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桜木紫乃 SAKURAGI SHINO 既読書籍

004 硝子の葦 003 蛇行する月
002 ラブレス   001 ホテルローヤル
読書感想は2010年頃以降から書くようになりました。それ以前に読んだ本の感想はありません。


1965年北海道生まれ。高校卒業後、裁判所でタイピストとして勤めたが、24歳で結婚して退職し、専業主婦となる。2人目の子供を出産直後に小説を書き始め、原田康子も所属した文芸誌「北海文学」の同人として活動。2007年に『氷平線』で単行本デビュー。『ホテルローヤル』(2013年)で第149回直木三十五賞受賞。(Wikipediaより引用 2022年)


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004 硝子の葦(新潮文庫)

硝子の葦2010年に単行本、2014年に文庫化された長編小説で、2013年に直木賞を受賞した「ホテルローヤル」のホテルが主な舞台となっている完全に別作品です。

主人公は、「ホテルローヤル」の経営者と結婚した女性で、その女性の母親と経営者は愛人関係にあり、また主人公はホテルの会計業務を請け負っている会計事務所の所長とずっと関係を持っているというややこしい関係があります。

言うまでもなく、著者の実家は釧路にあった「ホテルローヤル」に隣接する家で、ホテルの経営者の娘として生まれ育っていて、そうしたよく知っているラブホテルの経営などをモチーフとして使っているだけで、自伝的小説というわけではありません。

ジャンルとしてはミステリー小説と言えるもので、プロローグで主人公の女性が、厚岸(あっけし)の実家に自ら火を付け自殺したところから始まり、その主人公女性の周囲にいる様々な人とともに、なぜ女性がいきなり焼身自殺をしなければならなかったのか?どういう意味があったのか?などがクライマックスに向かって一気に露わになっていきます。

タイトルは、主人公女性が結婚後に通っていた短歌会で学んで創作した短歌をまとめ、自費出版で歌集を出すことになり、その自作の短歌に使われていたのが硝子の葦で、夫の意見でその言葉を歌集のタイトルにしたことから来ています。

同時期に読んだ辻村深月著「鍵のない夢を見る」の一部がそうでしたが、女性の暗くずる賢い計画的な犯罪が描かれていてゾッとしました。あまり現実的ではありませんが、あわれな周囲の男たちは、物語の中では単に刺身のツマに過ぎません。

★★☆

6月後半の読書と感想、書評 2024/7/6(土)

003 蛇行する月 (双葉文庫)

2013年に単行本、2016年に文庫化された連作短編小説です。自身の出身地でもある釧路近くが舞台で、思うようにいかない仕事や、妻子あるずっと年上の男性と駆け落ちした高校時代の同級生の話しとか、創造が書いたことが主体でしょうけど、現実的にどこにでもありそうな話しが中心です。

過去には「ラブレス」や、直木賞を受賞した「ホテルローヤル」を読みましたが、舞台が同じと言うこともあり、なんとなく続編や番外編を読んでいるような錯覚にもなります。

最近の作品は知りませんが、人気作家となった今では、これからもっと小説の舞台や登場人物の幅を拡げていく必要がありそうです。

それとも、あえてこの北海道、しかも釧路というシチュエーションにこだわっていくのかな?

こだわって書くのも一つの持ち味で、悪くはないと思いますが、名前で売れると踏んだ出版社からはやいのやいのと言われているでしょうね。「旅費を出すから海外に取材旅行へ行きましょう!」とか。

この著者が書く労働は、常に暗く厳しく、まるで蟹工船のような過酷なもので、そうした中でもがき働く人物をうまく描写していくというのがお得意です。

よほど、労働においては今までろくなことがなく、恨みを持っているなということが考えられますが、それは売れっ子作家になってからは改善できたのか気にかかるところです。

★★☆

7月後半の読書と感想、書評 2018/8/1(水)

002 ラブレス (新潮文庫)
2013年に「ホテルローヤル」で直木賞に輝いた著者の2011年の長編大河作品です。北海道釧路市出身ということもあり、この作品も釧路周辺が舞台となっています。

少し前に有吉佐和子著「紀ノ川」を読みましたが、そちらが裕福な素封家に生まれ育ち、子育てする女性の一生とすると、こちらは北海道開拓村の極貧の中で生まれ育った女性の波乱の一生です。

時代は昭和の戦後まもなくから始まり、主人公の子供世代から現代まで続きます。

とにかく親が貧しく教育もないため、暗くて非情な話しが延々と続きます。ま、遠く離れた地方では、そういう時代も確かにあったのでしょう。読み進めるのは結構重たく息苦しさを感じます。

救われるのは主人公が誰もが褒める抜群の音感や歌唱力をもち、それが後に引き裂かれる最初の子供にも引き継がれていくことかな。

Every Little Thingのメンバーでギタリストとしても有名な伊藤一朗氏が、NHKの番組の中で「衣・食・住に関わりのない音楽をこの先やっていっていいのだろうか?(食えるのだろうか)」という悩みがあったことを告白してましたが、戦後の食うや食わずの時代に音楽の才能を生かして食っていくというのはかなり厳しい選択だったろうなと想像が付きます。

主人公は、昼は仕立ての仕事でミシンを踏み、夜はキャバレーやクラブで歌手として演歌も歌えば客のリクエストに応じて何でも歌うという過酷な環境の中でひとりで子育てをしていきます。

時代背景はほとんど描かれませんが、大人になってからは高度成長期に入って、地方にもその恩恵が次第に行き渡ってきた頃ですが、そうした中でもがき苦しみ、最後には少しホッとさせられるエンディングが待っています。

★★★

4月後半の読書と感想、書評 2018/5/2(水)

001 ホテルローヤル (集英社文庫)
2014/11/17読了(感想文行方不明)

「BOOK」データベースより
北国の湿原を背にするラブホテル。生活に諦念や倦怠を感じる男と女は“非日常”を求めてその扉を開く―。恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻。アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。ささやかな昴揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出て行く。人生の一瞬の煌めきを鮮やかに描く全7編。第149回直木賞受賞作。



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