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日本の農業はどこへ向かうか マイカーで東京から京都まで旅行する場合 ゴルフをプレイしている人の年代層割合に驚いた 世界と日本の宗教別信者数 2021年版出版社不況 客員教授と非常勤講師ってなんだ? ロバート・B・パーカー「スペンサーシリーズ」全巻まとめ 窓ガラスの熱割れで火災保険は使えるか? 天然素材でも綿はよく燃えるらしいことがわかった やっとのことでJ:COMを退会した 貯まった1円玉はどうする? 自動車整備士に未来はあるか? 液晶テレビが壊れた件 リタイア後の心配事 運転免許証取得者は意外にも増えている 著者別読書感想INDEX −−−−−−−− |
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リストラ日記アーカイブ 2021年2月 読みやすいようにアーカイブは昇順(上から古いもの順)に並べ替えました。上から下へお読みください。 日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです |
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---------------------------------------------------------- 神社の種類について 2021/2/3(水) 1507 今年の初詣には、静岡県にある「富士山本宮浅間大社」へ行きました。 富士山信仰の中心で、全国にある浅間神社の総本社です。 コロナ禍ということもあり、混雑する時間を避けて、マイナス6度の深夜の時間帯に行きました。 寒さに震えながらまるで修行みたいなものでしたが、駐車場に並ぶこともなく境内もガランとしていました。 ◇ ◇ ◇ 神社は国内に登録されているところが8万1千社(文化庁)、その他登録されていない神社を含めると10万社近くあるそうです。 ラーメン店の数は全国に約3万店(2018年)、コンビニエンスストアの数は5万8千店(2018年)ほどですから、神社の数はラーメン店の3倍以上、コンビニの2倍近くあるのですね。お寺の数は全国に約7万7千寺だそうです。 一般的に神社と言っても、その宗派や規模などによって、様々な呼び方があります。 例えば一般的な「○○神社」以外に、「○○神宮」や「○○大社」という名称があります。 ◇ ◇ ◇ 「○○神宮」と呼ぶ神社は、天皇や皇室との縁が深いことでつけられている格式の高い神社で、全国に24社あります。 神宮を名乗っている代表的な神社は、 伊勢神宮(三重県)、橿原神宮(奈良県)、平安神宮(京都府)、熱田神宮(愛知県)、明治神宮(東京都)、北海道神宮(北海道)、気比神宮(福井県)、近江神宮(滋賀県)、香取神宮(千葉県)、鹿島神宮(茨城県)などがあります。 ◇ ◇ ◇ 「○○大社」は、神社の系列の中で本部(本社)的な役割を持ち、神宮と同じく全国に24社あります。 代表的な大社は、 出雲大社(島根県)、富士山本宮浅間大社(静岡県)、伏見稲荷大社(京都府)、熊野本宮大社(和歌山県)、三嶋大社(静岡県)、諏訪大社(長野県)、春日大社(奈良県)、住吉大社(大阪府)、宗像大社(福岡県)などです。 ◇ ◇ ◇ 次に、神社の系列ですが、よく聞くのは「稲荷神社」や「八幡神社」、「天神(天満宮)」と名前が付いた神社があります。 「稲荷神社」は、日本神話に登場するスサノオノミコトの子、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)を祀っていて、食物の神とされています。農業だけではなく、商売繁盛などの神ともされています。 本宮は、伏見稲荷大社(京都府)で、豊川稲荷(愛知県)、笠間稲荷神社(茨城県)、祐徳稲荷神社(佐賀県)など、全国に約3万社あり、国内最大数の神社と言われています。 「八幡神社」は、皇祖とされる15代天皇応神天皇を祀っています。特徴としては、武神から勝負の神様、金運などのご利益が得られるとのことです。八幡宮や八幡社も同系列です。 本宮は宇佐神宮(本宮、大分県)で、鶴岡八幡宮(神奈川県)、石清水八幡宮(京都府)、富岡八幡宮(東京都)などがあり、この系統は稲荷神社に次いで多いと言われています。 そう言えば10年前に読んだ、内田康夫氏の小説で「浅見光彦シリーズ」の「はちまん」は地方の八幡神社を取り上げたミステリー小説でした。 2011年9月前半の読書(はちまん) 「天神(天満宮)」は、平安時代の貴族で今で言うところの高級官僚、菅原道真公を祀っていて、学業の神様として有名です。 本宮は、太宰府天満宮(福岡県)で、北野天満宮(京都府)、曽根田天満宮(福島県)、大生郷天満宮(茨城県)、亀戸天神社(東京都)など全国に数多くあります。 ◇ ◇ ◇ その他の神社系列では、春日大社(奈良県)は、平城京の守護のため中臣氏・藤原氏の氏神を祀るために建立されました。鹿島神宮(茨城県)や香取神宮(茨城県)、春日神社(大阪府、三重県等)はその系列です。 日吉大社(滋賀県)を総本社とする日吉・日枝・山王神社は、平安時代、京の都を守るため、その風水でいうところの鬼門の位置にある比叡山につくられたのが最初です。日枝神社(東京都、富山県、滋賀県)は同系列です。 また日本神話に登場するスサノオノミコトを祀る氷川神社(埼玉県、東京都ほか)や、住吉三神を祀る住吉大社系神社(大阪府、兵庫県、東京都、広島県、福岡県、長崎県等)も全国に拡がっています。 大己貴命(オオナムチノミコト、だいこく様)、少彦名命(スクナヒコナノミコト、えびす様)及び平将門を祀る神田明神(神田神社、東京都)は、特にどこかの系列には属していない独立した神社です。 ◇ ◇ ◇ 割と最近の近世にできた神社では、戦国時代の武将が神となって祀られている神社が各地にあります。 徳川家康を祀る東照宮(栃木県、東京都、静岡県等)、上杉謙信を祀る上杉神社(山形県)、武田信玄を奉る武田神社(山梨県)などがそうです。 もっと最近の人物では、明治天皇と昭憲皇太后を祭神とする明治神宮、その明治天皇に殉死した乃木希典陸軍大将を祀る乃木神社(東京都)、東郷平八郎元帥を祀る東郷神社(東京都)などがあります。 神社に詣でるときに、その由来や祀ってある神のことを調べて行くと、さらに興味が湧き、神頼みについてもより効果を期待することができそうです。 【関連リンク】 1490 八十八箇所巡礼データ 1423 世界と日本の宗教別信者数 640 クルマで行く京都観光お勧めコース その1 ---------------------------------------------------------- 喫煙者減少と喫煙リスクとの関係 2021/2/6(土) 1508 日本はもちろん、世界中で喫煙者は年々減っています。喫煙の害として一番に言われるのは「肺がんになるぞ!」です。 一般的によく言われている喫煙者のリスクが高くなる病気は、「肺がん」「脳卒中」「虚血性心疾患」などです。喫煙者がここ20数年大きく下がってきていますので、これらリスクとされる病気の罹患者はどうなっているか調べてみました。 脳卒中は、一般的には脳の血管が詰まる「脳梗塞」、血管が破れる「脳出血」、「くも膜下出血」というほうが馴染みがあるかも知れません。先般1月には漫才コンビ爆笑問題の田中裕二さんが、緊急入院し、前大脳動脈解離によるくも膜下出血、脳梗塞と診断されていました。 虚血性心疾患とは、心臓を動かすための筋肉(心筋)に血液を送る役目を持っている冠動脈という血管が、老化で硬くなったり、血管の壁に脂肪などの固まりが蓄積したりして、血管の内腔が狭くなって、心筋へ十分に血液を送れなくなる疾患です。 そこで、喫煙者がこれだけ減少してリスクが減り、さらに医療技術が日進月歩で進んでいれば、喫煙者数とそれぞれの患者数は多少の時差はあるにしても、綺麗に正比例するのだろうと、グラフを作ってみました。 喫煙者数は、「厚生労働省国民健康・栄養調査」から男性喫煙率を元に男性の人口で喫煙者数を算出、肺がん罹患者数は「国立がん研究センター」、その他の疾患者数は「厚生労働白書」のデータを利用しています。 グラフを見ると、喫煙者数(男性)は多少凸凹はありますが、1989年からこの30年間で3千3百万人から1千7百万人と約半減(50%)しています。 そして脳卒中など脳血管疾患者数は1996年に1,729千人だったのが2017年に1,115千人へと64%に、虚血性心疾患者数は同1,190千人が同720千人へと61%に減ってきています。 そのなかで単純に医療技術や薬剤の進歩以外、喫煙者の減少によってどれだけ減少したかのデータはないものの、総じて喫煙者の減少と同様に順調に下がってきているように見えます。 ところがです、肺がん患者数は、この30年間で307%(3倍以上)と大きく上昇しています。 30年間という長期間、喫煙者は半分に下がってきているのに、肺がん患者数は3倍に増加していいるって、これってどういうことなのでしょう? ひとつは高齢化で人口構成がより高年齢化し、癌の発生率が高くなってきていることでしょう。でもそれだけで3倍? もうひとつは肺がんの発症メカニズムからして、対策してから20数年程度ではまだ結果は出ず、さらに数十年後にならないと下がらない?ということでしょう。 少し不思議な気もしますが、癌は発生から症状が出るまでに相当長くかかるものもあると言われていますので、20〜30年ぐらいでは禁煙者増加効果はまだ出ていないとも考えられます。 あるいは肺がんのリスクは実は喫煙以外にもっと大きなことが他にあるとも考えられそうです。 喫煙者からすると、「禁煙者が増えても肺がんは増え続けているじゃないか!」って反論がそろそろ出てくるかも知れません。 【関連リンク】 1488 死因に占める誤嚥性肺炎が増えている 1202 糖尿病の怖い話し 1061 癌は老化現象のひとつという考え ---------------------------------------------------------- 年と共に健康は害されていく 2021/2/10(水) 1509 若いときはいたって健康体で、風邪もひかず、病院へ行くと言うこともありませんでした。そのため20〜30代の頃(1980年代〜1990年代)には有給休暇はほとんど使うことはなく(当時は病気でもしないと有給休暇が取れなかった)、仕事に没頭できてある意味では幸いだったと言えます。 しかし年を重ねるにつれ健康について日々考える年になりました。
もうひとつ、ちょうど転職した時に、喉の調子がおかしくなり声がかすれてきて、これはヤバイと診断を受けると喉にポリープができていて、それの切除をおこないました。幸いポリープは良性だったので、切除しただけで治療は終わりました。 足と声(喉)ですから、職業病のようなものだったかも知れません。 その他にも手術まではいかない病気をあげておくと、長く慢性鼻炎を患っていて、時に鼻が詰まって息苦しい思いを何度もすることになります。 耳鼻科へも行きましたが、決定的な治療法はなく、ただ鼻を洗浄する以外何もできないことがわかり、治療行為はあきらめました。今でも鼻づまり対処薬のナザールスプレーを手放せません。 最近でも、寝ている間に鼻づまりを起こし、呼吸が苦しくなって目が覚めることが時々あります。目が覚めると過呼吸になってしまうほどゼイゼイしてしばらく身体を起こし、安静にしてゆっくり深呼吸しています。 また鼻づまりと関係があるのかもしれませんが、耳鳴りは30歳後半ぐらいからジワジワと大きくなってきて40代後半頃から「どうにかしてくれ!」と言うほどに大きく聞こえるようになり悩まされています。 電車の中で、うつらうつらしているときに、「外でセミがうるさくミンミン鳴いている」と思って完全に目を覚ますと、電車の中にセミの大群がいるわけもなく、耳鳴りだったこともあります。しかしこれも治療法はなさそうで、あきらめています。 耳鳴りは、耳の器官の異常が原因とされることもありますが、多くは神経系の病気で、その原因はストレスからだと言われています。 NHKのガッテンでは画期的な治療法ではなく、「不快な耳鳴りから注意を外す」ことが一番の改善方法という話しをやっていました。 確かにいつも鳴っている耳鳴りも、好きなことをやっていたり、美味しいものを食べている時などにはまったく気になりません。一番困るのは夜寝る時で静まったときにうるさく感じることです。 日本で耳鳴りに苦しむ人が300万人と言われていますが、自分だけではなく「みんな(と言っても3%)苦しんでいるのね?」ということがわかっただけでも、なにかスッと気持ちが楽になります。 あと、病気とは言えないでしょうが、便秘気味で、ひどいときには1週間に1回という時もありましたし、便がコチコチに硬くなり、排便にいつも苦労するという悩みがありました。 ただそれについては、便を軟らかくしてくれる処方薬のマグミット錠でかなり改善されています。 最近は、市販薬にもマグミット錠と同様の成分を配合したマグネシウム系便秘薬がかなり増えていますので、便利になりました。 考えてみると30代後半から40代というのは、仕事人として、また家庭人としても一番ストレスがたまりやすい時期です。 仕事では給料に見合った十分な成果が求められ、多くの部下達の面倒を見て、上司の無理難題をこなしつつ、家庭では住宅ローンを背負い、子供の教育(費)や、家族サービス、子育てに奔走しなくてはなりません。時には隣人トラブルに巻き込まれたりもしました。 今から考えると、妻も一緒ですが、子供を持つというのは、お金・時間・ノウハウなど大きな責任がのしかかり、そうした責任を負いたくない人が子供を作りたがらず、結果的に少子化が進むというのもわかります。 50代に入ってから、リーマンショックで急激に落ち込む業績の責任を押しつけてくる上司とたびたび衝突することが増えたせいで、元々悪くしていた胃や十二指腸が耐えきれず、十二指腸潰瘍で大いに吐血して1週間入院する羽目になります。 その上司は経営トップにパワハラ認定され会社を追い出されてザマミロでしたが、もう大きなストレスがかかる仕事は無理だろうと、閑職に追いやられてしまいました。 もうストレスに対しての耐性も落ち、がむしゃらに働きたいとは思わなかったので閑職はちょうど良かったのですけど、その後しばらくおとなしくしていたら、人材不足なのか(笑)、また経営幹部に復帰することになりました。わからないものですねぇ。 そしてようやく様々なストレスから開放されたいま、身体は楽になりましたが、老化とともにその他の病が襲ってきそうで、戦々恐々しています。寿命がくるまでは、自分のことは自分でできるよう健康でいたいものです。 今は健康だと思っていても、40代ぐらいから徐々にあちこち壊れていくのは避けようがなく、どんなに高価で精密な工業製品でも、手入れを怠ると40年間動き続けることはできないのと同じで、時々はメンテナンスをしてください。 【関連リンク】 1419 足るを知る 1345 塩分取得過多を反省する 1193 引退後は健康年齢までの期間が重要 ---------------------------------------------------------- 日本のお城は美しい 2021/2/13(土) 1510 歴女や城ガールなどが流行っていますが、機能美を追求した日本の優美なお城はそれが例え戦争が目的で作られたことを差し置いても人を魅了します。 テレビでもよくお城を取り上げた番組が放送されるようになりました。 日本最強の城スペシャル(NHK) 絶対行きたくなる!ニッポン不滅の名城(NHK) 歴史ミステリー 日本の城見聞録(BS朝日) その他にも「世界不思議発見」(TBS)や「所JAPAN」(フジテレビ)など、多くの紀行や歴史バラエティ番組でお城が取り上げられています。 身近にあるお城にはどのような歴史があり、築城にあたり様々な工夫がされていることを知ることで、戦国時代や江戸時代に思いをはせることができます。 ただ残念なのは、砦のような城も含めると戦国時代に数万あったと言われている多くのお城が役目を終えて廃棄されたり、その後の時の権力者の命により、「一国一城令」や「廃城令」、「再開発」などで取り壊されたり、また生き残ったお城も、その後に火災や戦災で焼失して当時の建物はなくなってしまいます。 戦国時代から江戸時代に建造されたお城(天守などメインの建造物)が現存するのは、下記の12城だけです。 ・弘前城(青森県) ・松本城(長野県) ・犬山城(愛知県) ・丸岡城(福井県) ・姫路城(兵庫県) ・彦根城(滋賀県) ・備中松山城(岡山県) ・松江城(島根県) ・高知城(高知県) ・伊予松山城(愛媛県) ・宇和島城(愛媛県) ・丸亀城(香川県) あれ?熊本城は?って一瞬思いましたが、江戸時代は無事に乗り切ったものの、明治時代の西南戦争で天守など多くの建築物を消失し、現在の天守などは昭和時代に復元されたものだそうです。 熊本城と同様、天守が再建されたかどうかはともかく、石垣や御殿、城門などがそのまま残されているお城は全国各地にあります。江戸城(現皇居)の石垣も有名です。 私は別にお城マニアでもないので、わざわざお城を見に行くために旅行するということはしませんが、その地に有名なお城があれば寄ることもあります。 上記の12の内で、城の中まで入ったのは、松本城、姫路城、彦根城の3つだけです。弘前へ行ったとき、弘前城の目の前にある「津軽藩ねぷた村」には寄りましたが、弘前城はパスしてしまい、今から思うともったいないことをしました。 お城ファンやマニアに至っては相当数のお城へ訪問しているでしょうけど、私が過去に訪れたわずかばかりのお城と一部感想めいたことについて書いておきます。 ◆松本城(国宝) 2度行き2度とも天守に上がりました。お城の中で一番渋く美しく完璧で好きです。松本市が舞台の映画「神様のカルテ」にもチラッと出てきます。 ◆姫路城(国宝) 学生時代、天守の中まで入りました。華やかさでは一番かも知れません。小学生の頃に姫路城のプラモデルを買ってもらって作った記憶があります。 ◆熊本城(重要文化財) 学生の頃に立ち寄りましたが、残念ながらほとんど記憶にありません。 ◆岡山城(重要文化財) 中には入らず周囲にある後楽園から眺めただけです。 ◆彦根城(国宝) 学生の頃(40数年前)に行きましたが、当時はひこにゃんもいなく地味に寂れていました。 ◆岡崎城(岡崎市指定史跡) 中にも入りましたが、極めて観光的でした。 ◆浜松城(浜松市指定史跡) 外から眺めただけです。 ◆名古屋城(重要文化財) 外から眺めただけです。 ◆伊賀上野城(重要文化財) 天守にも上がりましたが、それよりも見事な堀と石垣が印象的です。よくドラマや映画の時代劇に出てくるお城です。 ◆田辺城(舞鶴市指定史跡) 形は砦に近いのかもしれませんが、今は復元施設が資料館になっています。 ◆二条城(国宝) 本丸跡や二の丸御殿は非公開の時でしたが、優美で豪華な雰囲気は味わえました。 ◆伏見城 子供の頃、遊園地伏見桃山城キャッスルランドへいったついでに上がって見ました。 ◆大坂城(重要文化財) 大きくて立派なお城ですが、エレベータなどもありちょっと興ざめしました。本来の秀吉の建てた黒漆の城を再建してもらいたいものです。 ◆安土城跡(国特別史跡) 天主も御殿も何も残っていませんが、見事な石垣と礎石が兵どもの夢の後を感じます。 ◆観音寺城跡(国の史跡) 同じく石垣や土塁の一部しか残っていません。 今後、旅行(ドライブ)のプランを作る時には、まだ見ていない上記の現存するお城を観光ルートに入れるようにしたいと思います。 【関連リンク】 1460 時計を必要としない世界 1351 小説の舞台を歩く(佐々木譲著編その1) 640 クルマで行く京都観光お勧めコース その1 ---------------------------------------------------------- 2月前半の読書と感想、書評 2021/2/17(水) 1511 見えない鎖 (潮文庫) 鏑木蓮 2010年に単行本、2016年に文庫化された長編ミステリー小説です。 著者の小説は、「白砂」(2010年)、「エンドロール」(2011年)、「転生」(2014年)の三冊を読んでいて、好きな作家さんです(3冊ぐらいで好きとか言うな!ってところですが)。 2020年2月前半の読書と感想、書評(転生) 2018年1月前半の読書と感想、書評(エンドロール) ストーリーは、母親が家出をして父親と二人暮らしをしている女子短大生が主人公で、ある日その父親が何物かに刺殺されてしまい、元刑事だった父親の上司とともに、過去に父親が関わった事件などを調べ、謎が徐々に明らかになっていきます。 男性作家さんの作品ですが、女性特有?の感情の「あれでもない、これでもない」と揺れながら、論理的な思考ができない迷いがこれでもかってぐらいにでてきて、それが少々まどろっこしい感じがします。そういうこと書くと、今、旬な話題の女性蔑視になっちゃうかな? このストーリーによく似た小説を最近読んだな〜と思って調べると、川瀬七緒著の「よろずのことに気をつけよ」(2011年)でした。 2020年3月後半の読書と感想、書評(よろずのことに気をつけよ) 「よろずのことに気をつけよ」では、孫の女子大生と暮らしていた祖父が自宅で殺され、その現場に呪術の儀式ような跡があり、呪術に詳しい考古学者に頼み、一緒に祖父の過去を調べて殺された謎を解決していく物語でした。 主人公が女子短大生と女子大生、冒頭で殺されるのが父親と祖父、主人公を助けて犯人探しをするのが、元刑事の上司と、考古学者という違いがありますが、設定自体はとても似通っています。発刊はこちらの「見えない鎖」のほうが1年早いですから決して真似したというわけではありません。 ★★☆ ◇著者別読書感想(鏑木蓮) Iターン (文春文庫) 福澤徹三 この作家さんの著書を読むのは初めてです。1962年生まれの見かけちょっと強面な感じの方で、多くの推理やホラー小説、極道もの小説を出されています。 内容はまったく知らず、軽めのサラリーマン小説?と著名にひかれて買って読みました。2010年に単行本、2013年に文庫化されています。 また2019年にはムロツヨシ主演でテレビドラマが制作、放送されています。 読み始めて確かにサラリーマン小説には違いないですが、内容はほとんど極道の世界感が満載で、あっけにとられました。昭和時代ならともかく、現代でサラリーマンとヤクザというのは縁遠い存在になってきましたから。 でもストーリーにあるように、暴力団のフロント企業の仕事で関わってしまったり、必要に迫られて闇金に手をだしてしまったりすると、今でもケツの毛まで抜かれる羽目になるのかぁーとコミカル要素のあるフィクションとは言え、妙に納得してしまいました。 主人公は、九州の社員二人しかいない広告代理店の支店へ単身赴任で飛ばされた中年男性。そこで街金の新聞広告で掲載ミスが起き、大きなトラブルへと発展していきます。 クライアントへの接待攻勢、下請けからのキックバック、汚職に手を染める不良刑事、ぼったくりバー、ヤクザ同士の抗争と、やはり昭和時代にタイムスリップしたような話しです。 最後は予想したとおりのハッピーエンド?に終わりますが、このタイトルと内容がどうも一致しないと思った次第です。 続編が想像できる終わり方をしていましたが、やはりその後、2019年に「Iターン2」という続編が文庫で出ています。 ★★☆ 逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録 市橋達也 一般的に「リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件」と言われている22歳のイギリス人の英会話女性教師を殺害し、捜査で自宅へ来た警察官を振り切って逃げ、その後2年7ヶ月のあいだ逃亡し続けたものの、大阪南港のフェリー乗り場で逮捕され、現在は無期懲役で服役中の市橋達也が著者です。 その逃亡劇はまるでフィクションドラマのようで、様々な情報提供がありながら、天性のカンなのか、スルリと捜査の網をくぐり抜けてきました。 その逃亡中の行動を時系列で書いたものが本書で、意外に指名手配犯としてポスターがあちこちに貼られていても、身近にいても人は気がつかないものなんだなぁと思った次第です。 この犯人の罪は許されることでも、また持ち上げようとも全然思いませんが、この人物は頭が良さそうで、運動神経もよく、行動的で、肉体労働をなんなくこなし、英語も得意で、デザインを学んだことがあるので絵もうまく、本書を読む限りでは、自分の行動を客観的にとらえてみることができる、普通のまともな人生を歩めばきっと成功者になれる人だろうなぁと思います。 ただ、お金を稼ぐための日雇い労働者の飯場(宿泊所)で、よく他の労働者と喧嘩沙汰となっていたようで、きっとキレやすい性格なんだろうなとも思います。犯行を起こしたときも、殺すという計画性はなく、そのキレやすい性格ゆえ突発的に起きたように思えます。 それは両親が二人とも医者で、この息子の市川達也にも医者になって欲しいと期待されながら落ちこぼれたという抑圧がそういう性格を形作っていったのかも知れません。 著者の市橋達也は事件当時28歳、刑が確定したときは32〜33歳で、無期懲役の場合、どれだけ模範囚であっても30年間は出られないので、もし仮釈放が許されるとしても60代半ば以降ということになるのでしょう。 才能ある人なのに、自らの弱さゆえ、その才能に溺れてしまったのでしょうか。 ★★☆ 健康という病 (幻冬舎新書) 五木寛之 2017年に発刊されたエッセイ集で、日刊ゲンダイで連載していたものをまとめたものです。 発刊当時、著者は85歳、男性の平均寿命は80歳ぐらいですから、すでに長生きの部類で、健康について書く権利というか言葉に重みがありそうです。軽い記事が多い日刊ゲンダイですけれども。 この無茶苦茶な生活を送っていそうな作家さんと、健康とは結びつかないと思っていましたが、それはご自身でもよく理解されていることがわかります。 しかし病院へ大学へ入学するときにレントゲンを撮影して以来、一度も通院したことがなく、80過ぎまでの60数年間レントゲン撮影もしたことがない、健康診断も一度も受けたことがないというのには「本当に文明人?」とか思ってしまいます。 しかしとうとう、左足に違和感と痛みを感じて、自由に歩き回れなくなり、やむなくレントゲン撮影をして診断を受けたところ「変形性股関節症」と診断されたそうです。 私は40代前半から変形性股関節症に悩まされ、50代後半で末期と診断されたことで人工股関節置換手術をおこないましたが、80歳を超えた著者が、今さらそうした大きな手術はされないのでしょう。 でももしまだあと10年は健康で歩きたいなら、人工股関節を入れるのは痛みから完全に開放されるので気持ちも明るく前向きになって良いかも。 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(1) 2016/6/11(土) その他、80歳過ぎとしては比較的健康を維持されていますが、それでも頻尿や偏頭痛など様々な症状をもっていて、それらについて自分の考え方や対処策などが書かれています。 ここで触れられている健康問題については、「これが良い」「いや、こっちのほうが正しい」「実は恐ろしい」など情報が錯綜していて、医療や療法の常識も時代で変わっていくこともあり、何を信じて良いのかわからなくなるときがあります。 要は人が100人いれば100通りの療法があるので、自分自身でなにが最適解かをよく考えて、他人の意見に惑わされないことが重要ということでしょう。 ★★☆ ◇著者別読書感想(五木寛之) 【関連リンク】 1月後半の読書 交通事故賠償 被害者の心理、加害者の論理、噂の女、ダイイング・アイ、22年目の告白 私が殺人犯です 1月前半の読書 クリフトン年代記 剣より強し第5部、機は熟せり第6部、永遠に残るは第7部 12月後半の読書 生ける屍の死、こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話、人間の本性 ---------------------------------------------------------- 2021年版出版社不況 2021/2/20(土) 1512 8年前の2013年に「出版社不況の現状」という記事を書きました。 出版社不況の現状 2013/9/1(日) つい最近(2021年2月9日)にも、バイク総合誌「RIDERS CLUB」やアウトドア・登山誌「PEAKS」などを発刊していた1973年設立の「竢o版社」が民事再生法を申請しました。 一部にはコロナ禍の影響もあるのでしょうけど、それとは関係なしでも出版業界の不況は続いているようです。 上記の記事には2000年から2013年までの「業務委譲、活動休止、倒産、廃業して実質活動を終えた出版社(再建や事業移管で継続含む)」を掲載しておきましたが、それから8年が経ち、あらたに2014年から2020年までの7年間分を書いておきます。
前の13年間には個人的には「山海堂」や「ゴマブックス」「草思社」の倒産や民事再生法申請には驚き残念に思ったものです。 しかしこの直近7年間の倒産や事業停止などを見る限り、一般的に馴染みのある大手と言われるところの出版社は入っていません。コロナ禍で消費が冷えているうえ、出版不況と言われ続けている中、よく持ちこたえているなという気がします。 ただ事業自体は別のスポンサーの傘下に入ったり事業再建で継続しているものの「実業之日本社」「キネマ旬報社」「洋泉社」などの名門出版社の事業譲渡や危機が伝えられたときには残念に思いました。 上記の表の中ではかろうじて知っている1960年代に創業した「音楽専科社」と「スキージヤーナル」は、一時期はたいへんな人気を博した雑誌等を出版していましたが、倒産してしまいました。 文芸書とは違い、雑誌がメインの出版社は、事業資金が尽きかけて傾いてもなかなかスポンサーなど救世主は現れにくいものです。雑誌が生き残るには、内容も変えつつ、電子書籍へとうまく転換できるところだけでしょうか。 個人的には書籍も雑誌も紙の媒体で読みたい派ですけど、それでも雑誌は年間数冊程度しか買わなくなっています。 立ち読みがしにくいコンビニにも置いてありますが、そこそこ大きな書店が減っていて、雑誌をジックリみて選んで買う機会が減ってきたことも理由にありそうです。 【関連リンク】 1097 出版不況と電子出版の行方 954 書店数や出版業界売上減と未来 743 出版社不況の現状 ---------------------------------------------------------- 男性の変形性股関節症は診断が難しい 2021/2/24(水) 1513 先般、五木寛之著の「健康という病」を読んだ中に、変形性股関節症のことが少し書かれていたので、それに関して私の経験を含めて少し書いておきます。 五木寛之氏は戦後70年、80歳過ぎになるまで、歯科は別として一度も健康診断を受けず、その他検査や治療のために病院へ行ったことがないという変わった方です。 その病院嫌い?な五木氏がとうとう80過ぎで検査のために病院へ行くことになった原因が下記の症状からです。 「左脚が歩くときに、しきりに痛むのである。最初は老化現象の一つだろうとたかをくくっていたのだが、時とともにひどくなってきて、最近では歩行につらいところまで悪化してきたのだ。」 「左下肢の大腿部から股関節、ときにはふくらはぎまでは痛む。痛みが一箇所に固定せず、あちこちに移動するのが特徴だ。跛行性歩行というのか、運動していないときには何ともない。歩くと痛むのである。(中略)たぶん座骨神経痛みたいなものだろうと、たかをくくっていたら、次第に症状が悪化してきた。」 「最初は単純な筋肉痛だと思っていたのだが、次第に痛みが強くなってきた。ふともものあたりから少しずつ痛みが移動する。特定の場所だけが局部的に痛むというわけではない。(中略)実感からすると、、神経痛の一種だろうと勝手に想像する。」 「結局、私の脚の不自由さは、「変形股関節症」と判明した。2000万人以上いるといわれる「膝関節」の変形ではないらしい。」 ここで重要なのは、「大腿部から股関節、ときにはふくらはぎまでは痛む。痛みが一箇所に固定せず、あちこちに移動する」です。 つまり医者へ行っても「ここが痛い」とハッキリ言えないのです。まったく同じだなぁと思いました。 私の経験から言うと、歩行時や、脚をひねるようなとき、足全体が痛み、時にシビれ、まれに脳天までビリビリ〜と痛みが走ることがありました。 まず考えたのは、すでに亡くなっていた母親が中年以降、関節リウマチに罹って苦労していたのを思い出し、リウマチが遺伝したかな?と疑い「リウマチ科」のある内科クリニックへ行きました。 そこでレントゲン撮影、血液検査などをおこないましたが、結果は「リウマチではない」ということで、頼みもしないのに悪くない膝関節にコンドロイチンかなにか忘れましたが関節注射をされただけで、根本的な痛みは解決しません。上記に書いた私の症状から、「股関節が悪いかも」という判断はされませんでした。 しばらく後に、今度は総合病院の整形外科へ行きました。同様に説明するも、レントゲン撮影した結果「異常なし」で、「単なる筋肉痛でしょう」と明るく言われました。股関節付近は撮影されませんでした。 そして何年か後に決定的なことがありました。 それはなんと、テレビを見ていたら芸人の松本人志さんが「1ヶ月入院してこのほど退院した」と話しをしていて、その時に「脚がビンビンと痛くて歩くのがつらかった」「時々脳天まで痛みが走った」とのことで、「診察を受けたら股関節唇損傷という病気で、骨を削る手術を受けた」と話していました。その当時の年末の「笑ってはいけない」シリーズで、彼だけ走り回るゲームには不参加だったことを思い出す人もいるでしょう。 これを聞いて、「あ、同じだ!これだー!」と、痛みの原因が初めて股関節にあることに気がついたわけです。 しばらくして、近所の整形外科クリニックへ行き、最初の問診時に上記の症状とともに「股関節唇損傷」だと思うから、股関節を中心に調べてと念を押しました。 しかしその時に整形外科医も問診をした看護師も「(52歳の)男性でそういうことはありえません」とキッパリ断言されました。 で、医者の見立ては背骨の異常だろうと勝手に判断され、背骨を中心にして一応そこまで言うなら念のために股関節や膝関節もX線撮影しようとなり、その結果を見た医者は「変形性股関節症で臼蓋(きゅうがい)形成不全です。中年男性では珍しい」と、さきほど「あり得ない」と言った手前、見込み違いで気まずそうにボソッと。 ちなみに股関節唇損傷がさらに悪くなると一般的に臼蓋形成不全等、変形性股関節症になります。また股関節唇損傷とは関係のない変形性股関節症もあります。 ようやく診断がつき、痛みの原因を認めてもらえました。 どうも平凡な医者には「中年男性が変形性股関節症に罹ることはない」という先入観があるようで、いくら患者本人であっても素人の耳学問を説明してもまったく取り合ってくれないと言うことがわかりました。 確かに変形性股関節症に罹るのは9割が女性で、しかも高齢者が多く罹るもので、男性、しかも40代や50代では知識のない医者だと「ありえない」という判断になります。困ったものですがそれが現実だから仕方ありません。 優秀な医者なら、「もしかしたら?」と股関節にも焦点をあててくれるかも知れませんが、先に書いたように「筋肉痛でしょう」と、「足が痛む」だけでは股関節は見もせず相手にされないことが多い気がします。 したがって、男性で上記のような症状、「脚のどこかわからないけど時々痛む」「太腿が痛いときもあれば膝の付近が痛むときもあり場所が特定できない」「時にはズキーンと頭まで響く」「歩行時や脚をひねる動作の時に痛む」などの場合、整形外科で「股関節を見て欲しい」と念を押すことが大事です。 そして、五木氏は80過ぎという年齢(診断時)もあるのでしょう、医者からは手術ではなく保存療法を勧められ、私は痛みを我慢をして過ごすより、痛みをなくし自由に行動できる人工股関節置換手術へと進むことを自分で決めました。 【関連リンク】 1198 変形性股関節症、人工股関節手術その後 1137 人工股関節、人工膝関節の寿命と再置換 1049 変形性股関節症の人工股関節置換手術まとめ ---------------------------------------------------------- 2月後半の読書と感想、書評 2021/2/27(土) 1514 草花たちの静かな誓い (集英社文庫) 宮本輝 著者がお得意とする人生を前向きに切り開いていく主人公を描いた、各種のうんちくが満載の長編小説で、地方新聞の連載小説として掲載され、その後2016年に単行本、2020年に文庫化されました。 主人公が仲良くしてきた父親の妹の叔母は、両親の反対をおして職場で知り合ったアメリカ人と結婚していましたが、大きな財産を残したまま、日本への旅行中に突然他界します。 先に亡くなっていたアメリカ人の夫の墓に納骨するためにロスへ渡りますが、そこの法律事務所で聞かされたのは、巨額な債券や高級邸宅など総額40億円以上の財産を、他に身寄りがないので甥の主人公に譲るというということ。 但し、20年前に行方不明になったひとり娘がもし生きて見つかれば、その財産の7割を娘に譲って欲しいという口頭での付け足しがあります。 20年間、金に糸目を付けず両親が必死に探して見つからなかった娘を、引き続き探して欲しいということなのか?というやっかいな遺言を受け取り悩みます。 海外に住む親戚が亡くなって巨額の遺産が転がり込むという夢物語は、誰もが一度は夢想しそうですが、現実的にそれが実現することは100%ないことは誰も知っています。 もしそうなったとき、また年間何万人もの子供が行方不明になるアメリカで、20年以上前の事件を掘り返すという難題と向き合い、主人公は自分の新しい人生をどう作っていくのか?という「もし」がいっぱいのストーリーです。 自分ならどうするだろ?とか考えながら、主人公になった気分で読めてアッという間にクライマックスへ向かいました。その後の主人公の姿を描く続編をお願いしたい気分でいっぱいです。 ★★☆ ◇著者別読書感想(宮本輝) ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果 ゲアリー・ケラー 2014年に発刊されたビジネス書で、著者はテキサスを舞台に一代で全米最大の不動産企業群を作りあげたという起業家で、本書はアメリカで累計130万部を売り上げたそうです。 タイトルにすべて凝縮されていますが、あれもこれもやろうではなく、常にもっとも重要で、それをすることで他のことがより便利になることだけをするべきというもの。 ドミノ倒しの最初の一押しに例えていますが、そうした最重要なことの探し方、選び方、そのための時間の取り方などが優しく書かれています。 私の若い頃のビジネスマンは、同時にいくつもの作業や思考をができる人が優秀で、仕事が早いと賞賛されてきました。でもそれは今の世の中というかビジネス界においては時代遅れというか、劣化ということなのでしょう、早く引退して良かったと思える内容です。 ただ、自慢でも何でもないですが、私自身、仕事をする上で、もっとも重要視していたことがあり、それは「集中力」でした。 集中することで仕事が早く進められることを経験上知っていて、そしてそれはひとつのことに集中することがもっとも効率的だということを知っていました。 でも若いときにこれを読んで、「なるほど!」と、周囲の雑音を気にせず、指示や命令に逆らってまで、自分が選んだ一番大事なことだけを優先してできただろうかな?と考えてしまいます。 それじゃーダメとか言われそうですが、問題なく「THE ONE THING」が実践できそうなのは、ある程度、自分で仕事が選べるミドルクラスになってからかも知れません。 ★★☆ そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) アガサ・クリスティー 1939年に発刊された伝説的な長編ミステリー小説で、最初の日本語版書籍は1955年に発刊されています。「オリエント急行殺人事件」などとともに、クリスティの代表作とも言える作品です。 原題(英国)は出版当初は「Ten Little Niggers」、当時はそうではなかった差別語?のためか、途中から改題されて「And Then There Were None」となりました。 外部から閉ざされた英国の島に招待された10人の客が、部屋に飾ってある10人のインディアンの子供達と、ひとりずつ消えていくという童謡になぞらえ、次々と殺されていくと言う、その後の多くのミステリー小説に大きな影響を与えた作品です。 事件後の警察の調査では、生存者がいず、誰が犯人かまったくつかめない状態でしたが、犯人が犯行に至る理由やそれぞれの殺害方法について記した手紙を、ビンに詰めて海に流しておいたものが後日見つかり事件の詳細がわかるという流れです。 ミステリーファンには今さらと言われそうですが、子供の頃に、テレビでやっていた映画をみた記憶はあるものの、小説を読むのはこれが初めてです。 謎解きの力を求められ、中盤辺りで「犯人はきっとこいつだ!その理由は・・・」と自信をもって思ったものの、違っていてガックリです。 でも一部の推理(考え方)は当たっていて、そういう楽しみ方もできる、優れたミステリーです。 時代は第二次大戦前で、当然ながら携帯電話や警察の科学捜査など様々な要素が今の時代とは違っています。 そうしたことも含めて、今読んでも決して古さを感じさせないのは名作の所以でもあるのでしょう。いや面白かったです。 ★★★ 悪寒 (集英社文庫) 伊岡瞬 2017年に単行本、2019年に文庫化された長編小説です。ミステリーのジャンルに入るのでしょうけど、ビジネス小説の要素もあり、また夫婦や親子など家族をも描いてもいます。 著者の作品は2018年に「代償」を読んでいます。めちゃ暗い惨めな思いをした小説でした。 2018年11月後半の読書と感想、書評(代償) 主人公は、丸の内に本社のある大手製薬会社に勤務していましたが、上司の指示で公務員へ便宜を図ったことで、その責任を問われ、単身赴任で地方の孫会社へ飛ばされてしまい、ふつふつとした鬱憤がたまる日々を送っています。 そこへある日、妻から要領を得ないメールが送られてきて、連絡を取ろうとしますが取れません。そこで深夜バスで家族が住む東京へ戻ってきますが、その途中で、警察から妻が殺人容疑で緊急逮捕されたと連絡が入ります。 しかも殺されたのが、主人公の元上司でワンマン経営者の跡取り息子で、殺害場所は自宅、ウイスキーボトルで2度殴っての殺害ということがわかります。 なぜ?どうして?ということから、主人公は警察や妻の妹から話しを聞き、また独力でも調べていくという流れです。 その主人公、典型的な会社人間で、自分の意見というものはなく、その時々の権力者次第でコロコロと態度や考えが変わってしまう小心者ということで、まったくイライラさせられます。 でももし自分も長く会社人間で、要領は決して良くなかったから、同じ人種なんだろうなと同類哀れみも感じるところです。 最後はちょっと無理目な結果で、なんだか残念でスッキリしない思いですが、意外性を出したかったのでしょう。 ★★☆ 逢魔が時に会いましょう (集英社文庫) 萩原浩 2018年に発刊された文庫で、「座敷わらしの右手」「河童沼の水底から」「天狗の来た道」の連作短編小説です。 あとがきを読むと、前の二つの小説は21年前の2000年に小説すばるに掲載されたものだそうで、最後の1作は2018年に書き下ろされました。 座敷わらしと言えば水谷豊主演で映画にもなった著者の小説「愛しの座敷わらし」をすぐに思い浮かべました。 座敷わらしの舞台は遠野ですが、私も数年前に「遠野ふるさと村」などを観光で見てきました。そこには曲屋など古民家が保存されていますが、私が子供の頃、夏休みの度に行った地方にある母親の実家が似たような古民家で、懐かしいような気がしました。 また、遠野と言えば柳田國男著の「遠野物語」です。8年前に読みました。もちろん座敷わらしの話しも出てきます。 2013年8月後半の読書と感想、書評(遠野物語)
遠野にも河童淵がありましたが、この小説で出てくる二つ目の短編で河童の舞台は、富士山の裾野辺りが舞台です。 そして最後の天狗伝説のある場所は、広島の北方、島根、鳥取との県境あたりが舞台です。 主人公は、貧乏な文学部の女子大生4年生で、就活はあきらめ、大学院へ進もうとしているところ、民俗学者を紹介され、そこでフィールドワークを手伝うことになります。 最近読んだ小説二つにもありましたが、女子大生(短大生)と(考古)学者というカップリングはよくあるパターンみたいですね。華やかにもなり、小説にしやすいのでしょうね。 妖怪ものですがまったくホラーという感じではなく、ライトにサクッと読めますので、気分転換などに読むといいかもです。 ★★☆ ◇著者別読書感想(荻原浩) 【関連リンク】 2月前半の読書 見えない鎖、Iターン、逮捕されるまで 空白の2年7ヶ月の記録、健康という病 1月後半の読書 交通事故賠償 被害者の心理、加害者の論理、噂の女、ダイイング・アイ、22年目の告白 私が殺人犯です 1月前半の読書 クリフトン年代記 剣より強し第5部、機は熟せり第6部、永遠に残るは第7部 ---------------------------------------------------------- |
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