005 | 仔羊の巣 | ||
004 | 切れない糸 | 003 | 和菓子のアン |
002 | ワーキング・ホリデー | 001 | 青空の卵 |
坂木 司(さかき つかさ、1969年 -)は、日本の作家。東京都出身。作品の基本スタイルは「主人公の成長」と「日常の謎」。日本推理作家協会会員、本格ミステリ作家クラブ会員。(Wikipediaより引用
2022年1月) |
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005 | 仔羊の巣(創元推理文庫) | |
たまたま同時期に読んだ道尾秀介著「カササギたちの四季」(2011年)と似たような展開(書かれた時期はこちらのほうがかなり前です)の連作短篇小説で、2003年に単行本、2006年に文庫化されています。 いわゆる「ひきこもり探偵シリーズ」の2作目で、シリーズ1作目の「青空の卵」(2002年)は2011年に読んでいます。 ストーリーはワンパターンで、引きこもりの友人を持つ20代も後半の主人公が、日常起きる謎などを引きこもっている友人に話聞かせ、時には目の前で問題を解決してくれるという流れです。 その謎が無理に作られたようなものではなく、十分にあり得そうな設定なのでストーリーに引き込まれていきます。よくできています。 今回は、主人公が働いている外資系保険会社の同僚や、木工細工の講師をしている老人、いつも利用している地下鉄の駅員など脇役が良い味を出していて、物語に膨らみを持たせています。 ほんわかと優しい気持ちにさせる内容もあり、落ち込んでいるときに読むと良いかも知れません。 ★★☆ 12月前半の読書と感想、書評 2022/12/17(土) |
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004 | 切れない糸 (創元推理文庫) | 2005年に発表され2009年に文庫化された作品です。著者の作品はデビュー作「青空の卵」(2002年)や、「ワーキング・ホリデー」(2007年)、「和菓子のアン」(2010年)を読んでいて、割とお気に入りの作家さんです。 軽めの連作短編小説が多い作家さんで、この作品もその形式です。 そうした作風を見ると同じ覆面作家として活躍している鯨統一郎氏の作品とも共通するところがあり、違いは、坂木氏がお仕事系小説なのに対して、鯨氏は歴史モノ、偉人伝モノが多いということでしょうか。どちらも気軽な気分でシャーロックホームズ的な謎解きミステリー小説が読めるという点は共通しています。 内容は東京下町でクリーニング店を営む家の息子が主人公で、大学を出て、さぁ企業に就職という時に、父親が亡くなり家業を継ぐことになってしまいました。 同じく就職せずに近所の喫茶店でアルバイトをしている大学時代の友人が、主人公の周辺で起きる謎を解き明かしてくれるのは、「引きこもり探偵シリーズ」がデビューした「青空の卵」と共通するパターンです。 それぞれの謎の落としどころは、途中でほとんどわかってしまいますが、それでも刑事コロンボのように、謎がわかっていてもそれを解き明かしていく過程におもしろさがあり、気軽に読めるミステリーとしてお勧めです。 ★☆☆ 9月前半の読書と感想、書評 2015/9/16(水) |
003 | 和菓子のアン (光文社文庫) | 著者の作品はデビュー作「青空の卵」(2002年)や「ワーキング・ホリデー」(2007年)を読みました。いずれも面白かったので、この作品にも大きな期待を込めて読みました。 この作品は2010年単行本、2012年に文庫化された連作短編小説で、「和菓子のアン」「一年に一度のデート」「萩と牡丹」「甘露家」「辻占の行方」の5編が収められています。 すぐにでもテレビドラマ化できそうな内容で、太めでパッとしない高卒したばかりの若い女の子がデパ地下の和菓子屋さんでアルバイトを始め、そこで店長や同僚からいろいろな和菓子のうんちくや成り立ちを教えられ、また様々な客との接客を通じて成長していく姿を描いています。 タイトルは2014年のNHK連続ドラマの「花子とアン」からではなく、和菓子といえばアンコで、そこから同僚に付けられたニックネームということです。 真保裕一、新野剛志、荻原浩、柴崎友香、三浦しをん、有川浩の各氏などがよく描くいわゆる「お仕事小説」のひとつとも言えますが、ごく身近なところにある和菓子店という点に興味が惹かれます。 例えば「洋菓子はあんなに華やかなのに和菓子はなぜ地味なのか」、「同じものでも季節や場所によって名前が変わる」、「新暦と旧暦双方に必要な季節菓子」、「温度や湿度管理が必要な和菓子」など役に立つネタも豊富です。 最後の解説にくどく書かれている通り「これまで洋菓子派だった人も必ずや、地味だけど滋味掬すべき味わいがある和菓子の魅力に開眼すること確実。美味しくってためになる、本書は多幸感に満ちた物語」だと思います。 あー水無月と桜もち(道明寺タイプの)食いてー! 2月後半の読書と感想、書評 2015/3/4(水) |
002 | ワーキング・ホリデー (文春文庫) | タイトルからはまったく想像できない内容ですが、とてもいい感じの小説でした。坂木司氏は先日デビュー作の「青空の卵」に続き2冊目です。 小説やドラマ、映画なんかによく登場する「ものすごくよくできた子供」が登場します。この大人顔負けに知識が豊富で、お手伝いや家事を嫌がらず、そしてかわいげもあるという「よくできた子供」というのは実際にはまずお目にかかることはありませんが、大人、特に子を持つ親からすると理想形の子供ということなのでしょう。 恋愛小説には整った顔の男女が登場するように、親子が主人公になる小説には、必ずと言っていいほど、出来の悪い親と、出来のいい子供のコンビが登場します。もうそれにはヘキヘキしますが、そうでもないと単なるドキュメンタリーチックな悪ガキ、家庭崩壊物語か、それともサザエさんやドラえもんのような風刺的アニメにしかなりようがないのでしょう。 さて、この物語の親子ですが、父親は新宿のホストクラブに勤めるあまり人気のない若きホスト。そこへ突然見知らぬ小学生が尋ねてきて「お父さん」と、、、 昔付き合っていた彼女が別れた後こっそり産んでいたことを知り愕然とするも、ホスト仲間やクラブ経営者の助けもあってホストを辞め、宅配便会社へ転職し、夏休みの間その子供と一緒に生活をすることになります。 あり得ない話とはいえ、いきなり小学生の子を持つことになった父親と、人見知りもしない掃除洗濯料理となんでもござれのよい子との感情の機微などがうまく描かれています。そしてお約束のように夏休みが終わりに近づいてきて、親子が離ればなれになる時が迫ってきます。 無理矢理に話しを盛り上げるでもなく、淡々と親子関係と宅配運送業の仕事が描かれていて好感が持てます。脇役のホスト仲間やホストクラブ経営者、宅配会社の同僚や上司などが魅力たっぷりで、映画化されるときっと面白くなりそうな感じです。 11月前半の読書 2011/11/23(水) |
001 | 青空の卵 (創元推理文庫) | 2002年に発表された坂木司氏のデビュー作です。著者は北村薫のデビュー当初と同じような覆面作家で、年齢や性別すら公表されていません。 小説の内容からすると北村薫氏と同様に男性で、年齢は40代前後ぐらいかなと思いますが、案外全然間違っているのかもしれません。家庭の主婦や女子大生だったら意外性があって面白いのですが、それはないでしょう。 作品はその後シリーズ化される「ひきこもり探偵」とその親友が主人公で、警察が絡むような大きな事件ではなく、ささやかな疑問や謎を抜群の洞察力と推理で解いていくという、初期の赤川次郎、東野圭吾的な青春推理探偵小説です。 二人の主人公のうち謎を解くシャーロック・ホームズにあたるのが、複雑な家庭環境で育ち、高校卒業後はひとり暮らしで、部屋にずっとこもったままソフト開発の仕事をしている精神的に不安定な男性で、もうひとりの事件や謎を持ち込んでくるワトソンにあたるのが、その男の親友で、せめて時々は部屋から外出させようと、買い物や事件の調査に引っ張り出し、代わりに料理をご馳走してもらう男性です。 いくつかの中篇をまとめて一冊となっていますが、他の中篇に出てきた登場人物が、後に出てきたりしますので、まとめてひとつの物語と言えなくもありません。 このような推理探偵小説は世界中に星の数ほどあるだけに、差別化するのが難しいと思いますが、著者自身が好きだという横溝正史のような、文章に飾りや難しい言い回しのないストレートな文章と展開が特徴で、読後もスッキリした気分になれます。 このあたりはたぶん読書経験の少ない若い人にもうけるように書いているのかなと思います。 本書に登場する謎とは、「駅前でジッと立ち続けていて決して喋らない少年」や、「歌舞伎役者に送りつけられる不気味な謎の品々」だったり、「若い男性に対し無差別に嫌がらせをする謎の女性ストーカー」だったりと、決して大きな事件や犯罪ではないけれど、なにか不審な出来事です。 7月後半の読書 2011/8/6(土) |
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