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日本の農業はどこへ向かうか マイカーで東京から京都まで旅行する場合 ゴルフをプレイしている人の年代層割合に驚いた 世界と日本の宗教別信者数 2021年版出版社不況 客員教授と非常勤講師ってなんだ? ロバート・B・パーカー「スペンサーシリーズ」全巻まとめ 窓ガラスの熱割れで火災保険は使えるか? 天然素材でも綿はよく燃えるらしいことがわかった やっとのことでJ:COMを退会した 貯まった1円玉はどうする? 自動車整備士に未来はあるか? 液晶テレビが壊れた件 リタイア後の心配事 運転免許証取得者は意外にも増えている 著者別読書感想INDEX −−−−−−−−
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リストラ日記アーカイブ 2020年10月 読みやすいようにアーカイブは昇順(上から古いもの順)に並べ替えました。上から下へお読みください。 日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです |
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---------------------------------------------------------- ハリー・ボッシュシリーズはまだ未完 2020/10/3(土) 1472 以前、と言ってもずいぶん前の6年前の2014年に「ロバート・B・パーカー「スペンサーシリーズ」全巻まとめ」を書きましたが、意外と今でもよく読まれているようで、このブログのページ別ランキングでは常にベスト10入りしています。スペンサーシリーズの著者ロバート・B・パーカー氏が亡くなってもう10年経つのですけどね。 そこで、その勢いを借りて(柳の下のドジョウ)、私の好きなマイクル・コナリー(Michael Connelly)氏の出世作「ハリー・ボッシュシリーズ」についてまとめておきます。 コナリー氏は現在64歳でご健在、ボッシュシリーズの続編も今後出てくると思いますけど、とりあえずです。 当初は扶桑社から出版されていましたが、人気が出てきて、おそらく翻訳権の費用の問題でしょうか、途中から講談社に版権が移っています。不思議なのはなぜか1作品のみ早川書房が版権を得ていることです。 翻訳は出版社に関係なく、ずっと古沢嘉通氏が担当していますので、発行元が変わったことで、翻訳者も変わり、雰囲気がガラッと変わるってことはないのでそれは良かったです。 著者マイクル・コナリー氏は、チャンドラーの小説に憧れて小説の舞台ロスへ行き、新聞記者の仕事を経て作家となります。 1992年(著者36歳の時)にロス市警の刑事を主人公にした第1作「ナイトホークス」を出版し、それがアメリカ探偵作家クラブの「エドガー賞 処女長編賞」を受賞、一躍人気作家の仲間入りを果たしました。 コナリー氏はボッシュシリーズ以外にも、「リンカーン弁護士シリーズ」など、別の主人公の小説がいくつもあり、それらの小説にもボッシュ刑事が時々顔を出すこともありますが、今回はハリー・ボッシュが主人公の小説だけをピックアップしています。 主人公ハリー・ボッシュは、大学へ行くためにその資金と資格を得るため陸軍に入隊し、ベトナム戦争で実戦経験があります。その戦場でベトコンゲリラと激しい戦闘を経験し、帰国後ロス市警に入ってからもそれがトラウマになっています。 名前の由来は15世紀のオランダ(ネーデルランド)の有名な画家ヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch)と同名同性で、アメリカ人には発音が難しく、通称の「ハリー」と呼ばれています。 ロス市警で刑事をやっているところから始まりますが、その後いったん警察を辞めて私立探偵の時代があります。その後再びロス市警に呼び戻されて刑事を務めることになります。 こうしたハードボイルド主人公には、スペンサーにはホーク、探偵マット・スカダーにはミック・バルーなど信頼が置ける相棒の存在が欠かせないところですが、ボッシュ刑事には、特に決まった相棒という存在がいません。以前は同僚の刑事キズミン・ライダーがそうだったのですが、途中から異動してしまいます。ま、その後も時々登場してボッシュを助けますが。 このシリーズは、レギュラー的に登場する人物(同僚や上司など)、以前に単発で登場した人物が、別の作品の重要な局面で出てきたりしますので、できればシリーズ順に読む方が理解が進みやすいです。途中から読んでもサッパリわからないということではありませんけど。 私がこのシリーズを読み始めたのは1992年にシリーズ第1作の「ナイトホークス」からです。当時はまだ続編が出るのか知りませんでしたが、その時はタイトルに引き込まれて、いわゆるジャケ買いでした。 さて、そのシリーズを下記の一覧にまとめておきます。(2023年6月3日に追記しています)
過去にハリー・ボッシュが主役の小説で読書後の感想を書いたのは、 1721 2023年5月後半の読書(贖罪の街) 1667 2022年9月後半の読書(燃える部屋) 1174 2017年11月前半の読書(ブラックボックス) 1151 2017年8月前半の読書(転落の街) 918 2015年4月後半の読書(ナイン・ドラゴンズ) 887 2015年1月前半の読書(シティ・オブ・ボーンズ) 853 2014年9月前半の読書(暗く聖なる夜) 469 2011年1月後半の読書(死角) 410 2010年7月前半の読書(エコー・パーク) です。ご参考まで。 ◇著者別読書感想(マイクル・コナリー) 【関連リンク】 1127 元アル中探偵マット・スカダーに惚れる 808 ロバート・B・パーカー「スペンサーシリーズ」全巻まとめ 328 スペンサーシリーズの読み方(初級者編) ---------------------------------------------------------- BS/CSアンテナの交換DIY 2020/10/7(水) 1473 自宅のバルコニー(よくある狭いベランダという雰囲気なんですが屋根がないのでバルコニー)に取り付けていたBSアンテナは1998年に自分で取り付けたもので、すでに22年が経過しています。 晴れているときにはなにも問題がないのですが、やや強めの雨が降ると電波受信感度が出ず映りにくくなり、これはアンテナに問題がありそうと、交換することにしました。もちろんDIYです。 古いアンテナは富士通ゼネラル製、小さな35cm形、取り付け金具付き、当時の量販店で7千円で購入したブツで、素人取り付けにかかわらず、今まで風雨によく耐えもってくれました。 今回新たに購入したのは、BS/CSアンテナ、取り付け金具、同軸ケーブルがセットになったものです。 DXアンテナ BSアンテナ 2K 4K 8K対応 45cm形 BS・110°CS アンテナセット (同軸ケーブル+取り付け金具) BC453SK Amazon 6,600円(購入時) 4Kや8K対応のアンテナですが、今のところテレビが古いので4K8Kでは見られません。将来性を考え対応を選びました。BSと一緒に受信ができる有料のCS放送は今のところ見たい番組がないので、利用の予定はなしです。 また取り付け金具のボルト類が錆びていて、こちらも交換です。錆びたボルトから錆びたナットを緩めて外すのがたいへんでした。長年風雨にさらされる場所の設置が前提で、錆びないボルトやナットを使うべきなのに、コストダウンしていたのでしょうか。ダメだぞ富士通ゼネラル。 古いBSアンテナを取り外す時、よく見るとBSアンテナと同軸ケーブルを接続する部分のカバーが老朽し、緩んでいて、隙間から簡単に水が入ってしまう状態でしたので、雨降りで映らなくなる理由はこれだったかもです。 同軸ケーブルとの接続部分のカバーを交換するなど対策すればある程度、雨の日の障害はなくなったかもですが、やはり22年前のアンテナは老朽化も進んでいて、交換するのが最善でしょう。 BSアンテナの設置自体は難しくはありません。ただ台風などの強風にも耐えられるように、ベランダの手すりなどにしっかりと取り付けることが重要なだけです。 同軸ケーブルは、見たところ接続部分のカバー以外に劣化は見られなかったので、とりあえずカバーだけ交換し、そのまま使うことにしました。そのうち機会があればせっかく同梱されていた新品のケーブルに交換したいところです。 ちょっと素人にやっかいなのは、アンテナの受信感度が決まる角度調整です。しかもひとりで取り付ける場合は、ちょっとたいへんです。 プロなら、感度を測れる携帯型のレベルチェッカーは必須でしょうけど、素人は当然そういう便利なものはなく、適当に近所のアンテナを参考に角度(横と縦)を決めて、テレビ受信機まで走り、受信レベルをチェックを繰り返すという体力とアナログで調整します。 ただ20年前にBSアンテナを取り付けた時と違うのは、今はスマホがあります。 スマホアプリにBS衛星の方角を教えてくれるものがあり、さっそくその中の日本アンテナ(株)が提供している「BSコンパス」を入れてみました。アンテナはDXアンテナ(株)のを買いましたが許してください。 またアンテナ本体にも、地域別のおおよその上下角が刻まれていて、それも参考になります。ただし取り付けるポールがまっすぐ垂直での角度ですので、少し斜めっているとその調整は必要です。 取り付け後、スマホアプリに地域を入れると、方角と仰角を図と線で示してくれるので、それを参考に設置します。地域を入れるのは、日本列島は縦に長いので、地域によって角度や仰角など変わってきます。 同時にテレビ受信機のBSアンテナレベルが以前のアンテナ以上の数値になることを確認し、角度の微調整をして完了です。 古いアンテナの受信レベルは、シャープアクオスで測ると古いアンテナでは64だったのが、新しいアンテナでは81まで上がりました(レベルの基準数値はテレビメーカーによって違うようです)。お椀が大きくなったのも伊達じゃないです。 BS放送が大雨や雪の時に映りにくいと言うことはよく知られています。それは一般的に雨粒や雪で電波が乱反射してしまい、減衰することに関係があります。 今回はそれもあったでしょうけど、元々古いアンテナで十分な電波が受信出来ていなかったことと、上記で書いたように同軸ケーブルとの接続部分に隙間があって、雨粒が侵入したことにも関係がありそうです。 屋根の上の設置だと、点検は難しいでしょうけど、ベランダなど安全な場所の設置であれば、時々はお皿(正確には反射鏡またはディッシュ)の掃除と、コンバータと同軸ケーブルの接続部分のチェックはしたほうが良さそうです。 【関連リンク】 1355 やっとのことでJ:COMを退会した その1 670 我が家のテレビ視聴環境改善 準備編その1 507 洗面化粧台をDIYで交換 その1準備編 ---------------------------------------------------------- ナンバ歩きとは 2020/10/10(土) 1474 NHK BSのプレミアムドラマ「山女日記 女たちは頂を目指して」は湊かなえ氏の小説を原作とし、2017年に放送されましたが、今年2020年には再放送されました。 小説は昨年に読んでいましたが、ドラマを見ると小説の内容とはだいぶんと違います。 2019年6月前半の読書(山女日記 湊かなえ著) それでも全編ロケ?のお金のかかっていそうな良いドラマでした。今はこうしたお金のかかった贅沢なテレビドラマが制作出来るのはNHKぐらいで、他の民放では無理でしょう。 そのドラマでは、新米山岳ガイド役の主人公に工藤夕貴が演じているのですが、その歩き方にちょっと興味をひかれ、いろいろと調べてみました。 山岳ガイドやベテランの登山者は、急な斜面や足場が悪いところ以外では、腕をお腹の前で組んで歩いています。 背にテントなど大きな荷物を背負っているので、できるだけ前後左右バランスを崩さないように歩くときは身体をひねらず、しかも両手を空けておくためにストックも使わず、淡々と歩く姿が印象的です。 この山岳ガイドがマスターしている歩き方は、いわゆる「ナンバ歩き」に近いものがあります。 「ナンバ歩き」とは、歌舞伎の歩き方というか、古武道や、忍者の歩き方などにもよく使われ、江戸時代までは、多くの日本人がこの歩き方をマスターしていたとも言われています(諸説あり)。 現代の普通の歩き方は、例えば右足を前に出した時に左足で地面を蹴ることで前に進み、右足と逆の左腕が前に出てそれが振り子のようになります。いわゆる「ウォーキングの正しい歩き方」です。 「ナンバ歩き」では、様々な紹介がありますが、ザックリ言えば右足が前に出ると右腕(右肩)も同時に前に出て、逆足で蹴って進むのではなく、体重移動で前に倒れるような感じで前に進む歩き方です。 歌舞伎での歩き方、古武道での足の進め方などにその歩き方が今も残っています。そうそう、「忠臣蔵」など時代劇によく出てくる老中など権力者が履いている裾が足よりもずっと長い「長袴」を履いていてそれを引きずって歩くときをイメージすればよくわかりそうです。 ◇古武術研究家甲野善紀氏のYoutube動画 ◇参考にした論文 論文「日本人の歩き方」PDF(椙山女学園大学 人間関係学部教授 山根一郎) 電車も自動車もない江戸時代に旅をするのはすべて徒歩です。しかも険しい山道も含め1日平均で30〜40kmを10日間以上毎日歩くのは普通で、女性や体力がない男性でも、こうした全身の負担が少ない「ナンバ歩き」だからこそできたという説もあります。 西洋人のように、筋力や体力に優れていれば、片足ずつ後ろに蹴って歩くのはそう大変でもなかったでしょうけど、江戸時代の日本人平均身長は男性で155cm〜156cm、女性で143〜145cmと、かなり小柄で、栄養事情もよくなかったので、体力をできるだけ消耗しない「ナンバ歩き」が発達したとも言われています。 なぜ「ナンバ歩き」が省エネかと言うと、上記にも書いたように、後ろ足で蹴って前に進むのではなく、体重移動で、前に倒れる力で進むことで、足の筋肉をあまり使わなくて済むということと、歩く度に身体をひねらない(普通の歩き方では右足が前に出ると左腕が前にきてお腹をひねる)ので、内臓に優しい歩き方と言われています。 上記の山岳ガイドが、体力を温存し、重い荷物を背負っていてもバランスを崩さないよう、身体のブレや動きは最小にして歩く方法として「ナンバ歩き」をするのは理にかなったことです。 腕を前で組んでいるのは、経験上、ナンバ歩きの場合、腕を振るよりも動かないよう固定しておく方が歩きやすいからです。 初めて日本地図を作った伊能忠敬は、55歳から、日本全国約3.5万キロ(約5千万歩)を歩いて測量したと言われていますが、1日平均で1万3千歩、山道や未開の道なき道、海岸の砂浜などを歩いたそうです。 今の舗装された道の1万3千歩ではありません。おそらくですが、それが可能なのはナンバ歩きだったのではないでしょうか。 明治時代になり、西洋式軍隊が導入され、現代の(洋式の)歩き方に統一されたという研究者もいますが(諸説あり)、確かに小学校の体育の授業で最初に教わるのは、整列しての行進で、その時の歩き方は西洋風の歩行を教えられます。 時々要領の悪い子がクラスの中にはいて、必ず足と手が逆(つまりナンバ歩き)になり、クラスでは笑いものになりますが、もし江戸時代にナンバ歩きが主流であったのならば、その子は正しい日本人のDNAを引き継いでいる貴重な存在なのかも知れません。 「ナンバ歩き」は別名で常足(なみあし)と呼ばれる時があります。これは乗馬の際、馬の歩き方のひとつ「常足(なみあし)」からきているようです。 この「常足」を利用して武道や球技、陸上競技などに生かそうという運動もあるそうで、同好会もチラホラできています。 私も個人的に少し興味がわき、毎日のウォーキングの時、人の目がなさそうなところで、時々意識して「ナンバ歩き」を実践しています。人に見られると、ちょっと違和感があり「変な歩き方をしている不審者?」と思われそうです。 「ナンバ歩き」は慣れると確かに身体のブレやひねりが少なく、足の負担もなく、淡々と歩くのは楽です。上記にも書きましたが、腕は振らずに、前で押さえておくのがコツと言えばコツです。 ただ毎日のウォーキングは、身体を動かし、足の筋肉を鍛え、全身をほぐすためなので、負担が少ない「ナンバ歩き」ばかりをしていると、本末転倒で、「ナンバ歩き」をメインにしようとは思いませんが、今後、広いゴルフ場のコースなどで、パッと切り替えられるようにしておくのも悪くないかなと思っています。 【関連リンク】 1132 歩数計とともに 1107 意外と楽しめる歩数計 696 五輪競技除外候補とスポーツ競技人口 ---------------------------------------------------------- 10月前半の読書と感想、書評 2020/10/14(水) 1475 日本を創った12人 (PHP新書)(前編)(後編) 堺屋太一 前編は1996年、後編が1997年に出版された新書で、お手軽に日本社会に大きな影響を及ぼした偉人達(ひとりは創作小説の主人公もいますが)の伝記と思っても良いかと思います。小学校で習う人もいれば、初めて知る人もいます。 もと旧通産省の官僚出身の著者ですので、日本の伝統的な天皇、政治、思想、文化、宗教、教育、食などには見向きもせず、社会構造(体制)と官僚制度、そして経済に特化した選出という感じです。 話題に上がる12名とは、 (1)聖徳太子・・・「神・仏・儒習合思想」の発案 (2)光源氏・・・「上品な政治家」の原型 (3)源頼朝・・・「二重権限構造」の発明 (4)織田信長・・・「否定された日本史」の英雄 (5)石田三成・・・「日本型プロジェクト」の創造 (6)徳川家康・・・「成長志向気質」の変革 (7)石田梅岩・・・「勤勉と倹約」の庶民哲学 (8)大久保利通・・・「官僚制度」の創建 (9)渋沢栄一・・・「日本的資本主義」の創始 (10)マッカーサー・・・日本を「理想のアメリカ」にする試行 (11)池田勇人・・・経済大国の実現 (12)松下幸之助・・・日本式経営と哲学の創出 です。なかなかシブい人選とテーマでしょ? 伝記自体に特に目新しい発見こそありませんが、この偉人と現代の社会システムと、こういうやりかた(考え方)でつなげますか?という、著者の発想というか考え方がよくわかる本です。少々無理矢理って感じの部分もありますが、なるほどねぇという箇所も多く勉強になりました。 著者は、昨年2019年2月に亡くなられましたが、根っからの関西人らしく、面白く商売気たっぷりの話し方は好きでした。一度目の万博を成功に導いた方ですので、二度目の大阪万博の開催までは元気で活躍してもらいたかったです。 ★★☆ ◇著者別読書感想(堺屋太一) キャロリング (幻冬舎文庫) 有川浩 2014年単行本、2017年に文庫化された長編小説です。変わっているのは舞台の原作を前提として書かれた小説で、その舞台上演と、あと2014年にはNHK BSのプレミアムよるドラマ『キャロリング〜クリスマスの奇跡〜』として放送もされました。 著者の代表作「阪急電車」や「図書館戦争シリーズ」「三匹のオッサンシリーズ」などいくつか読んできましたが、それらとは違うイメージです。 主人公は、子供の頃に親から虐待を受けてトラウマになっている独身のサラリーマン。高校時代からアルバイトで働いていた零細の子供服メーカーに勤務していますが、資金繰りが厳しくなり、廃業することになります。 タイトルの「キャロリング」とは、仏教徒や無宗教者が多い日本人には馴染みがありませんが、クリスマスイブに歌う聖歌(キャロル)のことを指すそうです。 この小説でも、会社が廃業するのがクリスマスの日で、会社が運営していた保育所に最後まで通っていた児童の通所最終日もクリスマスというのがひとつのキーとなります。 しかし、個人的には、大人顔負けの知識や判断力、理解力を持つ、天才的?な小学生が登場するのは、ドラマや映画でも時々出てきますが、ペンタゴンやFBI、社会保障システムへ簡単に侵入でき、都合良く書き換えられる天才ハッカーが主人公に協力するというような話しと同様、あまりにも都合が良すぎてリアリティがなく好きではありません。 ★☆☆ ◇著者別読書感想(有川浩) トワイライト・シャッフル (新潮文庫) 乙川優三郎 2014年に単行本、2016年に文庫化された短編小説集です。著者の作品では2017年に「脊梁山脈」を読んでいます。とてもよくできた面白い長編小説でした。 2017年4月前半の読書と感想、書評(脊梁山脈) この著者さんは文学的な表現というかそのような文章がお好きな方で、ちょっと携帯小説などに慣れている人だと、まどろっこしいとか、回りくどいとか、表現がわからないとか、ひどい場合にはなに言っているかわからないんですけど〜ってなるかもしれません。 旧漢字などを普通に使った三島由紀夫の小説などに慣れていればなんの問題もなくすらすら読めます。こちらには旧漢字や旧仮名遣いなどもありませんし。 この著書は短編と言うこともあり、読みにくくはありませんが、私にとってそうした文学的な表現は目に心地よい表現で、好きにならずにいられません。ってまだ2作品目ですけど。 「イン・ザ・ムーンライト」、「サヤンテラス」、「ウォーカーズ」、「オ・グランジ・アモール」、「フォトグラフ」、「ミラー」、「トワイライト・シャッフル」、「ムーンライター」、「サンダルズ・アンド・ビーズ」、「ビア・ジン・コーク」、「366日目」、「私のために生まれた街」、「月を取ってきてなんて言わない」の13話からなるこの作品ではそれぞれに主人公は違いますが、場所はすべて千葉県の房総半島が舞台で、まるで千葉県の観光PR小説か?と思ってしまいました。著者の故郷でもあるのでしょう。 千葉県にも大阪の織田作之助賞みたく、地域をテーマにした小説の文学賞があれば、間違いなく有力候補になっていたでしょう。 房総の鴨川にある近代的な総合病院が出てきたときには、浅田次郎の「天国までの100マイル」がふと頭をよぎりましたし、房総の岬に立つカフェなどが出てきたときは、森沢明夫の「虹の岬の喫茶店」(映画ではタイトルは「ふしぎな岬の物語」)を思い浮かべました。 房総の海岸線って言うのは、絵にも映像にも文学にも向いているのですね。空いている夜中に海岸沿いをグルッと走ってみたくなりました。 ★★☆ ◇著者別読書感想(乙川優三郎) カフーを待ちわびて (宝島社文庫) 原田マハ 著者の実質的なデビュー作で、2006年に単行本、2008年に文庫化されています。2009年には玉山鉄二やマイコが出演した映画も作られています。 著者の作品では、今回の作品よりずっと後に書かれた「奇跡の人 The Miracle Worker」や「楽園のカンヴァス」など3作品を読んでいますが、それらが硬派?な小説に対し、こちらはメロメロなラブロマンス小説というのに最初は違和感がありました。 2020年7月後半の読書(奇跡の人 The Miracle Worker) 2018年1月前半の読書(楽園のカンヴァス) 2017年6月前半の読書(本日は、お日柄もよく) タイトルの「カフー」は読む前までは、著者の専門分野の美術に関係ある人の名前?とか勝手に思っていましたが、全然違いました。沖縄の方言で「カフー」は、「果報」とか「幸せ」とかいう意味なんですね。 舞台は沖縄県にある架空の小島、与那喜島で、そこにずっと住み、亡き祖母の後を継いで実家兼雑貨屋を営んでいる地元独身男性が主人公です。 その主人公の元に、「お嫁さんにしてください」と手紙が来ます。イタズラかなにかかと思っていたら、若い綺麗な女性が訪ねてきて一波乱が起きるというストーリー。 主人公の父親は昔に事故で亡くなり、母親は祖母との折り合いが悪く失踪、その祖母も亡くなり、ひとりお墓を守って淡々とした日々を送っていますが、リゾート開発の地上げ問題が関わってきます。 果たして、手紙を送ってきた女性は主人公とどのように関わってくるのか?ってことですが、やはり女性作家さんらしく、なにかと女性側に都合良く(女性読者を意識して?)できていて、夢見る乙女達を虜にしたことでしょう。 例えば、離婚して出戻ってきても、また不倫から堕胎したことがある身の上でも、仕事がバリバリできるわけでも家事ができるわけでもなくても、こうした若い女性がのどかな島の初婚の素直な男性のところへいけばドキドキしてもらえ、チヤホヤされて、上を下への大歓迎されるというような。 なにかこのなにも知らない男性主人公が、「いい人」全開で、なにかバカにされているようで気の毒に思いました。 それはともかく、こうしたラブストーリーは、ハーレクインを見るまでもなくやはり女性が好むもので、王子様に、汚れた服を着た貧しい女中見習いが見初められるような、そういうストーリーが好きなのでしょう。 ★★☆ ◇著者別読書感想(原田マハ) 【関連リンク】 9月後半の読書 しあわせの理由、向田理髪店、邂逅の森、血の収穫 9月前半の読書 空白を満たしなさい、ブラック オア ホワイト、人生を<半分>降りる 8月後半の読書 螺旋の手術室、中高年シングルが日本を動かす、スケアクロウ、さよならの手口 ---------------------------------------------------------- 蔵書の著者別冊数上位45位まで 2020/10/17(土) 1476 コロナ外出自粛中には、自宅の書斎(自分の部屋)の中に乱雑に積まれている既読の本(文庫本、単行本、新書、雑誌、美術誌など)を、新たな書棚を5つも買って、ボチボチ整理をしていました。 時間もあることだし、どこになにがあるかわかるように並べようと思い、ブックオフ式に、(1)日本人作家小説文庫本群、(2)外国人小説文庫本群、(3)ビジネス系やエッセイ集の文庫本群、(4)新書群、(5)単行本群の大きく5つに分類し、さらに日本人作家小説文庫本は数が多いので著者名五十音順に並べることにしました。それ以外は出版社ごとに並べます。 人のよく読む本を知ると、その人となりが、なんとなくわかりそうです。 しかし、蔵書している本でも、40年も前に好んで読んでいた本(作家)と、最近よく読む本(作家)ではかなり違ってきますから一概には言えないなぁって自分の蔵書を見ていて思います。 例えば、学生(中・高・大学)の頃には、幅広くなんでも読んで視野を広げようと思い、国語の教科書や試験問題に出てくるような文学作品を片っ端に読んでいました。 例えば、トルストイや、ドストエフスキー、カフカ、チョーサー、ミルトン、シェークスピア、トマス・モア、プラトン、ヘルマン・ヘッセ、川端康成、夏目漱石、谷崎潤一郎、芥川龍之介、森鴎外、三島由紀夫、島崎藤村などなど。 そうした本は、代表作だけをつまんで読むので、冊数が偏ることがなく、好きで全巻読んだ三島由紀夫以外の特定作家の作品で10冊を超えることはありませんでした。 次に社会人になってからは、20代から30代の頃、城山三郎、高杉良、清水一行、渡辺一雄、深田祐介などのビジネス系小説が面白く好んで買っていました。 また同時に推理小説やホラー、歴史ものにも食指が動き出し、仕事からの現実逃避?で松本清張、森村誠一、阿刀田高、鈴木光司、吉川英治、司馬遼太郎、レイモンド・チャンドラー、イアン・フレミング、ディーン・R・クーンツなど読みあさりました。 その後、レイモンド・チャンドラーのおかげで、ハードボイルド、私立探偵、警察ものの小説に興味が湧き、ロバート・B・パーカーやマイクル・クライトン、ローレンス・ブロック、原りょう、大沢在昌など、クールな私立探偵を主人公とした小説にはまっていきました。 40代になってからは、現代の大衆小説やミステリー小説の易き?に流れ、浅田次郎、宮本輝、山崎豊子、村上春樹、宮部みゆき、東野圭吾など有名処を片っ端に読みました。肩が凝らないこうした小説は、気分転換にもってこいです。同時にビジネス系新書も多く読みましたが、著者が偏るということはありません。 そして今は、ビジネス系の小説も新書も読むモチベーションがないので、大衆小説の合間に、今まで取りこぼしてきた古い名作や、興味が湧いたちょっと古い小説や雑学的な新書を読んでいるところです。 さて、2020年10月1日時点での蔵書で冊数の多い著者順を並べてみます。ずっと以前から蔵書データを作っているので調べるのは簡単です。 ただしこれはひとつの小説で上・中・下の三巻ある場合、それは3冊とカウントしているので、吉川英治著「宮本武蔵」「三国志」だけでそれぞれ8巻ずつ計16巻(16冊)となります。 まずは、31位から45位まで
45位イアン・フレミング、40位松本清張、34位荒俣宏、レイモンド・チャンドラーの小説は主に1980年代から1990年代に読み、45位ダン・ブラウン、34位柳広司、33位福井晴敏の小説は2010年代に読んでいます。 その中でもイアン・フレミングとチャンドラーは手に入る本はほぼ全部読んだつもりです。 次に13位から27位まで
フォーサイスの小説は1970年代に最初に読み、その後新刊をずっと買い続け、すべてを読みました。ただ最初の頃に読んだ、「ジャッカルの日」と「オデッサファイル」は蔵書にはありません。 20〜30代の頃(1980年代〜199年代)によく読んだ城山一郎と清水一行のビジネス系小説が目立ちます。 女性作家さんで一番多いのが20位の恩田陸。最近は三浦しをんや湊かなえなどが増えていってますが、まだまだ恩田作品で読んでないものも多く、順位に変動はないかな。 6位から10位まで
クランシー、クーンツ、ブロックの翻訳本が10位33冊で並びました。クランシーとクーンツは1990年代、ブロックは2000年代に集中して読みました。 アーチャーも「ケインとアベル」で、大学生時代に現代翻訳小説の面白さを教えてもらったこともあり、(文庫が)出版されるとすぐに手に入れてきました。最近はちょっとマンネリ気味ですけど。 三島由紀夫は中・高校生時代から大学生ぐらいのあいだに、概ね全巻読みました。谷崎潤一郎の作品と共に、耽美的な小説にあこがれ好きだった時代です。 いよいよ上位トップ5です。
4位パーカー、5位コナリーは、2000年以降のお気に入り作家で、いずれも文庫で手に入るものはほとんど買っています。 パーカーはすでに故人でこれ以上冊数が増えることはありませんが(まだスペンサーシリーズ以外で未読の本はありますが)、コナリーはこれからまだまだ増えそうです。 3位五木寛之は、10代の頃から読んだ「さらばモスクワ愚連隊」や「青春の門」に始まり、最近では「親鸞」まで、長く読んできました。多作な作家さんですから、これでも既刊の半分ぐらいでしょうか。しかし若い頃の作品と違って最近は老成したエッセイが多く、今後も積極的に読むかと言えばNoかな。 2位の高杉良は、20代、30代の頃に、書店で片っ端に買って読んでいました。今で言えば半沢直樹の原作者の池井戸潤以上の人気ビジネス小説でした。でも既にビジネス界から足を洗ったこともあり、もう新たに読むことはないかな。 1位は浅田次郎。これは納得です。文庫になった小説は概ね読んでいます。エッセイはあまり読んでいないですけど。ただ最近は創作活動より他の仕事に忙しいのか、「蒼穹の昴」や「中原の虹」のような大作がなく、残念です。 しかし1位の浅田次郎と今後まだ増えそうな5位コナリーの差は現在で23冊あり、浅田次郎の小説は現在も増え続けていますから、冊数を抜くのは至難で、この順位が概ね私の読書の履歴書となりそうです。 余談ですが、並べていると、ダブって購入していた本が次々見つかり、その数25冊ほど。過去にもダブった本は知人に差し上げたり捨てたりしていましたが、まだこんなに残っていて驚きました。 【関連リンク】 1219 2800冊の蔵書について(1) 1472 ハリー・ボッシュシリーズはまだ未完 808 ロバート・B・パーカー「スペンサーシリーズ」全巻まとめ ---------------------------------------------------------- リス天ブログへ来る検索ワード 2020/10/21(水) 1477 この「リストラ天国」日記(ブログ)は、最新ニュースや話題になっている話しを中心にするのではなく、地味ながら時間が経っても読まれるストック型の内容の話しを書くように努めています。 したがって、検索結果からクリックされる率は低く、SEO(検索エンジン最適化)には不利で、全体的なPV(ページビュー数)は低く、知る人ぞ知る程度のものとなっています。 検索エンジン(GoogleやYahoo!など)からこのサイトに来てくれる人は、その他から来てくれる人の半分程度ですが、ストック系記事の強さは、古いブログが今でもよく読まれることにあります。 今回、過去1年間にこの「リストラ天国ブログ」へ来たきっかけとなる検索ワードをGoogle Search Consoleを使って調べてみました。 検索には通常のWeb検索と、画像検索があり、それぞれ検索ワード上位と、タイトル(URL)、掲載日を書いておきます。ストック型コンテンツとして、予想通り古いブログが読まれていることがわかると思います。 並び順は検索&クリックが多い順番で、似た検索ワードで同じ記事へ飛ぶ場合は、ひとつにまとめています。なお、検索順位等は日替わりで変わってきますので、数ヶ月後にはガラリと変わることもあります。
上半分のweb検索の順位を見ると、9年も前に書いた2011年のブログ「マイカーで東京から京都まで旅行する場合 その1」がダントツで多く検索&クリックされています。 検索ワードの代表的なものとしては「東京から京都 車」です。 このブログを書いた9年前から新たな新東名や新名神高速の区間延長があり、渋滞箇所や距離などが変わっていて参考程度にしかなりませんが、少しは旅行者のお役にたっていたなら嬉しいことです。 2位の「ロバート・B・パーカー「スペンサーシリーズ」全巻まとめ」は6年前2014年に書いたブログです。 ブログではなく、本サイトに表紙画像とあらすじを全巻掲載している「スペンサー(Spenser)シリーズ ロバート・B・パーカー著 一覧」も上記のブログからリンクしていることもあり、同様によく読まれている記事となっています。 3位の「洗面化粧台をDIYで交換 その1準備編」は、やはり1位と同じく2011年に掲載したブログで、DIYの経験談をまとめたものです。 外出自粛のコロナ禍の中、自宅でできることは?ってことで、こうしたDIY関連の記事がよく読まれたのかも知れません。 検索ワードは「洗面台 廃棄費用」と、DIYの方法というより、不要になった洗面台の廃棄について悩んでいる人が多い感じです。記事にはもちろん廃棄方法も書いてあります。 こうした何年も前の記事がよくヒットして読まれるところが、長い期間読んでもらえるストック系記事の多い特徴でもあります。 6位、7位の「やっとのことでJ:COMを退会したその1/その2」は、昨年(2019年)ケーブルテレビのジェイコム(J:COM)を契約解除して、自前のテレビアンテナとソニーグループのNURO光へネット接続のプロバイダーを変更した一部始終を詳しく書いたものです。 ◇ ◇ ◇ 次に画像検索は、通常のweb検索とはひと味違った面白い検索&クリックの結果となりました。 ブログでは、できるだけ画像を入れてわかりやすく、読みやすくしようと心掛けていますが、それが少しは実っているのでしょう。 画像検索の1位は2012年に書いた「手のひらにできた異物」で、まったくの想定外のことです。 同じ健康関連の記事ならば、もっと量的にも質的にも書いている「人工股関節」関連が上位に来ると思っていましたが、それを大きく上回りました。変形性股関節症や人工股関節と比べるとレアな病気なのでしょうかね。 3位の「9月後半の読書と感想、書評」は、「赤ひげ」を読んだときに、サントリー胡麻麦茶のテレビCMで使われている増田雄一のシーンの画像を入れただけなのですが、それが画像検索の上位に出てきて驚きです。 その他では、労働人口推移やゴルフ場推移、米の生産量推移、新聞発行部数推移などの各種統計データやグラフが画像検索ではよくクリックされています。 こうした推移のデータやグラフは、大きさが自由にできる画像にすることが多いのですが、それがweb検索では引っかかりにくいものの、画像検索ではよく表示されることになっています。 今までいろいろとやってみたことが、狙ったとおりの場合もあれば、意外な結果なこともあり、今後も記事のストックを増やして、役立つブログを目指したいと思っています。 【関連リンク】 841 流入検索ワード調べ 622 iGoogleがサービス終了とのことで困った 561 WEBブラウザの変遷と栄枯盛衰 ---------------------------------------------------------- 人工股関節手術の定期検査 2020/10/24(土) 1478 右人工股関節4年目、左人工股関節3年目の定期検査へ行ってきました。もう1年毎の定期検査はこれで3回目ですので、すっかり慣れました。 先にレントゲン撮影をし、その後レントゲンをみながら担当医との面談です。 今回、今までとちょっと違うのは、新型コロナウイルスの流行と、この病院の職員からも感染者が出ていたことです。 しかし幸い大きなクラスター発生とはならず、その後も医療業務は通常通りおこなわれていました。 それでも病院の玄関では両手を消毒すること(係員が全員に指示)と、マスクが必須、レントゲン撮影の前に体温測定がありました。 待合場所は、密とは言えないまでも相変わらず結構人が多く、もしひとりでもスーパースプレッダー(大量にウイルスを発生させる特異な人)がいると、閉鎖された建物の中で、長時間ずっと同じ場所で、しかも病院という高齢者や身体の弱った人が多い中では心配なところです。 レントゲン撮影は、前に2人待ちで、待機は10分程度で済みましたが、医師の診断はいつもですが結構長時間待たされます。今回は40分ほどでした。 診断はレントゲンを見ながら異常はないかなどの問診と、関節の可動域チェックだけでおよそ5分で終了。 「なにか必要なものはないか?」と聞かれたので「「以前もらったロキソニンテープを左足が痛むときに貼ることがあるので、また欲しい」とリクエストすると出してもらえました。 ロキソプロフェンNa テープ100mg「久光」7枚入り×10 このロキソテープ、通常の筋肉痛などの時などにも使え(副作用のある処方薬なので注意が必要です)、しかも市販の湿布薬より効果は高く(繰り返しますが処方薬なので医者の指導を受けたうえ自己責任で)、しかも保険適用で買えるのでお得です。 使うときは、1枚が大きめなので、いつも半分に切って使っています。効きますよ〜 診察が終わると、また来年の同時期に予約を入れて、会計、ロキソを受け取って終わりです。 そうそう、待合室に「当院では、先端テクノロジーの”ロボティックアーム”を用いた人工股関節置換術をおこなっています。」というポスターが貼ってありました。 4年前の手術の時にはまだ導入されてなく2019年頃から使われているようです。システムはアメリカの医療機器会社ストライカー社製の「Mako(メイコー)」ですね。2019年に保険適用がされています。 これがあると、執刀医の知識と経験によって差がでる手術も負担がかなり軽減されるのでしょう。 1日に何件もおこなうことが多いポピュラーな手術だけに、医者にとっても患者にとっても、ちょっとした医療ミスや手術での負担が少なくなれば良いことだと思います。 【関連リンク】 1367 進化する人工股関節置換手術 1175 人工股関節手術のその後とまとめ 1033 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(1) ---------------------------------------------------------- 世界電子政府ランキングと徴兵制 2020/10/28(水) 1479 コロナ禍で一気に日本の様々なデジタル化が世界からみて遅れていることが露見することになりました。 残念なことにこの日本という国と国民は、常に旧人類に支配されていて、一部の才能と努力が突出したリーダーが率いるベンチャー企業以外、変化には常に保守的で、体制が大きく動くときは外圧や、大きな災害などによりやむを得ない差し迫った事情があるときに限られます。 今回もやはり、災害でその保守性と古い慣例が明らかになったわけですが、感染者の報告を手書きしてFAXで送っているとか、ハンコが30個も押されている書類があったとか、今まで国を挙げて先進国と言ってきたのが恥ずかしくなる惨憺たる状況にようやく政治家も国民も気がついたわけです。 ま、それはともかく、国民背番号制とも言われる、役所の業務効率化とデジタル化の第一歩であるマイナンバー制度では、とりあえず始めたけど、なかなか有効な使い方がされてなく、特別給付金の支給にあたっても、マイナンバーカードを持っている人がネットで申請するよりも、持っていない人が役所へ出掛けて手書き用紙で申請した方が速やかで確実だったなど、笑い話にもなりません。 いや、実はそれを非難しているわけではなく、ちょっと気になることがあって、調べてみました。 それは、日本でい言えばマイナンバーカードのような国民背番号制が早くから取り入れられ、それを元にした電子政府化が進んでいる国って、もしかして・・・ 2019年時点の国連加盟国で徴兵制施行国は66カ国、徴兵制非施行国は127カ国あります。割合は、徴兵制施行国が34%、非施行国は66%です。 日本は当然非施行国です。アメリカは一定の年齢で徴兵登録庁への登録が義務づけられていますが、現在は徴兵されることはありません。 そこで世界電子政府ランキングで上位にある国々と、徴兵制になんらかの関連性があるのでは?と調べてみることにしました。意外にも日本は第14位と、フランスやドイツより上にあるというのは驚きました。 世界電子政府ランキング(E-Government Survey 2020)と、徴兵制の有無(管理人調べ)
電子政府上位20カ国のうち、11カ国(55%)で現在徴兵制が敷かれています。徴兵はされていないけど、徴兵庁への登録が義務化されいつでもすぐできる状態にあるアメリカも含めると12カ国(60%)になります。 国連加盟国で徴兵制がある国の割合はおよそ34%ですので、この電子政府上位国の徴兵制施行率55%〜60%は明らかに「電子政府が進んでいる国は徴兵制を敷いている割合が高い」と言えます。 特に上位1位から4位までの国はいずれも徴兵制を施行しています。 逆に考えると「徴兵制を確実に機能させるために、国民背番号制を導入し、電子政府の整備が早く進んだ」とも言えるわけです。 疑い深い? そりゃ、歴史をみれば、徴兵は独裁国や軍事国家にとっては欠かせないもので、それを容易にしたいというのは好戦的な政治家の常ですから、「電子政府」という耳に心地よい言葉を広めながら、実はその延長線に「徴兵制」をと考えている政治家がいても決して不思議ではありません。 日本の戸籍制度は、元は徴税と徴兵のために作られたものですが、国にとっては、国民全員もれなく網をかけて、よりこの二つの最重要事項を容易にしたいわけです。 日本のように、郵便で一方的に送りつけた個人番号通知こそ全国民が対象ですが、その先のICチップが埋め込まれたマイナンバーカードの普及率がわずか17%(2020年)というのは、効率化を図るための一元的なデジタル化社会にとっては困ったことですが、同時に徴兵制や厳密な徴税に対してはあまり有効ではなく、それが今のところ自由で開かれた平和な国ということなのかも知れません。 その完全導入について国民の同意が得られずまた慎重なことは、前の戦争(応仁の乱ではなく第二次世界大戦)で、様々な強引な国の制度により国民が痛い目に遭ったことが、まだ癒えていないとも言えます。 但し、今後マイナンバーカードが運転免許証とマージされる(2026年予定)ことや、マイナポイント(既に実施中)で釣って普及が進められることで、大部分の国民がマイナンバーカードが身近になった暁に、ある時、突然「これでいつでも徴兵制が導入できる」という手段を愛国というキーワードで扇動する好戦的な政治家に与えたくはないな〜という思いはあります。 【関連リンク】 665 目には見えないが確実に残る身分制度について 482 身分証明書もとい本人確認書類とは? 425 棄民政策は日本の伝統か ---------------------------------------------------------- 10月後半の読書と感想、書評 2020/10/31(土) 1480 マリー・アントワネット (角川文庫)(上)(下) シュテファン・ツヴァイク 著者は19世紀末から20世紀前半に活躍したオーストリア出身の作家で、伝記文学が多い作家さんで有名な方です。 この著書は1932年に英語版が出版されました。1932年というと日本では昭和7年で、5.15事件が起き犬養毅首相が暗殺された年です。 マリー・アントワネットは1793年に死刑が執行されたので、それから139年後の出来事を調べ尽くして書かれたものです。100年以上前のことを調べるってさぞかし大変なことでしょうね。 日本語翻訳版は、1980年に岩波文庫で出版されましたが、その後いくつかの出版社で刊行されています。今回買ったのは2007年版の角川文庫版です。 この伝記を元にして作られたのが、かの有名な池田理代子作の漫画「ベルサイユのばら」で、主人公のふたり(オスカルとアンドレ)は架空の存在ですが、背景はまさにこのマリー・アントワネットの時代です。 この「マリー・アントワネット」という名前を知らない人はいないと思いますが、その伝記を読んでみようと思ったきっかけはAimer(エメ)が歌う「marie」という曲を聴いてからです。 この歌は、昨年2019年から今年1月まで国立西洋美術館でおこなわれた「日本・オーストリア友好150周年 ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」のイメージソングで、マリー・アントワネットを情緒豊かに歌い上げた寂しく悲しい歌です。 一般的に知られているマリー・アントワネットは「ルイ16世の王妃」「アントワネットの代名詞でもあるヴェルサイユ宮殿は世界一豪華絢爛」「贅沢三昧を謳歌しフランス王室をつぶした」「フランス自由革命でギロチン処刑された」ぐらいです。 上記の歌の歌詞にも少し出てきますが、ちょっと調べると「14歳の時、オーストリアのハプスブルク家から政略結婚でフランス王室へ送り込まれた」「フランス語がわからないままいきなり王妃になり、様々な嫌がらせを受け苦労する」などなど。 しかしこの伝記を読むとそれほど単純なものではなく、母親も手を焼く自己中心的で自由奔放なオーストリア娘が、政略結婚で元々敵対していた隣国(フランス)の皇太子妃として送り込まれ、その後王妃となってからも、遊ぶことにしか興味がない自堕落な生活を送り、そうしたことが徐々に政治と国民の不満のはけ口へと深みにはまっていく姿が、自業自得というよりかは哀れに思えてきます。 単に興味本位ではなく、研究者として残された証拠(手紙など)を元にして、著者の推測もくわえつつ、文章は文学的な表現が散りばめられまさに文学です。たいへん長い作品で、しかも揶揄が多くて読みにくいところもありますが、ジックリと読む価値は十分ありました。 ★★★ カイシャデイズ (文春文庫) 山本幸久 2008年に単行本、2011年に文庫化された連作短編の小説です。 実は情けないことに、8年前2012年に一度読んでいましたが、全然気がつかず(笑)最後まで読みきりました。 読後にデータに登録しようとしたところ、すでに記録があることに気がつきました。 調べると感想もその時に書いています。 2012年7月後半の読書(カイシャデイズ) アハハハ、とうとう認知症が入ってきたのか、老人性記憶障害かも。困ったものです。いやマジで。 それにしても、世知辛い今の世の中で、悪者がいないし、死者も出てこない、気軽に読める面白いよくできた小説です。これなら何度読んでもいいかな。ってフォローにはなっていませんが。 ★★☆ 君が代は千代に八千代に (文春文庫) 橋源一郎 2002年に初出で、2005年に文庫化された短編小説集です。著者の小説を読むのは初めてで、こういう小説を書く人だとはちょっと意外というか想定外でした。 Mama told me/Papa I love you/Mother Father Brother Sister/殺しのライセンス/素数/SF/ヨウコ/チェンジ/チェンジ2/人生/君が代は千代に八千代に/愛と結婚の幻想/鬼畜の13編の短編で、それぞれのタイトル見てもわかるように、もうなにがなにやら〜です。 皮肉っぽくまたコミカル路線ではあるものの、近親相姦や、小児性愛者、麻薬中毒、タング・スプリッターなどボディモディフィケーションやらもうなんでもありのカオス全開の世界観で、読んでいて気持ち悪くなる人もいるんじゃないかと勝手に想像しました。 文芸雑誌文學界で連載された短編と言うことですが、文藝春秋もまた思い切ったことをって気もします。 個別の感想は、ちょっと混乱しているというか、よく理解出来ない、面倒くさいというのが真相で、書けないことをお詫びします。 よく「文庫版あとがき」で著者が書くことはありますが、巻末の解説を著者自らが書くというのも面白く、素数や、タング・スプリッターについて書かれた経緯などがわかりそういうのもありだと思いました。 ちなみにこの小説の後に出版されたと解説で書いている「素数」を扱ったベストセラーというのは小川洋子著「博士の愛した数式」(2003年刊)かな? また同様に「タング・スプリッター(スプリット・タン)」は言うまでもなく芥川賞を受賞した金原ひとみ著「蛇にピアス」(2004年刊)でしょう。 ★☆☆ 【関連リンク】 10月前半の読書 日本を創った12人、キャロリング、トワイライト・シャッフル、カフーを待ちわびて 9月後半の読書 しあわせの理由、向田理髪店、邂逅の森、血の収穫 9月前半の読書 空白を満たしなさい、ブラック オア ホワイト、人生を<半分>降りる |
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