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---------------------------------------------------------- 3月後半の読書と感想、書評 2025/4/5(土) 1832 サイコパス(文春新書) 中野信子
私には元財務官僚で弁護士、同じようにテレビのコメンテーターとしても活躍している山口真由氏と見分けがつかないことが時々あります。頭の良いインテリ女性は似てくるものか、それとも単に私がボケてきているのかも。 私もそうですが、一般的にサイコパスというと、小説や映画で有名な「羊たちの沈黙」などに出ていたハンニバル・レクターのような「知能レベルが高く凶悪犯罪を良心の呵責もなく平然とやってのける人」というイメージを持ちますが、この著作を読むと決してそうとばかりは言えなさそうです。 例えば、詳細な検査もしてない状態で現代の人を名指しで「この人はサイコパシー(精神病質)」と決めつけることはできないでしょうけど、過去の偉人と言われる人でも、その日常的なふるまいや、対人関係、異性関係、言動、周囲の人の話しなどから、ある程度はサイコパシーが特定できるようです。 事例としては快楽のために単独で連続殺人事件を起こしたような人や、事件は起こしていなくても突出したプレゼン能力や人を魅了する対人コミュニケーション能力などで、多くの他人を引きつける魅力がある人などです(他にも諸々条件があります)。 つまりサイコパスと言っても、イコール凶悪犯罪者という意味ではなく、人類が進化してきた中である一定の必要とされる能力の持ち主、つまり危険を顧みず見知らぬ場所へ進んで冒険し、先頭に立って敵と戦い、多くの仲間をまとめ上げたりする極めて特殊な役割がありました。 ただ同時に反社会的で、スリルを求め、自分を攻撃する(自分の利益を阻害する)相手には容赦がなく、被害を受けた他人の心を思いやることができないという性質も持ち合わせています。また現代の裁判で犯罪が起きた理由をすべて他人のせいにするのも特徴です。 本著ではサイコパスと思われるのは日本で言えば織田信長、中国の毛沢東、オーストリアのマリア・テレサ、アメリカのJ・F・ケネディやスティーブ・ジョブズなどが挙げられています。 その他、実名には上がっていませんが、サイコパスが多く含まれる職業として、最高経営者(ワンマン経営者)や政治家、弁護士、外科医、トレーダーなどです。逆に言えばそのような職業にはサイコパスが向いているとも言えそうです。 世界各国の精神科医や脳科学者などがサイコパスの特徴や見分け方、治療方法について研究をしていますが、日本ではあまり聞いたことがなく、どちらかと言えば欧米人特有の問題という意識がありました。 サイコパス性のある人の発生率はやはり欧米に多いようですが、アジア圏はそれよりは少ないながら人口の1%ほどにはサイコパシーとみられる病質があることがわかっているそうです。 弁説爽やかで人たらし、人間としての魅力はあるけれど、自己利益のためには手段を選ばず、他人の痛みや苦悩は理解できず関心がないなど、サイコパスの条件をいくつか挙げていくと、「あぁ、あの人、、、」と誰でも数人が思い当たるでしょう。それだけ身近に感じられるようになったのが本書です。 ★★☆ 高慢と偏見(上)(下)(ちくま文庫) ジェイン・オースティン
著者が生きた時代は英国で産業革命(石炭を利用したエネルギー革命)が発生した時代とほぼ同じですが、まだその恩恵は高価な産業機械などに限られていて、貴族でも移動は自動車などはまだなく、乗馬や馬車という時代です。 時代は違いますが谷崎潤一郎の「細雪」の英国ヴァージョンっていう感じで、細雪は4姉妹、こちらは5姉妹の恋愛物語とも言えます。 本著は著者が20〜21歳の頃、1796年から1797年に書かれたもので、その時は出版を断られましたが、その後手直しをして1813年(38歳頃)に出版されたものです。とても20歳の女性が書いたと思えないほどの熟練さが感じられる物語です。 過去に3度、1940年、2004年、2005年に映画化され、1995年にBBCでドラマ化、日本では2012年に宝塚でミュージカル化、そして2009年には望月玲子によってコミック化もされています。 タイトルは原題が「Pride and Prejudice」で、ほぼ直訳です。 その「高慢」は、働かないことが美徳である裕福な貴族達の振る舞いを指し、そうした貴族と付き合う中で生じた主人公女性の貴族に対する偏見のふたつをうまく取り上げています。 最初はタイトルから難しそうな小説かな?と勝手に想像していましたが、全然そう言うことはなく、どこにでもよくいそうな噂話や痴話話などが大好きな女性達が中心で、当時の未婚女性達はお金持ちでできれば身分の高い男性に見初められることが最大の目的で(今もあまり変わりないけど)、舞踏会やお茶会などには着飾っていそいそ出掛けていく風景が目に浮かびます。 若い女性からみた英国の貴族社会と、紆余曲折を乗り越えてハッピーエンドに向かっていくという、当時の女性達にはたまらない魅力ある小説だったと思います。 ただ著者自身は一生結婚することがなかった人生でした。 ★★★ 少女(双葉文庫) 湊かなえ
2016年には三島有紀子監督、本田翼、山本美月、真剣佑などの出演で映画が公開されています。 主人公の二人の女子高生が、転校生から友人が自殺をしてその死体を見たという話から、自分も知っている人が亡くなるところを見てみたいという欲求が強くなります。 ひとりは学校から補講として命じられた高級老人ホームの手伝いへ、ひとりはボランティアで話聞かせをするため病院へ行き小児科の入院患者と接するようになります。 いろんなところでそれぞれにつながっていて、内容的にリアリティにはまったく欠けますが、話としては面白く、よくできた物語として読むことになります。 外から見ていると、いつもつるんでいて自主性が乏しそうにみえる若い女性が、主人公達のように、ひとりで様々な行動を自主的に起こすというのが最近の人?っていうのはなにかモヤモヤします。 いずれにしても最近の女子高生のことなんかさっぱり理解不能なオヤジには、どこか違う時代と世界の話みたいで、読んでいて気恥ずかしささえ感じました。 ★★☆ ◇著者別読書感想(湊かなえ) 寝ぼけ署長(新潮文庫) 山本周五郎
収録作品は、1946年から1947年に小説雑誌に連載された「中央銀行三十万円紛失事件」、「海南氏恐喝事件」、「一粒の真珠」、「新生座事件」、「眼の中の砂」、「夜毎十二時」、「毛骨屋(けぼねや)親分」、「十目十指」、「我が歌終る」、「最後の挨拶」の10篇です。 地方の警察署署長として赴任してきた、いつも寝ぼけ眼で、仕事のないときには机でうたた寝をしていることから周囲からは「寝ぼけ署長」と呼ばれています。 主人公はその警察署長ですが、語り手はその署長の秘書?なのか同じ警察官舎に住んでいるワトソン役とも言える人物です。 様々な事件や問題が持ち込まれますが、犯罪者に対しても人情味ある解決策をとる場合もあれば、権力を笠に着た悪人に対しては、根回しをした上で脅しのような圧力をかけます。見かけの寝ぼけ署長とは違い、事件が起きるとなかなか爽快な内容です。 こうした見かけ上は「デキる人」と比べて平凡かそれ以下な雰囲気でも、事件を見事に解決するという意外性を見せてくれるのは、「刑事コロンボ」など以外にもよく使われる手ですが、この時代(1946〜1947年)だと同じ1946年に登場した横溝正史著の金田一耕助シリーズ第1作目「本陣殺人事件」と同時です。 内容は、お金の単位に「銭」や、貧民長屋などが出てきて、時代を感じますが、発想が面白く楽しく読めます。 ★★☆ ◇著者別読書感想(山本周五郎) 【関連リンク】 3月前半の読書 もう過去はいらない、短劇、神秘(上)(下)、つやのよる 2月後半の読書 女ともだち、始まりはジ・エンド、もう過去はいらない、ユタと不思議な仲間たち 2月前半の読書 明日の食卓、悪貨、罪の轍、冷たい太陽 ---------------------------------------------------------- 台湾有事に備えておくべきこと 2025/4/12(土) 1833 ![]() 専門家の話では中国が台湾へ侵攻するのは習近平国家主席が異例の4期目に入る2027年頃が怪しいとか、毛沢東に並ぶ中国の英雄になれるよう、自分が主席にいる4期目のあいだに決着を付けると思われるので、2028年頃ではないかと様々な憶測が飛び交っています。 いずれにしても、遅かれ早かれ、ロシアのプーチンが独立国であるウクライナへ攻め入ったことを考えれば、ロシアよりも強力な軍隊を持っている中国がその実力を自国の一部だと主張している台湾へ向けて発揮したがっているのは自明の理です。 中国、台湾周辺での軍事演習終了と発表 主要港湾とエネルギー施設への攻撃訓練も実施(2025年4月3日AFPBB News)
ロシアのウクライナ侵攻において、中国が一番心配していたアメリカの動向が、民主主義や国際法など関係なく、結局は強い者、自国に利益をもたらす側に付く大統領へと代わったこともあり、風向きが変わりロシアにとって好都合な状況になってきました。 中国はその状況をしっかり見ているので、それに習ってアメリカが本格的に介入してくる前に、圧倒的な力で台湾を一気に制圧すると同時に、アメリカに対しては外交ルートで貿易やレアメタルなどで大きく譲歩すれば、それ以上の関係悪化が避けられるという戦略があり得そうです。 アメリカにとっては大きな貿易赤字を出している台湾を自国の軍隊の犠牲と巨額の軍事費を使って守るより、代わりに中国に貸しを作り、大きな利益を得る方が良いと考えるはずです。冷戦時代とは違い、反共、防共思想などありません。 ただ米中両国とも、被害が甚大になる直接対決だけは避けたいはずですから、中国が台湾侵攻の際、米軍が駐留する沖縄周辺に飛び火しないように最大の注意をするでしょう。そういう意味で日本はアメリカ軍が駐留している間は中国から直接攻撃されることはなく安全です。 では、日本はなにを想定し、準備しておかなければならないでしょう。外交と軍事面に関しては専門家に任せておくとして、、、 中国が本気で台湾へ侵攻すれば、ロシアがウクライナに侵攻するよりずっとたやすく決着するでしょう。それぐらい中国と台湾では軍事力や兵員動員力に差があります。 中国人民解放軍の正規兵士は200万人を越え、台湾の軍は20万人程度ですから、侵攻が始まれば大量のミサイルで台湾の空港など軍事拠点を攻撃したうえで、台湾全土は航空機と艦船であっという間に制圧されてしまうことになるでしょう。中国沿岸部と台湾本島の海峡の距離は150〜200kmしかありません。 ![]() つまり事が起きれば日本の自衛隊(自衛隊は台湾へ出向いて戦闘することはできない)はもちろん、日本に駐留するアメリカ軍でも到底太刀打ちできないので、日本にできることは、自国への攻撃に備えることと、台湾に近い離島の住人の避難、台湾から逃げだしてくる難民や、病人、怪我人を人道的に受け入れる体制でしょう。 そのためには、台湾に近い日本の領土、与那国島や石垣島、西表島に大規模な第一次救援センターをあらかじめ設けておき、さらにそこから沖縄本島や九州、本州などへ住人や避難民を搬送するルートと居住施設等をあらかじめ準備しておく必要があります。 移送ルートは、コトが起きれば一時的に日本の客船や長距離フェリーを国が借りて、離島や沖縄から安全な地域へ運ぶことになりますからそういう訓練をしておくことが必要です。 ちなみに台湾に一番近い与那国島までの距離は100kmほどですから、海が荒れてなければ避難民が小さな漁船やプレジャーボートでも渡ってこれます。 さらにできれば台湾で被害を受けた怪我人や病人を収容できる病院船をあらかじめ建造しておき、台湾付近で戦闘の影響を受けないようにしながら怪我人を救助することも考えられます。 病院船の運用は場合によっては戦闘地域近くへ行くことが想定されるので海上自衛隊が望ましいですが、なにか問題がある場合は、国からの委託で安全を配慮し民間の赤十字などでも良いでしょう。 そして想定としては数十万人の避難者を収容できる施設を全国各地に準備しておくことが必要です。 新たに立派な箱物を作る必要はなく、閉校した学校や民間の社員寮、国が借り上げる旅館やホテル、空き家などを利用し、すぐにまとまってしばらく住めるようにしておきます。場所は沖縄や九州だけでなく、数が多いだけに全国で用意しておく必要があります。 これらの病院船や避難者収容施設は、災害の多い日本では台湾有事以外にも活用できる機会があるので今すぐ準備しておいて良いでしょう。 避難者はその後日本で難民申請するか、その他の国へ行くか、それとも戦闘が終わった台湾へ戻るかは自由ですが、日本で難民申請する人には、学校や就職の斡旋なども必要となります。そうした非常時マニュアルや訓練はもう必要なレベルまできています。 繰り返しますが台湾侵攻が起きたときに、日本はその戦闘に直接関与することは考えにくいですが、飛び火がないとは限りませんし、台湾にもっとも近い中国以外の国、日本へ逃げてくる難民は想像を超えて多いと思います。 そして難民申請が厳しい日本でも、もし台湾有事が起きて大勢の台湾人が命からがら日本へ逃げてきた時に、追い返すようなことはできないでしょう。 毎年、90万人近くの人口が減少していっている日本だからこそ、人道的な難民受け入れができる素養があると思うのです。 そして、最終的に、台湾有事が杞憂に終わり、また国内で大きな災害が起きず、収容施設が無駄になってしまったという結果になったとしても、豪華な庁舎や公務員宿舎と違い、国民の多くはそれをもって「税金の無駄遣い」という批判は少ないのではと思います。 台湾有事が起きることを望んでいる人は日本には誰ひとりいないと思いますが、なにもしないで外交だけで戦争(内戦)なんか起きない!と言える根拠はありません。 そして、最終的に、台湾有事が杞憂に終わり、また国内で大きな災害が起きず、収容施設が無駄になってしまったという結果になったとしても、豪華な庁舎や公務員宿舎と違い、国民の多くはそれをもって「税金の無駄遣い」という批判は少ないのではと思います。 【関連リンク】 1597 民主主義対非民主主義、勝つのはどっちだ? 1510 日本のお城は美しい 1024 沖縄へ行く観光客はなにを求めるか ---------------------------------------------------------- 4月前半の読書と感想、書評 2025/4/19(土) 1834 43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の真相(新潮文庫) 石井光太
2012年に出版されたノンフィクション「遺体:震災、津波の果てに」を原作とした西田敏行が主演した映画「遺体 明日への十日間」が2013年に公開され、本もよく売れていた印象があります。 本著は、2015年に川崎市の多摩川で起きた川崎中1男子生徒殺害事件をルポしたノンフィクションです。タイトルの「43回」とは、殺された中3の少年が友人だった3人にカッターナイフで切りつけられた数を表しています。 当時は同じ川崎市に住んでいることもあり、新聞で読んだぐらいでしたが、その時の印象としては、「不登校で家に寄りつかなかった不良少年が、仲間だった年上の不良少年達を怒らせてリンチを受け殺されてしまった」「川崎市では珍しくない家庭的に恵まれないフィリピン人とのハーフの不良少年たちが仲間割れしての犯行」というものでした。 しかしこのノンフィクションを読むと、話は単純ではなく、もっと複雑な家庭状況や、不良仲間同士の関係性、主犯とされた加害少年の異常な性格や飲酒癖などが掘り下げられています。 ただ残念なことに、主な取材先は離婚後遠く離れた場所で暮らしていた被害者の父親がメインで、被害者少年と一緒に暮らしていた母親や兄妹には話がまったく聞けていなく、本文中にエクスキューズされていましたが一方的な内容の偏りはあります。 また同級生や事件には関わっていない知人の不良少年などにはインタビューができていますが、まだ精神的に幼い未成年のためか、話に信憑性や正確性に乏しい印象があります。中には話が聞きたいなら金を出せという少年もいたようです。 裁判の結果、主犯の少年は9年以上13年以下という判決が出ましたので、2015年から収監されていたため、従犯の二人はもう社会に復帰していて、主犯だった少年も早ければすでに、いずれにしても間もなく社会に復帰してくる頃と思われます。 被害者遺族の気持ちは計り知れないですが、まだまだ長い加害者達のこれからの人生がどういうものになっていくのか、気になるところです。 ★★☆ 汝の名(中公文庫) 明野照葉
本著は2003年に単行本、2007年に文庫化、2020年に新装文庫化され、これを原作として2022年にテレビドラマ化されています。 内容は有吉佐和子著「悪女について」や、貫井徳郎著「新月譚」などを見るまでもなく小説やドラマでテーマとなることが多い、女性主人公が肉体や才能を最大限に生かしてのし上がっていくというものです。 働かない同棲男に見切りをつけ、名前を変えて肉体や才能を使って勝ち組エリートを目指していきますが、他の小説と違うのは、主人公が姉妹と称して同居している見かけも思考も対照的な二人いるという点です。 ひとりは美貌と抜群のスタイルで、それで得たスポンサーの協力でタレント派遣会社の経営者です。 もうひとりの主人公は地味で目立たない勤務していた製薬会社を辞め、もうひとりの主人公(タレント派遣会社社長)の高級マンションに同居し家事全般を担っています。 ひとりの主人公が元製薬会社にいたということで、これは薬物犯罪ものだなぁとすぐ想像はつきましたが、その通りの展開です。 仲が良かった二人の関係が、あるエリート男性の出現で崩れていくというのは現実でもよくありそうです。特に女性同士でルームシェアをしている場合、この小説と同様、二人の関係はいとも簡単に崩れていくことは大いにありそうです。 女性の心理描写が多く、高齢のオッサンが読んでも「そんなものか」ぐらいにしか感じませんが、極端な発想の裏表をネチネチ見せられ続けると、面白いと言うより煩わしく思ってしまうのは昭和の人間だからでしょう。 ★★☆ ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻(文春文庫) P・G・ウッドハウス
今回の作品は1920年代頃に英国で出版されたものの中から抜粋し、2005年に日本語版として出版した単行本「P・G・ウッドハウス選集 ジーヴズの事件簿」(原題:The Casebook of Jeeves)を、2011年に文庫化する時に、1巻を2巻に分冊したうちの1巻です。 連作短篇集で、時代背景は著者が生きていた時代、20世紀初頭のロンドンで、才智優れたジーヴズという名の執事と、主人たるバーティという名の軽薄な独身貴族青年とのあいだで起きる軽快なユーモア小説です。 収録作品は、「ジーヴズの初仕事」、「ジーヴズの春」、「ロヴィルの怪事件」、「ジーヴズとグロソップ一家」、「ジーヴズと駆け出し俳優」、「同志ビンゴ」、「バーティ君の変心」の7篇です。 分冊されたもう片方は、「ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻」ですが、もう読みたいとは思わないかなというのが感想です。 短篇のユーモア小説ではブラックユーモアのサキ著の短篇集が好きですが、こちらは笑えないつまらない子供向けの漫画でも読むような感じで私には合いませんでした。 ★☆☆ シクラメンと、見えない密室(光文社文庫) 柄刀一
連作短篇集で、収録作品は「傷とアネモネ」、「遠隔殺人とハシバミの葉」、「シクラメンと、見えない密室」、「クリスマス・ローズの返礼」、「オークの枝に、誰かいる」、「おとぎり草と、背後の闇」、「夾竹桃の遺言」の7篇です。 いずれもカフェのママさんとその娘の二人が、相談に訪れた客や、遭遇した事件、事故などで、推理を駆使して難解な事件を解決していくというもので、連作短篇と言うこともあり、内容は軽く、サクッと読むのに適しています。 タイトルからもわかるように、花や樹木の植物をキーとして、その花言葉や由来、伝説などを駆使し、殺人事件や、自殺未遂の謎など、ミステリーを解いていくという変化球のストーリーがなかなか楽しいです。 草木を使った薬学に詳しく、古い知識に詳しく、まるで何百年も前から生き続けているような西洋風の魔女というものが、現代の日本に蘇れば、案外、普通のカフェで店主(ママさん)をやっていたりするという想像も面白い発想です。 ★★☆ ◇著者別読書感想(柄刀一) ゴースト(朝日文庫) 中島京子
著者は1964年生まれ、2003年に「FUTON」で作家デビューされ、2010年には「小さいおうち」で直木賞を受賞されています。 各短篇は各個別の小説で、いずれもゴースト(幽霊)がモチーフとなっていますが、中にはゴーストライターのような幽霊とは言い難いものまで含まれています。 一番良かったのは「ミシンの履歴」で、戦前から酷使されてきたミシンが主人公で、その時々の女性達がそのひとつのミシンをよりどころに生活していく姿が目に浮かんできます。 というのも、私がまだ幼かった頃には、足踏みミシンが2台自宅にあって、父親も母親もそれを自在に使えたことや、そのミシンで衣服を縫ってもらったりしたことをかすかに覚えています。 あの無骨ながらも凜々しく思った蛇の目だったかシンガーだったか忘れましたが、足踏みミシンが、あの当時の女性が内職をして生活の糧を得る方法だった時代を思い出しました。 ★★☆ 【関連リンク】 3月後半の読書 サイコパス、高慢と偏見(上)(下)、少女 湊かなえ、寝ぼけ署長 3月前半の読書 もう過去はいらない、短劇、神秘(上)(下)、つやのよる 2月後半の読書 女ともだち、始まりはジ・エンド、もう過去はいらない、ユタと不思議な仲間たち |
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