んでいて徐々にしらけてしまったのは個人的な問題で、エンタメとしては脈々とつながる壮大なドラマという話になっています。 ★☆☆ ◇著者別読書感想(白石一文) ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ 袋小路の男(講談社文庫) 絲山秋子 3作の短篇が収録された短篇集で、2004年に単行本、2007年に文庫版が出版されています。 収録作品は「袋小路の男」、「小田切孝の言い分」、「アーリオ オーリオ」の3作で、そのうち「袋小路の男」、「小田切孝の言い分」はほぼ同じ登場人物で展開する不思議な恋愛小説で、二つは視点を変えた同じ物語ですが、見方が変わるだけで内容も変わり、「こういうやり方もあるのか」と感心しました。 個人的には3作の中で一番好きな「アーリオ オーリオ」は、パスタ好きで、星座に詳しい主人公と、兄貴の中学生の娘(姪)とのほのぼのとした物語で、手紙でやりとりする仲になり、その手紙が届く先を3光日先の星としてタイトルのパスタの名称を付けています。 少し前に読んだ白石一文著「記憶の渚にて」も、兄弟や甥、姪などの関係が甚だしい物語でしたが、このように、家族でも疎遠になっている兄弟や、姪などとの近そうで遠い微妙な関係というのは物語になりやすそうです。 ★★☆ ◇著者別読書感想(絲山秋子) ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ おれの死体を探せ(徳間文庫) 小松左京 1983年に文庫で出版された短篇集で、「長い部屋」「幽霊屋敷」「おれの死体を探せ」「共食い」「男を探せ」「鳩啼時計」の6篇が収録されています。 前の3作は貧乏な私立探偵が主人公で、コミカルな連作です。後の3作はいずれも独立していますが、どの作品もSFをうまく取り入れていたり、著者の作品にしては幽霊が自分の死体を探しに出てきたり、同時に複合的な誘拐事件が発生したり、性転換手術だったりといろんな面を見せてくれます。 個人的には最後の「鳩啼時計(はとなきどけい)」が好きで、小説の舞台はずっと未来の話ですが昔懐かしい「鳩時計」が出てきます。実は母方の実家に行くと、(本物の)鳩時計があって、欲しくてたまりませんでした。 タイトルの「鳩啼時計」とは、明治生まれの詩人で作詞家だった西条八十が昭和8年に書いて少女向け雑誌「令女界」に掲載された「鳩啼時計」という詩のことです。 詩の1番は「鳩啼時計今啼き 冬の夜ふけの十一時 凩さむき戸外には 利鎌のごとき月冴えて」と、「冬の夜更けの11時に鳩時計がちょうど今啼いて、木枯らしが吹く外にはよく切れる鎌のような月が出ている」という意味。 2番は「過ぎし日君と一つづつ 銀座の街に購へる 鳩啼時計いま啼けば うれいは深しわが心」で、意訳すれば「ずっと昔にあなたと銀座で鳩時計を一つずつ買って、それを今啼くと切ない思いが心に広がる」という、鳩時計の音で昔の恋人を思い出すという内容です。 小説では、その詩のように、昔の恋人と一緒に買った二つの鳩時計が絡む殺人事件が起きて、、、というストーリーです。 なお、この詩は4番までありますが、3番以降はその恋人のことを想う愁いをシクシクと繰り返していて、恋する女学生達に向けた今で言うところのラブソングです。 1980年代のSFらしく、40数年後に読むとテレビ電話や人体移植、人工的に重力を曲げる装置など、40数年後の現在既にあるものもあればまだないものなどあって創造力の面白さを味わえました。 ★★☆ ◇著者別読書感想(小松左京) 【関連リンク】 2月後半の読書 帰郷 三世代警察医物語、人はどう死ぬのか、総員起シ、傷だらけのカミーユ 2月前半の読書 やがて、警官は微睡る、キル・リスト、検事の本懐、みちづれ 短篇集モザイクI 1月後半の読書 25時、晴子情歌(上)(下)、淀川八景 ---------------------------------------------------------- 定年本と老後本 2024/3/23(土) 1776 63歳になる少し前にすべての仕事からリタイアしましたが、その前後にはいくつかの「定年本」を読みあさりました。またリタイアと同時にやってくる年金生活や老後の問題など関連本も読みました。何事も知識を得るのは重要です。 しかし、本当は定年やリタイアしてからそういう本を読むのは遅く、少なくとも定年やリタイアする10年ほど前には読んでおくべきだったと後悔しています。 なかなかバリバリ働いている40代や50代のはじめに定年後や老後の関連本を読むというのは心理的にも難しいもので、できれば老後のことなんか考えたくないという感覚が普通ではないかと思います。 なぜ10年前に知識を得ておかなければならないかというと、個人個人で資産や住まい、ローン、子供の教育、趣味やライフスタイルなどが違っているのが普通で、それをよく調べ、考え、対処をした上でリタイアや年金生活に入っていくのが望ましいからです。 わかりやすいのは、定年の時までには住宅ローンや子育て(教育費など)が終わっていることが望ましいですが、人によって違っているはずです。 住宅ローンが65歳まで続くから退職金で繰り上げ返済するか、定年後も引き続き働こうとぼんやり考えていても、定年後に得られる収入は信じられないぐらい減り、退職金も団塊世代がリタイアする頃とは違って今は大きく減っています。私が勤務していたところは自主的に決めるわずかな確定拠出年金制度(401K)はありましたが、退職金制度はありませんでした。 それまで収入に占める割合が低いためにあまり気にならなかった健康保険料や介護保険、各種の税金が少ない収入にズシリと乗っかってきてそれまでの生活スタイルを維持するためには老後のためと思っていた貯蓄がみるみる減っていくことになります。 しかし退職する10年前(50~55歳頃)なら、様々な手がまだ打てます。例えば、持ち家の場合、屋根や外壁の修理など大金がかかる修繕や、マイカーを老後も乗り続ける場合、退職する前に新車を購入しておくほうが良さそうで、さらに住宅ローンも退職する前には完済しておきたいものです。 老後に備えて今流行っている積み立て債権に投資する場合や、国民年金に上乗せする国民年金基金も、60歳になってからではもう遅く、少なくとも50歳になるまでには始めないとその恩恵を得られるのは定年後のずっと後と言うことになりかねません。 その他、保険の見直しや、定年後の仕事(資格取得や勉強)、住まい(住み替えや自宅修繕、移住、引っ越し)なども退職してからではなくその前から準備や計画を始めておくのが望ましいでしょう。 そうしたリタイア後のためにあらかじめできるだけ早く定年本や老後のリアルな話を読んでおくことをお勧めします。 ただ、その一部には実際の世の中のことを知らない学者の先生や、お金持ちの評論家などが非現実的な机上の論理でご立派な自説を述べている書籍もあり、その取捨選択は必要です。 どの本が役立つかは、お金、仕事、健康、介護、家族、人間関係、住まいなど、読者が何を求めるかによっても違ってきますので、「これだけ!」というものはありません。 私が過去に読んだ定年本や老後本と、その感想(リンク)を並べておきます。少しでもお役に立てば良いですが、何を重要に思うかの価値観は人それぞれで、時代によっても変わってきますのでご参考まで。 定年/老後/介護本既読一覧
【関連リンク】 1397 早期退職はありかなしか 1394 あと半年に迫ったリタイア準備 1215 定年退職後の再就職はどうする ---------------------------------------------------------- 中古マンションを買うときは修繕計画と積立金が重要 2024/3/30(土) 1777 最近ニュースや情報番組でよく取り上げられることのひとつに「マンションの老朽化」というのがあります。以前から「中古マンションは管理を買え」と言われますがそれはどうなのでしょう。 マンションは新築後10年ぐらいは快適に過ごせることが多いですが、それ以降は普段からのメンテナンス状況によって住みよさが変わってきます。 また完成後10年も経つと、周囲の環境が大きく変わってしまうこともよくあり、南側に高層マンションが建って日当たりが悪くなったり、窓から見えた緑の森や田畑がいつの間にか開発されて、プライバシーを守るために無粋な塀や目隠しが必要になったり、さらにはいつの間にか外国人が集まり住むようになり、文化や生活、マナーの違いから様々な軋轢が起きるということさえあります。 中でも深刻なのは、マンションの老朽化とともにマンション住人の高齢化で、年金生活者が多い中では容易に住人が負担してのマンション立て替えや大規模修繕ができず、老朽化が加速度的に進んでいく事態です。 築40年を超えるマンションの数は2022年時点で125.7万戸ありますが、8年後の2032年には260.8万戸と倍増し、さらに18年後の2042年頃には445万戸と現在の3.5倍にまで増えていきます(国交省マンション総合調査)。 普段の修繕や、大規模修繕で役立つのがマンション修繕積立金です。どこの分譲マンションでもその修繕積立金は設定されていて住人が負担することになっています。 しかし何年も前に設定した修繕計画や修繕費用というのはすでに現実的なものではなくなってきています。 マンションの鉄筋コンクリート造りの大規模修繕というのは小規模な施工会社では難しく、割高になる数少ない規模の大きな業者に依頼することになります。 そして建築業界の慢性的な人材不足と、人件費や資材の高騰で、コストはインフレ率の何十倍というスピードで上がっていくことが想像できます。 国交省の調査(2021年度)では、マンションの修繕積立金の徴収額は、1戸あたり平均で月額2万1420円と、10年前と比べて7000円余り上昇しましたが、それでは追いついていないのが実情です。 またマンションを買いやすくするために当初は修繕積立金を低く設定する「段階増額積立」のマンションが増えているのも問題です。マンションの老朽化と住人の高齢化が一緒に進む中で、その高騰した負担額に根を上げる年金生活者が出てきています。 現在私が住む一戸建て住宅に住む人は、屋根の修繕や壁の塗装など(自主的に)おこなう大規模な修理は発生しますが、基本的には普段から積み立てておくという習慣はなく、必要と思ったときに貯金を崩したり、家族から援助してもらって修繕することが多いでしょう。 しかし一戸建ての修繕というのは比較的小規模なため、零細な工務店や業者にコストを優先(修理する箇所を限定するとか)して、依頼することができますが、マンションなど大規模修繕の場合は自分の都合に合わせてというわけにはいかず、悪いところも問題ないところも併せて全棟一括で同じような修繕をおこなうことになります。 このマンションの修繕積立金ですが、私も30数年前には中古マンションを買って住んでいて、さらには数年ごとに回ってくる役員の経理担当(修繕積立金や管理費、駐車・駐輪費、町会費、地域募金などの徴収と管理業務と、保守費や修繕費等の支払いなどの支払いなど)、1年後の収支決算などをおこなっていたので、ある程度は理解しています。 まず、修繕積立金の額は、最初のマンション分譲時に、販売会社が住民の将来のことを考えて、ではなく、販売当時の売りやすそうな(安目の)額に設定し、そのまま何十年も見直されることがなく徴収され続けていくということが多そうです。従って何年後かの実際の大規模修繕の時には不足するというのがお約束となっています。 一部の恵まれたマンションは、広い敷地があり、そこを外部の人に貸せる駐車場にしたり、敷地を貸して、修繕積立金以外に大きな収入があればまだ良いですが、まずそういうマンションはありません。 では修繕積立金を引き上げれば良いのですが、それでなくても毎月の積立金を支払わない住人が必ず出てくる中で、修繕積立金の値上げは役員会や住人総会の場でもめることが多いです。値上げの前にまずは未収金をなんとかしろよ!ってことです。 私の実感では、10年経過後の50世帯のマンションならそのうち3~4世帯(6~8%)は常習的に修繕積立金や管理費の未払いまたは遅延者が発生します。20年経過していれば当然もっと多い割合になります。 特に空き家(部屋)になっていたり、分譲住宅でも人に貸していて持ち主がその部屋に住んでいない場合が郊外の住宅地域のマンションでも1~2割程度あり、特にそういう持ち主から徴収するのはたいへんです。最近は持ち主が外国人というケースも増えていてもっとたいへんでしょう。 都市部のマンションだと投資目的で持ち主が住んでいない部屋が多くなります。持ち主が亡くなって相続人が不明(判明しても連絡が取れない)というのもやっかいです。 そして最近の資材不足や人件費の高騰で、10年以上前に決められていた従来の積立金と修繕計画に大きな齟齬が生じます。 そうした修繕積立金不足に対して国はやっと重い腰を上げて問題提起をしています。 マンション修繕費などの積立金不足で専門家検討会 国土交通省(NHK)
これによると、積立金が不足しているマンションは現在で35%におよび、不足額を修繕積立金に上乗せするためには平均で初期の3.6倍になるという試算です。恐ろしいことです。 私がマンションを売って一戸建てを買ったのは、子供が増えたため狭く感じたことが一番の理由ですが、この修繕積立金や駐車場代、管理費がバカにならず、一戸建てならそうした費用は表面上(時々の修繕や固定資産税など支払うことになる)は表面上は見えなくなるのと、補修計画も自分の都合に合わせて自己判断でいけるのでそっちの方が良いと思ったからです。 マンションの場合、住民間の利害関係が常にある(例えばエレベータの補修の場合、1~2階と8階の住人の利用度の違いや、ペット飼育の問題など)ので、それらの調整がたいへんなのと、管理会社がマンションを施工した業者の関連会社で、新築当初からやっているため、何度か好き勝手に値上げし、委託料が割高な割にはサービスの質は低く、管理会社を変更しようと動き出したら、その会社の関係者が住人にいて抵抗されたりと人間関係が嫌になることもあります。 そういえば、以前リゾート地の中古マンションで、価格が数十万円というのがありましたが、調べると前の所有者が未払いだった積立金数百万円を支払わなければならなかったり、毎月の積立金や管理費がべらぼうに高かったりして「買う人がいない」というのもわかります。 調べると今でも10万円でリゾートタワマンが買えます。 一般的にマンションの場合は築12~15年で1回目の大規模修繕が行われることが多く、その後も10年ぐらい単位で40~50年まで続きます。それ以外にも数年ごとに計画にはない小規模な修繕が必ず発生します。 住人に年金生活に入った人が増えてくると、「修繕費が足らないから来月から3倍に増額します」と言ったところで話がまとまるとも思えません。 そして築40~50年で建て替えの時期(築5年の中古マンションを30歳で購入したとすると65~75歳の時)がやってきますが、建て替えの時に新たな負担がないということはまずありません。 一般的にマンション建て替え時の1戸あたりの負担金は1千万円~2千万円(不動産情報サイトHOME4U)ということです。 中古マンションを買う場合には、その時の現状の管理状態よりも、その後の資金面含めた修繕計画、積立金の未収状況、そして住人の年齢層などをなにかしらの方法で調べてからのほうが良さそうです。 しかし、そういった積立金の未収状況や住人の年齢などプライバシーについて、不動産会社が調べたり教えてくれたりすることはなさそうで、悩ましいところです。 せめてマンションの修繕計画書と管理費や修繕積立金の最新の決算報告書を購入予定者には提出をすることを義務化するなど法制化が待たれます。 【関連リンク】 1639 パワーカップルとマンション価格の相関 1577 高齢者の賃貸入居拒否問題と空き家 995 2LDK、販売価格10万円のリゾートマンション |
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