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日本の農業はどこへ向かうか マイカーで東京から京都まで旅行する場合 ゴルフをプレイしている人の年代層割合に驚いた 世界と日本の宗教別信者数 2021年版出版社不況 客員教授と非常勤講師ってなんだ? ロバート・B・パーカー「スペンサーシリーズ」全巻まとめ 窓ガラスの熱割れで火災保険は使えるか? 天然素材でも綿はよく燃えるらしいことがわかった やっとのことでJ:COMを退会した 貯まった1円玉はどうする? 自動車整備士に未来はあるか? 液晶テレビが壊れた件 リタイア後の心配事 運転免許証取得者は意外にも増えている 著者別読書感想INDEX −−−−−−−−
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リストラ日記アーカイブ 2022年2月 読みやすいようにアーカイブは昇順(上から古いもの順)に並べ替えました。上から下へお読みください。 日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです |
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---------------------------------------------------------- 1月後半の読書と感想、書評 2022/2/2(水) 1608 風味絶佳 (文春文庫) 山田詠美 この作品は2005年に発刊され2008年に文庫化された短篇集で、谷崎潤一郎賞を受賞しています。 ちなみにこの谷崎潤一郎賞は、「時代を代表する優れた小説・戯曲を顕彰」とあるように物語の舞台が現代だけではなく幅広い時代を映し出した小説や戯曲が対象になるのでしょう。 6編の短篇は、「間食」、「夕餉」、「風味絶佳」、「海の庭」、「アトリエ」、「春眠」というタイトルで、それぞれに、とび職、清掃車作業員、ガソリンスタンドのアルバイト、引越し作業員、汚水槽清掃、火葬場職員と、ブルーカラー系の職業が登場します。ちょっと変わった趣向の短篇です。 その中でも良かったと思うのは、本のタイトルにもなっている「風味絶佳」と、「春眠」。 「風味絶佳」の由来は、森永ミルクキャラメルの表面に書いてある「滋養豊富」「風味絶佳」の文字からで、ガソリンスタンドに勤務する男性の祖母がいつもそのキャラメルを持っています。 祖母は福生の米軍基地の近くでアメリカ人相手のスナックをやっていて、ちょっとぶっ飛んでいる感じで、孫の主人公との掛け合いがとても良かったです。 「春眠」は、土日曜日は休日でなく子育てはなにもせず、厳粛なムードの火葬場で長く働いてきたお堅い公務員だった父親の息子が主人公です。 子育てを全くしてこなかった父親は、妻を先に亡くしますが、息子が密かに恋心を持っていた大学の同級生と結婚してしまうという変な話しです。 「うんと年上の男がいい!」という女性は少ないながらも確かにいるので、これもまた時代を反映したものなのでしょうが、なにかできすぎ感が半端なく。 そういう感じで、全般的に、いかにも「話しを都合良く大きく盛って作りました」という、わざとらしい作為とリアリティのなさがどうも私の感性とは合わず、残念ながらいまいちな感じでした。 ★☆☆ ◇著者別読書感想(山田詠美) 美しい家 (講談社文庫) 新野剛志 2013年に初出の長編小説ですが、5年前の2017年に既に読んでいました。読み始めてから、どこかで聞いたような話しだな?と思いましたが、既読とは気がつかず、これはボケと健忘症が進行してきている証左かも知れません。ホント大丈夫か?自分。 9月後半の読書と感想、書評 2017/9/30(土) 感想は、前のを見てもらうとして、これだけの長編ならば、しかもわずか5年前という短期間で気がつかないというのは、上記のように自覚症状がない病気?のせいでもありますが、もうひとつは、残念ながら印象に残っていなかった小説ということもあります。 個人的には、ある種の宗教的というか、なにか行動規範や生き方について、特定な個人に心酔し、それの正当化のためなら殺人すらいとわないという心理はまったく理解ができず、あくまでよその惑星で起きているSFぐらいにしか思えません。 もちろん現実では時々起きている事ですが、宗教などを扱って人の異常性を引き出してさらに強調していくのはなんだか狡いなぁという感じがします。ま、小説やドラマではよく使われる手ですけどね。 それだけに、こうした同種の小説は、いずれも記憶が薄くなってしまうのもやむを得ないかなと思っています。 でも単なるぶっ飛んだ小説としてはドキドキ感があり、現実から離れて読み進めるのは、それなりに面白いのですけどね。 ★★☆ ◇著者別読書感想(新野剛志) 老老戦記(新潮文庫) 清水義範 2015年に「朦朧戦記」として単行本で発刊されましたが、2017年にタイトルを変えて文庫化された連作短編小説です。こちら(文庫)のタイトルのほうが、ストレートでわかりやすいです。 75歳以上の高齢者が入居している老人ホームを舞台にした、自己顕示欲や性欲を丸出しでハチャメチャな老人達のユーモアあふれる日常と、その少し下の仕事を引退したばかりの団塊世代の有り余るエネルギーの発奮をこれまたユーモア満載で描いています。著者も団塊世代の方ですから。 中でも、大金持ちの老人に頼まれて、南方の島を借り切って、本物の三八式歩兵銃と実弾、手榴弾を装備し、陸軍軍服を着て、日米の老人達がそれぞれ敵味方に分かれ、生きるための刺激を求めて戦うというストーリーは、実現不能なこととは言え、空想するのは自由で面白かったです。 同様に、「団塊世代の未来を守る」を唯一の目的として選挙に打って出る団塊世代の元公務員なども、数が多いうえに投票率も高い団塊世代のニーズを捕らえるのには最適です。 その団塊世代が政治の中に入っていくことで、元全学連の闘志達は「権力側にすり寄るのはけしからん!」と火炎瓶を選挙事務所に投げ込むとか、もうワケがわからなくなっていきます。 無茶苦茶ですが、ちょっと下品で下世話なユーモアと理解すれば、それでいいのかも知れません。 ★☆☆ ◇著者別読書感想(清水義範) イッツ・オンリー・トーク (文春文庫) 絲山秋子 2004年に単行本で発刊(2006年に文庫化)された著者の実質デビュー作で、題名となった中篇の「イッツ・オンリー・トーク」と、中篇「七障害」の二篇が収録されています。 2006年には、「イッツ・オンリー・トーク」を原作とし、廣木隆一監督、寺島しのぶや豊川悦司が出演する映画「やわらかい生活」が製作されています。 内容は、主人公のうつ病を引きずる独身女性が、フッと気になった大田区の蒲田へ引っ越してきて、様々な出会いや恋愛などを通じて日々淡々と生活していく話ですが、区会議員選挙に打って出るEDの友人、うつ病のヤクザ、痴漢友達?、自殺未遂をした男性のいとことの同居生活など、それなりに飽きさせることなく面白い展開が続きます。 私には縁遠い出世界観ですが、今の若い人にはこうした生活が普通に身近に感じるのかなっぁというのが感想です。 著者は私よりも9歳若い方ですが、これが出版されたのが18年前ですから、著者38歳の頃ということになります。 違うのは東京で生まれ育った著者に対し、社会人になるまでずっと田舎で育った私との差なのかも知れません。 それだけに、こうした性にも奔放でサバサバした女性主人公のような人は男女関わらず私の周囲には見当たらず、こうした小説の中だけで楽しませてもらっています。 ★★☆ ◇著者別読書感想(絲山秋子) 百年法 (上)(下) (角川文庫) 山田宗樹 2012年に単行本、2015年に文庫化された長編SF小説です。 SFと言っても現代の日本社会がベースとなっています。 6発の原爆を落とされ戦争に負け、天皇制ではなく共和国制度となった日本は、アメリカが開発に成功した人間の不老技術を導入します。 それと同時にセットで導入することが求められている不老処置後百年程度経過後には安楽死する法律をめぐる話しがこの小説のテーマとなっています。 人間が不老になると社会にどういう影響があるかと言うとこの小説では、 ・不老化処置をした歳でその人の見かけ上の年齢が決まりそれが一生続く ・癌など高齢化で顕著となる病気が激減する ・人が死ぬのは自殺や事故、事件で死ぬこと以外はなくなる ・両親や祖父母の見かけが、その子や孫と変わらないという不気味さ ・老いから解放され、実年齢が何十歳と離れたカップルが普通に存在する ・死の直前まで働くことを求められる ・不老化処置後は家族という単位が無意味となる ・人口増加と新陳代謝のため不老化処置と一定年数で強制的に死ぬことがセット ・百年経過後に安楽死をせず生き延びようとする拒否者が現れる ・安楽死しなくても良い一部の独裁政治家など権力者が人の生死を握り権力を強める などなど。 小説では、政府、警察、一般庶民、拒否者が共同生活するムラなどを中心に展開していきます。 経済力が地に落ちていた日本を強くするため政治体制を大統領制にして強いリーダーを擁し独裁化を目指そうとする動きや、警察権力を自在化し利権を固めて行こうとする官僚などに焦点が当たりすぎな感じはありますが、もうひとつの日本の道という世界が面白く体感できます。 文庫で上下巻計960ページという長編なのでちょっと疲れますが、読み出してから少し経っておおよその内容がつかめてからはサクサク読めます。最初の100ページぐらいはその世界の中に入っていくのがたいへんですが、それを超えるとあとは楽です。 著者の本は2006年に「嫌われ松子の一生」(2003年初出)を読んでいますが、これも含めてなかなかユニークで読ませる小説を書く著者で、これからも他の小説を読んでみたいと思いました。 ★★☆ 【関連リンク】 1月前半 漂砂のうたう、ツリーハウス、嗤う伊右衛門、ジェームズ・ボンドは来ない、自動車保険は出ないのがフツー 12月後半 錨を上げよ(1)出航篇(2)座礁篇(3)漂流篇(4)抜錨篇 12月前半 しゃばけ、深海のアトム(上)(下) 、ノモンハンの夏、玻璃の天 ---------------------------------------------------------- 鼻うがい(洗浄)を日課にしてみた 2022/2/5(土) 1609 子供の頃から鼻づまりでよく悩まされていました。鼻が詰まると集中力が鈍り、それで勉強がはかどらないということもよく言われます。勉強ができないかどうかはともかく、集中力が鈍るのは間違いなさそうです。 その子供の頃から社会人になってからも何度か耳鼻咽喉科へ通院し、その慢性鼻炎を治してもらえないかと受診しましたが、どこでも対処療法しかなく、根治はもちろん、緩和すらせずに今に至っています。 もうさすがに老い先短くなってきたので、いまさら病院へ通おうとは思いませんが、テレビ(NHKのガッテン)を見ていて、これはしばらくやってみようかと思ったのが鼻うがい(鼻洗浄)です。 特殊な高価な器具とかは必要なく、簡易な鼻うがい用のボトルと生理食塩水があればできるというのも行動するきっかけとなります。 さっそくAmazonで調べると、テレビのデモストレーション映像で使われていた鼻うがい用のボトルとよく似た(同じ製品ではない)製品があり、そのボトルと、生理食塩水を作る精製塩60回分を購入しました。合わせて2000円(2022年1月時点)ちょっとでした。 精製塩は2.7gずつパックになっていて、300mlのボトルにひとつ入れるとちょうど良い生理食塩水が作れるようになっています。 さらに良いのは1袋ずつビニールのパックに入っているので、湿気の高い浴室にまとめて長期間置いても湿気ることがありません。 さっそく使ってみました。 私のやり方はシンプルに、水道水で体温よりも少し熱めのお湯(40度ぐらい)を出して、それをボトルに詰め、精製塩と、時々歯磨きに使っている重曹を少し(精製塩の半分以下)加え、良くかき混ぜて使うというものです。重曹を加える必要は特にありません。 情報では「煮沸した水を使うべし」「精製水を使う」など衛生面に気をつけよ!と書いてあるものが多いのですが、私的には鼻の中が水道水よりも清潔だとはとても思えず、普通に湯沸かし器で暖めた水道水を使っています。 煮沸してそれをまた人肌に冷ますなど邪魔くさいことを日課とするのは結局長くは続かないと思ったからです。もちろん自己責任で、他人にお勧めするつもりは毛頭ありません。 ネットでも水道水を使うことは賛否両論あり、中にはシャワーヘッドでそのまま鼻にお湯を入れて洗うのがお勧めという医療法人の説明などもありました。し、しかしそれは痛そう、、、 ◇ ◇ ◇ 私の買ったボトルは、洗浄液を入れたあと逆さまにして底についたボタンをプッシュすることで空気の力でノズルから勢いよく出てくるというものです。なかなかうまくできていて、軽くプッシュするとちょうど適度な量が出てきます。 コツは気管に入らないよう意識して口呼吸(口を開いたままにする)をすることと、反対側の鼻から洗浄液が出てくるのを服などにかからないよう大きく前傾姿勢をとり、顎を引いて流れ出す洗浄液をうまく下(洗面台)へ逃がすことぐらいです。 使用イメージとしては、還暦過ぎのオヤジがモデルでは気持ち悪いでしょうから、広告に使われている若い女性の写真を使いますがこのような感じです。 動画を探したら同じ製品を使った若い女性wの鼻うがいを見つけました。 鼻うがい 比較検証(4) Haili Care https://www.youtube.com/watch?v=75hfSo0d_vk ボトルを片手で顔のやや上方に持って、ノズルを鼻の穴に合わせ、底(逆さにしているので上側)のプッシュボタンを軽く何度か押すと空気圧で洗浄液が飛び出し、反対の鼻の穴から洗浄液がダラダラと出てくるというものです。生理食塩水ですので、ツーンとした痛みはほとんどありませんが、慣れるまで若干の違和感は残ります。 最初は、顔よりやや上にボトルがあるため、すでにどのぐらい洗浄液を使ったかがわかりません。その場合は、鏡のある場所で使うか、一旦押すのをやめて確認すれば良いでしょう。 半分(150ml)ぐらいで、今度は鼻の穴の反対側にノズルを替えて再びプッシュプッシュです。 写真では、反対の穴からスーとうまいこと流れ出していますが、最初の頃はそのようにうまくはいかず、ダラダラと鼻から顔(口や顎)に沿って流れて服にもかかってしまいました。プッシュする頻度やタイミングも慣れが必要です。 何度か鏡のある洗面台の前で練習したあと、その後はお風呂に入るときに浴槽につかったまま、上半身を浴槽から外に出して使っています。それなら飛び散っても平気ですから。 まだ使い出してから1ヶ月経たないので、鼻炎が改善したかは定かではありません。 洗浄後にはスースーと鼻が通って気持ちよくなりますが、その後の就寝中には、この時期の空気乾燥の影響もあり、鼻づまりが起きて、夜中に息苦しさで目が覚め、とりあえずすぐに楽になるナザールスプレーのお世話になっています。 改善状況は、もう少し経ってから報告をしたいと思います。 【関連リンク】 1509 年と共に健康は害されていく 1202 糖尿病の怖い話し 321 媚薬ではなく鼻炎薬 ---------------------------------------------------------- 詐欺ビジネスは成長産業か 2022/2/9(水) 1610 詐欺という犯罪は、昔は詐欺のプロが天才的なアイデアとワザで、普通の良識ある人や会社を騙し、大金を手に入れるというものがメインでしたが、徐々に素人犯罪者が手を出すようになり、その手口も千差万別、幼稚なモノからなかなか手の込んだモノまで手を替え品を替え様々な方法が生まれては消えてきました。 下記はたまーに現れるマイクロソフトを装った詐欺サイトで、この前摘発されたと思いましたがまだあるようです。 普通の人が、これが現れるとドキッとして慌てて指示(電話)に従ってしまう人もいるのでしょう。 特殊詐欺の被害額は2020年の1年間で285億2千万円、認知件数は1万3550件ということです。(出典警察庁) 平均すると毎日37件の詐欺が発覚し、7千800万円が盗まれているということになります。2021年はそれを上回る予想です。 その特殊詐欺の内訳では、「オレオレ詐欺」が126億1千万円で最多で、有料サイト利用料金名目などの「架空請求詐欺」が79億8千万円、警察官などを装いキャッシュカードを盗み取る「詐欺盗」が42億6千万円とのことです。(出典警察庁) 最近ではコロナ禍を反映していて、給付金詐欺や事業継続給付金や支援金の詐欺などが急増しています。 どれだけ注意をしていても人の弱点を突いた詐欺には誰が被害に遭っても不思議ではありません。特に「自分は詐欺なんかに絶対騙されない」と思っている自信家が一番危ないと言います。 幸い、私は今まで詐欺の被害者になったことはありませんが、過去に何度か危ない(うまい話しを持ちかけられた)ことはあります。 特に話しを持ち込んでくるのが知人や先輩だと、つい真面目に話しを聞いて検討してしまいます。 そのいくつかを書いておくと、まず1970年代の学生時代には有名なネズミ講「天下一家の会」の話しをアルバイト先の先輩から執拗に勧誘されました。 まだ「天下一家の会」が社会問題化する前でしたが、話しを聞いて胡散臭さをすぐに感じました。 ただ仲が良かった先輩からの話だったので、すぐにキッパリとは断り切れず、何度も「今すぐ一緒にサラ金へ言って金を借りて振り込もう」「返済する頃には何倍ものお金が振り込まれるから大丈夫」「大金持ちになれるから好きな新車が買えるぞ」と、詰められましたが「する」とも「しない」とも返事せずうやむやにしてました。 うやむやにしていたおかげで、結局は被害に遭わずに済みました。その先輩は人づてに聞いたところでは大きな借金を背負い、友人をなくし、大学も辞めてどこかへ行ったということです。 社会人になってからは、渋谷の路上で将棋盤を置いて詰め将棋をしている3人(2人は仲間のサクラ)のオッサンに騙されかけましたw今でもなんだったのかよくわからない詐欺行為です。 意味がわからないまま「支払え!」と言われましたがキッパリ断ったら、それ以上は何も言わず、なぜ支払う必要があるのか聞いたら「早くどこか行け」と小声で言われました。 バブルの終わりかけの時には、知人の紹介で会社に営業にやってきたゴルフ場の会員権勧誘で、後に事件化する茨城カントリークラブの格安の会員権を執拗に買うよう勧められました。知人の紹介だけに軽く追い払うワケにもいかず、往生しました。 「常陸観光開発がゴルフ会員権を2830名限定と偽って募集し、実際には5万2000人以上もの会員から金銭を集めて、約1000億円の資金を関連会社に横流しした事件。」(wikipedia)です。そりゃ会員数を20倍近くも水増しすれば会員権を安くできます。 その他、若いときは営業職で外を出歩くことが多かったので、いわゆるデート商法の一種か、路上で綺麗なオネェサンから逆ナンパ?なのか、「お茶しませんか?」とか「一緒に画廊へ絵を見に行きませんか?」と声をかけられたことが何度かありました。 やにを下げてついていったら、不要なもの(英会話教材とか健康器具など)を買わされたり、怖いお兄さん達に囲まれて二束三文の美術印刷物をローン組まされて高額で契約されていたと思います。 しかし一般的にはモテそうもなく女性免疫がない男性に声をかけるのが通例らしいので、ターゲットになったことは複雑な思いですw あとは詐欺とは言えませんが、「KDDIですが・・」とか「ソネットですが・・・」と、大手有名企業を名乗る詐欺まがいの電話が自宅によくかかってきます。 これはよく聞くとKDDIやソネットの販売代理店で、実際は聞いたこともない怪しい会社からの電話で、「うちの回線(ネット)契約にしてくれると安くなる」という、電話回線やネット接続プロバイダーの営業電話です。 もちろん初月無料とかで一瞬だけは安くなったりしますが、不要なオプションを一緒に契約させられたりしてすぐに前よりも高額になることがあります。 昔からよくある戸別訪問で「消防署のほうから来ました」と、消防署員と似た作業ユニフォームをまとった営業が、高額な消火器や火災警報器などを押し売りする手法をよく聞きました。今でもやっているのかな? 同様に、「水道局のほうから」とか「東京ガスのほうから」と言って、特に高齢者しかいない家には「点検のため」とか言ってズカズカと部屋にあがり、「水道管が老朽化している」とか「ガス漏れ警報器が古いから交換」など様々な理由で不要な工事や機器を売りつける一種の詐欺とも言える行為です。 もし、後で「消防署から来た」と言ったから信用したと契約無効を述べても、「○○の方(角)から来た」とは言ったが、「消防署(水道局、東京ガス)の者とは言ってない」と言い訳をします。 もちろん、KDDIや消防署など、一般の人がよく知っている企業や役所を出して、相手が油断し勝手に誤解をしてくれるように話しをする一種の詐欺(錯覚)商法です。 さらに付け加えると、これも厳密には詐欺にはあたりませんが、誤解を与える商法で、家電量販店などによく貼ってある「当店人気ナンバー1!」とか「売れ筋No.1」とかのPOPは、実態と違い、実際は「当店の利益が出るNo.1商品」で、一番儲かるモノをそうやって注目させるのが目的だと言うことも知っておくことです。 コンタクトレンズを作りに行くと、自分が作りたい有名なメーカーのレンズを指定しても、男性客なら若い綺麗な女性が、女性客ならイケメン男子が、なんの資格も持っていないのに白衣を着て「お客様の安全を考えるとお勧めはこちらのレンズです」と言って店が一番利益の出る三流メーカーのレンズを強く勧めてくるのが常です。 ドラッグストアでもそうですが、白衣を着ているだけでアホ面したバイト店員でもなにか知的に見えてしまうから人間の印象操作は不思議です。 もちろんそうした店が儲かる三流メーカー品を勧めてくる人は、医者でもないし薬剤師でもなく、店長から「これを必ず売るように!」と指示されている単なるフリーターの場合がほとんどです。 【関連リンク】 914 殺人事件の国際比較 844 内職・副業詐欺など 810 高齢者向けビジネス(第1部 居住編) ---------------------------------------------------------- 門柱と門扉のDIY補修 2022/2/12(土) 1611 リタイアする5年ほど前から、「リタイアしたらやりたいことリスト」というのを作り始め、それが徐々に増えていき全部で20ほどになったメニューリストがあります。 このリストを作ったのは、6年ほど前にテレビ放送を録画して見た映画「最高の人生の見つけ方」(2007年公開)を見て、そこでキーワードとなっていた「棺桶リスト」ならぬ、リタイア後に「やりたいことリスト」を作っておこうと思い立ってのことです。それにしても良い映画でした。 「1286 棺桶リスト 2018/12/12(水)」 その「やりたいことリスト」の中で一番多くを占めているのは、「旅行・ドライブ」で、しかも行く場所も具体的にピンポイントで決めてあります。 しかしリタイア後はずっとコロナ禍で、宿泊をともなうような遠出を控えているので、そちらの実現はまだ先になりそうです。 リタイアしてまもなく2年になりますので、そのリストですでに実行(実現)したのは、「山積みになっている書籍を全部収納できる本棚を作る」「ヒビが入った窓ガラスを交換する」「感度が落ちたBSアンテナを交換する」「大量のスーツとビジネスシューズを捨てる」「古い網戸を張り替える」「不要品をオークションに出品する」などで、主に自宅でDYIでできる作業や、業者に依頼し作業に立ち会うだけのことです。 またリストの中の「旅行・ドライブ」の内、近場の水戸の偕楽園(日本三大名園訪問達成)など日帰りで行けるところはいくつかは実行済みです。 そのようなリストの中には、築30年が経つ我が家のあちこちの補修作業が入っています。 今回はまだ手を付けていなかった玄関とガレージの門扉(「もんぴ」と読みます)の修理に今回手を付けました。 なぜ後回しになっていたかというと、家の補修では屋根の塗り替えや窓ガラスの交換は業者に依頼しますが、その他は基本はDIYで補修します。ただ30年前に建売で買った古さゆえ、門扉も当然ながら現在は生産されてなく、壊れた箇所の補修品もネットで探したところ既にないことがわかり、「こりゃ、代替品を探すか手作りしなきゃならないなぁ〜」ってことで、取りかかるのが遅れました。 その門扉一式は、当時の東洋エクステリア製でしたが、その後2011年に同社を含め数社が合併し、現在はLIXILグループになっています。ブランドこそはTOEXとして残っていますが、古い製品の補修品などはほとんどない状態です。 まず最初に、ガレージの門柱の上にかぶせる樹脂製キャップは角形で、割れてボロボロになっていました。 しかしこれはネット通販で奇跡的に発見でき、2個購入し取り付けました。このタイプは30年以上前から変わらず今でも現役のようです。価格は1個760円(高け!)×2個+送料275円 もう一箇所、玄関前の2つの門柱の上にかぶせてある樹脂製のキャップも割れていて、これも本来は交換ですが、同型の部品はもちろん、内側にフック用の大きな溝があり、代替できそうなものもありません。 そこで壊れた部品を表と裏から樹脂パテで埋め(写真上)、整形し、1日乾燥させてからヤスリで形を整え、最後に塗装をして(写真下)再利用しました。ちょっと凸凹してますが、ご愛敬です。 さらに蛇腹になっている門扉の小さな樹脂製キャップが上に37個、下にも別形状のキャップが32個あり、そのうちの上側の3/4が割れ、下のキャップは落ちたらしく5〜6個がなくなっていました。 まず上側ですが、さすがにこの数をパテで再生するのは大変なので、代わりになる部品を探し「モノタロウ」へ発注しました。 オリジナルの硬質の樹脂製のものがなく、柔らかい塩ビ製のキャップですが、樹脂製よりも安く、100個単位で売っていたのでこれで十分です。価格は1,390円+送料500円です。 さらに、汚れていた門柱を掃除した上で同色の水性ペンキを塗りました。 Before After 今回使った軟質の塩ビ(ポリ塩化ビニルあるいは塩化ビニル樹脂)製だと耐久性、耐候性がないかな?と思いましたが、調べると、塩ビは上下水道管などにも使われる極めて耐久性の優れた樹脂だそうで、熱や酸や火にも強く、さらに水性塗料で簡単に塗装もできる優れた性質を持っています。知りませんでした。 元々のオリジナルは上下で違ったキャップで、違いは上は先がとがっているのに対し、下のキャップは平坦で真ん中が水抜きのためか穴が開いています。今回のキャップは穴が開いてないので、上はそのまま利用しましたが、下用にはドリルで小さな穴を開けて使うようにしました。 実際にはあまり使っていない門扉ですが、家の正面にある門扉が少し綺麗になって、満足度は高いです。 【関連リンク】 1473 BS/CSアンテナの交換DIY 1173 玄関ドアクローザーをDIYで交換 507 洗面化粧台をDIYで交換 その1準備編 ---------------------------------------------------------- 2月前半の読書と感想、書評 2022/2/16(水) 1612 流 (講談社文庫) 東山彰良 2002年に実質の作家デビューを果たし、2015年にこの作品で直木賞を受賞した日本在住ながら台湾国籍の作家さんです。 子供の頃から、台湾、日本、中国を転々としていることから、それらの歴史的な関係や社会生活までよく経験して知っていることがこの作品にも生かされています。 物語は、1970年代から80年頃の中国と臨戦状態で長い戒厳令下の台湾が舞台で、主人公の祖父が戦前には抗日運動、戦後は中国共産党との内戦で奇跡的に生き抜き大陸から台湾へ逃れてきた人で、これは著者の祖父の経験が元になっているようです。 その主人公は祖父が台湾の仕事場で何者かに惨殺されているところを発見しますが、殺された理由や犯人の目星が付かず、10数年が経っていきます。 その間には、高校生の時に友人の代理受験が発覚して退学、寄せ集めの不良ばかりが集まる高校へ転校、子供の頃から仲良かったいとこへの初恋、幽霊騒動など様々なことが起きます。 実は私はそのまだ戒厳令下の1983年頃に台湾へ数回観光で訪問しています。目的は、故宮博物館やゴルフ、食べ歩きでしたが、タクシーに乗ったときには高齢ドライバーから流ちょうな日本語で話しかけられ、昔日本がおこなった日本語義務化政策の影響を実感し少し後ろめたい気がしました。 そしてその時、衝撃を受けたのは、台湾で映画(日本映画の「サンダカン八番娼館 望郷」)を見たとき、映画が始まる前に、観客は全員起立をして、台湾国歌を背景に勇ましい国防映画が流されるのを姿勢を正して見ることになります。それがこの国は今まさに臨戦態勢なんだということを思い起こさせられました。 その最前線は中国と目と鼻の先にある金門島ですが、その島の歴史は2007年に船戸与一著「金門島流離譚」で読みました。 そうしたことから、台湾は個人的には思い出深い場所で、この小説を読みながらさらに深い知識や感慨を持つことができました。また台湾から見た日本や日本人という視点も新鮮でした。 直木賞というのは別にしてもとても面白い作品です。 ★★★ 女神記 (角川文庫) 桐野夏生 著者の作品を読むのはこれが9作目で3年ぶりぐらいになります。以前読んだ「東京島」では無人島に流された集団の中で女性がひとりだけ、その女性が女王様のように扱われるという内容でした。 その「東京島」と同じ2008年に出版されたこの著作ですから、きっとそれの延長線上にあるような内容かな?と思っていたら、まったく違いました。 2008年に単行本、2011年に文庫化された、日本の古代史というか神話の世界の女王の話です。 主人公は南の貧しい島国で生まれ育ち、姉が陽の巫女となり、妹は陰の墓守という宿命となる、その妹が語り手となります。 その妹は島で知り合った男と島から逃げ出しますが、その男に殺され、なぜか女神イザナミに仕えることになります。 イザナミと言えば、兄弟でもあり夫だった神世七代(天地開闢)の最後のひとりイザナギの子を何人も産みますがやがて産後が悪くて死亡(神が死ぬかどうかはともかく)、腐乱した死体を夫のイザナギに見られて、離縁され、死者の世界黄泉国の中に大岩で閉じ込められています。 と言った神話になにも興味がないとイミフなことが多い内容ですが、ボヤッとしか知らない古代の王、神話に少しでも興味があると、なかなか面白く読めます。 ただ、あまりにも馴染みのない世界の話だけに、突っ込みどころが満載で理解しながら読むのは難しく、あまり深くは考えず、学者でもなければ、そういうものだと軽く流しながら読むのが正解かも知れません。 ◇著者別読書感想(桐野夏生) ★★☆ 遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫) カズオ・イシグロ 長崎生まれで2017年にノーベル文学賞を受賞した著者の初期の作品(1982年出版、日本語版は1984年刊)で、原題は「A Pale View of Hills」です。 舞台は原爆被害から復帰しつつある1960年代頃の長崎と、その後、再婚して移住した現在の英国の田舎町で、主人公の日本女性が過去を振り返る内容となっています。 著者が日本に住んでいたのは、幼稚園時代までなので詳しくは知らないでしょうけど、その頃の街の背景がわずかに残っていたのでしょう、まだ復興途中の長崎で日々暮らす人達の姿が生き生きと描かれています。 いわゆる純文学なので、なにか事件が起きてその謎を解くというような話ではありません。 ただ最後にちょっと引っかかった文章がありました。これは解説などでも指摘や話題になっていないので、なにかのミスか、それとも深い意味が込められているのかは謎です。 それは、後ろから2ページ目に、主人公の女性が、再婚した英国人との間に産まれた娘(ニキ)に、持っていた長崎の港が写った古いカレンダーの写真を渡し、 「なにかとくべつなことがあったの?」 「とくべつなこと?」 「海へ行った日に」 「ああ、なにもとくべつなことはなかったのよ。ただ思い出したという、それだけ。あの時は景子も幸せだったのよ。みんなでケーブルカーに乗ったの」私は笑ってニキをふりかえった。「そう、何もとくべつなことはなかったの。ただの幸せな思い出、それだけだわ」 しかし、一度だけ行ったという「あの時」は、前夫との娘景子はまだお腹の中で、一緒にケーブルカーに乗ったのは近所の親しい親子だけでした。 どうして、まだ産まれていない景子がその時幸せだったのかよくわかりません。理解できる方はいらっしゃいますかね? ◇著者別読書感想(カズオ・イシグロ) ★★☆ 新・日本の階級社会 (講談社現代新書) 橋本健二 著者は格差や階級、貧困などのテーマで多くの著書がある社会学者さんです。この新書は、2018年に発刊されています。 表紙の帯に「もはや格差ではなく階級」「固定化し、次世代へ継承される負の遺産」「900万人を超える新しい下層階級が誕生。日本社会未曾有の危機。」と、かなり煽った扇情的な言葉が書かれていています。新書では著者ではなく編集部が売るためにつける常套手段です。 内容もそれに沿った(内容から帯の刺激的な文字になったわけですけど)もので、日本の階級社会について、数字のデータをメインに解説がなされています。 こうした貧困や格差を見る統計データは、一般的には政府統計などが使われることが多いのですが、この著作では学術的な調査研究「2015年社会階層と社会移動(SSM)調査研究会」のデータが使われています。 ま、数字は嘘つかないということで(政府統計は時々嘘をついてますが)、特に目新しい発見や意外なことはないですが、知識を数字の裏付けで上書きするのには役立ちそうです。 面白いのは、著者の政治信条なのか、かなり自民党を批判気味に書いてあります。 例えば、データから導き出された推論ではあるものの、「自民党支持者に典型的に見られるように、格差拡大を容認し、自己責任論の立場に立ち、所得再分配に反対する人々ほど、「排外主義」「軍備重視」を支持すると予想される。」など、ちょっと扱いが手厳しい感じです。 個人的には特に自民党支持ではないので、公平にみてもなにか日本の諸悪の元凶のような書きっぷりにはちょっと驚きました。これは支持政党と年収格差や年齢などでの分析で出てきます。 ただ投票率を見て思うに、いまの日本人の多くは、政党よりも個人へ、政党は経験不足でなにか寄せ集めみたいなところより、聞き慣れたところが安心じゃね?というぐらいにしか興味関心がないような気がします。 ★★☆ 【関連リンク】 1月後半 風味絶佳、美しい家、老老戦記、イッツ・オンリー・トーク、百年法(上)(下) 1月前半 漂砂のうたう、ツリーハウス、嗤う伊右衛門、ジェームズ・ボンドは来ない、自動車保険は出ないのがフツー 12月後半 錨を上げよ(1)出航篇(2)座礁篇(3)漂流篇(4)抜錨篇 ---------------------------------------------------------- 長いタイトルの本 2022/2/19(土) 1613 2000年頃から読んだ本は基本的に書名や著者名、読了日などをデータにして保存しています。その前に読んだ(蔵書のある)本もタイトルや発刊日などだけですがまとめてあります。 最近読んだ白石一文氏の小説のタイトルは「彼が通る不思議なコースを私も」と14文字あります。 小説としては長いタイトルだなと思い、他にはどんな長いタイトルがあったか?と調べてみました。 その3200冊ほどの蔵書データから、タイトルが一番長い本はと言うと、小説では、 「愚者よ、お前がいなくなって淋しくてたまらない」(伊集院静著 22文字) 「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」(ジョナサン・サフラン・フォア著 20文字) 「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」(白石一文著 16文字) です。 白石氏は、他にも「僕のなかの壊れていない部分」とか「もしも、私があなただったら」(各13文字)といった長いタイトルの小説があり、長タイトルの常連っぽいです。 伊集院静氏にも小説ではなくエッセイで「ヒデキ君に教わったこと 野球で学んだこと」(20文字)などがありますが、全体的には短いタイトルが多い感じです。 東野圭吾氏の小説には比較的長いタイトルがあるように思っていましたが、私が読んだ中では「パラレルワールド・ラブストーリー」(16文字)が最長でした。 新書やビジネス書、ノンフィクションでは、目立ったもの勝ちなのか、もっと長いタイトルのものがあります。 さらにどこまでがタイトルなのかわかりにくい長いサブタイトルがつく場合がほとんどで、それらの区分がつきにくいこともしばしばです。とりあえず、私の基準でタイトルのみ蔵書の中から抜き出してみました。 「どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?」(中島義道著 27文字) 「「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?」(細野真宏著 24文字) 「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?」(梅田望夫著 23文字) 「顔を忘れるフツーの人、瞬時に覚える一流の人」(山口真美著 20文字) 蔵書している新書やビジネス書などで、サブタイトルを含めて長いのは、 「「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った? ~世界一わかりやすい経済の本~」(細野真宏著 40文字) 「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか? 現代将棋と進化の物語」(梅田望夫著 34文字) 「失われたミカドの秘紋 エレサレムからヤマトへ「漢字」がすべてを語り出す」(加治将一著 34文字) 「顔を忘れるフツーの人、瞬時に覚える一流の人 「読顔術」で心を見抜く」(山口真美著 32文字) 「定年前後の「やってはいけない」 人生100年時代の生き方、働き方」(郡山史郎 31文字) 「経済危機のルーツ モノづくりはグーグルとウォール街に負けたのか」(野口悠紀雄 31文字) 未読の本でタイトルの長い本は、ライトノベルやネット小説の中には、100文字程度のタイトル?小説があります。どういうタイトルかというと、 「砂魔法で砂の王国を作ろう〜砂属性なんて使えないと国から砂漠に追放されたから、魔法で砂の城を生み出し、オアシスを作りスローライフを満喫していた筈が、いつの間にか祖国を上回る巨大国家が出来上がっていた!〜」 オッサンにはわけわからん。 出版されている本では、横尾忠則氏の「悩みも迷いも若者の特技だと思えば気にすることないですよ。皆そうして大人になっていくわけだから。ぼくなんかも悩みと迷いの天才だったですよ。悩みも迷いもないところには進歩もないと思って好きな仕事なら何でもいい。見つけてやって下さい。」という114文字のエッセイ?があります。 またイチハラヒロコ氏の「雨の夜にカサもささずにトレンチコートのえりを立ててバラの花を抱えて青春の影を歌いながら「悪かった。やっぱり俺…。」って言ってむかえに来てほしい。」(72文字)も極端に長いタイトルです。 ベストセラーになった有名な書籍では、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎夏海著 35文字)や、「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(坪田信貴著 33文字)などが有名です。 書籍のタイトルは、小説だとほとんど著者が自分で付けるケースが多いと思われますが、新書やエッセイの場合は、著者と編集者、場合によっては販売部門とが相談して決めるというのが多いのではないでしょうか。 新書やビジネス書の場合は、話題性で売れてナンボです。タイトルだけでは不足と見えてサブタイトルにキーワードを散りばめ、、加えて帯にも「これでもか!」と禍々しいまでの煽り文句と宣伝がうねうねと書かれていることがあり、逆に読書家としてはひいてしまいます。 ま、タイトルなど、なんでもいいんですけどね。中身さえ良ければ。 【関連リンク】 1528 お勧め新書、エッセイ、ノンフィクション 2021年版 1520 お薦め小説 2021年版(海外小説) 1516 お薦め小説 2021年版(国内小説) ---------------------------------------------------------- 自動車整備士に未来はあるか? 2022/2/23(水) 1614
ディーラー(販売店)へ持ち込む場合は、担当営業だけに話しをして、直接整備士やサービス担当の人と話しをする機会はあまりないかも知れませんが、修理や点検、車検の明細書や記録簿には必ず整備士さんの名前と捺印があります。 国家資格の自動車整備士の資格を持つ整備士は2020年時点で約33万4千人です。それとは別に資格を持たない自動車整備の工員が6万5千人います。職場はいずれも自動車整備工場や、自動車販売会社(ディーラー等)がほとんどです。 日本自動車整備振興会連合会の「自動車特定整備業実態調査結果」から、総整備売上(億円)、事業場(工場)数、整備要員数(人)、整備要員平均年令、整備士数(人)、保有車両数(千台)の7年間の推移を抜き出しました。整備要員(人)は整備士と工員を合わせた数です。
この中から、保有車両台数と整備士人数のここ7年間の推移をわかりやすくグラフにして見ました。 自動車の保有数は微増していますが、整備士の数は横ばいからやや減少しています。 自動車整備は単に効率を上げれば生産性が上がるというものではなく、逆に整備士不足になると丁寧なメンテナンスができず、不良箇所を見落としたり、資格のない工員に点検や重要箇所の修理を任せていたりすると、故障やそれにともなう事故が増えることが予想されます。 こうした問題はなかなか表面には出てこない問題ですが、昨年2021年にはトヨタディーラーでの不正車検が発覚しました。 トヨタのおひざ元で「不正車検5000台」の衝撃(東洋経済)
圧倒的なシェアを持ち、稼ぎまくっている(はずの)トヨタ販売店でこれですから、こうしたことが他のディーラーや整備工場で起きていないと誰も断言できないでしょう。 次に、整備要員人数と平均年齢の推移をグラフにしました。整備要員人数は、整備士資格者と、資格はないけど車両整備に関わる工員の合計です。 見てわかるとおり、整備要員は微減ですが減少傾向にあり、整備要員の平均年齢はここ5年間上昇しています。 多くの経験を積み熟練した整備士さんは非常に頼りになりますが、それが若い人へ伝えられていかないことに危機感を覚えます。 トラックドライバーやタクシーの高齢化問題が、高齢者ドライバーの大きな事故が起きる度に議論されますが、自動車整備士についてもそろそろ議論する時期に来ているかも知れません。 需要はあるのにそこで働く人の高齢化が進むのは、農業や長距離トラックドライバーと同様に若い人にとって魅力ある職場ではないと言うことです。魅力の中にはワークライフバランスと収入面が大きなウェイトを占めます。 上記の元データには整備要員の平均年収が記載されていましたが、平均で約400万円、ディーラー勤務で約470万円です。 日本の給与所得者の平均年収は2020年度で433万1000円(平均年齢は46.8歳)ですから、整備要員(2020年平均年齢50.2歳)はそれを下回ります。 これは国家資格を持つ整備士(整備要員の85%が整備士)、しかも平均年齢50歳の人にとってはちょっと残念な年収で、それを知った若い人が積極的にその業界に入ってくるはずがありません。 ひとつだけ朗報なのは、女性整備士がわずかながら増えていることで、今後3K職場から少しずつ変わっていくことが期待できます。ただし2020年時点で女性整備士の割合はまだ全体の3%という少なさです。 最近の自動車整備は、油にまみれてという仕事がまだ多いですが、電子機器を測定・調整したりアップデートしたりというハイテク分野の仕事が増えています。EV化や自動運転が進めばさらにそうした電子機器の取り扱いが増えるでしょう。 そうなれば、自動車整備士の仕事も専門性が高くなり、収入もシステムエンジニア並みかそれ以上が保証されるようになっていくと、若い人や女性が今までより積極的に参入できるかも知れません。 クルマのユーザーにとっては維持費があまり高騰するのは困りますが、安全のために必要なお金は惜しまないと、納得するしかありません。 【関連リンク】 1524 2020年自動車(メーカー別、ブランド別、輸入車)販売台数 1241 自動車のリサイクルと部品共通化 前編 1124 国内自動車販売台数や耐用年数推移など ---------------------------------------------------------- 救急患者の搬送状況推移 2022/2/26(土) 1615
一緒に散歩中だった奥様が「急に具合が悪くなって震えがとまらない」とのことです。 確かにその男性の横には中年女性が男性にもたれかかり苦しそうな感じでした。 スマホから救急車を呼ぶのってどうするんだ?と一瞬焦りましたが、普通に119をダイヤルすればすぐにつながりました。 「火事ですか?救急ですか?」 「救急です」 「どうされました?」 「年配の女性が急病らしく付き添っている夫らしい人に頼まれました」 「外ですか?場所は?」 「そうです、場所は○○の近くの遊歩道です」 「年齢はいくつの方ですか?また症状はどういう感じですか?」 「う〜ん、わかりません。直接聞かれますか?」 「とりあえず向かいます」 ・・・ と言ったやりとりがあり、約10分後に救急車が見えたので誘導し、そこで私の役目は終わりましたが、こういうご時世なので、救急隊員は物々しい感染予防の完全防備でやってきました。 上記の救急車要請は適切だったと思いますが、最近は救急車を病院へ行くタクシー代わりに使う人がいるとか、大怪我でもなくバンドエイドでも貼っておけ!という怪我でも大騒ぎして救急車を呼ぶとか、どうも無料だからと軽く見られているのが救急車です。 そこで最近の救急車の稼働状況はどんなものか調べてみました。 データ出典は、総務省の「令和3年版 救急・救助の現況(PDF)」からで、対象地域は全国です。 まずは、救急自動車による救急出動件数及び搬送人員の5年ごとの推移です。
5年毎なのでわかりにくいですが、2019年まではずっと増加傾向にありました。コロナ禍が始まった2020年は一転して出動件数も搬送人員も減少しています。 ちなみに2019年の出動件数は約664万件ですから、2020年は前年から1割以上も減っています。 2020年以降、外出自粛やリモートワークなどで交通事故件数が大きく減少していたり、医療現場の崩壊で病院の受け入れが厳しくなり自宅療養が増えたこともあるのでしょう。 次は、事故種別の2020年救急出動件数と前年比です。
65%を占めるのが急病で、上記で私が救急を依頼したのもそれです。次に多いのは一般負傷ですが、前年からの減少数では交通事故の減少数が目立って多くなっています。 意外なのは、他はすべて減っているのに、自損行為だけは増えています。コロナ前の生活ができなくなり、また経済的に追いつめられたりしてストレスフルな人が増えているのでしょうか。 次に、年齢区分別の2020年搬送人員です。
これは圧倒的(62%)に多いのが65歳以上の高齢者です。こういうところでも超高齢化社会の現実が垣間見えます。急病になるのは高齢者が多いのは普通のことでしょう。 もし一般負傷や交通事故、労働災害、運動競技などの救急搬送が増えれば、高齢者の率は下がってくるでしょう。 最後に、救急自動車による現場到着所要時間及び病院収容所要時間です。 上記で私が代理で救急車を呼んだときには約10分で到着しましたが、2020年は入電から現場到着まで、8.9分(8分54秒)、入電から病院へ運び込み医師へ引継ぎをするまでの時間は40.6分(40分36秒)です。 10年間ごとと前年の推移は、
となっていて、現場到着も病院までもいずれも年々時間が長くかかる傾向にあります。20年前の2000年と2020年を比較すると、現着で2.8分、病院まで12.8分長くなっています。 つまり、くも膜下出血や大量出血など、一刻を争う事態だとその数分の差で助かる命も助からなくなってしまうということですが、それを我々国民は(知らずに?)容認しているということになります。 救急搬送に時間がかかるのは様々な要因があるでしょうけど、2019年より救急搬送が減った2020年でも前年から長くなっているので、単に救急搬送件数が増えれば時間がかかるということではないでしょう。 コロナ禍のため出動する隊員の準備に時間がかかることは想像できますが、救急搬送できる病院が見つからないという話を最近よく耳にしますので、病院の受け入れ体制にも問題がありそうな気がします。 【関連リンク】 1605 年齢層別交通事故数と運転免許取得者数 1504 交通事故死者数と自殺者の推移 1454 交通事故の過失割合は妥協の産物 |
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