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リストラ日記アーカイブ 2018年10月
読みやすいようにアーカイブは昇順(上から古いもの順)に並べ替えました。上から下へお読みください。

日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです
1266 9月後半の読書と感想、書評 2018/10/3(水)
1267 振り逃げとボーク、わかりづらい野球のルール 2018/10/6(土)
1268 首都圏一極集中はこの先どうなる? 2018/10/10(水)
1269 子供時代によく見たテレビと漫画一覧 2018/10/13(土)
1270 10月前半の読書と感想、書評 2018/10/17(水)
1271 目標はとりあえず懸垂1回 2018/10/20(土)
1272 たこ焼きに執着してみる 2018/10/24(水)
1273 働き方改革と通勤定期 2018/10/27(土)
1274 10月後半の読書と感想、書評 2018/10/31(水)

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9月後半の読書と感想、書評 2018/10/3(水)

1266
満願 (新潮文庫) 米澤穂信

2014年に単行本、2017年に文庫化されたベストセラー短編小説集です。

短編のそれぞれのタイトルは、「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」「満願」で、6編が独自のストーリーとして構成されています。

その中の3編、「夜警」「万灯」「満願」は、この8月にNHKでドラマ化され放映されていました。

そのドラマはすべて見ましたが、その中の「万灯」は、映画でも主役を張れる俳優の西島秀俊が本格的な海外ロケをおこない、制作費が少なくて安いギャラのお笑い芸人を使ったバラエティぐらいしか作れない民放では製作不可能な1時間ドラマです。

6編のうち、ふたつを簡単に紹介しておきます。

まずテレビドラマ化もされた「万灯」。バングラデシュで天然ガス開発のために赴任した商社マンが主人公で、その開発の拠点とするためにある村に目を付けて、交渉を始めます。

ところが、英国に留学した経験があるこの村の若いリーダーが、この国の資源は自国の発展のために使うからと交渉が進みません。

そうこうしていると、村の若いリーダーと対立している別のリーダー達から、開発で村が裕福になるなら、拠点として村を使っても良いと話しが来ます。

ただしそれには条件がつき、それが資源開発に反対する若いリーダーを殺してくれというもので、背には腹を変えられず、それに従うことになりますが、、、

ただ、普通の商社マンが、仕事のためなら簡単に人を殺してしまうと言う設定は、会社のためなら命がけで競争に明け暮れた高度成長期の頃の商社マンならともかく、現代の風潮から言ってちょっとどうなのかなと。

もうひとつは、「関守」という短編で、これは他の作品と少し違う、ブラックミステリー。

伊豆の峠道でクルマの転落事故が相次いで起きた場所があると聞き、それをネタにした怪奇現象記事を書こうと考えたフリーライターが、その峠近くに古くからあるドライブインへ行き、店を守る老婆から過去に起きた事故や、立ち寄った人のことを聞き出します。

事故に遭った人はそれぞれ年齢や職業など様々ですが、事故を起こす前にみなこのドライブインに立ち寄っていることを知ります。

そして詳しく話しを聞いていくうちに、なぜそれらの人達が崖から転落して亡くなってしまったのか、それを聞いたライターは、、、

と、かなりスリル満点で、どの作品も面白かったです。

★★★

著者別読書感想(米澤穂信)


            

ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫) 東野圭吾

2012年刊、2014年に文庫版が発刊された、第1章から第5章までつながる中編の連作小説で、2017年には日本と中国でそれぞれ映画化されています。

日本版映画の監督は廣木隆一、出演者は山田涼介、西田敏行、尾野真千子などで公開済み。

一方の中国版は今年2018年10月に日本で公開されます(香港・中国・日本合作)。中国版では日本版の西田敏行と同じ役にジェッキー・チェンが従来のイメージとは違う老け役で登場しているそうです。

東京近郊の住宅地で、以前は活気があったものの、最近は人口流出が続き、商店街もシャッターが降りているようなイメージのある高台にある古びた雑貨店が舞台です。

話しに出てくる年代が、ビートルズが解散した1970年、政治的理由でボイコットしたモスクワオリンピックの1980年前後、そしてこの小説が書かれた現代(2010年頃?)と、行ったり来たりして、今読んでいるのはいつの年代?って迷ってしまうことがあります。

現代の人が書いた文章を1970年代の人が読むと、「携帯で」とか「ネットで」と書いてあっても、まったく意味が通じないということにあらためてそうだったなぁと思いました。

ネタバレが少し入りますが、つまり、1970年代から80年代に雑貨店を営んでいた経営者が、子供からの質問に対し、一つ一つ丁寧に返事を返していたことが拡がっていき、やがて人生相談など深刻な話しが持ち込まれるようになります。

それにも一生懸命返事を書いてきたことが、その後の人生に役立ったのかどうか知りたくて、自分が死んだあとの30年後に相談者にアドバイスが役立ったかどうかを書いてもらい、再び雑貨店のポストに投函して欲しいと息子に遺言で頼みます。

すると不思議なことに、その30年後に届くお礼の手紙が、その経営者が死ぬ直前に、時空を超えて届くという奇跡が起きます。

その時代感が上記に書いたようにちょっと複雑ですが、面白く楽しく読むことが出来ました。さすがベストセラー作家の作品だけあります。

★★★

著者別読書感想(東野圭吾)


            

花まんま (文春文庫) 朱川湊人

ちょっと不思議な短編ミステリー、「トカビの夜」「妖精生物」「摩訶不思議」「花まんま」「送りん婆」「凍蝶」の六編が収められた小説で、2005年に発刊、2008年に文庫化されています。そして2005年にはこの作品で直木賞を受賞されています。

著者は1963年(昭和38年)生まれですから、私とは6年違いで、同世代と言うにはちょっとアレですけど、小説を読んでいると、同世代の人?と思えるような表現や事象がよく登場して、懐かしい思いに浸ることができました。

それは著者の幼少期(9歳まで)は大阪の下町?で暮らしていたということで、昭和30〜40年代の頃の大阪の下町が色濃く描かれています。なぜかわかりませんが、織田作之助賞を受賞されていないことが不思議なぐらいです。

どの短編も魅力的で、しかも読みやすく、後味も悪くない作品に仕上がっていて、直木賞もなるほどと納得がいく出来映えです。

関西人なら誰でもわかる共感性も感じられ、「在日朝鮮人」「差別部落」「飛田新地」など、そこで生活している人にとっての日常と同居している濃い話題がサラリと入ってくるところなど、心地よいぐらいです。

6編のうち、特に好きなのは、小さな女の子が主人公で、飼うと幸せになれると言われ、怪しげな露店で買った謎の生き物の話し「妖精生物」と、部落差別で友人が出来ない少年に、故郷の弟を思い出すと公園墓地で話しかけてきた下手な関西弁を使う若い女性との短い出会いと別れを描いた「凍蝶」かな。

いずれも悲しいお話ですが、後を引かない悲しさで、大げさに言うと、逆に生きる活力が得られそうな話しです。

★★★


            

雑学の威力 (小学館新書) やくみつる

漫画家というか最近はテレビのコメンテーターや相撲のゲストなどで有名な著者の2016年発刊の新書です。

中身はタイトルそのままということで、特に説明する必要はなさそうですが、私はほとんど見ていませんが、クイズ番組などでの博識ぶりは子供の頃からの一風変わった趣味と好奇心、そして人から「物知りですね〜」と言われたい一心から様々な努力をして雑学力を高めていった話しが書かれています。

そう言えばクイズダービーでブレークした同じく漫画家の黒鉄ヒロシ氏や故はらたいら氏もたいへんに博識な方です(でした)。

それらの方に共通している時事漫画を描く上では、様々な方面に感度の良いアンテナを張り巡らしていることが大事で、それが結果的に時事問題以外の雑学全般にも連鎖的に詳しくなっていくのでしょう。

それにあまり良い意味では使われない「衒学的(げんがくてき:学があることをひけらかす)」なことを自ら求めていると公言していると書かれていて、テレビの場でもそうした自信たっぷりと言うか、自慢気な雰囲気があることにこの新書を読んで納得です。

個人的には、どちらかと言うと自分が体育会系に近いので、理屈や知識でやりこめる、こういうタイプの人は苦手なのですが、テレビや新聞等で見かける分にはユニークな素養と趣味の持ち主としてリスペクトしておきたいと思います。野球や相撲を題材にした1コマ漫画も面白いものが多いですし。

自分が新入社員の頃には、NHKの元アナウンサー鈴木健二氏が司会を務める「クイズ面白ゼミナール」の前にいつも言っていた「知るは楽しみなりと申しまして、知識をたくさん持つことは人生を楽しくしてくれるものでございます」を実践しようと、駅のホームで電車を待っている間にも、広告の看板を読み、流行を知ったり、景気の良さそうな業界を感じ取ったりと意識して知識を吸収するように心掛けていました。

そういうことの積み重ねが、その後の人生において、いろいろと身を助けてくれたこともあり、そうした雑学の威力は十分に同意するところです。

あとがきに、先々月寄って見学してきたばかりの、知る人ぞ知る鶴岡市の加茂水族館の話しがちょっと出ていてビックリ。

なんでも雑食性のウマヅラハギが集団で好物のエチゼンクラゲを襲って食い散らかす鬼畜なショーをクラゲで有名な加茂水族館でやれば盛り上がるのでは?というようなお話でした。

新書にはよくありがちなことですが、著者のちょっと自慢げな表現や事例が鼻につくところが減点1の★2です。

★★☆


            

私たちの国に起きたこと (小学館新書) 海老名香葉子

初代林家三平の妻、長女・海老名美どり、次女・泰葉、長男・泰孝(九代目林家正蔵)、次男・泰助(二代目林家三平)の母として有名な著者で、落語一家の家族を書いた著述も多くあります。

この作品は、著者が11歳の時に起きた東京大空襲で、両親や兄弟を亡くすという壮絶な体験をしたのちに、貧しい戦後を親戚をたらい回しにされながらも生き抜き、縁があってまだ無名の落語家(初代林家三平)と結婚して現在までの話しが書かれている2015年発刊の新書です。

東京の下町で伝統ある釣り竿を製造販売していた家に生まれますが、ひとりで疎開をしていた3月10日に東京大空襲があり、兄の三男だけは生き延びて再会しますが、あとの親兄弟6人は行方不明となってしまいます。

自宅も焼けて跡かたなくなり、終戦後は戦災孤児として親戚の家を転々としますが、どこも自分の家族を養うことで手一杯で、歓迎されません。

そんなとき、亡くなった父親と釣りを通じて懇意にしていた顧客の3代目三遊亭金馬師匠を訪ねたところ、初めて歓迎してくれ、その後その家の子供のように育てられます。

そして落語家の林家三平との結婚、その後有名になっていく落語家の妻として、夫の闘病と死と、事実上、本人の自伝となっています。

その中でも特に戦災で家や家族を失った子供達の悲惨な状況を余すところなく書かれていて、それがこの新書の主題となっているようです。

★★☆


【関連リンク】
 9月前半の読書 幻の女、幸福な生活、神様のボート、それは経費で落とそう
 8月後半の読書 村上海賊の娘(1)(2)(3)(4)、京都ぎらい、眼球綺譚
 8月前半の読書 ドグラ・マグラ(上)(下)、11 eleven、「子供を殺してください」という親たち


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振り逃げとボーク、わかりづらい野球のルール 2018/10/6(土)

1267
野球を観戦していて、非常にわかりにくいのがボーク(BALK)と振り逃げのルールです。

東京ドーム実は中学校では野球部に所属していましたが、恥ずかしながら、このへんのルールは、存在すること自体は知っていますが、詳細については当時からあまりよく知りません。

野球少年が知らなかったというぐらいですので、野球をやったことがない人には、見ていてもさっぱりわからなくても不思議ではありません。

また多少野球に関わっている人でも、正確な細かなルールを正しく把握しているか?と言うと、審判員として専門的に勉強でもしていないと、かなり怪しいところがあるでしょう。

ちなみにアマチュア野球の審判においても、アマチュア野球公認審判員として、国際審判員、1級審判員、2級審判員、3級審判員の4つのクラス分けがあり、それぞれに試験があり上級者ほど知識や経験は豊富です。

同じアマチュア野球でも、高校野球の審判員は、高校野球審判員というアマチュア野球公認審判員とは別の制度があり、各地の高野連に登録し講習など受ける必要があるそうです。

さて、本題に入りますが、一般的にボークと言えば、多くの人は、

「投手が投球動作中に投げるのをやめる」
「投手が投球動作中にボールを下に落としてしまう」
「投手がプレートを外さずに1塁や3塁に偽投をする」
「投球動作のワインドアップしてから投げるのをやめたり牽制球を投げる」
「牽制球を投げる時に、投げる方向へ足を踏み出さずに投げる」

あたりのことは知っていると思います。野球少年でもこれぐらいは知っています。

プロ野球や高校野球を見ていて、上記の他にも時々起きるボークの種類として、

「セットポジションで完全静止しない」
「バッターが構えていないあいだに投球動作に入る」
「ランナーのいない塁に牽制球を投げる」
「二段モーションや投球動作中に止まる」

など。

上記はいずれもピッチャープレートを踏んでいるときの動作で、プレートから軸足を外せば投手も野手と同じですから、偽投(投げるふり)も牽制球も自由です。

特に「牽制球を投げる方向へ足を踏み出さずに投げる」「セットポジションで完全静止しない」「二段モーションや投球動作中に止まる」については、審判によってボーク判定する場合としない場合があって、見ている方としてはややこしいです。

国際試合の場合には(審判員の)国によって、判定が緩やかなところがあったり、厳しかったりするので、それに早く適応するのが選手やコーチ、監督の能力とも言われます。

余談ですが、私も昔混乱したのですが、投手が「プレートを踏む」という表現は、多くの場合、文字通りピッチャープレートの上に完全に乗っかって踏んでいるわけではなく、ほとんどの投手は、プレートの手前で、スパイクの一部とプレートの表面が軽く接しているか、あるいは軸足をわずかにプレートに乗せているというのが正しい言い方だと思います。

今は知りませんが、私の現役だった頃はプレートは堅い木でできていて、あれの上に硬い金属製のスパイクがついているシューズで完全に乗っているとバランスがとりにくく、不安定でボールを投げるどころの話しではありません。

ボークになるのは上記だけでなく、もっと複雑なルールがあります。

例えば、「捕手(キャッチャー)のボーク」って知ってますか?

バッターを敬遠する時に、ピッチャーがリリースする前に捕手がキャッチャーボックスを外したら、これは捕手のボークとなり、投球はボールで、ランナーがいればそれぞれ進塁が出来ます。

2017年の高校野球の地方大会で、捕手のボークによりサヨナラ試合となったケースがありました。

捕手ボークでサヨナラ負け(高校野球・徳島大会)Youtube

このルール知らないと、敬遠するときに投手が横に外して投げやすいように、捕手は早めに横に出たくなりますよね。

変なのは、敬遠ではないときに、キャッチャーボックスから出ても、それはボークにはなりません。

ややこしいですね。

捕手のボークをとられたとき、「これは敬遠じゃない!盗塁を警戒して外したんだ!」というアピールが審判に通用するのかわかりません。投球の最初から捕手が立ち上がっていれば敬遠、そうでなければ敬遠ではないと判断されるのかな。

あと、時々起きるケースで、3塁ランナーがホームスチールを仕掛けた時、投手はいったんプレートから足を外してホームに(捕手に)投げれば問題ないですが、プレートを踏んだまま慌ててすぐに投げると、それは送球ではなく投球とされ、完全静止しないボークをとられることになり、3塁ランナーは進塁を許されることになります。

さらに、上記のホームスチールの場合、投手がプレートを外してホーム(捕手に)に送球(投球ではなく)した時、打者がその送球を投球と間違えて打った場合は、守備妨害となり、なんと打者ではなく3塁ランナーがアウトになってしまいます。ちょっと意外なルールですね。

それにしても、プレートからホンのわずかに足を外した程度だと、バッターにはわからないので、送球でも真ん中のストライクが来れば打ってしまいそうな気もします。

ついでにもっとややこしいルールをもうひとつ。

ボークと宣告された投球をバッターが打った場合はどうなるでしょうか?

ヒットになればそのままで続行、ランナーがいる場合は自動的にひとつだけ進塁が許されます。

ランナーがひとつの進塁だけでなく、欲張ってさらにその次の塁を狙うこともできますが、それは安全進塁権ではないので、ボールが転送されてタッチアウトになる可能性があります。

ボークを打って、バッターがアウトになった場合は、ランナーはひとつ進塁、バッターはボークをボールとカウントして打ち直しとなります。

ってことは、ボークとなった投球は、打者からすればダメ元でできる限り打ってみるのが正解ってことですね。

これも知りませんでした〜

ここまでのルールを知っていたら、あなたはもうアマチュア野球博士です。

  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

公式球次に振り逃げですが、一般的には「空振り三振した時に、捕手がボールをノーバウンドでキャッチできず、落球したり、捕球前にワンバンドしたり、後ろへそらしてしまった場合、バッターは1塁へ向かうことができ、タッチされず、1塁への送球よりも早くベースを踏めば記録上は三振ですが、セーフとなる」ぐらいのことは知っていると思います。

それでは、空振りではなく、見逃して三振の場合、振り逃げはできるか、できないか?

振り逃げっていうぐらいだから、バットを振らずに見送ってストライク!三振だとできなそうに思えますが、これもまた、三振の時、捕手が後逸したりすると、バッターは1塁へ走って、ボールより先にベースを踏むと振り逃げが成立するのです。

知ってました?

もっともストライク判定の球筋なら、通常の捕手であればそれを落球するケースは極めてまれなので、実際に起きることは少なそうです。

ただサイン違いで捕手が思っていない投球がきたり、ナックルボーラーとか捕手泣かせの変化球だと、ストライクゾーンにきても捕球できないケースはありそうですので、バッターは見逃し三振をしても、ちゃんと完全捕球されたかどうか確認が必要です。

いやー、これまた恥ずかしながら、最近まで知りませんでした。そう言われるとたまに起きています。

これは「振り逃げ」って日本語訳が間違いってことなんですね。振り逃げの原語は「Uncaught third strike」、直訳すれば「キャッチしてない3ストライク」ですから、振っても振らなくてもできるわけです。

そして振り逃げは、ランナーが1塁にいる場合には、できるケースと出来ないケースがあります。

さて、1塁にランナーがいると、振り逃げが成立しないのはどういう時か知ってますか?

これは割と簡単で、無死または1アウトの場合、1塁にランナーがいる(ランナーが1・2塁や1・3塁、満塁も同様)と振り逃げはできません。

と、言うことは、2アウトなら、1塁にランナーがいても、1・2塁でも満塁でも振り逃げができるってことです。

なぜか?

これは無死や1アウトでランナーが1塁にいても、もし三振、振り逃げができるのなら、捕手が故意に落球し、それをセカンドへ送球し1塁ランナーをフォースアウト、ファーストへ転送し、ダブルプレーが狙えるからなんです。

つまり振り逃げでバッターが1塁へ行こうとすると、1塁ランナーには進塁の義務が生じますので、無死や1アウトで1塁にランナーがいるときは、故意のダブルプレーができないよう振り逃げはできません。

2アウトの場合は、故意に落球してダブルプレーをとる必要はないので、振り逃げができることになります。

これは無死または1アウトでランナーがいる時の内野フライで、審判がインフィールドフライを宣告し、わざと落球してダブルプレイを狙うのを阻止しているのと似ています。

もっと言うと、2アウト満塁の時、振り逃げは成立しますが、落球したキャッチャーは、3塁ランナーがホームへ帰って来る前にボールを拾ってホームベースにタッチすれば3塁ランナーをホームベースでフォースアウトに出来ます。

  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

昔は、野球を始めとして体育系スポーツは、頭で考えるよりも、まず先に身体を鍛えて身体で覚えることが優先されていました。今でも体育会系の人は「脳みそが筋肉でできている」とからかわれます。

練習中は水を飲むのは禁止!、今では膝関節を痛めるというので禁止されているウサギ跳びの繰り返しなど、私の野球部時代は、非科学的、精神論が中心で、例えひどい雨が降った日でも、ルールや野球理論などの講習とかはやらず、教室や廊下などを使って体力、筋肉増進ばかりに励んでいました。

だから細かなルールなどはほとんど知らないまま大人になっていますw

今はそれじゃダメですね。

ルールをよく知り、どういう場面ではどう判断し行動するのが最適か、どこをどう鍛えると効率が良いとか、怪我をしにくくなるか、相手の弱点を突くにはどういう作戦が効果的か、など理論的、科学的、そして倫理的にもスポーツをやっていく上で守っていくべき事を学んでいく必要がありそうです。


【関連リンク】
971 数字で見るプロ野球名監督列伝
794 田中将大とダルビッシュ、松坂、前田(健)の成績を比較してみる
758 プロ野球とメジャーの試合時間


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首都圏一極集中はこの先どうなる? 2018/10/10(水)

1268
都市の夜景今日、10月10日は、我々世代(60歳以上)には1964年の東京オリンピックの開会式の日を記念して作られた祝日「体育の日」というイメージが強いのですが、2000年から施行されたハッピーマンデー法により10月の第2土曜日と変わりました。今年はおとといの8日でした。

もっと言うと、過去何十年かのデータを分析し、晴天になりやすい特異日がこの10月10日なので、開会式に決まったという話しも聞きました。そういう根拠のあった祝日を、連休を増やしてお金をもっと使わせようとするご都合主義で変えるのはどうなのでしょう。

さらにこの「体育の日」、2020年からは「スポーツの日」と名称が変わるそうです。偶然ですが、アメリカ(多くの州)でも同じ10月の第2月曜日は「コロンブス・デー」とする祝日だそうです。

この「コロンブス・デー」は、名称の通り1492年10月12日にクリストファー・コロンブスによるアメリカ大陸への発見および到着を祝うために設定された祝日です。

というぼやきに近い雑談はともかく、今回は「気になった記事」の紹介です。先月の記事ですの、もう旧聞になっているかもです。

東京は高給女と低収入男の「未婚アリ地獄」だ 「年収700万超未婚者」の過半が1都3県に住む(2018/09/04 東洋経済ONLINE)
生涯未婚率(50歳時点での未婚率)と年収との間には強い相関があります。しかし、男性と女性とではその相関は正反対です。「女性が直面する『稼ぐほど結婚できない』現実」という記事でも書きましたが、男性は年収が低いほど生涯未婚率が高くなるのに対して、女性は、年収が高くなるほど生涯未婚率が上がります。

長い見出しですが、概略を書いておくと、
・首都圏には若い人がたくさん集まってくる
・首都圏には男女ともに高収入の人が多い
・首都圏には未婚者が多い
・その中でも特に、男性の低所得者と女性の高所得者の未婚率が高い
ということです。

理由は想像できる通り、
・首都圏に本社機能が集中し優秀な人が集まってくる
・一方で首都圏には仕事や学校が多いので低所得者も集まってくる
・低所得の男性のところに嫁に来る(古い言い方ですが)女性は少ない
・高所得の女性は自分よりも高所得の男性を探し求める
と言うことらしいです。

でも例え未婚者が多くても、若い人が次々と集まってくるなら、街は活気にあふれ、商店が廃ることもなく、そのとばっちりを受ける地方はともかく、それはそれでいいんじゃないのか?と思うと、どうもそれだけではないらしく、、、

都民の4人に1人は高齢者 五輪後の政策提言まとめる(2018/09/04 テレビ朝日)
東京都の高齢者人口は2035年に約350万人に達し、都民の4人に1人が65歳以上の高齢者になると見込まれています。また、2025年には高齢者の約6人に1人が認知症になると予測

上の記事では、若い人が集まってくるけど未婚も増える首都圏。下の記事では、住民の4人にひとりが高齢者となる住民の高齢化に悩む首都圏を話題にしています。

え?若い人を引きつける首都圏?高齢者ばかりの首都圏?え、どっちなのよ?

という疑問はさておき、東京の高齢化率が4人にひとり、つまり高齢化率25%というのは日本全体で考えるとまだまだ若い!

現在すでに高齢化率30%を超えている自治体もあります(2015年秋田県33.8%、高知県32.8%など)

首都圏の話しに戻って、つまり若者に視点を置くと「非婚化」が見え、高齢者に視点を置けば「住人の高齢化や認知症患者の急増」が見えてくるのが今の東京や首都圏の課題となっているようです。

次に来るのは、こうした若い人には住みにくく、高齢者も医療や介護を受けたくても受け入れ施設や人員が不足していて、競争が激しさを増してくるという首都圏にやがて見切りをつけるのはいつ頃か?ってことかも知れません。

もっと言えば、そうした個人の動きよりも、もっと敏感に反応するのが民間企業ですので、大手企業の本社機能が次々と地方へ移転する時代がやってくるかも知れません。

そうした本社機能の地方移転が進めば、首都圏に高収入の人が集まるという点は解消していきそうです。

これだけネット環境が整備され、テレワークなども始まっているので、もう本社機能が狭くて高く、通勤に1時間以上もかかる東京や首都圏に置く必要などなくなってきています。

ところが現在はまだ企業の地方移転は、なかなか進まないようです。

企業の地方移転足踏み 政府新目標を自治体疑問視(SankeiBiz)
安倍政権が地方創生の一環として掲げた東京23区にある企業の地方移転が足踏みしている。取り組みが始まった2015年度からの3年間で本社機能などを地方に移した企業は19社にとどまり、雇用効果も限定的だ。

それでも将来には雪雪崩のように企業が地方へ移転する時がやってくると思っています。

国や役所があれこれと猿知恵働かしてもダメですが、地方移転が会社の利益につながるとみるや、その動きがとても早いのが企業です。

まずは総合商社や大手製造業の本社が、なにかと便利な成田周辺とかセントレアなど国際空港がある周辺に移転し、さらに日本を出て税金が優遇される国へ本社機能を移してしまうってことも当然考えられます。

製造業の本社や研究所、工場もユーザーが減り続ける日本よりも、需要が急増する東南アジアや平和が戻れば中東へ本社機能が流れていくのも自然です。貿易摩擦の解消にもなりますしね。

ドメスティック産業でも、税制優遇された地域、高度な人材が採用しやすい地域、災害に強く安心して仕事ができ、暮らせる地域、子供の教育やライフワークバランスを配慮した職場環境を従業員に提供できる地域へ移転というのが考えられます。

移動も全国に張り巡らされた新幹線網、整備された地方空港、リニアモーターカー、高速道路などが着実に進化していますので、地方へ行っても情報や教育の格差は減らせます。

別々の会社で働く夫婦共働きだったり、都市部に家を買ってしまった人にとっては、会社の遠隔地への移転となれば、一騒動が起きそうですが、企業にしてみれば個々の事情にいちいち構ってくれないのは過去を見てもわかる通りです。

首都機能の移転の話しは過去に何度も出ましたが、保守的で抵抗勢力が幅を利かせる行政府などの移転は遅々として進まず、10数年後を考えると、自由に動きやすい民間企業やリタイヤした高齢者から外国人だらけとなった首都圏を出て行くような気がしますが、さてどうでしょうか、、、


【関連リンク】
1089 プチ移住という選択
999 覚悟の地方移住か都市部で介護難民か
870 首都移転は実現可能か


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子供時代によく見たテレビと漫画一覧 2018/10/13(土)

1269
子供の頃に好きだった、よく見ていた連載漫画や、テレビアニメ、テレビドラマシリーズを覚え書きとして書いておきます。

1957年生まれなので、子供時代(小学生〜中学生)時代というと、1963年〜1972年頃に流行ったものだけ限定です。また漫画とアニメ等がかぶっているものはどちらか主だったほうに記載してます。

■漫画
おそ松くん 1962年〜1969年 アニメ(第1期)1966年〜1967年
サブマリン707 1963年〜1965年
伊賀の影丸 1961年〜1966年
紫電改のタカ 1963年〜1965年
カムイ伝 1964年〜1971年
カムイ外伝 1965年〜1967年 アニメ忍風カムイ外伝(第1期)1969年
巨人の星 1966年〜1971年 アニメ1968年〜1971年
もーれつア太郎 1967年〜1970年 アニメ(第1期)1969年〜1970年
あかつき戦闘隊 1968年〜1969年
あしたのジョー 1968年〜1973年 アニメ(第1期)1970年〜1971年
ハレンチ学園 1968年〜1972年
男一匹ガキ大将 1968年〜1973年 アニメ1969年〜1970年
男どアホウ甲子園 1970年〜1975年 アニメ1970年から1971年
男おいどん 1971年〜1973年

■テレビアニメ
鉄腕アトム 1963年〜1966年
狼少年ケン 1963年〜1965年
エイトマン 1963年〜1964年
鉄人28号 1963年〜1966年
ビッグX 1964年〜1965年
0戦はやと 1964年
ジャングル大帝 1965年〜1966年
オバケのQ太郎 1965年〜1967年
W3(ワンダースリー) 1965年〜1966年
スーパージェッター 1965年〜1967年
宇宙少年ソラン 1965年〜1967年
サイボーグ009 1966年〜1968年
ハリスの旋風 1966年〜1967年
パーマン 1967年
冒険ガボテン島 1967年
マッハGoGoGo 1967年〜1968年
サスケ 1968年〜1969年
妖怪人間ベム 1968年〜1969年
ゲゲゲの鬼太郎 1968年〜1969年(第1期)
タイガーマスク 1969年〜1971年
サザエさん 1969年〜
いなかっぺ大将 1970年〜1971年
アニメンタリー 決断 1971年
天才バカボン 1971年〜1972年 漫画1967年〜2006年

■テレビドラマ(特撮)
忍者部隊月光 1964年〜1966年
忍者ハットリくん 1966年
マグマ大使 1966年〜1967年
ウルトラシリーズ
 ウルトラQ 1966年
 ウルトラマン 1966年〜1967年
 ウルトラセブン 1967年〜1968年
仮面の忍者 赤影 1967年〜1968年

■テレビドラマ
七人の刑事 1961年〜1969年
ゼロ戦黒雲隊 1964年〜1965年
青春とはなんだ 1965年〜1966年
ザ・ガードマン 1965年〜1971年
これが青春だ 1966年〜1967年
いじわるばあさん 1967年〜1969年 漫画1966年〜1971年
でっかい青春 1967年〜1968年
キーハンター 1968年〜1973年
柔道一直線 1969年〜1971年
おれは男だ! 1971年〜1972年
太陽に吠えろ! 1972年〜1986年

■外国テレビドラマ
ローハイド 1959年〜1965年
コンバット! 1962年〜1967年
逃亡者 1964年〜1967年
かわいい魔女ジニー 1965年〜1970年
0011ナポレオン・ソロ 1965年〜1970年
タイムトンネル 1966年〜1967年
宇宙大作戦 1966年〜1969年
逃げろや逃げろ! 1966年〜1967年
ターザン 1966年〜1968年
スパイ大作戦 1966年〜1973年
鬼警部アイアンサイド 1967年〜1975年
グリーン・ホーネット 1967年
刑事コロンボ 1972年〜1979年

■(特撮)人形劇
チロリン村とくるみの木 1956年〜1964年
海底大戦争 1964年〜1965年
ひょっこりひょうたん島 1964年〜1969年
サンダーバード 1966年〜1968年
キャプテン・スカーレット 1968年

掲載・放映されていた時期(期間)を視覚でわかるようにしてみました。

昔のテレビ番組放送期間
テレビ放送期間

この1960年代はよく漫画もテレビも見ていたんだなと思われますが、5歳離れた兄がいたので、漫画はそのお下がりの恩恵に預かったり、今では聞かなくなりましたが、その当時には毎週雑誌や週刊誌などを定期的に配達してくれるレンタル配本サービス(1週間ごとに数冊を交換する)があり、それも利用できました。なので、自分のお小遣いで買って読んでいたわけではありません。

テレビシリーズでは、長いものは何年か続くものもありますが、ウルトラQやグリーン・ホーネットのように半年の1クールで終わるものもありました。

またアニメやドラマについては、放送終了後しばらく経ってから再放送が夕方ぐらいに平日は連日放送されていて、それを見ていた可能性もあります。リアルタイムで見ていたか、再放送で見ていたかについてはあやふやです。

今でも強く印象に残っているのは、定番ですが漫画では「巨人の星」と「あしたのジョー」。このふたつは、絵が簡素化されたアニメよりもよりリアリティのある劇画タッチで描かれていた漫画のほうがより迫力があります。

アニメでは、冒険心をかき立てられた「冒険ガボテン島」と、流星号にあこがれた「スーパージェッター」、同様にマッハ号が格好よかった「マッハGoGoGo」、その後、再放送で何度も見た「タイガーマスク」など。

テレビドラマ(国内)では、特撮ものでは「ウルトラシリーズ」と「マグマ大使」が、それ以外では毎週欠かさずに見ていた「キーハンター」、再放送を見ることが多かったと思いますが「青春とはなんだ」「これが青春だ」「でっかい青春」の青春シリーズなど。

外国のテレビドラマシリーズでは、バーバラ・イーデンのアラビア風衣装が印象深い「かわいい魔女ジニー」、ブリヂストンが提供していた記憶がある「ターザン」、毎週ドキドキものの「タイムトンネル」、車椅子の警部が主人公という変わったドラマの「鬼警部アイアンサイド」などは毎週楽しみに見ていました。しかし同時期に人気だった「奥様は魔女」はなぜかほとんど見たことがありません。

こうして日米のテレビ番組を見ると、SFでもコメディでもお金をかけて大がかりなセットやロケをして実写版の番組を制作できたアメリカと、予算もロケ場所もなく、ミニチュアを使った特撮ものやアニメに集中していた日本の違いがあり、そのおかげで日本のアニメや特撮映画が世界的に有名になったのかも知れません。

アメリカの古いアニメやドラマは数多くリメークされていますが、日本のアニメやドラマのリメークというのは極めて少ないような気がします。どうしてなんでしょうかね?

確かに「巨人の星」や「あしたのジョー」をリメークしても、普通にあったしごきや今では有害とされているウサギ跳び、戦後の混乱期だからこそだった孤児の集団万引き、少年鑑別所での壮絶なリンチなど、死語となってきたハングリー精神や、今の社会では違法やパワハラ、社会問題となってしまうってこともあるでしょうけど、、、


【関連リンク】
937 浅見光彦シリーズドラマにはまる
900 テレビ・ラジオの長寿番組について
497 生と死が紙一重の潜水艦の魅力


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10月前半の読書と感想、書評 2018/10/17(水)

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傷痕 桜庭一樹

2008年に親子愛というか近親相姦で物議を醸した?「私の男」(2007年)で直木賞を受賞した著者の、2012年に発刊の長編小説です。

「私の男」10月前半の読書と感想、書評 2013/10/16(水)

この作品は、基本的にアメリカで活躍したマイケル・ジャクソンとその家族を、日本と日本人に置き換えて、King of Popsと呼ばれるようになった偉大で変人の歌手と、突然現れたその娘の話しです。

子供の頃から、歌手と、エンタテナーして育て上げられ、普通の子供時代をおくれなかった主人公は、やがて兄弟とともに活動するのをやめ、様々な奇怪な行動をしながらも単独で世界のエンタテナーとして人気を集めていきます。

そして銀座にあった廃校になった小学校を買い取り、自分の楽園として様々な動物や遊戯施設などを設置し、子供達だけを招待するという行動に出ます。言うまでもなくネバーランドですね。

その楽園に突然現れた主人公の子供で、名前はタイトルにもなっている「傷痕」へと興味が移っていきます。

マイケル/ジャクソンについてあまり詳しくないため、どこまで似せているのか、また似せる必要があるのかどうか不明ですが、あまりにも話しが突飛すぎて、さらに主人公の死後についても、なにか明確なストーリー展開があるわけでもなく、結果的によくわからない小説のまま終わってしまいました。

なにか最初は意気揚々、乗りに乗って書き始めたけど、途中から、自分でもよくわからなくなって、適当に収めたというような感じで残念。

読む人が読めば、最初から最後まで一貫して偉大なエンタテナーとその家族、周辺の人達を余すところなく描き出して素晴らしい!という評価にもなるのかも知れませんが、私にはわかりませんでした。

★☆☆


            

季節の記憶 (中公文庫) 保坂和志

1996年発刊、1999年に文庫化された長編小説です。著者は私とほぼ同年代で、そういう方の小説を読むと、内容に自分が今まで実際に見聞きしてきたことが多くなり興味というか関心は高くなります。

例えば文中に出てくる、1960年代に流行った漫画、「伊賀の影丸」は、この世代以上でないと、タイトルから想像する以外、どういった漫画かもわからないでしょう。

著者のメジャーな受賞歴は、1995年に「この人の閾」で芥川龍之介賞、この「季節の記憶」では谷崎潤一郎賞、2013年には「未明の闘争」では野間文芸賞受賞などがあります。

とにかくセンテンスが長いのがこの著者の特徴というか癖なのでしょう、文庫で10行ぐらいをひとつのセンテンスにくくることぐらいは当たり前という文章です。

したがって、ちょっと読みづらい感じもしますが、慣れてしまうと、一気に塊として読み進められそれもありかなと。

私も以前はビジネス文書においてセンテンスが長い文をよく書いていて、読みにくいと指摘されたことがあり、意識して箇条書きなど、文章を短くするようにしてきました。

小説とビジネス文書は形式も文体もまったく違うものですが、自分の備忘録や日記とは違い、人が読むという点は共通するところがあり、やはり読みやすく書くというのがベースにあるのではないでしょうか。

それはさておき、小説は鎌倉に住むシングルファーザーの男性が主人公で、お隣の独身兄妹や、離婚して実家に帰ってきた妹の同級生などが、平凡な日々をそれでも毎日しっかりと生きていくという市井の人達の生活が描かれています。

鎌倉や湘南を舞台にした小説やドラマは古くから数多くあります。

本来なら鎌倉って言えば伝統や古くさくてい年寄りっぽい雰囲気がある場所ですが、著者を含め私たち世代には若いときにテレビで見た「俺たちの旅」(1975年〜1976年)の印象が強烈に残っていて、この小説でもそうした若々しく新しいモノ好きなイメージを多少は引きずっているような気がします。

★★☆


            

夜が明けたら (ハルキ文庫) 小松左京

元々は44年前の1974年に発刊され、その数年後に文庫化もされましたが、その後しばらく経った1999年に別の出版社からあらためて文庫で出版された短編小説集です。

収録作品は、「夜が明けたら」、「空飛ぶ窓」、「海の森」、「ツウ・ペア」、「真夜中の視聴者」、「葎生の宿」、「秘密」、「保護鳥」、「安置所の碁打ち」、「兇暴な口」、「沼」、「猫の首」、「腐蝕」、「青ひげと鬼」、「牛の首」、「黄色い泉」、「怨霊の国」の17篇。

また巻末にはシリーズ化された短編集を総括した著者へのインタビューが収録されています。インタビュアーはミステリ、SF研究家の日下三蔵氏で、これもまた作品の裏側や苦心の跡が垣間見られてよかったです。

著者お得意のSF、オカルト、ホラー、ミステリーといろんなパターンがあってとても楽しめます。

タイトルになっている「夜が明けたら」は、ある日の夜に大きな地震が起きて、大規模な停電になります。懐中電灯や携帯ラジオを点けようとするも、なぜか乾電池が全部ダメになっていて点きません。

隣人のひとりが電力会社の社員で、停電があまりに長く続くので緊急事態と判断し、会社へ行きたいのでクルマを貸してくれと家にやってきます。しかしクルマのエンジンをかけようとするも電装品がダメになっていて動きません。

そこで走っているクルマを停めて乗せてもらおうと外へ出ますがまったく来ず、季節は冬で寒いので焚き火に当たっていたら、近くの天文台から来たという人達がやってきて「地球の自転が停まったようだ」と告げられます。つまり夜明けはいつまで経っても来ない、、、

短編でなければ、その後のドタバタの話しが続くところですが、それは残念ながら想像するしかないです。

あと、怖いホラーやミステリーでは、「誰かに見られているような気がする」「何者かがいる気配がする」というセンテンスが常道なんだなということがよくわかります。そういう作品には必ずそうした場面が出てきますので。頻繁すぎて、ちょっと使いすぎって気もします。

元々がSF作家として有名な著者ですから、突拍子もない話しが多いのですが、夜にひとりで読んでいると「自分の後ろに誰かがいる気配がして背筋が冷え」、「窓から誰かがジッとのぞきこんでいるような不安」に陥ることは間違いありません。

★★☆

著者別読書感想(小松左京)


            

お墓の大問題(小学館新書) 吉川美津子

2016年発刊の新書で、著者は自称、葬儀・お墓・終活ソーシャルワーカー。高齢化社会になって一躍注目されそうな職業です。

すでにお墓をめぐる様々なトラブルや将来の不安などが取り沙汰されていますが、それらを整理して、お墓の買い方から、先祖や親戚、自分のお墓についての考え方、お墓に関する法律などわかりやすく書かれています。

それにしても自宅の近くにある、かなり大きなK市営霊園の定期募集では競争率500倍にもなるらしく驚きです。市営だけに管理料は安いし、地元で便利だし、倒産することもなく、墓石の業者は自由に選べるし、お寺の檀家になる必要もなく人気が高いのがわかります。

この新書を積極的に読むのは、ほとんどが60代以上の中高年者ということになるでしょうけど、高齢の親の面倒を見ている40代、50代の子供もまた、お墓とは無縁でいられないでしょう。

最近流行の共同墓地や、マンション形式の納骨堂まで、様々に選択の幅が拡がってきましたが、なかなか親と子供でお墓についてどうして欲しいか話すことはないので、死後、親戚や寺社とトラブルが起きることもあるそうです。

よく遺産で兄弟や親戚などともめる話しは聞きますが、お墓についてももめることがありそうです。

例えば誰がそのお墓の管理者となるのか?血縁関係ではどこまでそのお墓に入れるのか?地方にあるお墓の墓じまいをどうするのか?親戚に散骨や共同墓地の理解を得られるか?墓地や墓石の種類と費用などなど。

遺産と同様に、墓地や管理者についても予め遺書などで定めておくことを推奨されていますが、後に託されても費用面や管理面、寺社との檀家としての付き合いがなかなか大変で、時代の変化とともに伝統を引き継いでいくというのが難しい世の中になってきたことがわかってきます。

★★☆


            

嫉妬をとめられない人 (小学館新書) 片田珠美

久米宏氏のテレビ番組にゲストとして登場されていた時に「精神医学界の沢尻エリカ様」と紹介されたユニークな著者の2015年刊の新書です。

著者の本は、その時TV番組で紹介されていた「他人を攻撃せずにはいられない人」を2016年に読みました。

「他人を攻撃せずにはいられない人」6月前半の読書と感想、書評 2016/6/15(水)

羨望と嫉妬とは似てはいるもののそれが引き起こす問題には大きな違いがあります。事件や大きなトラブルに発展することが多いのは嫉妬で、これはあえて説明をするまでもないでしょう。

ちまたでは出世、所得、恋愛、貧富、家柄、学閥、家庭などなんでも嫉妬の対象となり、それが度を超えると嫉妬の対象者を悪意を持って引きずり下ろそうと画策したり、迷惑をかけるトラブルが発生しています。

そうした嫉妬が起きる原因、嫉妬の対象となりやすい関係、嫉妬されたされそうな時の対処法、そして自分が他人に嫉妬しているときの対処法などが事例と精神科医の冷静な目線で解説が書かれています。

ちょっと不足しているなと思えるのが、男女で嫉妬の種類や解決策が違っているように思えるのですが、それらにはまったく触れられていないことです。

あと、特に最近はFacebookなどSNSが流行ることにより、そうした他人への嫉妬が加速しているそうな。

というのも、そうしたSNSに書き込むのは、自慢話で自分の良い側面ばかりなのが多いのですが、友人(他人)からすると「どうしてあいつばかり良い思いしているのか?」「いつも高そうで良いものばかり食っている」「遊んでばかりいていつ仕事しているんだ?」「いつも周囲に友人に囲まれていて羨ましい」などと勘違いしてしまうケースがあるのだと。

確かにそう思えてしまう友人っています。別に嫉妬してませんが、、、してませんって、、、いえ、少ししてます、、、

いずれにしてもSNSは、人の自慢話ばかりが書かれている場所だって理解した上で「イイネ」するのが良いと思います。

実際には、水面を高貴に泳いでいる白鳥の足が水面下では必死にかいているのと同様、みんな良いことはSNSに書き、書けないことは水面下でもがき苦しみ、ゼイゼイと言いながら生きているんだと思うようにするのが一番です。

★☆☆

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目標はとりあえず懸垂1回 2018/10/20(土)

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ぶら下がり健康法が大流行したのは1978年頃ですが、当時はテレビ通販で大ヒット商品となりましたので、今でも古い家の押し入れの中を捜索すると、奥のほうからほこりをかぶったそれが出てくることがありそうです。コートなど長めの衣類のハンガーラックとして再利用されていることもありそうです。私の実家にはなく、使ったことがありませんけど。

ぶら下がり健康法は、ただぶら下がっているだけで、肩こりや腰痛が治るということでしたが、普段水平より上に腕を上げることがない現代人にとっては、ぶら下がることで曲がった背骨を伸ばし、姿勢を正し、弱った上腕を鍛えるというメリットも多少はあったかも知れません。今でも普通に販売されているので、そこそこ需要はあるようです。

ぶら下がり健康器 懸垂マシン(Amazon 6,980円)

単なるぶら下がりから難易度が相当上がる懸垂運動ですが、一般的に言う懸垂とは「腕や広背筋、大円筋の力を使って顎(アゴ)が棒の高さに来るまで身体を引き上げる」ことです。

懸垂は英語ではチンアップと言います。チン(あご)を鉄棒よりも高く上げるという意味でしょうか。カタカナがやたらと氾濫する日本でも、これはちょっと変な誤解をされやすくwどうも一般的に普及しにくい名称です。

で、その懸垂ですが、タイトルにあるように、1回できるようになりたいって思ってます。

えぇーと予防線を張るようですが、この前テレビを見ていたら、舞鶴にある海上保安庁の全寮制の新人訓練施設で、自由時間に鉄棒にぶら下がっていた新人の訓練生が、「2年間の訓練期間中に懸垂ができるようになりたい」と言っていたのに軽い衝撃を受けました。

海上保安庁の通称「海猿」と呼ばれる保安官は、筋肉隆々、懸垂なんか何回でも難なくやってしまいそうなイメージがあります。

まだ入所したばかりの新人とは言え、そこはある程度運動能力に優れた人が集まってきているはずの訓練生でも、懸垂が1回もできないという難易度の高さに驚いた次第です。

そう言えば、中学のスポーツテストで懸垂をやって以来、懸垂運動をしたことがないなと。

体重が軽い子供の頃は、割と簡単にやっていて、以前はスポーツテストの中で懸垂という項目がありました。

できない子でもどうにか多少は反動をつけて1回ぐらいは、できる子は5〜6回ぐらいやっていた記憶があります。中学生の平均では2〜3回ってところでしょうか。女子の懸垂テストは足を地面に付けた斜め懸垂でしたのでそれほどの難易度ではありません。

そのスポーツテストの懸垂は2000年頃から種目(項目)から外されたようです。理由は1回もできない子が多いからと言うさもありなんな理由でした。

大人になると脂肪の塊を体内に蓄えてしまい、さらにスポーツからも遠ざかり、日常生活で上腕を鍛える動きが極めて少なく、筋肉よりも体重が勝ってしまって簡単には身体が持ち上がらないことになります。

まぁ、熱心にジムとかで熱心に上腕を鍛えている人はともかく、「俺は腕っ節には自信がある」って人も、一度機会があれば鉄棒にぶら下がってみるとよくわかります。普段は使わない筋肉を使うので、意外に1回もできないものですから。

もちろん、最近テレビでもよく見かける新種の競技、ヒルクライムなどをやっている人は、片手、しかも指だけで全体重を支えたりしますから、懸垂なんかはお手のものでしょうけど、そうでない人は意外とできません。

懸垂台
というのも、たまたま近所の公園に懸垂用の遊具が設置されていたので、さっそく挑戦してみましたが、まったく、まったく、歯が立たず。

できないのは、想定内だったものの、やはりショックは隠せず、、、orz

ぶら下がって身体を持ち上げるどころか、10秒ぐらいぶら下がっているだけで、手が痛くしびれてきます。自分でも驚くほどに上腕部の筋肉や、手と指の力がひどいことになっていることを思い知りました。

これでも寝る前に斜め腕立て伏せを40回ぐらい毎日続けているのですけどね。使う筋肉が違うのか、そんなんじゃー全然ダメダメです。

さらに難しい「L字懸垂」は、ぶら下がった状態で、足全体を前方に直角に曲げてL字のまま懸垂することで、上腕二頭筋や広背筋だけでなく、腹直筋などの腹筋部位も一緒に鍛えられるという優れものです。

いつかはこれもやってみたいですが、相当難易度は高そうです。

そこまで到達するにはほど遠い感じですが、まずは体重をできるだけ絞り、30秒ぐらい難なくぶら下がっていられるようになることから始め、徐々に腕を(肩を)上に持ち上げる筋肉を付けていきたいと思っています。

ということで、当面の目標は懸垂1回です。何ヶ月、いや何年後になるかわかりませんが、でき次第また報告します。


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たこ焼きに執着してみる 2018/10/24(水)

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東京で時々聞く笑い話に「関西の家には必ずたこ焼き器がある」という話し。この話しを最初聞いたときには、「どうして東京の家にはたこ焼き器がないの?」って思いました(笑)

つまり私も元々関西人で、実家にはちゃんとガスコンロで焼けるたこ焼き器(鉄板)が当然のように備わっていました。

たこ焼き屋台お好み焼きも、ここ20〜30年のあいだに関東で急速に普及してきましたが、私が就職して東京に来た40年前はお好み焼き屋さんはほとんど見かけませんでした。

たまにあっても、そこはもんじゃ焼きがメインでお好み焼きも出しているとか、広島県人御用達の広島風お好み焼き屋だったりしました。

当時すでにレトロ感が漂っていた渋谷の東急プラザの地下に「ぼてじゅう」の支店を発見したときの驚きはしばし言葉を失ったぐらいです(ややオーバー)。この東急プラザは現在建て替え中で来年(2019年)に新しくお洒落になって開業予定だそうです。

その後、ぼてじゅうや千房(いずれも本社は関西)、道とん堀(本社は東京)など関西お好み焼きの店が次々と出店し、現在では関東でも関西風お好み焼きを食べるのに困ることはなくなりました。

たこ焼きに話しを戻すと、同じ関西でも兵庫県には明石焼きという通常のたこ焼きから少し枝分かれした変形ヴァージョンもありますが、基本はぶつ切りのタコとキャベツ、紅ショウガを入れただけの粉ものに、甘いソース、削り節、青のりをまぶしたものです。

通常は地域の神社のお祭りなどで、たこ焼きは、金魚すくい、お面、綿菓子などとともに露店の定番として君臨し、いつも子供達が群がっていました。

私の記憶がある時(幼児〜小学生低学年)は、小さな竹の舟に入ったたこ焼き4〜5個が10円という時代が長く続いていました。今思えばとても安かったです。

ところが、1970年代ぐらいになってからたこ焼きの価格が急速に高騰してきた記憶があります。高度成長期でたこ焼きを焼く人件費の高騰が要因でしょうか、よくわかりません。

露店と比べても割と良心的な「築地銀だこ」の現在の価格は8個580円ですから、たこ焼き1個あたりに換算して比較すると50年前は1個2円だったものが今は72.5円となり、なんと30〜36倍になっています。

1968年頃のサラリーマンの平均年収は64万円ぐらいでしたから、現在の418万円は当時の6〜7倍です。

サラリー(年収)は6〜7倍なのに、たこ焼きは30倍かよ!ってちょっと叫びそうになってしまいました。

たこ焼き以外の食べ物、ラーメンで比べると、1968年当時ラーメンは75円ぐらい、現在はというと500〜600円ぐらいでしょうか。およそ7倍で、サラリーの上昇率とほぼ等しいですね。たこ焼きは例外的に高くなっています。

たこ焼きそこで露店で毎回数百円も払ってたこ焼きを買うぐらいなら、1000円以内で買えるたこ焼きの鉄板があれば、あとはタコさえ準備すれば、関西の家には必ず常備されているお好み焼きのセット(粉や具)が使えますので、それが関西の家庭でたこ焼き器が普及していった最大の要因でしょう。

最近は鉄板だけを買うよりも、専用の電気たこ焼き器や、焼き肉用の電気鉄板プレートにたこ焼き用の鉄板が備わったものなどが主流となっています。

私もこの間、中古品を扱っているディスカウント店で、未使用新品の電気たこ焼き器が売られていたので、思わず買ってきました。

スーパーへ行けばたこ焼き専用の出汁の入った粉や、たこ焼き専用ソースなどもあり、それらを使うと素人でも簡単に作れて味もプロ顔負けの美味しさです。

おまけに鉄板はテフロン加工がされていて、焦げてくっついたりしないので、竹串を使って簡単にコロッと回転させることができ、便利になったものです。

本当なら、大勢でパーティーをやるときとか、小さな子供がいたり、孫でもできて遊びに来たときに作ってあげるというのが多いパターンなのでしょうけど、私の場合は、自分が思う存分にいろいろな味付けや具を入れて食べたいから作るという方針で当面はやっていきたいと思っています。

アイリスオーヤマ たこ焼き器 レッド ITY-18A-R

山善 たこ焼き器(着脱プレート式) レッド YOA-240(R)


【関連リンク】
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1165 ラーメンと私
899 疑うことを知らぬ、お人好し日本


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働き方改革と通勤定期 2018/10/27(土)

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ビジネスマン働き方改革により、来年4月からは有給休暇の取得が義務づけられたり、また介護や育児のために在宅ワークがオープンに認められたりと多様な働き方が実現していくことはたいへん結構なことです。

通常の有給休暇の付与日数は、フルタイムで勤務している人であれば、勤続7年目以降は法定で20日間となります。

さらに一般的な日本の会社であれば、夏休み3日間、年末年始休暇5〜6日間は有給相当として特別休暇がありますので、それらの休暇をすべて取得すると年間の有給休暇日数は29日となります。

今年2018年を例にとると、1年間で出勤するべき日数(平日)は248日、休日(土・日曜日、祝日)は117日です。

その休日に上記の有給休暇20日間と夏と冬の休み計9日を休日に加えると、出勤すべき日数は219日、休日146日となります。

1ヶ月の平均出勤日数は219÷12ヶ月=18.25日ということになります。

さらに、法定で取得が可能となっている育児休暇や介護休暇、企業によっては長期間勤続者に与えられる有給のリフレッシュ休暇、女性には無給でしょうけど生理休暇など、個々に設定があり、もしそれらが利用できるならば、さらに休日日数は増えます。

もっと言えば、休日ではありませんが、週のうち何日かは在宅ワークが可能だったり、自宅の近くにあるサテライトオフィスへ出勤して仕事をしても良いという制度が一部では始まっています。

そうした多様な働き方によって、せこい!と言われかねませんが、ちょっと考えないといけなくなるのが、通勤手当、通勤定期という制度でしょう。

派遣社員や非正規社員の一部を除き、ほとんどの会社員や官公庁職員は、なんらかの公共交通機関を利用して通勤し、その通勤費を手当として支給されています。

その通勤手当は、基本的には1ヶ月の通勤定期代というのが多いのではないでしょうか。中には3ヶ月定期代や6ヶ月定期代の支給という場合もありますし、アルバイトなどは出勤日の実費精算というケースもあります。

ところが、上記に書いたように休日が増え、出勤日数が減ってくると、しつこく言うとせこいようですが、この定期代支給という制度にいろいろと問題が生じてきます。

例えば夏休みのある8月や年末年始の12月や1月、元々日数の少ない2月、ゴールデンウィークの5月、シルバーウィークの9月など、それらの休日に合わせてまとめて有給を取得する時があれば、出勤日数がかなり減りますから、定期代をもらっておきながら定期を買うメリットがなくなります。つまり定期代でペイする月としない月が混在するわけです。

それでは、通勤定期代の1ヶ月料金、3ヶ月料金は、各々何日分換算でしょうか。任意の区間で試算しています。
1ヶ月定期 3ヶ月定期
JR(松戸〜新橋間) 15日分 43日分
東京メトロ(和光市〜池袋間) 17日分 49日分
都営地下鉄(本八幡〜市ヶ谷間) 17日分 53日分
東急(渋谷〜横浜間) 19日分 53日分
京王(新宿〜京王八王子間) 19日分 54日分
小田急(新宿〜登戸間) 19日分 53日分
京急(品川〜横浜間) 20日分 56日分

JRの定期代は1ヶ月定期でも15日以上出勤日数があれば定期(1ヶ月)がお得になり割安感があります。これだと問題は少ないでしょう。

ところが、私鉄だと1ヶ月に19日〜20日以上出勤しないと定期(1ヶ月)はお得になりません。

上記で書いたように、有給休暇などをフルに取得した場合、1ヶ月平均で18.25日しかなく、しかも休日の多い今年の9月は有給をまったく使わなくても平日は18日しかありませんので、そういう月に私鉄で1ヶ月の通勤定期を購入するメリットはありません。

もっとも、通勤定期を通勤以外、例えば休日の買い物や趣味での外出時にも利用するというのなら問題ないですが。

また1ヶ月定期なら単純計算で損でも、3ヶ月定期なら平均するともう少し平均日数が下がりますので均せば損しないということになるかも知れません。

電車の通勤定期以外にも、例えば駅まで自転車やバイクで通勤する人が利用する駐輪場の費用も同様で、働き方改革でこの駐輪場の定期利用も見直す必要が出てきます。

川崎市の駐輪場は場所によって金額が違いますが、一例をとると、1日利用の場合、自転車100円、原付バイク150円のところ、1ヶ月定期は自転車1700円、バイク2500円となっています。

この1ヶ月定期金額だと自転車もバイクも17日分で元がとれる計算で、それ以下の利用だと定期を利用するメリットは金銭的にはないことになります(一時利用の場合、早い者勝ちで駐輪場所に空きがなくなるケースがありますが、定期利用は優先的に駐輪場所が確保されるという別のメリットがあります)。

昔のように、一律で通勤手当を定期代で支給という制度も、この働き方改革によって、変わってくるのかも知れません。

また通勤手当があるから、遠距離通勤者が減らず、会社の往復で疲れ果て、生産性が悪く非効率な仕事となるので、通勤定期は廃止すべきという、ちょっと乱暴な意見も出てきています。

これは、会社から遠い場所に安い住居費で住む人と、会社の近くで高い住居費を払っている人のあいだで、通勤費の高低が差別になっているという考え方です。例えば会社まで徒歩で通える人は、通勤費ってもらえませんから悔しく思うでしょう。

現在は税制で、通勤費は所得税が非課税になるというメリットがあり(限度あり)、それを利用するというささやかな庶民の節税対策ですが、今後、多様な働き方を推進していくのならば、こうした税制や制度の見直しが必要になってくるのではないかと思われます。

【関連書籍】
働き方改革 生産性とモチベーションが上がる事例20社
マンガでやさしくわかる6時に帰るチーム術
アドラー式働き方改革 仕事も家庭も充実させたいパパのための本


【関連リンク】
1214 同質性を求める日本人の国民性は変わらず
1132 歩数計とともに
961 マッサージというかリラクゼーションサロンとやらへ


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10月後半の読書と感想、書評 2018/10/31(水)

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開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4) 皆川 博子

著者は1986年に「恋紅」で直木賞を受賞されている方で、私はこの著者の作品を読むのはこれが最初です。今回読んだ作品は2011年単行本、2013年に文庫化された長編ミステリー小説です。

タイトルがちょっと意味不明ですが、これは解剖医が遺体にメスを入れるときに、「お会いできて光栄です」という挨拶をもじって遺体に対して感謝の意味を込めてかける言葉です。

小説の舞台は18世紀のロンドンで、地方からロンドンへ出てきた若い詩人の男と、当時タブーに近かった人体解剖学の医者とその弟子達がメインの登場人物です。

読みながらこの作品は外国人作家が書いた小説の日本語翻訳本を読んでいる感じってずっと思っていたら、あとがきでわかりましたが、著者もそういうつもりで書いたと言うことで、なるほどお見事です。

割り当てられた罪人の死体だけでは間に合わず、墓荒らしから買い取った新鮮な死体を解剖し、死因や身体の内部の詳細な図を作成し、人体の謎を解明を進めている作業場から、顔をつぶされた死体と、両手両足を切り取られた死体が見つかり、どういう経緯でこれらの死体が置かれたのかを盲目の判事が究明していくことになります。

そこは日本人作家らしく、かなり細やかな設定があったり、人の微妙な機微に触れるような場面があったりと、なかなか凝った作りとなっています。それだけにやや煩雑なところもあり、面倒くさい思いもします。

しかし、こうした日本人は一切出てこない、翻訳本のような日本人作家の小説というのも、おそらく初めてに近いかも知れないので、十分に楽しむことができました。

★★★

著者別読書感想(皆川博子)


            

〈新版〉ユダヤ5000年の教え (小学館新書) マービン トケイヤー

1975年に発刊された単行本をベースに2016年に新版新書として発刊されてます。著者はアメリカ在住の宗教指導者(ラビ)で、日本に長く住んでいたこともあり知日派としても知られています。

ユダヤ教やユダヤ人というのは日本や日本人にとってはあまり馴染みがないせいか、誤解されていることも多く、私も今回この本を読んでいくつか知ったことがあります。

ユダヤ教の経典「タナハ」を元にして書かれたのがキリスト教の「旧約聖書」で、そうした経典の他、「タルムード」と呼ばれる伝説をまとめた文学などにもその教えと精神が込められています。

そうした経典やタルムードに書かれた中から現代でも通用する核となる教えを抜き出したのがこの新書です。

朝礼などで挨拶が必要な人が、ちょっとした短い言葉とその意味を自慢げに語るのには、ほど良いアンチョコかも知れません。

ユダヤの教えと言うと、私は中学生の頃に読んだ日本マクドナルド創業者 藤田 田氏の「ユダヤの商法―世界経済を動かす」がすぐに思い浮かびます。ユダヤ人って凄いや!って思いました。

それはともかく、せっかくなので、いくつか印象に残った言葉を書いておくと、

・胃の三分の一は食べ物で埋め、もう三分の一を飲み物で埋め、三分の一を空にしておきなさい
 →何事も中庸というかほどほどがいいよという教え

・本は知識を与え、人生は知恵を与える
 →流浪の民でもあるユダヤ人にとって聖書を読むことで知識をつけていった

・当人の前でほめすぎてはならない。人をほめるときは、陰でほめよ

・失敗を極度に恐れることは、失敗するよりも悪い

・健康ほど大きな宝はない、睡眠ほど良い医者はいない

日本において40年以上読み続けられてきた本でもあり、そうしたロングセラーになるだけの魅力があるということなのでしょう。

★★☆


            

深夜特急〈第一便〉黄金宮殿 沢木耕太郎

1986年に発刊され、1994年に文庫化されたバックパッカー旅行による紀行&冒険ノンフィクション作品です。

今回読んだ単行本は、文庫版の「深夜特急〈1〉香港・マカオ」と「深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール」を合わせたものとなっています。

その後の続編としては、単行本では「深夜特急〈第二便〉ペルシャの風」、「深夜特急〈第三便〉飛光よ、飛光よ」と続きます。

文庫本では、単行本1冊をそれぞれ2冊に分けて「深夜特急〈3〉インド・ネパール」、「深夜特急〈4〉シルクロード」、「深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海」、「深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン」、そして番外編?の「旅する力―深夜特急ノート」があります。

この作品が世に出る前の1984年には、私も仕事がらみで香港へ行き、著者が宿泊していたという黄金宮殿迎賓館のある尖沙咀(Tsim shatsui)の重慶大厦のすぐ近くにアパートを借り、3ヶ月間住んでいました。なので街の雰囲気などはよくわかります。

香港は1997年に、マカオは1999年に、99年間の租借地だった英国やポルトガルから中国に返還されましたので、その前と後では街の雰囲気が大きく変わってきています。

著者が香港へ降り立ったのが26歳の時と言うことですから、本書で書かれる香港は1973年頃の話しで、私はその約10年後に著者と同じ?中国に返還される前の香港やマカオの混沌とした街を歩いていたと言うことになります。

そして私も著者が香港を訪れた時と同じ26歳だったこともあり、香港に抱く感情が著者と近いかなと感じられました。

本書で書かれているのは当然返還前のそして観光客が訪れるような場所ばかりではなく、ディープな香港の熱気が描かれています。

私も仕事とは言いながら、当時まだ独身の気軽さもあって、休日や仕事が終わってからは、いつも地元人に間違えらるラフな格好で街中をブラブラと放浪していたので、その奥深い探究心には共通のものがあり、その頃を思い出しつつ、懐かしく読むことができました。

特に用事がなくてもスターフェリーに乗って、わずか数分の船上の旅をひとりで楽しんでいたなんて、まったく同じことをしていて涙が出てきそうです。

元々著者は、仕事に行き詰まりを感じ、友人と「インドのデリーから英国のロンドンまで路線バスに乗って行けるか」という賭けをして日本を出発したのですが、格安で買ったインド航空のチケットが、途中2カ所まで立ち寄りが可能ということになっていたので、それじゃあということで香港とバンコクに立ち寄ることにしたというもの。

その香港ですっかり魅了され、その後、タイやマレーシア、シンガポールとアジアを旅するも、香港の呪縛から離れられずにいるところが面白いところです。

★★★


            

ようこそ断捨離へ モノ・コト・ヒト、そして心の片づけ術 やましたひでこ

wikipediaによると、断捨離とは「不要な物を減らし、生活に調和をもたらそうとする思想」で
「ヨーガの行法である断行(だんぎょう:入ってくるいらない物を断つ)・捨行(しゃぎょう:家にずっとあるいらない物を捨てる)・離行(りぎょう:物への執着から離れる)を応用」すること。

2007年頃から著者がブログやセミナーを通じて世に広めていった言葉や思想で、2010年の流行語になりました。

その断捨離という言葉を最初に使った(登録商標もされています)著者は、その後は引っ張りだこの人気コンサルタントとなり、様々な関連本を執筆されています。この作品もそのひとつで、2010年に発刊されています。

最近は、高齢者が終活に合わせて、身辺整理をする断捨離とか、極力モノを持たないミニマリストになるための断捨離とかありそうですが、権者の了解なく勝手にこの言葉を使うと、商標違反に問われそうなので注意が必要です。

ちょっとそういう利権話しが絡んでくると、個人的には抵抗があり、気持ち的には引いてしまいそうになりますが、私も60歳となり、子供も大きくなり(まだ巣立ってくれませんが)、そろそろ周辺の片付けをしないとなぁと思って参考に読んでみました。

本書はとりとめなく、ブログに日記風に書いたことのまとめ直しで、どこから読んでも断捨離のエッセンスがなんとなくわかるというもの。

繰り返して書かれているのは、単にモノを捨てるのではなく、入れ替えるのだということ。呼吸や体内の消化系、川の流れと同じで、入りがあるなら同時に出るが必要と言うこと。流れず滞留してしまうとそこから腐ってしまったり悪臭を放つと。

そして断捨離は具体的な整理や破棄の実践ではなく、どういう精神構造になるべきか、気持ちを持って行くかという精神論的な話しがメインとなります。

そのノウハウや考え方については、著者の言い分を繰り返し丁寧に読んで、著者の開催するセミナーに出掛けたくなる断捨離信者となると、人生も変わるのかも知れません。

なかなか私には難しそうですけど、まずは無理しない範囲で、少しずつトライしてみようかなと思えてきます。そんなのじゃ、意味ないって!って声が聞こえてきそうですが、、、

【過去の関連記事】
捨てる技術と捨てられない性格の狭間で 2018/8/19(日)

★★☆

【関連リンク】
 10月前半の読書 傷痕、季節の記憶、夜が明けたら、お墓の大問題、嫉妬をとめられない人
 9月後半の読書 満願、ナミヤ雑貨店の奇蹟、花まんま、雑学の威力、私たちの国に起きたこと
 9月前半の読書 幻の女、幸福な生活、神様のボート、それは経費で落とそう

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