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リストラ日記アーカイブ 2024年10月 読みやすいようにアーカイブは昇順(上から古いもの順)に並べ替えました。上から下へお読みください。 日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです |
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---------------------------------------------------------- 9月後半の読書と感想、書評 2024/10/5(土) 1806 老人をなめるな(幻冬舎新書) 下重暁子 本著は2年前の2022年出版のエッセイで、健康でアクティブな著者が独自の視点で、世の中には高齢者のネガティブな報道や話題が多い中、それを逆手にとった老人賛美の内容です。 著者の主張には賛成するところと、いやいやそれは違うでしょう?と思うところが混在しますが、いずれも高齢者になって初めて理解ができる点で、うなづける点が多くあります。 例えば、すでにある程度の蓄えがありながら、いくつになっても現役で働き続けることを善とする著者の考え方には、若い人の邪魔になるだけのわがままで自己中心的な高齢者が多い中、賛成しかねるところですが、高齢者の交通事故ばかりマスメディアは取り上げるけど、事故率で圧倒的に多いのは若者であって、高齢者が増加しているので件数こそ増えているものの、高齢者の事故率は昔からほとんど変わりがないという事実などは賛同できます。 断捨離に対してもネガティブな思いがあるようですが、少し前に読んだ五木寛之著「捨てない生きかた」にも同じようなことが書かれていました。 どうも断捨離は富裕層の高齢者には不評のようです。なかなか買えない、買っても置く場所がない普通の年金暮らしの高齢者は次々と不要なものを断捨離せざるを得ないのが現実です。 全般的には高齢者あるあるで、高齢者にとってはあらためて納得できる話が多く、ためになるというより思ったことを文章で思い出させてくれた、代弁してくれたという感じになるでしょう。 ただ人生を順風満帆に送ってきた成功者であり、富裕層ゆえのやや上から目線の独善的な話しにはちょっとガッカリするところもあります。 ★★☆ ◇著者別読書感想(下重暁子) パラドックス13(講談社文庫) 東野圭吾 宇宙のブラックホールの影響で、ある日時に13秒間消滅する事態を物理学者が発見しますが、いったい何が起きるかわからないので、政府は国民には知らせないでやり過ごす策に出ます。 その13秒間には危険な勤務をしないように自衛隊や警察に通達しますが、犯人逮捕の現場にいる警察官にとって、その逮捕をするチャンスを逃すわけには行かず行動に移したところ、犯人から発砲を受けます。 そして気がつくと、天変地異が繰り返され人がほとんどいなくなった東京で、少数の訳ありな人たちと共にサバイバル生活が始まります。つまり、ここにいる人たちは、別の次元に迷い込んでしまったということです。 サバイバルに詳しい人が読めば、登場人物達が生き抜くためにいかにダメダメな行動ばかりをしているかというのがわかりますが、なにも情報がなく、いきなり頼れるものがなくなったときに、冷静にまともな精神状態ではいられないだろうということで、混乱やひどい対応にも仕方がないでしょう。 アメリカ映画で「アイ・アム・レジェンド」など地球滅亡で生き残った少数の人間がサバイバルをするものや、タイムマシンで過去や未来へ行ってサバイバル、何百年ぶりに地球に帰還したら猿が支配していたというものはありましたが、異次元へ飛ばされ、そこにある人や動物だけがいなくなったまったく同じ都市の中でサバイバルというのはあまり聞かないです。 エンタメとしては自分ならどうするだろう?とか考えながら、たいへん面白く読めました。異次元の東京が壊れていくシーンをSFXやVFXで工夫すれば映画化も十分可能でしょう。 ★★☆ ◇著者別読書感想(東野圭吾) 顔をなくした男(上)(下)(新潮文庫) ブライアン・フリーマントル そのシリーズ15作目が本作で、そのひとつ前の14作目「片腕をなくした男」と、あとの16作目「魂をなくした男」が連続した三部作となっています。 今回三部作の真ん中から読んでしまい(読み始めるまで知らなかった)、やや最初のうちは以前の活躍が話に出てきてもよくわからず苦心しましたが、なんとなくわかってきてからは順調に読み進められました。でもやっぱり14作目から読む方が良さそうです。 ストーリーは、国内の治安維持を行うMI5と国外で諜報活動を行うMI6との確執と権力争いなどが中心で、そうした中で、ロシアに残してきたMI5の主人公の妻と子を英国に連れ出す作戦と、同時に秘密裏でお今合われているロシアの高官亡命作戦の二つが展開されるというものです。 外国にある英国大使館の中で起きた犯罪は外国にあるとは言え大使館の敷地内は英国領と同等と言うことで国内担当のMI5に調査を手動する権利があり、同じ外国の大使館の中でMI5とMI6が同居し、時には協力し合ったりだまし合ったりするという関係があるのが面白かったです。 主人公のMI5の諜報員は、関係の良くないMI6はもちろん、同じMI5のメンバーも信用せず、独自の判断と行動でこの世界を生き抜いてきましたが、今回はMI6に囮として利用され、最後には付け狙われて暗殺されようとします。 最後は、主人公がピンチに陥りロシア側に捕まってしまうところで終わり、以下次号に続くという感じです。やっぱり最初から3部作を購入しておいて、順番に読まないとストレスが溜まってしまいます。 ★★☆ ◇著者別読書感想(ブライアン・フリーマントル) 京の怨霊、元出雲 古事記異聞(講談社文庫) 高田崇史 本来シリーズものは順番通りに読むのが正しい読書法ですが、1作目、2作目、そして先に第4作を読んでいて、この3作目が最後になってしまいました。ま、あまり気にするほどは前巻から持ち越された精緻なミステリーではないので大丈夫です。 主人公はシリーズ共通で東京の大学院生で民俗学研究室に属し、出雲について研究しています。第1巻では出雲大社を中心に出雲地方を、第2巻ではたたら製鉄などが有名な奥出雲へ、この第3巻では京都に「出雲」があると教わりフィールドワークでやってきます。 京都と出雲の関係が現在でもよくわかる場所として、京都府の亀岡市には地元民ならよく知っている「出雲大神宮」があり、京都市内には「出雲路橋」という加茂川にかかる大きな橋があります。 そしてその橋の近くに小さな「出雲寺」や「出雲路幸神社」、高野川の上流八瀬近くに「出雲高野神社(崇道神社)」という寺社があるというのはほとんど知られていないでしょう。 また出雲路橋からも近い葵祭で有名な下鴨神社境内に出雲井於神社((いずもいのへのじんじゃ、別名比良木神社)というのがあり、こちらにも古代出雲の痕跡が残されています。 そしてその出雲と京都の関係は?ということがこの歴史ミステリー小説では最大のテーマですので書きません。面白いですよ〜 そしてこのシリーズの「主人公が現れる場所には死体あり」で、今回も下鴨神社境内で死体が発見され、その謎に関わっていくことになります。 シリーズは、この次に奈良を舞台にした既読の4作目「古事記異聞 鬼統べる国、大和出雲」、そして現在はまだ文庫化されてなく新書版ですが、シリーズ最終作品?の「古事記異聞 陽昇る国、伊勢」が刊行されています。 個人的には、出雲へ旅する前に「出雲」のことがわかりそうな小説を探しこれを見つけ読んでみたらすっかりこのシリーズにはまってしまいました。 しかし古代天皇や神々の名前は複雑で覚えきれず、著者の言わんとすべきことが理解できたとは言えません。しかし女子大学院生を主人公にして、難しいことをわかりやすくして書かれていることは救われます。 ★★☆ ◇著者別読書感想(高田崇史) 【関連リンク】 9月前半の読書 捨てない生きかた、森へ還れ コロナからの警告、みんなで一人旅、その青の、その先の、 8月後半の読書 獅子吼、弔いのダマスカス、キンモクセイ、絶唱 8月前半の読書 午後二時の証言者たち、囁き男、月の満ち欠け、仕事がなくなる! ---------------------------------------------------------- 個人情報漏洩は止まらない 2024/10/12(土) 1807 2003年に新たに個人情報保護法ができ、2017年と2022年に強化された改正が行われてきました。すでに個人情報の大切さが一般に周知され認知されてから21年が経ちました。 思えば、私が就職をした1980年の段階では、個人情報は特に大切にされることもなく、今から思えばひどい管理状態でした。住所や年齢、生年月日などがわかる社員名簿や卒業者名簿の配布などもその一例だと思いますが、仕事では他人の銀行口座やプライバシー情報も特に管理されることなく普通に使われていました。 ま、現在は個人情報をそうひどい扱いをされることは少ないでしょうけど、隠せば隠すほど知りたがる輩は必ず出てくるのは世の常で、それが営業成績や業績に直結するとか、反社会的な人たちにとっては宝の山で高く売れるとなれば、金目当てで個人情報を盗み出そうという人も増えてきます。 したがって、個人情報の流出は絶対に止められません。流出するのが嫌なら個人情報を他人に預けないことが一番です。 とは言っても、戸籍や住民登録、各種免許、入学、就職、納税、保険、銀行、クレジットカード、電子マネー、スマホ契約、通販、電気やガス、各種の利用者登録など個人情報を他人に委ねなければならないケースが数多くありますから、現代に生きていく上では個人情報は漏れることを前提にしておかなければなりません。 最初に個人情報漏洩事件で大きな話題となったのが2004年に起きたヤフーBBの加入者422万名の個人情報が漏洩した事件で、ヤフーBBは加入者に500円の金券を渡すことで沈静化にあたりましたが、社会に大きなインパクトを与えた事件でした。 その後、毎年何十件も大きな個人情報流出事故が起きていますが、よほどの規模でない限り報道されることは減ってきたような気がします。 最近も250万件の流出事故が起きましたが、ほとんど話題にはあがっていません。私も今回調べるまで知りませんでした。 顧客情報250万件漏洩 損保大手4社が金融庁に調査結果報告 悪質な不正利用も(2024年8月30日 産経新聞社)
さらに先月にはゆうちょ銀行が顧客情報を不正に簡易保険の営業に使用させていた事件が発覚しました。 ゆうちょ顧客データ、かんぽ営業に不正流用 郵便局で保険業法違反か(2024年9月21日 朝日新聞社)
これも立派な個人情報漏洩事件だと思いますが、法律上はなぜか「保険業法違反」となっています。こうした個人情報の不正利用(流用)など含めると漏洩事件はもっと増えるでしょう。 今月に入ってからも9万件の個人情報が漏洩しています。こうした個人情報が詐欺グループなどの手に渡り、様々な詐欺のターゲットされていくのでしょう。 タリーズコーヒージャパン 9万人以上の個人情報流出のおそれ(2024年10月4日 NHK)
私のところにも、10年前に設置したガス湯沸かし器の点検という名目で次々とメーカーの「リンナイ」の関係者と匂わす業者から連絡が入り、実際に点検にもやってきました。 しかしどうもおかしいのでリンナイに問い合わせをしたところ、そういう点検に行くという決まりはないとのことです。つまり疑えば、点検と偽り、買い換えなどを促す点検商法ではないかと思われます。 私の場合、暇だったので点検作業を近くでジッと見ていたので、買い換えの勧めとかは起きませんでしたが、なにもわからない高齢者だと言われるままに従う人もいるでしょう。 しかし、設置後10年経過というのは誰にも言ってないので、次々と名指しで電話がかかってくるのはどこかから「設置をして10年が経過している家の電話番号と名前」が漏れていることになります。 リンナイに「そちらから個人情報が漏れているのでは?」と尋ねましたが、社内調査をするわけでもなく、鼻をくくったように「知りません」「関係ありません」とだけの見下したような返答だけです。ま、下手に「調査してご連絡します」とはカスタマサポートの立場で軽々しくは言えませんよね。 昨年2023年に起きた上場企業とその子会社で発生した「個人情報漏えい・紛失事故」は年間最多になり175件、流出・紛失情報は過去最多の4,090万人分ということです(東京商工リサーチ調べ)。 比較的個人情報の管理が厳格な上場企業とその子会社だけでこのような状態ですから、日本全体ではその何十倍、何百倍もの流出が起きていても不思議ではありません。 そこで、昨年2023年の4〜6月の3ヶ月間に起きた主な個人情報流出事故を表にしておきます。 データ出典は「不正検知Lab -フセラボ」 数値は人数(件数)で、1万人(件)以上の漏洩は太字
上場企業やその子会社だけでなく企業や団体の全体では2023年4〜6月の3ヶ月間だけで933万件超の個人情報が流出しています。単純に4倍すると年間3732万件の流出です。国民のおよそ3割超の数です。 つまりおよそ3割以上の人の個人情報が1年間で漏洩していると言うことは、3年に一回は自分の個人情報が流出していると思っていてもそう大きな間違いではなさそうです。その中には、漏洩した企業や団体が漏洩に気がついていない場合や、漏洩した事実を知っていても公表していない場合もあります。 漏洩しても悪意ある人の手に渡り、それを利用されない限りは大きな問題にはなりませんが、その保証はどこにもありません。 突然かかってくる知らない人からの電話や、ダイレクトメール、営業訪問、SNSの友達申請などには警報を鳴らし、銀行口座やクレジットカードの使用状況、利用者登録しているサイトの利用履歴など、定期的にチェックしておかないと、知らないうちに誰かに狙われているかも知れません。 【関連リンク】 795 定年リタイア時の必要貯蓄額と生涯住宅費用 723 個人情報保護も大事だと思うが 342 続きを読むにはユーザー登録をしてください! ---------------------------------------------------------- 10月前半の読書と感想、書評 2024/10/19(土) 1808 ヴェアヴォルフ オルデンベルグ探偵事務所録(中公文庫) 九条菜月 2006年の中央公論新社の新人賞「C★NOVELS大賞」でこの作品が特別賞(大賞は多崎礼著「煌夜祭」)になり作家デビューした方です。 したがって初出は2006年にC★NOVELSの新書として出版され、その後2013年に文庫化されています。 物語の舞台は20世紀初頭のベルリン、主人公は探偵事務所に勤める「人にまぎれている人でない者」という変化球です。 確かに西洋には古くからバンパイアや吸血鬼、ドラゴン、魔女など多くの「ひとでない者」の話がありますが、探偵ものの小説でそれらに出会うとは思いませんでした。 ま、奇想天外ながら、読めば読むほど味が出てくる深みのある作品で、デビュー前の新人作家が表に出すまでには多くの苦労や葛藤があったものと偲ばれます。 主人公以外にも、主人公を助ける「人間」の少年や、上司にあたる「人ではない者」の探偵事務所社長などにも魅力があり、時代や国が違えど違和感なくスラスラ読めて楽しめます。 この「オルデンベルグ探偵事務所録」シリーズの続編として「ヴァンピーア」、「ヘクセ」、「エルの幻想曲」とありますが、読みたいか?と問われれば、う〜ん、、、どうでしょう、保留にしておきます。 ★★☆ 草笛の音次郎(角川文庫) 山本一力 時代小説が多い著者ですから他にもいくつかの股旅小説はあると思っていましたが、意外と少ないようです。 しかし股旅と言えば欠かせない三度笠や道中合羽、葛籠(つづらこ)など、渡世人の姿形、しきたり、仁義のきりかた、言葉遣いなど、きっちりと説明がされていて楽しく読めます。 主人公は、東京浅草の貸元(賭博場の主)に属している若者で、千葉にある佐原(現香取市)にある兄弟分の貸元から香取神宮の祭りの招待状が届きますが、貸元の体調が優れず代わりに名代を出すことになり選ばれます。 江戸から一歩も出たことがない主人公が、佐原まで旅をして成長していくという物語ですが、当然順調にはいかず、盗賊に遭ったり、盗賊に一味と疑われ番所に投獄されたりと苦労が続きます。 しかし一方では、誠実な人柄が幸いして親切な人や、それぞれの有力者に気に入られ、旅の途中ながら弟分ができ、そしてどうにか佐原について名代の役目を果たし終えます。 クライマックスは、旅籠で襲ってきた有名な盗賊一味との決着で、晴れ晴れしくハッピーエンドに終わります。 主人公は鰻を食べると女を抱かずにいられないという体質があり、お色気もたっぷりの小説で、もしかすると男性向け週刊誌などに連載されていたのかな?と思ってしまいます。 ★★☆ ◇著者別読書感想(山本一力) 自分をどう愛するか<生活編>幸せの求め方(青春文庫) 遠藤周作 著者が亡くなったのは1996年ですからもう28年が経っていますが、私が子供の頃には(大人向きの難しい小説はともかく)狐狸庵先生の「ぐうたら」シリーズや、インスタントコーヒーのコマーシャルで「違いのわかる男」として登場し人気だったことを思い出します。 元本が1982年の出版と言うことで、今なら「女性蔑視だ!」とか「パワハラでしょ?」っていう話しが本文中にいくつも出てきますが、一時代を築いた偉大な作家ということもあり、ご愛敬と言うことなのでしょう。 文末には「今日の観点から見ると一部差別的ととられかねない表現がありますが・・・」と出版社のエクスキューズが書かれています。 著者が生きた戦中・戦後の昭和時代の価値観が際立っているので、21世紀の今読むと「ちょっとなぁ」という部分と、普遍的な思想や考え方で「なるほど」と思える点が混在しています。42年の月日でこれだけ社会は変わるのだと言うことが実感できました。 もっとも当時、比較的若い人向けに書かれたエッセイですので、1982年当時の私は社会人になりたてという、ちょうどこの本の想定される読者だったと思います。 ★☆☆ ◇著者別読書感想(遠藤周作) 新月譚(文春文庫) 貫井徳郎 比較的多作の著者の小説は数多くありますが、私は過去に13作品だけを読んでいて、作品に当たり外れがない作家さんと思っていて、どうして直木賞がとれないのか不思議(過去この作品を含め4回候補にあがっている)な作家さんのひとりです。 タイトルの「新月」は、「そこにあるはずだけど見えない月」という意味を、顔の整形をして、もはや以前の顔をすっかり変えてしまった女性主人公が、昔の自分を新月に見立てたものです。 一般の若い女性が顔を整形してすっかり変えて絶世の美女に生まれ変わるストーリーは、百田尚樹著の「モンスター」(2010年)にもありましたが、なにかありそうであり得ない感じです。 頭の弱い小金持ちの女性が、なにも考えず、なにかに執着して整形を繰り返すというのならよくあることかも知れませんが。 また小説家を主人公にする手法は、売れっ子の作家さんからすると一番身近でよく知っている職業で、出版社や編集者との関係などは勝手知ったることを書けば良いだけなので、いかにもお手盛りというか物語のお手軽さは拭えません。自伝的な小説ならばそれもやむを得ないのですが。 著者は多作ながらも、テーマが多岐に渡っているのが素晴らしく思っているだけに、身近な話題ではなく、調査や視察、ヒアリングなどの苦労が偲ばれる作品を期待してやみません。 ★☆☆ ◇著者別読書感想(貫井徳郎) 【関連リンク】 9月後半の読書 老人をなめるな、パラドックス13、顔をなくした男、京の怨霊 元出雲 9月前半の読書 捨てない生きかた、森へ還れ コロナからの警告、みんなで一人旅、その青の、その先の、 8月後半の読書 獅子吼、弔いのダマスカス、キンモクセイ、絶唱 ---------------------------------------------------------- 読書離れが進むとなにが起きるか? 2024/10/26(土) 1809 2020年にコロナ禍が起きて、外へ出て人と遊ぶより、自宅でひとり読書でもしようというムードが高まっていたんじゃないかな?と思っていたら、驚くことに2023年の文化庁の調査では、コロナ前の2018年と比べて大幅に読書をする人の数が減っているようです。 「月に1冊も読書しない」が6割超 進む読書離れ 国語世論調査(毎日新聞社)
「紙の書籍が売れないのは電子書籍に移ったからだ」という人も以前はいましたが、電子書籍は思ったほどには伸びてなく、紙あるいは電子を含めても読書する人自体が急速に減ってしまっているということです。 読書を教養の一環としてとらえていた書籍が大好きだった団塊世代を中心とする中高年以上の人たちが、高齢化のため読書する習慣が減ってきています。これは新聞購読者数の減少とも似ています。 趣味の世界は、様々に多様化していて、趣味や余暇の時間の奪い合いが続いていますが、その中でも圧倒的に上昇しているのがスマホを使ったSNSなどの時間です。 読書は、趣味や余暇の時間の過ごし方として、インドアの場面では長く映画やテレビ、ビデオ(DVD)などと覇権を争ってきました。 しかし、長時間見ることだけを強いられる映画や、テレビ局の質の落ちたお仕着せ番組を見せられるテレビは時間の無駄、行動や場所の制限、見たくないものまで見せられる苦痛などから敬遠されてきています。 テレビや新聞の既存メディアの衰退はもう何十年も前から言われ続けてきましたが、しかし少なくとも今の団塊世代のほとんどが世を去るまでは縮小しながらもしつこく生き残るでしょう。 読書については、すでに電子書籍や電子コミックなどが若い人の中では当たり前になりつつありますが、中高年以上にとっては読書と言えば紙の書籍というのが基本でしょう。 SDGsの観点から言えば、森林を伐採して作る紙の書籍よりも、電子データのほうが環境や持続性に向いていますが、文化的な側面からは、やはり紙とインクの香りがする書籍にこそ愛着がわきます。 なにか勉強をしようと思ったとき、新たな仕事を覚えようと思ったとき、キャリアアップを目指して資格を取るなどスキルアップしたいときは、ほとんどの場合、本を読む必要があります。 最近はそうした勉強用書籍も電子化されているものもあるでしょうけど、やはりジックリ読み込み、時には余白に書き込みをしながら学ぼうと思うと紙の書籍が好都合と思います。 そういう考え方や勉強法自体が古すぎると言われればそうなのかも知れませんが。 しかし職場でも、最先端のITを扱っている人でも、新しい技術や手法を学ぶときには分厚い専門書を手元に置いて時間があるときに熱心に読んでいるというのが実情です。 そういう紙の書籍でしか学べないことや、それが効率的という時が必ずあり、普段から紙の書籍を読み込むことに慣れていないと、その時になって苦労することになりそうです。 本を理解しながら読み進める速度は、電子化や紙の書籍に関係なく、やはり経験と読書量がモノを言います。つまり普段から文字をサラサラと読みながらインプットする訓練を積んでいないと、なかなかうまくいかないでしょう。周囲からは理解度が遅いと言われかねません。 そのためにも、普段からまずは軽いモノからで良いので漫画ではなく文字だらけの文章をできるだけ早く読む訓練を積んでおくことが必要なのです。 かと言っていきなり「新約聖書」や「相対性理論」を読んでも眠たくなるだけですから、まずは小説やビジネス新書レベルの読書を若いときから習慣づけしておくのが良いでしょう。 現在の「読書離れ」から起きることは、人は長々と書かれた文章を読まない(読めない)ことを前提に、すでにスマホなどで始まっていますが製品の「取扱説明書」は消滅していき、アーリーアダプターが自主的に作った「使い方動画」などがそれらに代わってくるのでしょう。メーカー側もそのほうが面倒がなくコストが下げられます。 やがてメーカー側も、誰も読まない文書や絵だけの取扱説明書でなく、動画やアニメを制作して「使い方はネットで見てください」というのが普通になっていくでしょう。 小説家と言われている人たちは今後は芸能人と同様に特定のファン向けの作品執筆だけとなり、ミリオンセラーや大ヒット作品はなくなります。小説執筆だけで食べていける作家は、昭和、平成の時代と比べて間違いなく減少していくはずです。 気の毒なのは法律家で、今のところ法律で使われる言葉や文章は、古い過去から積み上がってきたものが多く、言い回しや難しい用語などを勝手に書き換えてしまうわけにはいかず、古い因習に縛られた中でそれに慣れていくしかありません。条文や判例の文章に込められた深い読解力が必要なだけに読書が苦手という人には向かない仕事でしょう。 読書する人の減少で出版社は、新聞社と同様、厳しい冬の時代が続いていきます。時には大ヒットアニメやコミック、またノーベル文学賞受賞などで一時的に賑わうことはあるでしょうけど、長期的に衰退するのは避けられません。 その中から、画期的な発想の転換で、脱・出版を果たす出版社が出てくるでしょう。どういう形態になるのか?収益構造は?など、凡人の私には想像も付きません。単に「ネットに対応しました」というようなものでないことだけはわかります。 機械メーカーが農業を始めたり、家電メーカーが自動車の製造販売を始める時代ですから、なにが起きても不思議ではありません。 そしてもっと救いがたいのは書店で、この10年間で半分近くの書店がなくなっています。残った書店も書籍だけではない店舗へと変わらざるを得ない状況です。 消える書店 ネット通販拡大 電子書籍化など背景(NHK)
そして名著の多い古典文学は今後も残るのか?と言うと、著者が亡くなってから70年以上が経過して著作権が切れているものは、青空文庫のような無料で読める電子書籍か、中古本で出回る程度で、収益化の見込みがない書籍に文化活動のためにと出版社が力を入れて販売することはありません。 紙の書籍が好きだった団塊世代がすべて75歳以上となり、余命が残り少なくなってきました。その世代は書籍を捨てるのには抵抗があるので、おそらく今でも自宅にはほこりをかぶった大量の書籍が押し入れの中に積まれているでしょう。 50〜60年ほど前なら、遺品に大量の書籍があれば、図書館や学校に寄贈するというのが喜ばれ美徳として紹介されたこともありましたが、現在では古書を欲しがるところはどこにもありません。遺品整理をする遺族は、厄介物として捨てるしかないわけです。 昔なら親が残した書籍を子供が受け継いで読むこともありましたが、今ではその可能性はゼロに近く、捨てられた大量の書籍はミックスペーパーとして捨てられ再生紙に代わっていくしかないでしょう。 【関連リンク】 1606 書籍販売年間ランキング比較 1532 書店の役割は変わっていけるのか? 1512 2021年版出版社不況 |
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