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リストラ日記アーカイブ 2011年7月
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日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです

511 6月後半の読書 5011/7/2(土)
512 真夏の節電で儲かるビジネスはなにか 2011/7/6(水)
513 勘違いは誰にでもあるが 2011/7/9(土)
514 ピカレスクロマン? 2011/7/13(水)
515 2011年7月中旬時点のリストラと求人の各業界動向 2011/7/16(土)
516 2011年7月前半の読書 2011/7/18(月)
517 何度でも書く、マカフィーよ、利子つけて金を返せ 2011/7/21(木)
518 7月11日の高齢者の交通事故 2011/7/23(土)
519 7月のDVD 2011/7/27(水)
520 若いビジネスマンへ告ぐ 2011/7/30(土)


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6月後半の読書 5011/7/2(土)

511
陰日向に咲く (幻冬舎文庫) 劇団ひとり

いくつかの中編の物語がそれぞれ少しずつつながっているという小説です。著者の劇団ひとり氏は34歳でお笑いタレントというのが現在の本職でしょう。2006年にこの小説を発表し、その後知りませんでしたが2008年には映画化もされています。

内容は、どちらかと言えば落ちこぼれの主人公達がなにかをきっかけにしてやる気を出したり、成功する姿をおもしろ可笑しく描かれています。「陰日向=社会の落ちこぼれ達」という図式から、でもなんとか咲くことができるというメッセージなのでしょう。ゴーストライターを雇うような身分でもなければその必要性もないでしょうから、ちゃんと自身で考え苦慮して執筆をされたのでしょう。なかなか感性豊かな作者だと思えます。

現在NHKで林真理子氏の小説「下流の宴」を原作とした連続ドラマが放映されています。こちらは上流志向の強い家庭で育ったものの、親が要望する大学には行かずフリーター生活をおくっている長男と、沖縄出身でやはりフリーターをしている女性が出会い、やがて同棲を始めます。その長男の母の強い上流意識が、長女の就職問題、夫のリストラなどが絡み、ガラガラと崩壊していくというストーリー(まだ途中なのでよくわかりませんが)ですが、なんとなく雰囲気がそれと似ているなと思います。


ささやかな永遠のはじまり (角川文庫) 盛田隆二

結婚前の女性視点で書かれた大人の恋愛がテーマのストーリーで、失礼ながらもう立派な中年男性の盛田氏がこういう女性心理に深く立ち入った小説をスラスラと情緒たっぷりに描けるのはさすがプロ、上手いなぁというのが実感です。

主人公の職場は雑誌を発行している出版社で、その仕事の様子などが詳細に書かれますが、これは作家さんと出版社というのは通常関係が深かったり、以前勤めていたりするケースが多いので、勝手知ったるということもありしばしば登場します。ちなみに著者の盛田氏は雑誌出版社のぴあに長年勤務されていたので、その点は設定が安易とも思えますが仕方がないでしょう。

その雑誌の「ぴあ」は、最後までしぶとく残っていた「ぴあ首都圏版」が、今年の7月発売号で休刊となってしまい、思い入れも深かったので残念に思っています。昔、2本立ての名画座へ行く前に、駅のKIOSKでぴあを買い、それを映画館で見せると入場料が数百円割り引かれるので、実質ぴあの購入費は100円ぐらいで済むという仕組みはよくできたいたと感心しました。

さてストーリーですが、いきなり序盤で主人公の女性が誰もが羨むようなエリートサラリーマンと婚約し、そして結婚間近で突然破局、その後は社内不倫と続いていきます。そして終盤は思いもよらない展開へと進んでいきます。こりゃ明らかに恋愛に夢を見ている若い女性のウケを狙っているなぁと思ったり。

小説に登場してくる男性も女性もそれは見事なまでにみんないい性格とキャラをしていて、そういう人達ばかりに囲まれていると、苦労のうちの半分以上はきっとなくなるのだろうなと思います。その点は人間関係にいつも苦しんでいる現実の若い女性達におもねったところが見え隠れします。ま、これを読んで「私も主人公に負けずに頑張らなくっちゃ」と思う女性や、盛田作品をもっと読みたいと思う人が増えればそれはそれで結構なことではありますが。


クラウド時代の正体 (ベスト新書) 白鳥 敬

時代を象徴するIT技術の「クラウド」をタイトルに使った数多い類似本の中の1冊です。本書にも書かれていますが「web2.0」が出てくればそればかり、「SNS」が出てくればそればかりと、時代のキーワードが出てきてはやがて消え去っていきますが、それと似たようなものなのでしょう。

本書に書かれていることで、とりたてて目新しいことや役立つことはないのですが、あらためてネット社会の一面を俯瞰しておくのならいいかもしれません。

特にネット上でのプライバシー情報の扱いや、安全なネット利用などは、まったくの素人向けにわかりやすく解説されていますが、多少詳しい人ならあえて読むまでもないことです。というか、最近は実名主義のFacebookや実名の人も多いTwitterなどに人気があり、果たして厳密に個人情報を守る必要があるのか?という疑問すら感じるように思えます。

ただ素人がこの本を読むと「ネットの世界はなんと邪悪で問題が多いのか」と逆に怖くなり、有効に使わなくなってしまう可能性もあります。実際には全然そんな事はないのですが、どうしても刺激的で過激な話しばかりが、さらにそれに尾ひれ背びれをつけて報道されたりするのが世の中の常ですから、なんでも話半分で読み解く必要があります。


青の炎 (角川文庫) 貴志 祐介

優秀な高校生が家族や自分を守るため殺人の完全犯罪を目指すという1999年に書かれたミステリー小説です。

筆者の貴志氏は1959年生まれなので私より2年後の割と近い年代です。このおやじ年代が今の高校生を主役とした小説を書くというのは、結構大変だったのではないでしょうか。若い人が中高年や高齢者を描くのは自分が経験したことがないだけにもっと難しいでしょうが、それにしても自分が経験してからすでに四半世紀前の高校生時代と現代の高校生の生活とはまったく行動様式が違っています。

それゆえかどうかはわかりませんが、主役の高校生の心理描写には変に大人びた老成した考え方がしばしば登場します。これは意図的なものか、どうかはわかりませんが、もし本当に今の高校生(と言っても書かれたのは今から12年も前ですが)がこのような発想や知識を持っているならそれはまた恐ろしいというべきものです。

ま、湊かなえの「告白」でも主人公は大人の女教師でしたが、実際に殺人事件を犯すのは中学生でした。このような少年犯罪を描く小説が注目されるのはやはり小説の中だけではなく、現実社会にもそのような流れがすでにあるのでしょう。

日本中を震撼させた酒鬼薔薇事件(神戸連続児童殺傷事件)が起きたのは1997年で今から14年前のことですが、それ以来少年犯罪がテーマになる小説はより過激化していくことになったのでしょう。

スピード感あふれるストーリー展開で、サクッと読めますが、とにかく殺人が絡むミステリーですので、読んでいて気持ちがよくなるものではありません。


決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫) 半藤 一利

映画で大ヒットした「日本のいちばん長い日(1967年公開)」の原作者は当初諸般の事情から大物ジャーナリスト大宅壮一編となっていましたが、実際はこの半藤一利氏の作品ということで、その後多少修正をおこない大宅氏の遺族の了解を得た後、あらためて自身の名前で出したのが本書です。

「The Longest Day」というと、アメリカでは一般的に多大な犠牲者を出しながらも欧州戦線での転換点になったノルマンディー上陸作戦決行の日のことを指しますが、日本ではやはり歴史上完膚無きまでに叩きのめされた唯一の負け戦、その最後の日を指すのでしょう。

1945年8月、世界を相手に孤軍奮闘していた日本も敗戦濃厚となり、広島、長崎に原爆を落とされ、いよいよ本土上陸が目前と迫ってきた日本に、唯一残された道はポツダム宣言を受け入れることで、すなわち無条件降伏しかありませんでした。

しかし、陸軍を中心とした一部の青年将校達は、一億総玉砕を叫び、また陸軍は決して負けたわけではないのでもっと闘わせてくれと、天皇や政府が降伏を決めた後も、それを撤回させるために様々な行動を起こします。

このあたりは小説より映画では善と悪をくっきりと描く必要があり、降伏阻止を目指す将校は天皇の命にも背く逆賊という扱いですが、子供の頃からずっと日本が世界で一番優れていて、過去に一度も敗北したことがない神国という思想教育をガッチリとたたき込まれている軍人ですので、その純粋な気持ちから必死に抵抗していることも本書からはにじみ出ています。

様々な幸運もあり天皇の終戦の詔を8月14日の夜に無事に録音することができ、それを翌8月15日の昼12時からのNHK放送で流すことができるかという緊迫した攻防の場面がドキュメンタリーとして描かれます。しかし詔はなぜ負けたのか勝ったのか、それとも戦争継続なのかハッキリしないダラダラとしたものとなったのでしょうか。これは本書にも経緯が詳しく書かれていますが、役人と政治家と軍人がそれぞれの立場を主張するあまりすったもんだがあります。わかりやすく要約すると「戦争に負けた。ポツダム宣言を受け入れる。無条件降伏をする。」なのですが、特に軍人は負けたことを書くことは納得しません。

本書ではその詔書を作るために各関係者が何時間もやりとりをして苦心して造りあげていく過程があり、要は天皇、大本営、陸軍、海軍、その他政治家の様々な思いや考え方を練り込んだ結果の代物です。この放送を聞いて当時はラジオの感度やスピーカーの性能もよくなかったため「結局なにを言われたのかわからない」という国民が多かったと聞きます。中には放送の後「今後も戦争に奮闘せよとおっしゃった」と勘違いして檄を飛ばした軍人もいたということです。ただ実際には天皇の詔が放送された後、NHKアナウンサーがくり返し詔を読み上げ、さらに簡単に要約した内容を放送したということです。それは初耳でした。

映画は子供のときにテレビで見ましたが、とにかくこの映画は「暗い映画」「登場人物が多すぎてよくわからない」という記憶が残っています。「暗い」は、映画の舞台が空襲があり、灯火管制のため真っ暗になっている首都の夜に事件は起き、さらに映画が白黒だったこともあり、そのような印象を持ったのでしょう。また誰もが負けた悔しさと悲しみ、そして張り詰めていた緊張が解けた疲労感でぐったりしているところが、より暗い印象をこの映画に与えたのかもしれません。

そして2時間半のこの映画にはざっと100名以上の登場人物があり、主役の三船敏郎、準主役の山村聰、鈴木首相役の笠智衆、昭和天皇役の松本幸四郎(8代目)ぐらいはともかく、その他大勢が次々登場してくるので、あらかじめ予備知識がないと混乱します。一応は、降伏推進派(善人)vs徹底抗戦派(悪人)という構図にはなっていますが、同じ日本人で、同じような軍服や国民服を着ていて、さらには降伏か継続かの間を揺れ動いている軍人も多く、その善悪の区分がハッキリとはわかりにくいのです。

できればもう一度整理して、1967年当時ではまだ生存者が多く遠慮して描けなかった部分も見直して、再度映画化をしてもらいたいなと願うばかりです。

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真夏の節電で儲かるビジネスはなにか 2011/7/6(水)

512
この夏電力供給不足から節電を求められることにより、一時的なことかもしれませんが、どういう商売が儲かるのかを考えてみました。

まず今回起きている電力供給不足について現状を整理しておくと、

・東京電力、東北電力、関西電力の各管内で原子力発電の一部が停止中または再稼働停止され、夏場の電力不足が懸念されており、政府はそれらの地域で15%の節電を要望している。
・関西電力はその気になれば中国電力や北陸電力から買電することも可能で、比較的リスクは少ないが、電力会社の都合で原発を稼働しなければ電力不足となることを電力会社が結託して国民に印象づけておきたい様子
・本来なら格安で電力供給している大口需要先のメーカー等に節電を依頼すべきだが、雇用や産業政策観点からするとあまり得策とは言えず、家庭や公共施設問わず一律の節電要請となっている
・電力会社は詳細な電力需要や供給についてデータ公表をおこなわないが、その理由として原発を全部停めてもなんとかなりそうという結論を恐れているという意見もあるがこれは不明
・但し家庭にエアコンが普及した現在、毎年夏の猛暑の時期(ピークタイム)には電力需要が突出することは明かで、その一時的なピークに合わせた電力供給力が求められる苦しさもわかる
・太陽光発電プロジェクト(メガソーラープロジェクト)はそのピークカットに有効と考えられているもので、原子力発電そのものを代替できるわけではない
・新たな発電所(原子力。火力・水力・地熱)を作るには時間がかかるが、メガソーラーなら土地さえあればすぐに設置が可能で、やめるときも簡単に取り外すことが可能という利点がある
・数年前から省エネ家電やエコ対応プラントが流行る一方、オール電化住宅や、テレビ画面の大型化、工場のIT化などで、電力使用量が減っているわけではない
・今後の電力料金の引き上げや計画停電のような不安定供給が実施されると、国内の製造メーカーはますます海外移転が加速する
・自然エネルギー関連ビジネスは今後拡大する見込みはあるが、国家的プロジェクトのため、法律の改正、役所の権限、既得権益者の意向、急速な消費者マインドの転換、革新的新技術の登場などにより大きく左右に振れるリスクもある

と、まぁこんな感じでしょう。

で、この節電ブームにのれるビジネスとしては、
1)自然エネルギー関連
2)省エネ対応関連
3)避暑、移転、引っ越し、分散化関連
4)暑さしのぎ関連

などでしょうか。

1)は話しが大きくなるのでまたの機会に。以前「地熱発電の可能性」について書いてますが、それはビジネスと言うより提言です。家庭用の太陽光パネルなどは思わぬチャンス到来で鼻息があらいでしょう。発電ではなくても家庭用太陽熱給湯システムなんていうのもどさくさ紛れに再び人気が出そうです。いずれにしてもこの業界は割と大手企業が多いので、なかなか就職が決まらない人はこのあたりの業界が一番狙い目かもしれません。

2)も省エネ家電や省エネ工場の設備の話しが一般的で、私にはあまり興味はないところです。アイデア商品、例えばダイソンの羽根のない扇風機なんかも出たときには大きな話題になりましたが、しばらくするとその値段の高さにもうダメかと思っていたところ、今回の節電ブームで再び息を吹き返しました。何が幸いするかわかりません。

タカが扇風機と言っても今年は数十万円する高級機も売れていると言うことですが、家電製品全般に言えることですが、毎年のようにモデルチェンジをくり返し市場が成熟したら、あと行き着くところは余計な機能を付けるしか差別化はなく、その一環と思えます。今年だから売れてもヒット商品にはなり得ません。

東芝の新しいテレビの一部にはバッテリーが備わっていて、停電になっても数時間は見ることができたり、電力使用のピーク時間帯にはバッテリーへ切り替えるなんてことができるそうです。しかしそれがテレビのウリになるかと言えばたぶんなりそうもありません。

あと飲料水自販機同様、冷蔵庫にも時計がついていて、電気料の安い夜のうちにキンキンに冷やしておき、昼間のピークタイムには冷却が一時的に停止するような仕掛けとかあると、電力のピークカットに貢献していいでしょうね。アイデアというほどのものではありませんが、各世帯に必ず1台以上あり、24時間使っている冷蔵庫の電気使用量を減らしていくアイデアは必要かも。

ちなみに節電グッズとして売られている冷蔵庫内の冷気を逃さないように取り付けるビニールのカーテンは、テレビでやっていた実験では、カーテンがあると出し入れの際に余計な時間がかかり、取り付けない方が消費電力が少なかったり、卵や牛乳などを入れておく扉部分のポケットに冷気が行き渡らず、腐りやすかったりと、あまりいい結果は出ていませんでした。

3)は夏だけ北海道で仕事をするためのリゾートオフィスや、子供のために放射能を避けるために九州や沖縄へ引っ越すというビジネスがあります。また企業のBCPのためにデータや倉庫、コールセンターの分散化などが進められていて、東京一極集中のリスクをなくすため、本社機能の一部を地方へ移すという流れができつつあります。これなんかはまさに以前「日本で一番地震の少ない地域は」で書いたように災害の少ない自治体は「日本で一番有感地震が少ない場所」というようなPRを積極的におこなってもいいのではないでしょうか。そういう流れを作ると地元経済が活性化していくでしょう。

また裕福なお金持ち向けには海外移住というのが一番お勧めです。今から30年ほど前のバブルの頃に、定年で引退した人向けに流行し、その後も富裕層だけでなく「少ない年金でも円高のおかげで海外なら裕福に暮らせる」と、高齢者の海外移住を斡旋するビジネスが人気です。

不思議なくらい円高は続き、さらに放射能汚染のこともあり、今後は高齢者だけではなく、日本人学校もあり比較的治安がいいシンガポールやオーストラリアあたりへ、家族ごと引っ越すというのが今後ブームとなるのではないでしょうか。

4)暑さしのぎ関連はいくらでも売れている製品があります。例えばスーパークールビズのおかげで、衣料業界は会社へ着ていく涼しいカジュアルウェアを買い求めるサラリーマンが急増していますし、省エネ家電製品、うちわや扇子、庭の自動散水機なんてものも重宝しそうです。

暑くても外回りの仕事をしなくてはいけない営業マン達のオアシスは街角や駅前にあるカフェでしょう。昔ながらの喫茶店はゆっくりと時間をかけて新聞でも読みながらコーヒーを飲んでというスタイルですが、スタバやドトールのようなカフェは、アポイントとアポイントのあいだの空いた数10分で一気にクールダウンするのに最適です。この業界は同じ外食産業でも、不調のファミレスや居酒屋とは違い、猛暑の昨年に続きかなり高収益が得られそうです。

昨年は猛暑のためアイスキャンディーのガリガリ君がバカ売れしてなかなか手に入らないという現象が起きましたが、今年もアイス業界は期待がもてそうです。ガリガリ君が品薄になるほど売れたのは60円という安さと印象的なテレビコマーシャル、当たりが出るともう一本もらえる昔ながらのギャンブル性とお得感が子供達の圧倒的支持を得たからでしょう。

しかし一方ではハーゲンダッツを初めとする高級アイスは猛暑=販売好調とはいかないような気がします。やっぱり暑いときは甘ったるいものより、サッパリしたシャーベットのようなものがウケるでしょう。

飲料水メーカーやビールメーカーも久々に好景気が期待できそうです。ただし外食が不調なので自宅で美味しく飲めるビールという売り方をやったもの勝ちです。自宅で飲もうとPRする金麦などがその筆頭かもしれません。相変わらず海べりの別荘やクルーザーで仲間と乾杯!サラリーマンが会社帰りにお疲れ!とやっている脳なしCMではダメでしょう。

ノンアルコール飲料では10数年前から健康ブームで無糖やカロリーゼロをうたう製品が急増してきました。またその延長線上で特定保健用食品(トクホ)をウリにする飲料も増え、今や「これを飲むといかに健康になれるか、美しくなれるか」という錯覚を利用したまやかしのイメージが先行しています。

しかしカロリーゼロが本当にダイエットに向くかというと、これはまた別の問題らしく、様々な研究では、人工甘味料に問題があったり、それらの副作用により食事の満腹感が得られずかえって太るという報告もあるようです。いずれにしても化学薬品漬けの飲料水で健康になれれば世話ありません。

そしてかなり遅れてこの健康飲料水ブームがアイスの世界にも突入してくるのが、今年ではないかと思うのです。つまり無糖・ノンカロリーのアイスや、脂肪を消費しやすくなる成分を含むアイスとか出てきても不思議ではありません。

一般的にアイスは子供向けですから、健康にうるさい親が値段が多少高くても一見健康に良さそうな製品を選んで子供に与えるでしょうし、大人もこれだけオフィスの中が暑くなると、身体の中から冷やしたくなり、ダイエット中のOLやメタボなおじさんにまで売れること確実です。

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勘違いは誰にでもあるが 2011/7/9(土)

513
映画にもなっている雫井脩介氏の小説「犯人に告ぐ 」で、誘拐殺人犯の決め手となったのは、犯人が挑戦状の手紙で被害者の衣服の「赤い色」をなぜか「ベージュ」だと思い込んでいることがわかり、それを手がかりに聞き込みのローラー捜査で、同じ勘違いをする人物を探していくというのがありました。

この犯人のように、子供の頃や大人になってからでも聞き違いや思い違いで、ずっと間違ったままで普通に使ってしまっていることがあります。逆に多くの人がその間違いをすることで、後付けでそれもありとしましょうと認められてしまう言葉や表現、用法もあります。言葉は時代と共に変わっていくものなのです。

勘違いではなく言葉の用法の問題ですが、代表的なものに「お召し上がりください」などの二重敬語や、謙譲語の誤用「休まさせていただきます」などは、現在はさほど違和感もなく普通に通用しています。「食べれる」などの「ら抜きことば」や、コンビニのレジでは必須の「千円からでよろしいでしょうか」などは、数年後には辞書にも載りそうです。「耳障りのよい」「汚名挽回」「押しも押されぬ」などの完全な誤用については、よく使われていますが、こちらはちゃんと正しい使い方を再教育する必要がありそうです。「汚名」を「挽回(取り戻す)」してどうすんねんってところです。

ま、私も誤字、誤用だらけの文章をよく書いているので、なにも偉そうなことを言うつもりはありません。思い違いや勘違いでは、私は子供の頃からずっと「体育」を「タイク」、「洗濯機」のことを「センダッキ」、「鬱陶しい」を「うっとおし」と発音してきたのですが、ワープロを使い出して、その読み方を入力しても漢字に変換されず焦りました。

3.11の震災後にTwitterで知ったのは「義捐金(ぎえんきん)」と書くのが正しく、「義援金」は当て字であるということだったり、たまたま近所の人と話をしていて、「黄砂(こうさ)」のことを私は「おうさ」と言っていたのを直されて恥ずかしい目に遭ったのですが、これはあとで辞典で調べたら「おうさ」でも間違いじゃないことを知ったりと、この歳になってもまだまだ勉強です。

その他に間違いやすい(現代では決して間違いではないものも含む)ものとして、
「引数」→いんすう× ひきすう○
「早々に」→そうそうに× はやばやに
「依存心」→いぞんしん× いそんしん○
「外郎」→げろう× ういろう○
「御大」→おんだい× おんたい○
「香ばしい」→こうばしい× かぐわしい、かんばしい○
「奇しくも」→きしくも× くしくも○
「精霊」→せいれい× しょうりょう○
「水を得た魚のよう」→みずをえたさかなのよう× みずをえたうおのよう○
「天上天下」→てんじょうてんか× てんじょうてんげ○
「一族郎党」→いちぞくろうとう× いちぞくろうどう○

特に最近では新しいWeb用語などが次々と海外から入ってきます。7〜8年ほど前、まだブログが初めて登場し始めたとき、正式名称のWeblog(ウェブログ)はいろんな呼び方をされていました。Wi-Fiも最近はワイファイで定着してますが、最初はウィフィーとかいろんな呼び方がされていました。

最近のクルマのヘッドライトによく使われてHID(エイチアイディ)とも呼ばれている「Xenon」は、当初「クセノン」や「ゼノン」と言う人もいましたが、最近は「キセノン」で統一されています。英語圏の国での発音は「ゼノン」に近いのですが、それにならなかったのはどうしてなのでしょう。XEROX(ゼロックス)のことを誰もキセロクスとは言わんでしょう。また一部のゲーム機に使われているマイクロプロセッサXenonは「ゼノン」と発音します。ややこしいですね。

私は以前から日本語変換はATOKを使っていますが、これは誤った用法や誤用をすると教えてくれて便利です。数年前にGoogleが無料の日本語変換を出したとき、しばらくそれを試してみましたが、その連想候補にはGoogleお得意のWeb上にある様々な用法を取り込んで活用しますので、当然Web上にいっぱいある誤った用法も含めて候補に出てきました。その点はちょっと困りますね(最近は使っていないのでその後どのように進化しているかは不明)。

ATOKで「おめいばんかい」と入力して変換候補を選ぶと、ポップアップして次のような解説が現れます。
使い方を誤りやすい表現「汚名挽回」「悪い評判を巻き返す」という意味で用いられるが、「汚名返上」と「名誉挽回」とが入り交じってできた不適切な言い方だと指摘されることもある。「悪い評判をぬぐい去る」という意味では「汚名返上」の方を用い、「いったん失った名誉を取り戻す」という意味では「名誉挽回」の方を用いるのが無難。

と丁寧に注意してくれます。意外に「間違いです」という指摘ではなく「こっちのほうがいいですよ」と柔らかな解説です。

個人のブログやサイトならば多少変換ミスや用法の間違いがあっても許されるでしょうが、企業の公式サイトや編集や校正の手が入っているプロが作る記事やコラム等で、そのような間違いがあると、それだけで一気に信用を失ってしまいます。少しでもミスを減らすため何十年と日本語について研究してきたATOKがプロのライターや編集者に愛用されているのもわかります。

     
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ピカレスクロマン? 2011/7/13(水)

514
昨年から今年にかけてベストセラーになった小説と、それが映画化されたものに「悪人」(吉田修一原作)と「八日目の蝉」(角田光代原作)があります。

「悪人」は小説だけ、「八月の蝉」は昨年放送されたNHKドラマでしか知らないのですが、その二つの内容に共通していたのは「主人公が重大な事件を犯す」「主人公の視点で物語が進み、読者(観覧者)に感情移入させようとする」ということです。

しかし主人公はいずれも凶悪な犯罪者です。その犯罪によって被害者や被害者の家族が死や絶望の淵に立たされます。そんな犯罪者でもドラマの主人公となれば、最後にはなぜか「かわいそう」「気の毒」と涙を誘う展開となっていきます。

私はこれにもの凄く違和感があって、「悪人」や「八日目の蝉」の主人公にはまったく感情移入ができませんし、また同情心も湧いてこないのです。「切羽詰まり」、「よく考え抜いた上で」、「やむにやまれず」犯した犯罪ではなく、後先をろくに考えず、かっとなり思いつきで犯した重大な犯罪ですからまったく主人公には情状酌量の余地なしです。刑法では計画的犯行のほうが重罪で、突発的、感情的に起こした犯罪のほうが軽いのですが、それはさておいてです。

そのストーリーは加害者である主人公の視点で好意的に描かれ、家族愛や苦難の逃亡時代についてお涙頂戴とばかりに、盛り上げていきます。それってやっぱりおかしくないでしょうか?その犯罪のためにどれほどみんなが迷惑を受けているのか、その視点が明らかに抜けています。

昔から犯罪者が主人公の小説や映画はいくらでもあります。「砂の器」や「人間の証明」では自分の貧しく汚れた暗い過去を知る肉親が邪魔で殺した主人公には感情移入はできなかったものの、その行為には同情を覚えました。最近では東野圭吾氏の小説などにも犯罪に手を染める主人公はよく出てきますが、それにも多くはそうせざるを得なかった深い理由がつきまといます。

この2作にはそのような深い理由や、むべもない理由で犯罪に手を染めたというのがなく、別に勧善懲悪がすべてとは言わないにしても、いくら小説だからと言っても、一時的な感情で犯す必要のない重犯罪を起こし、さらに逃げ回るという、最悪のパターンなのに、その主人公に感情移入させたり、哀れみを持たせるというのはどうかしている気がします。

イギリス人講師リンゼイさんを自分の欲望のために殺し、捨てたあと、長期間逃げていた被告に対し、顔を整形し、身分を隠し、肉体労働で働き、無人島でひとり暮らしていた強い生命力、精神力、悪賢さに対し一種の同情やヒーロー扱いする意見まで聞かれます。ま、それだけ現代の日本の社会では相対的にみて命が軽くなってしまっているのかも知れません。

生物学の論理では増えすぎた種は自然淘汰されて、やがて減少に向かうことが当たり前ですが、増えすぎた日本人の種を減らすためなのか、ネトウヨ始め、愛国主義、保守志向の傾向が国民の中で強まり、核武装せよという知事は都民から圧倒的な支持を受け、徴兵制度復活論をぶちあげる戦争を知らないお坊ちゃま2世議員は次の首相にしてみたい人の上位にランクされるようになりました。そのように本質は悪人でもそれに信念さえあれば許されるみたいな、風潮が蔓延し、やがては悪夢の歴史を繰り返すことへ向かっていくのだろうと思われます。

あまりにも話しが飛躍しすぎていることや、正義漢ぶりを発揮したいわけではありませんが、いくら小説や映画であっても、人気作家が描き、人気の俳優・女優が演じるだけで、不合理で歪んだ行動をやむを得ないものと錯覚させるような内容がもてはやされるのは、ちょっといただけないなというのが私の率直な感想です。

     

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2011年7月中旬時点のリストラと求人の各業界動向 2011/7/16(土)

515
6月の終わりにパナソニックが吸収した相手の三洋電機の社員1万数千人のリストラをおこなうことがスクープされ大きな衝撃を受けましたが、大手製造業ばかりではなく、様々な業界で大規模なリストラや希望退職、雇い止めが続いています。そして感覚がもう麻痺してくるぐらいに日常的におこなわれるようです。

下記に5〜7月中旬までの新聞等で公開された情報をピックアップしましたが、特にリストラや早期退職の企業にとってはあまり表に出したくない情報は公表の義務のある上場会社だけが中心で、規模は大きくても公開義務のない非上場企業は不明なので、ここに上がっているのは氷山の一角だと思っていいです。

そして今後の傾向としては、まだ当分のあいだ景気が回復する要素がまったく見あたらず、今後ますます悪い方へいくのは間違いなく、来年の春以降はいったいどうなるのか考えただけで末恐ろしい気がします。

監査法人の中でビッグ4の一角を占めるトーマツが全社員の約8%(440名)をリストラすることや、精密プレス加工のサンコーが全社員の25%(130名)、75年前の創業以来一度も解雇をしてこなかった優等生のリコーまでもが3年間でグループの社員の10%(1万人)をリストラすると発表しています。

比較的安定した職と見られている公認会計士や会計士補が多いトーマツのリストラは、私のようになんの資格も特技もない人間にとっては驚き以外のなにものでもありませんし、ずっとリストラはおこなわないと言ってきたパナソニックが堰を切ったように大量リストラを始めたり、同様にリコーなども従来かの慣行などどこ吹く風とばかりで、この流れは留まることはないのでしょう。

7月12日 トーマツ、希望退職者440人募集、監査報酬の収入低迷
7月12日 サンコー希望退職130人、30歳以上対象、従業員給与5%減
7月11日 横河電、希望退職150人募集に185人応募
7月10日 採用内定416人、震災で取り消し、121事業所で
7月5日 TIS、正社員の5%の400人、早期希望退職を募集
6月30日 リコー3年間でグループ全体の約1割にあたる1万人の従業員を削減する方針
6月28日 パナソニック:傘下の三洋従業員1万数千人削減へ
6月7日 東洋建設、早期退職で66人削減
6月7日 生保営業職員、3年ぶり減少、ピーク時の5割強に、銀行窓販拡大など影響
6月1日 市光工業、早期退職募集130人
5月31日 ユニヘアー、希望退職400人募集
5月24日 ミヤチシステムズ、希望退職40人募集、社員の3割、収益環境厳しく
5月18日 EJHD子会社、希望退職60人募集 震災で受注減少
5月17日 マツダ、技能系採用51人減
4月28日 ホンダ、埼玉製作所で期間従業員600人を雇い止め

一方、業界によっては採用を増やしたり、新たな求人をおこなうところもあります。リストラや希望退職とは違いこちらは企業としては誇らしくPR効果もあるので、上場・非上場問わず積極的に公表します。なのでリストラの記事より数が多いから景気は明るくなった?と勘違いしてはいけません。

求人の話題で目に付くのは下記には数が多すぎて挙げませんでしたが、外国人の求人が急増していることです。これは中国を含む東南アジアへの工場移転、インド、中東への販路拡大などが大手企業だけでなく中小企業へも急速に進んでいる影響だと思われます。日本にいる優秀な外国人を採用し、日本のノウハウを学び、それを国に持ち帰ってリーダーとして活躍してもらいたいと甘〜い希望を持っている中小企業が多そうです。ホントに優秀な人ならノウハウだけ学んで帰国すればあとは自分で事業始めちゃいますよ。

自動車製造関連は上記のように正社員や期間工の削減がある一方で、期間従業員の大量募集をおこなっているメーカーも出てきています。これは国内向けの製品はダメだけど、輸出向けは、クルマも部品も好調でという明暗が分かれているせいだと思われます。

それ以外では、下記に挙げたように工場労働者やコールセンターのような派遣、請負、契約社員という非正規社員の募集が目立ちます。まともな正社員求人では、特定の技術または専門職か、営業・販売職、あとは介護・福祉と言ったところでしょう。いずれにしても中高年者には無理っぽい仕事ばかりです。

意外に思ったのは、バイオ、ケミカル系企業の積極採用ぶりです。一般的に化学工業と言えば元々は繊維産業だったところが多いのですが、この業界は80年代には一旦成熟してしまい、その後はあまりパッとしませんでした。ところが、次世代エネルギー関連や、基礎研究が実を結んだ次世代素材などで新興国ではすぐに真似ができない製品を生み出し、国内需要と言うより世界に向けた販売が好調のようです。

東レは先日ボーイング社から全日空へ初めて納入された次世代新型旅客機の胴体や翼を軽量なカーボン素材で作り提供しましたが、今後様々な分野でその応用が期待できます。電気化学工業はLEDやリチウムイオン電池で、三菱ケミカルは太陽電池素材や医薬品など、繊維・化学品の専門商社として有名な蝶理はアジア向けの貿易部門がいずれも好調とのことです。

化学以外の業界においても、下記の事業は例え非正規社員でも増やそうとしているところは、少なくとも景気は悪くないと考えられます。現在就職活動中であるならば、どうせ狙うならばそういう業界を優先して当たるべきでしょう。もちろん逆を張って、競争相手が少ない不景気分野や、この先どうなるかわからない原子力関連へ行くというのもあるのかもしれません。

いずれにしてもこれから働くと言うことは、国内向けの仕事ではなく、広大で人口の多いアジア(東南アジアから中東まで)を向いて仕事をすることが必須となり、語学はもちろんのこと、どんな環境でも生活していけるたくましさと、文化や商習慣の違う相手とすぐにうち解けられる明るさ大らかさ、そして図々しさなどが求められます。

高度成長時代というか明治時代から長く続いた勤勉であることや、会社への忠誠心が高いこと、マニュアル通りにキチンと素早くできることが、現在の職業人としての評価基準ではないということはハッキリしてきたようです。私はちょうどその端境期の人間ですが、そのアジアの潮流に本格的に巻き込まれる前に、早く引退したいと思っているのですが、どうもスピードが速くて逃げられそうもありません。

6月29日 電気化学工業、中央研究所の人員倍増、20億円投じ改築・新設備
6月29日 セントラル自、期間従業員、被災者ら50人採用、増産に備え
6月25日 期間従業員採用、マツダも400人
6月24日 CATV各社、顧客対応要員増やす
6月24日 日産、世界販売9.9%増、今期計画、期間従業員1000人追加
6月23日 デンソー、期間従業員750人を採用
6月23日 テクノ・ライン、製造業向け請負事業を強化
6月21日 高知市にコールセンター、セントメディア、当初30人雇用へ
6月21日 自動車大手、期間従業員の採用再開、トヨタ2000人、増産に備え
6月22日 愛媛の企業、宮城にコールセンター、9月にも新設―被災者、最大300人雇用
6月20日 富士通ゼネラル、家庭用エアコン、住宅メーカーへ販売強化、営業員3割増
6月20日 三菱化学がワークシェア、最大100人の雇用創出
6月20日 採用、8割の業種で拡大、来春大卒、東レは7割増計画
6月20日 流通・外食の来春新卒採用、大卒28%増
6月16日 ホンダ、期間従業員1000人採用−6月下旬から国内生産正常化
6月10日 綜合臨床HD、臨床心理士採用を拡大、製薬の需要増受け―4年後6倍の300人に
6月9日 独ボッシュ、自動車部門1万人増員−アジア・太平洋で技術職中心
6月9日 トスネット、沿岸被災地で事業強化
6月7日 関東自動車、被災者中心100人採用、岩手工場、期間従業員で
6月6日 日本医療事務センター、訪問ヘルパー、年100人育成
6月3日 ベルシステム24、コールセンター増強
6月2日 医療機器のベアーメディック、西日本の営業体制拡充、九州に拠点、大阪は増員
5月28日 英バークレイズ、日本で投資銀部門4割増員
5月19日 ロボストラクト、LED販売強化−ベテラン技術者採用
5月12日 日立キャピタル、戦略事業強化へ人員集中
5月10日 京葉銀、来春の採用計画、110人に拡大方針
5月9日 事務職採用を13年ぶり復活、蝶理、総合職も倍増

■まとめ

【特に景気が悪そうな業界】
監査法人、自動車製造(正社員)、電気機器(国内向け)、システムインテグレーター、建設、コンサルタント

【積極採用の業界】
化学、自動車製造、自動車部品(非正規社員)、メディカル、人材派遣・業務請負(アウトソーシング)・警備、金融投資、商社、節電・エコ関連

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7月前半の読書 2011/7/18(月)

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つばさものがたり 雫井 脩介

著者の雫井脩介氏は、映画にもなった「犯人に告ぐ」や「クローズド・ノート」で大ブレークしたミステリー作家のひとりですが、この「つばさものがたり」はミステリーではなく、ホンワカした家族の絆とSFを少し混ぜ込んだロマン小説っぽい内容です。しかしハッピーエンドではなく最後には泣かせる設定となっています。

ストーリーは、家族に期待されいつかは実家のある地元で洋菓子店を開きたいと思い、東京で修行をしていた女性主人公が、その家族の夢を果たすため地元に帰り洋菓子店を始めます。しかし主人公自身重い病に罹り、店もうまくいきません。そこに主人公の兄のちょっと風変わりな小学生の息子との交流が始まり、その息子だけが見える天使見習い中の友だちから様々なアドバイスを受け、病気と闘いながら家族の夢だった店を成功へと導いていきます。

天使の世界も厳しいようで、天使になるためには試験があり、しっかりと飛べないと、妖精となり森に住むことになり、人の住む街の中には住めません。天使が多く集まるところでは店も繁盛しますが、羽根を休めるところがない場所では閑古鳥が鳴きます。なぜか入れ替わり立ち替わりいろんな店が入居しても、すぐにつぶれてしまう場所というのは確かにありますね。

パーティー会場などでふと一瞬会話が途絶えシーンとする瞬間がありますが、そのことを「天使が通り過ぎた」とか言い、シャンパンを抜くときの音のことを「天使の拍手」と言ったりもします。昔のサントリーの宣伝に出てきましたが、発酵させるために樽詰めしたワインやウィスキーを数年後に開けると少し量が減っていることを「天使への分け前」と言ったりし、昔から天使はそこいら中にいるそうです。タイトルになっている「つばさ」はその天使の翼のことです。


白い声 (新潮文庫) 上・下 伊集院静

スペインと金沢が舞台の2002年に発表された伊集院静氏の恋愛小説です。小説の中にはいくつものスペインの都市の名前が出てきますが、普通の日本人でスペインの形すら思い描ける人は少ないのではないでしょうか。私も位置はわかるものの、地名を聞いてもそれがどこにあるのかはさっぱりわかりません。

ストーリーは、親の仕事の都合でスペインで生まれ育った日本人のヒロイン(もちろん絶世の美女)が、子供の頃事故に遭ったとき偶然救ってくれた日本人男性と、思いがけず金沢の街で出合い、恋に落ちていくというストーリーですが、この日本人男性はかなりの悪で、ヒロインが事故に遭ったのも、その男が警察から追われてクルマで逃亡している際に、轢かれそうになって崖から転落したもので、読者はそれがわかっているので、なぜそんな男に惚れるのか?と疑問符だらけで読み進めることになります。

そして健気にもヒロインは、どこまでも逃げる男を追いかけて、心身共に最後まで尽くしていくという、ま、男の身勝手さとあらゆる妄想が生み出す男冥利に尽きる内容ですが、ありえねぇ、、、。

しかも著者は女性読者が多い作家さんですから、こういう小説が一部の熱狂的な女性読者には受けるのでしょう。よくわかりませんが。最後になってそれほどまでにダメ男を追い求めるのには、なにかワケがあったのか?と期待を持たせますが、結局よくわからないまま終わります。う〜(うめき声)

男の視点でもって、徹底的に「尽くす女」と自己中心的な「ワル男」を自由奔放に書けば、こういうものになるのでしょうが、しかし「男は本質的にこういう事を求めているのか?」と女性方々に誤解されてしまうのもちょっとどうかなと思ってしまいます。ま、誤解するわけないかな。

スペインのしかも田舎へのんびりと旅行する際のガイドブックにするにはいいのかも知れません。そして小説のように運命的な出会いがあなたを待っているかもしれません。ふへぇ〜(ため息)


黒蜥蜴と怪人二十面相 (角川ホラー文庫) 江戸川 乱歩

江戸川乱歩と言えば日本人なら誰でも知っている作家と思いきや、最近の若い人にはあまり知られていないかもしれません。1894年というから今から117年前に生まれ、1965年に亡くなった主に推理小説や怪奇小説を大衆や子供向けに書いていた人です。名前はもちろんペンネームで、アメリカの世界的に有名な推理小説家エドガー・アラン・ポーに由来しています。

作品の多くは太平洋戦争以前に書かれたものが多く、軍事色の強い暗い世相の中で数少ない娯楽としての小説が大衆や子供達に大いに受けたのでしょう。中でも「黒蜥蜴」は抑圧された世相に逆らうかのようなきらびやかな上流社会とエロスの薫りが漂います。おそらく大衆文学として当時はこれがギリギリのラインだったのではないかなと思われます。

今回の「黒蜥蜴と怪人二十面相」は別々の二つの作品を1冊にまとめて出版されたもので、「黒蜥蜴」は1934年に雑誌に連載され、その後有名になる探偵明智小五郎が初めて登場した作品として有名です。この作品は歌劇や映画、テレビドラマで何度か上演上映や放送がされましたが、その内容は原作から大幅に変わっていたそうです。私は観たことがありません。

もう一つの「怪人二十面相」は有名になりつつあった明智探偵の好敵手として登場させたもので、やはり戦前の2.26事件の起きた1936年に「少年倶楽部」に連載されました。その後戦後の1960年代まで多くの作品の中で明智探偵、小林少年(少年探偵団)と怪人二十面相の知恵比べが繰り広げられます。wikiに書いてありましたが、最初は「怪盗二十面相」だったのを少年向けに「盗」という言葉は教育上よくないだろということで「怪人」となったということです。

これらの小説が戦前に書かれたことを考えると、この悪役の怪人や黒蜥蜴は日本を苦しめる欧米列強で、それに敢然と立ち向かう明智探偵の知恵と、少年探偵団の奉仕的な活躍が、帝国とその国民という図式のように思えてきます。そのような政治的、軍事的な発意昂揚の要素を含んでいたかどうかはわかりませんが、当時の出版物の厳しい検閲や、紙を含め物資不足の中で、無事に出版できたと言うことは、そのような要素が含まれていたと想像できます。

ちなみに2008年に「K-20 怪人二十面相・伝」という映画がありましたが、こちらは北村想氏の小説『完全版 怪人二十面相・伝』が原作となっています。なかなかよくできていて面白かったのですが、その後、続編の話しは聞こえてこないところからすると興行的には失敗だったのでしょう。


反逆する風景 (講談社文庫) 辺見庸

赤い橋の下のぬるい水」や「もの食う人びと」でブレークした辺見庸氏のエッセーを集めたもので、「もの食う人びと」の取材で訪れた世界中の街や人の話しが出てきます。実は私は「赤い橋の下のぬるい水」や「ゆで卵」という小説は過去に読んでいるのですが、「もの食う人びと」のようなノンフィクションはあまり好きではなく読んでいません。

辺見氏は元々共同通信社の記者として世界中を旅し取材やレポートを書いていましたので、エッセイには事欠きません。読んでいると、辺見氏の出身は3.11大震災で大きな被害を受けた石巻市で、その美しい海のことなどが書かれています。またウクライナへ行ったときは、事故後数年経ったチェルノブイリから3km地点の無人と化した廃墟の中に入り、放射能測定器で放射能レベルを測り、人類がくり返し犯す誤りを暗示している場面もあります。

エッセイの寄せ集めですから、あまりそれぞれの文章につながりはありませんが、全体を通して流れているタイトルにもなっている「反逆」精神をかいま見ることができます。それはジャーナリストでも大新聞社ではなく海外にひとりで取材に出て行く一匹狼に近い通信社出身ということもあるのでしょう。

その世界を歩いて見てきた貧困や死に至る病気、飢えで死んでいく子供、環境破壊などに焦点をあて、官憲の圧力に屈せず、精力的にその実態を配信してきたという自負が感じられます。でも日本にいるとそのようなことは余りにも遠くかけ離れていて、むなしい気分にさせられる厭世的なところもちらほらとあったりします。


チャイルド44 (新潮文庫) 上・下巻 トム・ロブ・スミス

ずっと大きな書店に平積みがされていたので、人気があるのだなと思って見ていましたが、今回読んでみて初めて書いた小説とは思えないほど、よくできたミステリー冒険小説というべきか、なかなか深いストーリーで驚きました。著者はまだ32歳の英国人です。

小説の舞台はスターリン体制の末期、社会主義国家としてひた走り、強制移住や集団農場がおこなわれ、国民の暴発を防ぐためナショナリズムを高めていた1950年代のソビエト連邦で、主人公はそのソ連邦の中でも絶大なる権力を持つ国家保安局(その後のKGB)で勤務する若き元軍人です。

舞台と主人公だけを見ると、西側の作品によくある、軍事スパイもので最後は無事に亡命を果たしてハッピーエンドと思ってしまうのですが、その期待?は完全に裏切られます。あくまで当時のソ連国内で共産主義を厳しく守る上で、想像を絶する国民への統制と、役人の度を超した行動基準に則った生活、そしてその中にも密やかな家族愛が展開されます。

やがて主人公は元同僚に罠にはめられて地方へ左遷されてしまいますが、そこからプライドと意地ををかけた命がけの行動が始まります。ただクライマックスの罠にはめた元同僚との対決場面は、やむを得ないと思うものの、あっけなく終わりちょっと物足りなさを感じました。

ロシア系の名前は覚えにくく、小説を読むときにはいつも登場人物に混乱をきたすことがあるのですが、今回は登場人物が少なくて、なんとかこんがらないで済みました。映画化も予定されているそうで、恐怖政治が支配する暗黒のソ連が再現されるのが今から楽しみです。

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何度でも書く、マカフィーよ、利子つけて金を返せ 2011/7/21(木)

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以前にこんな理不尽なことがありました。

もう5年ほど前の話ですが、パソコンで使っていたマカフィーのウイルス検知セキュリティソフトは、クレジットカードを同社に登録し、毎年更新料として約4千円の引き落としがされていました。当時はそれが当たり前だったのです。今でももしそういう契約をされているならば警告を発しておきます。

ある時テレビでも宣伝をおこなっていた更新料0円のウイルス検知ソフトに変えようと思い、更新期日の2カ月ほど前に更新をしない旨の連絡を入れました。

申込みはネットで簡単にできるクセに、やめるときは平日9時〜17時までの、しかもなかなかつながらない電話をしなければなりません。何度か仕事中に抜け出して、電話を何度もかけてやっとつながりましたが、通話料が有料の上「ただいま混み合っておりますのでしばらくそのままでお待ちください」と自動アナウンスが流れます。もうそれだけで普通頭にきます。

どうにかつながって、更新を止めることができましたが、なんと更新日はまだ2カ月先だというのに、翌年分の引き落とし処理がすでに終わっていると言われて驚きました。その引き落としをした更新料は当然のことながら払い戻しをするという返事でした。

そして2カ月後になって引き落としをしたカード会社から銀行へ振り込まれ、払い戻しがされましたが、引き落としされた金額から数百円が不足しています。どうしてかをメールで尋ねたところ、「当社は規定通りの金額を払い戻しています」とのこと。

返金された金額が記載されている通帳やカード会社の明細まで写真に撮り送ったけれど、それが不足していることを認めず、決められた手続通りにやっているのでそれ以上のことは「カード会社に聞け」と言い出す始末。

更新日前に勝手に引き落としていながら、返却するときは、マカフィーかカード会社か知らないけど、勝手に手数料を引いているのか?と反論しましたが、あくまで「それはカード会社の都合」だと。

一応カード会社にも、マカフィーからいくら返金されたのかを確認したところ「マカフィーとの取引上のことなのでお答えできない」とのこと。ま、当然そうなるのでしょう。

ここからは想像だけど、一般的にカード会社は通常顧客から代金を引き落として、その中から数パーセント(通常5%)の手数料を引き、引いた残りを販売側に支払います。

なのでその逆をマカフィーとカード会社でおこなったと言うことでしょう。
つまり、
(1)マカフィーはカード会社が手数料を引いた
実際に入金された金額だけを返金し、その金額が私に入金された
(2)マカフィーはカード会社の手数料含め、私が支払った全額をカード会社に返金したが、
カード会社が顧客に返金する際に手数料を差し引いて顧客へ振り込んだ
そのどちらかまたはその両方によって起きたことと考えられます。

しかしマカフィーとカード会社のそのどちらに問題があるのか、私には調査権がないので調べようがないのでわかりませんし、マカフィーに調査を依頼しても上記のように「自分達は正しく処理をした」だけです。

まったくえげつない商売をやっているものです。あまりに頭にきたので簡易訴訟を起こそうかとも考えましたが数百円のことで数万円とその労力を使うのも無駄なので泣き寝入りです。組織に対する個人というのはいかに弱いものかを実感します。

ただ
主因はマカフィーが契約更新基準日の2カ月も前に、事前に連絡もしないで翌年分の引き落としをおこなったことにあると思っています。そのようなことがなければ2カ月前に更新停止連絡をしているわけですから、引き落としをされることもなく、問題は起きませんでした。その点の謝罪もまったくありません。

このように自動更新の契約をしていると、例えパソコンが壊れてしまって使っていなかったり、買い替えて別のセキュリティソフトを使っていてもしっかり毎年更新料を知らないうちに引き落としがされていきます。自動更新の契約と書きましたが、これは最初ネットで購入する際に入れたクレジット情報だけで、その後の引き落としがされますので、個人的には知らないうちに毎年自動引き落としがされるという感覚はまったくありません(きっと見えない小さな文字でどこかに書いてあったのでしょうけど)。

その後マカフィーとそのカード会社とはキッパリと縁を切りましたが、なんら落ち度がない顧客に対して、まったく誠意のない対応しかできない会社(マカフィー)は早くこの世から消え去ってもらいたいものです。このような泣き寝入りせざるを得ない、詐欺的な自動引き落としの契約には十分注意するしか財産を守れないという教訓です。

このような詐欺まがいの更新時の自動引き落としはネット上でも大きな問題として取り上げられています(セキュリティソフト&詐欺または自動引き落とし&詐欺)。その後は多少改善されているかもしれませんが、もっと糾弾されるべきことだと思います。

現在はフリーのセキュリティソフトを快適に使っています。

   
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7月11日の高齢者の交通事故 2011/7/23(土)

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相変わらず高齢者が絡む交通事故が多いです。特に各地で梅雨明けした7月11日には下記の4件が、同時に報道されていましたが、当然新聞テレビでは報道されていない事故も多くあるのでしょう。

◆真っ暗な道路、歩行者がはねられ死亡
7月11日午前1時ごろ、佐賀県佐賀市内の県道で、車道を歩いていたとみられる76歳の男性が進行してきた乗用車にはねられる事故が起きた。男性は収容先の病院で死亡。警察はクルマを運転していた38歳の男性から事情を聞いている。

◆トンネル内で後続車と接触、自転車の女性が死亡
7月11日午前7時55分ごろ、徳島県鳴門市内の県道で、トンネル内の路肩を走行していた自転車に対し、後ろから進行してきた乗用車が接触する事故が起きた。自転車は転倒し、乗っていた68歳の女性が収容先の病院で死亡している。

◆遮断機作動後の踏切に進入、運転者は意識朦朧
7月11日午前9時ごろ、愛知県江南市内にある名古屋鉄道・犬山線の踏切で、遮断機が作動した後に踏切内へ進入してきた乗用車と、通過中の急行列車が接触する事故が起きた。クルマの運転者にケガはなかったが、意識朦朧だったことから病院へ収容されている。
クルマは中破。運転していた60歳代の男性にケガはなかったが、意識が朦朧とした状態だったことから、近くの病院へ収容した。

◆軽トラックと電動車いすが正面衝突
7月11日午後1時30分ごろ、広島県安芸高田市内の県道を電動車いすで走行していた91歳の女性に対し、対向してきた軽トラックが衝突する事故が起きた。女性は収容先の病院で死亡。警察はクルマを運転していた64歳の女を逮捕している。



クルマに乗るということは常に人身事故とは無縁でありません。特にこれから夏休みに入る子供や高齢者は、想像できない動き方をする場合があり、また高齢者の運転するクルマは、注意散漫や安全確認不足による飛び出しなど多いように感じますので、注意をしたいものです。メーカー側も例えばボルボのシティ・セーフティや、スバルのアイサイトなど安全装置の幅広い普及など、もっと高齢者ドライバーに優しいクルマを提供してくれることを強く望みます。


     
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7月のDVD 2011/7/27(水)

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ソーシャル・ネットワーク 2010年米 監督:デヴィッド・フィンチャー 出演:ジェシー・アイゼンバーグ

日本ではイマイチ盛り上がりに欠けていますが、世界の中ではもっとも使われているというSNS、Facebookを創設したマーク・ザッカーバーグの創業を描いたフィクション映画です。決してザッカーバーグやFacebook社が金に飽かして作らせた宣伝用映画ではなく、ある程度は事実を元にして、本人や会社には了承は得ずに勝手に作られたものです。

Facebookの立ち上げに協力したと言われているNapster(ナップスター)の創設者ショーン・パーカーなども出てきて(本人ではなく役者)、基本登場人物は実名で出てきますので、アメリカのIT業界に詳しいとなかなか面白く見られるのではないでしょうか。

しかし、果たしてこれがエンタティメント映画として耐えられる内容かと言うと、いわゆるどこにでもありそうなベンチャー起業の成功物語であり、興味深いことはあまりなかったなと言うのが印象です。場面も訴訟?シーンと、その原因となった行為や行動のくり返しで、淡々と進んでいくだけです。

教訓として得られるのは、成功するビジネスというのは決して、理論や経験値ではなく、ふとひらめいた遊び心のあるアイデアや、人のアイデアのパクリ、ちょっとした先輩からのアドバイスなどによるもので、学歴やMBA資格などを持っていたところで、そういう起業家にはなれないということでしょう。

アメリカでは勧善懲悪、アメリカが一番(あるいはアメリカ最低)という映画が多い中、このようなドキュメンタリーチックな映画をふと見ると、あれ?っていう違和感を感じます。それがこの映画の狙いなのかもしれません。



大帝の剣 2007年東映ほか 監督:堤幸彦 出演:阿部寛、長谷川京子、黒木メイサ

夢枕獏の長編小説の映画化で、ゲームやコミックとしても出ていますので、このタイトルは幅広い層に知られているものと思われます。と書きましたが、私はこういう映画があるとはまったく知りませんでした。

夢枕獏氏の小説は過去に「神々の山嶺」「上弦の月を喰べる獅子」「陰陽師」を読みましたが、いずれも面白く、さて次は何を読もうかと調べていてこの「大帝の剣」が映画化されていることを知りさっそく借りてきました。

内容は、大昔に地球に落ちてきた特殊な物質が三種の神器となり、それを求めて善と悪2つの地球外生命が徳川時代の日本にやってきます。おそらく小説ではその由来や経緯なども書かれているのでしょうが、映画では相当部分端折ってあり、アレクサンダー大王が持っていたとされる剣がなぜか織田信長へ異国人とともに献上品として渡り、さらにその異国人の息子万源九郎へと渡っていったかなどはよくわかりません。

ま、細かいことは抜きにして、阿部寛がその異国人の息子として大太刀を背負い、奪いに来た地球外生命や、密かにそれらを探してきた徳川幕府勢と闘い、そしてなぜか北陸にまで来ていた天草四郎(黒木メイサ)にも助けられ、三種の神器を揃えて悪をやっつけるというハチャメチャな映画でした。

見所は、黒木メイサのキリッとした天草四郎役の若侍姿と、悪と手を組み剣を奪おうとする姫夜叉の杉本彩の艶っぽさぐらいでしょうか。杉本彩も今は43歳、この映画当時は39歳でしたが色気や存在感はまったく衰えていません。

ただ原作の小説ではエロチックな場面が多いそうですが、映画ではR指定を恐れてかどうか知りませんが、そのようなシーンはまったくありません。姫夜叉と万源九郎が露天風呂の中で闘うシーンも、色っぽさはまったくなく、原作を読んでからこの映画を観て、それらを期待すると、ガックリするのは間違いありません。


武士の家計簿 2010年松竹ほか 監督:森田芳光 出演:堺雅人、仲間由紀恵、中村雅俊

磯田道史著の「武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新」を元にした映画で、加賀藩に勤める祖先から続く「そろばん侍」の生活を、残された入払帳などの記録を元にして再現した映画です。したがって時代劇でありながら派手なチャンバラもなければ、忍者もお姫様も悪の代官様も越後屋も登場しません。

堺雅人はデビューから長くいい映画に恵まれていませんでしたが、2009年頃から主役級の「ジェネラル・ルージュの凱旋」、「南極料理人」では主役、2010年に「ゴールデンスランバー」の主役など、人気と演技力が認められてか、急速にいい仕事が回ってきているようです。この映画でも本当にいい味を出しています。

今回も地味な役で人情の機微に触れるような場面が多いながら、人柄の良さと真面目さが十分に伝わってきます。代々そろばん侍の家系を継ぎ、彼もまたそれを息子に伝え、その反発しながらも親の意志を継いでいく息子が、明治維新で大きく世の中が動く中、得意の会計知識で新政府の中で抜擢されていくという感動的なシーンがとてもいい感じです。


グリーンホーネット 2011年米 監督:ミシェル・ゴンドリー 出演:セス・ローゲン、ジェイ・チョウ

元々「グリーンホーネット」は、1960年代以降、バットマンやスーパーマンと並ぶ主人公が変身して活躍するスーパーヒーローもので、テレビドラマとして放送されていました。日本ではその内容よりも、主人公の相棒役の運転手カトーが、当時まだ無名だったブルース・リーがお得意のカンフーを使い演じていたことで評判となり、これが彼の出世作と言われています。

そのリメイク最新版の映画ですが、カトー役は台湾のマルチタレント、ジェイ・チョウが演じています。そう言えば実写版の「頭文字[イニシャル]D THE MOVIE」(2005年)で主人公をやっていたのはジェイ・チョウでした。日本では俳優と言うよりミュージシャン、作曲家としてのほうが有名かもしれません。

ストーリーは、グリーンホーネットの誕生秘話的なところから、街を仕切るマフィアのボスとの対決や、父親を蜂を使って殺した選挙に勝つためならなんでもやる悪徳検事との対決です。

バットマンと比べるとファンクラブまでありそうな「ジョーカー」や「ペンギン」など象徴的なヒール役がいないので、ちょっとそのあたりを期待するファンにとっては弱いなと感じます。もし世界中でヒットすればシリーズ化されるのでしょうが、どうもそれはなさそうに思えます。

ブルース・リーのあの絵になるカンフーに対して、ジェイ・チョウは格闘技は素人同然で、特撮やCGでごまかしているものの、その迫力がまったく伝わってきません。とか書くと彼には熱狂的ファンが多そうでクレームがやってきそうですが。ま、本人も単にブルース・リーのカトーを真似るのではなく、新しいカトーを演じるということで、割り切った出演だったのでしょう。

ちなみに映画の時代設定は現代になっていますが、テレビドラマ当時の1960年代は、まだアメリカでは人種差別的なことが多く、アメリカに住んでいるアジア人は能力も地位も低く、せいぜい庭師か、白人のお抱え運転手をしているというのが一般的でした。ブルース・リー演じるカトーも主人の命令には絶対服従の下僕という感じでした。

しかしさすがに現代のこの映画ではそういうわけにもいかず、一応は役柄は同じように社長の運転手ですが、運転以外にも画期的な武器を次々と開発する優秀なエンジニアでもあり、主人公が社長を務める新聞社の中ではスーツを着て、主人公と対等な関係のパートナーとなっているところに時代を感じさせられます。

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若いビジネスマンへ告ぐ 2011/7/30(土)

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私は今から約30年前の1980年に新社会人として人材系の会社に就職しましたが、入社して最初驚いたのは男女ともいつもビシッとしたダークスーツを着ていて、半端なく残業が深夜近くまで日々続いても先輩の服装が乱れることはなく、靴もいつもピカピカの革靴で、社内だからといってネクタイを外す人や、サンダルに履き替えているような人は誰ひとりいませんでした。

時代が時代だったからとも言えますが、会社の業種、つまり人と会って話すことが多い仕事だと、普段から他人に不快感を与えない清潔さ、信頼感を得るための身だしなみ、マナーを心掛け、テキパキとした行動がいつも求められていた結果だと思います。

そういう今思うとお堅い環境の中で20年近く過ごしてきたこともあり、その後人材ビジネス以外の業種へ転職し、社員の服装が自由になり、さらに近年はクールビズとかで、周りにスーツを着ている人がほとんどいなくなるこの環境の変化には凄く衝撃を受けました。特にオフィスの中を素足にサンダル履きでペタペタ歩く人が結構いるのを見て、さすがにそれはないだろと思ってしまいますが、最近はそれも決して珍しいことではなくなりました。

学校を出たばかりの若い人ほどこのスーパークールビズに慣れるのは早く、つまり学生時代の普段着で出社すればいいのですから、あらためて買ったりする必要もなく、また普段から着慣れているのと髪型もカジュアルに適したスタイルで、悔しいけれどサマになっています。

私のようなおじさんは、転職後、服装は自由でいいよと言われてからもかなり長い間スーツにネクタイをして通勤していました。1週間毎日違うスーツを着ることはできても、休日用の服(カジュアル)や靴はそんなに持っていません。また毎日着慣れたスーツのほうが、当時は楽だったこともあります。それに、今日はお客さんの偉いさんと会わなければならないのでスーツを着なくちゃ、明日はカジュアルでいいとか毎日考えるのが面倒と言うこともありました。

クールビズが流行り始めた頃も、おじさん連中は単にスーツのズボンにノーネクタイのワイシャツというスタイルが多かったように思います。スーパーの紳士用品売り場ではクールビズ用の半袖シャツが一番目立つところで売られていましたので、それを求める人が多かったのでしょう。靴だってビジネス用の革靴は何足も持っていますが、カジュアルシューズなんて1足しか持っていませんからスーツ用のズボンを活用するしか手はありません。

しかし、しかし、もし若いあなたが就職や転職をして、服装にそれぞれの価値観を持つ会社で、いきなりサンダルでペタペタと歩いていたら、先輩や上司からぶっ飛ばされる会社がいくつもあるということを知っておいてください。

「そんなお堅い会社にはいかないよー」と思っていても、もし自分の本当にやりたいことができて、しかも給料がよければ、社内のドレスコードなんて気にしないで決めてしまうでしょ普通は。要は服装の自由度がどこまで許されるのかというのは、会社(つまり上層部の年寄り連中)によって決められてしまうってことです。若い人しかいないベンチャー企業なら比較的自由度は高いですが、そのベンチャー企業を興した社長が元々お堅い会社勤めをしていた人ならまた違ったセンスを持っているかも知れません。

昔勤めていた会社の社長が「役所の中でサンダル履いてペタペタ歩いているのは仕事のできない下級役人と思って間違いない。エリートのキャリア達はいつもスーツを着てちゃんと靴を履いているし、海外の企業を見ても上層のエリート達はみんな服装はキッチリしている。」と言ってました。まだ勝ち組とか負け組という流行語がない時代でしたが、要は勝ち組の服装はみんなキッチリしていると言いたかったのでしょう。

私の感覚ですが、金融ビジネス(銀行、証券、商品取引、消費者金融、保険等)、人材系ビジネス(紹介、派遣、教育等)、商社、官公庁向けビジネス、経営コンサルタントなどは、職種にもよると思いますが保守的なスタイルが多いところです。当然その子会社や関連会社というところも、その多くの会社の社長は親会社からの天下りなので、規則やドレスコードは同じというところが多いのです。


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