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森見登美彦 MORIMI TOMIHIKO 既読書籍
006 恋文の技術 005 ペンギン・ハイウェイ 
004 四畳半神話大系 003 有頂天家族
002 夜は短し歩けよ乙女  001 太陽の塔
読書感想は2010年頃以降に書くようになりました。それ以前に読んだ本の感想はありません。


1979年奈良県生まれ。京都大学農学部生物機能科学科応用生命科学コースを卒業、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年在学中に執筆した『太陽の塔』で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞して小説家デビュー。2006年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。しばらくは国立国会図書館職員との兼業作家として執筆活動を続けていた。代表作に『太陽の塔』(2003年)、『四畳半神話大系』(2005年)、『夜は短し歩けよ乙女』(2006年)、『有頂天家族』(2008年)、『ペンギン・ハイウェイ』(2010年)など。(Wikipediaより引用 2022年)


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006 恋文の技術 (ポプラ文庫)

京都大学出身の作家と言えば、古くから井上靖、大岡昇平、小松左京、高木彬光、隆慶一郎、和久峻三など大御所が並び立ちますが、最近でも万城目学、平野啓一郎、我孫子武丸、綾辻行人、貴志祐介など売れっ子作家さんがズラリといて、早稲田大学ほどではないにしても、なかなかの文筆学閥ができそうな勢いがあります。もちろん「夜は短し歩けよ乙女」や「太陽の塔」など京都を舞台にした作品がある著者もそのひとりです。

この作品は2009年に単行本、2011年に文庫化された小説で、中身はすべて書簡(手紙)のスタイルをとっています。

主人公は京都の大学院生で、クラゲの研究のため人里離れた能登の研究室へ送られますが、それを機に手紙の奥義をマスターし、いずれは恋文マスターになろうかと、友人や先輩、妹などと手紙のやりとりを始めます。

そう言えばもう「文通」とか「恋文」って言葉は現代においては死語になっていますが、恥ずかしながら、私も暇だった高校生時代には何人かと文通をしていたことをふと思い出しました。もう40年以上前のことです。

もしいま丁重なお手紙をもらったとしても、正直言うと迷惑なだけで、手紙で返事を返さなければならないと考えただけで暗澹たる気になります。

割とそうした手紙に慣れている中高年の私でもそうですから、今の10代、20代の人でちゃんとした手紙を手書きで書いたことがある人って少ないのではないのかなぁって思ったり。

物語は能登の日常の風景やら、友人との思い出など、さすがにプロの作家が書く手紙だけあって、面白くそして情景豊かに綴られています。

キーボードに慣れてしまった人にとって、手書きの文章というのは大層ホネで、漢字もなかなか思い出せなかったりするものです。そしてこの手書き風の文章は、著者がパソコンでキーを打って書いたのだろうなぁって思うと、ちょっと不合理を感じたりもします。

★★☆

5月前半の読書と感想、書評 2016/5/18(水)

005 ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)
奈良出身で京大を出ている作家さんで、同じ京大出身の万城目学氏の後輩にあたりますが、作家デビューは先輩です。

過去には、「太陽の塔」(2003年)、「夜は短し歩けよ乙女」(2006年)、「有頂天家族」(2007年)などの小説を読みましたが、はちゃめちゃな設定も多いですが、適度に笑えて、軽く読めるので割と好きな作家さんです。この「ペンギン・ハイウェイ」は2010年に単行本、2012年に文庫化されています。

読んでいると、いかにも映画に向きそうな内容で、もう映画化されているのか?と思って探してみましたが、まだのようです。でも時間の問題のような気もします。

主人公は少なくとも私の周りにはいそうもない、賢い小学生アオヤマ君で、会話に「カンブリア紀」だの「プロミネンス」という言葉がポンポン出てくるってのはどうなのよ〜と思わなくもないですが、まぁ小説なので固いことは言わず。

「有頂天家族」では狸が主人公で、今回はペンギンが重要なアイテムになっていて、動物を描くのが好きな作家さんです。

それは著者が京都大学農学部生物機能科学学科応用生命科学コースおよび大学院へ進まれたことと、どのように関係しているかは不明ですが、当然ながら無関係ではないでしょう。

テレビや映画の業界って言うのは、こういう可愛い動物や、大人顔負けに賢くてなんでもよくできる子供が出てくるのって好きですね。見る側からすると、可愛い動物はモチロン、「そういう賢い子供がいれば幸せ!」って感じたり、将来は「そういう子供が欲しい!」という願望から来るのでしょうか。ま、現実感や実現性は皆無でしょうけど。

それはともかく、タイトルの「ペンギン・ハイウェイ」とは、海から陸地に上がるペンギンが、いつも決まってたどる道のことだそうです。ひとつ賢くなりましたね、役には立たないけれど。

9月後半の読書と感想、書評 2014/10/1(水)

004 四畳半神話大系 (角川文庫)
2003年に「太陽の塔」でデビューした森見登美彦氏の2005年(文庫は2008年)の作品です。私の年代で「四畳半」と言えば、永井荷風著「四畳半襖の下張り」(あるいはそれを原作とした宮下順子主演『四畳半襖の裏張り』)とか、松本零士氏の「男おいどん」の世界なのですが、若い人(著者は30代前半)にとってはもう死語化していると思いきや、こういった小説があるとはちょっと驚きです。

この森見氏と「鴨川ホルモー」の万城目学氏とは年代こそ違えど、京都大学へ通う貧乏学生の話しをコミカルに書くことなどがよく似ていて時々作者と作品を間違います。森見氏のほうが京大では3年ほど後輩ですが、作家デビューは在学中にデビュー作を書いた森見氏が逆に3年ほど早いようです。

さてこの小説、、、変わっています。

京大に入学した主人公が、さぁ青春を楽しもうとキャンパス内で勧誘をしている様々なクラブやサークルの中からこれはと思った4つの不思議なサークルに所属した場合の4つのキャンパスライフが描かれています。

どうなんでしょう。それぞれの物語に主人公と周囲にいる人達には微妙な違いが発生しているわけですが、登場人物はどの話でも限られていて、その中だけで終始し、完結していきます。

読者はどの人生が気に入ったとか、これは酷いと思ったかなどの感想をもつことを期待されるのかもしれませんが、4つのストーリーに分かれているものの、その中の半分ぐらいは前のストーリーと一字一句変わらない場面が繰り返されるので、なんとも言えない既視感というか、一度読んだ本を間違って買ってきてそれを読み進めていくうちに「あ!これ前に読んだぞ」と自らのミスに失笑してしまうような感じというか、「あ、また出てきた」と読み進めるモチベーションが次第に薄れていってしまいます。

こうした、人生の岐路でもし別の選択をしたらどうなるか?というパラレルワールド的な小説はいくつかありますが、結局は大差ない結果となり、ちょっとつまらないかな。

コミックからテレビドラマとなった「JIN‐仁‐」もその手の物語でしたが、タイムスリップをうまく使って、人生と世界を変えてしまうという試みなどなかなか面白い設定でした。

12月後半の読書と書評、感想 2014/1/2(木)

003 有頂天家族 (幻冬舎文庫)
少し前に直木賞候補にもなった「夜は短し歩けよ乙女」を読みましたが、この「有頂天家族」はその1年後に書かれた小説です。

主人公はなんと京都の森に住むタヌキの一家。その他には人間はもちろん、天狗も出てきます。

そのタヌキの一家は、父親は京都のタヌキ界のリーダーだったものの、数年前に人間に捕まりタヌキ鍋にされてしまいます。人間へ手引きをしたのが悪役の父親の弟であり、その弟の家族と主人公家族とが次のリーダーを決めるため対決をします。

また一方では大学教授を引退し年をとって飛べなくなってしまった情けない天狗や、その天狗に気に入られ、術を授けられた人間の若い女性と、先ほどの主人公家族などが入り交じりドタバタが繰り広げられます。

ま、私の場合、こういうおとぎ話的設定は正直あまり好きではなく、裏表紙のあらすじを見たらまず買うことはないのですが、2008年の本屋大賞にノミネート(3位)されていたということで、内容も見ず買って読みました。

同氏は京都在住ということもあり、京都を舞台にした小説が多いのですが、最近では万城目学氏も同種の小説を出していて、読んでいるとあれ?どっちの人だったっけ?と一瞬わからなくなるほど作風が似ています。

10月後半の読書 2011/11/6(日)

002 夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見登美彦氏のデビュー作品「太陽の塔」を読み、なんだか著者に親近感を感じましたが、それは森見氏が関西出身で、京都で大学生活をおくるという私と共通の体験(同じ大学ではないが)をしていたことに大きな要因があるでしょう。

それはまた「鴨川ホルモー」などの著作で知られる万城目学氏とも共通します。ただ年齢は私より森見氏や万城目氏のほうがずっと若く、20年以上も離れています。

私にとって森見氏の「太陽の塔」はあくまで1970年に開催された万博会場の中に立つシンボルとしての思い入れですが、氏のそれはデートで行く公園のシンボルになっていたことに、その世代の違いを感じます。

この本は「太陽の塔」とはまた大きく違い、どちらかと言えばすでに商品化されていますがコミックやアニメに近いものがあり、若い人にはたぶん面白おかしく読めるのでしょうが、すでに50代に入った私には全然面白くもなんともないなぁって感じです。

本屋大賞でノミネートされていた本なので期待をしていましたが、何度か途中で読むのをやめようかと思うぐらい、ちょっと残念な気持ちです。森見氏の本では2007年発刊の「有頂天家族」も既に購入済みなので、そちらに期待することにしましょう。

いま手元には20冊ぐらいの未読の本があり、日々衝動買いや知人にもらったりすることもあるので、それがいつ読めるかはわかりませんが。

内容は京都大学とその周辺で起きるドタバタを、ユニークな京大生の女性とその女性にあこがれる大学の先輩とが巻き起こすファンタジーコメディです。

8月後半の読書 2011/9/4(日)

001 太陽の塔 (新潮文庫)
2008/04/16読了

「BOOK」データベースより
私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。



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