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日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです
1793 6月後半の読書と感想、書評 2024/7/6(土)
1794 2024年5〜6月に見た映画 2024/7/13(土)
1795 7月前半の読書と感想、書評 2024/7/20(土)
1796 原付一種バイクの終焉 2024/7/27(土)



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6月後半の読書と感想、書評 2024/7/6(土)

1793
鍵のない夢を見る(文春文庫) 辻村深月

鍵のない夢を見る2012年に単行本、2015年に文庫化された短篇集ですが、この作品のトピックスとして一番なのは2012年の直木賞を受賞したことでしょう。

物語はそれぞれに独立した内容で、「仁志野町の泥棒」、「石蕗南地区の放火」、「美弥谷団地の逃亡者」、「芹葉大学の夢と殺人」、「君本家の誘拐」の5編からなり、それぞれ泥棒や放火、殺人(逃亡と自殺)、誘拐など、新聞の三面記事に取り上げられそうな犯罪がテーマとなっています。

日常的な風景と、同時にドキドキするミステリー的な要素もあり、なかなか楽しめます。ただ一般的に女性作家さんが書く男女間や女性間の会話が、私的にはストーリーと関係がない無意味なものが多いように感じられ、ざっくりすっ飛ばして読めるのは良いですが、なにかページ数だけが増えて無駄に感じてしまいます。

5編の中で「これが一番!」というのを取り上げようと思ったものの、実はどれもほどほどに面白く、かつ退屈でつまらなく、「これは!」というものがありませんでした。短篇集では「これが一番!」という、強く記憶に残る作品がいくつかあるのですが、それは残念に思いました。

★★☆

著者別読書感想(辻村深月)

            

悪しき正義をつかまえろ ロンドン警視庁内務監察特別捜査班(ハーパーBOOKS) ジェフリー・アーチャー

悪しき正義をつかまえろ著者の小説を読むのは今回が32作目となります。そのうち半分以上の作品が上下巻で一つの作品となっているので冊数でいうと50冊は超えていそうです。

今回の作品は、「ロンドン警視庁美術骨董捜査班」シリーズの第3作目で、本国では2019年(日本語翻訳版は2020年刊)に出版されています。

そのシリーズ第1作目の「レンブラントをとり返せ-ロンドン警視庁美術骨董捜査班-」は2022年に読んでいて、第2作目の「まだ見ぬ敵はそこにいる-ロンドン警視庁麻薬取締独立捜査班-」はまだ未読です。

2022年12月前半の読書と感想、書評(レンブラントをとり返せ)

内容的にはそれぞれ独自の展開なので、前作を読まないとまったく意味不明というわけではありませんが、物語の登場人物が連続しているので、順番に読んでいくのが正解です。しかし今回は2作目は飛ばして3作目を先に読むことになりました。

第1作目以来ずっと刑事の主人公を悩ます悪人は今回は脇役で、本作では麻薬の大物ディーラーと、主人公の刑事と同期で華々しい実績を上げている裏で私腹を肥やしている腐敗警官の二人との戦いがメインとなります。

主人公は日本では滅多に見られないおとり捜査を専門とする部署で、麻薬王を捕まえ、また腐敗警官の所業の証拠をつかみ二人とも裁判にかけられます。

しかし裁判では悪役に味方し、証拠をねつ造することもいとわない辣腕弁護士が今回も登場し、裁判所での法廷ドラマが物語の半分を占めます。

著者の小説の多くは、ミステリー的な要素はなく、善悪をハッキリと分けた上で、頭脳戦や偶然の運・不運により裁判の結果が二転三転して読者をドキドキさせるというスタイルを取っています。

そういう意味では、最後は黄門様が登場して解決する勧善懲悪ドラマと同じで、安心して読めますが、ちょっとその展開にも飽きてきたのが実感です。

そして一番の悪人は逃げ切って、次回作以降にも主人公を悩ますことになりそうです。引き続きこのシリーズを読むかどうかはちょっと微妙です。

★★☆

著者別読書感想(ジェフリー・アーチャー)

            

ふなうた 短篇集モザイクII(新潮文庫) 三浦哲郎

ふなうた過去に掲載された短篇作品をまとめて1991年に「みちずれ短篇モザイク集I」が出版され、それから3年後の1994年に単行本、1998年に文庫化されたのがこのモザイク集第2弾の本作品集です。

著者は元々短編小説やエッセイの名手ですが、文庫ベースで、1篇あたり10数ページという短篇の中でも短い作品の中で、それぞれが起承転結、ひとつの物語が情緒豊かに成り立っていることに驚きます。

最近の小説家には短篇が得意な人でも連作短篇という形式が多く、その場合は前に出てきた登場人物の性格や説明を省け、一種中編や長編小説的に物語が展開できます。

しかしこのモザイク集のように、ひとつひとつがまったく違った形状の物語をしっかりと読ませるテクニックは見事としか言いようがありません。短篇集なのに、なにか違った長編作品を一気に数本読んだような気分にさせられます。

収録されているのは、「ふなうた」、「こえ」「あわたけ」「たきび」「でんせつ」「やぶいり」「よなき」「さくらがい」「てざわり」「かえりのげた」「ブレックファ−スト」「はな・三しゅ」「ひばしら」「いれば」「ぜにまくら」「かお」「メダカ」「みのむし」の18篇で、初出はそれぞれ違いますが、文芸雑誌などに1991年(平成3年)から1994年(平成6年)に掲載された作品です。

あまりにも簡単にサクッと読めてしまうだけに、しっかりと余韻に浸る間もなく次の作品へと移ってしまい、もったいないですが、さらにまた次を読みたくなってきます。

★★★

著者別読書感想(三浦哲郎)

            

大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実(光文社新書) 仲村和代/藤田さつき

大量廃棄社会自他とも認めている巨大新聞社所属のエリートビジネスウーマンの二人が、SDGsをテーマに新聞記事を書いている中で、特に現状では日本のあまり知られていない不都合な真実にスポットをあて、やや上から目線で問題提起とその解決策を模索した内容となっています。

私自身、親の時代からずっと朝日新聞を購読して(学生時代に数年間他紙へ浮気したことはある)いますので、どちらかと言えば朝日新聞ファンでもありますが、どんな組織にも変テコなのが必ず混ざってきて、それが時に問題を起こしたりするので、敵も多いのが大手メディアの宿命でしょう。

先日読んだ、「朝日新聞の黙示録 歴史的大赤字の内幕(宝島社新書)」でも、散々な書き方がされていました。

それはさておき、本著ではアパレル業界と食品業界、特にコンビニなどの大量廃棄問題に注力した取材が行われています。

アパレルにしても食料品にしても割と国民はみな薄々とは知っていながらも、便利で安ければいいやとばかりに目をつぶってしまっているパターンではないかと思います。

私自身を振り返っても、衣料品を買ったりもらったりしても気に入らなければ簡単にゴミとして捨ててしまいますし、スーパーやコンビニで飲食品を購入するときには少しでも賞味期限の長いものを奥のほうから取り出します。

それらの陰で、本来は再利用できる衣料品や、賞味期限切れが近づいて捨てられる食料品が大量にあり、そうなってしまう仕組みの解説と、それに一石を投じる新しい仕組みや考え方が紹介されています。

ただ、高額所得のエリート社員とは違い、どうしてもお金のやりくりに苦心しながら日々の生活に汲々している庶民にとっては、安い衣料品がどこで誰の犠牲によって作られているとか、縁起物の恵方巻きや豪華なおせち料理が売れ残れば大量に廃棄されていることなどに関心がないのは当たり前のことで、それらは販売側や製造側の問題でしかありません。

高くて良いものより、安くて良いものを買うのは当たり前の心理で、賞味期限の近い食料品に関してはいくら勧められても余計なものまで買おうと思いません。

一般の人に訴求できるとしたら、値段が安くても海外製の安いEVに飛びつかず、高くても信頼が置ける国内メーカーのクルマを買ったり、安い外国製のタオルではなく、肌触りが良い国内生産のタオルが贈答用で大ヒットしたりする国内(生産)ブランド信仰をもっと浸透、普及させていくことで、食品も新鮮な地産地消が進められていくのではないでしょうか?

本文中に、衣料品が海外生産され「顔の見えない製造者」という言葉がよく出てきますが、元々消費する製品で製造者の顔が見えるものなど都会にあるはずもなく、なにか自分の言葉に酔っている?という感想も持ちました。すぐ手元にある赤鉛筆やボールペン、はさみ、パソコンなどの製造者の顔が見えますか?

本書の中には「広島のパン屋さんが、北海道の有機栽培の小麦農家から直接購入した小麦でパンを作って成功した」云々が書かれていましたが、その小口の小麦を遠く北海道から広島まで輸送する手間とエネルギー消費は相当なもので、「パンを破棄しないからそれですべてよし」というのはどうなのかなと思ってしまいました。

SDGsを言うなら、広島から世界へ輸出されている自動車の運搬船に、帰りの便ではそれぞれの地域の特産品をどっさり積み込み、広島やその周辺でそれらを使った料理や食品を作っているというのならわかりやすかったでしょう。

★☆☆

            

硝子の葦(新潮文庫) 桜木紫乃

硝子の葦2010年に単行本、2014年に文庫化された長編小説で、2013年に直木賞を受賞した「ホテルローヤル」のホテルが主な舞台となっている完全に別作品です。

主人公は、「ホテルローヤル」の経営者と結婚した女性で、その女性の母親と経営者は愛人関係にあり、また主人公はホテルの会計業務を請け負っている会計事務所の所長とずっと関係を持っているというややこしい関係があります。

言うまでもなく、著者の実家は釧路にあった「ホテルローヤル」に隣接する家で、ホテルの経営者の娘として生まれ育っていて、そうしたよく知っているラブホテルの経営などをモチーフとして使っているだけで、自伝的小説というわけではありません。

ジャンルとしてはミステリー小説と言えるもので、プロローグで主人公の女性が、厚岸(あっけし)の実家に自ら火を付け自殺したところから始まり、その主人公女性の周囲にいる様々な人とともに、なぜ女性がいきなり焼身自殺をしなければならなかったのか?どういう意味があったのか?などがクライマックスに向かって一気に露わになっていきます。

タイトルは、主人公女性が結婚後に通っていた短歌会で学んで創作した短歌をまとめ、自費出版で歌集を出すことになり、その自作の短歌に使われていたのが硝子の葦で、夫の意見でその言葉を歌集のタイトルにしたことから来ています。

同時期に読んだ辻村深月著「鍵のない夢を見る」の一部がそうでしたが、女性の暗くずる賢い計画的な犯罪が描かれていてゾッとしました。あまり現実的ではありませんが、あわれな周囲の男たちは、物語の中では単に刺身のツマに過ぎません。

★★☆

著者別読書感想(桜木紫乃)

【関連リンク】
 6月前半の読書 四つの署名、牛の首、残酷な進化論、盤上の夜
 5月後半の読書 火の壁、追想の探偵、70歳の正解、囚われの山
 5月前半の読書 護られなかった者たちへ、日本史の内幕、新章 神様のカルテ、ベロニカは死ぬことにした


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2024年5〜6月に見た映画 2024/7/13(土)

1794
岸辺露伴 ルーヴルへ行く  2023年 「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会
監督 渡辺一貴 出演者 高橋一生、飯豊まりえ、長尾謙杜

岸辺露伴 ルーヴルへ行く元の原作は荒木飛呂彦氏のコミック「ジョジョの奇妙な冒険」からスピンオフした「岸辺露伴は動かない」シリーズで、NHKがテレビドラマ化をしていますが、その製作メンバーで映画化されたものです。

NHKはドキュメンタリーが好きな私なのですが、連続ドラマは時間がかかり面倒なのであまり見ないため、このシリーズもまったく見ていませんでした。

漫画も読まず、ドラマも見ていない状態で、いきなり映画を見て理解できるかな?と思いましたが、問題なく楽しめました。

ルーブル美術館の中でロケが行われ、おそらく閉館後の人がいない時間帯にモナリザやニケなどの作品の前で撮影がおこなわれています。普段は有名な作品の前はものすごい人でゆっくり見られないと聞いたことがあります。

オークションで手に入れた作品の裏に「ルーブルで見た黒」という意味のフランス語が書かれていて、その謎を調べるためルーブルへ向かいます。

露伴「ルーブルへ行く」
編集者「え?ルーブルってフランスの?」
露伴「ルーブルと言えばそれしかないだろ?」

という会話がなされますが、作者はご存じなかったのか、ルーブルはフランス以外にもあります。私はその三重県にあるルーブルへ行ったことがあります。

ルーブル彫刻美術館
ルーブル彫刻美術館

ま、これは半ばジョークみたいな感じですが、運営者はいたって真面目なだけにそれなりに楽しめます。ただロゼッタストーンがデンと置いてあり、それは大英博物館だろ?とツッコミたくなります。

映画は江戸時代の絵描きが殺された妻の無念を真っ黒な絵に怨念を込めて描いた作品が海外に渡り、その後人知れずにルーブルの倉庫の中で見つかり、それを見た人間が次々と過去の妄想に襲われるといういたって漫画に向いた内容です。

贋作とか、怨念とか発狂とか、よくルーブルが撮影協力したものですが、過去からいろいろと協力関係のあるNHKの依頼だと断れないでしょう。

そういえば小説原作の映画「ダ・ヴィンチ・コード」はルーブル美術館の中で館長が謎の死を遂げるという刺激的な内容でした。この映画は良かったです。

★★☆

            

ハドソン川の奇跡(原題:Sully) 2016年 米
監督 クリント・イーストウッド 出演者 トム・ハンクス、アーロン・エッカート

ハドソン川の奇跡2009年1月にUSエアウェイズ1549便(機種エアバスA320)が離陸してすぐ鳥の集団の中に入ってしまい、2機のエンジンが両方とも停止してしまい、極寒のハドソン川に不時着させ、乗客乗員155人全員が無事に救出された実際に起きた航空機事故の映画化です。

バードストライクで両エンジンの出力が急速に低下という過去に例がない事態に遭遇し、連絡した管制塔からは空港へ引き返すか別の空港へ向かうよう指示されますが、そこまで飛べないと判断した機長と副機長は、真下に見えたハドソン川に着水することを決定します。

姿勢を崩さずうまく着水しますが、真冬のハドソン川で、長く水に浸かっていると凍死を免れず、機体が沈む前に乗員乗客は全員が主翼の上や脱出用スライドの上に避難し、救助に駆けつけてくれたフェリーボートや観光船に次々救助されていきます。

その判断に、航空機事故調査委員会の公聴会では、コンピュータシュミレーションや人間が操縦するフライトシュミレーターでも空港へ引き返すことが十分に可能だったのではないかと機長の判断ミスを指摘します。

しかし今回のように離陸と同時に両エンジン停止という過去に例のない事態で、異常が発生してからエンジンの再始動を試みたり、補助エンジン始動など、緊急時ハンドブックを見ながら様々な行動や判断をしなければならず、乗客の命の責任を負わず、単に異常が発生してすぐに空港へ引き返す練習を何度もしたフライトシュミレーターの結果だけでは比較にならないことを主張します。

実際に、バードストライクが起きて様々な判断や検討に要する35秒後に空港へ戻る飛行をシュミレーターでおこなった場合、滑走路手前で墜落することがわかり、機長の判断が正しかったことが証明されます。

英雄を称えた映画ですが、脇には家族の話や乗客の絆など、また機長の若き頃の経験なども挿入され、なかなか見どころの多い映画でした。

★★☆

            

ケイン号の反乱(原題:The Caine Mutiny) 1954年 米
監督 エドワード・ドミトリク 出演者 ハンフリー・ボガート、ホセ・フェラー

ケイン号の反乱タイトルの「ケイン号」とは、太平洋戦争中のアメリカ海軍が保有しているかなり老朽化した駆逐艦の名称で、その艦船で起きる新任艦長と部下たちの葛藤のドラマです。

前任の艦長は、規則にあまりうるさいことを言わなかったため、服装などの乱れが日常的にありました。

新任でやってきた新艦長は規律にうるさく、些細なことでも大げさに問題化するものの、自分のミスを部下の責任に押しつけることなどがあり、乗組員たちに疎まれます。

そんな中、小説家志望の通信士官が艦長は偏執症で異常行動があるので、もしそうなった時には副長が艦長から指揮権を取り上げて代わりに指揮を執るように副長に提案します。

そんな中、航海中に嵐に巻き込まれ、まともな判断ができなくなった艦長に代わり副長が指揮権を取り上げて適確な操艦指示を出し転覆の難を逃れます。

しかしこれが艦長の命令に従わず逆に解任して勝手に操艦した反乱罪にあたると軍法会議にかけられることになります。

そしてみんなを煽ってきた小説家志望の通信士官は、我が身を守るため軍法会議においてもそうしたいきさつの証言をせず、副長は追い詰められていきます。

人気スターのハンフリー・ボガートがその勇敢でまともな副長役かと思いきや、なんと悪人役で精神疾患のある新任の艦長役でした。その傲慢さと小心な神経質さを併せ持った複雑な演技力はさすがとしか言いようがありません。

しかし、ノー天気な終わり方ではなく、軍法会議は証人として呼ばれた艦長の自滅で勝利することになりますが、経験豊富で優秀だった艦長に最初から臆病者、偏執症と決めつけ精神的に追い詰めたのはその通信士官の行動ではないのか?という印象的なシーンがあります。

映画が製作されたのは太平洋戦争が終わってまだ10年も経たない戦争の記憶が色濃く残っていた時期ですが、悲惨で派手なドンパチドラマではなく、こうした軍隊の中の鮮やかな人間ドラマを描いているのはさすがとしか言いようがありません。

★★☆

            

ゴールデンカムイ 2024年 映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
監督:久保茂昭 出演者:山ア賢人、山田杏奈、玉木宏、舘ひろし眞栄田郷敦

ゴールデンカムイ原作は言うまでもなく野田サトル作の漫画「ゴールデンカムイ」で、その第1巻から第3巻の前半までを実写映像化した作品です。

時代は明治末期で、舞台は冬の北海道です。北海道では江戸時代以前には金の鉱脈があちこちで発見され、江戸幕府や明治政府から差別され虐待されてきたアイヌ民族が民族として自立するための資金とするため集めた多くの金塊がありましたが、その金塊を奪い、どこかに隠したのちに殺人犯として捕縛され網走監獄に収容されています。その隠された埋蔵金を探すというのが大まかなストーリーです。

主人公は日露戦争の二〇三高地で重傷を負いながらも生き延びて帰国しましたが、訳あって大金が必要になって北海道で金を掘り当てようとやってきますが、網走監獄からの脱走者から隠されたアイヌの金塊のことを教えられます。

山の中で羆に襲われたところでアイヌの少女に助けられ、事情を話したところ元々アイヌのものだった金塊探しに協力してくれることになります。アイヌ言葉や生活習慣などもちょくちょく出てくるので、そうしたアイヌの歴史や風習も知ることもできます。

函館で戦死したはずの土方歳三や、屯田兵を母体とする北海道の第7師団などもその隠された金塊を探していて、それぞれが集めると隠し場所がわかるという入れ墨を入れた網走監獄からの脱走犯たちを探し回ります。

すでに漫画本を読んでいて、映画の内容も基本はそれに忠実になぞった作りとなっていますが、やはり映像化するとイメージがわかりやすくて迫力も断然得られます。また羆やエゾオオカミなども出てきますが、CGでうまく作られていて違和感はありません。

漫画ではすでにずっと先の話へ進んでいるので、中途半端に終わった今回の映画ですが、当然今後続編が作られるのだろうと思われます。それにも期待したいです。

★★★

            

ダンディー少佐(原題:Major Dundee) 1965年 米
監督 サム・ペキンパー
出演 チャールトン・ヘストン、リチャード・ハリス、ジェームズ・コバーン

ダンディー少佐大物監督に、大物俳優陣を揃えた絢爛豪華な西部劇です。タイトルから想像したのは「イケてるチョイ悪オヤジ映画?」って思ってしまいましたが、原題を見ると伊達者を意味する「dandy」ではないので違うことがわかりました。

そう言えば「イケオジ映画」で、似たタイトルの堺雅人主演「クヒオ大佐」っていう結婚詐欺師の実話を元にした日本映画がありましたがそれともまったく関係ありません。

映画の舞台背景は、1864年から65年にかけて、アメリカ南北戦争中のアメリカとフランス軍が侵攻しているメキシコに渡るややこしい時代と地域で、その中に、悪者役としての先住民(アパッチ族)や、ヒロインのメキシコ独立運動家の女性などが関わってきます。

タイトルは主人公の名前で、南軍の捕虜を収容している砦と騎兵隊の責任者を務めているアメリカ北軍の将校です。ただ単に格好いいだけでなく、女性関係で悩み酒浸りになってしまう情けないところも見せてくれます。

近くの北軍の砦と町が武装した先住民に襲われ子供たちが誘拐されます。その子供たちを救い、武装した先住民グループを壊滅すべく、軍の命令がないまま本来の仕事でもない討伐を計画し、捕虜の南軍兵士を含めた討伐隊の志願兵を募ります。

北軍の兵士と南軍の捕虜との険悪な関係、北軍の黒人兵士と奴隷制がまだ残っている南部の白人兵士とのいがみ合い、メキシコに進駐し横暴な振る舞いをしているフランス軍との対立、そして子供をさらっていったアパッチ族との戦いと、とにかくあれこれ盛り込みすぎです。

その盛り込みすぎの影響で、時間や日にちが次々と先へ飛んでいき、タイトルに意味を込めたであろう主人公を中心とする男の友情や人間模様を描くのが難しく、どちらかというと派手なエンタメっぽい内容となっています。

★★☆

            

kapiw(カピウ)とapappo(アパッポ) アイヌの姉妹の物語 2016年 配給:オリオフィルムズ
監督:佐藤隆之
出演者:kapiw(カピウ:アイヌ語でカモメ)床絵美、apappo(アパッポ:アイヌ語で花・福寿草)郷右近富貴子

アイヌの姉妹の物語東京で暮らしている姉と、阿寒湖のアイヌコタンで働く妹の二人のアイヌ民族の姉妹が、お互いにぶつかり合いながら、また家族との日々の暮らしの中で、アイヌの伝統的な歌を披露するため釧路のライブ会場でデビューするまでを追ったドキュメンタリー映画です。

したがって、俳優やプロの演奏家などは登場せず、東京と阿寒でそれぞれの仕事をしながら子育てをしている普通のアイヌ民族の母親が主人公です。

撮影もプロのカメラマンが固定カメラで決められた演技を撮影するのではなく、手ぶれするポータブルビデオカメラで動きながら主人公たちや周囲の人たちの日常が撮影されていて、画面が盛んにブレるのでちょっと見づらいです。

アイヌ民族の歴史は深いものがあり簡単には書けませんが、無知な政治家が「日本人は単一民族で・・・」などアホなことを過去に発言したことがあるほど和人(本州系日本人)には認知度が低いものです。

そうした反省もあってか、国は2020年にはウポポイ(民族共生象徴空間)に「国立アイヌ民族博物館」を設置したりアイヌ民族の保護や文化の継承などを進めています。 

ただそうした役人が籏を振る国のハコモノよりも、野田サトル作の大ヒットコミックで、アニメや実写映画にもなった「ゴールデンカムイ」の中で、主人公とともにアイヌの金塊探しをするアイヌの少女の振る舞いや説明のほうがずっとわかりやすく理解度が進みそうです。

映画は、美しい北海道の自然や、2011年の原発事故で放射能から子供を遠ざけたい一心で東京から大阪へ行き、その後、実家のある北海道へ向けて深夜にクルマでひた走る母親の姿など、ドラマにはないリアリティな映像が見られます。

そして、長く別々で暮らしていた姉妹が、様々な葛藤を乗り越え、ライブ会場でディオとしてまた伝統的な楽器を弾きながら美しい歌を披露していくラストは感動的です。

★★☆

            

PERFECT DAYS 2023年 独・日本 製作 Master Mind他
監督 ヴィム・ヴェンダース 出演者 役所広司、柄本時生

PERFECT DAYSドイツ人監督を招いて、日本の新しい現代文化と、過去に流行った風習などを淡々とした目で追った2024年の米アカデミー賞にノミネート(結果は落選)された秀逸な作品です。

独身の主人公はスカイツリーに近い下町のボロアパートにひとり住み、極端に口数が少ない孤独な中年です。

仕事は都内の公衆トイレの清掃員で、外国人の目から見ると風変わりな最新のデザイナー公衆トイレで作業をおこなっています。

実際には映画に出てくるデザイナーズトイレは極めて少なく、ほとんどは昭和時代からさして変わらない3K(汚い、暗い、臭い)トイレですが、そういうところは出てきません。

ま、それは良いとして、主人公がなぜ今の仕事をしているのか、実の妹は運転手付きの高級車に乗っているほど裕福なのにどうして極貧生活を送っているのか、などハッキリとは示唆されませんが、仕事で移動するクルマの中ではコレクションしているカセットテープで古い洋楽を好んで聴き、毎晩寝る前にはフォークナーや幸田文などの文学をたしなむなど、なにか過去に訳ありって印象を植え付けます。

風変わりなデザイナーズトイレとともに、トイレ掃除の徹底した職人的気質や、毎日寸分の違いもなくルーチン化した規則正しい生活など、外国人が特に興味がわいた部分を強調しているなぁと感じました。

これは、リドリー・スコット監督で日本の犯罪組織を描いた「ブラック・レイン」(1989年)でも、派手な漢字のネオン、デコトラなど外国人が見て異様に思えたシーンがやたらと入っていました。

また石川さゆりが、主人公が馴染みにしているスナックのママをしていて、カラオケで歌を披露したりとサービスも満点です。

しかし、結局主人公の正体はわからずじまいで、なにが言いたかったのだろう?とスッキリしない終わり方は最近の流行なのかも知れませんが、個人的にはモヤモヤが残ったままで残念です。

★★☆

【関連リンク】
2024年3〜4月に見た映画 敦煌(1988年)、旅立ちの時(1988年)、ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年)、リーサル・ウェポン4(1998年)、アルゴ(2012年)、長い灰色の線(1955年)

2024年1〜2月 東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜(2007年)、ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年)、ジョー、満月の島へ行く(1990年)、カウボーイ(1958年)、かもめ食堂(2006年)、ビューティフル・マインド(2001年)、騙し絵の牙(2021年)

2023年11〜12月 暴力脱獄(1967年)、ゴジラ -1.0(2023年)、ブロンコ・ビリー(1980年)、ティアーズ・オブ・ザ・サン(2003年)、ゼロの焦点(2009年)、バグダッド・カフェ(1987年)


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7月前半の読書と感想、書評 2024/7/20(土)

1795
メルカトルかく語りき(講談社文庫) 麻耶雄嵩

メルカトルかく語りき
著者の代表作になっている「銘探偵メルカトル鮎シリーズ」の9作品目の連作短編小説集で、2011年に単行本、2014年に文庫化されています。著者の作品では2年前にシリーズ外の「隻眼の少女」を読んでいます。

短篇は「死人を起こす」「九州旅行」「収束」「答えのない絵本」「密室荘」の5作品が収録されていて、それぞれにつながりはなく、主人公の探偵とワトソン役の作家の男性だけすべての作品に登場します。

タイトルはニーチェの「ツァラトストラかく語りき」から来ているものと思われますが、思想や哲学的な内容ではなく、主人公の自称銘探偵、メルカトル鮎という人物が、トリックを見破り、ロジカルに事件を解説していくというスタイルです。

普通の探偵ものとは違い、事件の謎は解くものの、犯人はわからないまま終わったり、次に誰が殺されるかで犯人が特定できるとか、(私のような)事件解決でスッキリしたい人にはモヤモヤが残ります。でもこの本を読んでからはそういうトリックものもアリかなと思いました。

特に最後の「密室荘」は、主人公の別荘に忽然と現れた謎の死体についてあれこれ推理をするわけですが、夜中の密室状態で起きたことで、主人公と保養にきていた友人の男性の二人しか容疑者は考えられず、また、密室でなかったということにすれば、探偵として犯人を捕まえないと名声に傷が付くからできない、それならばいっそなかったことにしようと、セメントで地下に埋めてしまいます。

こんな探偵今までいました?って笑ってしまいます。

★★☆

            

新聞という病(産経セレクト) 門田隆将

新聞という病
2019年に発刊された新書で、産経新聞や雑誌に掲載したエッセイを集めて再編したものです。したがって、掲載した産経新聞を揶揄するものではなく、朝日新聞や毎日新聞などを糾弾する内容となっていて、朝日新聞のよき購読層はその舌鋒鋭い?批判は考えさせられると言うより怒りかそれともそれを通り越して笑えてくるでしょう。

特に朝日を叩くには「慰安婦問題」や「吉田調書問題」など後で誤報とわかったことを微に入り詳細に語ればOKということで、繰り返し何度もそればかりが強調されています。

新聞や雑誌、ネットニュースなども含めてメディアの記事は誤報や作為の百貨店みたいなもので、現代の多くの人は話半分にしか思っていません。一言取り消せばなんでも許されてしまう政治家の発言と同じくらい軽いものです。

一方、著者が仕事をもらっている産経新聞は良識的な記事を書いていると思いっきりヨイショしています。そりゃ、お得意様の悪口は辛口ジャーナリストといえども書けないでしょう。

ちなみに、2022年下半期平均の販売部数は、朝日新聞が397万部で、著者が褒め称える産経新聞はたった99万部と朝日が4倍以上の大差を付けているというのが世の中のというか国民の常識的な判断であり、著者が存在自体を疑う朝日新聞の購読数が減少していると言っても、それは産経新聞含めすべての新聞に共通することであり、なにか著者の都合の良いデータや出来事だけをうまく使って著者の身勝手な主張をしています。

いずれにしても新聞の衰退はもう止めることはできそうもなく、大量の紙とインクを使う新聞紙はSDGsの観点からもいずれ問題化されるのは必至のことでしょう。

新聞の電子化で生き残ることはできますが、それは事業規模が1/100ぐらいに縮小するということと同義で果たしていまの巨大なメディアがそのまま生き残れるとは思いません。

そうだとすればメディアは自分たちの思想や信条を明確にし、その中でそれぞれが購読者を得ていく方策をとらざるを得なく、小さなパイで細々とやってきたフジサンケイグループと、昭和時代に大きな財産とファンを作ってきた朝日グループや読売グループを同じ土俵で比べるのもおこがましいとしか言いようがありません。

しかし巨大な権力、国会議員や大企業経営者、そしてメディアの報道姿勢などに(自己中心的ですが)堂々と噛みつける人は今や貴重な存在ですので、これからも頑張ってもらいたいものです。

★☆☆

            

臨床真理(角川文庫) 柚月裕子

臨床真理
2008年の「このミステリーがすごい!」の大賞に輝き、2009年に単行本、2010年に文庫化された著者のデビュー作品です。著者の小説はすでに5作品を読んでいますが、このデビュー作品はかなりの力作だと思います。

内容的にツッコミどころはいくつもありましたが、ラスト近くで判明する意外などんでん返しとか、エンタメ性とともに、医者と看護師の間に入り、精神病など見えない敵に取り組む臨床心理士の苦労が偲ばれます。

主人公は、国立病院に勤務する新米の臨床心理士の女性で、ある福祉施設に入所していて傷害を起こした難しそうな青年のカウンセリングを受け持つことになります。

その青年と福祉施設で仲の良かった同じく入所している少女がある日腕を切り自殺を図ります。その自殺が信じられず、救急車の中で福祉施設の所長に斬りかかり、救急隊員などに怪我を負わせてしまいますが、精神錯乱の上の行為と言うことで医療病院へ収容されます。

その青年には、声に色が付いて見えるという不思議な能力があり、誰にも信用されず精神異常と判断されています。その声の色で相手が嘘をついているとか信じてくれているとかがわかります。

臨床心理士は、その青年に寄り添い、少女の自殺の真理を探し求めて奔走することになりますが、その方法が名刺も持たずに福祉雑誌の記者になりすまし、役所や企業の担当者に取材を申し入れ探りを入れるとか、高校時代の同級生で今は警察官になっている男性に非合法な協力を求めたりと、常識では考えられないリアリティのない場面も結構あってそういうところにまだ新人作家時代の甘さを感じさせられます。

★★☆

著者別読書感想(柚月裕子)

            

釧路湿原殺人事件(講談社文庫) 内田康夫

釧路湿原殺人事件
著者のミステリーは「浅見光彦シリーズ」や「信濃のコロンボシリーズ」が有名ですが、本作品はそのいずれにも属さない大学教授の老夫婦がフルムーン旅行で事件に関わり謎を解決していくストーリーとなっています。1989年に単行本、1993年に文庫化されています。

主人公の一人娘が国立公園の釧路湿原で勤務している環境省(執筆当時は環境庁)に属するエリート官僚との結婚式を東京のホテルであげ、新婚旅行へ行く直前に釧路湿原で事件が発生し、夫は新婚旅行をとりやめて釧路へ急遽戻ることになります。

釧路湿原で行方不明になっていた男性は他殺と判明し、開発業者側であったために対立していた自然保護の官僚に疑惑が向けられます。

娘の夫、つまり義理の息子のために釧路へやってきた主人公が様々な関係者に会って複雑な人間関係や利権、そして義理の息子が隠している謎を推理していくという流れです。

浅見光彦シリーズなら、警察庁刑事局長の弟だとわかると警察は急に協力的になって事件捜査に全面協力してくれます。今回は北海道警の幹部が主人公の大学時代の教え子ということがわかり、それまでの被疑者の父親で共犯者という立場から一転し協力的になります。この警察の態度が急変するというのは著者の得意とするところです。

この作品は以前に橋爪功主演の「旅情サスペンス 釧路湿原殺人事件」(2001年)としてテレビでやっているのを見ています。小説の内容もそうですが、ドラマも20年以上前のロケなので現在とはだいぶんと違った風景になっている感じです。

★★☆

著者別読書感想(内田康夫)

【関連リンク】
 6月後半の読書 鍵のない夢を見る、悪しき正義をつかまえろ、ふなうた、大量廃棄社会
 6月前半の読書 四つの署名、牛の首、残酷な進化論、盤上の夜
 5月後半の読書 火の壁、追想の探偵、70歳の正解、囚われの山


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原付一種バイクの終焉 2024/7/27(土)

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以前から噂には上がっていましたが、原付(1種)用の50ccエンジンが、2025年から始まる排ガス規制の関係で新たに製造ができなくなるということがいよいよ現実化してきました。

原付き免許 規則見直しへ 条件満たした125ccバイク運転可能に(NHK 2023年12月21日)
「原付き免許」で運転できる「原付きバイク」は、現在の道路交通法では、総排気量が50CC以下の二輪車を指しますが、再来年の11月以降、排ガスの規制基準が強化され、現在のエンジン性能のものは、新たに生産できなくなります。
このため警察庁は、専門家を交えた会議を設置して、「原付きバイク」の区分に総排気量が125CC以下のバイクを含めることについて、検討してきました。

ホンダスーパーカブ50cc原付(1種)二輪車は、戦後まもなくの1952年に商店などビジネス用途として自転車に小型エンジンを組み合わせるというスタイルで登場し、その後ホンダからスタイリッシュで丈夫なスーパーカブが登場し、一気に普及していきました。

その後は商用に限らず、普通自動車免許で運転できる二輪車としてレジャーやスポーツ用途モデルも数多く展開されていきます。

しかし1980年には約200万台が販売されていた50cc原付(1種)バイクですが、42年後の2022年は13万台と、ピークの頃から1割以下に減っています(データ:日本自動車工業会)。

そしてこの50ccエンジンを使った二輪車は世界で見るとガラパゴスで、世界中で日本しか普及せず(世界の主流は125cc以上)、その原付バイクの需要の多くをまかなってきた若い頃の団塊世代が成長し、また裕福になるにつれ販売は縮小し、中・大排気量2輪車が輸出に力を入れていけるのに対してその役目は終わりに近づいています。

ヤマハギアこれでは排ガス規制に対応するため新たに50ccエンジン開発に投資することもできず、結果的に、中排気量の100cc〜125ccの排ガス規制対応された既存エンジンを代用品として使うしかありません。

このクラスのエンジンを使う二輪車は、四輪車がまだ高額な発展途上国などで需要が高く、現在のこのクラスの二輪車のは日本メーカーのものでも製造はアジアの国々で、そこから輸入されています。

原付1種(50cc)ならば普通自動車免許証があれば運転ができますが、100〜125ccのエンジンを積む二輪車(小型自動二輪/2種原付)を運転するには、小型限定普通二輪車(小型限定)免許証が必要です。四輪免許とは別に、二輪を使った実地検定を受ける必要があります。

しかし「ない袖は振れない」と、この100〜125ccエンジンを搭載したバイクでも原付(1種)免許で運転できるようにとの法改正がおこなわれます。

スズキアドレスV50ただし、その原付(1種)または普通四輪免許で運転ができるバイクには速度や出力規制が加わり本来の100〜125ccエンジンの原付2種のバイクとは区別されるようです。見た目(大きさ)はまったく同じ(ナンバープレートは当然違ってくる)でも、運転できる免許証の種類が違ってくるというややこしさです。

それに、本来出せる出力を限定するということは、ちょっと工夫すれば限定をカットすることも可能でしょう。普通四輪車でも180km/hでリミッターがかかりますが、それを解除する装置は(合法的に)普通に購入ができます。

そうなれば、わざわざ教習所や試験場で実地検定を受けなければならない小型限定免許を持っている意味が薄れてきそうです。小型限定免許証を持っている人は、中型免許(400ccまでのバイク運転免許)が運転できるなど同時に枠を広げるとかならわかりますが。

また、近所にある私鉄駅の駐輪場には「バイクは50cc以下の原付バイクに限る」と表示されているところがあります。

それっておそらく「50ccバイクは小型だから」という今となっては根拠のない基準になってしまいます。駐輪場を排気量別で区別するのはもう時代遅れです。

これらのバイクの排気量と免許問題は、やがて確実にやってくる「電動バイク」が普及するまでの一時しのぎという気もしますが、まだ十数年は内燃機関バイクが主流でしょうから、適当ではなくちゃんとしたルールを製造業者と利用者の意見を良く聞いて作ってもらいたいものです。

最後に個人的な意見を言えば、エコという点では自転車には劣りますが、バイクほどエコでかつ遠くまでの移動や輸送に適した動力付きの乗り物は他にありません。

四輪のように幅広くて舗装された道路インフラが必要だったり、大量の排気ガスを出すわけでもなく、自転車よりもずっと早く楽に遠くへ移動することが可能です。

自然災害の多い日本では、その災害地に様々な緊急支援物資を積んで道なき道を走り一番最初に入っていけるのはバイクなのです。そのバイクから電気が止まった被災地に緊急電源を供給することも可能です。50ccエンジンでも発電機代わりとして使えます。

燃費が優れているハイブリッド4輪車が燃費20km/Lだ、30km/Lだ!と競っていても、普通の原付バイクの燃費50km/Lや60km/Lには遠く及びません。

そうしたエコの代表格でもある二輪車、特に燃費の優れた小排気量バイクに対して行政はもっと活用推進をするべきであって、規制や制限をかけていくのは時代の逆行でSDGsを毀損しているとしか思えません。

【関連リンク】
1246 原付と小型限定二輪免許の行方
1058 二輪へのABSとCBS装着義務化の疑問
798 下がり続けている二輪車の販売動向

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