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トマス・H・クック Thomas H. Cook 既読書籍

010 緋色の記憶 009 沼地の記憶
008 石のささやき 007 闇に問いかける男 
006 蜘蛛の巣のなかへ  005 緋色の迷宮
004 テイクン(上)(下) 003 夜の記憶
002 夏草の記憶 001 死の記憶
読書感想は2010年頃以降に書くようになりました。それ以前に読んだ本の感想はありません。


1947年アメリカ合衆国アラバマ州出身。ジョージア州立大学で学士の単位を取得。1972年、ニューヨーク市立大学ハンター校にてアメリカの歴史を学び修士号を取得、1976年、コロンビア大学にて博士号を取得。1980年大学院生だった頃『鹿の死んだ夜』でデビューし専業作家となる。1997年『緋色の記憶』でエドガー賞 長編賞を受賞。(Wikipediaより引用 2022年)


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010 緋色の記憶 (文春文庫)
The Chatham School Affair

死の記憶」「夏草の記憶」「緋色の記憶」「夜の記憶」「沼地の記憶」と続くミステリー「記憶シリーズ」の3作目で、作品オリジナルは1996年に発刊、日本語翻訳版は1998年に出版されています。

この作品はアメリカでも著名なエドガー賞を受賞した作品で、著者を一気に有名にした作品です。

シリーズと言っても、日本語の翻訳版だけの話しで、原題にはそれにあたる言葉やつながりはありません。

原題は「The Chatham School Affair」で、直訳すれば「チャタム校事件」ということになります。

著者の作品は好きで、過去には「死の記憶」「夏草の記憶」「沼地の記憶」など9作品を読んでいますが、1990年代から2000年代初頭の比較的昔に読んだので、ブログで感想を書いたのは2011年に読んだ下記だけです。

ストーリーは、ボストンから130kmほどに位置する実在するチャタムという港町にある私立学校に通う主人公はそこの学校長の息子です。

その学校にアフリカへ家族と移住していた若い女性が新しく美術教員としてやってきて、学校長の父親と共に、新しい生活の支援をすることで仲良くなっていきます。

小説のスタイルが、過去に起きた出来事の主題にはなかなか触れず、どうもこの女性教師に関連してなにか大きな事件が起きたようだけど、小出しで少しづつしか話題に出てこず、「いったいなにが起きた?」という疑問符だらけになっていきます。

謎は読んだ人だけのお楽しみですが、長く陰湿な話しが延々と続きますので、今のような軽くてスピード感あふれるライトなものが好かれる時代には決して合った作品ではありません。

以前読んだ記憶シリーズについてはあまり覚えてませんが、こうしたローカルな地域の話しで過去の出来事を振り返るという形が多いです。

私のような引退して時間がいっぱいできてからジックリ読むことをお薦めします。

★★☆

5月後半の読書と感想、書評 2021/5/29(土)

009 沼地の記憶 (文春文庫)
Master of the Delta

今年64歳になったアメリカの作家さんで、「死の記憶」「夏草の記憶」「緋色の記憶」「夜の記憶」の記憶四部作で有名です。私も記憶シリーズ含め八作を読んでいますが、どれも新鮮でたいへん面白いミステリー作品で気に入ってます。もっとも「記憶シリーズ」というのは翻訳出版している日本の会社が勝手に名付けたもので、原題にはそのような関連はまったくありません。

この「沼地の記憶」はよく売れた記憶シリーズの再来を期して名付けられたのか不明ですが、日本では2010年に刊行されています。内容は過去のシリーズなどとも共通して、暗くて重い歴史を開くことによって、現代に悲劇が起きることになります。

アメリカの過去の歴史は日本やヨーロッパなどと比べると遙かに短く、国ができたのはわずか235年前です。その短い歴史の中にも、奴隷制度、南北間の格差、そして移民が持ち込んだ階級制度などにより、数世代に渡る勝ち組と負け組が存在し続けます。

勝ち組の教師が、負け組が多く通う高校で教鞭をとり、その中に殺人犯と思われる父親をもつ生徒に優れた文才を見出し、それを開花させようと努力をしていきますが、結果的にはそれが仇となってしまいます。その過去の出来事を年老いた教師が語るという構成です。

何度か途中で予防線的に語られる話の内容から、もっと強烈で衝撃的な結末を予想していたのですが、それはなく、なにか普通に終わってしまいました。ま、いくらフィクションだと言っても、よくある荒唐無稽なものよりは現実的で私にとっては納得感があります。

9月前半の読書 2011/9/19(月)

008 石のささやき (文春文庫)
The Murmur of Stones

2007/10/16読了

「BOOK」データベースより
姉が壊れはじめたのは、幼い息子を亡くしてからだった。すべてが取り返しのつかない悲劇で幕を下ろしたあと、私は刑事を前に顛末を語りはじめる…。破滅の予兆をはらみながら静かに語られる一人の女性の悲劇。やがて明かされる衝撃の真相。人の心のもろさと悲しみを、名手が繊細に痛切に描き出した傑作。

007 闇に問いかける男 (文春文庫)
Interrogation

2006/11/08読了

「BOOK」データベースより
クックの新作は、タイムリミット型サスペンス
幼女殺害の容疑者、取調べる刑事たち、捜査過程で浮かぶ怪しい人物……すべてが心に闇を抱えこみ、罪と贖いがさらなる悲劇を呼ぶ

006 蜘蛛の巣のなかへ (文春文庫)
Into the Web

2006/11/06読了

「BOOK」データベースより
余命短い父を看取るため、二十数年ぶりに故郷の田舎町へ戻ってきたロイ。かつて弟が自殺した事件の真相を探るうち、一生を不機嫌に過した父の秘密を知ることになる。そして町を牛耳る保安官の不審な行動。蜘蛛の巣のような家族と地縁のしがらみに搦めとられるロイは、だが次第に復讐のターゲットを見出して行く。

005 緋色の迷宮 (文春文庫)
Red Leaves

2006/09/23読了

「BOOK」データベースより
近所に住む8歳の少女が失踪し、ひょっとすると自分の息子が誘拐しいたずらして殺したのかもしれないという不安。自分の兄もそういう性向を持ち、事件に関わっているかもしれないという疑念―自分をつくった家族と自分がつくった家族。確固たる存在だと信じていた二つの世界が徐々に崩れはじめるとき、どうすればいいのか。

004 テイクン〈上〉〈下〉 (竹書房文庫)
Taken

2003/09/09読了

「BOOK」データベースより
第二次世界大戦中の1944年、パイロットのラッセル・キーズ大尉とクルーたちは戦闘中に不思議な青い光に遭遇する。戦後、故郷に戻ったラッセルは悪夢や激しい頭痛に悩まされ、クルーたち9名のほとんどが謎の死を遂げたことを知る。一方、野心に燃えるオーエン・クロフォード大尉は、ロズウェルの砂漠に墜落した謎の物体の捜査を始める。そして、事件現場から遠からぬテキサス州では、孤独な主婦サリー・クラークがジョンと名乗る不思議な人物と出会う…。地球に来訪した未知の生命体と3家族が4世代に渡って織り成す、壮大なSF大河ドラマ。

ジェシー・キーズとジェイコブ・クラークの死により、エイリアンの関心はその子供たち、チャーリー・キーズとリサ・クラークへと移る。二人は同時刻にエイリアンによって連れ去られ、その後リサは超能力を秘めた娘アリーを出産するのだった。一方、中止されていたエリック・クロフォードのUFOプロジェクトも再開され、エリックの娘メアリーがプロジェクトをリードする存在となっていく。アリーの存在と、その重要性に気付いたメアリーたちは、アリーを誘拐し、ある計画を企てるのだが…。半世紀にわたる、エイリアンによるアブダクションの秘密がついに明かされる感動のSFファンタジー完結編。

003 夜の記憶 (文春文庫)
Instruments of Night

2000/05/29読了

「BOOK」データベースより
ミステリー作家ポールは悲劇の人だった。少年の頃、事故で両親をなくし、その直後、目の前で姉を惨殺されたのだ。長じて彼は「恐怖」の描写を生業としたが、ある日、50年前の少女殺害事件の謎ときを依頼される。それを機に“身の毛もよだつ”シーンが、ポールを執拗に苛みはじめた―人間のもっとも暗い部分が美しく描かれる。

002 夏草の記憶 (文春文庫)
Breakheart Hill

1999/10/27読了

「BOOK」データベースより
名医として町の尊敬を集めるベンだが、今まで暗い記憶を胸に秘めてきた。それは30年前に起こったある痛ましい事件に関することだ。犠牲者となった美しい少女ケリーをもっとも身近に見てきたベンが、ほろ苦い初恋の回想と共にたどりついた事件の真相は、誰もが予想しえないものだった!ミステリの枠を超えて迫る犯罪小説の傑作。

001 死の記憶 (文春文庫)
Mortal Memory

1999/05/07読了

「BOOK」データベースより
時雨の降る午後、9歳のスティーヴは家族を失った。父が母と兄姉を射殺し、そのまま失踪したのだ。あれから35年、事件を顧みることはなかった。しかし、ひとりの女の出現から、薄膜を剥ぐように記憶が次々と甦ってくる。隠されていた記憶が物語る、幸せな家族が崩壊した真相の恐ろしさ。クックしか書きえない、追憶が招く悲劇。



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