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絲山秋子 ITOYAMA AKIKO 既読書籍

003 袋小路の男
002 イッツ・オンリー・トーク 001 沖で待つ  
読書感想は2010年頃以降から書くようになりました。それ以前に読んだ本の感想はありません。


1966年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。卒業後住宅設備機器メーカー営業職として数度の転勤を経験。1998年に躁鬱病を患い休職入院。入院中に小説の執筆を始める。2001年退職。2003年『イッツ・オンリー・トーク』で第96回文學界新人賞を受賞し小説家デビュー。2004年『袋小路の男』で第30回川端康成文学賞受賞。2005年『沖で待つ』で第134回芥川賞を受賞。2016年『薄情』で第52回谷崎潤一郎賞を受賞。(Wikipediaより引用 2022年)


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003 袋小路の男(講談社文庫)

袋小路の男3作の短篇が収録された短篇集で、2004年に単行本、2007年に文庫版が出版されています。

収録作品は「袋小路の男」、「小田切孝の言い分」、「アーリオ オーリオ」の3作で、そのうち「袋小路の男」、「小田切孝の言い分」はほぼ同じ登場人物で展開する不思議な恋愛小説で、二つは視点を変えた同じ物語ですが、見方が変わるだけで内容も変わり、「こういうやり方もあるのか」と感心しました。

個人的には3作の中で一番好きな「アーリオ オーリオ」は、パスタ好きで、星座に詳しい主人公と、兄貴の中学生の娘(姪)とのほのぼのとした物語で、手紙でやりとりする仲になり、その手紙が届く先を3光日先の星としてタイトルのパスタの名称を付けています。

少し前に読んだ白石一文著「記憶の渚にて」も、兄弟や甥、姪などの関係が甚だしい物語でしたが、このように、家族でも疎遠になっている兄弟や、姪などとの近そうで遠い微妙な関係というのは物語になりやすそうです。

★★☆

3月前半の読書と感想、書評 2024/3/16(土)

002 イッツ・オンリー・トーク (文春文庫)

2004年に単行本で発刊(2006年に文庫化)された著者の実質デビュー作で、題名となった中篇の「イッツ・オンリー・トーク」と、中篇「七障害」の二篇が収録されています。

2006年には、「イッツ・オンリー・トーク」を原作とし、廣木隆一監督、寺島しのぶや豊川悦司が出演する映画「やわらかい生活」が製作されています。

内容は、主人公のうつ病を引きずる独身女性が、フッと気になった大田区の蒲田へ引っ越してきて、様々な出会いや恋愛などを通じて日々淡々と生活していく話ですが、区会議員選挙に打って出るEDの友人、うつ病のヤクザ、痴漢友達?、自殺未遂をした男性のいとことの同居生活など、それなりに飽きさせることなく面白い展開が続きます。

私には縁遠い出世界観ですが、今の若い人にはこうした生活が普通に身近に感じるのかなっぁというのが感想です。

著者は私よりも9歳若い方ですが、これが出版されたのが18年前ですから、著者38歳の頃ということになります。

違うのは東京で生まれ育った著者に対し、社会人になるまでずっと田舎で育った私との差なのかも知れません。

それだけに、こうした性にも奔放でサバサバした女性主人公のような人は男女関わらず私の周囲には見当たらず、こうした小説の中だけで楽しませてもらっています。

★★☆

1月後半の読書と感想、書評 2022/2/2(水)

001 沖で待つ (文春文庫)

著者は1966年生まれで、大学卒業後、総合職として大手住宅設備機器メーカーの営業職を経験したのち、2003年に作家デビューされた方です。

その後いくつか文学賞を受賞されましたが、2005年にこの作品で芥川賞を受賞されています。

そのタイトルから、漁師さんの恋愛もの?ぐらいの想像しかなかったのですが、まったく違い、著者の住宅設備機器会社での仕事をメインに、恋愛とは違う新卒同期の友情?がテーマになっている話しです。

この文庫は、その受賞作と、やはり著者が仕事を辞めた後の経験を下敷きにしたと思われる「勤労感謝の日」と、すべてひらがなとカタカナで書かれた児童文学的な「みなみのしまのぶんたろう」の短篇とセットになっています。

どの作品も、なにかとても新鮮な感じで、面白く読めました。さすが芥川賞!です。正直、過去に読んだ中ではあまり面白いと思った芥川賞作品ってないのですけどね、、、

私も卒業後に入社した会社で、転勤が何度かあり、まったく知らない街にひとり住み、営業の仕事で地元の人と交渉する仕事をしてきたという共通点があり、主人公の心の中がよくわかります。

ただ、私の場合は、著者とは違い、楽観的で住めば都、どこへ行っても、その街が好きになり、このままずっと住んでも良いなと思いながら、数年後には後ろ髪を引かれつつ次の職場へ転勤していくという青春時代を送り、仕事も生活も人生でもっとも充実していた時期かも知れません。

タイトルは、主人公の同期の男性が書いた下手な詩の中に出てくる愛の言葉で、涙を誘う展開となっていきます。

★★★

10月後半の読書と感想、書評 2021/10/30(土)


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