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角田光代 KAKUTA MITSUYO 既読書籍
007 | 空中庭園 | ||
006 | かなたの子 | 005 | ツリーハウス |
004 | 最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 | 003 | さがしもの |
002 | 対岸の彼女 | 001 | トリップ |
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1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒業。大学を卒業して1年後の1990年、「幸福な遊戯」で第9回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。1996年に『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞を受賞、2005年『対岸の彼女』で第132回直木三十五賞受賞。『キッドナップ・ツアー』など児童文学も手がけている。代表作は『対岸の彼女』(2004年)、『八日目の蝉』(2007年)、『紙の月』(2012年)、『私のなかの彼女』(2013年)など。2020年から直木三十五賞選考委員。(Wikipediaより引用 2022年) |
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007 | 空中庭園(文春文庫) | ||
2002年に単行本、2005年に文庫化された連作短編小説で、2002年下期の直木賞の候補になりましたが落選しました(直木賞該当作品なし)。増刷されていないのか、Amazonではなぜか販売されていません(2023/3/12時点)。読みたい人はBOOK-OFFへGo! 収録されている作品は、「ラブリー・ホーム」「チョロQ」「空中庭園」「キルト」「鍵つきドア」「光の、闇の」の6篇です。 東京郊外の団地(本文中はダンチ)に住む夫婦と子供二人の一家と、その近くに住む祖母、夫の若い愛人が、それぞれ語り手となって1話ずつ展開していきます。 こうした東京郊外の巨大団地を舞台にした小説は重松清氏や垣谷美雨氏の小説でもよく出てきますが、世代も施設も画一化された人工都市にすむ似たもの同士で、休日には家族でバスやマイカーに乗って近くの巨大ショッピングセンターへ行くのが家族のレジャーという姿は容易に想像ができます。 一家の夫婦は、若いときにできちゃった婚をし、妻は早く母親から離れたかった理由や、ダンチを購入したことで自分の両親とは違った家族を作ろうと奮闘、夫は職を転々としながらも複数の愛人がいるというダメ夫、子供達もそれぞれのストレスや問題を抱えながら、表向きは一切の秘密がない家族を演じています。 そういう意味では、意外性はない普通の家族ドラマとも言えるかも知れませんが、夫の若い愛人が、子供の家庭教師として家に乗り込んでくると言うのは、ちょっとやり過ぎな感じも。 ★★☆ 3月前半の読書と感想、書評 2023/3/15(水) |
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006 | かなたの子 (文春文庫) | 文學界などに掲載され2011年に単行本、2013年に文庫化された8作の短編小説集です。それぞれのタイトルは「おみちゆ」「同窓会」「闇の梯子」「道理」「前世」「わたしとわたしではない女」「かなたの子」「巡る」です。 なんというか、古い因習や前世の因果、過去に起きた暗い話など、重苦しい話が多いのと、恋愛、出産、子育てなど女性を主人公とした物語が多いので、古い男性にとってはどうもとっつきにくい内容です。 「遠野物語」に出てきそうな摩訶不思議な話もあれば、現代の話しもありで、一気に連続して読んでいると、なにかがなんだか混乱しそうでした。 中にはホラー?と思えるものもあったり、そういう読み方をすれば面白いのかも知れませんが、ホラーのように結末がハッキリするようなものはなく、いわゆる文学的に「あとはそれぞれが勝手に想像して余韻を楽しんでください」的な終わり方で、個人的には消化不良が続きます。 文芸雑誌に掲載する短編小説にはこの手のものが多いですね。 ということで、あまり私には良い印象は残りませんでした。 ★☆☆ 2月後半の読書と感想、書評 2022/3/2(水) |
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005 | ツリーハウス (文春文庫) | 産経新聞に連載されたあと、2010年に単行本、2013年に文庫化された大河ドラマ的な3世代にわたる長編小説です。 いきなり主人公のひとり、33歳の無職プータローが、自宅で祖父の泰三が亡くなっているところを発見するところから始まり、つかみはバッチリというところでしょう。 ほとんどなにも語ってくれなかった祖父と祖母のことを急に知りたくなり、祖母に二人が若い頃に出会ったという満州・新京(現在の中華人民共和国吉林省長春市)へ旅行しようと提案します。 そこから、物語の時代は、現在と昭和時代とを行ったり来たりします。ちょっと混乱しがちです。 そこで、感想ではなく、今回は主な登場人物と、相関図を書いてみました。読む前に相関図だけでもあればずっと読みやすかったのですが、頭のいい人が揃っている編集部は無知な読者には優しくないのです。 【主要な登場人物相関図】
感想は、めちゃ、面白かったです。 時代背景が、満州開拓団、日中・日ソ戦、引き揚げ船、闇市、テレビ放送開始、高度成長、淀橋浄水場跡地の新宿高層ビル街、漫画ブーム、学生運動、新宿騒乱、浅間山荘事件、日航ハイジャック事件、新宿バス放火事件、ファミコン、オーム真理教ブーム、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、バブル景気、地上げ、コギャルと、主人公達の周囲でそれらの出来事が繰り広げられます。 個人的には、すぐ身近なところで「新宿バス放火事件」と「オーム真理教ブーム」と「地下鉄サリン事件」を経験しているので、その印象は強く残っています。 祖父と祖母の若い頃から、そのバラバラでどうしようもない開けっぴろげな一家が、どのようにして家族を築いてきたのかという苦難の三代にわたる歴史が面白く読めます。 引き揚げ船で小さな子供が亡くなったり、非常に優秀な四男が高校生で謎の自殺をしたりと暗いことも多いのですが、そうしたことも全体として湿っぽくはなく、それらを乗り越えていく生命力を感じます。 ★★★ 1月前半の読書と感想、書評 2022/1/15(土) |
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004 | 最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫) | 8人の作家が書く8編のアンソロジー風短編集で、2008年に刊行されました。 収録されている短編は、「春太の毎日」三浦しをん、「ヒトリシズカ」谷村志穂、「海辺食堂の姉妹」阿川佐和子、「スケジュール」沢村凜、「LAST LOVE」柴田よしき、「わたしは鏡」松尾由美、「キープ」乃南アサ、「おかえりなさい」角田光代と、お馴染みの売れっ子作家さん大集合です。 ただし、タイトルやその副題に騙されて、大人のしっとりした深い恋愛や、激しく燃え上がる感情や、ベタベタした甘ったるい関係を期待して読むときっと肩すかしに合います。 いずれの作者も、そこは海千山千のテクニシャン?だけあって、最後の恋をテーマにした短編を書くと、一筋縄には終わりません。 ミステリーなものもあれば、ちょっとホラー?的なものもあり、淡々と始まり淡々と終わるものはありませんから、それなりに楽しめました。 その中で個人的に好きだったのは柴田よしき著の「LAST LOVE」かな。阿川佐和子著の「海辺食堂の姉妹」も良かった。 でもこういう短編の競作スタイルにすると、それで飯食っているプロの作家さんは、他の作家さん、特に「誰々さんには絶対負けたくない!(面白いものを書く!)」という思いが前面に押し出てしまい、なんだかえらく肩に力が入りすぎているかな?と感じるような作品もあったりして、人気作家を集めた競作というのは難しいものです。 ★★☆ 3月後半の読書と感想、書評 2020/4/1(水) |
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003 | さがしもの(新潮文庫) | 「この本が、世界に存在することに」として2005年に発刊されましたが、2008年に文庫化されるときにこのタイトルに改題されています。 「旅する本」「だれか」「手紙」「彼と私の本棚」「不幸の種」「引き出しの奥」「ミツザワ書店」「さがしもの」「初バレンタイン」の9作品からなるライトな短編小説です。 著者の小説は、2009年に同じく短編集の「トリップ」(2004年刊)と、2013年に長編の「対岸の彼女」(2004年刊)を読んでいます。 著者の小説を原作とした映画は、過去に「八日目の蝉」(2007年刊)や「紙の月」(2012年刊)を見ていますが小説は読んでいません。 いずれの短編も書籍と関係する物語で、読書好きな女性が好んで読みそうな話ばかり。現実感はないし、夢もないし、ひねりを利かせた設定もないし、あまりに短すぎて、感情移入している間もありません。 やっぱりこの著者が本領を発揮できるのは、ジックリ読める長編小説で、それが好ましく思えます。 というわけで、この本は短くて暇つぶしにもならず、失敗です。 ★☆☆ 1月前半の読書と感想、書評 2019/1/16(水) |
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002 | 対岸の彼女 (文春文庫) | 2004年に発刊(文庫は2007年)された直木賞受賞作品です。小説のスタイルとしては二人の主人公がいて、そのうちのひとりは高校生だった頃と現在、もうひとりの主人公は現在だけで、それぞれの視点で過去と現在が交互にいったりきたりします。 女子高生の葵は中学校時代からどうも同級生同士の人間関係に不安があり、横浜の中学校ではいじめに遭い、高校へ進学するときには両親に頼み、母親の実家がある群馬県の高校へ入学することにします。そこで魚子(ななこ)といういたってマイペースな同級生と知り合い、親友になっていきます。 その葵は東京の大学卒業後に旅行会社を起業しますが、新規事業として家庭向けの清掃サービスを立ち上げるため従業員を募集します。その従業員に応募してきたのが来たのがもうひとりの主人公小夜子です。 小夜子は結婚してまだ小さな子供を抱えていますが、同じような子供を抱える母親同士のつき合いなど人間関係が苦手で、それが子供にも影響していくことを日々恐れています。夫や姑の反対を押し切って、清掃の仕事を覚え、開拓していきますが、やがて葵との関係に亀裂が入り始めます。 女性の感性で書かれているので、なかなか男、特に古い男には理解しがたい感覚のところが多々ありますが、そういうものなのかぁとあらためて結婚した女性の悩みを知ることにも。主人公二人ともいつうつ病になってもおかしくなさそうな、よく言えば繊細、悪く言えば神経質っぽいところで、読み進めていくのが重くつらかったりしますが、最後の展開で救われた思いをしました。 2月の後半の読書 2013/3/6(水) |
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001 | トリップ (光文社文庫) | 2009/04/29読了 「BOOK」データベース 普通の人々が平凡に暮らす東京近郊の街。駆け落ちしそびれた高校生、クスリにはまる日常を送る主婦、パッとしない肉屋に嫁いだ主婦―。何となくそこに暮らし続ける何者でもないそれらの人々がみな、日常とはズレた奥底、秘密を抱えている。小さな不幸と小さな幸福を抱きしめながら生きる人々を、透明感のある文体で描く珠玉の連作小説。直木賞作家の真骨頂。 |
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