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辻村深月 TSUJIMURA MIDUKI 既読書籍
004 | 鍵のない夢を見る | 003 | 冷たい校舎の時は止まる |
002 | スロウハイツの神様(上)(下) | 001 | ツナグ |
1980年山梨県生まれ。2002年千葉大学教育学部を卒業。卒業後は甲府にある県庁村会事務所で団体職員として働きながら執筆を続け、2004年「冷たい校舎の時は止まる」で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞を受賞。2018年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞受賞。(Wikipediaより引用 2022年) |
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004 | 鍵のない夢を見る(文春文庫) | |
2012年に単行本、2015年に文庫化された短篇集ですが、この作品のトピックスとして一番なのは2012年の直木賞を受賞したことでしょう。 物語はそれぞれに独立した内容で、「仁志野町の泥棒」、「石蕗南地区の放火」、「美弥谷団地の逃亡者」、「芹葉大学の夢と殺人」、「君本家の誘拐」の5編からなり、それぞれ泥棒や放火、殺人(逃亡と自殺)、誘拐など、新聞の三面記事に取り上げられそうな犯罪がテーマとなっています。 日常的な風景と、同時にドキドキするミステリー的な要素もあり、なかなか楽しめます。ただ一般的に女性作家さんが書く男女間や女性間の会話が、私的にはストーリーと関係がない無意味なものが多いように感じられ、ざっくりすっ飛ばして読めるのは良いですが、なにかページ数だけが増えて無駄に感じてしまいます。 5編の中で「これが一番!」というのを取り上げようと思ったものの、実はどれもほどほどに面白く、かつ退屈でつまらなく、「これは!」というものがありませんでした。短篇集では「これが一番!」という、強く記憶に残る作品がいくつかあるのですが、それは残念に思いました。 ★★☆ 6月後半の読書と感想、書評 2024/7/6(土) |
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003 | 冷たい校舎の時は止まる(上)(下) (講談社文庫) | |
大学卒業後、団体職員として働きながら書いた実質的なデビュー作で、2004年に単行本、2007年に文庫化されました。 デビュー作というと荒削りなものが多い中、とても新人とは思えない書きっぷりで驚きました。 文庫で上・下巻計約1000ページ(単行本は3巻で計約800ページ)とかなり多い分量で、読み始める前まではやや身構えましたが、一度入っていくとグイグイと物語の中に吸い寄せられました。 内容は、8人の高校生クラスメイト達が、大雪の中、校舎に閉じ込められます。その2ヶ月前におこなわれた文化祭の最終日にはクラスメイトのひとりが校舎の屋上から飛び降り自殺をして亡くなるという事件が起きています。 ところがその閉じ込められた8人には誰が飛び降りたのか記憶が消されていて、そのクラスメイト8人の中のひとりではなかったか?その自殺した人間が作りだした精神世界に連れてこられたのか?という疑心暗鬼が生まれてきます。 とにかく8人の過去の闇、友人関係、親子関係、イジメ、親子心中、援助交際などが露わになってきますが、それにしても8人分あるので長いです。 ミステリー小説と言うことで、いろいろとルールに則した内容になっていますが、結果はちょっと意外でズルイという感じもしました。 面白かったけど、やっぱり長過ぎ。この内容だったら文庫1冊でなんとかして欲しいところですって言うか、8人もいるか?と思いましたが、8人が絶海の孤島に閉じ込められひとりずつ謎の死を遂げる「そして誰もいなくなった」をインスパイアしたものとなっているのでしょうかね。 ★★☆ 3月後半の読書と感想、書評 2022/3/30(水) |
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002 | スロウハイツの神様(上)(下) (講談社文庫) | 著者の小説は以前短編集の「ツナグ」(2010年刊)を読んでいます。この2007年刊(文庫版は2010年刊)の長編小説が2作品目です。 読んでみてすぐに思ったのは、これは映画化するのに向いた作品で、既にあるなら見てみたいと思いましたが、残念ながら制作はされていません。どうしてかな? ストーリーは、東京郊外にあるスローハイツという元旅館をリフォームした古びたシェアハウスに住むアーティスト達の人間模様というドラマです。テラスハウスじゃないですが、今なら若者に受けそうなテーマでしょ? 戦後に手塚治虫氏を慕って全国から漫画家の卵達が集まってきたトキワ荘のイメージで、それを現代版に焼き直したという感じです。 住人は脚本家として活躍している女性オーナー、既に超売れっ子作家になっている男性とその担当の敏腕編集者、その他には映画監督や画家、漫画家を目指している若い卵達です。 出てくる男女とも、皆良い人ばかりで、こういうメンバーが集まればシェアハウス生活も楽しいかもですね。世の中そううまくいくことは少ないでしょうけど。 やがて、オーナーの脚本家がアメリカへ行くということで、このチームに終わりが訪れます。オチはその後に判明しますが、意外性もあってたいへん面白く読めました。 ★★★ 8月前半の読書と感想、書評 2020/8/15(土) |
001 | ツナグ(新潮文庫) | 1980年生まれという若手女流作家さんの作品で、デビューは2004年ともう12年も前ですが、今回初めて読みました。2012年にはまだ読んでいませんが「鍵のない夢を見る」で直木賞を受賞されています。 この連作短編小説は2010年に刊行され、2011年には吉川英治文学新人賞を受賞、2012年には松坂桃李主演で映画が製作されています。 主人公は死者と生者のあいだを取り持ち、死者と再会させてくれるという使者(ツナグ)の若い男性。というと、恐山のイタコを思い浮かべますが、霊が乗り移って言葉だけを伝えるのではなく、亡くなった人が現実に現れ、二人だけで数時間会うことができるという設定。 梶尾真治著の「黄泉がえり」(1999年)も10年以上前に読みましたが、あれも願うことで死者と出会うことができるというのがテーマでしたから、本質的に似ていると言えば似ています。 もう一つ、伊坂幸太郎著の「死神の精度」(2005年)はそうした媒介者ではなく、死神が主人公で少し違いますが、連作短編という形ではよく似た感じです(それらを参考にしていたかどうかは知りませんが)。 これらの作品はいずれもすぐに映画化されるところを見ると、こうした死者と生者の関係性を扱うテーマは映画に向くのでしょう。 なので、中高校生や夢見がちな若い女性ならともかく、ロマンの欠片もなくなった中年男が読むには内容が無理目ではありますが、ストーリーもよくできていて、なかなか面白く、これなら映画制作者の目にもとまるだろうなぁって気がしました。 ★★☆ 1月後半の読書と感想、書評 2016/2/3(水) |
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