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内田樹 UCHIDA TATSURU 既読書籍

004 下流志向 003 寝ながら学べる構造主義
002 「おじさん」的思考 001 街場のメディア論



1950年東京都生まれ。1970年東京大学教養学部文科III類に入学、卒業。旧東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。フランス文学者、武道家、翻訳家、思想家、元学生運動家。2001年初めての単著となる『ためらいの倫理学』を刊行。(Wikipediaより引用 2022年)


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004 下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち (講談社文庫)
2007年に単行本として発刊された本で、2009年に文庫化されました。イメージ的には新書なのでしょうが、なぜか単行本→文庫の流れで発刊されています。

内容は著者が講演したセミナーの内容をまとめたもので、様々な本や自分が勤める大学の学生を見てきて、自分なりの分析と感想を述べたもので、「学ばない子供」や「働かない若者」をどうにかしたい!っていう実用書として役立てるものではありません。

ズバズバと斬って斬りまくる相変わらずの内容ですが、決して古今東西老人が若者に対して抱く「最近の若者は・・」といった愚痴ではなく、具体的な(極端な)例をひとつひとつあげていきながら、現代の(一部の)若者達が陥ってしまっている問題を指摘していきます。

中でも注力しているのは「今の若者は子供の頃からすべて物事を自分に決定権がある消費者の意識として考える」傾向にあり、したがって、例え親や友人が「間違っている」と言い聞かせても、本人は自らが消費者意識なので「自らで決めたことなので間違っていない」という錯覚に陥ってしまうということ。

つまり学校で真剣に学ばないのも、社会に出ても積極的に働かないのも、それらは自分が決めたことで、それが自分にとって合理的で最善だと信じこんでいることが危険だということです。そしてそこに様々な格差が生じてしまう社会になってきたとも言えます。

格差社会とは決して今に始まったわけでもなく、戦前にはれっきとした身分制度があり、性差や納税額の多寡によって政治家を選ぶ選挙権があったりなかったりしました。戦後の高度成長期においても、また一億総中流と言われたバブル時代においても歴然とした格差は常に存在してきました。

失われた20年と言われたバブル期以降に流行語となった「勝ち組と負け組」、「情報弱者」、「ワーキングプア」、「(悪意を持って言われる)ゆとり世代」などは現代の格差の象徴とも言えるものでしょう。

しかしこの本でいう格差は、自らの意志で、役に立たないと判断して学ばない、働かないという自分にとっては最善の道を選択した結果において新たな格差を作っていくという流れができてしまっていることを懸念しています。

章立ては大きく「学ばない若者」「働かない若者」を中心に、なぜそのようになってのか?を分析していきます。タイトルにあるように、自らの意志で「勉強せず」「働かず」、上を目指すことは本意ではないという若者が増えてきた社会に警鐘を鳴らしています。

ところどころに理解ができない(私の能力の問題)ところもありましたが、社会や教育のゆがみを痛烈に批判している内容です。

4月後半の読書と感想、書評 2014/5/7(水)

003 寝ながら学べる構造主義 (文春新書)
街場のメディア論」や「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち」など、社会の流行をバサバサと切る歯に衣着せぬ言論でお馴染みの著者ですが、その代わりに敵も多そうで、Twitterなどではよく非難の的となったりしてよく話題に上がっていたりします。

この本は2002年に発刊されたものですが、いかにも難解そうな思想哲学「構造主義」について、気楽に読んでも理解ができそうに工夫して書かれています。本は漫画しか読まないという人には無理かも知れませんが。

「構造主義」とは一言で言えば、、、と書こうと、Wikipediaを読んでみてもさっぱりわかりません。「狭義には1960年代に登場して発展していった20世紀の現代思想のひとつである。広義には、現代思想から拡張されて、あらゆる現象に対して、その現象に潜在する構造を抽出し、その構造によって現象を理解し、場合によっては制御するための方法論を指す言葉である。」とこんな調子です。

入り口でこれですから、興味がなければさらに深く突っ込んで学ぼうとは思いません。

本書ではそういう難解な説明は極力排除されているとはいえ、いきなり読むとやはりついて行けません。特に「寝ながら」読むとそのままぐっすり寝込んでしまいます。

マルクス、フロイト、ニーチェ、フーコー、ソシュール、バルト、レヴィ-ストロース、ラカンなど思想家達のこと、構造主義が出来上がってきた歴史的背景、その他関連する逸話など、寝ながらではとても理解できませんが、最低限の教養というか身だしなみとして知っておくことができるかもしれません。

巻末のあとがきに書かれていた「レヴィ=ストロースは要するに『みんな仲良くしようね』と言っており、バルトは『ことばづかいで人は決まる』と言っており、ラカンは『大人になれよ』と言っており、フーコーは『私はバカが嫌いだ』と言っているのでした。」というまとめが象徴的でした。

5月前半の読書と感想・書評 2013/5/18(土)

002 「おじさん」的思考 (角川文庫)
内田氏のことはTwitterで知り、以前に「街場のメディア論」を読み、面白かったので続いてちょっと古いものの2002年に出版された同書を読みました。基本的に内田氏のブログにはほぼ同様のことが書かれていてそれは無料で読めるそうですが、ちゃんと文章のプロの編集者が入り、しかも寝っ転がって読める書籍のほうが私には合っていてお金を出す価値があります。

前半の「正しいおじさん思想」や「老人社会に向けて」あたりについては独特の歯に衣せぬ論説でたいへん面白く読むことができましたが、後半のいきなり、「純文学をもっと読むべし」と説教したかと思うと、最後の70ページは夏目漱石の小説の内田氏独特の解説に終始します。

しかし

『私たちを惹き付ける物語のコアには、ほとんど必ず「それが意味するものの取り消しを求めるシニフィアン」が空虚な中心として運動している。ポウの「盗まれた手紙」における「盗まれた手紙」、狂言の「附子」における「附子」、ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」におけるジョージ・カプラン・・・ヒッチコックが「マクガフィン」と名づけたそれらの「物語を起動させる」シニフィアンと同じ機能を「こゝろ』の「先生」は果たしている。』

のような分析と解説をされても、そうそう理解できる人はいそうにもなく、無駄にページを費やしているとしか思えません。私だけかもしれませんが。

この文庫は2002年に単行本として発刊されたもので、中のエッセイは主に20世紀中に書かれたものが多く、もちろん今でも新鮮に読めるのも多いのですが、文庫としては新刊で中身も見ず飛びついてしまいましたが、さすがに10年以上前のエッセイだと思っていたものと違い少々ガックリでした。

10月後半の読書 2011/11/6(日)

001 街場のメディア論 (光文社新書)
この「街場の・・・」新書はシリーズ化されていて、このシリーズは大学での講義を元に書き起こされたものだと前書きにあります。

したがって内容的には大学生向けなのですが、読んでみるといやいやレジャー気分で登校している大学生などにはもったいない、たいへん中身が濃くて興味を喚起されるものです。

同様にマスメディアを批判した佐々木俊尚氏の「2011年 新聞・テレビ消滅」とは違い、システム的なものではなく、メディアの中にこそ問題が堆積していることを学生向けにわかりやすく解説していきます。この点はジャーナリストと学者との違いを感じるところですが、私にはこの街場のメディア論のほうが納得感を強く得られました。

この内田樹氏は、著作権についても他の多くの学者や著作権者、出版社とは違った考えを持っておられ、氏の書いたものは、事前の断りや、出典の記載など必要なく、自由に引用でも盗用でも使ってくださいという考え方です。

全然別の機会に、ある有名作家氏がTwitterで「私は書き下ろし小説が多いので、新刊本をすぐに図書館で買われ貸し出しされるときつい」という意味の書き込みがありましたが、それにもまったく反する考え方をこの本で述べています。

まぁ、両者の言い分はそれぞれに理解できますが、少なくともWebに上げたものは、無償、引用や個人の利用は自由というのは私も大いに賛成です。内田氏のように盗用して勝手に別人の名前で発表してもOKとは言いませんが。

地震学者であり、いち早く原発事故による放射能汚染地図を公開してきた早川氏もTwitterで「日経のWebサイトはコピーペーストができないようになっている。報道機関としてあるまじき行為で、所詮金儲けしか考えていないのだろう」と発言されていましたが、まったくその通りで、そういう体質が近いうちに崩壊する前兆なのだろうと思います。

8月後半の読書 2011/9/4(日)



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