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リストラ日記アーカイブ 2011年9月
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日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです
530 貧乏な若者からお金を取る方法 2011/9/1(木)
531 8月後半の読書 2011/9/4(日)
532 8月のDVD 2011/9/8(木)
533 ユニバーサルデザインはどこへ行った 2011/9/10(土)
534 ATOKの変換モード表示がデスクトップから消えてしまう件 2011/9/14(水)
535 テレフォンカードの使い道 2011/9/17(土)
536 9月前半の読書 2011/9/19(月)
537 新聞・テレビが2011年どころか10年後でも消滅しない3つの理由 2011/9/22(木)
538 スパムメールの進化 2011/9/25(日)
539 コンサルタントという職の謎 2011/9/29(木)



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貧乏な若者からお金を取る方法 2011/9/1(木)

530
1980年代まで主流だった国民総中流社会では「価格相応にいいもの」または、「他人と差別化ができる」、さらには「お得感があるもの」を作れば、あまり手の込んだことをしなくてもモノはどんどん売れていくのが普通でした。その要因としては購買意欲の高い団塊世代が、消費者の中心にいたからと思えます。

しかし、その団塊世代も引退し、高齢者はそこそこお金持ち(世帯平均1600万円の貯蓄)だけど、それを積極的には使うことはありません。お金を使うであろう若い世代はと言えば、長引く不況でみんな貧乏で、従来のような「いいものだから売れる」「差別化できるから売れる」というビジネス感覚はもはや風前の灯火です。

では、どうするか?

 1)お金を使わない高齢者にもっとお金を使わせる仕組みや商品を作る
 2)お金がない貧乏な若者から少しずつお金を取る方法を考える


の二つです。

1)はすでに様々な試みがおこなわれていますが、もの凄い大ヒットというのはあまり聞きません。例えば満額の退職金をもらい、定年で暇になった高齢者夫婦向けに、世界一周の船旅とか、リゾート地にある永住型ケアハウスとか、趣味の高級一眼カメラとか、お孫さんに買ってやる商品などはそこそこ売れていますが、流行しているとは言えません。

高齢者は体力ばかりでなく基本的に消費意欲も衰え、さらに今後の老後のことが心配なのでお金は貯蓄に回します。それが振り込め詐欺やリフォーム詐欺などの格好の餌食となってしまっているわけです。振り込め詐欺で数千万円を騙し取られたという報道が決して珍しくありませんが、いったいこの高齢者はいくら貯金を持っているのか?と下世話に思ってしまいます。そういう意味では振り込め詐欺などは裕福な高齢者に向けて大ヒットしているビジネス(もちろん違法)と言えるのかも知れません。

あと、若者というわけではありませんが、貧困ビジネスというのは、ホームレスの人などに声をかけて、生活保護費が受給できるよう住居や申請のノウハウを提供し、それで支給された生活費のほとんどを巻き上げてしまうあくどいビジネスですが、それをもっと合法的にスマートにして若者向けにおこなうのがおそらく2)のパターンとなります。

例えば今は若者にとって携帯電話は生活していく上で絶対必要なツールです。職探し、仕事、恋愛、投資、友人とのコミュニケーション、情報検索、ニュース、話題、ブログ、SNS、カメラなど、それなしではもう生きていけないという人も多いのでしょう。

携帯電話を持つには基本料金が最低でも月に千円程度が必要です。千円ならばアルバイトで生計を立てている貧乏な若者でも支払っていけます。しかしその基本料金だけでは絶対に済まないのも携帯電話です。通話料、ネット接続料、留守録などオプションに加えてゲーム、お財布携帯、ナビ、有料アプリだと言ってその金額は膨れあがっていきます。携帯電話料金の引き落とし直前にはいつも慌てて借金したり、日雇いバイトをして、食費を削ってでも電話を止められることがないように最優先で支払っていると聞いたことがあります。

しかもそれが高額になっていくのを選ぶのは利用者なので、サラ金のように「借りすぎ注意」の警告や業界の自粛、罪悪感など微塵もありません。携帯電話会社としては、美味しそうなメニューを一見安く見えるようにして並べておいて、例え貧乏で食事を我慢して携帯料金を支払うような人にも、もっと使いたくなる、使わなければいい思いができないようPRをすればいいわけです。したがってひとつひとつのサービスを見ると月数百円という単位が多く、ついつい利用してしまうという戦略が徹底しています。これも言ってみればひとつの貧困ビジネスだと思っています。

そのようにして、若者を携帯電話中毒患者にしてしまえば、あとはもう何年、何十年と黙っていてもお金を支払い続けてくれるわけですから、これほど美味しいビジネスはありません。2年縛りの新規契約ならそれこそ例えば最初の半年間すべてを無料にしてもその後で十分利益が得られるでしょう。

このような少額だけど毎月延々と支払続けるビジネスと言うと、昔から公共料金と言われる、NHK、電力、水道、ガス、固定電話などがあります。これらは生活する上で必要なコストなので、嫌だから払わないというわけにはいかず、しかも地域独占事業なので競争がなく一般的に割高です。赤字になりそうなら値上げすればそれで潤いますから楽な商売です。

今回の福島の事故により、電力会社がいかに儲かるか、無駄遣いをしてきたか、自民党に巨額の政治献金しているかなどが明らかとなりましたが、マスコミや政治家や学者を囲い込むため何千億円というお金をばらまいてそのおいしい利権を守ろうとしてきたかがよくわかります。

それに国民が気がついてしまい、電力会社は事故以上に慌てていますが、その儲かる仕組みや請求する根拠になる詳細なデータは民間会社の壁として、一切非公表のままです。そりゃ出せばその内容の不明瞭さは明らかで非難囂々ですから出せるわけがありません。

NHKは地デジ化によってテレビを捨てる人の影響で、受信料が1割減収と試算しているようですが、ネットで視聴する人からも受信料を支払わせるため、法律を変えてその減収を穴埋めしようと懸命です。元々NHKは視聴者からの受信料と多額の税金で番組を制作しているので、言ってみれば豊富な過去のコンテンツは国民の共有財産とも言えます。それをまたぼったくりの高い料金で再配信をしたり、天下りだらけの関連会社で高額なDVDにして売って儲けるのはまったくけしからんことです。

以前某カード会社から「特典いっぱいのプラチナカードへグレードアップしませんか」の電話が頻繁にかかってきたことがありました。そこでは「初年度は今と同じ標準の年会費でいいから、とりあえず1年だけでも入ってみませんか」と言われました。しかしカード会社の契約を解約や変更するのは結構手間で、電話をして書類を送ってもらい、手書きで記入し、捺印して返送するとか考えるとついつい忘れたり面倒になり、そのまま継続してしまう、、、というのが敵方の作戦です。なので「1年後に自動的に元のカードの契約へ戻してくれるなら入ってもいいよ」と返事しましたが、なぜかそれはできないということで交渉は決裂しました。

もっとも、プラチナ会員向けの豪華絢爛なな会報誌を送ってもらったり、1泊十数万円の高級ホテルの宿泊や、数万円のディナーを優待価格で2割引きにしてもらっても、利用する機会は私の場合皆無です。それが何度も勧誘され、あまりにうるさいので、通常のカード(年会費数千円)まで解約し、今は会費永年無料のカードを使っています。やりすぎると逆効果ってことを少しは学んでもらいたいものです。

話しはちょっとずれましたが、このように、古くからある毎月少額を途切れることなく延々と支払わせる方法こそが、貧乏な若者(若者とは限らず一般的な庶民から)からお金をむしり取る、最近のトレンドなのです。

独身でも世帯主ならば、公共料金や携帯電話以外にも、毎月あるいは毎年決まって長年にわたって支払続けているものがあるでしょう。例えばCATV視聴料、ネットプロバイダー料金、レンタルサーバ、ヤフオクプレミアム会員料金、有料メルマガ、モバイルデータ通信カード、デジタルフォトフレーム利用料、電子新聞、パソコンのサポート保守料、クレジットカード年会費、セキュリティソフト更新料、レンタルビデオ店の年会費などなど。いずれも最初は月数百円〜千円程度で、相手に身構えさせない金額となってます。

販売側もこのように長期間安定した収入が得られるというのは、非常にありがたいことで、毎月新規加入と退会者の差だけをチェックしていればよく、売上は年間を通して安定したものとなります。「初年度無料」とか「3カ月無料」をうたっているものは、そうしても結局は儲かるのがわかっているからに他なりません。

さすがにもう「初年度無料」に魅力を感じて新たに高額な契約を結ぶ人はいないでしょうけど、下に小さな文字で、「○年以上の契約者に限る」とか、「1年未満で契約する場合には違約金として…」と書かれているケースが多く、これほど流行や技術の変遷が早く、企業やサービスの寿命が短い時代に2〜3年も固定されるというのは結構大きなリスクです。

毎月自動的に引き落とされるものって、徐々にお金を支払っているという感覚が薄れ、さらに解約するのは面倒なようにできているので、例え無駄だとわかっていても、ま、数百円だからいいかと、ついつい解約せずに支払い続けてくれる人を狙い打ちしていくわけです。

そういうやり方で貧乏な若者からも少しずつお金を取るように世の中はなっているのです。

     

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8月後半の読書 2011/9/4(日)

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悼む人(文春文庫) 天童 荒太

 
天童氏は1986年にデビューし、2年に1作品程度の寡作で有名な作家です。この「悼む人」はデビュー後8作目にして直木賞(2009年)を受賞した作品で、タイトルや表紙デザイン通りに不気味で重いテーマを扱っています。

主人公の男性は、子供の頃のふとしたトラウマから、死によって忘れられていく哀れさを引きずり、親友の若くしての死やボランティア活動で子供の不治の病に接し、突然勤めていた会社を辞めて、見知らぬ人の死をひとりひとり尋ね、それを悼むために全国放浪の旅を始めます。

その悼む人(主人公)と偶然に交錯した不幸な生い立ちから再婚後ある事情で夫を刺し刑務所から出てきた女性や、癌に冒され余命があとわずかという主人公の母親、人間の嫌な部分をほじくり出しては、えげつない記事を書いてきた週刊誌のルポライターなどが、この主人公の悼む姿と行動に深く共感と影響を受けていきます。

読んでいるあいだ中、ずっしりと重いテーマを頭上に乗せられた気分になり、読むスピードもあがりませんでした。しかし、こういう人間や家族というものを考えさせられる小説も時にはいいものです。


夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫) 森見登美彦

森見登美彦氏のデビュー作品「太陽の塔」を読み、なんだか著者に親近感を感じましたが、それは森見氏が関西出身で、京都で大学生活をおくるという私と共通の体験(同じ大学ではないが)をしていたことに大きな要因があるでしょう。

それはまた「鴨川ホルモー」などの著作で知られる万城目学氏とも共通します。ただ年齢は私より森見氏や万城目氏のほうがずっと若く、20年以上も離れています。私にとって森見氏の「太陽の塔」はあくまで1970年に開催された万博会場の中に立つシンボルとしての思い入れですが、氏のそれはデートで行く公園のシンボルになっていたことに、その世代の違いを感じます。

この本は「太陽の塔」とはまた大きく違い、どちらかと言えばすでに商品化されていますがコミックやアニメに近いものがあり、若い人にはたぶん面白おかしく読めるのでしょうが、すでに50代に入った私には全然面白くもなんともないなぁって感じです。

本屋大賞でノミネートされていた本なので期待をしていましたが、何度か途中で読むのをやめようかと思うぐらい、ちょっと残念な気持ちです。森見氏の本では2007年発刊の「有頂天家族」も既に購入済みなので、そちらに期待することにしましょう。いま手元には20冊ぐらいの未読の本があり、日々衝動買いや知人にもらったりすることもあるので、それがいつ読めるかはわかりませんが。

内容は京都大学とその周辺で起きるドタバタを、ユニークな京大生の女性とその女性にあこがれる大学の先輩とが巻き起こすファンタジーコメディです。


街場のメディア論 (光文社新書) 内田樹

この「待場の・・・」新書はシリーズ化されていて、このシリーズは大学での講義を元に書き起こされたものだと前書きにあります。したがって内容的には大学生向けなのですが、読んでみるといやいやレジャー気分で登校している大学生などにはもったいない、たいへん中身が濃くて興味を喚起されるものです。

同様にマスメディアを批判した佐々木俊尚氏の「2011年 新聞・テレビ消滅」とは違い、システム的なものではなく、メディアの中にこそ問題が堆積していることを学生向けにわかりやすく解説していきます。この点はジャーナリストと学者との違いを感じるところですが、私にはこの街場のメディア論のほうが納得感を強く得られました。

この内田樹氏は、著作権についても他の多くの学者や著作権者、出版社とは違った考えを持っておられ、氏の書いたものは、事前の断りや、出典の記載など必要なく、自由に引用でも盗用でも使ってくださいという考え方です。全然別の機会に、ある有名作家氏がTwitterで「私は書き下ろし小説が多いので、新刊本をすぐに図書館で買われ貸し出しされるときつい」という意味の書き込みがありましたが、それにもまったく反する考え方をこの本で述べています。

まぁ、両者の言い分はそれぞれに理解できますが、少なくともWebに上げたものは、無償、引用や個人の利用は自由というのは私も大いに賛成です。内田氏のように盗用して勝手に別人の名前で発表してもOKとは言いませんが。

地震学者であり、いち早く原発事故による放射能汚染地図を公開してきた早川氏もTwitterで「日経のWebサイトはコピーペーストができないようになっている。報道機関としてあるまじき行為で、所詮金儲けしか考えていないのだろう」と発言されていましたが、まったくその通りで、そういう体質が近いうちに崩壊する前兆なのだろうと思います。


千年樹 (集英社文庫) 荻原浩

私とほぼ同年齢の現代小説を主とする作家さんで、テーマが多岐にわたり、その内容は深く、私は刊行された小説(20数冊)の文庫になったものはほとんどは読んでいます。特に印象に残っているのは「オロロ畑でつかまえて」「誘拐ラプソディー」「神様からひと言」「僕たちの戦争」「明日の記憶」などです。

この千年樹は、大きな樹齢千年と言われる樫木を中心とし、その拡がる枝葉のように様々な年代で様々な人が死と生を積み重ねていく姿を連作形式で書かれたものです。

時代は千年前の平安時代から始まり最後は現代ですが、中間は、江戸時代や、昭和でも太平洋戦争の時代や現代などを行ったり来たりします。時代が次々に飛びますので、しっかりと記憶して読んでいないと、後でその関係性がわからなくなったり(まったく関係ないことも多い)します。この手法は荻原氏の新しい試みなのでしょうか、今までの小説のように軽くサラッと読んでいると混乱をきたします。

それにしても荻原浩氏はここ最近何度も直木賞候補に挙がりながらも、あと一歩のところで逃し、ちょっと気の毒なところがあります。しかし同じく私が贔屓にしている佐々木譲氏も昨年に60歳で直木賞を受賞されましたので、荻原氏も間違いなく数年のうちには受賞され、受賞後のインタビューで感想を聞かれたときには「待ち疲れました」と言ってもらいたいものです。


ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫) 細川 貂々
その後のツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫) 細川 貂々


 
この通称「ツレうつ」を原作とした実写映画が10月に公開されると言うことと、前からタイトルが気になっていて読んでみました。いや、読むというのは正確ではないかもしれません、基本漫画なのですが、イラストエッセイという新しいジャンルの出版物のようです。でもやっぱり私の感覚では漫画です。

この本がヒットしたため、まとめた続編なども出ていますが、ま、柳のドジョウで、営業的にはどうだったのでしょうか。

絵は特徴的で、上手いとはとても言い難いのですが、なかなか味はあります。鬱という難解な病気に対してなにか愛着すら沸いてきそうなエッセイで、それは見事に当たったと思います。

うつ病は誰でも罹る可能性のある心の風邪とも言われていますが、私の身近にも過去に患った人が複数います。この病気は一見ではわかりにくいので、病気のことを知らないと冗談と思ってかわいそうな事を言ってしまったり、逆に知ってしまったあとは、とても気を遣うことになります。

うつ病というのが一般的に社会で認知されてきたのはここ10数年ぐらいで、それまでは、急に出社しなくなり、「怠け病」とか言われていた時期が長くありました。私も直属の部下に、今思えばうつ病だと思うのですが、その頃は「急に休んでばかりでけしからん、もう面倒をみきれない」とか叱ったことがあり、その後大いに反省しました。

この本では、ドキュメンタリー風にバリバリのスーパーサラリーマンだった夫(映画では堺雅人)が、突然うつに罹ってしまい、「朝起き上がれない」「満員電車に怖くて乗れない」「悪いことばかり考える」「自殺を考える」などの症状を、売れないフリーの漫画家の妻(映画では宮崎あおい)と一緒に数年かけて、数々の難局を乗り越えていく姿が面白おかしく描かれています。

その中には「うつの本に載っている症状とは違うぞ」「やってはいけないという常識もケースバイケース」など、わかりやすく治癒までの経験談が説明がされていて、絵本のように2〜30分もあれば一冊が読めてしまいます。

ちなみに堺雅人と宮アあおいの夫婦役はNHK大河ドラマの「篤姫」以来となり、それを楽しみにしている人も多いとか。

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8月のDVD 2011/9/8(木)

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ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1  2010年英・米 

監督:デイビッド・イェーツ 出演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン

ハリポタシリーズの最終章の前編ですが、シリーズすべてをちゃんと見たわけではないので、内容がわかるかどうか心配でしたが、案の定登場人物の過去の経緯がわからず苦戦しました。

ま、楽しめればいいやということで、割り切って見ましたが、魔法の数々にもさすがに新鮮さはなく、ちっちゃくて可愛かったダニエル・ラドクリフもすっかり大人顔になり、ファンタジーというよりは冒険活劇に近くなりました。そりゃ第1作の賢者の石が公開されてから10年ですからね。

また30〜40年ほどしたらリメイク版が作られたりするのでしょうけど、子供の頃にワクワクして観た中年達がこぞって子供を連れて映画館へ(40年後にまだ映画館があるのかはわかりませんが)いく様子がなんとなく想像できます。

そんなわけでひとつのストーリーが完結するわけではなく、途中でプッツリと終わってしまうので、消化不良のままです。Part2を観に映画館へ行けばいいのでしょうけど、その気にはなれず、また半年後にDVDを借りようと思ってます。



十三人の刺客 2010年東宝他

監督:三池崇史 出演:役所広司、山田孝之、沢村一樹、伊勢谷友介、伊原剛志、稲垣吾郎、松方弘樹、市村正親

昨年の日本の映画賞はノミネートされながらも「悪人」や「告白」に負けて受賞することはなく、大作ではあるものの、いまいち盛り上がらなかった映画でした。

タイトルから想像できるように、七人の侍インスパイヤ的な内容で、徹底して悪事を尽くすひ弱っぽい稲垣吾郎扮するお大名を懲らしめるため、役所広司以下、山田孝之、伊勢谷友介、沢村一樹、高岡蒼甫、伊原剛志、松方弘樹などが立ち上がり、最後には一人を除き討ち死にしてしまうという物語です。

後半延々と続く殺陣のシーンは迫力があってまぁいいのですが、敵も味方もあまりに数が多くて、なにがなんだかだんだんとわからなくなってきてしまい、予定通り最後のお大名ととの一騎打ちまでのあいだまでに観ている方も休まるときがなく疲れ果ててしまいました。

やっぱり13人よりは7人ぐらいのほうがちょうどいいのではないかと思った次第です。



SPACE BATTLESHIP ヤマト 2010年東宝

監督:山崎貴 出演:木村拓哉、黒木メイサ、柳葉敏郎、堤真一、西田敏行、山崎努

私の中高生の頃に絶賛公開中だったSFアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の実写映画版です。監督は「ALWAYS 三丁目の夕日」などで売り出し中の山崎貴、主演は古代進役の木村拓也、ヒロイン森雪は当初予定されていた沢尻エリカが活動謹慎になったため、急遽代役となった黒木メイサ、その他に沖田艦長に山崎努など豪華キャストです。

ま、アニメの時は30分番組で合計26回、正味20分としても約9時間に及ぶ元々は長いストーリーですから、それを2時間弱の限られた時間で表現するのは、かなり厳しいだろうと思っていましたが、その通りで大幅にストーリーが変えられていました。元々の原作者であった松本零士氏が「ヤマトはもう私の手から離れた」と言っていた意味がよくわかります。ちなみにこの映画の原作は西崎義展となっています。

CGの出来は、細かな点では実写版とはおこがましいとも思いましたが、意外とまずまずよくできていたように思いました。そこには山崎監督のこだわりがあったのでしょう。

実写版でもアニメ映画版と同様、続編が次々と作られるのでしょうか?興行的に成功したとも聞かないのでそれはたぶんないでしょうね。ま、どちらでもいいのですが。

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ユニバーサルデザインはどこへ行った 2011/9/10(土)

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wikiによると「ユニバーサルデザインとは、文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいう。」とあります。

つまり、身近なものでは普段生活に使っている食品や飲料、洗剤などを入れるパックとか、家電製品、文房具、生活雑貨、家具などに一部取り入れられている設計思想です。概念ですからなにか決められた規格や検定があるわけではなく、ほとんどが見過ごされてしまうようなものなのです。

ユニバーサルデザインの一例では、例えば缶ジュースの表面に目の不自由な人でも中身がわかるように点字が打たれていたり、手が不自由だったり握力がなくても水道の栓が簡単に開けるようレバー式になっていたり、公衆トイレの表示が外国人でも理解できるよう絵柄で書いてあったり、パソコンや携帯の表示を読み上げる機能が付いていたりするものなどです。

しかし残念ながら、ユニバーサルデザインだからと言っても必ずしもデザインが優れているとか、美しいとか、便利であるとかではありません。むしろデザイン的には野暮になったり、健常者にとっては余計と思えるものがついていたり、その分またコストも割高になってしまうこともあります。

したがって元々価格の安いものや、価格競争が激しい製品にまでユニバーサルデザインを取り入れるかどうかは、製造するメーカーの姿勢を大きく反映しているとも言えます。単に安く作るなら余計な機能や表示はせず、シンプルに本来の目的だけに特化して作ります。

力があり、視力もよく、反応も素早くできる健常者の若者であれば、そう言ったユニバーサルデザインの必要性はまったく感じないでしょう。実は私も30代の頃までは、なにも感じませんでした。

しかし40代を過ぎて、ひとつは視力が落ち、注意書や説明書を読もうとしても書いてある文字が小さいとぼやけて読めなくなります。また朝起きて、マウスウォッシュや男性化粧品のボトルのキャップを開けようとすると、朝起きてすぐだと力が入らず、おまけに洗ったあとの濡れている手では固いキャップが開けられません。

若い人には考えられないでしょうが、50代を過ぎて、右股関節を痛めているということもありますが、階段やトイレでも立ち上がるときに、掴まるところがあるのとないのとでは、その便利さが大きく違ってきます。最近では電車の座席で人と人の間に挟まって座ってしまった時は、立ち上がる際につかまり立ちができず、足の力だけで起き上がるように立たなければならず、結構焦ることがあります。

最近、洗面化粧台をDIYで交換したのですが、家に元々付いていた国産のマイセットの洗面化粧台のミラー部に、歯ブラシを収納する場所があり、そこには閉じることができる扉というかふたがついていました。一見すると扉付きで清潔そうでいいのですが、信じられないことに、そのふたをパチンと閉めてしまうと、ガッチリとプラスチック同士が噛み合い、次に開くことができなくなるのです。

ふたを開けるには、わずかに飛び出している滑り止めもなにもないごくごく小さな取っ手を指の先でギュッとつまんで開けなければならないのですが、普通の人の指の力では絶対に開けられません。開けるときは押し込むと反動で開くという磁石式の扉も多いですがそうはなっていないのです。

おまけに洗面化粧台を使う時は、石けんで手を洗った後で、手が濡れていることが多いですが、そうなると固い上に滑ってしまい、たぶんプロレスラーでもそのふたを指の先の力だけで開けることは無理だったでしょう。

私もすぐにそのことに気がつき、どうしたかいうと、しばらくはふたを閉めないで使い、次にはその小さな取っ手にキリで穴を開け、鉄のリング(キーホルダー)をはめ込みました。開けるときにはそのリングを引っ張れるように改造したのです。そのようにユーザーが改良しなければ使い物にならない、常識を疑うような、ふざけた無能なデザインでした。

今でも、日常的にこのような馬鹿げたデザイン、仕様、細かな文字なのだろうと思うことがしばしばあります。

例えばペットボトルのキャップで、滑り止めのギザギザを入れず、小さくてつるつるしたキャップだと、固く締まっていると、高齢者や女性ではパイプレンチでも持ってこないと開けられないでしょう。同様に濡れた手で使うことの多い化粧品などのビンのキャップも同様です。おまけに朝の時間帯は、身体が暖まっている昼間と違い、指に力が入らないことが多いのです。そういうことをまったく考えない安直で見た目重視、コストダウン重視の無能なデザインが今でも多く見られます。

ラーメンやふりかけなど加工食品、洗剤やシャンプーなどの詰め替え用パックの袋から中身を取り出すとき、ビニールの袋に未だ切れ目が入っていないものや、切れ目の部分が非常にわかりにくいものがあり、そういうものはどれだけ頑張ってもうまく開かず、イラッとして強く力を入れすぎてしまい勢い余って中身をぶちまけてしまうことがあります。

高齢者の場合、一般的に眼が悪くて切れ目の部分がわからなかったり、相当な指の力が必要だったりするので、いつも近くにハサミを用意している人が多いようですが、本来はパッケージのデザインと機能、それが誰でもすぐわかるように大きく表示することで十分に対応が可能なはずです。

日本はいま世界でも有数の高齢化社会真っ只中と言ってもいいでしょう。まだこれから数十年は高齢社会が続きます。それならもっとも世界中で最も進んだユニバーサルデザインがあふれかえっていてもよさそうに思うのですが、「製品の企画やデザインは高齢者が使うことは眼中にない若い人がおこない、製造はコストダウンのため海外で」という流れがあり、なかなか進みません。

それを解決するためには、経営者が社是として「当社の製品はすべてユニバーサルデザインを取り入れる」と打ち出し、若い社員に何度も繰り返し言い聞かせ、試作品を高齢者や、目や手の不自由な障がい者の方に実際に使ってもらい、どのような状態でも問題がないことを確かめ、使い勝手のいい製品を作る仕組みを浸透させる必要があります。

いまは日本だけかも知れませんが、すぐ後に欧米や中国など、高齢化社会を迎える国が続々と現れることはわかっていますので、今から「日本の製品は中身もいいが、パッケージや使い勝手に細かな配慮がされていて素晴らしい」と世界中から言ってもらえるよう、先進的な高齢化対策、ユニバーサルデザイン対策をキチンとやっておいて損はないと思います。

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ATOKの変換モード表示がデスクトップから消えてしまう件 2011/9/14(水)

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久しぶりにパソコンネタです。PCを買い替えてWindows7を使うようになって1年が経過しましたが、日本語変換は前のXPマシン時代からずっとATOK(2006)を使っています。

その変換効率の良さや細かな設定が可能な点はプロのライターや編集者にも愛用者が多いですが、Windows7に入れてから、時々画面下のタスクトレイの右側に常時表示されているはずの日本語変換モードが消えていることが時々あります。2006という古いバージョンだから仕方がないのかなと思ってあきらめていました。

 

XP時代にはそのようなことはなく、いつも入力を始める際にはチラッと右下を見て、現在日本語入力がONかOFFなのかということを確認できましたので、その表示が消えてしまっていると、どちらかわからないので結構ストレスです。

日本語がオフになっていると、せっかく検索などでカタカタと入力した文字も全部半角ローマ字になってしまいますし、またその逆のケースも起きます。未だに完全ブラインドタッチではないのが丸バレですが。

で、その表示が消えてしまうのは、いつもというわけでなく、時々なので、ずっとそのまま放置していましたが、そろそろ我慢ができなくなり、なぜそういう事が起きるのか、調べてみることにしました。

Googleで「ATOK 日本語表示 タスクトレイ 消える」などを入れて検索をかけてみると、同じように不便をしている人が結構多そうで、質問サイトやMSサイトなど含めて多くの質問と解決策が出ていました。

方法は、Windows7のコントロールパネルで設定を変更する方法と、ATOKのプロパティで設定する方法の二通りがあることがわかりました。ただしATOKはすでに2011までヴァージョンが上がっていて、2008あたりから、私の使っている2006と設定が少し異なっているようです。

結果的に、そのアドバイス通りに設定してみたところ、下記の方法で、常時右下のタスクトレイの中に、変換状況が表示されるようになりました。これは知ってないとできませんよねぇ。

【文字変換の常時表示 Windows7での設定方法】
 1.コントロールパネルから時計言語および地域
 2.地域と言語のオプションを選択
 3.キーボードと言語からキーボードの変更を選択
 4.テキストサービスと入力言語を選択
 5.「言語バータスクバーに固定する」と「言語バーアイコンをタスクバーで表示する」にチェックを入れコントロールパネルをすべて閉じる

さらに、

 6.デスクトップのタスクバーを右クリックしてプロパティを選択
 7.タスクバータブのカスタマイズを選択
 8.ATOKパレット管理プログラムの動作でアイコンと通知を表示に設定

 


いやはや、もし1年後クリーンインストールして、再び設定せよと言われてもたぶんできません。

     

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テレフォンカードの使い道 2011/9/17(土)

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ここ数年のあいだに新しく単身生活を始めた人でなければ、たぶんどこの家庭にも数枚が残っているテレフォンカード。私も記念品としてもらったり、アンケートに回答した謝礼でもらったりと未使用で20枚ほど持っていますが、考えてみると自分で買ったのはそのうち数枚程度です。持ってはいるけど滅多に使う機会がないのが今のテレホンカードで、その使い道を考えてみました。

NTTもうまい方法を考えたもので、一時期は自分の趣味にあう未使用のテレカを集めることが一種の自慢の種、ステータスとなり、公社時代を含めNTTを大きく潤わせることになりました(簿記上は負債となるのでしょうけど)。それらの死蔵されたテレカの数はどのぐらいになるのか不明ですが、おそらくその多くは使われることなく、今でも机の引き出しの中にしまわれたままになっているものが多そうです。

テレカの利用法としてもっともベーシックなのは、公衆電話から電話をかけることです。

特に災害時などで携帯電話がつながりにくいときでも、公衆電話は優先的につながるようで、3月の震災の時にも、公衆電話に長い列ができていたのは記憶に新しいところです。テレフォンカードの有効利用法の一番目は、あえて携帯電話を使わず、公衆電話を積極的に利用することです。

しかし携帯電話の普及により公衆電話の数は年々減少し、2000年時点で約71万台あったのが、2010年には25万台にまで減少しています。この10年間毎年4〜5万台が減ってきた勘定で、駅や大きなビルでもなければテレカが使える電話機を見かけることが少なくなってきたのがネックでしょう。

公衆電話の場合、近隣であれば固定電話へかける場合およそ1分間で10円、携帯電話へかける時は近隣で17.0秒10円(平日区域内夜間)ですから、携帯へかける場合を除き、千円のテレカを使い果たすには結構な回数、または長時間あるいは長距離をかける必要があり、遠距離恋愛や単身赴任でもしていなければ、あまりその機会があるとも思えません。相手の携帯にかける場合は近隣で平日夜間なら500円のカードで15分ほど話すことができます。

遠くに住む親の家に定期的に電話をしてあげるというのは、親孝行でもあり、たいへんいい使い方だとは思います。100kmを超すと時間帯にもよりますが、ざっくり10秒で10円ぐらいですので、15分も話せば1000円のテレカはなくなります。余っているテレカの有効的な使い方としては一番いい利用法ではないでしょうか。

二つめの方法は、NTTと契約しているダイヤル通話料をテレカで支払うという方法です。

これはNTT東日本とNTT西日本が請求する電話料金をテレカで支払える制度ですが、いろいろと制約や条件があります。

テレカで電話通話料金を支払える条件
1)NTT東日本かNTT西日本と契約していること(KDDIやソフトバンクテレコム、CATV会社などと固定電話の契約をしているとダメ)
2)未使用のテレカ限定で、使いかけのものはダメ
3)支払えるのは通話料だけで基本料やオプション(キャッチホンとか)はダメ
4)手数料が必要(磁気タイプ1枚52.5円、50度数だとなんと1割以上が手数料)
5)手続は116へ電話をして申請用紙を送ってもらう(近所の電話局では手続をおこなえないところが多い)

この中でも最近は1)のNTT以外と固定電話の契約を結んでいるケースが多いのではないでしょうか?例えば「ケーブルテレビと電話をセットにして安くなる」とか「インターネット回線とセットで」とか流行っていますので、そうしているとこの方法は使えません。また家には固定電話は引いてないという人も増えてきているように思います。

三つ目の方法は金券ショップやオークションでテレカを売る方法です。

おそらく50度数(500円分)で200〜250円ぐらい、105度数で300〜400円ぐらいで買い取ってもらえます。有名デパートなどの商品券なら額面の90%以上で買い取ってもらえますが、それらと比べるとテレカは半値以下と不利です。特殊なレアなものはオークションで販売するほうが多少高く売れるかもしれませんが、大きな期待はできません。

もし家の固定電話がNTTと契約していて、固定電話の通話料が毎月かなり発生しているのなら、手持ちのテレカがなくても、金券ショップでテレカを安く買ってそれで支払う方が、多少ですが手数料を引いても安くなるようです(買い取り価格による)。暇と行動力のある人はぜひどうぞ。

オークションに出品する場合、金券ショップへ持ち込むよりは多少高めに落札されることがあります(業者のマージンが不要な分)。但し1枚単位ではなく数十枚まとめたり、出品のため写真を撮ったり、落札相手とのやりとり、送付の手間などが余分にかかります。そのような手間をいとわなければ、ベターかもしれません。ちなみにいまオークションで人気のテレカはやはり萌え系またはちょっとH系アニメやアイドルの非売品のテレカで、中には1万円以上の値が付くものもあるようですが、そういうものは普通机の中に眠っていることはないでしょう。

その他の方法として、商品やサービスをテレカで支払うことができる店で使うという方法があります。

例えば全国にあるパソコン量販店のPCデポ(PC DEPOT)や、広島の福山ニューキャッスルホテルなどで利用できます(2011年9月現在)。

PCデポでは店舗により50度数が350〜400円程度、福山ニューキャッスルホテルでは50度数で400円換算ですから金券ショップやオークションへ出すよりも割りがいいと思われます。また山口県にあるアービングという会社が運営しているフランチャイズ店舗(ハードオフ、ブックオフなど運営)もテレカで支払が可能なようです。

過去には他にももっとテレカで支払が可能だった店やホテルがあったようですが、今は他にはほとんど見当たりません。

あと、テレカには引越挨拶用や結婚記念用で住所や自宅電話番号などプライバシー情報が印刷されているものも珍しくありません。そういうものはさすがに金券屋やオークションで見知らぬ人の手に渡るのに抵抗があります。

そこで提案ですが、この余っているテレフォンカードや商品券を利用した寄付活動を自治体や公共団体が率先しておこなうというのはどうでしょう?

例えば新しい法律を作り、役所にテレカや商品券の寄付箱を置き、集めたものをNTTなど発行業者に強制的に高額(額面の9割とか)で買い取らせ、それを災害支援や障がい者支援、犯罪被害者や児童虐待で保護された児童への支援、奨学金などに活用する仕組みを作るというものです。これなら誰も損をすることなく、タンスや机の中で眠っていて、提供しても痛くもかゆくもない隠れた資産を有効に社会へ役立てることができます。プライバシー情報に関しても役所から発行業者へ渡るだけなので、大きな危惧はないでしょう。

同じように「家庭の中に眠っている記念切手についてはどうだ?」という意見については、切手の場合は現金の代わりに切手で支払いが可能なものが多く、ゆうパックなど日本郵便が取り扱うものは概ね手数料不要、切手で支払が可能ですし、少額の通販やオークションの支払も切手でOKという場合があります。また切手は世界的にコレクターの世界が出来上がっていますので、日本独自のNTTがやりたい放題儲け放題のテレカとは意味が違います。

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9月前半の読書
 2011/9/19(月)


536
沼地の記憶 (文春文庫) トマス・H. クック

今年64歳になったアメリカの作家さんで、「死の記憶」「夏草の記憶」「緋色の記憶」「夜の記憶」の記憶四部作で有名です。私も記憶シリーズ含め八作を読んでいますが、どれも新鮮でたいへん面白いミステリー作品で気に入ってます。もっとも「記憶シリーズ」というのは翻訳出版している日本の会社が勝手に名付けたもので、原題にはそのような関連はまったくありません。

この「沼地の記憶」はよく売れた記憶シリーズの再来を期して名付けられたのか不明ですが、日本では2010年に刊行されています。内容は過去のシリーズなどとも共通して、暗くて重い歴史を開くことによって、現代に悲劇が起きることになります。

アメリカの過去の歴史は日本やヨーロッパなどと比べると遙かに短く、国ができたのはわずか235年前です。その短い歴史の中にも、奴隷制度、南北間の格差、そして移民が持ち込んだ階級制度などにより、数世代に渡る勝ち組と負け組が存在し続けます。

勝ち組の教師が、負け組が多く通う高校で教鞭をとり、その中に殺人犯と思われる父親をもつ生徒に優れた文才を見出し、それを開花させようと努力をしていきますが、結果的にはそれが仇となってしまいます。その過去の出来事を年老いた教師が語るという構成です。

何度か途中で予防線的に語られる話の内容から、もっと強烈で衝撃的な結末を予想していたのですが、それはなく、なにか普通に終わってしまいました。ま、いくらフィクションだと言っても、よくある荒唐無稽なものよりは現実的で私にとっては納得感があります。


はちまん(角川文庫) 上下巻 内田康夫

著者の内田康夫氏についてはwikipediaに「西村京太郎、山村美紗とともに、旅情ミステリー作家の代表的人物として知られる。代表作に『浅見光彦シリーズ』『岡部警部シリーズ』『信濃のコロンボシリーズ』など。」とあります。御歳76歳で、1981年に第1作を上梓されているので今年で作家歴30年というベテラン作家さんです。私は7年ぐらい前に「氷雪の殺人」を読んだきりです。

今回は、そのタイトルにひかれ、全国にその名のつく神社が数多くあり、自宅の近所にもある八幡神社のことについて、多少雑学のネタになるかなと思って読み始めました。

さすがに紀行小説の名手だけあって、長野、秋田、熊本、高知、呉の街が次々と出てきます。その立役者には主人公の女性カメラマンとその婚約者、そして内田氏の小説には欠かせない、謎解きの名手で数々のミステリーで主人公となっているルポライターの浅見光彦が全国を駆けめぐります。

また実在する八幡神社も、有名な宇佐、石清水、鶴岡の八幡宮ではなく、地方にある無名の八幡神社が次々と登場してきます。物語の途中で、政治家と土建屋が結託する場面がありますが、そこだけはなにか唐突すぎて多少違和感があります。しかし巨悪の犯罪が絡むストーリー展開上やむを得ないのでしょう。

八幡神社の歴史や謂われ、神仏習合、日本人の歴史認識から文科省管轄のサッカーくじ問題などまで含め、雑学を知るためにも十分に楽しめる小説です。

登場する実在の八幡神社(リンク先は公式サイトがない場合、個人または企業サイトです)
小内八幡神社(長野県中野市)
亀山神社(亀山八幡宮)(広島県呉市)
久礼八幡宮(高知県中土佐町)
千田聖母八幡宮(熊本県山鹿市)


若者殺しの時代 堀井憲一郎

作品を読んでいると、団塊世代に対してフツフツと沸いている怨念というかよからぬ一家言がありそうで、そうなると私と歳が近そうだなぁと思ってましたが、同学年の人でした。ただ堀井氏は勉強が大好きらしく大学(早稲田)に7年も在籍していたので、アルバイトではなくプロの社会人として勤めに出たのは私が3年先輩ということになります。おまけに出身は同じく関西で、近いところで共に少年時代をおくっていました。

なので、道理で、70年代のバブル前、80年代後半のバブル全盛期、90年のバブル後のことが集中して書かれているはずです。私も著者もお金はないけど暇とやる気と体力だけは人一倍あるという青春時代をその頃に過ごしていたからです。最初タイトルからすると「現在の若者の育ってきたこの20年間の環境をあれやこれやと検証し、大人達から搾取されているな」というものを想定していただけに、あれまという感じです。

タイトルは無理矢理あとでこじつけたような気がしますが(タイトルありきで書いたものとは違う印象)、要は団塊世代が先陣を切り、若者文化を開花させ、それをやがてビジネスへと変えてしまう戦略を創りだし、それに次の世代(我々)はよくわからないまま勢いで乗っかってしまい(多少いい思いをして)、やがてペンペン草も生えない焼け野原をその次の世代や今の若者へ引き継いだと、わかりやすく縮めるとそんな感じの本です。

著者は「ホリイのずんずん調査」というコラムを長く週刊文春に書いていたこともあるフリーライター氏ですが、フリーライターの多くは元出版社に所属していた文学少年少女という人が多い中、大学卒業後いきなりフリーでライターを始めるというまったく怖いもの知らずの人のようです。最近の雑誌、週刊誌等を含む活字不況の中で、どうやって食っているのでしょうか、他人事ながら同郷&同世代なのでちょいと心配になってきます。

ちなみに私の若い頃(20代独身時代)の象徴と言えばディスコやユーミンではなく、ホイチョイプロダクションでした。彼らの作る映画や雑誌に連載していたコラムが私の聖書となっていました。そして今でもその頃の名残として、TAG社に買収される前のホイヤーの腕時計と、レンタルDVD屋の会員になるときぐらいしか役に立たない小型一級船舶操縦免許があります。

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新聞・テレビが2011年どころか10年後でも消滅しない3つの理由 2011/9/22(木)

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2011年も後半に入ってからこういうお題で書くのは気が引けますが、佐々木俊尚氏著「2011年新聞・テレビ消滅」は2009年の発刊当初にはタイトルを見て衝撃を受けた人も多かったのではないかと思います。新書を売るための作戦勝ちということですが、私もすぐ買って読んだクチです。

同様に蜷川真夫氏の「ネットの炎上力」でも新聞・テレビなどの旧メディアの劣化について述べられていますが、それは蜷川氏自身が旧メディアと決別し、新しくネットメディアを立ち上げたという経歴から、そうあって欲しいという願望があるのは仕方がありません。

世の中には時代の先を行く(と本人は思っている)人達と、後からついていく人達、そしてついていかずずっと保守的に自分の殻を守り続ける人がいます。その時代の先頭を走っている人からすると、周囲に追随する人達しか見えないのだと思いますが、実はそれよりも遙かに多くの追随しない人達がいるものなのです。

1990年代初頭には携帯電話が不動産会社のオヤジ連中から、一般のビジネスマンへと普及し始めました。まだこの頃は高くて会社が与えてくれないと個人が購入するには相当の勇気と投資が必要でした。やがて、90年代後半になると価格も下がり社会人を中心に一気に拡がっていきます。

21世紀になった今、携帯電話を持っていない人は極めて少なくなりましたが、それでも別にお金に困っているわけでもなく、世間と一切縁を断っているわけでもなく、不要だからと携帯電話を持たない人は、まだかなりの割合で存在しています。総務省統計局の2009年の全国消費実態調査によると全体の普及率は約88%、年代別では60代70%、70代以上は35%程度です。

また携帯電話を持っているからと言って、60歳以上の高齢者がそれでニュースや最新情報を得ているとは考えにくく(目が悪くて小さな画面では読みにくい)、仲間や家族との電話またはメール連絡用と考えるのが無難でしょう。

特に団塊世代以上(65歳以上)の高齢者だけをとってみると、各社から簡単操作で文字の大きな高齢者モデルがいくつも出しているにもかかわらず、持っているのはその半数程度です。まだ持っていない人が多いからメーカーやキャリアも必死になってそう言う人向けにテレビや新聞で宣伝しているのです。

新聞、テレビの安定した顧客の多くはその高齢者です。若い人はネットやスマホ含む携帯から得られるニュースや情報で十分と新聞を買わず、また昼も夜も忙しく働いているのでテレビを見る時間も限られているでしょう。しかし定年後ずっと自宅に居ることになる高齢者は、じっくりと新聞を読み、読み終わるとテレビを見るしか他にやることはないのです。

その65歳以上人口は2010年には約3000万人(国民の1/4)、10年後の2020年には3600万人、20年後の2030年には3670万人(国民の1/3)です。この高齢者の増加は2040年まで続くことが予測されています(国立社会保障・人口問題研究所の推定データ)。そう新聞・テレビのメイン顧客は、少子化で減り続ける子供達や外へ出て働くことが増えてきた女性相手ではなく、顧客となるのは今後30年間増え続けていく高齢者なのです。

つまり新聞・テレビが2011年どころか10年後にもなくならない1番目の理由は、主要な顧客たる高齢者は減らず、逆に増えていくから安泰です。

次にメディアとしての存在意義です。

ネットの情報では「もうマスメディアの役割は終わった」「マスコミは偏向報道をするものだ」「新聞社やテレビ局はもうビジネスモデルとして成り立たない」とか言われてきました。地デジ化による巨額設備負担に耐えきれない地方のテレビ局もあると聞きます。そしてネット広告が増えたことで、テレビや新聞広告の価値が大きく落ちてきたとも言われています。

細部を見ていくと、一部は確かにそのような傾向、事象は起きているかも知れませんが、ここ数年のあいだにネット広告がテレビ・新聞広告にすべて取って代わるとことはまったく現実的ではありません。若い人が新聞を読まないから、テレビを見なくなったから、終わりと決めつけるのはあまりにも乱暴すぎます。

まだまだ新聞・テレビの影響力は日本では絶大で、京大入試問題で「yahoo!質問箱」が、尖閣諸島漁船衝突事件では「YouTube」が、それぞれ国民の認知が一気に拡がったのは、テレビや新聞で一斉に取り上げらたからです。自分(=60歳以下)が知っているから世の中の人も(高齢者層含め)みんな知っていると勘違いしてはいけません。

高齢者は一般的に自分で新しいことを考えたり、斬新な意見を述べたりするのが苦手です。そこでテレビや新聞によく登場する識者と言われる人気者のキャスターや学者、評論家の意見を聞いて、その人(または意見)が好きか嫌いという単純な判断を好みます。ややこしい議論やなぜそうなのかという論理は好みません。そのようななんでもシンプルに信じてくれる高齢者を相手にマスメディアが存在していると考えるとわかりやすくなるでしょう。

最近テレビでやけにクイズ番組が多いと気がつきませんか?あれは高齢者が見て「若い芸能人には難しいクイズ問題が、高齢者には易々と答えがわかり気分をよくしてもらう」と言うことなのです。また家族で一緒に見ている時、子供や孫より先に答えを披露することで「おじいちゃんすごい!」と尊敬されるであろうということまで計算した問題が作成されています。

だからそのような雑学を含めもっと知りたい欲求に応えるため、新聞・テレビは消えるどころか、これからずっと先までわかりやすい番組や記事の提供を必要とされ続けるのです。子供向けにわかりやすくニュースを解説する池上彰氏が突然ブレークしたのも、実は池上氏(61歳)と同世代以上の高齢者が一番望んでいたからではないかと密かに思っています。

そして最後の3つめの理由は、

選挙へ行って市会議員や県会議員、国会議員を決めるのも、人口構成と投票率からして高齢者が主体となっています。つまり世の中の仕組みや主たる方向性を左右するのは高齢者達です。

もし仮に大新聞社の経営が行き詰まり、経営者が廃刊したいと言い出すと、それを過去何十年と楽しみにしていた高齢者がムクリと立ち上がり、自分達が当選させた政治家や人脈を使って、一時的に救済する方向で世の中を動かすことになるでしょう。ただ今は人口も減りつつあり、供給過剰すぎるので、一部の弱小新聞社が大手と提携または合併するなどが、ここ10年のうちに再編があるかも知れません。しかし歴史ある大新聞社は今後も盤石です。

ちなみに世界の新聞発行部数を見ると、日本の新聞社がなんと世界の上位5位までを占めています。
World’s 100 Largest Newspapers(2007年)部数の単位は千

読売新聞(Japan) 14,067
朝日新聞(Japan) 12,121
毎日新聞(Japan) 5,587
日本経済新聞(Japan) 4,635
中日新聞(Japan) 4,512
Bild (Germany) 3,867
産経新聞(Japan) 2,757
Canako Xiaoxi (China) 2,627
People’s Daily (China) 2,509
10 東京スポーツ(Japan) 2,425

これを見てもわかるとおり、もはや新聞は日本の国家的な大文化遺産となっているのです。日本の世帯数はひとり世帯がもっとも多く約5000万ですが、読売、朝日、毎日、日経、中日、産経の合計で4400万部。地方にはそれぞれ地方新聞(北海道新聞116万部、西日本新聞84万部、中国新聞65万部、神戸新聞58万部、東京新聞55万部、京都新聞50万部など)がありますので軽く日本の世帯数を軽く超える発行部数を誇っています(公表部数が?という噂もありますが)。

国から免許をもらっているテレビ局のキー局にしても、放送免許を与えた国のメンツがかかっていますから、経営危機だからという理由だけで総務省が簡単につぶすわけがありません。官僚達の権益は隅々にまで拡がり、それに関わる中小零細企業も多く、例えば経営母体を変えるなどして(今でも楽天などは飛びつくでしょう)生き延びさせることは確実です。

結果的に新聞・テレビは、一部のフリージャーナリストがつぶしたい、消滅させたいといくら強く願っても、それはありえないことなのです。

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スパムメールの進化 2011/9/25(日)

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特定電子メールの送信の適正化等に関する法律・特定商取引に関する法律が施行されても、相変わらず減らないスパムメール(迷惑メール)ですが、人を騙したり、生きている(使われている)メールアドレスを収集したり、いくつか進化が見られます。

以前なら、興味のありそうなタイトルと内容で記載されたリンク先へ誘導し、それによってアフィリエイト(誘導や購入による成功報酬)を得たり、中には悪用目的で個人情報やカード情報まで盗み出す(入力させる)というシンプルなものが多かったのですが、一般ユーザーのリテラシーが上がったりブラウザのセキュリティ対策が厳しくなるにつれ、どんどんとそのやり方は巧妙で複雑になってきています。

下記は最近送りつけられてきたスパムメールですが、この中には様々な工夫がなされています。

※アドレスやURLは一部加工しています(文中
▲マーク以下は私のコメント
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

件名:【重要】採用者様へ
日付: 2011年09月12日 午前 9:xx
差出人:info@it-so-good-xxxx.xxx
宛先: xxx@xxx.xxx

(本文)
(株)Business xxxmation採 用担 当の尾木 ちかと申します。
昨日お電話をさし上げたのですが、ご不在のようでしたのでメールにして失礼いたします。

 
▲一見まともなビジネスメールを装うのは常套手段。安心感を与えるためか女性名が多い。

先日は弊社の新 規採 用にご応募ありがとうございました。
慎重に選 考を重ねました結果、あなたを採 用することが内 定いたしましたのでお知らせいたします。
つきましては、下記のURLをご覧いただき、必要事項をご記入の上、弊社からのお電話をお待ちください。

 
▲これは人間の微妙な関心を誘う内容で、
  1)間違いメールで困っている人がいるとかわいそうだから連絡してあげようと思わせる
  2)どんな会社で、どのような採用条件なのかとかちょっとのぞき見したいと思わせる
  3)間違いとわかっていても仕事探し中の人には、こういう情報は飛びつきたくなる
  というような人間心理を突いています。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
http://it-so-good-xxxx.xxx/x/recive.php?dis=xxx&meno=xx&xxdxd=x

 
▲このURLはメールごとに違う設定がなされていて、もしこれにアクセスすると、
  どのメールアドレスに送ったものか相手に識別されてしまいます。つまり不用
  意に簡単にアクセスしてくるカモが発見できるということです。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ご応 募誠にあり がとうございました。
今後もよろしくお願い致します。

┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛
(株)Business xxxmation採用担当
尾木 ちか
ogi.staff@bzznesxxx.xx.jp
┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛

 
▲親切な人なら、思わず「間違いですよ」と返事を返したくなります。

このメールがご不要な方は
お手数ですがこちらにメールをお送り下さい。
stop-100ymh@xxxow.xxx

 
▲採用通知を装っていながら「このメールがご不要な方は・・・」とは明らかに矛盾して
  います。このひと言は上記の「間違いだから」と同様に「関係ないから」「迷惑だから」
  という目的で返信させるのが目的でしょう。返信すれば当然生きているメールアドレス
  が手に入るわけですから。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ちゃんと読むと、不必要な場所に数多くスペースが入っていたり(意味は不明)、親展メールの内容なのに「メールがご不要の方は」という意味不明な文言が入っていたりしています。ビジネスメールでは絶対にあり得ません。

次に有名な企業(サービス名)を名乗って送りつけられるものもあります。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

件名: 【Yahoo! リクナビ】スカウトサービスからのお知らせ
送信日時: 2011年9月16日, 金曜日 午前 5:23:29 GMT+09:00日本
差出人: info@entry-xxxrable.info

Yahoo!リクナビ スカウトサービスよりご連絡です。

今回はご希望の条件
・時給1000円以上
・勤務地 全国帯
に該当するお仕事が 2件 届いております。
┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
【キャンペーンスタッフ急募!!】全国にあるアミューズメント施設のキャンペーンに参加しませんか。
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能力のある方には歩合...

応募要項はこちら
http://entry-xxxable.info/m/recive.php?dis=932&meno=11761&adid=1
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ゲーム開発支援求人。
新作ゲームのレビューを書いてくれる方募集。
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応募はこちら
http://entry-xxxrable.info/m/recive.php?dis=932&meno=11761&adid=1
┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
配信元:
Yahoo!リクナビ スカウトサービス

配信停止はこちら
stop-500ymh@xxxbow.am

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yahoo!リクナビには、転職経験のある人や転職を考えている人なら登録したことがある人も多いのではないでしょうか。その勘違いを誘うスパムメールです。

本物と比べると、送信者のアドレスや応募先のURLが、明らかにyahoo!リクナビとは違っています。もしアドレスやURLがそれらしく装ってあっても(本物に似たURLを作ることもできる)、突然送られてくるこのようなメールはまず疑ってかかるリテラシィは最低限必要でしょう。

【まとめ】
1)明かにスパムメールと思わせないようにビジネス連絡メールを装っている。
その他にも銀行やカード会社、Microsoft社、DoCoMo、yahoo!、楽天、mixiなど多くの人が利用している会社やサービスからの通知や連絡を装うのも増えています。

2)人間心理を突いた興味のありそうなネタで読ませるテクニック。
不況で再就職が厳しい中、就職や副業、当選、プレゼントなどは多くの人が興味をひきます。

3)スパムメールに記載されているURLは個人ごとに識別できるものとなっているものが多く、アクセスするだけでメールアドレスが特定される。
その集めたメールアドレスは様々なブラック業者で共有されたり販売されたりする可能性があります。また最近のメール設定ではHTMLメールがデフォルトになっているケースが増えています。そうなると送られてきたスパムメールにアクセスした相手がわかる固有のURLをつけた画像を添付し、その受信状況で生きているメールアドレスを特定するという方法もあります。それを避けるには、メールの設定で送受信をテキストメールに変更するか、画像は表示しないとするなど対策が必要です。

4)「メール不要の方は・・・」に騙されてはいけない。
身元のハッキリした会社であればその通りの処理をしてくれますが、そうでない場合は単にアドレス収集として使われるだけで、今後逆にスパムメールが増えることとなります。

ちなみに上の2つはスパムの内容で検索をかけるといくつか紹介されていました。送信先の会社名だけを変えているものもあります。そして中には実際に書かれているURLをクリックしてみた人もいて(スパムだと知った上で)、飛んだ先は競馬で100万円の収入を得られるという副業サイトだということです。いわゆる競馬(馬券)詐欺のようです。その詐欺が目的なのか、それをフックにしたメールアドレス収集が目的か、その両方なのか不明です。ただ、こうして話題が拡がってしまうと、このネタは古くなり、同じ手(内容)は長くは使われないでしょう。あの手この手と新手が考え出されてきます。

なおスパムメールの申告窓口は、下記の団体が指定されています。
日本データ通信協会(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律で規定)

日本産業協会(特定商取引に関する法律で規定)

その他に、社団法人日本インターネットプロバイダー協会に「迷惑メールを受け取ったら」という解説ページが、独立行政法人国民生活センターに「アダルトサイトの請求書が画面に貼り付いた」(笑)などのインターネットトラブルFAQなどがあります。

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コンサルタントという職の謎 2011/9/29(木)

539
すでに多くの人は気づいている通り、世の中にはコンサルタントと自称する人が星の数ほどいます。昔まだコンサルタントという名称が少なかったときは、それだけで凄く偉い専門家という高尚なイメージがありましたが、今では、一部の有名コンサルティングファーム以外のコンサルタントは、個人事業主か、役職のない平社員が箔ツケのための総称かあるいはフリーターと思って9割方間違いないでしょう。

コンサルタントと言えば一般的には、経営コンサルタント、人事コンサルタント、会計コンサルタント、システム(IT)コンサルタント、キャリアコンサルタント、建設コンサルタントなど企業経営に不可欠な業務においてそれを分析し、改善アドバイスや指導をする役目を担いますが、その確固たる条件や資格要件などなにもありません。

このコンサルタントいう名称ほど便利なものはありません。業務をする上で特に資格が必要なわけでもなく、それを専門に扱う法人や団体に属している必要もなく、単に自分でそう名乗り、WEBサイトにもそう書いて、リアルの場で活動するなら名刺にコンサルタントと書けばそれだけでOKです。

最近では、SEOコンサルタント(企業のWebサイトのアクセス数を増やすアドバイスをおこなう)、セキュリティコンサルタント(情報システムの脆弱性や企業防衛に関するアドバイス)、BPRコンサルタント(主としてリストラ関連)、SNSコンサルタント(ソーシャルメディアを使った企業PR戦略)、M&Aコンサルタント(企業買収に関するアドバイスや交渉)、アフィリエイトコンサルタント(副業で成功報酬ビジネスをおこなう人向け)、観光コンサルタント、介護コンサルタント、投資コンサルタント(主婦や高齢者を対象する)などが大流行しているようです。これらの正体をみると、比較的新しいことであればまだ知る人も少ないので、経験や実績よりも先に名乗った者勝ちというルールがあるようです。

いずれにしても、コンサルタントを名乗る人の多くは、怪しい人達が多いわけですが、面白いのはそういうコンサルタントは宣伝目的のため自分でブログやTwitterで積極的に発言をおこなっています。なかでもTwitterで「フォロワー○万名!」とか自慢している人のプロフィールを見ると、たいていは自分がフォローしている人の数がフォロワーより多く、つまり相互フォローしてくれる人を地道に探していけば、誰でもできる数字だと言うことがわかります。

そしてそのような方のブログ等では、必ずと言っていいほど、他のコンサルタント(個人ではなく同業のコンサルタント全般に対して)に対しては非難や悪口を書きます。ま、ライバルは少ない方がいいということと、相対的にみて自分が有能であることを示したい思いがあるのは仕方がありませんが、普通に見ても目糞鼻糞を笑うという世界かなと。

そんなアホなコンサルタントの書いたブログの中に、そのコンサルタントが本当に有能なのかどうかを測る物差しとして「年収を聞く」「会社の経常利益を聞く」というのがありました。そうアドバイスしているのです。

言い分としては「儲からないコンサルタント=企業の経常利益が低い=年収が低いコンサルタント=無能なコンサルタント」という論理です。「ゴルフを教わるのにゴルフの下手な人に教わらないでしょ?」ということまで丁寧に書いてあります。

まったくおかしな話しですが、少し世の中のことを知っていれば「年収の高低」と、その人の「コンサルタント能力」とはまったく結びつきません。逆に有能だからこそ、節税のためや先行投資のため経常利益や年収を抑えていると考えられるわけです。ゴルフでも優秀なプロのコーチは、決してゴルフが上手いプロ選手でないことが多いのです。石川遼やタイガーウッズの専属コーチが、彼らよりゴルフが上手いわけでは決してありません。

特に個人事業主に近いコンサルタントにとって年収というのは見かけ上報酬の一部に過ぎません。年収の代わりに六本木ヒルズに住まいとオフィスを会社の経費でまかない、ベンツや食事もビジネスの一環として経費で落としているのかもしれません(税務署のチェックは年々厳しくなってはいますが、それを問題なくクリアするのは有能な証拠です)。住まいと食費、交際費と移動費がタダになるなら、わざわざ自分の年収を高くして所得税や住民税、社会保険料をがっぽり支払う必要などどこにもないでしょう。

また夫婦で事業をやっていれば配偶者を社長にして、自分は雇われ人という形にし、給料はほどほどにしておき、出た利益は新たな投資や内部留保をおこない、夫婦で100%を持つ会社(株式)の量や価値を高めようとしているのかもしれません。そんなことは事業家なら常識でしょう。

会社勤めなら、ボーナスを現金でもらうか、会社のストックオプションをもらうか選択できるケースがよくあります。ストックオプションを選んだ場合、それを行使しない限りは収入となりませんので年収には加味されません。しかし、その後ストックオプションをタイミングよく行使すれば、何億円という収入になることも珍しくありません。なので一時の個人の年収ごときで有能さなんか絶対に計れないのです。

次に経常利益ですが、個人事業の利益はそれこそ、いくらでも調整が可能です。利益を出して税金を多く支払うか、それとも先行投資をし、経費として他のものに使うかという選択ができます。逆に小規模なのに多くの利益を出し続けている経営者は無能じゃないのか?と思ってしまいます。赤字であっても人を増員したり、高度な教育を受けたり、システム投資などをおこない、将来の事業拡大に結びつけることは、有能な経営者なら当然考えるべき事です。

そんな簡単なことまでわからない経営コンサルタントが堂々と跋扈しているのも現実なのです。ましてや有象無象、次々現れる自称コンサルタントには笑ってしまうようなものも多くあります。

浮気解決コンサルタント、お受験コンサルタント、恋愛コンサルタント、結婚コンサルタント、葬儀コンサルタント、Twitterフォロー獲得コンサルタント、副業コンサルタント、集客コンサルタント(イベントなどでの集客)、節電コンサルタント(企業や家庭での節電アドバイス)などはまだいいとしても、イメージコンサルタント、魅力向上コンサルティング、ボディコンサルティング、ラーメンコンサルタント、廃業コンサルタント、恋愛詐欺コンサルタント(犯罪集団にレクチャーする)、空き巣対策コンサルタント(元空き巣が改心して地域や住居の防犯対策をする)とかなると、もうどにでもしてという感じです。とにかくなんでもいいからキーワードにコンサルタントを付ければそれで立派?な職業に早変わりで、早い者勝ちという感じです。それでまともな生活がおくれるかどうかは本人の努力次第ですが。

景気が悪く雇用状況が悪い中、そして家から一歩も出たくない引きこもりやニートが増えている現状、少しでも収入を得るために、個人で気軽にできるコンサルタント業は、今後も活況を浴びてきそうです。コンサルタントと言っても最近の傾向は、現場まで足を運んでヒアリングしたり、人前でプレゼンしたりすることは必須ではなくなってきたからです。コンサルタント業開業のためのコンサルタントという職業ができても(もうあるかも)決して不思議ではありません。

とか書きながら、今度取材が来たら「リストラコンサルタント」って名乗ってみようかなと(ウソ)


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