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読みやすいようにアーカイブは昇順(上から古いもの順)に並べ替えました。上から下へお読みください。

日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです
1326 4月後半の読書と感想、書評 2019/5/1(水)
1327 震災に備えて2019  2019/5/4(土)
1328 2019年4月に見た映画 2019/5/8(水)
1329 テレビCMを見なくなって久しい 2019/5/11(土)
1330 5月前半の読書と感想、書評 2019/5/15(水)
1331 中高年ひきこもり増加に歯止めはかかるか? 2019/5/18(土)
1332 鰹節の歴史とこれから 2019/5/22(水)
1333 どこまでも画一的に見える団塊世代 2019/5/25(土)
1334 不登校生徒の増加について考える 2019/5/29(水)

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4月後半の読書と感想、書評 2019/5/1(水)

今日から令和元年です\(^o^)/
令和元年5月1日

1326
ガール・オン・ザ・トレイン (講談社文庫)(上)(下) ポーラ・ホーキンズ

原題はThe Girl on the Trainで、国内では2015年に文庫として発刊されました。また2016年には監督テイト・テイラー、エミリー・ブラント主演で映画が製作され、日本でも公開されています。

主人公の女性は離婚をした女性で、その前の夫だった男性は、結婚当時に買った家で、別の女性と再婚して暮らしています。そしてその家の隣には幸せそうな若い夫婦が暮らしています。

主人公の女性は、ロンドンへ向かう電車の中から、その前の夫と暮らしていた家で再婚相手が幸せそうに暮らしている姿や、その隣の理想的な夫婦の姿を毎日鬱積した気持ちで眺めています。

それだけで、この女主人公ちょっと変なヤツ?って感じですが、そう、主人公の女性はアル中で、飲み過ぎたときには記憶をなくしてしまい、暴言を吐き、前の夫を始め多くの人に迷惑をかけ、仕事もそれで失っています。

そうした「電車の中から家をのぞいている」「アル中で記憶をなくす」というのがこのミステリーの最大要素というあまりにもお粗末な内容でした。

最後のクライマックスで判明する極悪人も最初の方でわかってしまいましたし、ミステリーファンにとっては物足りなさでいっぱいでしょう。

当然、記憶を失っていたことに起きたことはそのうちに思い出すし、電車の中から見たことの説明は無理矢理に意味を付けられるしという、それまでのモヤモヤしたのはなんだったの?ってくらい中身が浅く乏しいものです。

ま、暇つぶしぐらいに考えて読むには良いでしょうけど、映画までは見たいとは思わないです。

★☆☆

            

自由とは何か 「自己責任論」から「理由なき殺人」まで (講談社現代新書) 佐伯啓思

著者は団塊世代の最後尾で育ってきた、今年暮れには70歳となる経済学者です。

この新書は今から15年前の2004年に発刊されています。2003年に米国を始めとする有志連合軍が、フセイン大統領が率いるイラクを攻撃した2003年の翌年にあたり、本書でもそのイラク攻撃に関して触れられています。

正直言って難解で哲学的で、やたらとヨーロッパの哲学者の主張が出てきて、自由というものをこれだけ難しく解説?した本って過去にあったでしょうか。知らないだけかも知れませんが。

一般的にいう「自由でいいなぁ〜」って言葉は、現在の北朝鮮や、中東の難民キャンプ、軍事政権で圧政を強いられているアフリカ国々、80年前の日本では出てこなかったでしょう。

じゃ、今の日本社会やアメリカは自由なのか?と言えば、そうだという人もいれば、そうじゃないと言う人もいて問題は複雑になっていきます。

そうした自由に関する歴史や過去の哲学者などがこの自由についてどのように理解し定義していたのかなど、ハッキリ言ってどうでも良いかな?って話しが延々と続きますので、興味のを持った方は、蛍光ペンでも握りしめながら、覚悟してかかってください。

私は一応嫌々ながらも最後まで全文に目を通しましたが、「よくわからん、あと10回は読まないとわかりっこない」という結果に達し、自分の限界を痛切に感じたのでした。

★☆☆

            

きらきらひかる (新潮文庫) 江國香織

1991年に単行本、1994年に文庫化された小説で、長編小説としてはこれがデビュー作品です。

1992年には松岡錠司監督、薬師丸ひろ子、豊川悦司などの出演で映画が製作されています。

上記の「ガール・オン・ザ・トレイン」の主人公と同じで、アル中、精神的にいっちゃっている女性が主人公という、同時期に読みつつちょっと混乱しかけました。

キッチンドランカーが増えているとか、女性の社会進出が増えて、ストレスフルになってその分精神障害になる人も増えているとかという話しも聞きますが、それにしてもこう続けて女性の精神にちょっときているアル中小説とはなんてこったです。

主人公は、結婚に積極的ではなかったものの、無理矢理設定されたお見合いで、訳ありの医者と意気投合してしまい、形だけの結婚をすることになります。

訳ありとは、つまりその男性医師はゲイで、男性の恋人がいるものの、両親から結婚すれば女性を好きになってくれるのではないかと無理にお見合いを設定されたという状況。

お互いに精神的に異常と同性愛者ということを相手の両親には伝えず、形式上の結婚をしてその後の日々が描かれていきます。

ま、LGBT活動華やかな時代ですから、こういうカップルがいても不思議ではないでしょうけど、夕飯は毎日ゲイの夫が作ってくれるし(医者ってそんな暇だっけ?)、妻は夫に恋人の彼氏のことをいつも聞きたがるし、どうなんでしょうかね。

そして、夫の彼氏や、主人公の友人、夫の勤務先病院の同僚(これまたゲイ)とか、入り乱れての、いかにも小説的でよくわからない人間関係です。

★☆☆

著者別読書感想(江國香織)

            

Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2) エラリー・クイーン

原題は「The Tragedy of Y」で、ドルリー・レーンを探偵役とする「悲劇」4部作のうち、前作「Xの悲劇」に続く第2部として1932年に発表された不朽のミステリー作品です。

ちなみにその4部作というのは、Xの悲劇(1932年)、Yの悲劇(1932年)、Zの悲劇(1933年)、レーン最後の事件(1933年)の4作品です。

エラリー・クイーンという名前は誰もが知っているほど有名で、私も若いときに何作かは読んだ記憶があります。

しかし、このエラリー・クイーンというネームは、二人の男性作家が共通で使っていたペンネームで、二人の漫画家の名前を統一した藤子不二雄みたいな感じなのですね。ハハ、今の今まで知りませんでした。

この作品を含む4部作は、そのうちのひとりの作家のペンネーム「バーナビー・ロス」で最初は発刊されたそうです。

これだけ古い作品ですから、いくつもの出版社から出版されています。私が買って読んだのは、1959年に第1刷が発刊された鮎川信夫訳の創元推理文庫です。

1959年と言えば、今とは違って、文庫の文字は小さく、今で言うところの差別用語が普通にバンバン使われていてなにか時代を感じます。

先般読んだ日本の古典的なミステリー小説で、中井英夫著「虚無への供物」の発刊は1964年ですから、これらの本場英国ミステリーを参考にし、影響を受けているなというのが読んでいて節々でわかります。

さてストーリーですが、お金持ちだった主人が水死体で発見され、どうもそれが自殺っぽいとされます。

その亡くなった主人の家族は大きなお屋敷で暮らしていて、その後連続してその屋敷内で不幸が襲います。

ロンドン警察に頼られて、前作「Xの悲劇」で活躍した老齢の探偵が、コツコツと調べていきますが、やがてとてつもなく恐ろしい事実をつかんでいくというミステリーです。

いやー、探偵ものミステリー小説は数多く読んできましたが、この小説では、犯人はまったくわかりませんでした。予想だにしなかったというか。さすが、長く名作として残るだけの作品です。

しかし最後のオチというか、決着の付け方は、うまくぼやかしてありますが、現代だと倫理上も読者の感情的にも許されないことのような気もします。

さすがというか、歴史に残るだけのことはある面白しろい小説です。

★★★

            

デッドエンド (双葉文庫) 柴田哲孝

2014年に単行本、2016年に文庫化された長編ハードボイルド小説です。

この著者は私と同年齢ということもあり、同じ社会を同じ期間だけ生きてきた、なにか作品に共鳴するところがあり、「私立探偵・神山健介シリーズ」や「有賀雄二郎シリーズ」など面白く読ませてもらっています。

この作品はシリーズ物ではなく、主人公は独自の設定で、東大卒、通産官僚ののち雑誌のライターへと転職していましたが、妻殺しの容疑で逮捕され、終身刑で千葉の刑務所で服役をしているという設定です。

ここでは詳しく書くとこれから読む方の興味がそがれるので書きませんが、読み進めていくうちに、主人公がなぜ妻殺しで逮捕されるに至ったのか?ということが明らかになっていきます。

逮捕されたのも、裁判で終身刑を受けたのも、千葉刑務所に収監されるのも、すべて計算ずくだったというのには驚かされます。

その主人公を付け狙う黒幕と、黒幕に依頼された殺し屋との対決がハードボイルドの魅力となっていきます。

ちょうど、この小説の前年に書かれた、「漂流者たち 私立探偵・神山健介」(2013年)で、ラストの堤防の上での死闘を彷彿させるようでゾクゾクします。

2017年8月後半の読書「漂流者たち 私立探偵・神山健介」

★★☆

著者別読書感想(柴田哲孝)

【関連リンク】
 4月前半の読書 虚無への供物、未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること、白いしるし、フォルトゥナの瞳
 3月後半の読書 教団X、新個人主義のすすめ、暗夜を渉る、何者、リアルワールド
 3月前半の読書 悟浄出立、言ってはいけない 残酷すぎる真実、死者の奢り・飼育、獏の檻、君の膵臓をたべたい


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震災に備えて2019  2019/5/4(土)

1327
毎年3月11日(東日本大震災)と9月1日(関東大地震)は、ほとんどのメディアで「防災特集」が組まれるのが普通となっていますが、もちろんその日だけ意識するのではなく、日々いつ起きても大丈夫なように想定し、考えておかなければなりません。

我が家でも、家族4人分の1週間分ぐらいの飲料水(ミネラルウォーター)と、約3日分の缶詰やアルファー米などの保存食料を備蓄し、懐中電灯などに利用する乾電池も買い置きがしてあります。

非常食

その他にも電気やガスが止まったときのために、カセットコンロが3台と、カセットボンベは1ダースほど備蓄しています。とりあえず緊急時でもライスとラーメンが煮炊きできれば飢えないでしょう。

東日本大震災の時は長いあいだ都市ガスやプロパンガスが使えず、カセットボンベが不足して、現金の代わりとしても流通していたなんて話しを聞きました。

つまりカセットボンベがあれば、現金の代わりとして食料や日用品などと物々交換ができたということです。寒い冬ということもあったでしょうけど、それほどカセットコンロとボンベは非常時に貴重で役立ったようです。

カセットコンロ

また避難や送迎、買い出し、それに携帯電話の充電にも使えるクルマやバイクの燃料もできるだけいつも満タン近く入れておくようになりました。

以前は軽いほど燃費もよくなるので、タンクはいつも少なめにしていましたが、東日本大震災直後にガソリン確保で苦労した教訓です。

本当なら10リッター携行缶に予備のガソリンも用意しておきたいところですが、可燃性蒸気が発生し保管に不安があるので、そこまでは着手できていません。

トイレも水や下水が使えなくなることを想定し、30回分ぐらいの非常用簡易トイレセットと、トイレットペーパーをいつも多めに購入してあります。またクルマの中に非常用の携帯トイレを数セット置いてあります。

これらは簡易的なもので、コンビニ袋のようなビニール製の袋の中に水分(尿)を固めたり、排便の臭気をとるだけのものです。

本当に首都圏に大きな地震が起きて電気、ガスが停止し、下水管、水道管が壊れたら、ひどいことになりそうです。

下水道が壊れたり水が出なくなって水洗トイレが使えなくなると、道路や川のそこら中に、コンビニ袋に入れた汚物が辺り構わず捨てられているという想像を絶する環境となってしまいそうです。特に夏場だと、ひどい悪臭に悩まされます。

あとは、先日、初めて消火器を買ってきました。女性でも扱える小さいものなのでイザって時にどれほど役立つかわかりませんが、初期消火で使えなければ、どちらにしても手遅れです。

消火器

あと今後余裕があれば準備しておきたいのが、小型発電機と、電動のこぎり(丸鋸)。

これは地震で家が一部崩れたり倒壊したりすると、建物の中に閉じ込められた人を緊急で救助するときに役立つものです。

阪神大震災の時、迫ってくる火事を前にして、倒壊した柱や屋根の構造材に挟まれて、動けなくなった人の多くが火災により亡くなりました。もしその時に、小型発電機と電動ノコがあれば救えた命もたくさんあったように思えます。

幸い、今の住まいは水害の心配はない場所にありますので、大きな地震対策では、家屋の倒壊と火事に重点を置けば良いかなと思っています。

火事と言えば、小型の耐火金庫も買っておこうと調べているところです。

耐火金庫

別に大金をタンス預金しているわけではありませんが、阪神淡路地震でも東日本大震災でも、被災者の話しとして、震災後の生活では当面の現金が必要だったという話しでした。

つまり銀行に行ってもATMは動いていないし、窓口も閉鎖。コンビニは開いていても、停電でATMは休止していて、現金をおろせず食料や日用品を買いたくとも、現金がないと買えないという事態に陥ります。

今後急速に普及するキャッシュレス決済も、結局は停電や携帯電波が停波すると使えず、せっかくコンビニやスーパーが店を開けてくれても、現金がないと買い物ができない状態となってしまいます。

さらに被災の経験者が言うには、お釣りや両替が必要な万札ではなく、千円札や小銭を多めに保管しておくと良いとのことでしたので、それらを保管し、さらに火事で燃えない耐火金庫が必要となるわけです。

もちろん、金庫の中には現金以外にも預金通帳や印鑑、年金手帳、家の権利書、マイナンバーカード、パスポート(すでに期限切れですが)、生命保険や火災保険など各種保険証書なども一緒にしまっておけます。

またパソコンの中のデータ(画像や各種記録など)もバックアップとしてUSBやDVD-ROMに入れておくのが安全でしょう。

ホームセンターなどでは、「非常持ち出し袋」というのがよく販売されていますが、いつも自宅にいる人ならばそれも良いでしょうけど、外で働いている時間が長い場合、それはどうなのよ?と思ってしまいます。

非常持ち出し袋が持ち出せず、大事なものを一カ所にしまっておいても、それが火事で全部焼けてしまったとなるのは避けなければなりません。

阪神淡路j地震の時は未明の時間で在宅中の人が多かったでしょうが、東日本大震災は平日の昼間でした。その両方に対処できるとしたら、持ち出し袋よりも、耐火金庫かなぁって思ってます。

 ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

消火器や耐火金庫で注意点がひとつあります。

それは消火器や耐火金庫というものは、期限切れだったり壊れて不要となっても簡単に処分ができません。市区町村の大型ゴミ等ではお金を出しても引き取ってくれないところが多いようです。

消火器は使用期限があり、必ずいずれは不要品となります。

購入した店で新たに購入すると使用期限切れの消火器を引き取ってくれるというところもありますが、10数年も経つと、買った店を忘れたとか、店が撤退(廃業)しているとかの事態も起きそうです。通販で購入したならなおさらです。

最後の手段として消火器は「消火器リサイクル推進センター」というのがあるので、そこへ相談するのが良いとのことです。いずれにしても処分にはお金がかかるケースがほとんどです。

長く使えると思った耐火金庫も、20年ぐらい経つと経年劣化し、鍵が壊れたり、紛失したりして買い換えをしようとすると、これもまた処分がたいへんです。

やはり市町村の運営するゴミやリサイクルでは引き取ってくれないので、手っ取り早いのは民間の不要品引き取り業者へ有料(数万円する場合もあるそうです)で引き取ってもらうことでしょうか。

そういうことを考えると、大は小を兼ねるとか言って、ひとりで簡単には動かせないような大きな耐火金庫など買ってしまうと、将来その処分がたいへんになってしまうので、気をつけましょう。


【関連リンク】
1003 災害用備蓄品について考える
894 火災保険・地震保険について調べてみた
594 震災など非常時の備え その1


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2019年4月に見た映画 2019/5/8(水)

1328
ソロモンの偽証 前篇・事件 2015年 「ソロモンの偽証」製作委員会
監督 成島出、出演者 藤野涼子、板垣瑞生、佐々木蔵之介

ソロモンの偽証 後篇・裁判 2015年 「ソロモンの偽証」製作委員会
監督 成島出、出演者 藤野涼子、板垣瑞生、佐々木蔵之介

宮部みゆきによる2012年刊の長編推理小説ソロモンの偽証」「第I部 事件」、「第II部 決意」、「第III部 法廷」を原作にして「前篇・事件」と「後篇・裁判」の2作品にまとめた映画です。

どちらも2時間を超える作品で、2本合わせるとで軽く4時間を超え、映画としては長過ぎてあまり向いているとは思えないのですが、原作をある程度忠実に再現するためには仕方がなかったのでしょう。

じゃぁこの4時間を超える映画は退屈かというとそうでもなく、前篇の事件では、クリスマスイブの雪の日に男子中学生が校庭で転落死していた事故と、その後に同級生だった女子生徒が交通事故で死亡する背景が次第に明らかになっていくことや、亡くなった生徒の同級生や学校関係者はもちろん、保護者やマスコミなどの動きがあるある的に描かれ退屈する間もなく盛りだくさんって感じです。

後篇の裁判は、亡くなった生徒の同級生達が、事件の真相を突き詰めようと、学校内裁判を開くことを決め、いじめをしていた生徒を被告として喚び、そのいじめが発展して起きた殺人ではないことを様々な証拠を積み上げていきます。

と、同時に、その被告が真犯人だと書かれた告発状の真意なども明らかになっていきます。詳しくは書きませんが。

前後半で言うと、この後半の裁判の設定(中学生が自主的に判事、検察、弁護などに分かれ、不良の容疑者や、証人の一般市民などを集めるところなど)に無理なところがあり、見ていても「ありえねぇー」と途中は退屈をしてしまうかもしれません。最後のどんでん返しで目が覚めるとは思いますが。

確かに2本続けて見た感じでは、やや長くて疲れたなと思いましたが、登場人物もそう多くはなく、ストーリーも最後のクライマックスあたりを除き、あまり複雑ではないので、しっかりと集中して見ていないとわからなくなるってことはありません。

しかし、大学生ぐらいならともかく、中学生にこれだけのことができる知識があり、現実的に出来るか?って言うと、ドラマや小説の中だけの世界!って言うしかないでしょう。

★★☆

            

カメラを止めるな! 2017年 PANPOKOPINA
監督 上田慎一郎、出演者 濱津隆之、真魚

言わずと知れた低予算ながら、口コミで拡がり大ヒットした2017年の映画です。

こうしたちょっとヒネった作品が、有名俳優や女優を使って多額のお金をかけた作品を凌駕するってのは業界的にも良い傾向なのかも知れません。

テレビ番組も、高額な有名人をどんどん切って、無名な人でも、発掘し売り出していこうという試みが増えています。

もちろんお金をかけた大作映画にも面白いものが多くて好きですが、そればかり見ていると、もっともっと出来るはず!というように、際限がなくなってしまいます。

その点、こうしたまるで学生の映画サークルで作ったみたいなアイデアで勝負した、剣の刃を渡るような緊張感に包まれた作品は、製作者の深い思いが伝わってきて、感激もそれだけ大きく、賞賛したくなります。

簡単なあらすじは知っていましたが、最後のどんでん返しまでは知らなかったので、十分楽しめました。

★★★

            

眺めのいい部屋(原題 A Room with a View) 英国1986年 日本公開1987年
監督 ジェイムズ・アイヴォリー、出演者 マギー・スミス、デンホルム・エリオット

第一次世界大戦の少し前の英国上流社会が舞台の映画です。

この映画、32年前に1987年の公開時に洋画2本立てで上映されていた名画座で見ました。その時の印象としては面白かったという記憶だけが残っていましたが、中身はすっかり忘れていました。

ストーリーですが、主人公は英国の名門家の令嬢で、イタリア旅行中に同じく英国人の若い男性と知り合いとなります。

タイトルはそのイタリア旅行中に泊まったホテルで、予約していた「眺めのいい部屋」ではなかったので、旅行に同行していた従姉(年上のいとこ)が文句を言って別の英国人旅行者と部屋を交換してもらったことから、令嬢が男性と知り合うきっかけとなったことを指しています。

その旅行中に出会った男性に思いを寄せられてしまい、それを知った同行の叔母は旅行を途中で打ち切って早々に英国に戻ります。

そして令嬢は帰国後お見合いをして別の男性と婚約をしますが、それと同時期に、イタリア旅行で知り合った男性が、主人公の邸宅の近くへ引っ越してきて、再度恋が燃え上がっていきます。

という、女性がみると、ゴージャスな上流社会に身を置き、二人の男性から言い寄られるという、理想的なハーレクイン小説のような映画です。

そうした甘い甘い恋愛映画ですが、さすがに最初に見てから30年も経ってしまうと、その甘さがしつこく感じて、今はちっとも良い映画とは思えなくなるから不思議です。

時間の経過とともに、価値観や好みって言うのは変わるものなんだなと思い知らされた映画です。

★★☆

            

グランド・キャニオンの対決(原題:Edge of Eternity) アメリカ 1959年
監督 ドン・シーゲル 出演 コーネル・ワイルド、ヴィクトリア・ショウ

グランド・キャニオンの対決
1959年公開と、今から60年も前の映画ですが、ちゃんと綺麗なカラー映画です。但し、Amazonで探したのですが、DVDやビデオは見つかりませんでした。時代物ですからね、、、

ま、なんてことはない、保安官(助手)が可愛い金持ちの令嬢を救うために人殺しの悪役とグランドキャニオンで対決する勧善懲悪映画ですが、タイトルに惹かれて見てみました。

私も20年ほど前に一度だけ(おそらく一度行けば満足する)グランドキャニオンへ行きましたが、あの雄大でスケールの大きな断層地帯はアメリカ人にとっても珍しく一度は見ておきたい場所でしょう。

NHKのブラタモリでも、過去にフランスやイタリアの地形や地層を取材してきましたが、ダンサー(断層ファンのこと)としては、やっぱりここをみっちり取材しなければ語り尽くせないでしょう。

グランドキャニオンの崖の平均の高さが1200m、最深部では1800mとのことで、比較するものとして634mのスカイツリーの2倍ぐらい、世界最高層ビルが828mで206階建て(ドバイのブルジュ・ハリファ)ということなので、もし崖の高さをビルの階数にすると300階建てぐらいの高さに相当します。

そうした崖が延々と400km以上(東京から岐阜あたりまで)続いているのですから、もう日本人の地形感覚ではとうてい理解不能です。

そのお決まりの観光地へは今はラスベガスから飛行機で行くのですが、途中西部劇などでよく見かけるような砂漠の荒野の中にポツンと小さな町が見え、その上空を飛んでいると思ったら、すぐ横にそびえ立つ崖が飛行機の高度とほとんど変わらない高さで見えてくるという感じです。

ま、そうした崖の高さを生かしたアクションと、古くは金鉱として栄えたグランドキャニオンが、映画公開当時は多くの労働者がラスベガスへと流れてしまった寂れた町として出てきます。

本格的な観光化が進むのは、その後1971年に世界遺産に登録されて以降のことになります。

古い映画にしては、しっかりと作られていて、古いアメリカンな生活なども見られ、なかなか楽しめました。

★★☆


【関連リンク】
1320 2019年3月にみた映画
1312 2019年2月にみた映画
1301 2019年お正月に見た映画


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テレビCMを見なくなって久しい 2019/5/11(土)

1329
個人的なことですが、テレビを見るときは基本事前に番組を予約しておき、それを早回しで見たり、テレビコマーシャル(以下TVCM)や毎回同じ画面のオープニングなどを飛ばして見ることが多くなっています。

テレビを生で見るのは、夜のニュース番組と、スポーツ生中継ぐらいでしょうか。メジャーリーグの試合など、海外のスポーツ中継は、日本の深夜に行われていることが多いので、やはり録画をしておき、あとで飛ばしつつ見ることもあります。

結局なにが言いたいかと言うと、TVCMの無意味さ、鬱陶しさを、最近特に感じるようになってきました。売らんかな、認知をあげたいという主張がやたらと鼻につきます。

もちろん、見ていて面白く、役に立つTVCMもごくまれにはあります。それはわかっていますが、でも個人の感想を言えば95%は見なくても全然困らないし、見たくないものです。

ところで、日本の媒体別広告費はどういうことになっているのでしょうか?

電通の調べでは、
・2018年 日本の広告費は6兆5,300億円、前年比102.2%
・総広告費は7年連続のプラス成長
・インターネット広告費は、5年連続の二桁成長

と、割と景気の良い話しとなっていますが、広告が飯のタネでもある電通の発表ですから、大本営発表と変わりはないのかも知れません。

その大本、いや、電通発表のデータから、媒体別の3年間の売上推移を表とグラフにしてみました。

媒体別広告費

新聞、雑誌、ラジオ、テレビが旧来からある既存の4大媒体として長く君臨してきましたが、ここ数年でネットメディアが次々と追い越していき、規模が最大のテレビメディアに肉薄しているというところです。

すでに広告は、旧来の媒体からネットへと移っていると言っても良さそうです。

それでもテレビの広告はインパクトがあり、今のところ影響力もネットの比ではありません。それは事実でしょう。

しかし広告の売上が落ちてくると、テレビ局も審査が甘くなり、また広告を出す側も、イメージの訴求だけではなく、直接利益に結びつけようと、商品名をがなり立てるような品のない粗悪な広告もしばしば混ざってきます。例えば、携帯電話や、なんとかルーペのような広告です。

また制作費を抑えるためなのか、とにかく同じ広告ばかりが流されるので、見飽きたという感覚も多くあります。そのTVCMを見たくないからチャンネルを変えても、また同じ広告をやっているという場面によく出くわします。

テレビの視聴率も落ち気味で、しかも視聴者の年齢構成が上がり気味で、CM効果も限定的になりつつあります。
今後TVCMを積極的に出す企業というのは、

1)社長が出たがりやで有名になりたいと思っている
2)社長が広告制作のアイデアに自信がある
3)儲かりすぎていて税金を払うぐらいならTVCMへ
4)広告代理店にうまく丸め込まれる(自社に有能なマーケターがいない)
5)手っ取り早く芸能人と知り合いたい
6)一発勝負を賭けて後は野となれ山となれ

と言ったところでしょうか。

いずれにしてもTVCMで成功するとそれが成功体験となり、その後も長く続けざるを得なくなるので、それを狙って広告代理店や制作側も必死です。

ところが私のようなTVCMはカットして番組を見たり、特定のCMが流れると嫌悪感を感じてチャンネルを変えてしまうような人が増えてくると、テレビ局は厳しい状況へと追いやられていくことになります。

また不買運動絡みで、その企業がスポンサーとなっている番組を糾弾するというような流れも起きることも考えられます。

過去には番組にクレームがついてその番組をスポンサーする企業への不買運動というのが起きましたがその逆もあり得るということです。

すでに全番組を録画することができ、いつでも過去の番組を見ることができるテレビなどもありますが、今後はますますそうした多チャンネル録画機能に拍車がかかり、結果的に、TVCMは見られないという結果になってしまいそうです。

それに対処するため、すでにいくつかの番組で実験的におこなわれていますが、番組の中でそっと商品やサービスを紛れ込ませたり、番組出演者が商品名を読み上げたりして通常の時間売りのTVCMとは違う形も考えられますが、ドラマや映画というのは、その時だけでなく再放送や再々放送などでも使われるので、スポンサーがその都度変わってしまうというややこしい事情もあり、そうしたことができる番組は限られてくるでしょう。

ネット広告は、TVCMとは違い、極論すれば「誰がいつどれだけ見たか」がわかります。やろうと思えば個人を特定することもできます。

すべての年代がネット環境に不便なくアクセスし、その利用時間がテレビの視聴時間をしのぐようになってくれば、やがて時代遅れとなるTVCMは、一部の大手メーカーや、成金で社長の自己顕示欲が強い会社以外はなくなっていくのでしょう。

テレビ局も、いつまでも旧来の時間売りの広告収入ばかりに頼るのではなく、スポンサーに納得してもらえる新しい収入の仕組みを早く考えることが必要です。


【関連リンク】
1293 お詫びと訂正と放送禁止用語
1269 子供時代によく見たテレビと漫画一覧
984 広告とブラック企業と心の病


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5月前半の読書と感想、書評 2019/5/15(水)

1330
光のない海 (集英社文庫) 白石一文

2015年に単行本、2018年に文庫化された長編小説です。

著者の作品は割とお気に入りで、調べたら過去に直木賞受賞作の「ほかならぬ人へ」(2009年)や、山本周五郎賞の「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」(2009年)など17作品を読んでいますが、最近はご無沙汰していて、2016年に読んで以来、3年ぶりに読みました。

2012年4月上旬の読書「ほかならぬ人へ」

2013年7月前半の読書「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」

以前、横山秀夫著の「出口のない海」を読んでいたので、タイトルが似た名前だけにそういうイメージというか先入観がありましたが、まったく違うものでした。

主人公は中堅の建設資材販売会社の社長を務めていますが、離婚して独身です。

昔、ある販売員から買った壺が割れてしまい、そこからつながっていく不思議な(って言うかあり得なそうな)縁、自分が社長になったこれまた不思議な縁、会社の寮をまかせていた老夫婦がうけた凄まじい過去、その他にも主人公の上司と浮気をして出て行った妻との関係、幼なじみというか父親役だった若い経営者との関係など、とにかく盛りすぎってほど理由(ワケ)が盛られています。

その中でも自分を社長まで引き上げてくれた、女性経営者の存在が大きく、大きな年齢差を超えての密やかな恋愛というのが大きなテーマともなっています。

小説的には宮本輝氏の小説?って思うような、ちょっとした雑学が方々にちりばめられていて、まったく読んでいて飽きない小説です。

ただひとつの小説の中に、非現実的に、人の性悪なところをいろいろと盛り込みすぎって感じはゆがめません。面白かったですけどね。

★★☆

著者別読書感想(白石一文)

            

地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書) 増田寛也

新書大賞を受賞した2014年刊の新書で、著者は建設省を辞めて1995年から岩手県知事を3期務め、その後日本創成会議座長なども歴任された官僚上がりの政治家です。最近では2016年に東京都知事選に出て小池百合子氏に敗れています。

本書の要点は、本ブログでも時々書いてきたり、すでに学者先生方が、すでに述べていたりしていることでもありますが、

「少子化が進んで日本は大変なことになる」
「すでに手遅れではあるが、未来は絶望的ではない」
「少子化を止めるには地方の雇用の場が重要」
「東京一極集中の限界が近い」
「20歳から40歳までの若い女性をいかに地方につなぎとめるか」
「複数の子供を産みやすい環境をどう整備していくか」
「限界集落と消滅可能性都市にできること」
「地方再生リーダーの養成」

などがテーマで、ポイントでしょうか。

私が書いてきた中にもこのようなものがあります。

1211 過疎と限界集落の行方とコンパクトシティ
1156 空き家バンクの無能ぶりと空き家に思う
1154 地方の可能性と限界
1053 空き家問題を考える

統計データを主にして、藻谷浩介氏(「里山資本主義」著)、小泉進次郎氏(衆議院議員)、須田善明氏(女川町長)、樋口美雄氏などとの対談を通じ、人口減少問題に警鐘を鳴らしています。

人間とは恐ろしいもので、いきなり2040年の推定人口構成を見せられると愕然となりますが、それが毎日の延長線上だと、なんとかなるさとばかりに、容認しちゃうところがあります。

都合の悪いことは忘れてしまうと言うのも、人間が生きていく上での能力なのかもしれません。

筆者にしてもいまの大物の学者や経営者は、60代を過ぎて、せいぜい長くてもあと20年ぐらいしか生きないわけで、「そんな自分がいなくなる先のことまで構っていられるか!」というのが本音で、政治家に至っては、暗い話題や、負担増になる話しばかりすれば落選するので、あえてこうした話題を避けようとします。

そうした中で、2019年現在67歳の著者が、口角泡を飛ばす勢いでこうした問題を広く提言するのは、多少自己主張が強いとは言え、善良な方だと思います。

そして今が歴史となった未来に、どうしてこの時代に動けなかったのか?というような歴史番組が作られたとき、「こういう意見も少数ながらあった」というようになるのでしょうか。

★★☆

            

家守綺譚 (新潮文庫) 梨木香歩

2004年に単行本、2006年に文庫化された連作短編集です。私と同世代といってよいベテランの作家さんですが、元々は児童文学や絵本といった分野で有名な方です。

過去には著者の小説としてはデビュー作品にあたる「西の魔女が死んだ」(1994年)を読んでいます。

2014年9月後半の読書「西の魔女が死んだ」

主人公は小説家を目指しコツコツと文章を書く仕事をしていますが、琵琶湖でボート練習中に亡くなった大学時代の友人の実家の留守番役として、古い大きな家に住んでいる独身男性です。

時代の設定は、およそ100年前というから、大正時代でしょうか。

舞台というか住まいの近くに琵琶湖疎水があると出てきますので、滋賀と京都の境目付近ってところでしょう。

そこの家に住んでいると、亡くなった友人の幽霊や、肉に誘われそのまま飼い犬となった不思議な野良犬、池に住むカッパや人魚、ツルツルで気持ちよくなでていると懸想されたサルスベリの木など、物の怪の世界です。

西岸良平氏の漫画「鎌倉ものがたり」や、それを原作とした映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」の京都版と言ったところでしょうか。

著者自身がそうした滋賀と京都の間の疎水の流れる近く在住らしいので、そうした不思議な創作が湧いてくるのでしょう。

そう言えば、村上春樹氏の小説にも「東京奇譚集」というのがありずっと昔に読んだ記憶があります。調べたら2007年に文庫が発売されてすぐ買ったものの、しばらく積読状態で、読了したのは2009年と、今からちょうど10年前でした。

その他にも奇譚(綺譚)と名のつく小説で過去に読んだものは、浅田次郎著「草原からの使者 沙高樓奇譚」、綾辻行人著「眼球綺譚」です。

★★☆

            

芥川症 (新潮文庫) 久坂部 羊

ユーモアたっぷりに芥川龍之介の小説をモチーフにした短編集です。もちろん著者の本職でもある医療との関わりがある内容が多く、笑いながらも怖くなってくること請け負いです。

2014年に単行本、2017年に文庫化されています。

短編のタイトルはそれぞれ、「病院の中」「他生門」「耳」「クモの意図」「極楽変」「バナナ粥」「或利口の一生」となっていて、どこかで聞いた名前ばかりとなっています。

「藪の中」→「病院の中」
「羅生門」→「他生門」
「鼻」→「「耳」
「蜘蛛の糸」→「クモの意図」
「地獄変」→「極楽変」
「芋粥」→「バナナ粥」
「或阿呆の一生」→「或利口の一生」
※前が芥川龍之介作の小説でそれをモチーフに作られて言います

著者の小説やエッセイを読むと、「医療に過大な期待はするな」というニュアンスが含まれていることが多くあります。

つまり医者も普通の人間ですから、期待以上のことを求めるのもいけないし、患者は神様ではないので、ほどほどの治療や投薬で我慢するべきだという考え方です。

エッセイの「日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか」(2007年)でも、国内での自然な老衰という死に方が減り、本人の意思とは無関係に、闇雲に生き長らえさせるために高年齢でも高度な医療(=高額医療)が駆使され、その結果、意識も戻らないまま脳死や内臓の不全等で死亡するというむなしさなどが綴られていました。

2017年2月後半の読書「日本人の死に時―そんなに長生きしたいですか」

そうした実態を普段から目の当たりにする仕事ゆえ、わかることもあるでしょう。

時々書くのですけど、若くて健康な人に「もしかの時、延命治療を受けたいか?」と聞くとだいたいは「受けたくない」と答えるのに対し、余命間もない重病人に同じ質問をするとほとんどが「受けたい」と答える人間の弱さというか、立場の違いによって考え方も変わってしまうことが、人間的で自然なことでもあります。

とりあえずは、こうしたユーモアをもって、医療と人生について考えてみるのが良いのかもしれません。

★★☆

著者別読書感想(久坂部羊)

            

バカ売れ法則大全 行列研究所

2017年に発刊された単行本で、ネットメディアの「ITmedia ビジネスオンライン」で取材がされたものをまとめたものです。

この景気停滞(減衰?)の中でも売れに売れている商品やサービスを取り上げ、なぜ売れる?を簡単に解説しています。

その数なんと54例ということで、読んでいるとなんでも売れるんじゃないのか?と、途中で感覚が麻痺してきます。

それぞれにワケがあったり、ラッキーだったりしていますが、最初から大当たりすると思って出たものはほとんどなさそうです。

現在は老いも若きも「雇われない働き方」を志向する人が増えてきているようなので、一種、独立してから「成功する秘訣」みたいな感じで読まれているのかな?と思いました。

でも実際に読んでみて、これは事業の参考にはなることはないな〜と。

つまり過去形で、「こうした幸運があった」とか「その時に風が吹いた」みたいな話しが多く、そうした数多くの新商品やサービスの中で、たまたまうまくいった(現在のところいっている)ものの紹介であって、それが数年後の今でも通用するとも、人気が10年間持続するとかはどうも思えません。

一発アイデアやひらめき、それを実際に商品やサービスとしてモノにした行動力などは評価しますが、その後の継続とコモディティ化こそ事業の最大の難関であり、それがうまくいったときに、「さすが!」と言えるのでしょう。

もしこの本の著者がその気があれば、10年後とか20年後に同じ素材がその後どうなったか?というのを調べて書くと面白いかも。栄枯盛衰がわかり、何勝(その時も大ヒット)何敗(なくなった)何引き分け(かろうじて生き残っている)だった!みたいな展開が期待できそうです。

★☆☆


【関連リンク】
 4月後半の読書 ガール・オン・ザ・トレイン、自由とは何か、きらきらひかる、Yの悲劇、デッドエンド
 4月前半の読書 虚無への供物、未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること、白いしるし、フォルトゥナの瞳
 3月後半の読書 教団X、新個人主義のすすめ、暗夜を渉る、何者、リアルワールド


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中高年ひきこもり増加に歯止めはかかるか? 2019/5/18(土)

1331
以前より若い人の引きこもりやニートよりも深刻だと言われながら、誰もがそれに目を背け続けてきた中高年の引きこもり問題で、先般、内閣府が初めて調査を行い、全国で推定61万人いるという発表がありました。

“中高年ひきこもり61万人”に警鐘…「人は、どの世代でも、どの世代からでもひきこもる」(FNN PRIME)
内閣府は3月29日、40〜64歳のひきこもりの人が全国で61万3000人いるとの推計値を公表した。中高年対象の調査は今回が初めてで、2015年度の調査で推計した15〜39歳の54万1000人を上回った。

「中高年引きこもり」調査結果の衝撃、放置された人々の痛ましい声(ダイヤモンドオンライン)
内閣府が3月29日に公表した、40〜64歳の「ひきこもり中高年者」の数が推計約61万3000人に上ったという調査結果は話題を呼んだ。厚労相が「新しい社会的問題だ」との見解を示すなど、その波紋が広がっている。

私も過去に何度かニートや引きこもりについて記事を書いてきましたが、35歳以上の引きこもりデータがなく、モヤッとしたところがありました。

1111 ギャンブル依存対策もいいけど、引きこもり中年問題もね
693 引きこもりが長期化する前にすべきこと
604 ニート対策ひとつの考え方
596 ニートって言うな!と言われても

内閣府の調査では40歳以上のひきこもりは61万人というデータですが、これはサンプル抽出し、アンケートのような調査票に記入してもらう形式でしょうから、世間体を気にして正直に書かない人(家族)も多そうで、実態はもっと多く、「100万人は超えているのでは?」という、中年引きこもりの人達を支援しているNPOの話しもあります。

どうしてそうなったかなどもいろいろ分析されていますが、同時に
・どのような支援が効果的か情報を共有する
・新たに増えないようにする対策
など、国が本気で取り組んでいくべき事柄でしょう。

ブランコ現在の40代、50代は、親が70代の団塊世代というパターンが多く、その団塊世代がまだ元気なあいだは、親の貯金や年金で過ごせても、あと10年、20年して親が亡くなると収入がなくなってしまいます。これはいま8050問題と言われています。

引きこもりの本人も高齢になり、もしその気があっても新たに働くことができず、しかも今まで働いてこなかったので無年金者だったり、極めて少額だったりすることが考えられます。

結局はそうした人は生活保護に頼らざるを得なくなり、それでなくても生活に必要な道路や橋の補修費も出せないほど財政難の地方自治体は深刻な影響を及ぼしそうです。

真面目に40年以上必死に働き、税金や年金を支払ってきた人達からすれば、そういう人のために、税金を使われ、年金が減らされることに嫌悪を感じる人もいるでしょう。

現在はそうした引きこもり者に対するサポートや支援は、NPOが中心に行っていますが、それにも限度があり、強制力を持つ公的な機関が目を背けずに対応していくべきです。

また狭い1地域だけで解決できるような問題ではなく、広域な範囲で考えていくべき事のような気もします。

また同時に引きこもり者の支援のためには働ける場を提供するために民間企業の手も借りる必要があり、特殊技術が不要で、さらに人と接する機会が少なくマイペースでおこなえるような、例えば農業や畜産業など、自転車などでラストワンマイルの配達をおこなう仕事、あるいはネットを通じての在宅ワークなど、いくつか選択ができる環境を提供していくことも必要でしょう。

そうした引きこもり者を受け入れる企業や団体に対しては、なんらかの補助も必要です。補助金ってその財源はどうするんだ!という声に対しては、「生活保護にかかる費用と比べると安いもの」と答えればよいのです。

あるいは、無収入者が「自暴自棄となって犯罪を犯し、刑務所に収監する社会的な影響と負担を考えれば安いもの」と考えるべきでしょう。

仕事をリタイアした人達に、引きこもりの人が社会に出て働くサポートをする仕事を新たに作っても良いでしょう。社会のためになるならと、ボランティアで協力してくれる元気な高齢者だっていそうです。

ここまで来てしまってからでは画期的な解決法なんてありませんし、個人個人によってその解決法も違ってくるでしょう。

でも、今までのように社会が無責任な放置をしておくことが許されない状態に来ていることは確かです。

【関連リンク】
1111 ギャンブル依存対策もいいけど、引きこもり中年問題もね
693 引きこもりが長期化する前にすべきこと
604 ニート対策ひとつの考え方


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鰹節の歴史とこれから 2019/5/22(水)

1332
鰹節子供の頃には「どうしてこんな木材のカンナくずのようなものを大人や猫ちゃんは有り難がって食べるのだろう?」って思ってましたが、自分が大人になってからは、「これこそ日本人の繊細な味覚を作り出してきた究極の食品なのではないか?」と思い始めています。

鰹節で思い出すのは、子供の頃に家には削り器があって、カチカチの堅い鰹節をカンナで削るように削っていました。でもお店で売っているようなふんわりとした削り節にはならず、荒削りというか木くずにしか見えませんでした。

食品や調理法の多くが大陸から伝わってきたものが多い中で、鰹節は、純然とした日本独自の食品で、その歴史はそれほど古いものではないようです。また世界一硬い食品としてギネス認定もされているそうです。

Wikipediaによると、5世紀頃には保存できる食品として干しカツオが作られていて、飛鳥時代(6世紀)には干した魚(堅魚)が献上品として登場しています。

現在の鰹節に近いものはずっと後の西暦1400年代後半(13世紀後半)、室町時代に「花鰹」という文字が登場、これが文献として鰹節が出てくる最初と思われるそうです(諸説あり)。

一般的に使われるようになったのは江戸時代のことで、鰹が捕れる地域各地で競って製造され、土佐節・薩摩節・伊豆節という地名がついた名産品が生まれました。

江戸時代を描いた時代小説、高田郁著の「みをつくし料理帖」にも、鰹節の話しがネタ的に登場します。現在のように冷蔵技術がない時代ですから、こうした魚が腐らない保存方法が重宝されていたのでしょう。

そして輸送の途中でできてしまう黴さえも、それを利用すれば水分を抜くために利用できることが経験でわかってくるなどして、鰹節の製造法が確立していきます。

天然の健康食品として見られがちな鰹節ですが、実は健康リスクとして「発癌性など人体に有害」な物質が含まれているそうです。

それは燻煙に使用する煙(煤)とタールや、魚に含まれる油脂が燃焼するときにできる煙に由来するもので、輸入規制が厳しい海外輸出用には、それらをできるだけ取り除く手法がとられているとか。

50年ほど前の私が子供の頃には、自宅で削る以外で鰹節と言えば、大きな袋にいっぱい入った出汁取り用というイメージが強かったのですが、いつの頃からか、小袋に分けられた鰹節パックが登場してきて、食品に直接まぶす身近な調味料となってきました。

最近のことですが、テレビを見ていたら「鰹節パックを冷や奴などに使うとかなり余ってしまうが、あの量は変えられないのか?」という疑問に対し、ヤマキだったかにんべんだったか忘れましたが、製造元の話しでは「山盛りにいっぱいかけて全部食べきってください」との返答でした。

メーカーとしては、いっぱい消費してもらうことが望ましいでしょうけど、大きなお好み焼きとかならともかく、普通は小鉢の冷や奴が全部隠れてしまうぐらいにいっぱいは使いませんよね、、、

鰹節から抽出する出汁は、和風料理の定番ですが、一般的な外国人にとって、あの出汁の味というのはどうなのでしょう?

どうしてもフレンチやイタリアン、その他中華や東南アジアの味付けと比べると味にインパクトさが欠け、薄く繊細だけに、その善し悪しがわかる人って、外国人なら舌の肥えた一流シェフなどごく少ないような気もします。

和食が世界遺産にも登録され、今は珍しがって日本の料理を評価してくれますが、和食の味が世界に定着するには、そうした微妙な薄味や隠し味がわかる人が増えていかない限り、なかなか定着はしていかないのだろうと思っています。


【関連リンク】
1229 米の生産量減少に歯止めはかかるか)
1201 カレーライスは最強の国民食だが問題もあり
1165 ラーメンと私


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どこまでも画一的に見える団塊世代 2019/5/25(土)

1333
一般的に高齢者という65歳以上の数は史上最高を更新し続け、2018年は3557万人(2018年9月15日総省統計局推定)で、全人口に占める割合は29.5%です。

日本の総人口はこの1年間で約27万人減っていますが、65歳以上高齢者数は44万人が増加しています。つまり64歳未満の人数が27万+44万=この1年間で71万人減っているわけです。

1年間で全人口が減少した27万人というと、下関市(268千人)や函館市(266千人)と同じ人口が毎年減っているのに対し、増えている高齢者は、長崎市(430千人)や金沢市(466千人)の人口規模です。

高齢者の塊が揺るがないのは、特に現在70歳〜72歳になる団塊世代の影響が大きいのですが、まだこの世代は老け込んだり寝たきりという人は少なく、割と活発に外へ出掛けていく人が多そうです。

ちょっとした観光地や、テレビや新聞(もはやテレビと新聞は高齢者のためだけにあります)などで紹介された名所、旧跡では、デイバッグと高級カメラを抱えたこの世代と思える人が山盛り状態ですし、その他にも美術館や博物館など、安く、できれば無料で時間を過ごせる場所が人気です。

年金生活者がほとんどですので、大型テーマパークのように出費がかさむようなところへは孫を連れて行くような時以外では滅多にありません。

新しい元号や新札に取り上げられt人物にゆかりのある場所へ押しかけたり、NHK大河ドラマなどに出てきたお城や名刹を訪れるのもこうした元気な高齢者がその多くを占めています。

観光地だけでなく、ビジネス街においても、地味な服装にデイバッグ姿をした高齢者の姿をよく見かけます。

きっと昔に馴染んだビジネス街に久しぶりにやって来て、旧友と待ち合わせて親睦を深めたり懐かしく付近をブラブラと散歩をされているのでしょう。

基本は年金生活ですので、できるだけお金を使わず、かといって家に引きこもらず暇を潰すには、そうしたお金のかからない場所へブラブラと出歩くというのが一番なのでしょう。

そう言えば、勢古浩爾氏の著作「定年後のリアル」で、定年になった団塊世代の著者は、妻に負担をかけないよう?に、ほぼ毎日朝から公園へ出掛け、そこで本を読んだり書き物をして、昼は買ってきたパンを食べたり、近所へ食べに行ったりすると書かれていました。

ビジネス街や通勤電車の中に幼児を連れた働く母親がいる景色も決して珍しくなくなってきて、周囲の理解も進んできましたが、今はそれに加え、どうも働いてはいなさそうなカジュアルな格好の高齢者が、ビジネス街のカフェに集まってワイワイと騒いでいたり、昼間から酒盛りして赤い顔で夕方の満員電車の中で「こっちは老人なんだから席を譲れよ」とばかりに迫ってくるのは困ったものです。

でも、この人達ってどうしてみんな同じ格好しているのでしょうかね?

中高年

地味な色の服に黒っぽいデイバッグというかリュックサック姿で、安っぽいウォーキングシューズに暑い日には帽子も必須です。

この画一性は、この世代に染みついた習性なのでしょうか。

確かに子供の頃から、他人と同じ事が、同じようにできることが最大の美徳とされた時代でした。

あるいは、単に高齢者の数が多いので、単にそれが目立つだけってことでしょうか。わかりません。

若いときにカローラやサニーに乗り、高度成長期にはスカイラインや白いマークIIに乗り、今はプリウスやノートに乗っている世代とも言えます。

若いときには写真部やワンゲル部でカメラや山登りが趣味だったり、当時は高くて買えなかった高級カメラと高級レンズを、今は買えるようになって、趣味としているとか、なんとなくですが画一化されたイメージがつきまといます。

そういう自分もあと1年ぐらいでビジネスの世界からリタイアし、彼らの仲間入りをすることになりそうですが、昔から群れるのは性に合わず、若作りと言われても地味な服装は嫌いなので、なにかまた違った遊び方、時間の潰し方を考えなくちゃって思ってます。


【関連リンク】
1259 40歳から50歳にかけては人生後半のスタート準備
1032 団塊と団塊ジュニアに挟まれた50代の悲劇
810 高齢者向けビジネス(第1部 居住編)


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不登校生徒の増加について考える 2019/5/29(水)

1334
自分の子供の頃は不登校の生徒はいなかったと思っていますが、当時まったく不登校生徒がいなかったと断言できるほどの情報通、事情通だったわけではありません。

教室不登校=いじめとは限りませんが、もっともケースとして多いのは、いじめや仲間からの疎外感から不登校になるというケースが多そうです。

私自身も、小・中学生の頃にいじめの加害者側だったこともあり(今さらながら深く反省してます)、また中学生の一時期はいじめの標的となり被害者として両方の経験があります。

それでも不登校になったという同級生は周囲に知る限りいませんでしたし、一時期陰湿ないじめに遭っていた時の自分も、学校を休むと言うことは考えたこともありませんでした。

不登校の生徒数は増加傾向にあるということですが、この統計数値が難しいのは、従来は不登校と認定されなかったような原因が不明な欠席から、不登校を容認する社会の変化で、不登校と認定されやすくなるなど変化してきたとか、いろいろと理由はありそうです。

不登校が過去最多、5年連続増加の原因とは (Yahoo!ニュース)
文科省は10月25日、2017年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題」の速報値を発表
それによると、小・中学校における不登校児童生徒数は14万4031人(前年度比1万348人増)と、統計開始以降、初めて14万人に達し、過去最多を更新しました。
学校種別に見ていくと、小学校は3万5032人(同4584人増)、中学校は10万8999人(同5764人増)と、どちらも5000人前後増えています。

不登校児童数推移

不登校児童の割合推移

グラフ引用は文部科学省初等中等教育局児童生徒課「平成 29 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」より

少子化で生徒の数は減っているのに不登校の生徒数は増えているということで、全生徒数に対する不登校の割合は、2017年度で小学生0.54%、中学生3.25%となっているそうです。

ざっくり言うと小学生185人のうち1人、中学生31人のうち1人が不登校ということになります。中学生は1クラスの生徒数の平均は30〜40人でしょうから、少なくともクラスに1人以上の不登校者がいるという、その割合が驚くほど高いのがわかります。

上記の記事にも、不登校が増えている原因についてあれこれ仮説が述べられていますが、書かれているとおり、原因はなにか大きな主因があるわけでなく、個々の事情や理由があるのでしょう。

上記文科省のデータでは、不登校に至る本人の主たる要因としては、
・「不安」の傾向がある。
・「無気力」の傾向がある。
・「学校における人間関係」に課題を抱えている。

で、この要因の中の「不安」と「人間関係」にいじめの要素が含まれているそうです。

一般的に考えても「いじめによって不登校になる」というのが多いのはなんとなくわかります。

例えいじめの実態がなくとも、不登校の子供自身が、「友達ができない(いない)」「同級生の目が気になる」「先生に恥をかかされた」など、本人がいじめられたと感じてしまっているケースもありそうです。

また、「人より勉強が遅れている」とか「授業について行けない」など、自分の怠慢や責任を他人へ転嫁して不登校になってしまうということもありそうです。

学習能力にも当然個人差があるのと、家庭環境によって学習の支援(塾や家庭教師など)がどこまで得られているのかということもあり、授業について行けるとか、理解度が低いというのはわからなくはないです。

それでなくても、教師は生徒を指導したり生徒と直接関われる時間がどんどんと減っていて、十分なフォローやサポートができなくなっているので、こうした問題が増えていくのではないかなと思います。

それに加え、不登校や、引きこもりの要因には家庭や保護者、そして学校側の問題も考えられます。

学校側は基本的なしつけは家庭や保護者側の責任だと言い、保護者はいじめに遭うのは学校や教師の責任だと言い、お互いに原因をなすりつけ合うことばかりが増えているような気がします。

教師の仕事については下記の記事にも問題指摘されています。

【先生の明日】志望者が6年連続で減少、他人事ではない教員の長時間労働「教育問題ではなく社会問題」(神奈川新聞、Yahoo!ニュース)
「なり手の減少が続けば、当然教育の質は下がっていく。一番影響を受けるのは子供であり、その親。つまり教員の長時間労働は、教育問題ではなく社会問題だ」と警鐘を鳴らす。

原因が特定できないだけに、これと言った解決策も難しいでしょうけど、ひとつの案としては、前から言っていますが、これだけ仕事をリタイアして暇を持て余す高齢者が増えているのですから、そうした高齢者をボランティアとして小学校が(無給か交通費ぐらいの支給で)雇い入れ、教師のサポート(教材の作成や準備、事務作業など)、放課後の補習学習やクラブ活動の監督、監修などで利用すれば、教師の時間にも余裕が生まれ、生徒との関係が深まり、不登校になる前にその芽を摘み取ることができると思うのですが、なかなか保守的で頭カチカチの教育委員会とかが邪魔をして教育改革って進みません。

人口が高齢化するって悪い面ばかりを言われますけど、社会経験が豊富で、性格も丸くなった身元が確実な元気な高齢者に、短時間ずつシェアしながら小中学校で働いてもらい、社会奉仕と生きがいを与えることができるのも高齢化社会故のことなのです。


【関連リンク】
1162 不登校と自殺
1111 ギャンブル依存対策もいいけど、引きこもり中年問題もね
693 引きこもりが長期化する前にすべきこと

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