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リストラ日記アーカイブ 2015年3月
読みやすいようにアーカイブは昇順(上から古いもの順)に並べ替えました。上から下へお読みください。

日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです
901 2月後半の読書と感想、書評 2015/3/4(水)
902 イボを取る 2015/3/7(土)
903 私の想像を超えるビジネスマナー崩壊 2015/3/11(水)
904 金持ち道楽な燃料電池車への補助金は税金から 2015/3/14(土)
905 3月前半の読書と感想、書評 2015/3/18(水)
906 トクホが売れるわけ 2015/3/21(土)
907 派遣法改正三度目の正直なるか? 2015/3/25(水)
908 本当に住みよい街とは 2015/3/28(土)

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2月後半の読書と感想、書評 2015/3/4(水)

901
和菓子のアン (光文社文庫) 坂木 司

著者の作品はデビュー作「青空の卵」(2002年)や「ワーキング・ホリデー」(2007年)を読みました。いずれも面白かったので、この作品にも大きな期待を込めて読みました。

この作品は2010年単行本、2012年に文庫化された連作短編小説で、「和菓子のアン」「一年に一度のデート」「萩と牡丹」「甘露家」「辻占の行方」の5編が収められています。

すぐにでもテレビドラマ化できそうな内容で、太めでパッとしない高卒したばかりの若い女の子がデパ地下の和菓子屋さんでアルバイトを始め、そこで店長や同僚からいろいろな和菓子のうんちくや成り立ちを教えられ、また様々な客との接客を通じて成長していく姿を描いています。

タイトルは2014年のNHK連続ドラマの「花子とアン」からではなく、和菓子といえばアンコで、そこから同僚に付けられたニックネームということです。

真保裕一、新野剛志、荻原浩、柴崎友香、三浦しをん、有川浩の各氏などがよく描くいわゆる「お仕事小説」のひとつとも言えますが、ごく身近なところにある和菓子店という点に興味が惹かれます。

例えば「洋菓子はあんなに華やかなのに和菓子はなぜ地味なのか」、「同じものでも季節や場所によって名前が変わる」、「新暦と旧暦双方に必要な季節菓子」、「温度や湿度管理が必要な和菓子」など役に立つネタも豊富です。

最後の解説にくどく書かれている通り「これまで洋菓子派だった人も必ずや、地味だけど滋味掬すべき味わいがある和菓子の魅力に開眼すること確実。美味しくってためになる、本書は多幸感に満ちた物語」だと思います。

あー水無月と桜もち(道明寺タイプの)食いてー!

著者別読書感想(坂木司)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

リフレはヤバい (ディスカヴァー携書) 小幡績

2013年1月刊ですので2年前の新書と言うことになります。負け惜しみで言うと、こうした本は発刊から少し経ってから読む方が、その内容に信憑性があるのかどうかがリアルにわかったりするのでいいかも知れません。

著者は東大を首席で卒業し大蔵省、その後アメリカへ留学という超のつくエリートさんで、負け惜しみで言うとハッキリ言って大嫌いなタイプです。

好き嫌いはともかく、発刊当時にはこの本は騒がれました。

たいして偏差値が高くないお金持ちの坊ちゃま専用の私立大学卒で、アメリカへの大学留学も1年で中退して帰ってきた安倍総理が選挙で大勝ちし旗を振る人気沸騰中のアベノミクス政策の根幹を揺さぶる内容が、東大→大蔵省→ハーバード大の超のつくエリートさんが書いたものですから。

今回アベノミクスが目指しているリフレ政策というのは(1)インフレターゲットを作り(2)マネーの大量供給をおこない(3)「インフレ上昇期待」を働きかけ(4)日銀法改正をおこなうというものですが、著者は「日本の経済に必要なのは構造改革である」「財政政策・金融政策で解決するものではない」というのが主張で、リフレ政策について様々な問題点と批判が書かれています。

特に最近は円安が進んだことで、トヨタやホンダ、パナソニックなど大手製造業(海外輸出がメインでドルで商売している事業)が大儲けをしていて景気がいい話しがよく出てきますが、まさにその問題点についても書かれていて、また株価上昇では経済がよくならない理由についても書かれています。

例えばインフレになっても賃金が上がらないというのは、上記のような大企業以外の9割以上の人が勤める中小零細企業の内情は厳しく、まさに昨年2014年は物価上昇を考慮した実質賃金では前年比2.5%減というリーマンショック後の2009年に匹敵する酷い状態です。政府や政治家が言う賃金上昇も大企業や公務員に限定されていて、その他の多くはますます貧乏になっていっています。

逆に円高でこそ国富が増大し、ドル思考で戦略を考えるべきと、もっともな話しが続きます。

まだ鈍い私の頭の中ではちゃんと整理できていませんが、いちいちもっともな話しで、経済や外国為替等に明るくなくても、説得力あるわかりやすい内容で、2年前に大きなショックを与えたことがわかります。しかし今ではこの本の主張がすっかり忘れられてしまった感があるのは残念というか、日本人の楽観的忘却思考がまた発揮されているのかなと思ってみたり。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

屍者の帝国 伊藤計劃×円城塔

2007年に「虐殺器官」でデビューし、その後「ハーモニー」発表直後の2009年に34歳で亡くなった伊藤計劃が、次作として書き残したプロローグを元に、よきライバルでもあり作家デビュー同期生の円城塔が本編を書き起こした作品で2014年7月(文庫版は11月)に発刊されました。

ちょっとややこしそうな設定ですが、読み始めるともう止まりません。多少は世界の名作シリーズの知識がないとその面白さが一部失われてしまうのかもしれませんが、気にしないで読むことも可能です。ただしグロが苦手な人は読むのがつらいかも知れません。

ネタバレも甚だしいですが、おおまかなあらすじを書いておきます。あらすじを知っているからと言っても、この本の楽しみが少しでも奪われるなんてことは絶対にないのでご安心ください。

時は19世紀終盤、英国の若き医師ジョン・ワトソン(アーサー・コナン・ドイル著の「シャーロック・ホームズ」の相棒)は政府の秘密機関(表向きはユニバーサル貿易で責任者はMというからイアン・フレミング著の「007ジェームズボンド」の世界です)に呼び出されます。

ヴィクター・フランケンシュタインにより実用化された死者を電気で蘇らせる技術、つまり死体をフランケンシュタイン化(メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン 」)することに成功し、世界はその「生きる屍者」を増産することで、単純労働や兵隊など使役として使うようになっています。

当時は大英帝国と帝政ロシアで世界の覇権を争っていた時代で、その代理戦争としてアフガニスタンで戦争(1878年〜1881年)が起きています。

その英国が統治しているインドの隣国アフガニスタンで、生者と変わりない動きをする新種の屍者がいるらしいと言うことで、ブラム・ストーカー著の「吸血鬼ドラキュラ」で吸血鬼ハンターとして登場するヴァン・ヘルシング教授から教えも受けたワトソンが密命を帯びて派遣されます。

インドではリットン伯爵(実在したインドの総督)の庇護をうけ、元アメリカ大統領で、退任後は民間軍事企業ピンカートン社にいるユリシーズ・グラント(これも実在)や、レット・バトラー(マーガレット・ミッチェル著の「風と共に去りぬ」)やミス・ハダリー(ヴィリエ・ド・リラダン著の「未来のイヴ」)らと接触、屍者製造の基礎研究資料が流出したロシア帝国の技術者などとともに、新型屍者の製造がおこなわれているアフガニスタンの奥地へ向かいます。

そこで新種の屍者の帝国を作っていたアレクセイ・カラマーゾフ(ドストエフスキー著の「カラマーゾフの兄弟」の三男)が、シベリア流刑から救い出した兄のドミートリイ・カラマーゾフを屍者として生き返らせて一緒に住んでいます。そしてワトソンを待っていたと言い、知っているすべての話しをして、その後屍者化する霊素導入を自分におこない自殺します。

天才科学者ヴィクター・フランケンシュタインが生み出した最初の屍者「The One」と呼ばれる最初に作られたフランケンシュタインと屍者を作るにあたって重要なことが書かれている「ヴィクターの手記」が日本に渡ったという情報を得て、鎖国を解いて間もない明治時代の日本へワトソンらが向かいます。

グラントなどは富国強兵に力を入れている日本で、「The One」をおびき寄せるため、明治天皇とグラントとの会見(1879年に実際におこなわれている)の場を作るが失敗。その責任を英国になすりつけようとレット・バトラー、ハダリーのコンビがワトソンを罠にかけます。

罠を見破り切り抜けたワトソンはレット・バトラーが所属しているピンカートン社の船に同乗し、アメリカプロヴィデンスへ渡り、いよいよ「The One」と対決します。The Oneは自らを「種の起源」で有名なチャールズ・ダーウィン名乗ります。密かに後を付けてきていたルナ協会の手で「The One」捕獲に成功、英国に戻るため、ジュール・ヴェルヌの小説「海底二万里」に登場するノーチラス号が登場。

ふぅ疲れた。そしていよいよクライマックスへ突入していきます。あとは読んでね。

しかし円城塔氏もとんでもない壮大な小説をよく引き継いで書いたものだと感心します。故人もきっと多少は戸惑いつつも喜んでいることでしょう。

著者別読書感想(伊藤計劃)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

三匹のおっさん (文春文庫) 有川浩

2009年に単行本、2012年に文春文庫と2015年に新潮文庫で発刊されています。すでに第2弾の「三匹のおっさん ふたたび」も発刊され、昨年2014年には北大路欣也や泉谷しげる出演でテレビドラマ化もされていました。連作短編形式で書かれているので、テレビの連続ドラマには最適っぽい感じです。

要はこれ、団塊世代の多くが還暦を迎えた今から6年ほど前に、その団塊世代のリタイア後にスポットを充てた団塊世代ウケする還暦ヒーロー物ですね。

と思っていたら、団塊ヒーローの孫や子供の恋愛などもうまく折り込み、青春熱中ど真ん中ドラマもうまく混ざっているので、若い人が読んでも十分に楽しめそうな内容です。

そうでないとどうしても重松清氏の団塊ヒーロー小説っぽく「昔はよかった」「今でも俺たちは元気だぞ」的なやや暗めの話しで終わってしまいますからね。

内容はサラリーマンを60歳定年で引退したり、飲食店の経営を息子に譲り渡したりして暇ができた昔の悪ガキ仲間3人が、夜回りをしたり、困った人を助けたりすると言うストーリーで、それに妻や孫、娘などが関わってくるという勧善懲悪物語です。

特にこれといった特徴はありませんが、暇つぶしにはちょうどいいライトな連作短編形式の小説です。若い人にとかく邪魔者扱いされる中高年者の気持ちや感覚を少しでも知ってもらえるといいですね。

著者別読書感想(有川浩)


【関連リンク】
2月前半の読書 赤猫異聞、殺人鬼フジコの衝動、モップガール、 「意識高い系」という病
1月後半の読書 殺し屋ケラーの帰郷、模倣犯(1)〜(5)
1月前半の読書 羊の目、シティ・オブ・ボーンズ、日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率、ボトルネック、銀の匙
リス天管理人が選ぶ2014年に読んだベスト書籍


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イボを取る 2015/3/7(土)

902
極めて個人的なことですが、首筋に小さなイボ(疣・いぼ)がポツポツとできはじめたのは2〜3年ほど前で、ほっておいても自然に乾燥してとれちゃうかなと楽観視していたら、それがいよいよ大きく育ってしまい、目立ちにくい場所とはいえ、このままじゃ格好も悪いし、シャツの襟でこすれると痛いしということで、イボを取りに意を決して皮膚科へ行ってきました。

イボ首筋にはその割と大きめのイボと、まだ直径1mmぐらいの小さなものが2つほどがあり、それ以外に散髪屋で固い櫛で地肌を梳かれるときに引っかかり「イテテ」となり、「ありゃ、ここにイボができてますねぇ〜」って教えられ、首筋のとは少し違うタイプのイボが頭頂部と後頭部に都合3箇所できていることが判明しています。

こんなにイボが集団でできるのは初めてのことで、おそらくは加齢と長年粗雑に扱ってきた皮膚の老化が原因だと思いますが、普段は触らなければ痛くもかゆくもないだけに、ついついほったらかしていました。

イボについて調べると、首イボというのもあり割とポピュラーな病気のようですが、できる場所は人によって手や足、顔、お腹、背中などそれぞれのようです。つまり全身どこにできても不思議ではなさそうです。

またイボと言ってもいろいろな種類があるらしく、市販薬を塗っておけばなんとかなるものもあれば、ちゃんと治療を受けないと取れないものもあるようです。また病院も、イボの治療は基本的には皮膚科ですが、中には整形外科や内科でも治療をやってくれるところはあるようです。それほど一般的ということなのかも。

イボができる原因としては、ウイルス感染というのがもっぱら多いそうですが、遺伝や感染経路など発症する特定は難しいらしく、したがって予防できることは少なく、イボができてしまってからの対処療法しかないのが実際のところです。

私も少し前にイボに効くと言われている健康食品の一種「ヨクイニン錠剤(ハトムギ)」を1年ほど試してみましたが効果はなく、結局どんどんと成長を続けてしまい、今に至ってわけです。

で、イボの治療法ですが、皮膚科にかかる前に調べてみたところ、
(1) 塗り薬や内服薬
(2) 液体窒素で冷凍療法
(3) 炭酸ガスレーザーで切除
(4) 外科治療(メスで切除)
などがあり、近年多いのは(2)と(3)とのこと。(1)以外はどれも痛そうで気持ちが萎えそうです。

しかしそこは高い健康保険を何十年と支払い続けながら、風邪ひとつひかずに、ほとんど病院にはかかってこなかった故、たまには使わないともったいねぇとケチ臭い動機も手伝って近所にある小さな皮膚科専門病院へ。

病院を探したり選ぶ際にはネットの病院のホームページが役に立つわけですが、残念ながら郊外の個人病院レベルでは、10年前に作って一度も更新していない?って感じの情けないぐらいにプアなものだったり、それすらもなかったりする病院も結構あります。

ホームページがない病院も検索できる?

Google先生に「○○市●●区&皮膚科」で聞いてみると、地図でちゃんと所在地と名称を示してくれるので便利です。そしてホームページのない病院に関しても、「お医者さんガイド病院検索」など、病院情報サイトで診療時間など調べることも可能です。

患者というか顧客の立場から言わせてもらうと、やっぱりキチンとしたホームページがあって、診療曜日、時間、治療設備、得意な治療科目、担当医の経歴や専門、治療方針、地図やアクセス方法、駐車場の位置などが、画像を使いながら綺麗にまとめられていると安心感が断然違います。

未だに権威丸出しで、出身大学や海外留学経験、著書や勤務してきた大学病院ばかりが列挙してある、なにか勘違いしている医者もいますが、郊外の住宅地にあるような個人病院や小さなクリニックではそれらは求められてません。どこの学校を出てきたかではなく、得意な専門分野と経験年数、地域の中でどういう医療をしたいかが重要でしょう。

さて、近所には幸か不幸か皮膚科の専門病院は1軒しかなく、土曜日の朝1番で向かいました。こうした病院は9時診察開始ならその30分ぐらい前から受付が始まっていて、診療開始時間に行ったのではすでに満員ということがよくあります。

そこで初日は診療開始の15分前に病院へ到着すると、あらま、もう10人ぐらいが先に来ていて待合室が混雑しています。そう言うこともあろうかと、文庫本と狭い待合室で風邪などうつされたら困るのでマスクまで持っていきましたが正解です。

初診の基本データを書いて本を読んで待っていると、30分ぐらいで呼ばれました。様子をうかがっていると、診療はなしで薬だけをもらう人や、5分とかからず診療が終わる人もいて、割とスムーズに順番が回ってきました。

そして私の診察では、頭頂部と首筋のイボをみて、「まずは冷凍療法でイボを焼きましょう」「この治療は1回2回で終わることは少なく何度か通ってもらうことになる」「頭頂部のイボは小さいのですぐに取れると思うけど、首のほうは少し時間がかかるかも。どうしても取れなかったら切る方法も考える」とのことです。

その場ですぐに小さなポットの中に入っている冷凍窒素で冷やした綿棒やピンセットでイボを焼いていく感じです。

痛い?

ピリッとして熱いというか痛いですが、我慢できないほどの痛みではありません。特に首筋の場合は耳が近いので、ドライアイスのようなものでチリチリと皮膚を焼くような音が間近に聞こえるのはちょっとつらいです。あと終わった後もしばらくジンジンと痛みが残ります。

ケーキなど生ものを持ち運ぶときに入れるドライアイスは二酸化炭素を液化して凍らせたもので、昔はそれが治療に使われていたそうですが、保管や扱いの容易さから、今ではマイナス150度程度の液体窒素を凍らせたものが使われています。

それをイボに押しつけて瞬間冷凍し、イボの組織を死滅させ、やがてはその部分がかさぶたのようになって自然にはがれ落ちるというのが冷凍治療です。

で、とりあえず初回は大きめの2箇所(首筋と頭頂部)を治療してもらい、かかった時間は最初に症状の説明や患部を見せたりする時間も含めても10分程度と極めてスピーディ。治療は1〜2週間おきに来てくださいと言われました。

その1回の治療で頭頂部にあったイボは洗髪中に痛くも何ともなくポロッとはがれ落ちてなくなりました。ただ首筋の大きめのイボは少し小さくなったもののさすがにダメです。同様に3回目に焼いてもらった首筋の小さなイボも2回ほど処置すると、もうほとんど突起がなくなりました。

その後何度か通い(現在合計5回治療)、小さなイボはすべてやっつけてもらいましたが、どうも首筋の大きめのイボは、半分ぐらいの大きさまで小さくなりましたが、かたくなにまだくっついていて、はがれ落ちてくれません。さてどうしよう。医者はもうしばらくこれでやってみましょうとのこと。

悪いことは言いません、もし小さなイボでもできたら、大きくなる前に皮膚科へ行ってちょっと焼いてもらうと早く綺麗に取れますが、大きく育ってしまうと長引くし何度も痛い治療を受けなければなりません。


【関連リンク】
759 糖質ダイエットについての備忘録その1
738 日本人の年齢別死因は
737 日本人が罹りやすい病気


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私の想像を超えるビジネスマナー崩壊 2015/3/11(水)

903
年寄りの愚痴のひとつに違いないのですが、最近思うことに若者の仕事に対する姿勢がずいぶん変わってきたなと感じることがよくあります。

例えば、自分の所属する部署とは別のところでなにか問題が起きていて、それを教えてあげる、もっと直接的に注意をしてあげる場合、直接会って話す場合と、それほど緊急性もなく軽い場合はメールで伝えておくということがあります。

メールで伝える場合は嫌みや誤解を生じないようにと、明らかな間違いでも、限りなく低姿勢で「できれば○○しておいたほうがいいんじゃない?」と注意というか、気をつかって丁寧な書き方をするわけですが、それに対する真摯な返答どころか、返答すらこない。酷いときは無視。

メールを送った場合、忙しくてメールを読んでいないかな?と思ってしばらくしてリマインドすると、面倒くさそうに、なにやら訳のわからない言い訳をメールにダラダラと書いてくる。これが一人や二人のことではなく。

青臭い言い訳だけなら、若気の至りとも思えるのですが、その言い訳に続いて、わざわざ他人の同様の間違いを探し出してきて、「あれはどうなんだ?」「これも違っているじゃないか?」と変な理屈をこね回し、必死に自分のおこないを正当化しようとしてみたり、「不可抗力なんだから文句言うな!」と抗弁してくる。

そうじゃないだろ?

ビジネスマン確かに私(現57歳)の若いときには、年功序列・終身雇用が当たり前で、上司や先輩の言うことは絶対で、それが間違っていようとも、いちいち反論や抗弁なんて許されない環境だったし、そうやって仕事の厳しさやビジネスのマナー、常識(時には理不尽と思うようなことも)を身をもって覚えていくという、今の若い人からすると「ナンセンス」の一言で済まされそうな古臭いやり方だったことは事実。それを懐かしんでるのでも求めているわけではない。

しかし、いつの時代でも先輩や年長者に対する最低限のマナーや礼儀は失っちゃいかんだろ。ましてビジネスマナーを(やんわりと)注意してやってるんだからちゃんと聞けよな。

ビジネスの基本で言い尽くされている「報・連・相」は、そうした先輩達にたたき込まれてきたものだ。やがて自分の年代が上がっていくにつれ「報・連・相」を「する」立場だったのが、「される」立場になってきて、自分の役割が変わってきたことを実感していくことになる。

少なくとも最高学府で高等教育を受けて会社に就職した人なら、そうした基本的なビジネスマナーや礼儀を理解できない人はいないものと思っていたのですが、最近それに自信がなくなってきました。

そうしたことが自然には出来ない、する気もない人は、本来なら成績や成果のみで判断されるスポーツで身を立てたり、芸術家になったり、あるいはずっと甘えたままでいられる家業に就いたり、それともオレ様が大将と起業したりすればいいのです。あとは親や兄弟にずっと養ってもらうニートになるという道もあります。

少子化が進み、両親からも、先生からも、果ては会社の上司からも甘やかされて育ってきたと思われる今の多くの20代30代は、他人との関係では「敵か味方か」「得か損か」の判断しかしていないような感じで、会社においてはそれを応用して「自分の評価に影響がある人か、それとも関係ない人か?」の判断基準になっているようです。

そういう自分の評価や利益に関係するところにしか気配りが出来ない、頭が働かないというのは、ビジネスマンとしてどうなんでしょうかね?そしてそういう人に限って、人事考課の自己評価欄には「人から信頼され、与えられた仕事はきっちりとできている」とかきっと書いているのでしょう。ちゃんちゃら可笑しいわ、愚か者め。

そうやって自分の損得だけで行動を決めている人間が世の中に増えていくと、会社はもちろん、結果的には社会はますます荒廃していき、住みにくい社会になってきます。

東電の社長や会長が、自分や自分の家族が決して放射能の高い場所で決死の作業をすることはないことを知っているからこそ、放射能が漏れようが建屋が爆発しようが、修復に時間がかかろうが、汚染水を海に垂れ流そうがどうでもよく、要は会社の安泰と、自分の収入と天下り先がちゃんと確保できればそれでいいと考えて行動するのとなにも違いはありません。

同じ企業の中で、誰も悪意をもって人に注意やミスを指摘をするわけではなく(たまにそう言う人もいるのかも知れませんが)、みんなでよくしようと考えてやっていることだと、どうして素直に受け取り、注意してくれた相手に感謝できないのかまったく謎です。

人から注意をされたら「まず一度は無視する」「言い訳を考える」「同様のミスをあげつらい自分を正当化する」というような教育が若い人に向けて密かにどこかで行われているのではないかとちょっと勘ぐってしまいそうです。


【関連リンク】
848 同意を求められる会話
775 光陰矢の如し
767 若者の離職の原因は単なるミスマッチなのか?


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金持ち道楽な燃料電池車への補助金は税金から 2015/3/14(土)

904
昨年の暮れには国内量産型としては初の水素を燃料として電気で走る燃料電池車MIRAIが発売され、今年中にはホンダも同方式の量販車の販売が予定されています。

公害問題が深刻になってきた60年代後半以降、自動車メーカーは主として排気ガス浄化のための環境性能に力を入れてきました。それが48年(1973年)規制からほぼ毎年実施されてきた排ガス規制で、順次強化されてきた歴史があります。

特にアメリカのマスキー法を取り入れた50年(1975年)及び51年(1976年)規制のCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)を従来の1/10以下にするという基準はハードルが高く、その頃に発売された新型車はパワーが激減してスポーティモデルが壊滅、余計な装備を付加するため重くなり、「パワーがない」「重い」「走らない」の三重苦とおまけに価格も上昇と散々でした。

しかし高度成長期にあった当時の自動車技術者が死に物狂いで研究し、そのアイデアが結実し、また技術的な発展と進歩もあり、暗黒時代は5年ほどで無事に脱し、世界に冠たる技術力を見出せたのもこれらの試練があったからこそと言えます。

そして今では電気自動車やこの燃料電池車など、ゼロエミッションをうたい文句にした無公害車が登場し始めています。

今回の新しい技術の量販型燃料電池車はどうでしょうか?

こうした新しい技術を使ったクルマの登場時には問題点はつきもので、水素や水素ステーションの供給体制、耐久性・安全性の検証、量産によるコスト削減効果、革新的技術の登場など、まだ不確定要素の部分も多く、普及については未知数のところも多くあります。

しかしいわゆるアーリーアダプターの先進技術に飛びつく新しもの好きな人は必ず一定数はいるので、トヨタ・ホンダの新型車はそこそこは売れることになるでしょう。ちなみにMIRAIの今年度生産台数はわずか700台、来年2016年でもたった2000台の予定です(プリウスは国内販売だけで2014年約18万台)。

しかし1997年に発売開始された量販型ハイブリッドカーの先駆者プリウスのように、従来のガソリンを使って電気でも走ることが出来るという従来技術の延長線上にあるクルマとは違い、特殊な用途以外には今までになかった水素エネルギーを使うだけに、今後一気に普及していくかはまだわかりません。つまり燃料電池車普及に関しては、不透明な部分がまだあるってことです。

その不透明な技術革新?車を普及させるため、700万円を越す燃料電池車に国は225万円※もの税制優遇や補助金(税金)を出すことを決めています。それに加えて東京都では101万円の補助金(税金)を出すことを決めている他、他の多くの自治体でも100万円前後の補助金を出す計画があるそうです。

MIRAI

※ MIRAI車両本体価格7,236,000円
※ 税制優遇策+補助金(国)+補助金(東京都) 合計3,352,900円(車両本体価格の46%もの優遇策)
 (税制優遇、国の補助金内訳)
 エコカー減税
  ・重量税・・・30,000円
  ・自動車取得税・・・180,900円
 自動車グリーン税制
  ・自動車税・・・22,000円
 CEV補助金・・・2,020,000円

なんとまぁ、大判振る舞いですねぇ。

他の多くの新型車にも適用されているエコカー減税やグリーン税制はもちろんMIRAIにも適用されますので、すでにエコカーとしては優遇されています。さらに燃料電池車というだけでCEV補助金(クリーンエネルギー自動車等導入対策費補助金)をプラスして数百万円もの補助金(=税金)が出るなんてキチガイ沙汰としか思えません。

ちなみにこれらの優遇税制や補助金(税金投入)で得をするのは購入者と大メーカーだけです。

この車両本体価格が700万円を超える贅沢なクルマを買おうとする人は、日々の生活費が不足して汲々している人や、正社員になかなかなれないでいる非正規労働者でもなく、ましてや(預金の少ない)年金生活者でも、子育てと仕事を両立させるために子供の送り迎えや通勤用の車を買うシングルマザーでも、地方に住みバスや電車の本数が減ってしまい、クルマがないと生活が成り立たない人達ではありません。

生活に十分余裕があり、車が好きで、希少価値のある新しい物好きな人ならば、そうした補助金や税制優遇などしなくても、買う人は買うし、買わない人は買いません。1千万円を越すフェラーリやポルシェの新車が、補助金やエコ優遇税制がなくても年に数千台売れますが、それと同じで補助金のあるなしでそれらの売れ方が大きく変わったりしません。

そして製造するトヨタの今期(2015年3月期)の営業利益予想は2.7兆円という莫大な利益を出している会社で、そのさらなる利益(先行投資)やPR活動につながる補助金(しつこいけど税金)を出してやる意味がよくわかりません。

消費者のために出すのだというのであれば、新車であろうとなかろうと、またエコカーであろうとなかろうと共通して補助金(または減税)すべきで、こうした資金に余裕のある大メーカーでしか作れない燃料電池車に出すというのであれば、それはその特定の大メーカーのために税金を投入してやっているということです。

特に古いクルマを大切に乗っていると、エコカー減税などが受けられず、様々な新車買い換え特典ばかりで、モノを大事に使って長持ちさせ、廃棄物をできるだけ少なくしようとする精神に反することをしてまで、大メーカーの売上拡大につながる施策ばかりをやってくれます。

水素ステーション百歩譲って今後は脱炭素社会、水素エネルギー社会を作っていこうという政策があり、国民や市民の税金を使ってなにかしたいのならば、減り続けているガソリンスタンドへの水素供給施設の建設補助や、集合住宅用、または家庭用燃料電池装置の設置補助というのならばまだ理解できます。

トヨタやホンダに間接的に税金をつぎこむよりも、地元の中小零細企業が多いガソリンスタンド事業者や一般家庭にまわすほうがずっと効率的で理にかなっています。

各地にあって災害時などでは避難所としても機能する道の駅などにも水素ステーション設備を設けたり、水素ステーションには必要な高圧ガス製造保安責任者の雇用補助とかをすればいいのです。

MIRAIを買うと3百万円もお得!って言うのは、つまりは「1台につきみんなの大切な3百万円の血税が、裕福な特定の購入者とそれを作ったメーカーのために使われるのだ」ってことをよく理解しておく必要があります。先行き不安で明るいMIRAIなどない私にはどうしても割り切れませんが。


【関連リンク】
891 昨年の自動車販売データ
864 衝突安全性テストについて
863 マイカーを軽自動車に買い換え


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3月前半の読書と感想、書評 2015/3/18(水)

905
夏の庭―The Friends (新潮文庫) 湯本香樹実(かずみ)

この本は著者のデビュー作で1992年(文庫は1994年)に発刊され、1994年には相米慎二監督、三國連太郎などの出演で映画(夏の庭-The Friends-)も制作されています。

小学3年生の男の子3人が、死んだ人をみてみたいという興味本位で、今にも死にそうだと噂されている1人住まいの老人を家の外から観察するところから始まります。

そうした少年達が主人公の流れから、スティーヴン・キングの「スタンド・バイ・ミー」みたいなものかなって思いながら読み進めました。また重松清氏の小説にもこうした小学生が主人公の冒険譚もよくありますね。

やがて少年達と老人とがうち解けることができ、一緒に庭の草むしりをして花を植えたり、壊れた家を修復したりしつつ心から理解し合える関係となっていきます。そして老人から様々な話しを聞くことになります。

老人が婚約者を置いて太平洋戦争へ出征したこと。南方の島で飢餓に苦しめられる中、逃げ出した住民を殺してしまったこと。そのことを引きずり帰国してからもその婚約者の元には帰れなかったこと、など。

なるほど、児童文学でもあり、翻訳されて世界十数カ国で出版されたという作品らしく、なかなか情緒あるいい作品に仕上がっています。映画ではストーリーが原作とだいぶんと違っているようです。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

マリアビートル (角川文庫) 伊坂幸太郎

この小説は2007年に文庫化されすぐに読んだけど、なにがなんだかよくわからなかった小説「グラスホッパー」(2004年)の続編で、2010年に単行本、2013年に文庫化されています。

さすがに8年前に読んだ記憶は老化という以上に後から後から上書きされてきて消耗が激しくほとんど覚えてきませんが、鯨や蝉などあだ名を持つ変わった殺し屋などが出てくる突拍子もないストーリーで、著者の「陽気なギャングが地球を回す」や「死神の精度」などと同様、妙にクセになりそうな予感はありました。

今年(2015年)の秋にはその前作「グラスホッパー」の映画(出演:生田斗真、浅野忠信、山田涼介など)が公開されるそうで、それがうまくいくとこの続編「マリアビートル」もいずれ制作されるのでしょう。

こちらの内容は、東京駅を出て盛岡へ向かう東北新幹線の中で、誘拐から人質を助け出して連れ戻す途中の殺し屋や、その殺し屋から身代金の入ったトランクを盗もうとするいつも不運でツキがない殺し屋、自分の息子に重傷を負わせた少年をつけ狙うアル中の元殺し屋など様々な目的をもった人達が繰り広げるコメディタッチのやや含まれるミステリー小説仕立てとなっています。

新幹線の車内という密室の中で、次々と殺人が起きたり、殺し屋同士がにらみ合ったりと、ま、現実にはありえねぇ息が詰まりそうな展開が延々と続きます。しかし最後の最後で登場する引退した伝説の殺し屋なんていうのが物語をびしっと引き締めてくれます。

タイトルが初めて目にする単語だったのでなにかと不思議でしたが、主人公でもある男の名前七尾から連想して天道虫と呼ばれるツキのない殺し屋と、そのテントウムシの中でもナナホシテントウムシが英語圏では聖母マリアを連想させるとして「Ladybird」「LadyBeetle」と呼ばれているそうで、それからの引用だと思われます。

著者別読書感想(伊坂幸太郎)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

さらば雑司ヶ谷 (新潮文庫) 樋口毅宏

この作品は著者のデビュー作で、2009年単行本、2012年に文庫化されています。前から読みたいと思っていましたが、今回ようやく2010年刊の「民宿雪国」と合わせて買ってきました。

東京都内で長く働いていますが、この小説の舞台である雑司ヶ谷(ぞうしがや)付近には行ったことがなく、どこなんだろう?ってずっと思ってましたが、なんとなく地名が下町っぽい雰囲気なので、小説の内容も劇団ひとり著「陰日向に咲く 」的な内容をイメージしていましたが、大きく裏切られることに。

ちなみに雑司ヶ谷は東京都豊島区にあり、池袋の近く、ジョン万次郎や小泉八雲、夏目漱石、永井荷風など多くの有名人の墓がある雑司ヶ谷霊園や、法明寺鬼子母神堂などが有名なところだそうです。

内容は戦前から雑司ヶ谷地域を牛耳っている新興宗教の教祖の孫が主人公です。中国へ人身売買された子供を捜しに行き、そのまま5年間生死不明だった主人公が生まれ故郷の雑司ヶ谷に戻ってきます。

そしてそこで起きる縄張り争いや、教祖から命令された事故の捜査など、しっちゃかめっちゃかな展開となっていきます。途中でアホらしくなって投げ出しそうになりましたが、グッとこらえて最後まで読みました。

ま、こういうのもアリなんでしょうけど、雑司ヶ谷で素朴に暮らしている住人にとってはえらい迷惑な話しでしょう。

著者別読書感想(樋口毅宏)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

ドミノ (角川文庫) 恩田陸

2001年単行本、2004年文庫化されたミステリー小説です。著者の作品は数えたところ過去16作品を読んでいますが、多作な作家さん故、まだまだ未読の作品が多く楽しみにしています。

ここ5回ほど直木賞にノミネートされながら惜しいところで逃していますが、もう時間の問題でしょう。こうした多作の作家さんが大きな賞をとると、書店は大規模な受賞記念フェアを開いて過去の作品も大々的に売れるので喜ばれそうです。

この作品は、東京駅を舞台にして、様々な目的で集まってきた縁もゆかりもない人達が、ドミノ現象のように一気に動き出して崩れ落ちることで、双方向に関わってしまうという、上の「マリアビートル」にも少し似た展開のミステリー小説です。

登場人物は、東京駅前にあり契約目標達成に焦っている生命保険会社の人達や、趣味の俳句で集まった定年退職した元刑事達、手製爆弾を仕掛けようとする過激派、付き合っている女性と別れようと画策している青年実業家、子供タレントのオーディション帰りの親子、元暴走族で今はピザの配達屋をやっているヤンキー、東京を舞台にした映画を作ろうと東京ステーションホテルに宿泊中のアメリカ人監督、大学のミステリー研究サークルの面々など同時進行で多くの主役達がドタバタ劇を繰り広げることになります。

そうした、元々は関係しない人達が、偶然という必然?で、東京駅の魔力に吸い寄せられ、そして大きな事件が勃発します。

最後のクライマックスは、それまでの仕掛けがワクワクさせられるものだった割に、アッサリとしたもので、ちょっとガクッときましたが、なかなかお気楽に楽しめる小説です。

私は通勤電車の中の短い時間で細切れで読み進めましたが、場面や主人公が次々と変わるだけに、落ち着いた場所で、一気に読み進めるほうがいい小説だと思います。

著者別読書感想(恩田陸)


【関連リンク】
 2月後半の読書 和菓子のアン、リフレはヤバい、屍者の帝国、三匹のオッサン
 2月前半の読書 赤猫異聞、殺人鬼フジコの衝動、モップガール、 「意識高い系」という病
 1月後半の読書 殺し屋ケラーの帰郷、模倣犯(1)〜(5)


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トクホが売れるわけ 2015/3/21(土)

906
トクホ(特定保健用食品)が健康食品ブームにのっかって再び勢いづいてきました。再びと書いたのは、実は2007年をピークにして一度大きく下げていましたが、2012年頃から再び伸びてきています。

またトクホとは別に、第三の保健機能食品として「機能性表示食品」というのもこの4月から解禁されるようです。こちらの話しはまた今度。

トクホマークトクホは2013年12月末現在、特定保健用食品として表示許可・承認された食品は1095品目にのぼり、市場規模は6275億円(2013年メーカー希望小売価格ベース)となっています。(公益財団法人日本健康・栄養食品協会調べ)

市場調査会社株式会社シード・プランニングの情報では、「健康食品市場(トクホ、栄養機能食品、サプリメント、機能性飲料・菓子の小売りベースによる金額を加算したもの)は、2013年の1兆8,388億円から、2017年には2兆1,452億円と20%近く伸長すると予測しています。

人口減や所得減少の中で、国内に関して言えば、数少ない成長産業のひとつで、テレビ・新聞の広告でも、これらの健康食品が今や主流となりつつあります。

それら健康食品の中でもトクホに認定された商品は、消費者庁長官の許可を受け、効果を表示することのできる食品で、からだの生理学的機能などに影響を与える成分を含んでいることを証明し審査を受けています。

例えば、「血圧、血中のコレステロールなどを正常に保つことを助ける」、「お腹の調子を整えるのに役立つ」「血糖値が気になる方に適する」、「虫歯の原因になりにくい」「体脂肪がつきにくい」などで、トクホの認定を受けている製品は、健康食品はもちろん、清涼飲料水やお菓子類、食パン、ヨーグルト、豆腐、味噌汁、お茶、調理油など多岐にわたっています。

ただトクホならなんでも健康によいか?っていうと必ずしもそうとは言えないものもあります。

いい例が「花王のエコナ」が販売中止に追い込まれた問題で、食用油として初めてトクホに認定されたものの、発ガン性が懸念されるグリシドール脂肪酸エステルが、他の食用油より多く含まれていることから2009年に販売を自粛し、その後取り消しの届け出をおこないました。

その他にも、トクホのコーラ「キリンメッツコーラ」や「ペプシスペシャル」などに入っている「アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKなどの人工甘味料を危険視する研究者などもいて、「トクホでない普通のコーラよりも体に悪い」とさえ言う人もいます。

「カロリーゼロ」、太って病気まっしぐら!(東洋経済)
・・・人工甘味料には主に3つの作用があります。(1)ホルモンに影響を及ぼして体内に脂肪を蓄える。(2)味覚を鈍化させる。(3)コカイン以上の依存性がある。・・・

ま、味や嗜好品の好みに関しては人それぞれですから、どうでもいいのですが、一見して「トクホだから健康によさそう」「トクホだと安心!」と思い込むのはどうかということです。

「そんなこと言ったら市場にあるほとんどの加工食品には着色料や保存料、香料、防腐剤、甘味料などが使われているので、なにも食べられなくなる」って声も聞こえてきそうです。

私もそう思いますし、私が子供の頃は、今よりも食料添加物の基準が甘かったため、今考えると恐ろしいような身体に悪いものも食べてきています。

要はそれらの自然ではなく化学式で作られた、人工的に調整された食品をどれだけ大量に、継続して摂取するかで、将来の身体に問題が出てくる可能性があるやなしやというところでしょう。

そういう意味では最近忘れられがちになってきた、東電がばらまいた福1由来の放射性物質を含む食品と似ているかも知れません。

天然には存在しない放射能だって極めて微量であれば健康には影響がないと言われていますし、それは事実なのでしょう。でも微量であってもそれを子供の頃から何十年にも渡りずっと身体の内外から浴び続けていたとしたら、どういうことになるか、個人差はあるのでしょうけど、まったく安全とは誰も言い切れないのではないでしょうか。

トクホから離れてしまいますが、例えば一般的なコンビニ弁当、小さな文字で書かれている内容物にはよくみるとなんだかわからないけど、恐ろしそうな名前が大量に列挙されています。

発色剤、着色料、乳化剤、保存料、甘味料、酸味料、漂白剤、酸化防止剤、ph調整剤、たんぱく加水分解物、発酵調味料、香料、結着剤、調味料(アミノ酸等)などなど。

調味料(アミノ酸等)の中にもグルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウム・グアニル酸ナトリウムといううま味調味長と呼ばれる化学調味料が使われています。

別にコンビニ弁当だけが悪というのではなく、スーパーで売られているものや、もしかすると(手作り)お弁当屋さんや高級仕出し弁当、レストランなどでも似たような添加剤や化学調味料を使っている可能性はあります。その店で調理されたものは無添加であっても、使っている素材が加工された段階でたっぷり添加物が使われていることだってありそうです。

だから普段は「気にするな!」って言いたいところですが、知っていながら摂取するのと、無知で知らないまま、赤ちゃんや成長期の子供にまで毎日大量摂取させてしまっていないかぐらいは知っておいて損はないでしょう。

テレビCMなどを見ると、トクホのお茶を飲むと急に元気になったり、身体の中が綺麗になったり、メタボが解消したりするようなシーンがてんこ盛りで、頭では「そんなわけないだろ」って思っていても、目から入ってくる情報ほど強烈に印象が残るものはなく、ついつい信用してしまいます。

でもそういうものこそ、なにか危険な香りがするのです。

そしてトクホの制度、「国民の健康」をうたい文句にしていますが、それに関係して実のところ厚生労働省の外郭団体で、公益財団法人日本健康・栄養食品協会(理事長や評議員に厚生労働省OB)や、一般財団法人 医療経済研究・社会保険福祉協会(理事長や常務理事に厚労省OB)が仕切っています。

そして当然こうした機関には官僚達が大量に天下り、黙っていても高給がもらえる組織となっていて、国民の健康を餌にした利益誘導と省益、独占的な利権がはびこっていると考えてもそう間違いではなく、そのことをとっても素直に喜べなかったりもするわけです。

そして先月にはとうとう反対する消費者委員会の答申を破ってビールにまでトクホが認定されました。

ノンアルコールビール(=清涼飲料水)を未成年が飲むこと自体は法的には問題ありませんが、未成年時からビールへの興味やビール味の依存を避けるためにとメーカー側は原則未成年への販売を自粛してきた経緯があります。それなのに、ビールもどきにトクホ、つまり健康にいいというお墨付きを与えました。

ノンアルコール飲料に初のトクホ食品登場 消費者庁の「不適切」答申覆す(J-CAST)
サッポロビールと花王のビール風味のノンアルコール飲料2種類が特定保健用食品(トクホ)に認められた。消費者庁が両社から出ていたトクホ申請を許可したためで、ノンアル飲料で初トクホとなった。

これからしても、国民の健康や未成年者への影響のことよりも、優良企業が多い酒造メーカーなどをトクホグループに取り込み、トクホの範囲や品数を次々増やすことで、より身内(外郭団体)が潤い、傘下に収めるトクホ市場が活性化することを目指しているのだということがわかります。

またトクホの申請は、申請前の念入りな実験など数千万円の費用と、申請時に数十万円の手数料がかかり、弱小の中小零細企業ではどれほど身体にいい製品を作ろうと、それを証明するための実験結果や研究論文などが必要で、申請までこぎ着けることが難しく、結局は認定を受けられるのは一部の大手食品メーカーや大手の医薬・化学会社などに限られてしまいます。

そういう事情もあってか、この4月からはよりライトな試験やレビューで済ませることが出来る「機能性表示食品」っていうのも現れました。とにかく今や「健康」をうたい文句にすれば利権がザクザク入るって事がわかっているだけに手に負えません。

そしてそれらのトクホ認定取得にかかる多額のコストは言うに及ばずトクホの食品や商品に上乗せされ、販売されることになりますが、それでも多くの人が「トクホ」というラベルが貼ってあるだけで、盲目的に信用してしまい、よく売れているというのが実態です。

だって国のお墨付きがあれば、お上のいうことなら、なんでも無条件に受け入れて信用する希有な国民性を持っている国ですから。

自分で手間をかけて調べると多少はわかりますが、トクホ食品に含まれる添加剤などが実際に健康にいいかどうかは不明(研究者によって意見が分かれる)のものが多いうえ、厚労省や消費者庁にいいようにたかられている業界のトクホ食品は、それでも今後売れ続けていくのでしょう。


【関連リンク】
902 イボを取る
763 認知症患者の増大で国は衰退する?
759 糖質ダイエットについての備忘録その1


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派遣法改正三度目の正直なるか? 2015/3/25(水)

907
1月26日に召集された第189回通常国会は6月24日までの150日間開会されます。来年度予算はもちろんのこと、ゾロゾロと出てくる国の補助金をもらっている企業やその関連会社から政治家へ献金として渡っていたという政治と金の問題、憲法改正や自衛隊の海外派遣など議論や議案が山積みですが、2度も流してしまった派遣法の改正が3度目の審議入りとなり注目されています。

なぜ注目されているかと言うと、

「派遣法改正案」もし廃案なら10月以降の派遣現場は大混乱に陥る
政府は、派遣労働のあり方を大きく見直す労働者派遣法改正案について、3月中旬に今国会に提出する準備を進めている。改正案は、過去2度提出されたが、厚生労働省の凡ミスもあって、いずれも廃案に追い込まれた。厚労省は今度こそ成立させたいと必死だ。今年10月までに成立していないと、派遣業界が大混乱に陥りかねないからだ。

でも自民党と公明党の安定多数与党と言うこともあり、いざとなればどうにでも出来ちゃうというのがいまの政治情勢で、政治家が厚労省官僚に貸しを作っておくためにも、多少反対する野党への歩み寄りはあったとしても、今度の国会で成立することは間違いのないところでしょう。

法案の中身は、
・専門業務(26職種で派遣期間は無期限)と一般業務(同一場所への派遣は3年以内)の区分を撤廃
・同一職場での派遣期間3年を一定の条件で延長できるようにする
など。

これが成立しないとなにが問題になるか?と言うと、今年の10月から施行される「労働契約申し込みみなし制度」というのがあります。

「労働契約申し込みみなし制度」ってわかりにくい文言ですが、簡単に言えば「派遣先企業(受け入れ先企業)が「違法な派遣」であることを知りながら労働者を受け入れている場合、派遣先企業が派遣労働者に対して、労働契約の申込み(直接雇用)をしたものとみなす制度」です(簡単ではないけど)。つまり違法状態で派遣を使っていると、「直接雇用しなければなりませんよ」ってことです。

これは派遣先企業にとっては重大な問題でしょう。一般的に派遣社員を使う場合は、正社員を雇用できない(したくない)から派遣を使っているのですから、それが法律で「雇用義務」が発生すると人事担当者のクビがすぐに飛んでしまいそうです。

では、この「違法な派遣」状態とはなにかと言うと
(1)偽装請負や偽装出向
(2)無許可もしくは無届の派遣会社から労働者の派遣を受け入れる
(3)労働者派遣禁止の業務に派遣労働者を従事させる
(4)派遣受入可能期間を超えて労働者の派遣を受け入れる

(1)と(2)は、普通の会社であれば最低限注意をしているでしょうけど、(3)、(4)については、経験上微妙なグレーゾーン含めておこなっている会社は相当多いのではないでしょうか。

(3)も派遣法に詳しい人事部等では常識に思っていても、現場では知らずに違法状態ということになっているかも知れません。当初の契約ではなかった業務だけど、手が空いていたのでちょっと依頼したが、それが派遣法で禁止されている業務に該当した場合など。

(4)の派遣可能期間を超えてということは、現在の3年という期限のある一般業務で、3年を超えて派遣されている人が申し出れば、受け入れざるを得なくなるわけです。

もっとも派遣労働者のうち、必ずしも派遣先の正社員になりたい人ばかりではないので、どのぐらいの割合で問題が起きるかは不明ですが、少なくとも社員の待遇がいい大会社などではそうした問題が発生する可能性が高くなるでしょう。

そこで今回の派遣法改正で、3年後の派遣延長が一定条件下で可能であれば、そうした問題はとりあえず回避できるわけです。

野党は当然ながら非正規就労の問題と重ね合わせ、派遣の期間延長については非正規就労の定着化につながると言って反対をしています。

確かにその面はないとも言えませんが、アルバイトやパート、契約社員、嘱託、派遣という非正規就労を選択した時点で、正社員就労とは違う道を選んだという判断基準や自己責任もあるはずです。

もし非正規問題で派遣期間を厳格に3年以内だと言うならば、同じ非正規雇用のアルバイトやパートも同様にしなければ平等ではありません。

そして過去に何度か書いていますが、非正規就労者1906万人の中で派遣就労は116万人、率にするとわずか6%に過ぎません(出典:総務省「平成25年労働力調査」)。非正規就労問題を是正したいなら、パート928万人(49%)、アルバイト392万人(21%)、契約社員273万人(14%)を派遣よりも先になんとかするべきでしょう。


【関連リンク】
890 非正規問題の真実
868 派遣法改正の動き
845 人材派遣に関するニュース二題


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本当に住みよい街とは 2015/3/28(土)

908
東洋経済が毎年発表している日本国内の市町村を様々な評価基準データで順位付けした「住みよさランキング2014」をあらためてじっくり見てみました。

数年後には確実に訪れる定年退職と、その後の老後をどこでどう暮らすか、終の棲家はどうするかという大きな課題も頭の片隅にちらついてきますので、同誌のランキングがどうこうではなく、「住めば都」ということわざがあるように、人それぞれに住む場所の考え方は違っているのに、ここでいう「住みよさ」の基準っていうのはいったいなになのかとふと関心を持ったからです。

住みよさランキング2014

同誌の「住みよさランキング2014」1位の印西市(千葉県)は3年連続のTOPという事です。いや素晴らしいですね(棒)。

ところで、印西市って知ってます?

私は長く南関東に住んでいながら、その市がどこにあるのか、最寄り駅は?有名な名所は?などまったく知りませんでした(過去形なのはこのブログを書くにあたり詳しく調べたので今は知っています)。

調べてみると、房総半島のずっと付け根というか千葉県の内陸部側にあり、柏市、我孫子市、八千代市、成田市、佐倉市、茨城県などと接し、鉄道はJR成田線と京成と北総鉄道が通っています。人口は91600人で、特に有名な観光名所と言えるようなものはなく、特徴としては東京のベッドタウンとして1966年頃から開発が始まった大規模な千葉ニュータウンの一部があることでしょうか。

別にケチをつけるのではなく、ニュータウンと名の付くところは、多摩や千里の例を出すまでもなく、できた当初はいいけれど、それから数十年経つと建物も住民も商店も一斉に老朽化、老齢化し、やがては空き家が増えて、街は荒廃しスラム化、住人は高齢者だけが取り残され、小売店は次々と撤退して虫食い状態となり、シャッターばかりが目立つようなイメージがあって、2014年に開発が終了したこの街の30年後、40年後が心配なところです。

こうして見ると同誌の「住みよさ」の判断基準では、職住接近で生活に便利で、若者に人気の東京都内の区部や、横浜市など人口100万人以上の大都市は上位50位には入らず、「住みやすくはない」という判断です。また「住みよさ」の上位の中では東海や北陸地域(ブルー)が特に目立っているのも特徴的です。

それではこの同誌の「住みよさ」の判断基準を見てみましょう。

東洋経済では、公的に発表されているデータから、
 (1)安心度
 (2)利便度
 (3)快適度
 (4)富裕度
 (5)住居水準充実度
の5つの観点と、それぞれに含まれる15の指標にポイント付けをし、そのポイント順位でランキングにしています。

まず、この5つの観点は一時的に借りる「住みやすさ」だけの基準であれば割と適切な気がします。しかし普通は不動産を買う場合はそれの資産価値を考慮したり、親子2世代で住むこと、近所に似た(収入や趣味や価値観など)世帯が多いことなどを考えたりもするのが普通です。しかし借家の人はそういう価値を認めないでしょうからあえて言うなら「人気度」として加えてもいいかなと思います。つまり「資産価値があり人気」、「若い人にあこがれの地域なので人気」、「有名人が多く住んでいるので人気」とかの観点です。

そしてさらに観点を加えるなら、(6)安全度で、指標として「犯罪発生率」や、「交通事故発生率」、「火災・自然災害発生率」、「警察署や交番の設置軒数」などでしょうか。高齢化社会においては犯罪や交通事故、火災などは即致命的な問題でもあり、またひったくりや押し込み強盗など高齢者が狙われやすい犯罪も多数あります。

各観点の指標の中身を順に見ていくと、

(1)安心度は、「一般診療所病床数(人口当たり)」、「介護老人福祉施設・介護老人保健施設定員数(65歳以上人口当たり)」、「出生数(15〜49歳女性人口当たり)」、「保育所定員数−待機児童数(0〜4歳人口当たり)」の4指標から。

(2)利便度は、「小売業年間商品販売額(人口当たり)」、「大型小売店店舗面積(人口当たり)」の2指標。

(3)快適度は、「汚水処理人口普及率」、「都市公園面積(人口当たり)」、「転入・転出人口比率」、「新設住宅着工戸数(世帯当たり)」の4指標

(4)富裕度は、「財政力指数」、「地方税収入額(人口当たり)」、「課税対象所得額(納税者1人当たり)」の3指標

(5)住居水準充実度は、「住宅延べ床面積(世帯当たり)」、「持ち家世帯比率」の2指標となっています。

個人的に指標として加えてもらいたいのが、

「安心度」の中に「介護士や介護補助者数(人口当たり)」、「高度医療設備投資額(人口当たり)

「利便度」の中に「コンビニの店舗数(人口当たり)、「ガソリンスタンド数(地域面積当たり)」、「火葬処理能力(人口比)」、「通販の翌日配達可能数」、「墓地面積」

「快適度」に「高齢者施設の居室専有面積(1名当たり)」、「温水便座の普及率」、「文化・芸術・スポーツイベント開催件数(人口比)」、「学校数と面積(人口比)」

「富裕度」に「世帯収入額」「高等教育進学率」

「住居水準充実度」に「住宅建築年数平均」または「耐震基準住宅割合」など。

例えば、器だけ立派で一般診療所病床数が多くても、専門医師の数が少なく、また高度な医療ができる技術や設備がないと困りますよね。24時間対応できる病院があっても、産婦人科医がいないなんて大病院があるらしく、それでは困ります。また大型小売店店舗よりも、生活により密着した24時間営業で銀行ATMなどもあるコンビニや、宅配弁当屋、レンタルDVDショップなどが身近にあるほうが利便性は高そうです。

「富裕度」に入れるのはおかしいかも知れませんが、大学への進学は、もはや受験前と入学後の負担のことを考えると富裕層でなければなかなか難しいのが実態です。地域間で大学への進学率が違うことも考えられそうです。

逆に持ち家率は土地や建物を親からの遺産として相続するのが当たり前の地方で高くなり、土地代が地方の何倍も高い都市部では低いのが当たり前です。それを「住みよさ」の指標にするのはちょっとどうかなと思います。

また学生が多い地域や若い独身ビジネスマンや単身赴任者が多い地域(いずれも都市部)は当然持ち家派は少なく、こうしたことが反映されない持ち家比率はいかがなものでしょう。

あと、ちょっと気になったのが、原発が立地されている場所としては福井県敦賀市だけが上位23位にランクインしています。現在全国の原発が停止していますが、今後それらが再稼働し、または新たに建設されることで、極端な「地方税収入額(人口当たり)」の恩恵を受ける町やその周辺の都市が浮かび上がってくることが考えられます。

そういうのはどうなのでしょうね。偏見といわれそうですが、原発銀座と呼ばれる福井県北部沿岸地域で「この辺りは原発関連の税金や補助金がじゃぶじゃぶで財政力があり、住みやすいですよー」と言われても、情弱な私はちょっと戸惑ってしまいます。

もし自分が仕事のことなど関係なく自由に住む場所を決められるのなら、原発から遠く離れた場所で、過去に大きな地震、津波、山崩れ、水害、雪害などが起きていない場所で、かつ大都市にも近く、年間通して温暖で買い物やレジャーにも便利な場所がいいですね(国内にはなさそうですが)。

新しく開発された土地よりも、平城京や平安時代、鎌倉時代から残る遺跡や神社仏閣の近くなら、そうした壊滅的な大きな災害が直撃されていないとも言えるので、割と安心なのかもなぁって考えたり。でもそういう場所は、古代からの様々な浮かばれない怨念がたまっていたりする恐れもありそうですが。


【関連リンク】
892 火事と賠償
888 火事と高齢化社会の因果関係
838 夢の隠遁生活

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