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日本の農業はどこへ向かうか マイカーで東京から京都まで旅行する場合 ゴルフをプレイしている人の年代層割合に驚いた 世界と日本の宗教別信者数 2021年版出版社不況 客員教授と非常勤講師ってなんだ? ロバート・B・パーカー「スペンサーシリーズ」全巻まとめ 窓ガラスの熱割れで火災保険は使えるか? 天然素材でも綿はよく燃えるらしいことがわかった やっとのことでJ:COMを退会した 貯まった1円玉はどうする? 自動車整備士に未来はあるか? 液晶テレビが壊れた件 リタイア後の心配事 運転免許証取得者は意外にも増えている 著者別読書感想INDEX −−−−−−−−
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リストラ日記アーカイブ 2022年1月 読みやすいようにアーカイブは昇順(上から古いもの順)に並べ替えました。上から下へお読みください。 日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです |
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---------------------------------------------------------- 12月後半の読書と感想、書評 2022/1/5(水) 1600 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 狙ったわけではなく、日記はちょうど1600回の節目のスタートとなりました。いやめでたい。 リタイア後の読書生活はどうなるかな?と思っていましたが、ほぼ現役時代から変わらないペースで読んでいます。 リタイア後なら時間がいっぱいあってもっと読める?と思いましたが、あれこれやること、やりたいことはそれなりにあり読書に割ける時間は現役時代と変わらないということです。 違うのは、ビジネス書を読むことはかなり減りました。そりゃそうです。 でも最新のテクノロジーや、ビジネス手法などからあまり疎くなってしまうのも怖いので、時々は少し遅れてでもそうした書籍を読みたいと思っています。 さて、今年も読書感想からスタートです。 錨を上げよ(1)出航篇 (幻冬舎文庫) (2)座礁篇 (3)漂流篇 (4)抜錨篇 百田尚樹 2010年に単行本、2019年に文庫化された長編青春小説です。青春というのは、著者自身が経験してきたことを主人公に重ね合わせた少年から青年にかけての成長物語です。 文庫4冊で計1500ページを超えるかなりの長編ですが、シンプルな一人称だけの話しなので一気に読めます。 この小説が書かれたのは、2006年に「永遠の0」でメジャーデビューするずっと前の1985年頃、著者の29歳の頃だったそうです。多彩な人ですが、若い頃から創作力と文才はあったのですね。 著者は私よりも1歳年上の同年代、しかも同じ頃に同じ京都にある大学(大学は違いますが)へ通っていたということで、大学生時代の風俗やバンカラな描写はたいへん懐かしく感じます。 そう言えば五木寛之氏の「青春の門」でも大学時代の様々な出来事が主要な小説のテーマになっていましたが、時代背景や主人公の性格が全然違うとは言え、なんとなくそれを思い浮かべました。 京都の大学生活を描いた小説と言えば、時代は違いますが、万城目学著の「鴨川ホルモー」や、森見登美彦氏の小説にも時々出てきます。 大学生ではないですが、京都のバンカラな風土を描いていた花村萬月著の「百万遍 古都恋情」が面白かったです。 今でこそ大学授業料はとんでもなく高騰していますが、当時(1970年代)はまだ国立で年間10万円台、私立でも15〜30万円と破格でした。ただ著者が通った同志社は突出して高かった記憶があります。 学費が比較的安かったことで、本書でも出てきますが、将来の展望が見えず、大学8回生など留年をしている人は多かった時代です。 著者やこの主人公が通っていた同志社や学連の巣窟京都大学と違って私が行っていた大学は学生運動とはまったく縁がないところだった(本書にも出てくるキャンディーズを学園祭に呼んだ学校)のと、4年間ずっとアルバイトに明け暮れていたので、小説に出てくる学生運動家との接点はありませんでした。 ただ、バイト先で一緒に働いていた某大学の学生が、明治政府の最高権力者を祀る神社の爆弾放火事件に関係していたということで、警察が家にまで聞きに(調べに?)来たことはありました。 さて、本書の内容ですが、(1)出航篇は、主人公は3人兄弟(ずっと後にもうひとり弟が生まれて4人兄弟)の長男で、大阪の淀川近くの貧しい家で育ちます。勉強はさっぱりですが腕力と度胸だけあって喧嘩にはめっぽう強い典型的な不良少年です。 そしてさすがに中卒では将来困るだろうと、偏差値が低い商業高校へ進学しますが、そこは勉強ができない不良の吹きだまりで、学校側は生徒会と応援団と組み、生徒を規則と権力と暴力でがんじがらめにするという今ではすぐに問題となりそうな校風で、主人公は何度も事件を起こして謹慎処分を喰らい、4年をかけてようやく卒業することになります。 また在学中にバイクの免許を取り、中古バイクを買って夏休みに行き当たりばったりのツーリングをしますが、途中でバイクを盗まれたり、逆に暴走族のたまり場へ行き、他人のバイクを盗んだり、東京のぼったくりバーで呼び込みのアルバイトをしたりと、もうハチャメチャです。 (2)座礁篇では、高校卒業後に大阪のスーパーへ就職し、アパートでひとり住まいを始めます。 しかし根っからの遅刻クセや、気に入らない上司との軋轢、さらにスーパーにアルバイトに来ていた女子大生への一方的な恋愛感情が破綻(ほぼストーカー)したこともあり3ヶ月で辞めてしまいます。 その後、遠回りしたもののアルバイトをしながら大学を目指そうと猛勉強を開始し、東大は落ちますが、関西私大の雄、同志社大に合格し入学することになります。 大学ではまだ60年代の学生運動の残り火がある中で、文系サークルに加入しますが、そこの上級生の女性に一方的に惚れてしまい、今なら十分ストーカー規制法に抵触しそうな行動から、散々な目に遭います。懲りない主人公です。 主人公の中学生の頃から何度も惚れて討ち死にしている女性に対する強烈な思い込みとその行動は、当時だからまだ許されますが、とにかく自己中で勝手なものですが、あくまで小説ですから仕方ないですね。 (3)漂流篇では、大学を途中で投げ出し、あてもないまま東京へ向かい、野宿をしながら様々なアルバイトをして糊口をしのぎます。 その中で、長く続いたのがレコード販売会社で、クラシックレコードの販売で才能を発揮し、新たに輸入版販売を手がけます。 しかしそこでも女性関係でトラブり、仕事をキッパリ辞めてテレビで見た北海道の漁業へ飛び込みます。 そこでは未経験ということもありまともな仕事にはありつけず、声がかかったのはソ連領に入ってウニを採るリスクは高いが一攫千金の特攻隊漁船で、そこで地力を付け自ら船を調達し、船長となってぼろ儲けの仕事を始めます。 (4)抜錨篇は、大阪で一目惚れで結婚し、テレビの放送作家の仕事を始めますが、あるとき妻の浮気を目の当たりにし離婚、そして風俗店の店長と共にタイへ渡り女性を日本へ送り込む仕事や、タイ人の元恋人を連れ戻しにやってきた日本人とヤクザの騒動に巻き込まれていきます。 まったくとんでもないストーリーです。以上 ★★☆ ◇著者別読書感想(百田尚樹) 【関連リンク】 12月前半 しゃばけ、深海のアトム(上)(下) 、ノモンハンの夏、玻璃の天 11月後半 海の見える理髪店、ダナエ、それまでの明日、死の接吻 11月前半 風に舞いあがるビニールシート、探偵刑事、桶川ストーカー殺人事件、白い声 ---------------------------------------------------------- リス天管理人が2021年に読んだベスト書籍 2022/1/8(土) 1601 毎年恒例の自己中で選ぶ「昨年読んだ中でのベスト書籍」大賞の発表です。 通常の賞がその年か前年に発刊されたばかりの新しい書籍が対象になることが多いのに対し、あくまでこの1年間に私が読んだ書籍からの選考となります。したがって何十年も前の古い本も含んでいます。 って言うか、新刊本、しかも単行本はほとんど買わないので(著者さんの印税にはあまり貢献できていません)、いずれも数年前の書籍(文庫か新書)がメインです。古くても新書とはこれ如何に。新刊でも古典と呼ぶが如しです、、、 一昨年の2020年に読んだ書籍は計105冊(94作品)で、そのうち「新書・エッセイ・ビジネス・ノンフィクション」が29作品(30冊)、「海外小説」は14作品(19冊)、「国内小説」は、51作品(56冊)でした。1作品で上下巻とかありますので冊数と作品数は違います。 完全にリタイア後の昨年2021年に読んだ全書籍は計112冊(93作品)でした。作品数は2020年から1作品減ですが、冊数は7冊の増加となりました。リタイア後、しかもコロナ禍で自宅にこもっている時間が多かった割にはあまり伸びずです。 「武田信玄」と「錨を上げよ」が1作品で各4巻、「オリジン」が3巻、「クリフトン年代記」の5部から7部や、「王妃マリー・アントワネット」、「黄砂の籠城」などの10作品が各2巻と、1作品で複数巻(冊)の書籍が昨年は多かったので作品数は減っても冊数が増えた理由です。 比較的よく読書をした2019年は115冊(108作品)でしたので、それとは3冊(15作品)及びませんでしたが、ここ10年間ではそれに次ぐ冊数となりました。 2019年は今と違ってまだ仕事をしていましたが、読書量からすると、どれだけ暇だったんだ?って感じです。 それはともかく、「新書・エッセイ・ビジネス・ノンフィクション」は22作品(22冊)で前年から7作品減(8冊減)、「海外小説」は13作品(21冊)で前年比で1作品減(3冊増)、「国内小説」は、58作品(69冊)で前年比で7作品増(13冊増)となりました。 大雑把に言えば、新書、エッセイ等が減り、海外小説は横ばい、増えたのは国内小説で、その国内小説では作品数も増えましたが冊数がより大きく増加しました。やはり仕事を引退すると、ビジネス書やハウツー本を読まなくなってしまいます。 それでは部門ごとに大賞の発表です。 ◇ ◇ ◇ 「新書・エッセイ・ビジネス・ノンフィクション」部門は22作品読みましたが、その中から大賞候補は、 生きて帰ってきた男 小熊英二 カラー版 宇宙を読む 谷口義明 無人島に生きる十六人 須川邦彦 桶川ストーカー殺人事件 清水潔 獄中記 煉獄篇 ジェフリー・アーチャー 官報複合体 牧野洋 の6作品です。どれも選りすぐりの面白さで、選ぶのが毎年苦労するのがこの部門です。 その中から大賞は、、、、、、 無人島に生きる十六人 須川邦彦著 に決定です!パチパチパチ・・ 読書感想は、 7月前半の読書と感想。書評(無人島に生きる十六人)2021/7/14(水) このノンフィクションは今から120年前の明治32年(1899年)に海洋漁業調査中の日本の帆船が、ハワイから日本へ向かう時に嵐に遭いミッドウェー近海で難破し、木が1本もない珊瑚礁でできた平らな小さな無人島に流れ着きます。 優れたリーダー(船長)がいて、生き抜くために様々な工夫と、お互いが助け合い、約4ヶ月後に偶然近くを通った日本船に救助されるまでの実話が元になっています。 映画にでもなっていれば、この出来事は有名になっていたでしょうけど、ほとんどの日本人には知られていないことだと思います。 もうひとつ、特別にどうしても大賞を与えたいのが、 カラー版 宇宙を読む 谷口義明著 読書感想は、上記「無人島に生きる十六人」と同じ 7月前半の読書と感想。書評(宇宙を読む) 2021/7/14(水) これは壮大で夢のある科学(天文学)の話しで、数値や事象など理解できない面もありましたが、晴れた夜空を見上げる度にこの本に掲載されていた美しいカラー写真や、宇宙の謎を解き明かそうとする科学者の奮闘が思い浮かびます。 小さなお子さんや彼女がそばにいて、雑談しながら星を見上げ、本に書かれていたネタ(「あのミルキーウェー(天の川銀河)の中には太陽のような明るい恒星が2000億個以上もあるんだよ〜それだけあれば地球とそっくりな環境の星もありそうだね」とか)をしてあげると、もう尊敬されること間違いなしです。 ただ、未来ある子供や彼女には、いくら本書に書かれていても、「あと50億年もすればついに太陽が燃え尽きて、地球も滅亡するんだけどねぇ、、」など、暗くなる話しはしないようにしましょう。 ◇ ◇ ◇ 次に「海外小説」部門は13作品の中から大賞候補作品は下記の7作品です。 剣より強し クリフトン年代記 第5部(上)(下) ジェフリー・アーチャー 機は熟せり クリフトン年代記 第6部(上)(下) ジェフリー・アーチャー 永遠に残るは クリフトン年代記 第7部(上)(下) ジェフリー・アーチャー 運命のコイン(上)(下) ジェフリー・アーチャー そして誰もいなくなった アガサ・クリスティー 死の接吻 アイラ・レヴィン オリジン(上)(中)(下) ダン・ブラウン 大賞は、、、、 そして誰もいなくなった アガサ・クリスティー著 読書感想は、 2月後半の読書と感想、書評(そして誰もいなくなった) 2021/2/27(土) 古典の名作の部類ですけど、さすがに82年前(1939年)に発刊されたこの作品を上回るミステリーはそうそう現れないでしょう。名前だけはよく知っていながら、読んだのは(たぶん)初めてです。 昨年は、ジェフリー・アーチャー著の本が多かったですが、この著者の小説は当たり外れがないというか、どれもたいへん面白く、自ずと大賞候補に多く上がってきます。 クリフトン年代記は、1部から7部までの大河小説的に長く、登場人物達の過去に起きた対立や曰くを思い出すのがたいへんでしたが、どれもドキドキのスリルがあり面白かったです。 ただ初期の頃の「ケインとアベル」が私にとってはあまりに衝撃的でしたので、それと比べると、ストーリーのつくりかたが大枠では似ているので、インパクトは薄れてしまっています。 ダン・ブラウンの小説は、「ラングドンシリーズ」他、長編小説はすべて読んでいますが、今回の「オリジン」も古い宗教と新しいAI技術とをうまく融合させ、世界中の宗教家を震撼させるような壮大なストーリーで、とても楽しく読めました。 ◇ ◇ ◇ 最後にもっとも作品数が多い「国内小説」部門は、58作品の中から大賞候補作は、下記の10作品に絞りました。 シャーロック・ホームズ対伊藤博文 松岡圭祐 それまでの明日 原りょう 王妃マリー・アントワネット(上)(下) 遠藤周作 黄砂の籠城(上)(下) 松岡圭祐 沖で待つ 絲山秋子 家守 歌野晶午 海の見える理髪店 荻原浩 後巷説百物語 京極夏彦 地のはてから(上)(下) 乃南アサ 風に舞いあがるビニールシート 森絵都 この中から大賞は、、、、 後巷説百物語 京極夏彦著 に決定です!!おめでとうございます〜パチパチパチ・・ 読書感想は、 10月前半の読書と感想、書評(後巷説百物語)2021/10/16(土) 1冊で800ページもある連作5篇の中篇小説集ですが、魅力ある小悪党の「小股潜りの又市」が活躍し、それが粋で奇想天外、タイトルからするとなにかおどろおどろしそうで怖そうですが、実は楽しく面白く読ませます。 この巷説百物語シリーズはいくつか出ていますが、その以外で評判が良い著者の同種の小説も読みたくなり、怪談シリーズの「嗤う伊右衛門」と「覘き小平次」はすでに購入済みです。 残念ながら大賞には少し及びませんでしたが、次点は下記の2作品です。 黄砂の籠城(上)(下) 松岡圭祐著 地のはてから(上)(下) 乃南アサ著 読書感想は、 6月後半の読書と感想、書評(黄砂の籠城) 2021/6/30(水) 8月前半の読書と感想、書評(地のはてから) 2021/8/14(土) どちらの作品も、現代ではなく、明治や大正時代の話しです。こうした近代に分類される時代の話しは学校ではほとんど習った記憶がなく、知識を得るにはこうした小説を読んだり、テレビでドキュメンタリーを見たりするしかありません。 特に「黄砂の籠城」は実際に起きた有名な事件を元に、実在する人物の名前を使ったノンフィクションに近い小説で、多くの日本人が知らなかったことが多く登場します。 昨年のリス天読書大賞を受賞した熊谷達也著「邂逅の森」も、似たような近代の時代に生きるマタギの主人公を深く描いた小説でしたが、個人的にはそういう割と最近のことなのに、知らなかったことがわかる小説が好きなんだと思います。 以上、各部門、年間ベスト大賞受賞おめでとうございました。 今年もよい本に巡り会えますように! 【関連リンク】 1500 リス天管理人が2020年に読んだベスト書籍 1295 リス天管理人が2019年に読んだベスト書籍 1295 リス天管理人が2018年に読んだベスト書籍 ◇著者別読書感想INDEX ---------------------------------------------------------- 2021年11〜12月にみた映画 2022/1/12(水) 1602 梟の城 owl's castle(1999年) 東宝 監督 篠田正浩 出演者 中井貴一、鶴田真由、葉月里緒菜 1963年(昭和38年)に工藤栄一監督、大友柳太朗主演で映画化されていますのでリメーク版ということになります。原作は、1960年に発刊された司馬遼太郎氏の直木賞受賞作品「梟の城」です。 実はこの映画、20数年前にロードショーを映画館で見ていて、さらに原作小説も読んでいながら、絢爛豪華な大坂城と秀吉が出てきて、石川五右衛門が釜ゆでされるぐらいしか記憶になく、この機会にもう一度録画して見てみました。 ストーリーは伊賀の忍者が主人公で、織田信長勢の伊賀攻めで散らばってしまった忍者達が、その後はそれぞれの戦国時代の大名に仕え、敵と味方に分かれて戦うという内容です。 主人公は、両親を殺された恨みで、織田信長亡き後の後継者秀吉を狙って大坂城へ忍び込みます。 同時に、主人公のライバルだった男は甲賀忍者と組んで、私利私欲を追求し奉公所へ出仕していて主人公を殺そうと対決しますが、逆に秀吉の部下に捕まってしまい、名を聞かれたときに「石川五右衛門」と名乗り、その後、秀吉を殺そうと大坂城に忍び込んだとされ釜ゆでにされます。 葉月里緒奈演じる木ざるは伊賀者の末裔のくノ一、鶴田真由演じる小萩は服部半蔵の策で主人公を見張る役目にされたくノ一という展開で忍びだらけの映画で楽しめます。 まだ1999年ですからCGで描くVFX(視覚効果)はまだ使われてなく、SFX(特殊撮影)の世界ですから、忍者が飛んだり消えたりするシーンはちょっとチャチですが、ハリウッドでリメーク版でも作ってもらうとどうなるかなぁーって想像が膨らみます。 ★★☆ 007 スペクター(原題: Spectre)(2015年) 英・米 監督 サム・メンデス 出演者 ダニエル・クレイグ、クリストフ・ヴァルツ、レア・セドゥ プロローグはいきなりメキシコシティにある建物の大爆破から始まり、MI6本部がある英国はもちろん、イタリア、オーストリア、モロッコ、北アフリカの砂漠、最後はやはりロンドンと場面は駆け回ります。 お馴染みのお約束、爆破シーン、カーチェイス、ヘリコプターアクション、スペクターに捕縛され絶体絶命のピンチなどもちゃんと盛り込まれています。 本作がボンドシリーズで24作目となりますが、もうどれがどれだかよくわからなくなっています。ロジャー・ムーアが演じていた頃までは、題名を聞くと「あぁアレね」とわかったのですが、、、 東西冷戦や、南米やアフリカ、中東、アジアの極端な独裁国のようなわかりやすい英米の敵がいたときには、映画も描きやすかったでしょうけど、今は変に敵国を名指し、または仮想敵としてしまうと政治問題化しますので、独立したテロリストという描き方しかできなくなり、やや悪役に魅力がなくなってしまっています。 ★★☆ 勝手にしやがれ(1960年) 仏 監督 ジャン=リュック・ゴダール 出演者 ジャン=ポール・ベルモンド、ジーン・セバーグ 原題はフランス語で意味は「息をのむ」「息せきって」という意味ですが、アメリカで1983年にリメークされたときには「Breathless(ブレスレス)」という直訳のタイトルが付けられました。 内容は、ラテン系らしく陽気な犯罪者(ベルモント)を主人公としたものですが、警官殺しという重犯罪で追われながらも、もっぱらガールフレンドとの恋愛は欠かせないという一種お気楽なストーリーです。 1960年頃というと、フランスでも戦争が終結して15年ほど経ち、時代はようやく経済も好調になっていて社会も明るくなっていた頃だったでしょう。 映画でも街にあふれるクルマやファッションがオシャレで、花のパリを強く印象づけています。 日本でも世界でもたいへん評価が高い作品(アメリカではリメーク作品が作られ、ドイツではベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞し、沢田研二が歌った「勝手にしやがれ」はこの映画がベースとか)ですが、個人的にはこうした後先をなにも考えない犯罪者の心理がまったく理解できません。 なので単なる想像の中での出来事ぐらいにしか思えず(だから映画なんでしょうけど)、見ていてもどこか冷めた目でしか見られません。 きっと60年代に青春時代を過ごした、やがては過激派なども産む(日本では団塊世代とその少し上)にとってはこうした反社会的でありながらも淡々として、明るくて仲間にも恵まれ、なんにでも同化していける主人公に共感できたのでしょう。 ★☆☆ TOKYO JOE マフィアを売った男((原題:Tokyo Joe: The Man Who Brought Down the Chicago Mob))(2008年) 監督 小栗謙一 1980年代、シカゴでイタリアンマフィアの幹部にまで上り詰めた実在の日系2世「ケン・エトー(衛藤 健)」の生涯をFBI女性捜査官エレイン・C・スミスを始め、様々な関係者に語らせていくドキュメンタリー映画です。原作はそのエレイン・C・スミスが書いた同名のノンフィクションです。 その主人公は、戦前にアメリカへ移住した日本人両親のもと、1919年に生まれます。父親は関西学院大学の創設にも関わった教師で、一家を連れて渡米した後は宗教にはまり、宣教師として活動します。 仏教徒だった母親は渡米後にうつ病となり帰国してしまい、子供だった当時の主人公は厳格な父親の元で弟とともに過ごしますが、14歳で家を飛び出して職を転々とします。やがて太平洋戦争が始まり、日本人収容所に入れられます。 戦争が終わったあと、シカゴのイタリアマフィアの使い走りから始めますが、やがてその才能を発揮し、白人以外は幹部になれない中で、異例の出世を果たします。 賭博などの罪で逮捕されますが、マフィアが大金を積んで保釈されます。しかし釈放されたあとすぐに二人の殺し屋に銃弾を浴びせられ瀕死の重傷を負いますが、命は助かります。 つまり、「逮捕されて仲間を売った」と思われたわけで、その裏切りを知り、FBIが提案してきた保護プログラム(すべて証言する代わりに国が保護をする)を受けることになります。 その証言のおかげで、シカゴのイタリアンマフィアは壊滅状態に陥ることになります。 証言したケン・エトーは、名前を変え、安全な住居を与えられ、2004年に85歳の人生を全うします。 こういう数奇な運命をたどった日本人がアメリカにいたということを初めて知りましたが、なかなか興味深いドキュメンタリー映画でした。 ★★☆ 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 2020年 アニプレックス他 監督:外崎春雄 原作:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』 今さらですが、テレビでやっていたので録画して見ました。正直還暦過ぎたオッサンには、これのどこに熱狂する要素があるのかまったく理解不能ですが、自分が子供の頃には、ウルトラマンやマグマ大使、巨人の星などに夢中だったことを考えると、流行なんだろうなぁという感想です。 水戸黄門のドラマと同じで、主人公やその他レギュラーの仲間達はどんな苦境に陥っても死なず、目的を達するということがわかっていながら、それがクセになってしまうのはいつものことです。 このシリーズは、主人公が家族を鬼に殺され、修行して鬼殺隊に加わったということを知っていないと意味がわからないことも多そうです。 というか、劇場版ではどうしても時間の関係から原作(漫画)やテレビアニメ放送の中から多くの部分をカットして作られているので、鬼に「下弦の壱」とか「上弦の参」など、鬼退治をする鬼殺隊にも「炎柱」などクラスというかランクがあったりしますが、そういう様々な細かなことは映画ではほとんど説明がないのでスルーしながら見るしかありません。 ま、あまり深いことは考えずに、出てくる様々な仕掛けやアクションをみて楽しむというのが、マニア以外の楽しみ方なのでしょう。 ★★☆ ロープ(原題:Rope) 1948年米(日本公開は1962年) 監督:アルフレッド・ヒッチコック 出演者:ジェームズ・スチュワート、ジョン・ドール、ファーリー・グレンジャー 1924年にアメリカで実際に起きたシカゴ大学の学生二人が、完全犯罪をやり遂げようと、裕福な家の知り合いの少年を誘拐し、身代金誘拐を装いながら、すぐに殺した殺人事件「レオポルドとローブ事件」を題材に小説化された原作を映画化されたものです。 原題の「Rope」は犯人のひとりの名前「Loeb」と似ていますが、それとは関係がなく、映画の中で殺人に使った道具がロープで、そのロープをなにも知らない被害者の父親に貸し出した書籍をまとめるのに使って渡すなどその異常性を象徴したものです。 この映画の最大の特徴は、一見してワンカットで最後まで進むことです。つまり場面展開がなく、時間も映画を見ている人と同じで進んでいきます。またヒッチコック初のカラー作品というのも特徴です。 最初にマンションの上から遠目に地上を歩くカメオ出演のヒッチコックなどを映したあと、そのままカメラはマンションの室内を映し出し、殺人シーン、その死体を部屋の中にある古いチェストの中に隠し、その部屋に被害者の家族や婚約者など関係者のゲストを集め、自分たちの送別パーティを催します。 全編カットのないワンシーンですから、俳優は台詞を覚えるのが大変だったろうなぁーと思いましたが、そこは当時のフィルムは最長15分程度しか回せなかったらしいので、フィルムのつなぎ目がわからないよう、いろいろ工夫がなされていました。 それにしてもワンカットが非常に長い演技を強いられる俳優は、台詞や動きを覚えるのが大変だっただろうなぁーと思わずにいられません。 ★★☆ 【関連リンク】 2021年9〜10月 陰陽師II(2003年)、エージェント:ライアン(2014年)、アンダーグラウンド(1995年) 、悪い種子(1956年) 2021年7〜8月 悪の法則(2013年)、断崖(1941年)、ミッドナイト イン パリ(2011年)、記憶にございません!(2019年)、戦場(1949年) 2021年5〜6月 新選組(1969年)、座頭市と用心棒(1970年)、パットン大戦車軍団(1970年)、シング・ストリート 未来へのうた(2016年) ---------------------------------------------------------- 1月前半の読書と感想、書評 2022/1/15(土) 1603 漂砂のうたう (集英社文庫) 木内昇 著者は出版社勤務後、フリーで編集やライターをされた後、2004年には小説でメジャーデビューしました。 今回著者の小説を読むのは初めてですが、名前から男性とばかり思っていましたが、「昇」はノボリと読み、女性の作家さんでした。 2011年に、本著で直木賞を受賞されて一気に有名になりましたが、1年に1〜2作の主として時代物小説を出されています。 なかなか味のあるタイトルですが、このタイトルだけでは中身は想像ができません。 主人公は、武士の家系に次男として生まれ、厳しく育てられたものの、徳川幕府が倒れ江戸時代が終わり御一新で主君に仕えるしか能がなかった武士が苦境に陥っている時代に、家を飛び出して今は根津の遊郭で客引きの仕事をしている男です。 根津の遊郭は、吉原ほどの規模はなく、格も落ちますが、そうした場所でまったく生きる意欲もなくした若い男が、武士の出を隠しながら、その日暮らしの生活を送っています。 小説では、その時代の遊郭のしきたりや遊女の話が満載で、「御事紙」とか「敵娼(あいかた)」「蹴転(けころ)」など、知らない言葉もよく出てきます。 昔だったら、わからない言葉が出てきても、話の流れをつかむのに影響なければ読み飛ばしていくのですが、最近は暇なので(笑)、そのたびにスマホで検索しながら読み進めました。 こうした古いしきたりや、言葉を普通に使いこなして小説に仕立てるというのも、しっかりした知識がないとなかなか難しいと思いますが、著者は私よりも10歳若い方で、当然ながら遊郭のことはまったく知らない世代なので、よくよく勉強されているのだと思います。 主人公以外の脇役、遊郭で生まれ育ったベテランで有能な先輩客引きや、妙に絡んでくる若い噺家が魅力的で、面白い内容に仕上がっています。 ★★☆ ツリーハウス (文春文庫) 角田光代 産経新聞に連載されたあと、2010年に単行本、2013年に文庫化された大河ドラマ的な3世代にわたる長編小説です。 いきなり主人公のひとり、33歳の無職プータローが、自宅で祖父の泰三が亡くなっているところを発見するところから始まり、つかみはバッチリというところでしょう。 ほとんどなにも語ってくれなかった祖父と祖母のことを急に知りたくなり、祖母に二人が若い頃に出会ったという満州・新京(現在の中華人民共和国吉林省長春市)へ旅行しようと提案します。 そこから、物語の時代は、現在と昭和時代とを行ったり来たりします。ちょっと混乱しがちです。 そこで、感想ではなく、今回は主な登場人物と、相関図を書いてみました。読む前に相関図だけでもあればずっと読みやすかったのですが、頭のいい人が揃っている編集部は無知な読者には優しくないのです。 【主要な登場人物相関図】
感想は、めちゃ、面白かったです。 時代背景が、満州開拓団、日中・日ソ戦、引き揚げ船、闇市、テレビ放送開始、高度成長、淀橋浄水場跡地の新宿高層ビル街、漫画ブーム、学生運動、新宿騒乱、浅間山荘事件、日航ハイジャック事件、新宿バス放火事件、ファミコン、オーム真理教ブーム、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、バブル景気、地上げ、コギャルと、主人公達の周囲でそれらの出来事が繰り広げられます。 個人的には、すぐ身近なところで「新宿バス放火事件」と「オーム真理教ブーム」と「地下鉄サリン事件」を経験しているので、その印象は強く残っています。 祖父と祖母の若い頃から、そのバラバラでどうしようもない開けっぴろげな一家が、どのようにして家族を築いてきたのかという苦難の三代にわたる歴史が面白く読めます。 引き揚げ船で小さな子供が亡くなったり、非常に優秀な四男が高校生で謎の自殺をしたりと暗いことも多いのですが、そうしたことも全体として湿っぽくはなく、それらを乗り越えていく生命力を感じます。 ★★★ ◇著者別読書感想(角田光代) 嗤う伊右衛門 (中公文庫) 京極夏彦 1997年に単行本が発刊され、その後文庫化された長編怪談小説です。元になった怪談は「東海道四谷怪談」です。そう、お岩さんの物語でしたが、本書ではかなり内容は変えられています。 先日読んだ直木賞受賞作の「後巷説百物語」(2003年)に、主要なところで登場している魅力ある一種の詐欺師的な人物「小股潜りの又市」が出ています。 主人公は、浪人武士の伊右衛門で、無口で実直、食うために木工の内職などして質素に暮らしています。 一般的な四谷怪談では、婿養子の伊右衛門が浮気、重婚をすることで、妻のお岩さんが発狂して死に、幽霊となって伊右衛門の元に出てくるわけですが、本書での伊右衛門は同じく婿養子に入りますが愛妻家です。 また四谷怪談では愛人を正妻に迎えたいため邪魔になった妻のお岩に毒薬を飲ませて顔が崩れますが、本書では伊右衛門と結婚する前にすでに顔が崩れています。その理由は最後の方で出てきます。 その二人の間をもったのが又市ですが、主人公の上司である与力が策謀を巡らし、お岩と別れさせ、自分の妊娠している愛人を伊右衛門の後添えとして押しつけられます。 この悪役の与力が、金も知恵も権力もあり、なかなか最近まれに見る非道さで、ある意味魅力ある悪漢です。 とにかく家には何人もの妾を置きつつ、町でいい女がいれば誘拐をしてでも思いを遂げたり、仕事の役もお金の力で先輩を追い越し成り上がっていく徹底ぶりです。 伊右衛門とお岩の関係はどうなるのか?悪漢与力との対決は?無口で感情を表に出さない古式然とした侍の伊右衛門が果たして嗤うのか?など、物語はクライマックスへ進んでいきます。 元ネタが恐ろしい恨みつらみの怪談ですが、こちらは理屈抜きな面妖なことは起きず、まったく違う展開になります。これもスッキリして面白いかも。 後巷説百物語では中心的に大活躍した小股潜りの又市ですが、本書では伊右衛門の聞き役の立場を超えず、脇役に過ぎなかったのはちょっと意外でした。 この江戸時代の怪談を元にして新解釈を加えて小説化したシリーズは、「復讐奇談安積沼」を元にした「覘き小平次」、「番町皿屋敷」を元にした「数えずの井戸」と続いています。 ★★☆ ◇著者別読書感想(京極夏彦) ジェームズ・ボンドは来ない (角川文庫) 松岡圭祐 2014年に単行本、2015年に文庫化された、瀬戸内海に浮かぶ直島で実際に起きた出来事を一部仮名にして創作されたノンフィクション小説です。 直島というと、ベネッセが「直島文化村構想」で芸術の拠点として様々な施設を作り投資していることで有名ですが、それと並行して2002年に「007シリーズ 赤い刺青の男」という小説が出版されたことで、その小説のクライマックスの舞台となる直島で「007映画のロケがおこなわれる!かも?」というドタバタがありました。 そのロケの誘致運動が主体の話しですが、タイトルからもわかるように、もちろん現在までロケがおこなわれたことはありませんし、その007を主人公とする原作者イアン・フレミング以外の小説が映画化されたという話しもありません。 でも当時はどこで間違ったか、直島町と観光組合が始めた誘致活動が、やがては香川県にまで拡がり、署名活動やボンドガールコンテスト、『007「赤い刺青の男」記念館』の設営、香川県の副知事が訪米し、007シリーズの版権を管理する映画プロダクションへ訪問するなど滑稽なぐらい盛り上がっていきます。 しかし冷静に考えると、007の小説と映画の関係はなく、ジェームス/ボンドを主人公にした小説を出す権利は与えても、それは映画化しないという条件が付いています。 また版権など複雑な権利関係からして、この直島をはじめ日本各地が舞台となる007小説が映画になることは不可能ということに気がつきます。 すったもんだで、やがてその熱病も冷めていきますが、最後には思いもかけない嬉しいプレゼントが届きます。それは読んでから(あるいは直島の『007「赤い刺青の男」記念館』へ行って見て)のお楽しみです。 本文中にも当時の新聞記事やイベントの様子などの写真が挿入され、ドキュメントのようですが、主人公の女子高生など、体裁は青春小説という感じで、中途半端にどっちつかずになってしまったのが残念です。 ★☆☆ ◇著者別読書感想(松岡圭祐) 自動車保険金は出ないのがフツー (幻冬舎新書) 加茂隆康 著者は交通事故専門の弁護士をおこなっている方で、それだけに過去の実例を豊富に経験されています。 ちょっと自慢たらしかったり、盛ってるなぁーっていう箇所が鼻につきますが、それでもここで語られている損害保険会社との激しい攻防については参考になります。 タイトルから想像できるように、交通事故で被害者になった場合、どこまでが補償されるか(要は医療費など含めいくらもらえるか)は、通常加害者または被害者が加入している損害保険会社(共済含む)と被害者が直接話して決まります。 当然ですが、損保側は「できるだけ支払いたくない」というのが、利益を追求する企業の本質ですから、たいていの場合、被害者側にとっては納得がいかない結果に落ち着きます。 被害者と思っていても、通常クルマ同士の事故の場合は過失割合というのがあり、その過失割合を被害者側に想定よりも大きくすることで補償額が減らされ、さらに神経系やむち打ち症のような長期間長引く怪我などの場合には、どこまで補償するのかでよく揉めるそうです。 通常知らない怪我をした場合の入通院の慰謝料についても、自賠責基準と、任意保険基準、弁護士会基準と3通りがあり、その金額差はかなり大きく、なにも言わない(知らない)と一番低い自賠責基準でしれっと通知が来るそうです。 つまり任意保険をできるだけ使わずに自賠責だけで収めようと損保会社(共済も)は収めようとあれこれ手を使って被害者を攻めてきます。自賠責の範囲で収まれば損保の持ち出しはありませんからね。 善良な人なら、「社会的にも尊敬を集めている有数の大手企業の損保会社(共済も)が、そんな加入者に対して冷酷なことなどするワケがない」と思っていますが、過去に何度も「不払い」で新聞沙汰になっている通り、損保は「水に落ちた犬は打て」を地でいきます。 もちろん水に落ちたのは交通事故の被害者で、それを騙しすかし、被害者が素人とみると、大企業の総力をあげて保険金を出し渋ってくるという話しが満載でとても役に立ちます。 もっとも、こういう目に遭わないで生涯が終えられるのが一番ですが、事故に遭ってから読んでいては遅いでしょう。 そう言えば、自動車保険ではありませんが、昨年、自宅の窓ガラスを交換したときに、共済(火災保険)と交渉したことを思い出しました。 ◇窓ガラスの熱割れで火災保険は使えるか? 半端な共済が、いかに頼りにならないか、加入者に冷たいかがよくわかった事案でした。 ★★☆ 【関連リンク】 12月後半 錨を上げよ(1)出航篇(2)座礁篇(3)漂流篇(4)抜錨篇 12月前半 しゃばけ、深海のアトム(上)(下) 、ノモンハンの夏、玻璃の天 11月後半 海の見える理髪店、ダナエ、それまでの明日、死の接吻 ---------------------------------------------------------- ビッグマックは創業以来の定番 2022/1/19(水) 1604 マクドナルドの定番メニューのビッグマックは私も好きで、中高生(70年代)の頃は行くと必ず注文していた気がします。 その頃にはハンバーガーのメニューが、ハンバーガーとチーズバーガー、ビッグマック、フィレオフィッシュの4種類しかなく、その中から選ぶとすると自ずとビッグマックになりました。 テリヤキバーガー(1989年〜)やメガマック(2007年〜)などが登場したのはずっとあとのことです。 その最初からある定番メニューのビッグマックを元にした経済指標というのがあり「ビッグマック指数」と呼ばれています。 なぜそういうことをするかと言うと、世界中でほぼ共通した材料で最終消費者に提供されているので、その価格を調べるとその国の購買力がわかり、さらにその国の対ドル為替レートとビッグマック価格との比較をすることで、その国の為替通貨が他国と比べて高いのか安いのかがわかるとされています。 そのビッグマック指数は、有名な英国のエコノミスト誌で年2回発表されています。まもなく今年の1月分が発表されますが、諸般の事情?から先に昨年2020年7月版から見てみます。
ブルーのアメリカを基準点0.00として、アメリカよりもビッグマックが高いのはベネズエラなど4カ国のみです。そういう意味ではアメリカの好景気を反映してか、アメリカドルは強いということが言えます。 ユーロ圏やオーストラリアはアメリカ基準と近くビッグマック指数はそれぞれ-11.11と-15.17です。ビッグマックの値段が相対的に高く、国民の購買力がそれなりに高いと言えます。また為替も比較的適正基準にあると言えます。 韓国は-29.23、タイは-30.95、サウジアラビアは-33.94で、中間的な購買力と言えそうです。 日本はと言うと、-37.21で全体57カ国の31番目、アメリカより安い国では26番目で、いわゆる先進国の中では後方(低額)に位置しています。この順番は、長期的には年々下がっています。 日本より安く提供されているのが、中国-38.82、メキシコ-43.74、台湾-54.57、インド-54.93、ロシア-59.87など。 このビッグマック指数が低い(マイナスが大きい)と、それだけモノを買う購買力が低く、例えば、日本人がスイスへ旅行し、ビッグマックを買おうとすると、日本で買う約2倍の価格を支払わないといけないので、「高いなぁ〜」と思うことになります。もちろんビッグマックだけが特別に高いのではなく、日常的、標準的にそう感じることになります。 もし「一物一価の法則」からすれば、時間はかかるでしょうけど日本のビッグマック価格がアメリカと同水準に向かおうとしますので、もしアメリカのビッグマック価格と同じになったとしたら、今の為替水準のままならおよそ160%の値上げ(390円から624円)をすることになります。 値上げは、原材料価格の高騰や人件費、家賃の上昇、いわゆる物価上昇で起きる(おこなわれる)ことがほとんどです。つまりインフレの到来です。昨年は食料品等の値上げラッシュの1年でしたが、今年も4月には多くの商品やサービスの価格が上がります。 もうひとつの為替はこの時点では対ドル109円ですが、ビッグマック指数で為替を算出すると1ドルは69円ぐらいが適正ということになります。もしそれに向かえば無茶苦茶な円高で、原油など輸入業者はいいでしょうけど、輸出産業は壊滅的です。 円安から円高に向かう可能性もないわけではありませんが、それよりはインフレによってビッグマック指数が動く可能性のほうが高いというのが現状の見立てです。 こうした国際的な経済指標からも、近いうちには日本の購買力の低下、ひいては経済力の弱体化とインフレがやってくることが予想されます。海外旅行へ出掛けるのなら早い方が良さそうです。 【関連リンク】 1569 ポストコロナの日本経済は 1544 コロナ禍で零細企業は生き残れるか 1360 縮小経済と進むべき道 ---------------------------------------------------------- 年齢層別交通事故数と運転免許取得者数 2022/1/22(土) 1605 クルマやバイクを運転していると、否応なく出くわすことになるのが交通事故です。いくら気をつけていても、巻き添えを食らったり、落下物に当たったりと避けられないことも起きます。 認知された交通事故は、コロナ禍で外出自粛などにより大幅に減少した昨年2021年で30万5425件、1日平均約837件、1時間に35件の交通事故が起きています。 死亡者事故(事故後24時間以内に亡くなった人数)は、これも大きく減少し2021年は2,636人で、1日平均7.2人が亡くなっています。 一般報道では、そうした交通事故が報道される時には、「高齢者が都会で起こした事故」か「通学中の子供が巻き込まれた事故」、「暴走や飲酒など極めて悪質な死亡事故」、「プロドライバーが起こしたあり得ない事故」などに限られます。 そうすると、高齢者で、子供が被害に遭い、踏み間違いや飲酒などの事故などは決まって大きく報道されることになるので、世の中では「高齢者ドライバーが危ない!」という風潮になります。 確かに、高齢になると、運転操作を誤ったり、認知能力に不安があったり、さらには運転中に気を失ったりするケースが若い人よりも多くなることは知られています。 それだけに報道される数が圧倒的に多くなってしまい、世の中の定説として固定化してしまいます。 果たして交通事故の中で高齢者ドライバー(第1次当事者)の割合はどのぐらいでしょうか? 原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たり交通事故件数の推移(2020年)(政府統計) 10万人当たりの人数ですから、事故の実数としては団塊世代(70代前半)の発生件数はもっと目立つことになりますが、割合としては、圧倒的に多い16〜19歳、次に20〜24歳が交通事故の第1次当事者(実質の事故を起こした人や加害者)です。 次に、この年齢層別10万人当たり交通事故件数の中から2020年だけを抜き出してみます。 3番目に85歳以上、4番目に80〜84歳が続いているのがわかります。確かに高齢者の交通事故(自爆事故と被害者がいる事故全部)は、10代〜20代半ばの次に多いと言うことです。 しかし、一般的には高齢者と言われる60代や70代前半はと言うと、他の30代や40代と大差はありません。一概に高齢者と言っても、75歳以上とそれ未満では大きく違っているように見えます。 最後に運転免許証の取得者数の年代層グラフです。元データの出典は警察庁交通局運転免許課です。 16〜19歳の10万人当たりの事故数は1,075件ですから事故率はおよそ1%(100人にひとり)、免許取得者は85万人なので、事故を起こした人の実数は8500人です。 同様に85歳以上は10万人当たり522人、0.5%の事故率で、免許取得者は67万人で、事故を起こした人の実数は3350人となります。 若い人は原付バイクを含め2輪の事故が多いのでしょうけど、19歳以下だけでも85歳以上の高齢者の2倍以上の人が事故を起こしていることになり、交通事故を減らすためには、まずここから手を付けるというのが正しいかも知れません。マスコミはそういうことを報じてはくれませんが。 【関連リンク】 1504 交通事故死者数と自殺者の推移 1454 交通事故の過失割合は妥協の産物 1081 高齢ドライバに対する偏見と規制 ---------------------------------------------------------- 書籍販売年間ランキング比較 2022/1/26(水) 1606 昨年はどういった書籍が売れたのか調べてみました。 新刊本は、書籍取次店の日本出版販売(日販)の「2021年年間ベストセラー(集計期間:2020.11.24〜2021.11.21)」から、販売店は紀伊國屋書店とAmazonから、そして中古本販売がメインのブックオフと4つの視点からその傾向を見てみました。 まずは、日本出版販売調べの2021年年間ベストセラー(集計期間:2020.11.24〜2021.11.21)です。単行本や文庫、新書、コミックなどすべての総合ランキングと、文庫だけを抜き出したランキングです。
1位、2位と新書が占めました。3位は芥川賞受賞作の単行本、4位は実用書とバラエティに富んでいます。 コミックは10位以内には7位に鬼滅、10位に呪術が入っています。15位の「現代語訳 論語と算盤」(2010年)は大河ドラマの影響でしょう。これは一番実感と合いそうなランキングです。 但し、個人的には話題の「スマホ脳」ぐらいは知っていますが、新刊本はほとんど読まないので、私の知らない書籍がほとんどです。 文庫1位の「そして、バトンは渡された」は、本屋大賞受賞と実写映画化によって大いに盛り上がった結果でしょう。 それにしても文庫上位10の中には東野圭吾氏の作品が3つも入っています。めちゃ売れっ子です。 ◇ ◇ ◇ 大都市を中心に大型店を構えている紀伊國屋書店の「2021年書籍年間ベストセラー(総合・文庫・コミック・電子書籍)」は下記の通りです。
デアゴスティ−ニ・ジャパンのフィギュアを作る本が9位と12位に入っています。純粋に考えて書籍かどうかは微妙ですが、それにしても恐るべし外出自粛のコロナ効果?。 ◇ ◇ ◇ Amazonは年間とか月間とか期間を定めたランキングは発表してなく、しかも1時間ごとに更新と言うことで、極めて短期間のランキングと思われるので参考データです。1年間のランキングを発表してくれると世の中の動きがわかって面白いと思うんですけどね、、ライバル等に知られるのが嫌なのでしょうか?ライバルらしき書籍の通販会社なんてないですけどね。
1位の「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」は2018年に単行本、2020年に文庫化された少し前の書籍ですが、テレビかなにかで紹介され一時的に急上昇したという気がします。短期間のランキングだとこういうことが起きます。 その他にも「グラスホッパー」(2004年)や「コンビニ人間」(2016年)も十数年から数年前の小説で、なにかで紹介されたのでしょう。 ◇ ◇ ◇ 最後に、私も良く利用させてもらっている中古本が中心のブックオフの「売れ筋本ベスト20」で「総合順位」と「ビジネス書」をフューチャーしてみました。但しこちらのデータは、実店舗での販売成績ではなく、オンラインでの販売だけということなので、バイアスがかかっています。 2021年ブックオフオンライン年間ランキング
こちらも総合順位1位と2位は新書です。4位に「西の魔女が死んだ」は1994年に単行本、2001年に文庫化された20年以上前のファンタジー小説で、映画化されたのも2008年ということで、なぜ今頃ブレークした?という気がします。 面白いなと思ったのは、上位10位のうち、女性作家さんの小説が半分の5つも入っています。さらに11〜20位の中にも4つの女性作家さんの小説が入り、ブックオフ(オンライン)は女性作家さんの小説が人気!と言えるかも知れません。 ブックオフではランキング20位までの中では14作品が小説で、実店舗の売り場を見ても新書や実用書、ビジネス書の書棚は狭く、小説のエリアがその何倍も広いということからもわかります。 紀伊國屋書店など新刊書が中心の実店舗と比べると、書棚のジャンルごとの割り当てが大きく違うことが理解できます。 推理すると、新書やビジネス書というのは、いち早く読むことに意味があり、中古本として入ってくる前に読む人が多いということでしょう。 紀伊國屋やAmazonではそうした新書やビジネス、実用書などが小説よりもよく売れていることから明らかです。 またブックオフでは、ビジネス書として定番の「チーズはどこへ消えた?」(1998年)、「人を動かす」(1936年)、「金持ち父さん貧乏父さん」(1997年)という、古典に近い名著がベスト10入りしているのも印象的です。 【関連リンク】 1528 お勧め新書、エッセイ、ノンフィクション 2021年版 1520 お薦め小説 2021年版(海外小説) 1516 お薦め小説 2021年版(国内小説) 698 世界と日本の書籍ベストセラーランキング ---------------------------------------------------------- 代表的なB級ファストフードの価格推移 2022/1/29(土) 1607 先般ビックマック指数について書きましたが、これは国の購買力が世界の他の国と比べてどうかという指標です。 今回は、もっと身近な問題として、吉野家の牛丼(並)と、ラーメン(全国平均)、それとビッグマックの価格の推移を相対的に比較してみました。 但し学術的な定期調査を使った研究データではなく、追える範囲で、不特定な時点(ビッグマックや牛丼の場合、同じ年でもキャンペーン等で価格が何度か変動しているケースあり)での価格を元にしています。ラーメン価格は「総務省統計局 小売物価統計調査」が元データです。 その前に、2021年はガソリンを始め、電気・ガス料金、タバコ、冷凍食品、食用油、小麦粉、コーヒー豆、東京ディズニーランド・シー入場料など、様々な値上げがありましたが、2022年も引き続き値上げラッシュが続きそうです。 2022年に値上げが発表されているのは、一部上記と重なり(メーカーによって値上げ時期が違う)ますが、小麦粉やパン、洋菓子、加工肉や冷凍食品、調味料、菓子、洋酒、水道料金、JR東日本・西日本の新幹線・特急料金、首都高など。 外食産業も新型コロナの影響で、休業や営業時間の短縮など大きな被害を被りましたが、再開しても一度離れてしまったアルバイトの確保が難しかったり、国が主導する賃金上昇政策などもあり、体力のある大手チェーン店以外はどこも台所事情は厳しそうです。 また、ガソリンやガス・電気・水道、高速道路などインフラや流通の値上げは、ほぼすべての産業に影響を及ぼしますので、外食に限らず全産業レベルでの値上げや価格改定がおこなわれることは必至です。 そのような中で日本の国民食とも言える、牛丼やラーメンの価格、それにアメリカからやってきた元祖ファストフードのハンバーガー(ビッグマック)の価格は様々な思惑も絡み合いながら、この50年ぐらいで大きな変化を見せています。 それでは、1958年から2021年までの牛丼とラーメン、ビッグマックの価格推移をグラフで見てみます。 1970年代半ばまでは、輸入規制で当時高かった牛肉価格の影響もあってか牛丼が一番高くラーメンが一番安かったのが、1980年頃には牛丼、ラーメン、ビッグマックの価格は極めて近くなりそれが数年間続きます。 しかしやがて1980年代後半頃からラーメン価格だけ上昇していき、牛丼やビッグマックと大きな差が付いていきます。 それにしても、牛丼vs.ビッグマックは1980年頃より激しい価格競争を繰り広げ、価格もほとんど値上げしていなかったことがわかります。 それは個人事業や小資本系が多いラーメン店と違い、大手資本で他の飲食との競争力があるチェーン店ということが大きな理由なのでしょう。 ビッグマックと牛丼の1990年以降の値下げ競争は、まさにバブル後のデフレを象徴するような値動きです。これではとても従業員の給料やアルバイト代を上げたりはできません。 最近、ラーメンをよく食べに行きますが、その値段は一番標準的なものでもすでに800円近くになっています(都市部のため)。 私の場合は、大盛りや替玉、野菜や味玉の追加などをすることが多く、そうすればもう間違いなく1000円を超えてしまいます。 1980年の新入社員だった頃に、銀座で150円のラーメンがあり、牛丼屋ビッグマックなどと比べてだいぶん安く、立ち食いの素うどん並みで、夕方の小腹が空いた時に重宝したことはもう遠い昔話です。 こうして見ると、今のラーメンは高過ぎのような気がします。1990年頃から会社員の平均給料はほとんど上がっていないのにラーメン価格は40%近くも上がっているわけです。 そしてこのコロナ禍で、狭い店に客をギューギューに詰め込み回転率の良さで儲けを出していたラーメン店は、間隔をとるために客席を半分にして余計な仕切り板や清掃作業、換気などコストは増え儲けが出にくい構造になってしまいました。 今でも人気の行列ができるラーメン店がある一方、外出自粛などで人通りが減り、密になりそうな狭い店は敬遠されますので、補助金がなければ持ちこたえられない店も増えていくでしょう。 そうすると、ラーメン店で生き残るのは、大手資本のチェーン店か、ミシュランで星をとるような一部の有名店だけということになってしまいそうです。 【関連リンク】 1604 ビッグマックは創業以来の定番 1165 ラーメンと私 1015 丼飯を日本の文化として育てていきたい 685 値上げ、増税スケジュールを考える |
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