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リストラ日記アーカイブ 2014年1月
読みやすいようにアーカイブは昇順(上から古いもの順)に並べ替えました。上から下へお読みください。

日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです
779 12月後半の読書と書評、感想 2014/1/2(木)
780 あらためて高齢社会白書を概観してみる 2014/1/5(日)
781 労働移動が助成金で弾みがつく? 2014/1/8(水)
782 転職適齢期というのがあるとすれば 2014/1/11(土)
783 1月前半の読書と感想、書評 2014/1/15(水)
784 リス天管理人が選ぶ2013年に読んだベスト書籍 2014/1/18(土)
785 2020年東京オリンピックに向けていますぐ日本がやるべきこと 2014/1/22(水)
786 緑茶うんちく話 2014/1/25(土)
787 世帯内単身者の増加が引き起こすかも知れない社会問題 2014/1/29(水)

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12月後半の読書と書評、感想 2014/1/2(木)

779
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
初日の出

今年のブログ1発目は読書感想です。ちょっとどうかなと思いましたが、私にとって夏休みと冬休みはまとめて本が読める貴重な連休ということもあり、またネタ不足の折、いいかなと。

−◇−−◇−−◇−−◇−−◇−−◇−−◇−−◇−

植物図鑑 (幻冬舎文庫) 有川浩

阪急電車」や「図書館戦争」で一躍有名作家となった有川浩さんの2011年(文庫は2013年)作品です。例によってほんわかとしたライトノベルな恋愛小説です。夢見る乙女には最高なものでしょうけど、夢など見ない中年オヤジでも昔懐かし野草を食べるという興味をひき結構楽しめます。

タイトルが植物図鑑ですから、小説の中身もそれに近いものがあります。つまり主人公の女性が、ある日偶然出会った行き倒れの男を自宅へ連れ込み、そのイケてる男がやたらと雑草に詳しく、自宅の近所で取れる雑草を次々と料理に代えていくという物語です。

しかし連れ込んだ男に対して、元彼が残していった服や避妊具を使わせようとするなんざ、ちょっと考えられないことをする人だと思うのですが、今の若い女性にとっては、別に気にすることもない普通のことなのでしょうかね?おお怖。

そう言えば「阪急電車」の中でも電車の中で出会う男女が、電車の沿線の崖に生えている山菜かなにかを一緒に取りに行くとかそういうシーンがありました。著者にはそういう趣味が元々あるのでしょうね。

私の子供の頃にはまだ近所には畑や田んぼが残っており、そこに生えているヨモギを摘んでよもぎ餅をつくってもらったり、ツクシも白味噌であえて食べたり、はこべは飼っていたジュウシマツの餌にと子供ながらに野草を選び分けてそれなりにうまく付き合っていたことを思い出します。

この小説のタイトルを見て阿刀田高著「花の図鑑」を思い出した人は、かなりの日経新聞連載小説通か、阿刀田高ファンでしょう。その小説はバブル時代がいままさに開かんとする1980年代後半に日経新聞朝刊で連載されていた小説で、私は通勤中に全部読みました。

その中では女性のタイプを花で例えて書いてあり、いかにも当時の日経新聞の主たる読者の中年以上のオッサン向けの小説だなぁと思っていました。

一方の「植物図鑑」では、その「花の図鑑」の逆をいったか、『男の子に美少女が落ちてくるなら女の子にもイケメンが落ちてきて何が悪い!ある日道端に落ちていた好みの男子。』とPRには書かれています。

つまり女性が書いた女性向けのお花(雑草)の、甘く切なく元気の出る夢の物語と言ったところでしょうか。

ちなみに出てくる植物は、ヘクソカズラ、フキノトウ、ツクシ、ノビル、セイヨウカラシナ、タンポポ、イヌガラシ、スカシタゴボウ、ワラビ、イタドリ、ユキノシタ、クレソン、ノイチゴ、イヌビユ、スベリヒユ、アップルミント、アカザ・ソロザ、ヨモギ、ハナミズキなど。

著者別読書感想(有川浩)

            

四畳半神話大系 (角川文庫)  森見登美彦

2003年に「太陽の塔」でデビューした森見登美彦氏の2005年(文庫は2008年)の作品です。私の年代で「四畳半」と言えば、永井荷風著「四畳半襖の下張り」(あるいはそれを原作とした宮下順子主演『四畳半襖の裏張り』)とか、松本零士氏の「男おいどん」の世界なのですが、若い人(著者は30代前半)にとってはもう死語化していると思いきや、こういった小説があるとはちょっと驚きです。

この森見氏と「鴨川ホルモー」の万城目学氏とは年代こそ違えど、京都大学へ通う貧乏学生の話しをコミカルに書くことなどがよく似ていて時々作者と作品を間違います。森見氏のほうが京大では3年ほど後輩ですが、作家デビューは在学中にデビュー作を書いた森見氏が逆に3年ほど早いようです。

さてこの小説、、、変わっています。

京大に入学した主人公が、さぁ青春を楽しもうとキャンパス内で勧誘をしている様々なクラブやサークルの中からこれはと思った4つの不思議なサークルに所属した場合の4つのキャンパスライフが描かれています。

どうなんでしょう。それぞれの物語に主人公と周囲にいる人達には微妙な違いが発生しているわけですが、登場人物はどの話でも限られていて、その中だけで終始し、完結していきます。

読者はどの人生が気に入ったとか、これは酷いと思ったかなどの感想をもつことを期待されるのかもしれませんが、4つのストーリーに分かれているものの、その中の半分ぐらいは前のストーリーと一字一句変わらない場面が繰り返されるので、なんとも言えない既視感というか、一度読んだ本を間違って買ってきてそれを読み進めていくうちに「あ!これ前に読んだぞ」と自らのミスに失笑してしまうような感じというか、「あ、また出てきた」と読み進めるモチベーションが次第に薄れていってしまいます。

こうした、人生の岐路でもし別の選択をしたらどうなるか?というパラレルワールド的な小説はいくつかありますが、結局は大差ない結果となり、ちょっとつまらないかな。

コミックからテレビドラマとなった「JIN‐仁‐」もその手の物語でしたが、タイムスリップをうまく使って、人生と世界を変えてしまうという試みなどなかなか面白い設定でした。

著者別読書感想(森見登美彦)

            

アイの物語 (角川文庫) 山本弘

著者の年齢は公表されていないようですが、たぶん私と同い年か近い年齢のSF作家です。この作品は、2006年に発刊(文庫版は2009年)された長編のSF小説ですが、私はこの著者の小説は今回初めて読みます。

SF作家として活躍する他にもゲームクリエイターや、トンデモ本やトンデモ品を品評することを目的とする「と学会」会長としても知られているそうです。私はなんのことかさっぱりわかりませんが。

この小説は未来の地球が人工知能をもったロボットに支配されているなかで、古い歴史の語り部役の人間の男性が、ロボットに軟禁され、そこで怪我の治療を受けながら女性の姿形をしたアンドロイドから毎日架空の物語を聞かされるというもので、千夜一夜物語にヒントを得たものと思われます。

そのアンドロイドから聞かされる物語は、小説の設定からはずっと過去の話しになる現代の地球上で起きている様々な話しや今から少し未来の物語で、その中で強く印象に残ったのが、超高齢化社会となった2030年頃の話しとして、人工知能を備えた人型アンドロイドが介護施設において初めてテスト導入される話しです。

65才以上の高齢者が2030年には3660万人に達し、全人口の30%を超えるのは確実ですが、その時果たして認知症患者1千万人を含む高齢者の介護を誰がどのようにおこなうのか?という問題はまったく解決されていません。

個人的には外国から若い人の移住を受け入れるよりも、日本の優秀な製造技術をもって介護ロボットの開発のほうが脈がありそうな気がしています。私も中高年になって初めて知りましたが高齢になってから、見知らぬ人のやっかいになるというのは、気を遣い嫌なものです。その点相手がロボットなら気を遣う必要もなく楽です。

別に介護ロボットと言っても看護師の姿形をした万能ロボットでなくても、ベッドから起き上がったり、食事や排泄の世話や日常の生活の手伝いをするロボットで構わないわけです。その他にもリハビリサポート用ロボットだったり、会話の相手を務めるロボットだったり、認知症患者のための行動把握、安全監視用ロボットなど、人それぞれの要望や症状に合った役割分担で使い分ける専用機でいいわけです。

個人的な考えはさておき、小説では著者の趣味もあってか、かわいらしい女性型アンドロイドで、老人の話し相手にもなれば、介護のすべてを自律的におこなえるという設定です。

最初のうちは仕事を学ぶために人間の介護士の言うことを素直に聞いていましたが、次第に学習効果が高まり、「人間は間違ったことをする」ということを学び、次第にロボットが自らの正しい考え、行動を主張し始めるところから、人間とロボットの間に溝が生じてきます。

そのような人間とアンドロイドの歴史が6つの象徴的な話しとして語られ、最後はその語り手のアンドロイドが生まれた時代へさかのぼり、なぜ人の命令を聞かなくなったか、そして地球上で人とアンドロイドが対立するようになってしまったかが明かされます。

確かに宇宙開発のように、場所によっては移動のために地球の時間で何百年、何万年もかかり、空気も水もない(あるかどうかわからない)世界では、生身の人間ではなく、アンドロイド(ロボット)が向いているというのは当たり前のことで、無理をして人間が乗り出さない方がいいのかも知れません。

580ページの長編作品で、途中少しかったるい部分もありますが、この最後の7編目の話しが壮大な物語で、読み応えは十分です。

            

タクシードライバー 一匹狼の歌 (幻冬舎アウトロー文庫) 梁石日(ヤン・ソギル)

1993年に発刊(文庫は1997年)された、著者が10年間に渡り経験したタクシードライバーのドキュメント本です。当初「タクシードライバーほろにが日記」として出版されましたが、発刊直後に出版元がなくなったため、変わりに幻冬舎からタイトルを変えて発刊されました。

著者は若い頃から詩を書いたりするのが好きで、いずれはそれでメシを食っていけたらいいなぁと思い、そのためにはまず経済基盤を作ってゆとりある生活を手に入れようと、様々な事業に手を出しますが、失敗して食い詰めることになります。

そして生まれ育った大阪を離れ、東京で毎日空腹でどうしようもなくなったときに、賃金の日払いが可能で、いつも募集をしているタクシードライバーになります。

そしてその経験を生かし、運転手の仕事は続けながら書いた小説「タクシー狂躁曲」を上梓し(1981年)デビュー。その後この小説を原作とした映画「月はどっちに出ている」(1993年)が作られ、これが大ヒット、ブルーリボン作品賞や日本アカデミー賞最優秀作品賞など数多くの賞を受賞し、一躍人気作家へと登っていくことになります。運命ってわかりませんね。

このタクシードライバーという職業、一度この仕事に就くとそこからなかなか抜け出せないと言われている中で、死亡者も出た大きな交通事故に2度遭い、やむを得ず離れることになります。

そのような著者が経験してきたタクシー乗務の出来事や、同僚達の話し、そして、タクシー業界が抱える様々な問題にまで切り込んでいきます。この本が書かれてすでに20年以上が経っていますので、現在の業界慣行や就労条件などに変化はあるのでしょうけど、昨今でもタクシー運転手の年収の低さや労働環境の厳しさなど相変わらずといった話しもよく出てきます。

私自身、以前は雨の日の通勤で、仕事で、プライベートでよくタクシーにもお世話になっていたものの、ここ数年タクシーにはほとんど乗ったことがないぐらい、縁遠い存在になってしまいました。

タクシー料金が上がると利用者が減り、利用者が減ると収入が下がり、不景気になって働く場が減るとタクシー運転手の応募が増え、運転手が増えると1人当たりの収入が減るという、わかりやすいけど、認可権を持つ国と政治的判断の要素と社会の景気の動向に大きく左右され、それに翻弄される運転手という構図がよくわかります。

著者別読書感想(梁石日)


【関連リンク】
 12月前半の読書 NHKへようこそ、舟を編む、死への祈り、美しい隣人
 11月後半の読書 三陸海岸大津波、聖女の救済、覇王の番人(上)(下)、うつくしい子ども
 11月前半の読書 ダブルファンタジー、一刀斎夢録 上・下、小太郎の左腕


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あらためて高齢社会白書を概観してみる 2014/1/5(日)

780
内閣府が毎年出している通称「高齢社会白書」正確には「高齢化の状況及び高齢社会対策の実施の状況に関する年次報告」平成25年度版(2013年中に発表)というものがあります。

暇がある人はここのサイトからダウンロードして(PDFでおよそ30ファイルあります)読んでいただければいいのですが、ざっくりとそれの概略を書いておきます。将来については推定ですが、30年後50年後に見たときになにが当たっていてなにが外れていたということがわかっていいですね。自分はその時にはもう生きてはいないと思いますが。

◆総人口と高齢者人口

平成24(2012)年10月1日現在、総人口は1億2,752万人、そのうち65歳以上の高齢者人口は、過去最高の3,079万人(前年2,975 万人)となり、総人口に占める割合(高齢化率)も24.1%(前年23.3%)となっています。
※最新のデータ2013年9月16日現在では、人口1億2,726万人(前年比−26万人)、65才以上高齢者人口3,186万人(同+107万人)、高齢化率25.0%(同+0.9%)

65歳以上の高齢者人口を男女別にみると、男性は1,318万人、女性は1,762万人で、性比(女性人口100人に対する男性人口)は74.8で、男性対女性の比は約3対4となっています。

高齢者人口のうち、「65〜74歳人口(前期高齢者)」は1,560万人(男性738万人、女性823万人)で総人口に占める割合は12.2%、「75歳以上人口(後期高齢者)」は1,519万人(男性580万人、女性939万人)で、総人口に占める割合は11.9%。

1947〜1949年に生まれたいわゆる「団塊の世代」が65歳になり始め、65歳以上の高齢者人口は1950年には総人口の5%に満たなかったものの、1970年に7%を超え(国連の報告書において「高齢化社会」と定義された水準)、さらに、1994年にはその倍化水準の14%を超え「高齢社会」と称されました。そしてさらに高齢化率は上昇を続け、現在24.1%に達し「超高齢化社会」と呼ばれています。※2013年9月16日現在高齢化率は25.0%

高齢者人口

今後の推計では、12年後の2026年には総人口1億2000万人を下回り、34年後の2048年には1億人を割って9913万人となります。

総人口が減少し続ける中で、団塊世代のほとんどが65才以上となる来年2015年には65才以上の高齢者は3,395万人となり、団塊世代が後期高齢者に入る75才を迎える11年後の2025年には3,657万人に達します。さらに高齢者数は増加し、28年後の2042年に3,878万人のピークを迎えます。これは団塊世代の次に大きな塊、団塊ジュニア世代の多くが65才を超えることによります。

◆高齢化率と対現役世代人口

高齢化率は2013年に25%だったのが、21年後の2035年に33.4%、46年後の2060年には39.9%に達し、国民の2.5人に1人が65才以上の高齢者という社会を迎えることになる。

今から64年前の1950年(昭和25年)には1人の高齢人口に対して12.1人の15〜64歳人口(生産年齢人口)だったのに対して、2012年は高齢者1人に対して現役世代2.6人になっています。

今後、高齢化率は上昇を続け、現役世代の割合は低下し、46年後の2060年には、1人の高齢者に対して1.3人の現役世代という比率になります。

高齢化率を都道府県別でみると、2012年現在の高齢化率は、最も高い秋田県で30.7%、最も低い沖縄県で17.7%となっています。26年後の2040年には、最も高い秋田県では43.8%となり、最も低い沖縄県でも、30.3%に達すると見込まれています。
都道府県別高齢化率

東北など地方の高齢化が深刻と言われ、16年後の2040年の予測では、高齢化率40%を超えているのは、秋田、青森、高知、北海道、徳島の道県ですが、2012年から2040年までの高齢化率の伸びでは神奈川や千葉も上位に入り、都市部においても高齢化が進んできます。

先進諸国の高齢化率と比較をすると、日本は1980年代までは下位、1990年代には中位だったのが、2005年には最も高い水準となり、それ以降、世界のどの国もこれまで経験したことのない高齢社会を迎えています。

◆高齢者世帯と暮らし

65歳以上の高齢者がいる世帯は増え続け、2011年の世帯数は1,942万世帯あり、全世帯(4,668万世帯)の41.6%を占めています。

一人暮らしの高齢者が高齢者人口に占める割合は、1980年には男性4.3%、女性11.2%だったのが、2010年には男性11.1%、女性20.3%とこの30年の間に倍増し、さらに今後も増えていく予想です。

60歳以上の高齢者の暮らし向きについてみると、『心配ない』(「まったく心配ない」と「それほど心配ない」の計)と感じている人の割合は全体で71.0%あり、年齢階級別にみると、「80歳以上」は8割と高い割合となっています。この世代においては、「老後の不安」というものはあまりなさそうです。

高齢者世帯の平均年間所得は307.2万円で、全世帯平均(538.0万円)の半分強です。しかし世帯人員一人当たりでは、高齢者世帯の平均世帯人員が少ないことから、197.4万円となり、全世帯平均(200.4万円)との間に大きな差はみられません。公的年金・恩給を受給している高齢者世帯の約7割において、公的年金・恩給の総所得に占める割合は80%以上となっています。

世帯主が65歳以上の世帯の平均貯蓄額は2,257万円で、全世帯平均1,664 万円の約1.4倍となっています。このあたり、貯蓄額はすべてかき集めても数十万円の56才の私にとって、まるで信じ難いというか、愕然とするばかりです。宵越しの金は持たねぇ!の心意気はどうした!ってひがんでしまいます。さらに私の場合13年前に転職をしていますので、4年後に迎える定年時の退職金はほとんどあてにできません。

2011年では65歳以上人口に占める65歳以上の生活保護受給者の割合は2.63%であり、全人口に占める生活保護受給者の割合(1.58%)より高くなっています。正規・非正規労働や若者の収入格差と同様、平均で2000万円以上の貯蓄がある高齢者世帯がある一方で、ここでも格差が広がっているように考えられます。

◆高齢者の健康

日常生活に制限のない期間(健康寿命)は、2010年時点で男性が70.42年、女性が73.62年です。平均してこの年齢までは自分で日常生活をおくることが可能と言うことです。

平均寿命が男性80歳、女性86歳ですから、日常生活に支障が出るようになってから男性で10年、女性で13年も生きるわけで、そう思うと健康寿命が少し短いような気もします。団塊世代が一斉に70代に突入する5年後には医療・介護業界は大変なことになりそうです。

将来予測では、2020年には男女とも健康寿命は、生活習慣病の改善や医療技術などの進歩により、約1年間延びるとされています。それでも寿命までの10数年間は症状の軽重の差はあれど介護の必要があり、大きな社会問題になりそうです。

高齢者の死因となった疾病をみると、死亡率(高齢者人口10万人当たりの死亡数)は、2011年において、「悪性新生物(がん)」が970.3と最も高く、次いで「心疾患」589.2、「肺炎」406.3の順となっていて、これら3つの疾病で高齢者の死因の半分を占めています。

65歳以上の要介護者等認定者数は2010年度末で490.7万人(高齢者に占める割合16.64%)で、2001年度末から203万人増加しています。75歳以上で要介護認定を受けた人は75歳以上の被保険者のうち22.1%を占めています。

高齢者に占める要介護者の割合を将来の高齢者人口に当てはめてみると、要介護者数は2015年には565万人(2010年と比べ1.15倍)、2025年に609万人(同1.24倍)、2042年には645万人(同1.31倍)となります。さらに団塊世代が健康寿命を超え始める2020年以降は、上記の推定値よりももっと急激に要介護者が増えると考えておかなければならないでしょう。

◆高齢者と雇用

全産業の雇用者数の推移をみると、2012年時点で全労働力人口6,555万人のうち、60〜64歳の雇用者は472 万人(7.2%)、65歳以上の雇用者は340万人となっています。

定年到達者の状況をみると、2012年6月1日時点において、過去1年間の定年到達者のうち、継続雇用された人の割合は73.6%、継続雇用を希望しなかった人24.8%、継続雇用の基準を満たさずに離職した人1.6%となっています。

高齢者雇用安定法が改正され、希望者全員が(段階的に)65才まで雇用を義務付けた法律が施行されたのが2013年4月ですので、今後継続雇用される割合は高まるのでしょう。しかしいつまでも働きたいと思う人がいる一方で、早く引退したいと考える人もいるはずで、年金支給の問題とも関係しますが、その割合が今後どう変わっていくのか興味があるところです。

「早く引退したいという人」=「お金持ちの遊び人」というわけではなく、家人の介護や、自身の健康障害などで、毎日の通勤や勤務に耐えられない人も多くいます。

◆その他

65歳以上の高齢者の交通事故死者数は、2012年は2,264人で前年より減少していますが、交通事故死者数全体に占める割合は51.3%と半数を超えています。高齢者が被害となる事故が多いのと同時に、今後高齢者ドライバー、ライダーの数が増えることによって、加害者となるケースも増えそうです。それを減らすためには、衝突防止ブレーキ装置や運転補助装置などの普及が急がれます。

地方での顕著な住人の高齢化を象徴することとして、東日本大震災において、岩手県、宮城県、福島県の3県で収容された死亡者の検視等を終えて年齢が判明している15,681人のうち、60歳以上の高齢者が10,360人と死亡者全体の66.1%を占めていました。

交通事故や災害においては、身体が不自由で人の助けがないとひとりで逃げることができなかったり、動作や視力の衰えから素早い判断や行動ができなかったり、反応が鈍く危険を避けることができないという高齢者独特の被害が目立ちます。

次に2011年の65歳以上の高齢者の刑法犯の検挙人員は、2001年と比較すると、この10年間で検挙人員では約2.4倍、犯罪者率では約2倍に高まっています。ちなみに65歳以上の高齢数は、その10年間で約1.25倍になっていますが、検挙人数、犯罪者率はその伸びを遙かにしのぐ高い伸びとなっています。

65才以上の高齢者のひとり暮らし率は全体で15.7%ですが、受刑歴ありの高齢者だけをとってみると、ひとり暮らしの率は77.9%に跳ね上がり、ひとり暮らしと犯罪を犯す率とは無関係ではないと言えます。逆にみると、今後ひとり暮らしの高齢者が増えていくということは、それにともない犯罪発生も増えていく可能性がありその対策が急がれます。

犯罪の被害者としてみた場合、一般刑法犯の割合は、他の年代とあまり変わりはないものの、重犯罪の被害者として65才以上高齢者の数は増加傾向にあり、2009年では殺人は全体の21.9%、傷害致死も28.9%と各年代と比較しても高くなっています。激しく抵抗されない高齢者に対しての強盗や、ひったくりなど通り魔的犯行が増えそうです。また高齢者が各年代層の中では一番お金を持っているという背景があり狙われやすいためかもしれません。

孤独死とか孤立死と言われている問題ですが、東京23 区内における一人暮らしで65歳以上の人が自宅で亡くなった数は、2012年に2,729人でした。(独)都市再生機構が運営管理する賃貸住宅約76 万戸において、単身の居住者で死亡から1週間を超えて発見された孤独死の件数(自殺や他殺などを除く)は、2011年度に200件あり、そのうち65 歳以上に限ると131件(66%)となります。これは2008年度と比べ全体で約3割増、65歳以上では約5割の増加となっています。

ここまでざっくりと高齢社会白書の中身を見てきました。様々な考え方や、いやそうはならんだろう?という楽観的な考えもあるでしょうけど、過去の国や政府が発表した推計数値を見ると、少子化の勢いや、経済成長、年金の不足、医療費負担の伸びなど多くは推計や予想を裏切る、悪いほうへふれる傾向があったことを考えると、これらの推計値よりもっと悪化することも予想されます。

悲観論ではないですが、やがて国民の3人に1人が65歳以上の高齢者となり、さらにその高齢者の4人に1人が認知症を患っているという社会はもうすぐ現実となります。

日本はこの現実と向き合って、世界に先駆けた超高齢化社会に則した世界最高の医療、福祉国家を目指し、遅れて超高齢化社会を迎える他の先進国にその仕組みやシステムを輸出できる国作りをすぐにやっていくべきではないでしょうか。

国の英知を結集し、医療、バイオ、薬品、リハビリ、介護の各技術に予算を投資し、医療や介護の現場を担うロボット(アンドロイド)開発、高齢者が安全快適に暮らせる住宅やインフラ整備、元気な高齢者が余生を楽しめるレジャーやスポーツ振興、世界中のお金持ちが、豊かな自然と世界一の医療と介護を求めて押し寄せてくる環境作りなど、目指すべきはそこだと思うのですがいかがでしょう。もちろん自国民には安価で提供してもらわなければなりませんが。


【関連リンク】
769 相続税の税率を上げると言うこと
763 認知症患者の増大で国は衰退する?
740 高齢者の犯罪が増加
733 高齢者の地方移住はこれからも進むか


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労働移動が助成金で弾みがつく? 2014/1/8(水)

781
来年度の予算が少しずつ見えてきましたが、消費税も上がり、景気の先行きを左右しかねない重要な予算編成になることは間違いなさそうです。

その中でも私が注目するのはやはり労働・雇用関連予算で、その使い方をみると政府や国がなにをしたがっているのかが漠然とながら見えてきます。

厚生労働省はアベノミクスの成長戦略に乗じ、大幅な雇用関連予算をぶんどるつもりで、さらに経済(雇用)特区構想なども相まって、今年は「解雇」と「再就職」の話題が多くなりそうです。

面接イラスト
来年度の概算要求では、従来の解雇を防ぐための「雇用調整助成金」を半減させ、転職の助成金を大幅に増額する方針が立てられています。

雇用調整助成金は、経営が厳しくなった企業が社員を解雇せず、休業などの形で雇用し続けた場合に支給されるもので、一昨年2012年度は1134億円が支給されましたが、この予算を来年度545億円と半減させるようです。つまりつぶれそうな会社(穴の空いたバケツ)に、一時しのぎのために、税金を湯水のごとくつぎ込んでも無意味だとようやくわかってきたようです。それでもまだ500億円以上残っているわけですが。

そして転職支援など「労働移動支援助成金」は、一昨年がわずか2億4000万円だったのを一気に10倍増させて301億円を要求に盛り込みます。10倍増しても前述の雇用調整助成金には及びませんが、ないよりはマシってところでしょうか。

この「労働移動支援助成金」ですが、「雇用調整助成金」とは対になっているとも考えられます。つまり「雇用調整助成金」を減らして解雇を勧め、その解雇された人が再就職するための支援に使われるものとされ、主として民間の人材紹介事業者や再就職支援事業者などにばらまかれるものと思われます。

リーマンショック以降、体感的には1/10の規模に縮小してしまった人材紹介ビジネスですが(実際は数十%ダウン)、これで息を吹き返せるか見物です。

人材紹介ビジネスの2012年度の売上規模は1150億円、再就職支援ビジネスが310億円と言われています。

全体では2013年度は2012年度よりも多少伸びているようで(紹介で10%程度、再就職支援はマイナス10%)、さらに来年度予算で300億円がつぎ込まれると、単純に足し算だけでなく、その何割か増しの成果を求められるはずです。例によって国がつける予算の中には官僚天下り法人向けの中抜き分があるでしょうけれど、それは除いてです。

1270+280=1550億円・・・2013年度人材紹介・再就職支援ビジネス売上予測(矢野経済研究所)
(1550+310)×1.1=2046億円・・・2014年度人材紹介・再就職支援ビジネス売上予測(筆者の勘)

仮定の話しですが、助成金で弾みが付き人材紹介と再就職支援がそれぞれに助成金を含めて1割以上伸びるとすれば合計が2046億円となり、リーマンショック前の2007年度両ビジネス売上合計1710億円を軽く超えていきます。

一見すると2000年代前半のように、転職ブームが起き、再び人材コンサルタントの出番が多くなりそうにも思えますが、果たして中途入社の社員を積極的に求める会社がそこまで増えるのか?という疑問がぬぐいきれません。紹介業が潤うためには求人する企業と求職する人の双方が相当数必要です。そこがマッチングの難しさです。

結局は、先行き不透明感から企業の採用抑制は続き、派遣やパートアルバイト、契約社員といった非正規社員ばかりが伸びて、紹介会社や再就職支援会社にはほとんど恩恵がなかったという結果もありそうです。


【関連リンク】
694 履歴書の中の嘘はすぐバレる
614 企業は若者の早期離職を恐れるな
572 転職のキモは履歴書だ


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転職適齢期というのがあるとすれば 2014/1/11(土)

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終身雇用が壊れだしたのは1990年代頃からで、大手企業においてリストラの名を借りた実質的な指名解雇がおこなわれてきましたが、考えてみると中小企業ではそれ以前からずっと業績不振やワンマン社長の好き嫌いなど環境や感情の趣くまま、従業員解雇なんて普通におこなわれていました。それは大企業たる新聞社やテレビ局において身近なものではなく、記事や番組で取り上げられることがなかっただけのことで、いざ大企業でもリストラがおこなわれるようになって始めて「これは危険だ」と取り上げられるようになってきました。

それはさておき、私(56歳)以上の人達のほとんどは、新入社員の頃、日本の代表的な雇用スタイルで高度成長を支えてきたとされる、終身雇用、年功序列が当たり前で、それが壊れるなんて信じていませんでした。

そして、新卒後の数年で会社を辞めて転職など、まるで人生の落伍者のように見られていましたし、20代の中途採用市場も極めて小さく、もしどうしても転職するならベテランの域に達した30代で、それも三顧の礼を尽くし誘ってくれるところがあってというのが普通だったように思います。

しかし私が新卒入社してから10年ぐらい経つと、新入社員(ちょうどバブル入社組)で入ってきた若者が平気で次々転職するようになり、時代が変わったと実感したモノでした。しかしその時に転職した若者が入った会社は、より小さな企業ばかりで、それで成功したかというと微妙な感じがします。小さな企業はダメと言っているのではなく、できることやれることがさらに小さくなってしまう可能性が高いのです。

転職の場合、なにを持って「成功」か「失敗」かという明確な基準がありません。人材紹介会社の場合は、「成功」=「転職できた」、「失敗」=「転職できなかった」の二つの基準でハッキリしているのですが、求職者にとっては転職できたからすべて成功だったかというと必ずしもそうではありません。

例えば「転職して給料や待遇が上がり、就業時間は短くなり、仕事には成長性があり」となればほぼ「成功」と言ってもいいのでしょうけど、「給料は上がったが、めちゃくちゃに働かされ、身体を壊したり、家族との時間がなくなった」では、果たして転職成功と言えるのでしょうか?

「希望する企業ではなく給料は下がり将来性があるとは言えない仕事だけど、ワークライフバランスがとてもうまくまわり毎日充実している」となった場合、これも人の価値観によっては「転職成功」と言えるでしょう。

もっと言えば、30代で転職した場合、その後まだ30年以上働き続けるわけですので、その会社が将来どうなるか?という長期的な観点でも「成功」「失敗」が違ってきます。

私が新卒の時に会社説明会で回ったある中堅商社は、その時はとても私など無理とすぐにあきらめたほどの盛況ぶりでしたが、私が別の会社に入社して5年目に研修を兼ねて香港へ渡ったときに、ちょうどその中堅商社が倒産したことを知りました。

そういった会社がどう転ぶかは誰もわからないリスクを軽減するには、自らが会社に頼り切らないで、自分のスキルを磨き、難易度の高い経験を積むに限るわけですが、同時に信頼できる人間関係を構築しておくのがベターな選択でしょう。案外自分のスキルや経験を必要とする仕事や業界って狭いもので、転職するとなにかしら昔の知り合いとつながっていたりするものです。

転職活動の際に、複数の応募者と競争することは普通にあり、その時の面接で、「その方なら勉強会で知り合ってよく知っていますよ」と面接者と共通の知人がいることが判明したり、「○○さんならいま当社の関連企業にいますよ」とか、不思議な縁に出会うことがあります。そういうつながりがあり、しかもその知人から「彼なら採用して大丈夫」というお墨付きがもらえれば、これ以上の推薦状はありません。

そこで転職をするのに最適な年齢は?というと、以前から企業が一番求めているのは20代後半〜30代前半で大手、中堅企業でしっかり業務経験を積んできた人達ということになるでしょう。

ただ、現在は若手の転職者が少なくなり、逆に30代後半〜40代の転職希望者の増加で、転職平均年齢が上がってきているそうです。

転職者の平均年齢は31.0歳 高年齢層の転職者増により5年で2歳プラス(インテリジェンス調査)
人材サービス大手インテリジェンスによると、転職者の平均年齢は2008年に29・2歳だったが、13年には31・0歳と2歳上昇した。年齢別でも35歳以上の転職者の割合が08年の10%から13年には23%まで増えており、ミドル世代の転職が盛んになっていることがうかがえる。

少し前なら40代以降の転職はリスクが多く、よほどのハイパフォーマーや自信家以外は難しいと言われていましたが、最近はそうでもなくなってきているようです。

それとも転職したくてしたわけではなく、早期退職制度や転職支援制度で半強制的に追い出された人が、やむにやまれず転職をしているせいなのかも知れません。そこのところは、この調査からはハッキリとは読み取れません。

ただ職種別では、「30代以上の割合が最も多いのは「技術系(建築/土木)」の73.6%で、次いで、「技術系(機械/電気)」(63.9%)、「技術系(IT/通信)」(61.3%)が続きます。」とありますので、大手製造業などが大量に実施してきた工場閉鎖や海外移転のための大リストラの影響で技術系中高年者の転職希望が増えている可能性があります。

特に1971年〜1974年に生まれた団塊ジュニア世代が40〜43歳となり、この年齢ともなれば大手企業でも管理職に就く年代ですが、どこの企業でもこうした年代のポストが不足しているように思えます。技術系職においても同様です。

そう考えると、転職平均年齢(適齢期ではなく)は、この数の多い団塊ジュニア世代が牽引していると言えなくもなく、当面はその団塊ジュニア世代の年齢とともに上がり続けることになるのでしょう。

では転職適齢期はと言えば、考え方としては数の多い団塊ジュニア世代と対抗して勝てるのは若さか経験かということですので、今すぐならば「若さ」の20代〜30代前半までか、「経験」の50代前半ということになるでしょうか。ただ50代での転職は、今も昔も超難関なことには変わりなく、即戦力&人脈しかありません。

私もあと4年で定年がやってきます。雇用延長の義務化から、数年の雇用延長はお情けでやってくれるでしょうけど、果たしてそれにすがるか、それともまた別の新しい仕事人生を切り開くか早々に考えなければなりません。


【関連リンク】
767 若者の離職の原因は単なるミスマッチなのか?
742 それでも日本の解雇規制は緩すぎる
717 非正規から正規雇用への転換策


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1月前半の読書と感想、書評 2014/1/15(水)

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冷血 (新潮文庫) カポーティ

1958年に発刊された「ティファニーで朝食を」が映画化されそれで一躍有名になったアメリカの作家さんですが、19歳の時に始めて作品を世に出し、60歳の時に心臓発作で亡くなるまで40年あったわりには作品数は少なく、短編集を含めて12作品だけです。

この作品は1966年に書かれたカポーティの最後の長編作品で、1959年に実際にアメリカで起きた一家殺人事件が元となっています。またこの作品はノンフィクションノベルという新しいジャンルを切り開いたものとして注目されています。

ノベルと言えばフィクション(想像で描いた物語)なわけですが、その前にノンフィクションがつくとどういう意味か混乱しそうですが、起きた事件と加害者と被害者、その双方の周辺にいた人達の事実を積み重ねていき、ある部分は作者の想像で描きながらも、重要なポイントは裁判記録や徹底した取材で、事実を元にして忠実に描かれた小説とでもいうのでしょうか。

もし現代で同じことをおこなえば、遺族や数多くの実名での登場人物から名誉毀損やプライバシィ情報漏えいなどですぐに訴えられそうなことも含みます。

事件は平和なカンザス州で牧場を経営する比較的裕福で、誰からも好かれている一家(夫婦と子供二人)の自宅で起きます。自宅といっても広大な牧場の中にあり、近くに住み込みで働いている夫婦の住まいを除くと、隣家といっても何キロも遠く離れた場所にしかない土地柄です。

一方、刑務所を出たばかりの二人の男が、同じ刑務所で耳にしたお金持ちの話しを思い出し、計画的に犯行をおこなうため、アリバイを準備し、遠くにあるカンザスの牧場を目指します。

そして犯行がおこなわれ、その殺害方法には相当の恨みがあるようにみえましたが、目撃者もなく、捜査はすぐに行き詰まってしまいます。マスコミは警察の無能ぶりを激しく叩く論調で、警察もほとんど犯人に結びつく証拠が残されていない中で必死の捜査を続けていきます。

犯人は誰からも疑われることなくまんまと犯行現場から逃げることができましたが、結局牧場には金は置いてなく、しかし元の仕事に戻ることもできず、メキシコや南部を二人で詐欺や泥棒を重ねながら放浪することになります。

しかし犯人のツキもそこまでで、やがてたれ込みから犯人が絞り込まれ、その足取りも警察の知ることになっていきます。

結果はわかっているものの、二人の犯人の考えや、心理状態などが迫真にせまる内容で、ノンフィクションと言いつつも十分に小説としての価値を見出せ読み応えがありました。

あとこの作品は1967年に映画化もされています(日本公開は1968年)。

著者別読書感想(トルーマン・カポーティ)

            

死もまた我等なり:クリフトン年代記 第2部 (新潮文庫)(上)(下) ジェフリー アーチャー

時のみぞ知る:クリフトン年代記 第1部」では紆余曲折あった主人公が客船の乗組員としてアメリカに向かう途中、Uボートの攻撃をうけて船は沈没してしまい、かろうじて別の船に救助されたものの、訳あって同じ乗組員として働いていたアメリカ人が死んだことで、その男にすり替わろうとします。

しかしそれが裏目に出てしまい、上陸したとたん、いきなり殺人罪で逮捕されてしまうという盛り上げ方をして終わりましたが、そこからの続編です。

この小説では、貧しい家の生まれながら頭の良さをかわれ名門大学へ進むメーンの主人公以外に、その主人公と婚約する女性、ハイスクールの同級生で親友かつ主人公と婚約する女性の兄、その父親、主人公の母親という準主役達がいます。

そして一見するとバラバラに動いているその準主役達の目でも章ごとに時代が語られていきます。時代はナチスドイツの勢力がヨーロッパ中で猛威をふるい、主人公がアメリカに渡ってすぐ、アメリカも重い腰を上げて第二次大戦に参戦するという大きく世界が動いたタイミングです。

ストリーはぜひ読んでいただきたいのであえて書きませんが、第一部の感想でも書いたように、アーチャーの得意な「貧しさの中から努力をして身を立て、貴族や金持ちに対して自分の頭脳と周囲の仲間達に助けられながら、成功者に上り詰めていく」という物語で、エンタテーメントとしては一級品です。

さらに今回はアーチャー自身収監された経験から、主人公が刑務所に入れられ、その中でも才能を発揮していくという話しが手厚くなっているのが、過去の長編とは違う点でしょうか。

唯一残念なのは、世界的にベストセラー作家としてアーチャーも売れっ子となり、書けば売れるということからか翻訳(出版)権も高騰しているのでしょうけど、文庫の上下巻とも薄っぺらな約280ページ程度で各662円、上下巻で1,324円、第一部(上下)と第二部(上下)計4冊で総額2,690円。文庫でこれですから嫌になります。

だいたいページ数から言って上下巻に分ける必要すら感じません。今読んでいる盛田隆二氏の「二人静」(980円)は1冊の文庫で634ページです。

翻訳本ということを差し引いてもちょっと高過ぎるような気がします。デフレなのですからもっと安く刊行する努力が出版社にはないのでしょうかね。

今回は(文庫の)新刊本ということもあり、書店で購入しましたが、こうした文庫まで強気の値付けから、多くの人は図書館やブックオフなどへ流れてしまうのではないでしょうか?

著者別読書感想(ジェフリー・アーチャー)

            

八つ花ごよみ (新潮文庫) 山本 一力

2009年に単行本、2012年に文庫版が刊行された8つの短編をまとめた時代小説です。著者の山本一力氏は一昨年読んだ小説の中で私のベスト1となった「あかね空」で直木賞を受賞された時代小説が多い作家さんです。

この作品はタイトルにあるように花にちなんだ8つの短編集で、時代はいずれも江戸時代で、深川など下町辺りの庶民が主人公です。

こうした短編小説の場合、最近の傾向では独立した短編でも互いに関連があったり、同じ人物が登場したりという連作短編というパターンが多いのですが、これは時代背景は同じながらそれぞれがまったく別もの仕立てとなっています。

 1)路ばたのききょう
 2)海辺橋の女郎花
 3)京橋の小梅
 4)西應寺の桜
 5)佃町の菖蒲
 6)砂村の尾花
 7)御船橋の紅花
 8)仲町のひいらぎ

短編の場合、その人物や舞台設定の説明などに多くを費やしてしまうと、それだけで終わってしまいかねない危険性があります。それゆえに前の短編で使った同じ人物を次の短編でも登場させることで、その人物のことや時代背景などを省略できるというメリットがあります。

しかしその場合は、前編を読んでいるということが必要となり、週刊誌や月刊誌などに一編ずつ掲載する形だと、必ずしも前編が読まれているわけではなく、途中から読む人には意味がわからないということにもなりかねないので難しいところです。

著者の短編はこれが初めてですが、過去に読んだ長編と比べると、やむを得ないとは言え、いずれもストリーにメリハリがなく迫力もありませんので物足りなく感じました。

夫婦愛や親子愛、師弟愛などそれぞれに感動を呼びそうなテーマなのですが、なんだかボヤーとしたあっけない結末で、おそらくは読者がそれぞれに想いと余韻をふくらませればいいということなのでしょうけれど、どうもそれがうまくいっていないようです(私だけかも)。

短編の上手い作家は他にもいっぱいいるので、あえて著者の短編はもういいかなと。著者の書く長編小説の素晴らしさはよく知っているだけに、今後はまた長編を読んでみることにします。

著者別読書感想(山本一力)


【関連リンク】
 12月後半の読書 植物図鑑、四畳半神話大系、アイの物語、タクシードライバー 一匹狼の歌
 12月前半の読書 NHKへようこそ、舟を編む、死への祈り、美しい隣人
 11月後半の読書 三陸海岸大津波、聖女の救済、覇王の番人(上)(下)、うつくしい子ども


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リス天管理人が選ぶ2013年に読んだベスト書籍 2014/1/18(土)

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2013年の1月から12月までに新旧刊の小説、ビジネス書など全86話(上下巻など分冊をすべてカウントすると98冊)を読みました。月間に換算すると8.17冊となります。その中で、私のもっとも感動した本、ためになった本、人に推薦できる本をあげておきます。予算の都合上、最新作(単行本)はまず読んでいませんので、あまたある書評の類とはタイミングが大きくずれています。

まずは昨年は気乗りせず、あまり読まなかったのですが、新書やビジネス系部門では、「寝ながら学べる構造主義 (文春新書)」内田樹著、「発達障害に気づかない大人たち (祥伝社新書 190)」星野仁彦著、「脳に悪い7つの習慣 (幻冬舎新書)」林成之著、「なぜ日本でiPhoneが生まれなかったのか?」上村輝之著、「「対話」のない社会―思いやりと優しさが圧殺するもの (PHP新書)」中島義道著あたりがその候補になりますが、特に「すごーくよかったなぁ」、「ためになったなぁ」と言い切れるものはありませんでした。

たいていの新書やビジネス本は、自己啓発、ポジティブシンキング、やる気を出す方法、クリティカルシンキング、もっと勉強しろ、意外な数字と統計、新発見ネタ、世の中の仕組みに騙されるな的なものが多く、それに対して最近私の気持ちが、先のことを考えばかりにどうもネガティブすぎるのかも知れません(反省してます)。

中島義道氏や内田樹氏の毒舌?やら愚痴などは気軽に読めて参考になる(二重取消線)面白いのですが、役立つ、タメになるかと言われると、私的にはちょっと違います。若者や万人向けの本を読んで自己啓発するにはもう歳をとりすぎているのかもしれません。なんでも歳のせいにするのはよくないのですが(反省してます)。

したがって昨年の新書・ビジネス書大賞は「該当なし」ということで。今年はもう少し気合いを入れて新書・ビジネス本を読むよう心掛けます(反省しています)。

さて、世の中には、真面目に「小説を読む意味が分からない。」と言う人もいて、世間は広いようで狭く、狭いようで広いものです。これは価値観の相違というものでしょう。なにも小説を読むことに理由は不要で、「人生に役立てよう!」とか「生きる糧となる」とか「ストレスが発散できる」というもっともらしい理屈で読むわけでもありません。強いて言うなら「そこに面白そうな小説があるから」読むわけです。私の場合。

ただ学生の頃や若いビジネスマン時代には、もう少し違った読み方をしていたかも知れません。例えば「恋愛の仕方」とか「日本経済の歴史」とか「大人の会話」とか「いろんな業界のこと」を知りたいがために小説を読んでいた時期もあります。

話しを戻し、次はノンフィクション・エッセイ部門です。全体の中では少ないのですが、こちらはキラッと光ったものがいくつかありました。

対象は、「タクシードライバー―一匹狼の歌 (幻冬舎アウトロー文庫)」梁石日著、「ガセネッタ&シモネッタ (文春文庫)」米原万里著、「遠野物語(角川ソフィア文庫)」柳田國男著、「三陸海岸大津波 (文春文庫)」吉村昭著、「父・こんなこと (新潮文庫)」幸田文著などで、その中から今さらと言われそうですが、「三陸海岸大津波」を強く推します。

もしこの本が東北沿岸各地の学校や企業の防災教育の教材として本格的に使われていたら、津波に対してもっと警戒心が保て、被害は最少に抑えられていたかもしれません。

吉村昭氏はすでにお亡くなりですが、この本をベースとして2011年の津波の話しも盛り込み、「続・三陸海岸大津波」を出版し、50年後、100年後のその時にぜひ役立ててもらいたいものです。また地震や津波の発生が多い国や地域に、各国語翻訳版を日本国が発行し、津波の怖さと知識を世界に向けてぜひ伝えてもらいたいものです。

遠野物語」柳田國男著は、最初は読むのに苦労しましたが、それもやがて慣れてくると旧漢字や文体も普通に飛び込んでくるようになります。現在では青空文庫でも読めますので、デジタル版で読むのが苦痛でない人はあらためて購入する必要はないでしょう。

小説部門ですが、外国人作家と日本人作家に分けて、多くの中から、私が推薦する作品からあげていきます。

まず日本の小説部門では、

きもの (新潮文庫)」幸田文著
神去なあなあ日常 (徳間文庫)」三浦しをん著
神様のカルテ2 (小学館文庫)」夏川草介著
東京セブンローズ (文春文庫)(上)(下)」井上ひさし著
ハルカ・エイティ (文春文庫)」姫野カオルコ著
一刀斎夢録 (文春文庫)(上)(下)」浅田次郎著
マンチュリアン・リポート (講談社文庫)」浅田次郎著
写楽 閉じた国の幻 (新潮文庫)(上)(下)」島田荘司著
そして、警官は奔る (講談社文庫)」日明恩著
散る。アウト」盛田隆二著
兎の眼 (角川つばさ文庫)」灰谷健次郎著
恋愛時代 (幻冬舎文庫)(上)(下)」野沢尚著

がイチオシってところです。

古い本もあり、新刊本中心の書店ではまず置いてないだろう作品も多く含まれています。

外国の小説部門では、読んだ作品中のほとんどがノミネートされますが、

死への祈り (二見文庫)」ローレンス・ブロック著
盗まれた貴婦人(ハヤカワ・ミステリ文庫)」ロバート・B・パーカー著
緋色の研究 (新潮文庫)」アーサー・コナン・ドイル著
時のみぞ知る クリフトン年代記 第1部 (新潮文庫)(上)(下)」ジェフリー アーチャー著

が秀逸作品。

外国人作家の小説は、それぞれのジャンルで一時代を築いたすでに著名な作家さんの作品ばかりでハズレはありませんでした。

で、いよいよその中から小説部門の大賞を発表します!

ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、デン!

日本人作家部門からは「東京セブンローズ(上)(下)」井上ひさし著 1999年初出

外国人作家部門は「緋色の研究」アーサー・コナン・ドイル著 1887年初出

にそれぞれ独断で決定!

いずれも最近の話題本ではなく、古い本ですが、いいものはいつまでもいいものです。

読後の感想は、

「東京セブンローズ」 1月後半の読書 2013/2/6(水)

「緋色の研究」 9月前半の読書と感想、書評 2013/9/18(水)

にあります。

東京セブンローズ」の舞台は太平洋戦争前後の東京で、そこで暮らす普通の庶民が、戦時中という非日常生活の中で力強く一生懸命生きる姿を描き、文章からは下町の懐かしい風景と香りが漂ってきます。おそらく私より10歳以上上の世代(団塊世代以上)には、一部自身の経験と重なる部分があったりしてたまらないでしょう。

セブンローズの由来は7人の占領軍の幹部達を相手にする娼婦達の名称ですが、それがこの小説の主題というわけではなく、あくまで市井の庶民が主役の小説です。

著者の井上ひさし氏は太平洋戦争終結の時はまだ東北の児童養護施設から小学校へ通っていた少年で、上京したのは戦後10年近く経って大学生になってからです。それなのに、この小説では戦争前後の東京下町とそこで暮らす人々を、まるで見てきたように詳細に再現しているのは驚きです。

次点としては「写楽 閉じた国の幻」(島田荘司著)をあげておきます。現在でも謎が多い奇想天外な謎の浮世絵師写楽を、人気役者を思い切りデフォルメし、過去の常識やテクニックにとらわれない作風から、手慣れた当時の浮世絵画家ではなく、まったく異質の芸術家の作品ではないかと大胆な推理で読ませてくれます。
読後感想は、4月後半の読書 2013/5/1(水)

緋色の研究」は世界的に有名になったシャーロック・ホームズシリーズの第1作目作品で、軍医として赴いていた戦地から、ロンドンへ帰ってきた青年医師ワトソンが、独りで住むには家賃が高いとルームシェアができる借家を探していたところ、風変わりな学者(ホームズ)が住んでいる家を紹介され、そこに住むようになってから、二人の関係と役割が決まっていくという過程がわかって興味深いです。

そして主人公シャーロック・ホームズの活躍をワトソンという準主役が事件簿として語っていくという当時としては珍しいスタイルはこれも有名ですがエドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人 」を真似たとも言われています。

このホームズシリーズはその後40年に渡り、短編を中心に60編が世に出され、テレビドラマ化、映画化、コミック・アニメ化はその数は知れません。

以上、いかがだったでしょうか?

もし推薦していただける本がありましたら、ぜひご連絡(コメント)をください。よろしくお願いいたします。どんなジャンルのものでも構いません。ただ読後の感想は当然ながら私の主観で書きますので、予めご了承ください。


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2020年東京オリンピックに向けていますぐ日本がやるべきこと 2014/1/22(水)

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オリンピック誘致ロゴもうだいぶんと旧聞になってしまいましたが、今年の元旦の朝日新聞の別刷版で奥田英朗氏のコラムに個人的な考え方と断って「2020年東京オリンピックでの日本が果たすべき役割」を書かれていました。それが以前から私が思っていた今後の日本が目指すべき方向性と合致していたので取り上げてみます。

奥田氏と言えば2004年に直木賞を受賞、2009年に発刊された「オリンピックの身代金」が吉川英治文学賞に輝き、ベストセラーとなり、昨年にはそれを原作とするテレビドラマ化もされました。そのオリンピックつながりで朝日新聞社からコラムを依頼されたのかなと勝手な想像です。

新聞はもう手元にないので詳細は書けませんが、1964年の時は敗戦で焦土と化した東京は見事に蘇ったのだということを世界にアピールするだけでよかったのですが、今度の東京オリンピックでは成熟した文化都市でおこなうというという意味の他に、オリンピックをまだ自国では開催できないけれど、世界に誇れるスポーツの自国の英雄を待ち望んでいるアジア諸国に手を貸すべきだというものです。

近代オリンピックでみると、まだ金メダルをとったことがない国が東南アジアだけでもマレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポールなどがあります。比較的地域が近いアジアやオセアニアに拡げると、スリランカ、サウジアラビア、カタール、クエート、イラク、アフガニスタン、トンガなども金メダルをまだ獲得していません。

まだ金銀銅のいずれのメダルも獲得していないアジア・オセアニアの国は、カンボジア、バングラデシュ、ブータン、ミャンマー、ネパール、パブアニューギニア、パラオ、フィジー、サモアなどがあります。

過去に金メダルは獲得していても、極めて少ない国もたくさんあります。モンゴル2個、台湾2個、パキスタン3個、インドネシア6個、タイ7個、インド9個など(日本は金メダルだけで130個、金銀銅合わせて398個)。

それらの国は、スポーツができる環境が十分でなかったり、科学的な練習を取り入れられなかったり、優れた指導者やコーチがいなかったり、ハイレベルの練習相手がいなかったりで、国内においては、いつまで経っても世界の強豪に勝つことができません。

そこで6年後に日本で開催することで、それらの国からメダリストを誕生させるべく、今から優秀なそれぞれの国の若者を日本に受け入れて、最先端の練習と指導を日本の強化選手とともにおこなってはどうかという(奥田英朗氏の)提案です。

それで別に恩に着せようというものではなく、どうせ日本人選手の強化にお金をつぎ込むのならば、日本の選手にも刺激となり、そして日本古来の体罰や根性など非科学的トレーニングを一掃し、開かれたグローバルで高度な科学スポーツが実現できるようにも思え、日本人選手にとってもいいことだと思います(私の考え)。

そうした結果、メダルを取る選手が出てくれば、長い目でみるとその選手や一緒に招聘するコーチ、関係者、マスコミが、日本とそれらの国との間で様々な友情の架け橋となってくれることも考えられます。

上記にあげた国々は、これからまさに人口が増え、発展していこうとしている国ばかりで、日本(の企業)にとっては道筋さえできれば進出したい国々でもあります。

そうした経済問題だけでなく、成熟した文化国家として、またこのアジアという地域を代表しての開催ですから、1964年の東京オリンピックや、中韓でおこなわれた過去のアジア開催のオリンピックとは違い、自国のメダルの数を世界と競うのではなく、欧米では誰も知らないようなアジアの多くの国々が、日本とともに成長した証を世界に披露する大会にしてもらいたいものです。

どうしてもオリンピック誘致が決まると、やれ交通インフラ整備が、やれ新しい競技場が、やれ観光業がとなりがちですが、それよりもオリンピック開催はもとより、金メダルなど無縁だと思って冷めた目で見ている(たぶん)アジアの国々に対し、熱いハートの支援を日本が真っ先におこなうことがいままさに必要なのではないでしょうか。


【関連リンク】
765 労働生産性はむやみに上げるもんじゃない
754 東京オリンピックとこれから高まるビジネスチャンス
696 五輪競技除外候補とスポーツ競技人口


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緑茶うんちく話 2014/1/25(土)

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日本茶といえば一般的には煎茶の緑茶を思い浮かべる人が多いと思いますが、種類としてはまず大きく抹茶と煎茶に分かれ、次に煎茶の中に小分類として玉露、煎茶、番茶、ほうじ茶、玄米茶、豆茶などがあります。お抹茶は茶道で使われている形式張ったあの苦いお茶ですね。そのいずれもが一般的に日本茶と呼ばれます。

緑茶
それら日本茶全般を指す言葉として緑茶と呼ばれていますが、とても緑色とは思えない番茶やほうじ茶なども含まれますので、子供の時には緑茶と呼ばれることにちょっと違和感がありました。

調べてみると、緑茶は「摘み取った茶葉を加熱処理して発酵を妨げたもの」と定義されており、大分類では同じ製法の中国茶の龍井茶(ロンジン茶)、碧螺春(へきらしゅん)なども中国では代表的な緑茶と分類されています。

一般的な知識として中国のお茶と言えば緑茶ではない烏龍茶というイメージが強いのですが、実は現在でも中国茶の中では緑茶が一番よく飲まれており、元々は奈良時代あたりに中国から伝来した製造法なので、「緑茶=日本茶」という認識は誤っています。

烏龍茶(ウーロン茶)は「茶葉を発酵途中で加熱して発酵を止め、半発酵させた茶」と定義されており、緑茶とは別の青茶としての大分類となります。その種類は有名な鉄観音、凍頂烏龍茶などがありますが、意外なことに中国では一般的に飲まれているわけではなく、日本で言えば特別な機会にお抹茶をたしなむように、まれに飲まれているそうです。

ついでに日本では烏龍茶として一緒にされてしまうことが多いプーアル茶は、麹菌により数ヶ月以上発酵させる後発酵製法で、緑茶でも青茶でもなく黒茶の大分類となります。今まではそのプーアル茶や香りのいいジャスミン茶(花茶)なども烏龍茶の一種だと思っていましたが、あらためてその違いを認識しました。

一方、西洋で一般的な紅茶は「摘み取った茶の葉と芽を乾燥させ、もみ込んで完全発酵させたもの」を言い、発酵させるかさせないか、茶葉をもみ込むかどうかの製法が緑茶との区分で、決して茶葉の種類や茶を抽出したあとの色で判別するものではないということです。確かに紅茶の葉はもみ込まれてよじれているのが多いです。

さて、日本茶の話しに戻すと、まず日本で一般的によく飲まれている煎茶や番茶は、日本各地で茶葉が生産されていてそれぞれに特徴があります。煎茶と番茶の違いは茶葉の収穫時期などで製法はほぼ同じだそうです。

私の好きなほうじ茶は名の通り茶葉をコーヒー豆のように焙煎したもので、それが独特の香りを引き出します。ほうじ茶は比較的関西、特に京都などで日常的に飲まれていることが多く、そう言えば関東では番茶はよく見かけますが、こうばしい香りが立つほうじ茶にはあまりお目にかかりません。

そしてほうじ茶は焙煎することで苦味成分のタンニン(カテキンなど)が壊れ、渋味や苦味がなくなり、口当たりがさっぱりしています。胃に負担がかかるカフェインの量が少なく、子供や高齢者でも安心して飲用できることから病院での入院患者などにも出されています。そう言えば、胃潰瘍で入院して4日間絶食したあと、食事の前に出されて最初に口に入れた(薬は別として)のがこのほうじ茶だったような気がします。

もうひとつ私の好きな玄米茶は、その名の通り炒った玄米を番茶に混ぜ込んだ緑茶で、玄米のこうばしい味と香りが子供の頃からとても好きでした。今も昼休みに自分でいれてよく飲んでいます。

ただこの玄米茶というのは茶葉はもちろんですが、炒った玄米の質によっても味や香りが大きく左右され、スーパーで買うティーバックでは残念ながらあまり美味しいものには出会えません。やはりちゃんと品質管理され、製造に手間をかけたお店で買わないと本当の玄米茶は味わえないようです。

先日、食べ物の糖質を減らしてダイエットをという記事を書きましたが、日本茶は基本的には糖質ゼロで、ビールや日本酒、ジュース類と違い、いくら飲んでも太りません。

私は朝はコーヒーを飲みますが、午後はその日の気分で抹茶(狭義の意味で普通の緑茶)、玄米茶、ほうじ茶、紅茶を選び、自分でティーバックをいれて飲んでいます。その都度缶コーヒーやペットボトルのジュースを買って飲むより、エコでふところにもそして健康にもよさそうです。

そう言えば関東中心に展開している喫茶室ルノアールでは、少し長居(30分以上ぐらいかな)する客に、途中で緑茶のサービスがあります。これは決して「早く帰れ」の合図ではなく、「どうぞゆっくりしていってください」という店のサービスで、私は熱くて茶碗に触れないぐらい煮立ったあのお茶が気に入っています。飲むときには茶碗をおしぼりでくるんで飲んでます。

アメリカなどでもダイエットブームや健康志向の波にのって、日本茶ブームが起きていると少し前にテレビで見たことがあります。伊藤園の「お〜い!お茶」のペットボトルが頭脳労働するアメリカ人に大人気だとか。確かにどんな添加物が入っているかわからないコーラを飲むより健康的でしょう。

健康のことを考えると日本茶は最高ですね。ただしストレスなどで胃が荒れている人や、寝る前なのでカフェインを抜きたい時は、ほうじ茶を選ばなくてはなりません。それだけはお忘れなく。


【関連リンク】
760 糖質ダイエットについての備忘録その2
759 糖質ダイエットについての備忘録その1
712 最近気になる食品の安全性
634 味覚の変化について
334 ミネラルウォーター飲んでますか?
298 ドリップバッグコーヒーの評価とは?
185 復刻版とレトロブーム


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世帯内単身者の増加が引き起こすかも知れない社会問題 2014/1/29(水)


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実は我が家でもそうなのですが、世帯内単身者が急速に増えているそうです。

世帯内単身者とは、一時期「花嫁修行中」の「家事手伝い」そして「パラサイトシングル」とか呼ばれてきた社会人になってからも親や親戚の家で生活をともにしている独身者のことで、昔は女性にその傾向が強かったのですが、最近は男女に関係なく増えているそうです。

世帯内単身者 増え続け、30代前半では4分の1に(ビッグイシューPDF)
親もとに住む未婚の世帯内単身者の割合は、1980年から2005年にかけて、25〜29歳では 24%から41%、30〜34歳では8%から 25%に増え、年齢の高い35〜39歳においても3%から16%に上がった。

その原因としては、ここ20年間、若者の収入の伸びは低く、家を出てひとりで生活するのは苦しいからと推測できます。

一般的に収入に占める家賃の割合は20〜30%以内と言われていますが、実家に住めば、家賃分が浮きますし、家にお金を入れていても、光熱費を含む家賃の半分程度で済めば安いものと考えるのでしょう。

また親の実家に住むメリットはそれ以外にもたくさんあります。

都会や都市部郊外に住んでいる親の家だと仕事も遊びにいくにも不自由がなく、朝晩の食事や掃除、洗濯までやってくれる家に住む方が、楽でいいでしょう。田舎暮らしの親の実家だとそうはいきません。

私が就職した時代と決定的に違うのは、最初会社に入社したとき、新入社員全員(当時は男性だけ)が会社の寮へ入っての生活を求められました。社員数が50名未満の小企業だったに関わらずです。自宅や実家が通勤圏にあっても最初の数年間は必ず全員が寮生活を求められました。以前はそういう会社が多く、自然と親や家からの自立や独立を求められました。

会社の寮に入り、昼も夜も休日も先輩社員と顔を合わせ共同生活をおくるなんて、今の若者には耐え難いことで流行らず、大手企業でも福利厚生費が削減できることもあり、自宅通勤できる人はできるだけそうさせる仕組みになっていると聞きます。ユニクロなど特殊な一部の会社では、今でも新入社員はしばらく全員入寮させているようですが、そのような会社は稀になってきています。

数十年前の若者は、地方に住む親の家を出て、勉強も仕事もまた遊びにも好都合な都会で生活するためにひとりで住むというパターンが多く、企業も若手の社員を抱え込むため、また安い給料でも生活ができるように、さらに深夜まで働かせても大丈夫なように便利な場所に寮を完備していたところが多かったのですが、今は多くの親が都会に住んでいるのなら、わざわざ家から出る必要も、会社が経費を負担して寮を完備する必要もありません。

別に「社会人になれば、とっとと家を出て自立すべき」という意見に丸々賛同しているわけではないのですが、10数年前から急速に少子化となった今では「長男や長女イコールたったひとりの我が子」という家が多く、昔なら何人もの子供がいて長男だけが家を継ぎ、次男や娘は早々に家から追い出すというパターンがなくなってきています。

その結果、どういうことが起きる(起きている)かと言うと、

 1)子供の自立心が弱まり、その必要もないので結果、結婚願望が薄れる
 2)収入が途切れても食・住は保証されているので気軽に仕事が辞められる
 3)自分で高い家賃を負担しなくてもいいので、頑張って高収入を得たいなど高望みしなくなる
 4)親は子を過剰に甘やかし、子供の親離れとともに親の子供離れもできない


1)〜4)の結果、ニートや引きこもり、親依存の大人になった子が増加してしまい、「このままじゃいけない!」とある日親が気がついても時すでに遅し、子に「家を出て働け!」と突然意見すると「キレられて逆襲に遭う」といったパターンかなと。

子供が娘の場合だと家庭内暴力はないにしても、親の小言を避けようと、親とは顔を合わせないよう生活パターンを変え、会っても口もきかず、自宅を避けるようにして外泊、夜遊び三昧という可能性もありそうです。

心配なのは、親が働いているうちはまだ収入もあり、家長としての存在意義もあり、ひとりやふたりを余分に養っていくことはそう難しいことではありません。しかし定年退職し年金生活に入ってしまうとそうはいきません。

それまで家にお金を入れず、自分の給料は自分のためだけに自由に使っていた同居の子供に、せめて食事代と光熱費ぐらいはお金を入れるように言うと、逆ギレのような反発を食うことになります。多くの親世代は高齢化で健康に不安があり、家も築20〜30年を超えて大規模な修繕の負担なども気になるところで、成人した子供のためにいつまでも使える余分なお金などないはずです。

さらにその親もやがては健康を害したり、介護を必要とするようになってきますが、その時、果たして子供達が献身的に親の面倒を見てくれるかというと、親の期待値とは違ってまったく怪しい限りです。少なくとも大きな期待はしてはいけません。

少子化で、一人っ子の子供が二人の親の介護を、一人っ子同士が結婚すると、二人で4人親の介護をしなければなりません。例えその気があっても、仕事を持ちながらであれば、とてもそんなことはできないでしょう。

結局、親がよかれと思って子供の世話を甲斐甲斐しくおこなっていいのは、せいぜい成人または社会に出るまでで、それ以降は、突き放し、お互いが自立して生計を立てるために、長子や一人っ子であっても一旦は家を追い出すのがいいように思います。

そうすることで、子供が世間の波にもまれ、精神的に強くなり、社会適応力も養われてくるでしょうし(堕落してつぶれてしまうリスクもありますが)、また一緒に住むパートナー探しや、結婚する意義、社会人としての責任感などが、少なくてもずっと自宅に住み親に頼り続けるよりはいいように思えます。

とは言いつつ、我が家にはもう働いている社会人が二人もいながら、なかなか追い出せずにいるんですよねぇ、、、どうすれば追い出せますかね?


【関連リンク】
724 離婚の多さと結婚という形式
720 そして次男坊は希少価値を持つ
693 引きこもりが長期化する前にすべきこと

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