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おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)


リストラ日記アーカイブ 2016年1月

読みやすいようにアーカイブは昇順(上から古いもの順)に並べ替えました。上から下へお読みください。

日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです

987 2016年謹賀新年 2016/1/2(土)
988 12月後半の読書と感想、書評 2016/1/6(水)
989 老人クラブの野望 2016/1/10(日)
990 お正月休みにみた映画 2016/1/13(水)
991 リストラ天国15年目に向けて 2016/1/16(土)
992 1月前半の読書と感想、書評 2016/1/20(水)
993 リス天管理人が選ぶ2015年に読んだベスト書籍 2016/1/23(土)
994 自動運転の未来 2016/1/27(水)
995 2LDK、販売価格10万円のリゾートマンション 2016/1/30(土)




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2016年謹賀新年 2016/1/2(土)

987
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

昨年は個人的には比較的穏やかな一年でした。仕事もまぁまぁ順調で、高齢者の親戚に不幸があったり、子供が夜中に急に苦しみ出し救急車を呼んだりしましたが、大事には至らず、現在は全員無事健康です。その同居の家族では、今年3月で最後の1人が無事社会に巣立つことができ(予定)、子育てもこれにて完了の予定です。

3人の子育ては妻がメインにやってくれましたが、それにしても最初の長男が生まれてから、3人目が成人し社会に出るまでの期間、トータルで28年間、いや〜ホント長かったです。お金も想像していた以上にいっぱいかかりました。

私の年代(1957年生まれ)の夫婦は、まだ昭和時代の風習が色濃く残っていて、妻が結婚前に仕事を辞めていて、なんの疑問もなく専業主婦へ。私が外で稼いでくる代わりに、家事や子育てはすべて妻任せという期間が長く続きました。

今の若い人なら考えられないでしょうけど、それが当時(1980年代)までは標準的な夫婦間の暗黙の了承事項だったのです。バブルが弾けた以降(1990年代半ばぐらい)、それに変化の兆しができてきました。

ところが、3人目を授かった頃、その2年前に請われて転職をした先の業績が傾き、すでに年齢が高かった私を含め十数名が標的となってリストラされる羽目に。その後しばらくは無職の生活を余儀なくされました。

しかしその失業中に、それまでほとんど無縁だった子育てをやってみて、「意外に面白い」ことに気がつきました。時々聞くことがある「子育ては大変だけど、人生でもっともやりがいのある仕事」というのを実感したのも、遅ればせながらこの頃です。

「切った貼ったじゃないけど、つまらない金儲けなんかよりも、こっちのほうが絶対に楽しいしやりがいがあるなぁ」って思った次第。そこで上の二人はもう子育てと言うにはちょっと遅かったけど、3人目はまだ間に合うと、それから積極的に子育てに関わるようになっていきました。

職場では「仕事よりも家庭を中心に考えている」って思われるようになったかも知れませんが、だって元々好きではない仕事なんかよりも、子供と遊んだり、簡単な料理を一緒に作ったり、映画を見に行ったり、宿題を見てやり、その成長ぶりを実感している方がずっと楽しいのだからしょうがない。

こうした子育てを少しだけでも経験できたのは自分にとって有意義だったなと思うわけです。もしそれを知らずに3人とも妻に全て任せていて、自分は毎日夜遅くまで働いて、ただ生活費を稼いでくるだけだったら、なんと味気なかったと今になって思います。

そう考えると、リストラされて、長く家に引きこもる期間があったことは、そうした子育てに目覚めるいい機会だたということで、あながち悪いことばかりではなかったなと考えています。

もっとも失業期間が失業保険の受給が切れる前の7ヶ月で済み、紆余曲折もありましたが、一応再就職ができたことが、家庭を壊すことなく子供達にも貧しい思いをさせずにラッキーだったこともあります。

無職期間中には、このサイトの開設もそうですが、大きな挫折感を味わい、手に職がない中高年者の再就職の厳しさを経験したことで、自分の中の何かが大きく変わり始めてきました。

ま、過去の当時の日記を読むと被害妄想的というか、厭世気分が漂ったものが多いですが、それは、他人や社会を批判し、鬱憤を晴らさないと神経がまいってしまいそうだったからでしょう(今でも多少皮肉っぽいものはありますが)。

結局私は、そのストレスが多い無職生活を家族によって救われましたが、もしそれができないと、精神的に追い詰められて、さらに厳しい環境となりかねません。

失業保険の申請で行くハローワークでは若造の窓口担当者に「本当に仕事する気あるの?」「ちゃんと探している?じゃその証拠を見せてよ」などと、居丈高に冷たい言葉を浴びせられ、プライドも再起しようと思う気もそがれてしまいます。そんな下衆野郎ばかりでないことは知っていますが、私が会った担当者はおしなべて高圧的で猜疑心に満ちあふれたバカ野郎ばかりでした。

もっとも職安で働いている人の多くも非正規の契約職員で、奥の方で新聞を読んで暇そうにしている正規職員に威張られ、その不満をぶつけるかのように、失業者(≒失業保険申請者)に対して高圧的に出るのかも知れません。回り回っているわけです。

さて、年もあらたまりましたので、今年の抱負を。

歳月不待(さいげつふたい)
「今を大切にして日々努力せよ」の意味で、出典は陶潜「雑詩」

いよいよ仕事の定年まであと2年となり、このままでいいのか?って思う焦りや将来に向けての不安がいつも横切ります。しかしもうできることは限られていて、いまさらジタバタしても仕方がないという思いもあり、ストレスをためないよう、あるがままに、日々精進していくことだけを考えればいいかなと思ってこれを選びました。

また同時に、自分の定年後の身の振り方もいろいろと考えておく必要がありそうです。できれば働かずに家のこたつの中でジッとしていたいのですが、そういうワケにはいきませんから、、、


【関連リンク】
884 年明けにつらつら思うこと 2015/1/3(土)
778 今年もなんとか無事に1年が終えられそうです 2013/12/31(火)
673 2013年あけましておめでとうございます 2013/1/1(火) 
566 理想の国家のあり方 2012/1/1(日)
458 初日の出のご来光を富士山とともに拝む 2011/1/1(土)
310 九十九里浜で初日の出 2010年1月1日 (金) 


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12月後半の読書と感想、書評 2016/1/7(木)

988
雪の夜話 (中公文庫) 浅倉卓弥

デビュー作で映画化もされた「四日間の奇蹟」(2003年)をだいぶんと前に読んだことがある著者の2005年(文庫は2007年)の作品です。そしてここ5年ほどは目立った作品もなく、どういう生活をされているのか気にかかるところです。ほっとけ!って言われそうですが。

札幌出身の著者らしく、主人公は雪国の出身に設定。東京の美術学校を出て、東京の印刷会社に就職し、着々と商業デザイナーの地位を築いていきますが、人間関係に悩み、やがては会社を辞め、実家に舞い戻ってきます。

高校生の時、自宅近くの公園で、雪の降る夜中にふと見掛けて、少し話しをした少女に再び雪の降る夜に出会います。出ました雪女伝説?といきたいところですが、、、まぁ似たようなものでしょうか。

途中までは現実的な仕事の話しで興味津々面白く読めていたのですが、途中からガラリと雰囲気が変わって、読者は幻想的?な死者と幽霊、異次元の世界に導かれていきます。それだけでちょっと引いてしまう人も多そうな感じです。デビュー作で大ヒットした「四日間の奇蹟」も同様な感じでしたから、この著者の成功パターンなのでしょう。

そうした幽霊?(登場する幽霊は自分は幽霊ではないと言い張りますが)はなにか目的を持っていることが多いのですが、メインに出てくる少女の目的とかはよくわかりません。2003年のテレビドラマ「スカイハイ」に出てきた地獄の門番の釈由美子みたいな存在?っていうのもちょっと違うような気がするし。

昔ならそれなりに面白く読めたのでしょうが、歳を重ねるにつれて、こうした突拍子もない筋書きにはなかなか感情移入ができずにどうしてもつまらなく思えてしまう自分が残念です。

★☆☆


         

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫) ダグラス・アダムス

原題は「The Hitchhiker's Guide to the Galaxy」とそのままで、タイトルだけではなんのこっちゃわからないナンセンスコメディのSF小説です。

元々は1978年にBBCのラジオドラマとして発表されたものですが、この小説シリーズは1979年以降順次刊行され、大ヒットして、全世界で約1,600万部が売れたとのこと。「ノルウェイの森」や「人間失格」が全世界で1200万部と言われていますので、それらを上回る大ベストセラーですね。そして2005年には映画にもなっています。

なんというか、英国人独特のジョークや下世話話しが下地にあるので、英国文化や英国流ジョークに馴染みがなく、しかも翻訳版を読むというのではこの作品の面白さは伝わりにくく、ちょっと無理があります。

ただ全体の発想はなかなかたいしたもので、よくこれほどバカバカしくも楽しい銀河世界を描ききったものだと感心も。

宇宙モノというと、なにかと異星人と人間の対決とか、地球滅亡の危機一髪というものが多うのですが、この小説では主人公の自宅が道路建設のために取り壊されそうになっていた矢先、地球も銀河ハイウェー計画のためにサクッと消されてしまうところが導入部ですから他のSFとは大きく異なることがわかります。

しかしこの広くて際限のなさそうな宇宙に、生命体が地球だけということは決してなく、人間よりもっと進化した生命があってもまったく不思議ではありません。そうした宇宙の様々な生命体が登場してくるこのコメディ小説は多くのシリアス路線とは違う新しい趣向でそれなりに楽しいかもです。

★★☆


         

首都崩壊 (幻冬舎文庫) 高嶋哲夫

テロや事故、天災などによる影響を描き、元原子力の研究員でもあり、原発にも詳しい著者の2014年の最新刊で2015年に文庫化されています。過去にはデビュー作「イントゥルーダー」(1999年)や、「ミッドナイトイーグル」(2000年)など計5作品を読んでいます。

ここ数年、私が好んで(金銭的都合から)読む文庫版小説は、2011年の東日本大震災後に書かれた作品が大半を占めるようになり、その大震災を下敷きとしたり、影響を再確認して書かれています。それだけリアリティがあるというところでしょうか。

主人公は国土交通省のエリート官僚で、アメリカ留学から日本に戻ってきたばかりの独身男性。なんかミーハーな肉食女子ならほっておかないブランド男子ですね。

そのスーパー官僚の友人関係がもの凄い。アメリカ大統領の補佐官とアポなしで勝手に自宅を訪問する仲だったり、国立地震学会の学者や経済新聞社の女性記者、財務省女性官僚と同級生だったり。

とにかく東日本大震災のあと、プレート構造に異変が現れ、予想されている首都圏を遅う大地震が起きる確率が高まり、同時に起きる時期が早まってしまうと言う研究結果が出ます。

そうした首都が壊滅する可能性が高まってくることで、世界恐慌の引き金になることを恐れたアメリカ政府からの圧力と、歴史に名前を残したい総理大臣が、わずか6年後の首都遷都を決断し、走り始めることになります。

政治やハゲタカファンドなどの金融経済など、様々な要素が入り込んで、それなりにエンタメ的には楽しめるのでしょうけど、ちょっと政治も金融も建築土木も専門的に知識がある人から見れば、子供向けにデフォルメされたコミックか、観客を楽しませることだけに特化したハリウッドアクション映画ぐらいにしか映らないでしょう。

個人的には遷都は大いにやるべきと思いますが、それはこの小説のように、東京が壊滅する前に、政治家と高級官僚だけが逃げ出すかのようにバタバタとやるのではなく、もし東京が震度8に見舞われても、大きな被害を受けず、それによる死亡者も限定的という、強靱な東京を作るためにまずは首都機能を地方へ分散移転させるという流れでないと、国民、特に首都圏で生活する国民は納得しないでしょう。

最後のクライマックスで披露されますが、首都移転先の具体的な場所は、、、過去に候補として挙がったこともなく、まったく意外な場所で驚きましたが、個人的には悪くないと思います。

★☆☆


         

龍は眠る (新潮文庫) 宮部みゆき

直木賞始め各種の文学賞の審査員を勤める今や押しも押されぬミステリー界の大物作家さんですが、この小説はまだ駆け出し?に近いデビュー4年目の1991年に発刊された長編ミステリーです。直木賞候補にも上がり、1992年第45回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞した著者の代表する作品となりました。

過去には石黒賢、東幹久、鶴田真由などの出演で一度テレビドラマ化されたそうですが、同氏の著名な作品としては珍しく映画化はまだされていないようです。

内容はサイキック能力を扱った推理小説ですが、何度もその特殊能力に疑問符が付き、信じるか信じないかで登場人物も揺れ動くところがリアルでよく書けています。

主人公は新聞社の記者からある出来事がきっかけで、関連の週刊誌記者に出向している中年にさしかかる男性。その主人公が嵐の夜に、自転車がパンクしたと言ってずぶ濡れで困っていた少年を助けたことから始まります。この最初のプロローグの入り方は、嵐のような出来事を巻き込む予感を想像させてお見事です。

人の考えていることがその人に触れるだけでわかったり、人が触ったものに触れるだけで、誰が何の目的でどうしたということがわかってしまうと言うような能力は、想像すればいくらでも世の中で活躍できそうですが、テレビの下手物?番組でよく取り上げられる「FBIの犯罪捜査に協力!」とか、「迷宮入り事件を解決!」「スプーンが曲がった!」とかしか表に出てこないのは不思議です。

この小説のキーになっていますが、そうした能力を持って生まれると、人が信じられなくなり、また他人からは気味悪がられ、まともな生活ができなくなるようですが、個人的にはそういう能力があれば、駆け引きに負けることはなく、大金持ちになることも簡単ですし、犯罪摘発など社会の役に立てることもできますので、いったいなにが困るのかな?って気がします。

★★☆


【関連リンク】
 12月前半の読書 早春の化石、冬蛾、中国化する日本、恍惚の人
 11月後半の読書 ラストチャイルド(上・下) 、老いる覚悟、Nのために、昭和の犬
 11月前半の読書 悪女について、空の中、アンブロークンアロー―戦闘妖精・雪風、青い約束
 10月後半の読書 時の地図 上・下、贖罪、家族という病、ワーカーズ・ダイジェスト
 10月前半の読書 羆嵐、幸せになる百通りの方法、努力しないで作家になる方法、幻影の星
 9月後半の読書 渇いた夏 柴田哲孝、女系家族(上・下) 山崎豊子、定年後 年金前 岩崎日出俊
 9月前半の読書 新編 銀河鉄道の夜、切れない糸、音もなく少女は、SOSの猿
 8月後半の読書 時が滲む朝、追風に帆を上げよ クリフトン年代記第4部、午前三時のルースター、八朔の雪
 8月前半の読書 超・格差社会アメリカの真実、恋する空港−あぽやん(2)、津軽殺人事件、恐山殺人事件
 7月後半の読書 星を継ぐもの、青が散る(上)(下)、月の上の観覧車、ジェントルマン
 7月前半の読書 神様が降りてくる、ギフト、巡礼、働かないオジサンの給料はなぜ高いのか
 6月後半の読書 精霊の守り人、国家の闇、ミッキーマウスの憂鬱、きみはポラリス
 6月前半の読書 とせい、アルケミスト―夢を旅した少年、銀二貫、ふがいない僕は空を見た
 5月後半の読書 慈悲深い死、港町食堂、グランド・フィナーレ、知の逆転


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老人クラブの野望 2016/1/10(日)

989
以前読んだ有吉佐和子氏の小説「恍惚の人」の中に出てきますが、「地域の老人クラブ」について、我が身に置き換えてもあと2年でその会員資格ができ、なにか身近に感じてきたので、その調査結果をレポートしておきます。

同小説の中では、夫婦共働きの中、家の離れで老後の生活をおくる祖父母のうち、わがままな祖父の面倒を一手に引き受けていた祖母が先に亡くなってしまい、昼間の時間、ひとりぼっちになる義父をどうしようかと近所の老夫人に聞きに行ったところ、紹介されたのが「老人クラブ」でした。

時間だけはいっぱいある元気な高齢者にとって、そうした老人クラブでの活動が生き甲斐となっていたり、また愚痴を言いあえる仲間がいて、嫁への不満や、感情のはけ口として機能していることが書かれていました。

その「老人クラブ」というものに今まで全く縁がなく、存在すら知りませんでしたが、調べてみると立派な全国組織なのですね。

老人クラブが最初にできたのは昭和38年で、同年施行された「老人福祉法」が元になっています。そしておそらく天下り官僚がシメシメとばかりに暗躍し、しっかりした全国組織ができあがっています。

まず「公益財団法人 全国老人クラブ連合会」というのが最上位にあり、それにぶら下がって「都道府県老人クラブ連合会」、その下に地域ごとの「市区町村老人クラブ連合会」という3段階になっています。さらに大都市部では市区の下に各町会の老人クラブが作られています。

組織運営は、厚労省官僚や地方自治体、市や町の役所から役人OBの恰好の天下り先としても機能しているようです。補助金と天下りをセットにして送り込むような仕組みがうまく整っているようです。

2015年現在、末端には約11万もの個別のクラブがあり、会員数は約670万人です。1クラブ平均61人が所属している勘定になります。名実とも幽霊会員もいたりするのでしょう。

日本の60歳以上の人口は約4100万人(2013年)ですから、60歳以上で老人クラブに入会しているのはその中の約16%にあたります。意外と老人クラブに加入している高齢者は少ないという感じもします。

今は16%ですが、もし60歳以上の半分が入会して2000万人に達し、これがいわゆる「政治圧力団体」を組織すれば、、、もの凄いパワーになります。

選挙でこの老人クラブに逆らえば間違いなく落選し、政党も老人クラブ優遇をしない党はコテンパンにやられてしまうこと必至です。なにせ暇と経験と行動力は豊富なメンバー揃いですから敵に回すと最高に怖い存在となります。

ちなみに現在の会員数670万人でもどのぐらいのパワーを持っているかと言えば、共産党の党員が約30万名、後援会会員を含めても400万人、創価学会の会員数(国内)はおよそ250万人、自民党党員、党友は合わせておよそ80万名と言われていますので、それらをはるかに凌駕する人数(票田)と言うことです。

もし老人クラブ加入の会員の政治意識を統一することができ、高齢者優遇の政策を公約して選挙に打って出れば、全員が当選するだけのパワーを秘めています。もちろんそのようなことは実現不可能でしょうけど。

しかし密かにそうした老人クラブ闘争プランが全国で着々と進められているのではないかと思ったりします。頭のいい人や闘争好きな人がこの世代には多いですからね。つまり「老人クラブの野望」です。ゲームや小説にもなりそうです。

それはさておき、老人クラブに加入するための気になる会費は?っていうと、入会自体に費用はかからないようです。老人クラブの直接的な運営費は国や地方自治体から出ています。つまり税金で運営されています。これも天下り達が群がりそうな構図です。

老人クラブとして使われている施設やそこに常備されている例えば囲碁や健康器具などの使用は基本無料、老人クラブ主催でスポーツイベントや旅行、宴会を行う場合、その参加費用としてなにかしらの実費や費用が発生するというパターンでしょうか。地域や老人クラブ個別によって多少の違いがあるかも知れません。

そう言えば要介護者に対しては、ディサービスが活況を浴びていますが、老人クラブは要介護ではない健康な老人の暇つぶしや趣味、情報交換の場として機能しています。先の「恍惚の人」の中にも、ある老人ホームでは入浴施設付きの施設なども出てきました。

しかし今の世の中、60歳で「老人クラブ」入会って言われてもピンときません。役所の使う言葉なのでなかなか変えられないのでしょうけど、職安をハローワークと呼び、国民背番号をマイナンバーと言い換えることができるのだから、そろそろ古臭い「老人クラブ」ってのも「プラチナクラブ」とか「シニアソサエティ」「アクティブシニアクラブ」とかかっこいい名称に変えればもっと入会率は高まりそうです。

そのクラブの中でなにが行われているのかってことも少し気になります。

東京のあるクラブの(大きな)年間行事を抜粋してみますと、

 6/18 輪投げ大会
 9/7 芸能大会
 10/16 ペタンク大会
 10/28,29 第44回全国老人クラブ大会
 11/13 グラウンド・ゴルフ大会
 12/上旬 体力測定講習会

おー、、、なんと、しょうもない。

なにか「老人はこうあるべきだ」「こうしたいハズだ」的な要素が中心で、異論を挟めば「絶対多数で決まった」「アンケートの結果」とか言うのでしょう。

今までまともな民主主義がなかった親方日の丸で、お偉い官様が決めたことに従順に従うことが是としてきた人達に、アンケートとかちゃんちゃらおかしい。

これからは末端のクラブ独自でもっと楽しいレクリエーションや、例えばサッカー好きが多ければ、地元のJリーガーを招いてフットサル教室を開いてその足でJリーグの試合を応援しに行くとか、将棋ファンが多ければプロ棋士を招いての多面打ちもよし、麻雀は?コンピュータゲームは?ジャズやロック演奏は?料理教室は?日本酒利き酒会は?ダンスパーティは?ディスコは?ゴルフコンペは?スヌーカーは?ダーツは?って利用者の嗜好によってその中身も変化していくべきでしょう。

いずれにしても現在の老人クラブはいかにも昭和時代の官製福祉っぽい感じ丸出しで、ホームページで内容見ても入会したいとはまったく思いません。おそらく現在は会員がノルマをきせられて新しい会員を連れてきて入会させるというアムウェー方式かなと。

官製ではなく、こういう老人クラブの運営も、いっそTSUTAYAとかラウンドワン、ナムコ、セガ、ゲオ、マルハン、ミズノあたりに全面的に運営を委託して、もっと効率的に効果的に金持ちには金持ちが喜んでお金を使い、お金がない人はお金がなくても楽しめる運営をきっとやってくれるはず。

もちろんお役人の天下り利権分が、高齢者の福祉と、民間企業の利益に使われることになり、お役所的には相当抵抗はあると思いますけどね。


【関連リンク】
889 公的な高齢者移住計画は成功するか?
834 高齢者向けビジネス(第4部 ボランティア編)
824 高齢者向けビジネス(第3部 仕事編)
820 高齢者ビジネス(第2部 趣味編)
810 高齢者向けビジネス(第1部 居住編)
568 老人虐待と介護の問題


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お正月休みにみた映画 2016/1/13(水)

990
と言ってもロードショーを映画館へ見に行ったわけではなく、テレビで放映されたものを録画しておいたり、レンタルDVDを借りてきて観たものばかりです。

るろうに剣心 京都大火編」(2014年)
るろうに剣心 伝説の最期編」(2014年)


2011年に制作された「るろうに剣心」が大ヒット?して作られた続編です。主演の緋村剣心役に佐藤健、ヒロインに武井咲、脇を他の映画では主役級の大物俳優伊勢谷友介、福山雅治、藤原竜也などを揃え、なかなか豪華な出演者です。

あらすじは省略しますが、伝統的なチャンバラ劇を現代風にするとこうなるって見本のような映画で、正統な侍、剣術ファンにとっては痛いことこの上ないでしょうが、衰退している時代劇に新風を吹き込んだ功績は大きいのではないでしょうか。

この映画で主人公を助ける脇役で登場する江口洋介が演じる斎藤一(さいとうはじめ)別名藤田五郎は、幕末の新撰組の三番隊組長という真の侍で、その名前を逆さにした「(人斬り)一刀斎」と呼ばれ倒幕勢力に恐れられていました。

この映画の主人公剣心が「人斬り抜刀斎」と呼ばれているのは、この「人斬り一刀斎」をモチーフにしているというのをどこかで読んだ気がします。

この映画とは関係がありませんが、浅田次郎氏の小説に「一刀斎夢録」というのがあり、斎藤一の新撰組での活躍から、明治新政府における教育者としての立場をフィクションとして描いていますが、なかなか面白かったです。こちらもぜひ映画化を期待したいところです。


 ◇ ◇ ◇

アメリカン・スナイパー」(2014年)

泥沼化するイラクでのテロリストの戦争に4度従軍した実在した伝説的なスナイパー(狙撃手)クリス・カイルが書いた回想録の映画化です。

監督はクリント・イーストウッドで、北米での興行成績はスティーヴン・スピルバーグ監督の「プライベート・ライアン」(1998年)を超え、戦争映画の中ではトップに踊り出ました。

圧倒的な武力差がある中で、他国において次々とテロリスト?達を撃ち殺していくのは果たしてどうなのよーと思わなくもないですが、アメリカ人にとっては、他国のために多くのアメリカ人が血を流し、勧善懲悪を果たしてやっているのだという思いが強いのでしょう。正義は常にアメリカにありと。

そうしたテロ国家という決めつけで、他国に軍事介入していく疑問などはまったく挟むことはなく、単に戦闘的な鷹派の作りになっているのは原作は読んでいないのでわかりませんが、映画の場合、クリント・イーストウッド監督ですから仕方ないところなでしょう。

スナイパーを描いた映画と言えば「ジャッカルの日」(1971年)、「山猫は眠らない」(1993年)、「レオン」(1995年)、「スターリングラード」(2001年)、「ハート・ロッカー」(2010年)など数多くありますが、中でもやはり第二次世界大戦中に実在したロシアの狙撃手を主人公にした「スターリングラード」は別格で、一番好きな映画です。


 ◇ ◇ ◇

新劇場版 頭文字[イニシャル]D Legend1 -覚醒-(2014年)
新劇場版 頭文字[イニシャル]D Legend2 -闘走-(2015年)


言わずと知れたしげの秀一氏の漫画原作で、テレビアニメや実写映画化、ゲームなど様々な展開を見せている頭文字Dですが、原点に戻って、主人公がスピードに目覚めるところから峠の下りで激しいバトルを展開するところを描いた初期の頃のリメーク版です。

今年2月には第3弾の「Legend3 -夢現-」が最終章としてロードショー公開されることになっています。

漫画が最初に登場したのが1995年ですので20年前になります。その後のクルマの進化や、道路や社会環境は大きく変わってきましたが、それでも当時の若者(今では立派な中年)を夢中にさせたクルマやストーリーは今でも新鮮です。

登場するクルマもAE86はもちろん、高橋兄弟のロータリークーペRX-7(FC3S、FD3S)、スタイリッシュなFR車シルビアS13、最強パワーとAWDを誇るスカイラインGTRのR32、FF最強のシビックEG6など中年オヤジにとっては懐かしいクルマが次々と登場してきます。

でも正直言って、やっぱ迫力は実写版映画の「頭文字[イニシャル]D THE MOVIE」がよかったかな。あれの続編をぜひに作ってもらいたいモノです。


 ◇ ◇ ◇

ジョーカー・ゲーム」(2015年)

柳広司原作の小説の映画化で、亀梨和也主演、伊勢谷友介、深田恭子など出演の国産スパイ映画です。

モデルは日本帝国陸軍のスパイ養成機関中野学校で、そこに選抜され訓練を受けたスパイ達が、太平洋戦争前の中国租界地において日・英・米の諜報戦を闘う姿を描いています。

真面目な歴史映画ではなく、エンタメスパイ映画ということで、割り切って楽しむもので、ストーリーや展開にどうこう言うべきことではありません。

ただ007シリーズやミッション:インポッシブルのように、お金をかけた派手で魅力的なスパイ映画が多い中で、少予算の中で演技の素人のアイドル歌手が主人公を演じるというのは見劣りするのは仕方ないとはいえ、少々無理があるなぁって感じ。

小説は続編というか短編なのでネタは続きますが、残念ながらこの出来では映画の続編は期待できないでしょうね。

唯一、深キョンがルパン三世の峰不二子のような出で立ちでセクシーに立ち回り、活躍するのがオジサンが見ていて唯一楽しかった点です。


【関連リンク】
983 我が青春のヒーロー、スティーブ・マックイーン
966 映画 無法松の一生
962 ケーブルテレビの契約見直し
937 浅見光彦シリーズドラマにはまる
932 お薦めの面白い小説(翻訳本)
920 お薦めの面白い小説(国内本)
880 高倉健さんを偲び映画の思い出など


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リストラ天国15年目に向けて 2016/1/16(土)

991
この日記(リストラ天国)はまもなく開設後14周年を迎え、同時に日記の投稿が1000回を迎えるカウントダウンに入ってきました。

だからなによ?って感じもしますが、何事においても忍耐強く「石の上にも3年」がモットー(motto 座右の銘、日常の行為の目標や方針)で、その積み重ねの結果であり、それはそれでよく続けてきたなって思います。

私の世代ならなにかにつけて「石の上にも3年」は一般的常識でも、この現代のスピード時代においては逆にネガティブにとらえられるようになりになりました。つまり「朝令暮改」や「君子豹変」が今の時流だと。

ひとつのことを極めることなく、次々と新しいことばかりに興味を持って、浅くて広い知識や自分の趣味や感性にあったことだけに深くのめり込んでいく若い人を見ていると、それはそれでアリかなと思います。

私もそうした考え方が相容れない若い人の邪魔をできるだけしないようにと気をつけています。だから逆に私の考え方に、若い人がノー天気に反論されたり邪魔をしてほしくないという思いもあります。なんと頑固オヤジっぽくなってきたものです。

このサイトを始めたきっかけは、2002年の3月に勤務していた会社(上場企業)の経営が傾き、最近中途入社してきた中高年であることから真っ先にリストラされ、ある日から突然会社に行かなくてもいい日常がやってきました。

時間だけはたっぷりある中で、なにかをしなきゃと思いながら、それまで猪突猛進型の会社人間だったためになにをしていいかがわからなく、様々な再就職関連の資料やデータを漁っていた時、ふと思うところがあり、そうしたリストラに遭った人や、これから遭いそうな人のお役立ちサイトがあってもいいかなと思って立ち上げました。

当初は同じ境遇に遭った人達などと情報交換をする目的でメーリングリスト(ML)や掲示板(BBS)を始めましたが、やがてはそれも尻すぼみに。しかしホームページは当時としては自虐的な内容で珍しさもあってか、日経新聞、読売新聞、各種雑誌などにも取り上げられて、一時期は月間で数万を超す来訪者がありました。

そうした来訪者の増加で、2003年頃はGoogleで「リストラ」の4文字を検索すると、なんとトップにこの「リストラ天国」が出てきました。SEO対策もなにもしていないに関わらずです。

その影響もあり、複数の広告代理店から、「人材紹介会社の広告を掲載して欲しい」や「SEO対策のためスポンサー名をサイトのどこかに入れて欲しい」やらのリクエストが舞い込んだのもこの時期でした。

当時は再就職を果たした会社での仕事に追われていて、それらにほとんど対応することもできませんでしたが、今に思えばもったいないことしたかなと(笑)。でもすぐに下火になったので、一時的な流行に過ぎなかったわけですが。

そう言えばその頃にNHKからもゴールデンタイムに放映される雇用・労働問題の討論番組に出演して欲しいと依頼がありました。さすがに当時入社が決まっていた仕事に影響しそうだったので丁重にお断りをし、その代わりにこのサイトを通じて知り合ったフリーで活躍されている雇用関連の著書もある知人を紹介し、その方に出演していただきました。

そしてやがては本業に忙しく、サイトの更新に身が入らず、来訪者も大幅に減少、何度か辞めようと思って日記も書かず放置したこともありましたが、掲示板などに時々書き込みがあったりして、ゆるゆると続けてきました。

そのうち労働や雇用問題だけでなくても、自分が普段気がついたことを日記に書くことで、その知らなかったことを調べたり、自分の考えを整理できたりすることに気がつきました。最近はリストラとは関係のないテーマや内容が多いですが、日記を書き続けてみることに目標を置いてみました。

したがって、誰かのためになにかを書いているのではなく、自分の備忘録的に書いているものが多く、不運にも検索などでここへやってきた人は、その中身の特殊性に戸惑われているかも知れません。

継続は力なり!」って言いますが、今のところそれらが力になっているとは思えませんが、頭に思い浮かんだことを文章にして書くことは嫌いではないので、当面は読書感想や雇用問題、高齢化社会、社会情勢など幅広く思うところを書き続けていけるかなと思っています。

おそらくキリのいい1000回目の日記(たぶん2月17日頃)は、千回だからと言うことで気取らず、日程の関係から恒例になっている読書感想の回になりそうです。特段気負いもなく、自分らしくてそれもまたいいかなと思っています。

【1000回まであと☆9】


【関連リンク・過去のキリ番】
900 テレビ・ラジオの長寿番組について
800 高齢化社会で変化している交通事故の統計を見る
700 なにもかも懐かしい新入社員の頃
600 地熱発電大国への第一歩を踏み出したか?
500 リストラと生活保護と自己破産
400 規制強化の派遣法改正は正しいことか


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1月前半の読書と感想、書評 2016/1/20(水)

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月と蟹 (文春文庫) 道尾秀介

サラリーマンから作家に転身し、今やすっかり若手の中でも超売れっ子作家の地位を築きあげ、デビューから9年目で手にした2011年の直木賞受賞作品です。過去には「骸の爪」(2006年)、「片眼の猿―One-eyed monkeys」(2007年)を読んでいます。

タイトルからは話の内容がまったくわからず、また予備知識もないまま読み始めました。

主人公は鎌倉で母親と、片足を失った元漁師の祖父と3人で暮らす中学生の男の子。父を病気で失い、高齢になった祖父と同居するために転校してきたこともあり、学校では地元出身の同級生にはとけ込めず、同じく関西から転校してきた同級生と仲良くなっていきます。

淡々とその中学生の生活が描かれています。子供だったらそういう遊びもするだろうなぁってその情景が目に浮かびます。

タイトルの月と蟹のエピソードは、終わり近くで祖父が話してくれることに由来ししていますが、その話しだけでタイトルになるほどのこととも思えず、ちょっと謎です。

私の子供時代は海が遠かったので、この小説で子供がするように、ヤドカリを捕まえて火であぶったりはしませんでしたが、田んぼにいるザリガニを捕まえ、その殻をむき、身を餌にして深くに潜んでいる別のザリガニを釣って遊んだり、時にはカエルを爆破したりと、小説に出てくる少年達と変わらず、今にして思えば残酷なことが平気でしていましたので変わりない感じです。

主人公少年の祖父が操っていた漁船に、調査活動のために乗り合わせていた同級生の母親が船の事故で亡くなっていたという過去や、主人公と仲良しになった友人が家庭内暴力にさらされているようだとか、大人の事情で子供の感情が揺さぶられていく過程がなかなか興味深く、直木賞の選考委員にうまくヒットしたのでしょう。

★★☆

         

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫) 米原万里

ロシア語の通訳として活躍されていた筆者の実質デビュー作にあたる同著が1994年に単行本、1998年に文庫版が刊行されています。読売文学賞を受賞したエッセイ集です。

著者は書評が中心の「打ちのめされるようなすごい本」の中で触れているように、激しい闘病生活を送り、2006年に56歳の若さで亡くなっています。

この本はその通訳として仕事をしてきた上でのちょっとした笑い話や、通訳と翻訳の違いなどを面白く分析しています。

テレビで放送されるような同時通訳の場合、ま、多少の誤訳があってもそう大ごとには至りませんが、国と国との交渉ごとや、首脳同士の会話の場で誤訳などがあったりした場合にはとんでもないことに発展するという事例もあり驚かされます。

日本の政治家や官僚が「やんわりと断る」意味で普通に使う「善処します」「前向きに検討します」を、外国人にその通りに通訳すると、相手の外国人は「了解した」となってしまい、相手は一国の総理大臣がYesと言ったのに約束を守らないとはどういうことか!って怒ります。

そうした難しさがあって国際会議や首脳会談の通訳というのも国の未来を背負っている職業ということになりますね。

また翻訳の場合は自分が知らない単語やことわざが出てきても調べたり聞いたりすることができるのに対して、自分の知識の範囲で答えるしかない通訳は幅広い知識が必要だと言うこともよくわかります。

タイトルの意味は、同時通訳で話者の発言(原文)を忠実に正確に伝えていれば「貞淑」、原文を裏切っているようなら「不実」とし、訳された文章(通訳)がうまく整っていれば「美女」、ぎこちない文章なら「醜女」とし、もちろん一番いいのは「貞淑な美女」なのですが、通訳の世界ではそれはほとんど期待できず、多くの場合は「不実な美女」か「貞淑な醜女」のどちらかになるということです。

今なら国際化も進み、通訳しやすいように発言したり、事前に発言内容を準備しておくことも普通になりつつありますが、数十年前の通訳では同時通訳者をないがしろにした発言なども多く、そうした例がいくつも紹介されています。

また、英語がほとんどしゃべれない日本人重鎮が、リップサービスのつもりで最後に英語で一言「One Please!」ってのが、本人曰く「ひとつ、よろしく」の意味だったというのには苦笑せざるを得ません。

★☆☆

         

左京区恋月橋渡ル (小学館文庫) 瀧羽麻子

京都のしかも京都大学がある左京区を舞台にした恋愛小説ということで、やはりというか著者は京大出身の方です。京大卒業生にとっては、京都市左京区の中にある一番有名な場所と言えば、銀閣寺より、大原三千院より、平安神宮より、やっぱり京都大学とその周辺の地域ということになるのでしょう。

その先輩にあたりますが、似た経歴の作家さんには「鴨川ホルモー」の万城目学氏、「夜は短し歩けよ乙女」の森見登美彦氏がいて、作風もなんとなく似通っている感じがするのは先入観ってやつでしょうか。

それでもこの3人に共通する小説の舞台が、出町柳の三角州、下鴨神社(糺ノ森)、吉田山とか、祭りと言えば葵祭だったりするところもよく似ています。京大生の行動範囲がだいたいそのあたりに限られているからでしょうか。

また小説の舞台となる場所は同じでも、児童養護施設送りになったこともある荒れた生活をしてきた花村萬月氏(現花園大学客員教授)著の「百万遍 古都恋情」とは大きく雰囲気が違います。いずれにしてもあの周辺はとかく小説の舞台にするには恰好のエリアなのかも知れません。

主人公は京大の理工系男子で大学の寮住まいをしています。ま、その女性にはめっぽう弱そうな理系男子のほのぼのとした甘ったるい初恋物語ってとこですが、女性作家が描いているだけあって、夢とロマンがあふれていて読んでいると回りに薔薇や星がきらめいている感じがします。同じ京大の学生寮でも鴨川ホルモーに出てくる九龍城のような寮とは対極です。

さて、この小説は2012年(文庫は2015年刊)に単行本が出版されていますが、その前の2009年に刊行された「左京区七夕通東入ル」の続編という形になっています。つまりシリーズ2巻目から読んでしまったという無粋なことをしてしまいました。

でも、登場人物の説明もキチンと本文中にあり、特に問題はなく、普通に読めましたが、できれば登場人物をよく知っておく意味では順番に読むのをお勧めします。

★☆☆

         

交換殺人には向かない夜 (光文社文庫) 東川篤哉

2010年刊の「謎解きはディナーのあとで」が、第8回本屋大賞を受賞するなどして人気沸騰中(大げさ?)のミステリー作家さんの小説で、いくつかあるシリーズのうち「烏賊川市シリーズ」4作目の作品になります。2005年に刊行され、2010年に文庫化されています。

その「謎解きはディナーのあとで」は櫻井翔主演で2011年にテレビドラマ化、2013年には映画化もされていますので、ジャニーズファンの方にはお馴染みの作家さんなのかも知れません。私はこの著者の作品は今回初めて読みました。

それにしても小説の舞台が「烏賊川市」って「いかがわし」と人を食ったような(想像上の)地名で、内容もシリアスなものではなく、茶化したコミカルなミステリー小説となっています。

主人公は私立探偵の鵜飼杜夫で、周囲を探偵事務所が入っているビルの大家の女性、探偵事務所のアルバイト従業員男性、烏賊川市署の警部などが脇を固めています。なおテレビドラマでは、ビルの大家の女性役を剛力彩芽が演じて主役になっています。

★☆☆


【1000回まであと☆8】

【関連リンク】
 12月後半の読書 雪の夜話、銀河ヒッチハイク、首都崩壊、龍は眠る
 12月前半の読書 早春の化石、冬蛾、中国化する日本、恍惚の人
 11月後半の読書 ラストチャイルド(上・下) 、老いる覚悟、Nのために、昭和の犬
 11月前半の読書 悪女について、空の中、アンブロークンアロー―戦闘妖精・雪風、青い約束
 10月後半の読書 時の地図 上・下、贖罪、家族という病、ワーカーズ・ダイジェスト
 10月前半の読書 羆嵐、幸せになる百通りの方法、努力しないで作家になる方法、幻影の星
 9月後半の読書 渇いた夏 柴田哲孝、女系家族(上・下) 山崎豊子、定年後 年金前 岩崎日出俊
 9月前半の読書 新編 銀河鉄道の夜、切れない糸、音もなく少女は、SOSの猿
 8月後半の読書 時が滲む朝、追風に帆を上げよ クリフトン年代記第4部、午前三時のルースター、八朔の雪
 8月前半の読書 超・格差社会アメリカの真実、恋する空港−あぽやん(2)、津軽殺人事件、恐山殺人事件


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リス天管理人が選ぶ2015年に読んだベスト書籍 2016/1/23(土)

993
恒例になりつつあるリス天の年間読書大賞です。特徴は新刊書に限定せず、私が1年間で読んだ書籍から選びますので、必ずしも最近発刊された本が選ばれるというわけではありません。

2015年は全94作品、107冊(1作品で上・中・下巻など複数冊のものがある)の読書をしました。2013年が86作品98冊、2014年は101作品113冊でしたので、2013年よりは多いですが、一昨年2014年よりは7作品6冊ばかり減りました。減った原因は、、、特に思い当たりませんが、強いて言うなら老化?による視力の低下や疲れ目で、寝る前に読書する時間が減少傾向にあることでしょうか。

「仕事を引退したらゆっくりと読書でも」って思っていても、いざ引退する頃には今よりずっと目の老化が進み、また集中力もなくなっていて、まともに読書ができるのかな?って不安な気持ちになります。ま、心配しても仕方ないことです。

昨年は1冊を平均3.4日で読み、1ヶ月に平均8.92冊を読んだ勘定になります。一昨年は月9.4冊のペースでしたので、やや減りました。但しページ数換算ではないので、実際に読書量が減ったかどうかは不明です。

読書した本のジャンルは、大きく3ジャンルに分けて、「ビジネス・新書・エッセイ等」が17作品(15.9%)、「海外翻訳小説」が12作品16冊(15.0%)、そして「日本人作家の小説」が65作品74冊(69.2%)となっています。

気軽に楽しく読める日本人作家の小説が7割近くを占めるのは、仕事や勉強で読むのと違ってあくまで趣味やレジャーの一環として読んでいるのでそんなものでしょう。もう少しバランスを取ってビジネス書や海外小説を増やしたいなって個人的には思うところ。

さて、そのジャンルごとに2015年の大賞(ベスト)を決めたいと思います。

まずは、「新書、ビジネス書、エッセイ部門」から。

こちらの大賞候補は、全17作品の中から、「中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史 與那覇潤著」、「知の逆転 ジェームズ・ワトソン他著」、「日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 浅川芳裕著」、「国家の闇 日本人と犯罪 蠢動する巨悪 一橋文哉著」、「エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う 石井彰著」、「リフレはヤバい 小幡績著」、「定年後 年金前 岩崎日出俊著」の7作品です。

そして、その中から選んだのは、、、、ジャカジャカジャカ〜

日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 浅川芳裕著

感想は、「1月前半の読書と感想、書評 2015/1/14(水)」に書いています。

今年読んだノンフィクションでは、書かれていることが他を圧倒しています。タイトルでわかりますが、インパクトはかなりでかいです。普段農業のことや食品のことに興味がないって人にもぜひ読んでもらいたい本です。

発刊されたのは2010年ですので、こうした新書には珍しくジワジワと拡がるロングセラーの気配がします。

日本の農林水産族政治家、農水行政のいい加減さ、税金の無駄遣い、利権まみれ、補助金のばらまきという、普通にどこでもよく聞く話しですが、あらためて保守的な農業分野のその凄さを思い知らされます。

今後日本の農水産業もTPP締結により国際競争にさらされることとなり、大きく変わらざるを得ないわけですが、それを従来の役人や利益団体に任せていると、第2の社会保険庁になりかねず、国民はもっと真剣にしそして疑いと怒りの目をもってその改革を見届けるべきでしょう。

 ◇ ◇ ◇

次に、「外国小説部門」です。

12作品の中からの候補作品はちょっと古い作品が多いですが、「音もなく少女は ボストン・テラン著」、「ラストチャイルド(上・下) ジョン・ハート著」、「星を継ぐもの ジェイムズ・P・ホーガン著」、「ゲイルズバーグの春を愛す ジャック・フィニイ著」、「アルケミスト―夢を旅した少年 パウロ・コエーリョ著」の5作品です。

ここに挙げた候補作はどれも秀作でそれなりにみんなよかったのですが、、、

迷いを吹っ切って、大賞は、、、ジャカジャカジャカ〜

星を継ぐもの ジェイムズ・P・ホーガン著

に決定です。

1978年に出版されたSF作品で、著者は英国人です。この小説はシリーズ化され、1991年まで4作が出版されます。この作品の発想力、ストーリー性、先見性、創造力に敬意を表します。

著者は2010年に亡くなっていますが、この作品はアーサー・C・クラーク氏やフィリップ・K・ディック氏の数多くの作品などと並び、SFの古典作品として今後も長く語り継がれるものではないかと思います。

感想は「7月後半の読書と感想、書評 2015/7/29(水)」に書いています。



 ◇ ◇ ◇

最後に国内(日本語)小説の2015年ベストを選びます。

昨年読んだ65作品の中から選んだベスト候補作品は、「羆嵐 吉村昭著」、「恍惚の人 有吉佐和子著」、「龍は眠る 宮部みゆき著」、「昭和の犬 姫野カオルコ著」、「女系家族(上・下) 山崎豊子著」、「屍者の帝国 伊藤計劃×円城塔著」、「銀二貫 高田郁著」、「銀の匙 中勘助著」、「渇いた夏 柴田哲孝著」、「夏の庭 湯本香樹実著」の10作品。こちらも旧作品が多いのは諸般の事情とお察しください。

いろいろと文学性だのテクニックだとかリアリティとか小難しいことは無視をして、単純に読んでいてワクワクドキドキ、楽しかったなぁって思ったNo.1作品は、、、ジャカジャカ、、、もういいって?

屍者の帝国 伊藤計劃×円城塔著

です!!

読書感想は、「2月後半の読書と感想、書評 2015/3/4(水)」に書いています。

わずか4作品(内1作品は構想のみ)を残し、34歳の若さで世を去った伊藤計劃氏の遺志を継ぎ、同じSF作家の円城塔氏が、残された構想を元に引き継いで書き、見事な長編小説に仕上げられています。

円城氏にかかるプレッシャーも半端なく大きくて厳しい創作だったのではないかと思われますが、他の過去の作品に決して劣らないばかりか、新しい新鮮な風を吹き込んだ作品に仕上げられています。

今回偶然日本の小説と海外翻訳小説とともにSFが大賞となりましたが、私はあまりSFは好んで読まないので珍しいことです。それだけにこの二つの作品はきっと読めば誰もが「面白い!」と思う作品ではないでしょうか。


国内本の大賞と並ぶ次点としてお勧めしておきたいのは「恍惚の人 有吉佐和子著」を挙げておきます。

1972年(昭和47年)に発刊された40年以上前の古い小説ですが、今読んでもまったく古るさを感じない内容に驚かされます。それはつまり40年前から認知症患者と介護を取り巻く国の制度や仕組み、社会の問題が実はなにも変わっていないってことなのでしょう。

当時はまだボケ老人とか言って、認知症という病気自体についてはあまり知られていなかったわけですが、それに早くから注目し、高齢化していく社会へ問題提起したことは賞賛できます。団塊世代以上の年代の人は森繁久彌主演映画(1973年)で見たという人も多いでしょう。

読書感想は「12月前半の読書と感想、書評 2015/12/16(水)」に書いています。

さて、以上の大賞作品はいかがだったでしょうか?

最近は、著者の方には申し訳ないと思いつつ、ブックオフで購入することが多くなり、なかなか新刊本を買うことができなくなっていますが、いい本は何年経ってもいい本で、それらを手軽に読めることがなにより嬉しいことです。本当は著者のためにも、できるだけ新刊本を買いたいと思っているのですが、、、


【1000回まであと☆7】


【関連リンク】
886 リス天管理人が選ぶ2014年に読んだベスト書籍
784 リス天管理人が選ぶ2013年に読んだベスト書籍
676 2012年に読んだ本のベストを発表


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自動運転の未来 2016/1/27(水)

994
いま世界中の自動車メーカーが躍起になって開発を進めているのが自動運転技術です。確かにこれが実現し、普及に至れば社会が大きく変わることでしょう。

例えば、流通も自動運転トラックが走り回ることで、安いコストで少数ロットでの配送が可能となり、ロジスティックの常識がすっかり変わってしまいます。

公共交通機関のバスも、一番負担の大きな運転手コストが不要となれば、低運賃で本数を増やせ、しかも24時間、時間の制約なく走らせることが可能となります。高齢化による過疎地域においても無人運転ミニバスを使った公共交通が維持できそうです。

そしてなんと言ってもドライバーの不注意で起きる交通事故が激減します。

交通事故の発生による社会的コストの負担は巨大で、事故に遭った被害者や関係者の肉体的、精神的、経済的、時間的な損失はもちろんのこと、事故処理、交通事故規制による渋滞とエネルギーの損失、保険金の増加などなど。事故が減れば、こうした交通事故による社会コストが小さくなると期待できます。

私がもっとも期待しているのがドライバーの運転負担軽減です。自動走行中にドライバーは別の仕事をしたり、テレビを見たり、本を読んだりすることが可能となります。たぶん労働生産性向上にもつながります。

と、まぁ、夢のようなことが起きるかも知れないということですが、その実現にはまだ遠い道のりがあります。

自動運転中のクルマが事故を起こしたときの責任は誰か?とか、故障しない機械はないとか言い出すと、人類はなにも進歩しないことになるので、それらは同時に新たな法制化や飛行機のようにいくつものフェイルセーフで安全性を確保したりすることが当然に必要となっていくでしょう。

安倍総理の発言で東京オリンピックの2020年には自動運転を普及させたいということですが、あと4年でどこまでできるのか、人の命が直接かかっているだけに、中途半端なままの見切り発進だけは困ります。

安倍晋三首相 東京五輪までに「自動運転車」普及 科学技術のフォーラムで

ただし、「自動運転」の意味をもう少し分解すると、一般の人が思い描くのは、無人のタクシーが停まっていて、前で手を挙げるとドアが開き、乗って行く先を告げると、目的地まで行ってくれるような感じでしょうか。あるいは、自宅のガレージにある車に乗り込んで、ナビで目的地を設定もしくは口頭で指示すれば、自動的にそこまで走ってくれるという感じ。

しかし、そのような「完全自動運転」というのは、あと5年やそこらでは難しいようで、いわゆる「半自動運転」というのが現実的なようです。

アメリカの国家道路交通安全局(NHTSA)が自動運転車を定義した内容として、下記のレベルがあります。

 ・レベル0:車の運転に関してコンピュータが介在しない状態
 ・レベル1:自動ブレーキやクルーズコントロールのように部分的にコンピュータが介在する状態
 ・レベル2:操舵(ハンドル機能)が複合的に加わった状態
 ・レベル3:半自動運転。条件次第でドライバーは監視義務から開放可
 ・レベル4:完全自動運転

現在では一部の車について、レベル2までは実用化されています。

「完全自動運転」のなにが一番難しいか。例えば渋滞している本線へ、支線から合流するシーンを考えてみてください。

人は渋滞し混雑した車と車のあいだに無理に頭を突っ込んでいき、本線へ割り込むことを普通におこないますが、自動運転にはそのような相手が譲ってくれることを想定しての割り込みができません。クルマが連なっていれば、いつまでも合流ができず何時間でもジッと待っているのが自動運転なのです。

世の中のクルマがすべて自動運転になり、しかも車同士がお互いに通信し合い、合流地点では交互に譲り合うようなシステム的な仕組みができなければこの問題は解決できないでしょう。

また、目的地としている場所の駐車場が満車で長い駐車待ちができていると、人なら、その状況を見て、駐車待ちに並ぶのか、別の駐車場を探すのか、用事のある人だけを目的地付近で降ろしてクルマはいったん帰るとか、すぐに次の手を考えますが、自動運転にはその判断ができません。目的地近くまでは行くものの、その目的地に入れない状況で混乱が起きてしまうでしょう。

その他、道路工事中の道で、警備員が旗を振ってクルマを止めたり、行けと指示したりするのに従うのも現在の自動運転車には無理な課題でしょう。同様に警察官が交通整理をしている場合でも、その判断は自動運転では理解不能です。

つまり、自動運転では可能なことと、不可能なことが場所やタイミングであるということは避けられません。

なので2020年に実用化という自動運転は、

1)目的地までの限られた高速道路や自動車専用道など一定区間において、ハンドルやブレーキ操作が不要になる
2)渋滞してのろのろ運転の場合、前車にくっついてSTOP&GOを自動でおこなってくれる
3)決まった場所への縦列駐車を自動化、あるいは駐車場から無人のまま決まった場所まで移動

ってところでしょうか。

ということは、当然運転免許証を持ったドライバーは必要で、先に書いたような無人タクシーが送り迎えしてくれるような自動運転車ではないということです。完全自動運転ではなく、半自動運転ってところです。

それだけでもドライバーの負担は大きく軽減されますし、人が不注意で起こす事故も大幅に減らすことができるでしょう。そして2)と3)の機能は、すでに一部のクルマには装着されています。

残る1)が実現でき、法整備もなされれば高速道路や国道と言った比較的よく整備された道、しかもずっと本線を走る限り、長距離移動中のほとんどを自動運転で行けるということになりそうです。長距離高速バスや長距離トラック輸送、里帰りのための長距離運転等には威力を発揮しそうです。

まとめると、現在実用が可能な自動運転は、結局は、免許証をもったドライバーが必要で、出発時、そして目的地の到着時、合流や道路事情に応じてその都度手動運転を行わなければならず、そしてその技術の一部はすでに実用域に入っているので、5年先の2020年までには、それらの精度を高めていけばいいってことでしょう。

一方、無人タクシーのようなドライバー不要の自動運転車については、道路や交通事情の特殊性を考えると、ある限定されたエリア(広大な工場敷地内とかアミューズメントパーク内とか)としては可能性があるでしょうが、イレギュラーな要素が複雑に絡み合う一般道での普及はここ十数年のあいだには実用化されるのは難しいでしょう。

それでも高齢者ドライバーが増えていく中で、安全性機能をもった半自動運転車が数多く出てくることは非常にいいことです。あとはそれが一部の特権階級の人向けの高級車ではなく、それこそ軽自動車にも安く搭載して、普及に弾みを付けてもらいたいものです。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

すでにGoogleは完全自動運転試作車(ドライバーレスカー)をシアトルで走らせていますが、市販に向けた現実的な話しでは、技術的にスバルのアイサイトVer.3がそれにもっとも近いと思われます。ただアイサイトには信号が赤なら自動的に停まるという機能は付いていません。

スバル アイサイトVer.3
 プリクラッシュブレーキ&プリクラッシュブレーキアシスト
  前方車両との速度差が約50km/h以下なら衝突回避
 全車速追従機能付クルーズコントロール
  0km/h〜100km/hの車速域で先行車に追従走行
  先行車が停止するとブレーキ制御で減速、停止
 車線逸脱抑制
  約65km/h以上で走行している場合、車線からはみ出しそうになるとステアリング操作のアシストを行い、車線からの逸脱を抑制

トヨタ インテリジェントパーキングアシスト2
 超音波センサーとカメラを使って駐車空間を検知し、目標駐車位置を自動設定。
 スイッチを押すだけで、適切な後退開始位置への誘導と後退駐車のためのステアリング操作をアシスト

街に溶け込めるか グーグル自動運転最新版、ITの聖地へ(日本経済新聞)

アウディ、次期型「A8」で自動運転技術を初採用すると明言(Autoblog)

日産の自動運転車も乗ってみた! 歩行者や信号検知し一般道スイスイ トヨタと比べると…(産経ニュース)

トヨタの自動運転、まだ乗り越えていない壁(東洋経済オンライン)

完全自動運転の実現困難に(Yahoo!ニュース)
厳密に言えば自動運転を禁止しているのでない。「走らせるときは必ず運転免許証を持っている人が運転席に座ること」を義務づけようとしている

自動運転車、危ないので手動に年間3,000回近くも切り替え!(GIZMODO)

テスラとスバルのアイサイトは何が違うのか 完全自動運転を見据えた最新鋭技術の完成度(東洋経済オンライン)


【1000回まであと☆6】

【関連リンク】
975 自動車の分類「セグメント」とはなにか?
891 昨年の自動車販売データ
864 衝突安全性テストについて
661 乗用車の平均車齢と平均使用年数
640 クルマで行く京都観光お勧めコース その1


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2LDK、販売価格10万円のリゾートマンション 2016/1/30(土)

995
1〜2年前から時々話題になっている、リゾート地に建てられ、一時期は数千万円もしたマンションが、現在はわずか10万円で販売されているって話し。

80年代から90年代序盤のバブル時代に、団塊世代以上の人達が、当時ブームだったスキーや保養、それに将来価値が上がるかもと投機目的で買ったリゾートマンションが、20年以上が経ち、持ち主が高齢となり、スキーもしなければ、温泉つかりにわざわざこんな遠方まで足を運ばなくなり、かと言って、売りに出しても買い手がつかずというパターンが増えています。





先月NHKのある番組でこうした格安物件の購入者というか、在住者に取材をしている番組がありました。

50代で早期退職したあと、訳ありで戻る場所がなく、古いリゾートマンションを5千円で購入して、終の棲家として住んでいるという男性のパターンや、子育てが終わった老夫人が、いろいろと煩わしいことを言ってくる夫とは一緒に住みたくないからと1人で気ままに暮らしているケースなどが紹介されていました。

こうした激安マンションが存在するのは、もちろん買い手がつかないからですが、それは例え安く買ってもかならずついて回る、月々の共益費(管理費)修繕積立金の負担という理由があります。

その他にも固定資産税や、使える状態であるならば、水道や電気代などの公共料金(使っていなくても基本料の支払い)の負担もあります。上記の50代男性の場合、支出を抑えるために電灯やストーブをできるだけ使わない生活をしてました。

マンションに住む以上、この共益費と修繕積立金の負担は当たり前なのですが、リゾートのマンションの場合、将来値が上がると思っての投機目的か、別荘として購入し年数回利用するだけで、そこに住むことを目的としていないに関わらず、毎月数万円を負担しなければならず、持ち主が年金生活者になってしまい、それに音を上げて、売り急ぐ持ち主が相次いでいるようです。

さらには同時に持ち主が不明だったり、権利関係が複雑で、共益費や修繕積立金が数年間支払われず、未納となっているケースも多く、いわゆる日本中で深刻化している「空き家問題」「老朽化マンション問題」と同じ課題を抱えています。

しかし、考えてみると、地方で貸家のアパートに入居しても、毎月数万円の家賃負担は当たり前で、同時に水道代電気代ガス代などの負担もあります。その貸家での負担とこのリゾートマンションで暮らすための費用とを比べると、一見するとそう悪くはないのかも知れません。

民間の借家では単身の高齢者はなかなか入居できなかったり、2年ごとに更新料とか訳のわからない多額の費用を請求されたりすることを考えると、薄っぺらな壁の安普請の賃貸アパートとは違い、古いとはいえ自己保有する鉄筋コンクリート造りのマンションのほうが自由度が高く、住みやすいということもあるかも知れません。

高齢になっても健康なあいだはこうしたリゾートマンションでも問題は何もないとしても、もし病気や怪我で入院介護が必要となった場合はどうでしょう?介護してくれる家族がいない場合、自宅療養、介護というのが難しい場合がよくあります。

また認知症や寝たきりに近い状態になってしまうと、介護保険と個人の年金や貯金を使って特養や完全介護付きの老人ホームへの入居ということになりますが、借家の場合は住んでいるアパートの賃貸契約を解約するだけでその後費用は発生しません。

リゾートマンションを保有していると、老人ホームへ移ったあとも毎月の共益費と修繕積立金、固定資産税の支払いがついて回ります。マンションをたとえタダにして手放したくとも、まず買い手が見つかりません。なので、そうした二重生活にならないよう注意する必要がありそうです。

自活できる健康な老後をおくり、そのまま介護施設や病院にはやっかいにならず、自宅(=リゾートマンション)でポックリいくことができれば、管理費は賃貸といて支払っていると思って、こうした激安リゾートマンションを買って住むというのもそう悪くないかも知れませんが、先のことはわからないだけにリスクでしょう。

それで持ち主が亡くなった後、法定相続人(子や孫)が相続すれば、これまた売れるまでずっと相続人が毎月支払いを続ける羽目になります。相続放棄をすれば免れますが、その場合、もし他の財産(現金や不動産など)があっても相続できなくなります。預金だけ相続して古いマンションはいらないなんて都合のいい相続はできません。

不動産業界では、こうしたことから、このような老朽化が進む古いリゾートマンションを「ババ抜きゲーム」と呼んでいるそうです。誰がこの毎月の支払い(=ババ)をつかんでくれるか?という意味です。

やがてはこうした老朽化マンションの補修にも限界が来て、本来ならば建て替えが必要となってきますが、リゾートマンションだけに持ち主が常時住んでいるケースは少なく、通常1戸あたり数百万円〜数千万円の追加費用が発生するような建て替えに2/3以上の賛同はなかなか得られないでしょう。

そうするとやがては修繕不可能にまで老朽化し、空き家が増え、建て替えもできないとなると、管理会社も逃げて、あとはスラム化、廃墟化してしまうのは必然でしょう。

都心部の老朽化マンションであれば、まだ土地に需要があるので再開発されることで、住人は幾ばくかの立ち退き料か、もしくは新築マンションに優先的に入居できる権利(追加費用は発生)がありますが、こうした遠隔地のリゾートマンションではそれも期待できません。

結果、ババをつかむのは誰か?ってことで、例えお金を出してでも早く売りたいという持ち主があとを絶たないのだと思います。

30〜40年前の建設ラッシュに沸いた時は、地元の市町村は税収も伸び大いに潤ったはずです。そしていま、果たして行政がそうした空き家問題とそこに居住する貧しい高齢者になにかできるか?って考えると、知らなかった、聞かなかった、見なかったという知らんぷりを決め込むことになるのでしょう。


【参考 格安中古マンション検索】

ひまわり(不動産会社) 湯沢・苗場 安い中古リゾートマンション
苗場周辺には10万円マンションがズラリとあります。

suumo 東京都 安い中古マンション
さすがに東京都は安くてもワンルームで200万円台からです。2LD以上なら300万円台からになりそうです。

suumo 大阪府 安い中古マンション
大阪なら200万円台から2LDKや3LDKが買えます。

suumo 北海道(札幌) 安い中古マンション
札幌なら100万円台で3LDKが買えます。

suumo 群馬県 安い中古マンション
草津のリゾートマンションは100万円以下で買えます。

suumo 山梨県 安い中古マンション
空き家率が日本一高い山梨では100万円台で豊富に売りに出ています。

suumo 山梨県 安い中古一戸建て
中古一戸建ては300万円からあります。

suumo 千葉県 安い中古一戸建て
千葉でも300万円台で3LDKの一戸建てが購入可能です。

【1000回まであと☆5】

【関連リンク】
874 老朽化しつつあるバブル以前のマンション
795 定年リタイア時の必要貯蓄額と生涯住宅費用
681 コンパクトマンションが流行っているらしい
590 『家を買うべきか借りるべきか』の決着はつかない



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