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リストラ日記アーカイブ 2017年6月
読みやすいようにアーカイブは昇順(上から古いもの順)に並べ替えました。上から下へお読みください。

日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです

1131 平均貯蓄高1820万円 2017/6/3(土)
1132 歩数計とともに 2017/6/7(水)
1133 有効求人倍率がバブル時並みとは 2017/6/10(土)
1134 6月前半の読書と感想、書評 2017/6/14(水)
1135 ゴルフクラブについて 2017/6/17(土)
1136 定年延長の功罪と年代格差 2017/6/21(水)
1137 人工股関節、人工膝関節の寿命と再置換 2017/6/24(土)
1138 6月後半の読書と感想、書評 2017/6/28(水)

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平均貯蓄高1820万円 2017/6/3(土)

1131
50代も後半に入る頃から、引退後の老後資金のことが頭の中をよぎるようになってきます。

お金もっとも最近だと、退職金がいっぱい手に入る人以外は、60歳定年でスパッと引退できるわけでもなく、老齢年金が満額支給される65歳までは、雇用延長などして、どうにか収入の目処を立てないと下流老人へ真っ逆さまです。住宅ローンなど抱えていた日には目も当てられません(ハイ、私のことです)。

しかし世の中の平均的なモデルとしては、今でも40年近い終身雇用で働いてきて、60歳定年で退職金が2000万円とか3000万円とか手に入るというモデルが主流を占めています。これって公務員とか大企業の永年勤務者のことですよね?

おそらく国民の過半数以上は、こうした60歳で退職金が3000万円とかもらえないと思うのですが、いやいやそれでも統計上は60歳以上の高齢者世帯の預貯金はいきなり数千万円単位で上昇することから、私の周囲ではそういうことは一切聞かないのですが、単に知らないだけでしょうか。

平成26年公務員(常勤一般職員)の退職手当平均は大卒で2167万円、民間企業の退職金平均は大卒で1941万円(厚生労働省の平成25年就労条件総合条件総合調査)となっているそうですから、公務員でも上級職や民間企業で管理職、役員等で退職すれば、3000万円の退職金も当然あり得ますね。但し民間で退職金がもらえるのは4人にひとりということです。

さて、総務省統計局が5月に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)」では、二人以上の世帯における2016年平均貯蓄は1820万円とありました。

家計調査報告(貯蓄・負債編)グラフ

平均で1820万円かぁ〜って我が身を振り返りつつ、しばし沈思黙考しまいます。もちろん私の貯蓄残高は、その平均の1/4にも達しませんので落ち込むことになります。さらに今の勤務先には退職金という制度はありません。

ま、こういう統計には裏があってさ」と軽々しくスルーするのも悪くはないですが、これから先の国の様々な政策や規制はこうした統計データを元にして学者などが机上の論理で作っていったりしますので、本来は他人事ではありません。いずれ我が身に降りかかってくることになります。

つまり、これだけみな預金があるなら、国が借金を増やしても大丈夫。医療費や社会保障だけでなく、今までのように老年層だけでなく、最近やかましい若年層へのバラマキも必要だし、騒々しい隣国対策の防衛費やテロ対策、老朽化したインフラの更新、なにより天下りが厳しくなってきた故にそれに変わる公務員天国を維持するための予算分捕りなどいくらでもお金は必要と。

ま、それらはさておき、平均貯蓄額1820万円についてもう少し分析をしてみます。

平均1820万円と言っても巨額の資産を持つ人がいればそれに引きずられて平均金額は高くなります。

例えば10世帯のうち1世帯に1億円の預貯金があり、残りの9世帯が預貯金ゼロでもその10世帯の平均は1千万円となります。9割の世帯が預貯金がゼロなのに、平均の預貯金が1千万円って言われても実感が湧きません。

そこで見方を変えてみますと、世帯分布の中央値(世帯データを順に並べてその真ん中)を見ると預貯金の額は1064万円となります。また預貯金がない(=0円)という人も含めると中央値は996万円となります。なんとなく少し近づいてきたかも、、、

次にデータの中でもっとも頻度が高い(ボリュームゾーン)最頻値の預貯金の額はと見ると、これがなんと100万円以下となっています。上記の例で9割の世帯が預貯金がゼロ円と書きましたが、それに近いような感じです。

「なんだ、一部の大金持ちによって作られたマジックか〜」って思うのは早計で、前から言われているように、預貯金の平均を引き上げているのは一部のお金持ちではなく、退職金をもらい、満額の年金をもらって暮らす高齢者達なのです。

世帯ごとの年齢を見ていくと、60歳以上では平均預貯金額は2000万円を軽く超えています。40歳未満だと平均で547万円ですので、60歳頃を境に急激に預貯金が増える=退職金と考えられそうです。

また子育てや住宅ローンもおおよそ50代〜60歳ぐらいで終え、今まで収入が右から左へと消えていったのが、その分を預貯金へ回せるようになってきたとも考えられそうです。

しかも60歳以上の世帯の約8割は持ち家だったりします。この持ち家の評価額は預貯金に含まれていませんので、預貯金だけでなく、保有資産額で見るともっと多くなることは間違いないでしょう。

みなさん、意外にちゃんと計画的に老後の計画をやっているんですねぇ、、、

「年金を支払っても老後でもらえないかも知れない」とか言って、若いときには老後の資金なんてまず考えない人も多そうですが、結局は高齢になると頼らざるを得ないのが年金という仕組みです。生活保護は緊急避難的な性質で、最後の手段ですから最初からそれをあてにするのは間違っています。

「自分以外の多くの人は、ちゃんと老後のことを考えて、それなりに対策をしている」ということを、早くに理解しておかないと、私みたいに60歳間際になって愕然とする羽目に陥ります。


【関連リンク】
1011 定年後の生活資金設計
921  もらえる年金の額はモデルケースとは違うということ
795  定年リタイア時の必要貯蓄額と生涯住宅費用


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歩数計とともに 2017/6/7(水)

1132
実は3月にも同じようなことを書いたのですが、その続編を書いておきます。

 1107 意外と楽しめる歩数計

1年前に右人工股関節手術をしたあと、満員電車での通勤が苦痛なので、週5日勤務のうち1〜2日は在宅ワークとするように会社と交渉し、今でもそれを継続しています。

満員電車の中では、電車の揺れと人に押されて足を尋常でない力で踏ん張らないとならないことが多く、健常者でもつらいときがあります。ましてや両足に変形性股関節症を煩い、片方は人工股関節に置換したあとで、まだ完全な状態ではありません。数年前迄なら文句なしで身障者手帳が発行されたぐらいです。

今では人工股関節を入れたぐらいでは財政状況が厳しいおり、身障者の仲間入りにはさせてもらえませんが、長時間の立ち仕事や激しい運動などはできません。

しかし、そうした中で運動不足に陥るのはまずいと思い、土日の休日や、在宅ワークの日も家にこもっていないで外に出て歩くようにしています。目標は無理せず1日6千歩です。

なぜ6千歩かというと、だいたい1時間ぐらい歩くとそれが6千歩なんですね。つまり100歩で1分、6000歩を距離にすると歩幅をちょい広めに70cmで4.2km、60cmだと3.6kmです。

立ち仕事や外勤の仕事をしていると、通勤で歩くのも含めると1日2万歩ぐらいは普通に歩くことになりますが、在宅ワークのようなことをしていると、下手をすると家の中で歩くだけで、1日500歩とか千歩になってしまいます。

ただ歩くだけでも良いのですが、せっかくだからスマホに歩数計のアプリを入れて、毎日何歩歩いたかを記録するようになりました。それが2017年2月9日からで、約4ヶ月が過ぎました。

歩数計グラフ

また、スマホの歩数計なので、家の中にいるあいだはスマホを持って歩かない(充電器に差したまま)ということもあり、積極的にスマホを持って出歩かなければ歩数計は記録されません。

多いときで8000歩から1万歩、少ないときはウォーキングができずにクルマで外出とか、終日大雨の日とかで1000歩程度とかなり差がありますが、1ヶ月平均で見ると1日あたりの平均歩数は概ね目標の6千歩ぐらいになります。

距離に換算するとこの4ヶ月でおよそ710km、1ヶ月平均で177km歩いたことになります。

スマホに導入した歩数計アプリは、MyTrackerとStepWalkの2種類で、MyTrackerは、今のスマホに最初からインストールされていましたが、設定をしていなかったので、遅ればせながらその設定をおこない、そしてもっと多機能な歩数計をと探して追加で入れたのがStepWalkです。

実はもう一つアプリを入れてみたのですが、それがバッテリー消費量が半端なく大きく、1時間の散歩だけでバッテリーの半分ぐらいを消費してしまうことがわかり、すぐに削除しました。いくら精度や機能が良くても、そうしたことも重要ですね。特にGPSを常時使うアプリは消費電力が多そうです。

最初からインストールされていたMyTrackerは、歩数、移動距離、消費カロリー、脂肪燃焼量、活動量がわかる標準的な歩数計で、付随して「仮想コース」の設定が可能で、例えば琵琶湖一周とか東海道とか日本縦断とか歩いた距離に応じ、バーチャルで今はどこへたどり着いたかを地図上で表すことが出来るようになっています。

「仮想コース」設定は、最初はあまり意味のない不要な機能かなと思っていましたが、ウォーキングに継続性を持たせ、歩くモチベーションにもつながるので、ウォーキングを始めてから1ヶ月ほど経った3月中旬に「東海道」を選んで設定してみました。

東京日本橋をスタートし、東海道五十三次をテクテク歩き、あまり聞き慣れない昔の宿場町に到着を返していくと、約3ヶ月で京都三条大橋に到着しました。

歩数計アプリ

江戸時代に徒歩で東海道を行き来していた旅人や商人は、平均して13〜15日間で歩いていたそうです。490kmを14日で歩いたとすれば,1日平均35kmという行程ですね。

途中箱根など険しい山道や、富士川など増水すると渡れなくなるような急流の川渡りなどもありますから、実際は平坦な道では1日40km以上が目標だったかもですね。現在のマラソンの42.195kmと近いです。

マラソンだと早い競技ランナーで2時間と少し、市民ランナーがゆっくり走って4時間半ぐらいで完走しますので、そうそう無理な距離ではなさそうです。

40kmを歩くには、1歩あたりを60cmだとすると、4,000,000÷60=66,700歩ということになります。男性の早足で70cmの歩幅で歩いたとしても57,000歩ってところです。

だいたい、ゆっくり歩いて100歩で1分ですから、60,000歩÷100歩=600分=10時間/1日ってところでしょうか。

平均的な1日の行程は、朝7時に宿場を出て、12時から1時間の昼休憩とすると、午前5時間、午後5時間の合計10時間で、夕方6時に次の宿に到着という感じでしょう。

実際には難所があったり、宿場の場所、日が長い夏と暮れるのが早い冬との差、など様々な環境により、走破できる距離はまちまちだったのでしょう。

昔の人は歩きやすいウォーキングシューズもなく、でこぼこの山道や峠道を軽々と歩いていたのだろうなと江戸時代の東海道五十三次を旅した人のことを想い、約2ヶ月半もかかって同じ距離を歩いたわけです。

もう一つの歩数計StepWalkは、地図の機能もあり、スマホのGPSと連動し、ウォーキングした軌跡をGoogleMAP上に残してくれます(表示は当日のみ)。

闇雲にウォーキングした後、一体どこの道を歩いたのか?ってことが後で地図を見るとわかるというものですが、あまり正確ではないのがちょっと残念なのと、過去に歩いた軌跡を残せないので、過去に歩いた道かどうかは地図上ではわかりません。歩いた道を塗りつぶしていくようなそういう使い方する人はいないかな。

その二つの歩数計を設定してからは、二つの歩数に多少の違いが出ますので、その平均を記録として残すようにしています。


【関連リンク】
1109 人工股関節全置換手術その後
1107 意外と楽しめる歩数計
973  ゴルフ場と利用者の推移


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有効求人倍率がバブル時並みとは 2017/6/10(土)

1133
有効求人倍率が80年代後半のバブル時代の時並みに急騰しているという話しです。有効求人倍率というのは、単純に言えばハローワークに集まる求人数を求職者で割ったもので、過去からの推移を見ることで景気の動向等がわかるという代物です。

但し、昭和時代ならいざ知らず、今では企業が求人を出すのも、求職者が就職先を探すのにも、ハローワークを使うケースってどのぐらいあるのだろうと、ちょっと時代錯誤のような気もしますが、国の統計としては標準的に使われているので仕方がありません。

その4月の有効求人倍率(季節調整値)は1.48倍と、前月と比べ0.03ポイント上昇し、バブル期のピークだった1990年7月(1.46倍)を上回り、高度成長期の1974年2月の1.53倍以来、43年2カ月ぶりの高水準を記録したとのことです。

つまりひとりの求職者に対して1.48の求人があるということです。数では求人が上回っていますが、問題はそのミスマッチで、求人と求職者の希望する職種とがうまく合わないってことが最大の問題でしょう。

ちなみに有数の紹介会社や転職サイトを運営しているリクルートキャリア調べでは、5月の転職求人倍率は、前年同月より0.15ポイントプラスの1.85倍とのことで、ハロワと比べて高くなっています。採用がより難しい技術職の求人が多いせいでしょう。

同社の求人倍率が高いのは、WEBプログラマーなどのネット専門職(5.87倍)、建設関連技術者(4.67倍)、機械の組込・制御ソフトの開発技術者(4.55倍)とのことです。そういう職種の人は、今なら転職しても自分を高く売れそうですね。

リーマンショック後には一時期有効求人倍率が0.5倍(求職者2名に1件の求人)まで下がった時期がありましたので、それを思うとわずか8年前のことですが、隔世の感があります。

それにしても、高度成長期以来ですって、、、

そういえば、バブル時代は、新卒の内定式を海外で行ったり、ディスコ(笑)を借り切ってド派手なパーティを実施したり、いわゆる内定辞退者を出さないように、企業側は必死に学生に媚びを売っていました。今年の内定者もそうなのでしょうかね?とてもそういうおちゃらけた雰囲気はなさそうですけどね。

いくら就業人口が減ってきているとは言え、高度成長期やバブル時代と今と比べて雇用情勢がなにか似ているところがあるかな?って考えると、確かに3Kに代表される、若者に不人気な職業の求人難が叫ばれているのが似ていますが、それぐらいかなぁって感想です。

有効求人倍率推移(年間平均)データ出典:厚生労働省
有効求人倍率推移グラフ

こういう記事もありました。

このままでは「人手不足倒産」という悪夢が現実になる 「バブル期超え」を喜んでいる場合か(現代ビジネス)
定年の延長など働く高齢者が増えたことや、女性の参画が活発になったことが背景にある。安倍内閣も「女性活躍の促進」や「一億総活躍社会」といったスローガンを掲げ、働く人材の確保に力を入れていることが大きい。

人手不足倒産ってのは、得てして採用しても就業条件が守られなかったり、当初の約束と違っていたりして従業員が定着せず、また業績が急拡大しているわけでもないのに年中募集をかけているようなブラックな企業はどんどん潰れてくれて結構という気もしますので、別にどうでもいいのですが、闇雲に給料が上昇していくことで起きる様々な問題を懸念しています。

但しパートやアルバイトなど非正規雇用の時給は前から低すぎると思っていましたので、それの改革は必要だと思っています。

企業もパート・アルバイトの時給が上がると、それならもっと長期的な視野を持って正社員を増やしていこうという考えに向きますし、また従来の統一された正社員制度から、地域限定社員や時間短縮正社員など様々なライフスタイルにあった正社員制度ができてくる可能性が高まります。

そのパート・アルバイトの時給もジワジワと上がってきています。

パート・アルバイト・派遣労働者募集時時給の推移
パート・アルバイト・派遣労働者募集時時給の推移グラフ

こうしてみると派遣スタッフの時給は結構上がり下がりが目立ちますが、パート・アルバイトは結構緩やかに見えます。

これは統計グラフのマジックとも言えるもので、つまりパートアルバイトの総数と派遣スタッフの総数は相当の開きがあり、2016年の総務省データではパート・アルバイトの人数は1403万人に対して派遣労働者は133万人と10倍以上の差があります。少ない派遣スタッフの時給が、件数がはるかに多いパート・アルバイトと比べ時給に凸凹ができるのは当然のことと言えます。

こうした賃金上昇問題は、今回はデータは割愛しますが、非正規労働者の賃金は三大都市部と地方との格差が大きく、人の都市部への集中が加速しています。それが最大の問題だと言えます。

賃金の抑制とともに、求人倍率を低下させ、バランスがとれた労働・雇用環境をおこなうためには、サービス業は仕方がないとして、役所(国の機関)や、製造業、大学や専門学校など、もっと地方へ分散移転をする努力が必要なのではないでしょうか?

農協のトップ組織全農が日本最大のビジネス街大手町のど真ん中にあること自体が理解不能です。ネット関連企業も東京の中心部に本社を構える必然性はなく、都市部と地方とで法人税に数倍の差を付け、企業と役所が全国に分散することがこの国の近代的発展という方針を国がおこなうべきでしょう。

そのために、今までリニア含む鉄道、空港、港湾、高速道路などの建設でインフラを整備してきて、それらをもっと有効に使うことができるでしょう。

そしてそこで働く労働者にとっても、広い庭付きの住宅や、待機児童ゼロの保育園など子育て環境の充実がはかれ、少子化にも歯止めがきき、家族や仲間とのレジャー意識も高まり、残業ゼロの時短も進むのではないでしょうか。


【関連リンク】
807 労働人口と非労働人口推移と完全失業率
705 有効求人倍率と完全失業率から推測する未来
498 失業率推移ではなく失業者数推移でみると


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6月前半の読書と感想、書評 2017/6/14(水)

1134
本日は、お日柄もよく (徳間文庫) 原田マハ

2006年に「カフーを待ちわびて」でデビューした著者の2010年発表の小説です。

私はこの著者の作品を読むのはこれが初めてですが、すでに2012年の作品で山本周五郎賞を受賞、直木賞にもノミネートされて評価の高い「楽園のカンヴァス」はもう手に入れてます。

著者は現在はフリーの美術品キュレーターの仕事をしつつ執筆ということのようですが、当然にそうした美術工芸品等をテーマにした作品が上記の「楽園のカンヴァス」など多そうです。

今回の作品はそうしたキュレーターの仕事とは関係がなく、スピーチライターという珍しい職業がテーマです。

スピーチライターというと有名なのはアメリカ大統領(候補)が演説をする際に、心に響くメッセージをちりばめて演説を聴いた人に感動を与えるスピーチ原稿を作成する人というのでしょうか、日本においても政治家や著名企業のトップなど、専門のスピーチライターを置いているケースがあるようです。

一種ゴーストライターと同様、裏方に徹する仕事ですから、作家やコピーライターのように陽の目を見ることはまずありません。

主人公は製菓会社のOLで、友人の結婚式に出席しますが、そこで人の退屈なスピーチ中に大きな失態をしてしまいます。その式場で知り合った伝説のスピーチライターに出会い、感動を与えるスピーチを教わっていくことになります。

幼なじみで憧れていた男性が親の遺志を継いで代議士に立候補することとなり、勤めていた会社を辞めて、本気でスピーチライターとして転身していくという女性の転職立身出世物語というべきものでしょうか。ま、話し的にはライトな小説ですから大甘で現実感はまったく感じられませんが、、、

最近は「お仕事小説」というジャンルができるぐらい、こうしたあまり陽があたらず知られていない職業を紹介して興味を引いてもらうという作品が次々と出てきています。ニーズもあり、また興味を持ってもらいたいという要望もあったりして取材もしやすいのでしょう。

今なら最高に人手が不足している介護業界や保育業界において、キツイ、汚い、給料安いの3Kを打ち破り、夢のシンデレラになれるような素敵なお仕事小説を待ちわびていることでしょう。

「お仕事小説」で有名なところでは、「和菓子のアン(和菓子屋)」坂木司、「あぽやん (旅行会社空港カウンター)」新野剛志、「神去なあなあ日常(林業)」「舟を編む(出版社編集部)」三浦しをん、「県庁おもてなし課(役所観光課)」「空飛ぶ広報室(自衛隊広報室)」有川浩、「鎮火報(消防署員)」日月恩などがあります。そのほか、作家や銀行員、医者、警察官を主人公にした小説は星の数ほどあります。

これからも人手不足の折、こうしたお仕事小説でブレークするなら、有名な作家さんにお金を出してでも「書いて欲しい!」っていう業界団体などが出てきても不思議ではありませんね。まずは人材不足の介護業界、保育業界、建設労働者組合、飲食店従業員組合、旅館業界などからやってみてはどうでしょう。

★☆☆

著者別読書感想(原田マハ)

         

巨人たちの星 (創元SF文庫) ジェイムズ・P・ホーガン

すっかりこのSFに虜となった「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」の続編で1981年に出版されました。

物語は複雑で、なかなかちゃんと理解できていない部分もありますが、大雑把に書けば、

星を継ぐもの
近未来、人類が太陽系の惑星を探検するようになってから、月面の裏の洞窟に、5万年前のものと思われる宇宙服を着た人間の遺体を発見。また木星の周囲を回るガニメデという衛星で、2千500万年前のものと思われる宇宙船を発見します。その月面の人類と木星の宇宙船とはどういう関連があるのか?月はどうして地球の衛星となったのかという謎を解いていきます。

ガニメデの優しい巨人
2500万年前には太陽系にミネルバという惑星があり、その惑星の痕跡として残るのが、木星の衛星ガニメデだということが推測されます。そこで発見された宇宙船からは巨大な知的生物の痕跡と、地球の生物のサンプルが見つかります。それを調べているところに、突然巨大な宇宙船が冥王星の彼方からミネルバが元々あった場所へとやってきます。人類初の異星人との遭遇です。
高度に発達した異星人とコンタクトをとり、お互いに敵意がないことを確認し、宇宙船を地球へ招待します。この宇宙船は、2500万年前に木星近くにあったミネルバから移住先の調査のため飛び立った宇宙船で、途中で故障して宇宙をさまよった結果、宇宙の時差の関係で、地球の時間で20年後に戻ってみると2500万年が過ぎ去っていて、すでに飛び立った母星ミネルバは破壊されなくなっていたということです。
人類はこの優れた技術をもった異星人を歓迎しますが、修理を終えた宇宙船はわずかな可能性にかけ、2500万年前に祖先が移住したと思われる星へ向かうことになります。

そして、今回のストーリーは、2500万年前に破壊される前のミネルバから移住した先、テュリオスが舞台となります。「ガニメデの優しい巨人」で地球人と出会ったガニメデ人は祖先が住むと思われる星、テュリオスへ向かい、無事到達することができます。
一方そのテュリオスのテューリアンからも地球へメッセージが届けられ、使者が送られますが、国連もテュリオス人もなにか問題を抱えている謎が深まります。その地球人とテューリアンとの遠い祖先に関わる根深い問題とは、、、って感じです。

こうして3話を読み終えると、想像を超える壮大な宇宙ドラマが展開され、丁寧に読んでいないせいか所々は不明なこともありますが、それはさておきガンダムシリーズや宇宙戦艦ヤマトなどとも共通する良質なSFという理解です。

この後、「内なる宇宙」がさらに続きますが、少し今はお腹がいっぱいなので、少し時間をおいてからにします。

★★★

著者別読書感想(ジェイムズ・P・ホーガン)

         

ぼくらの民主主義なんだぜ (朝日新書) 高橋源一郎

朝日新聞に連載された「論壇時評」の2011年4月から2015年3月をまとめたものです。

連載開始が2011年4月というのがポイントで、あの東日本大震災及び福島原発事故により、日本の社会、政治、生活、価値観が大きく変わったターニングポイントと何年か先にはきっと語られるようになるであろう、そのまっただ中に、やや左寄りとは言われているものの、そこは世界でも有数の発行部数を誇っている朝日新聞紙上で、慰安婦問題など同紙への批判も含めたエッセイ的な内容で、気楽に読めます。

話しの中心にははやりそのときのご時世から「原発問題」が中心で度々登場してきます。ただ、発言や書籍等を引用している人が、個人的には嫌悪している低俗というか信頼の置けない人が多いというのが率直な私の感想です。

また朝日新聞を批判している文章もあれば、朝日新聞となにか歩調を合わせているなぁって思える左巻きな思想もチラホラと出現し、やっぱり根っからの朝日新聞読者が賛同する内容なのだろうなぁて思われます。

そういう私自身も小学生の頃から、朝日新聞一色で(大学時代に地方新聞や日経新聞、社会人になってから、1年間の名古屋勤務時代には中日新聞がメインとなった事はありますが)、根っからの朝日新聞派だと思っていましたが、どうも本書を読んでいると、これらの文章が若い人向けに書かれている印象があり、違和感がつきまといます。

朝日党に違和感を感じさせるというのが狙いだったのかもしれませんが、残念ながら新聞、しかもテレビ欄やスポーツ面ではなく、こうした「論壇時評」まで熟読している人は、もう高齢者以外考えられず、ちょっと狙いが違っていないか?って気もします。でもまぁ、いいこともいっぱい書かれていて面白く読めました。

少し前から「意識高い系」という言葉が広まっていますが、いつの時代にもそういう人達はいて、さしずめ1990年代にこの著者の本を並べていた人なんかはそれに近いものがあるでしょう。今ならホリエモンやちきりん、荻上チキ、古市憲寿などの著書を並べている人ということでしょう。

★★☆

         

戦艦大和 (角川文庫 緑 281-1) 吉田満

この戦記は、戦後まもなく吉川英治の勧めで執筆され、1946年に雑誌に掲載される予定だったのが、GHQの検閲で出版ができず、1951年のサンフランシスコ講和条約後の1952年になってようやく出版ができたという「戦艦大和ノ最期」を元としています。

当初はノンフィクションだと思っていましたが、生き残った他人に聞いた話や、著者の推測や想像で書かれた部分も混じっているようで、公式にはノンフィクションではなく戦記文学のジャンルに入るようです。

著者は東京帝大在校中に学徒出陣で戦艦大和に乗艦し、刀折れ矢尽きた日本帝国が決めた無謀な沖縄特攻作戦「天一号作戦」に臨むこととなり、壮絶な大和の撃沈とともに海に投げ出され、その後奇跡的に救われ帰還した数少ないひとりです。

内容は、淡々と出撃に至った状況と、最後の帝国海軍の艦隊として出航後まもなく暫時攻撃に遭い、次々と仲間を失い、大和が沈むと判明した後には艦隊の司令長官でもある大和艦長は沖縄への特攻指令を中止し、帰還する命令を出して艦長室に入っていったことなど、艦橋近くにいた著者でなければわからない艦内の状況が描かれます。

もしその時艦隊司令長官から特攻の中止命令が出されていなかったら、戦闘で生き残った数隻の巡洋艦や駆逐艦は救助した大和の乗組員を乗せたまま、沖縄への特攻が継続され、全員が亡くなっていたかも知れません。

米軍から何十回と空からの反復攻撃を受け、大和の傾きが限界まで達し、著者他多くの乗員は海に放り出され、巨大なスクリューに巻き込まれそうになりながらも、生き残って海面に浮き出ます。

海に浮かぶ大量の重油にまみれ、鱶(ふか)に襲われ、力尽きて沈んでいく同僚達を見ながら、やがては自分も海の藻屑に消えるものと確信していたら、近くに傷つきながらも持ちこたえた駆逐艦に救われます。

ただそのシーンでも、部下を海から艦へ押しあげて、自分は力尽きて見えなくなってしまう上官や、すでに救助者で満員となった救援ボート(内火艇)に群がってくる大和の乗員達を、ボートが転覆しないようにするため軍刀で切りつけるという悲惨なことがおこなわれます。

情景を思いながら読んでいると、涙なくして読めないです。

その貴重な実体験に基づく戦記とともに、この作品が戦後GHQや評論家に思わぬ妨害や非難を受けることになった話しや、その後出版にこぎ着けるまでの経緯など、散文が付け加えられています。

若い人はこうした過去の追い詰められた日本の汚点とも言える特攻を、国や愛する人のために命を捧げるという美点としか見ない人もいるでしょうから、どれほど多くの人が召集令状1枚で無駄死にをし、その家族が苦渋の涙を流したことか、この作品を読むことで多少は考えさせられるでしょう。

まもなく、なにも成すことなく死んでいく中高年(私のことです)ではなく、これからなんでもできるし、大きな事を成すこともまだできる若い人にぜひ読んでもらいたい作品です。

★★★


【関連リンク】
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 4月後半の読書 一九八四年、ガニメデの優しい巨人、老いの才覚、旅のラゴス、ソロモンの犬


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ゴルフクラブについて 2017/6/17(土)

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以前、ゴルフ人口が急速に減りつつあることを書きました。近所のゴルフ練習場も、ずいぶん前ですが、いつの間にかなくなり、代わりにマンションが建っていたりします。

ゴルフ場と利用者の推移 2015/11/14(土)
公益財団法人 日本生産性本部が毎年公表している「レジャー白書2015」によると、2014年度のゴルフ人口は720万人で、前年(2013年)から140万人ダウン、13年前の2001年と比べると620万人もの大幅ダウン

ゴルフ場ゴルフ人口が減るとそれに関連したゴルフ用品やゴルフファッション商品の需要も減っていくのが道理で、特に各種スポーツの品揃えが充実しているメーカーほど将来性の見込めない商品からは早々に撤退という二文字がちらついてきます。

昔から、NIKEやアディダスなど世界的なスポーツ用品メーカーや、美津濃、ブリヂストンスポーツ、ダンロップスポーツと言った国内の大手スポーツ用品メーカー以外では、ゴルフメーカー(主としてゴルフクラブのメーカー)の多くは専業の中小企業が多く、栄枯盛衰が盛んでした。

私が37年前、新入社員の頃、先輩社員にショップに連れて行かれて、最初に買ったのはマルマンのゴルフセットでした。マルマンと言えば当時は喫煙具(ライターや禁煙パイポなど)が有名で、ゴルフ用品にも力を入れて、初心者向けの低価格製品からプロ向けの高級品まで幅広い製品で人気を集めていました。

そのマルマンはバブル崩壊後に過剰在庫で事業が傾き、その後再生は果たしたものの、当時の栄華はありません。

同様にバブル時代には一世を風靡した高級ゴルフ用品を製造販売していた本間ゴルフも、バブル崩壊後に民事再生法の適用を受けて事業を縮小せざるを得ませんでした(現在は再生を果たして立派に営業中)。

昨年暮れに、安倍総理がトランプアメリカ大統領に初めて会った時、お土産として持って行ったのが本間ゴルフ製の高級ゴルフクラブ(54万円)で、なにか久しぶりにその名前を聞いたなという感じでした。

90年代のバブル崩壊で、ゴルフ産業はプレーヤーが大きく変化しましたが、ここにきて世界的にまた動きが出始めてきているようです。

下記はスポーツ用品の世界1位のナイキと2位のアディダス(傘下のテーラーメイド)がゴルフ用品から撤退するというニュースです。

アディダス撤退に見るゴルフ用具市場の地殻変動(読売新聞社)
スポーツ用品世界2位の独アディダスグループは5月10日、傘下のテーラーメイドゴルフを、米投資ファンドのKPSキャピタル・パートナーズに4億2500万ドル(約468億円)で売却することで合意したと発表した。昨年は世界最大のスポーツメーカー、米ナイキが、ウェアやシューズ類を除くゴルフ用具事業から撤退したばかり。スポーツ用具界の2強が相次いでゴルフ用具から手を引くのはなぜなのか。
(中略)
アディダスグループにおけるゴルフ部門の売り上げは、ピークの12年に13億4400万ユーロ(約1680億円)に達し、全体の9%を占めた。しかし、16年の売り上げは約8億9200万ユーロ(約1115億円)と、4年で3分の2に減り、グループ全体の4.6%にまで落ち込んだ。


ゴルフ練習場本文でも書かれていますが、縮小傾向にあるのはゴルフ用品(ゴルフクラブ)が主で、ゴルフシューズや衣料などファッションについては逆に新規参入などもあり、まだそれほど悪くはないという話しです。それがどういう理由なのかはちょっとわかりません。

テレビのコマーシャルやネットの広告を見ていると、次々と聞き慣れないゴルフ用品のブランド名が登場してきますので、よくわからないのですが、数年前までは聞いたこともないメーカーでも、人気ゴルファーがスポンサーになって使うと急にメジャーブランドとなっていたりして驚きます。

品質で売ると言うよりもまずはイメージで売るという流れなのでしょうかね。ゴルフもまたファッション(流行)ビジネスなのでしょう。

それだけに、ゴルフクラブの売り方としては、著名な選手に使ってもらい、良い成績を得ることで、その製品の優秀さをアマチュアに知らしめるという手法がメインですが、プロが使う製品とそこらのゴルフショップに吊るしで売られている製品とは、ブランド名は同じでも、その品質や性能は全く違うものだということに買う人は気がつきません。

例えば髪の毛を切るハサミは100円ショップでも購入できますが、理美容員の一流のプロは一般的に最低でも1本5万円ぐらいのものを使うと言います。そのくらい道具に対する価値が違うのがプロ用とアマチュア用の差なのです。

また製品の差以外にも、トッププロのクラブは個別の細かな調整やメンテナンスなどもメーカー側がサポートしてくれますが、アマチュアはそこまで細かな調整やメンテナンスは通常は出来ません。つまり道具に合わなくても買った以上はそのまま使い続けるしかないのです。

ゴルフクラブを初めて買おうとすると、たいていは先輩や知人からのアドバイスを聞いたり、店員さんの意見を聞いて買う人がほとんどだと思います。しかしそれがまたくせ者なんですよね。

先輩や知人と言っても何種類のクラブを使って比較してわけではないでしょうから、果たして適切なアドバイスができるのか?個人によってスイングの特徴、スイングの強さ、運動神経、筋肉の付き方など差があり、先輩や知人が使って良いと感じたものと、自分に合ったクラブは必ずしも一致はしません。

ゴルフショップの店員さんはアマチュアの先輩や知人よりはクラブの特徴や特性などに詳しいでしょうけど、本音では店の売り上げに一番貢献する製品を売りたいのは当然のことです。

つまり、親しい常連さんでもなければ、安くて良い製品を売るよりは、高くて良い製品を売りたいわけで、製品によっては店の儲け(粗利益)が大きなものを優先して勧めます。また売れ残った在庫品や、まもなくモデルチェンジするとわかっている製品を早く売ってしまいたいと思うのは、商売では当たり前なので、勧められるクラブはその店の在庫品に限られてきます。

ネットで事前に調べようとしても、やたらと「人気ランキング」「売れ筋ランキング」という表記が踊り、いい加減辟易します。これらって、本当の実績ではなく、より「売りたいもののランキング」と言い換えても過言ではなく、当然のごとく恣意的なランキングと考えて間違いありません。

と言っても初心者が試打してクラブを選ぶような環境も整ってなく(また初心者が少しぐらい試打してもよくわからない)、結局は誰かに勧められたとか、なんとなく評判が良いのでという買い方になってしまいます。

個人的には、社会人になってから足の調子が悪くなった10年ほど前までは年に数回、多いときは10数回ゴルフをやってきたこともあり、まったくのド素人レベルは脱していますが、それでもクラブの善し悪しはよくわかりません。

昨年悪くしていた足を人工股関節に置き換え、そのリハビリも兼ねて、ゴルフを再開しようかなと、最近有名になった珍しいブランドに興味を持ち、中古品を調べて練習用にハーフセットを安く揃えてみたり、いずれはコースにも復帰したいなと、大手普及品メーカーの初心者向けフルセット(中古)を高級品のアイアン1本よりもずっと安い価格でオークションで落札してみたりとこのところゴルフ用品に熱心に関心をもっています。

次々と新製品が出てくるのは、上手な人はどんなクラブを使ってもそこそこのスコアを出しますので、道具でそれほど差が付くとは思えませんが、多くの下手ながらのめり込んでいる人には、ミスを自分の腕のせいにはしたくなく、すぐ道具のせいにしたがるという習性をうまく利用し「飛ぶ」「曲がらない」「かっこいい」新製品がゴルファーを誘惑しているのだろう思います。

結局、初心者は、とりあえず大手メーカーの初心者向けのお得なセット(バッグ含めフルセットで3〜8万円)を買っておき、少し上達した時点で、ドライバーやアイアン、パターなど個々に自分の気に入ったブランドや品質のものを買っていくというのが良いのではないかと思います。


【関連リンク】
973 ゴルフ場と利用者の推移
824 高齢者向けビジネス(第3部 仕事編)
696 五輪競技除外候補とスポーツ競技人口


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定年延長の功罪と年代格差 2017/6/21(水)

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私も今年60歳となり、勤務先の就業規則上では、次の年度末で定年を迎えることになります。もっとも他の多くの会社と同様に60歳以降の雇用延長制度があり、老齢厚生年金支給開始年齢までは嘱託として勤務を続けることを希望すれば可能となっています。

今年定年年齢に達する男性の多くは、老齢厚生年金支給開始は63歳からですので、希望をすれば63歳までの雇用延長は可能ですが、老齢基礎年金を含むフルで年金がもらえるようになるのは65歳からです。

つまり、63歳から一部年金がもらえるからと言っても、それはまさしく一部であって、普通の生活をおくるのに十分とは言えない額(現役時代に支払ってきた年金額と年数により決まります)です。

結局は、サラリーマンの場合、定年時に多額の退職金がもらえないと、少なくともフルにもらえるようになる65歳まではなにかしら収入を得続けなくては心許ない老後ということになります。

いま70歳前後に達している団塊世代はと言うと、60歳定年で、退職金と同時にフルで年金がもらえました。

この10年間の差はいったいなんだ!?と言いたいところですが、いま50代前半より若い人達は老齢厚生年金含め、年金がもらえるは65歳以降ということで(繰上げ受給制度はありますが、年金額が減額され、平均余命まで考慮したトータルで見ると損になるケースが多い)、63歳からもらえる私(現59歳)はまだマシなほうと言われかねません。

すべては日本人の出生率の低さと平均寿命が伸びたため、こうした年金受給時期の繰下げや減額が起きてくるわけですが、私の父親の時代は55歳が定年、60歳まで嘱託で働き、60歳で仕事も辞め、年金をフルにもらって悠々自適の生活を送っていました。

人口ピラミッドも正三角形で、国内のあちこちに年金資金を使った豪華なリゾート施設やらホールが次々と建ち、そこへ天下りの役人が高給で迎えられるという年金財政が極めて裕福で砂糖に群がるアリのごとく役人天国だった時代です。

団塊世代は、60歳で定年、60歳からフルに年金がもらえますが、その時すでに雇用延長を始めていた企業も多く、そのまま嘱託として企業で働き、同時に年金も受給してのダブルインカム(嘱託や契約社員としての報酬額月28万円以内なら年金額は下がらずフルでのダブルインカムが可能)としたり、あるいは年金受給開始を繰下げることて、もらえる年金額を増額する人も多くいました。優雅なものですね〜。

さて、個人的な話しですが、私が20代だった頃、50歳ぐらいで早期引退し、体も心も健康なうちに、世界や日本中を旅して、自宅に帰るのは年の半分ぐらいと言う生活を夢見ていました。

20代の頃は世の中がバブル景気でしたから、そうした夢も決して特に贅沢なものではなかったのですが、やがてバブル崩壊とその後長く続く平成不況で、その夢もはかなく散ってしまいました。

おそらく私と同世代の人は、新入社員の入社時に「さて60歳の定年までは頑張るぞ!もしかして早期で引退できればそれもまた良し!」ぐらいの気持ちが強かったのではないかなと思います。

ちょうど私が30歳頃には、団塊世代にとっての兄貴分の大橋巨泉氏が当時56歳でセミリタイアを宣言し、そうしたかっこいい生き方に憧れていたこととも影響しました。

しかし実際には、団塊世代が通り過ぎたあとにはぺんぺん草さえ生えず、後に残された荒涼とした廃墟のような日本経済の中で翻弄され、当初の予定通り60歳で引退することは許されず、65歳まで、そしてできれば70歳まで働くことがまるで常識でるかのように求められるようになるとは誰も思っていなかったのではないでしょうか。

その定年延長ですが、こういう記事がありました。とってもその気持ちがわかります。

定年引き上げに不満の声をもらした50代社員の心情(毎日新聞 経済プレミア)
定年引き上げは社員にもメリットがあります。今年60歳で定年を迎える男性の老齢厚生年金支給開始は63歳です。今後、年金の支給開始年齢は2年ごとに段階的に引き上げられ、最終的には65歳まで年金を受給できなくなります。多くの人が年金支給開始まで、定年前の処遇のまま何らかの仕事に就きたいと考えるでしょう。
A社長は定年規定を含む就業規則を修正し、社員を集めて新しい就業規則を説明しました。「定年を65歳にする」と発表した途端、あと2年で定年を迎えるはずだったB男さんから不満の声が上がりました。

このBさんの不満は「一度決めたことをやり抜けと常々子供には厳しく言ってきた。体力的に厳しくなってきたが当初から60歳の定年までは頑張ると決めていた。60歳に向けてあと3年、2年と踏ん張ってきたのに、いきなり5年間の定年延長を言われても・・・」ということです。

20代、30代の頃に、60歳から65歳に定年が変更されてもライフプランに大きな変更が起きるわけではありませんが、50代後半になってからこうした変更はインパクトがかなり大きいのです。

そうした強いインパクトを、人口が多い団塊世代や団塊ジュニア世代が受けるタイミングではなく、人口が少ない谷間の世代にぶつけてきたことに、国や政府、そして団塊世代の票が欲しい政治家が仕掛けた悪意を強く感じます。

定年の移行時期について、タイミング的に意図されたかどうかは下々の者にはわかりませんが、いま50代後半に差しかかっている私の世代にとっては、定年、年功序列賃金や終身雇用、退職金制度など当初から「聞いていたことと違う!」ということが多いのは事実です。

今はまだ切実な思いをしていませんが、2030年以降に60歳前後に達する団塊ジュニア世代達が一大勢力となり、「年金もっとよこせ!」「退職金を増やせ!」「雇用を守れ!」と声を荒げて社会を揺るがす時代が来るのではないかなと思っています。

そうした団塊ジュニア世代が声を上げれば、国も政治家も重い腰を上げざるを得なく、様々な社会保障制度の改変が実施されそうです。

今から13年後と言えば私のような今50代後半の谷間世代は70歳を越え、その年代を含めた年金額の減額とか、医療費負担増などイジメのような締め付けが行われそうな気がします。谷間世代は人口が少なく、その前後(団塊世代と団塊ジュニア世代)と比べておとなしいですからねぇ、、

わかりやすく言えば、星野仙一、山本浩二、堀内恒夫、鈴木啓示、江夏豊は団塊世代で、原辰徳、石毛宏典、岡田彰布、辻発彦、北別府学は谷間世代、そしてイチロー、松井秀喜、新庄剛志、三浦大輔、上原浩治、中村紀洋は団塊ジュニア世代ってところで、谷間世代ってその前後の強烈な個性をもった世代と比べなんかおとなしい感じがするでしょ?だからいつも損な役回りなのですよ〜


【関連リンク】
1011 定年後の生活資金設計
1007 退職金の不思議
795  定年リタイア時の必要貯蓄額と生涯住宅費用


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人工股関節、人工膝関節の寿命と再置換 2017/6/24(土)

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右側変形性股関節症が悪化したため、1年前の58歳の時点で人工股関節置換手術をおこないました。

変形性股関節症の人工股関節全置換手術(1)

5年ほど前、まだ50代前半の時に家の近所の整形外科へ行ったとき、初めて変形性股関節症と診断されましたが、その時に医者に「痛みをなくすには、最終的には手術して人工股関節に入れ替えるより仕方はないが、耐久性のこともあり、できれば手術は60歳を過ぎてからのほうがいいでしょう」と説明を受けました。

人工股関節つまり人工股関節として使うインプラントの耐久性能は、以前は個人差があるものの10年とか15年と言われてきましたので、中途半端な時期に入れるとインプラントの寿命が来て再置換手術をするはめになり、それを避けた方がよいというのが定説でした。わかりやすく言えば人工股関節の寿命が来る前に、人間本体の寿命が来ることを推奨するってことです。

現在では様々な改良が進み、インプラントの質と耐久性が上がり「術後10年から15年以上の成績で95%を超える成功率」と言われており、20年以上という実績も徐々に増えてきているようです。

この人工股関節インプラントの寿命というのがなかなかキッチリしたものが出てこないのは、元々の骨の状況、術後の関節の使用状況、インプラントの素材や種類(いろいろなメーカーの製品があります)、手術時の年齢や職業など様々な要因が複雑に絡み合い、一律で評価しにくいことがありそうです。

さらに上記にも書いたように、人工股関節置換は最終手段なので、原則は60歳以上の高齢者に手術が行われ、インプラントの寿命よりも先に亡くなる人が多く、インプラントの寿命がきていたのかどうか不明という事例が多そうです。

まれに若い人で人工股関節を入れる人がいますが、その場合は再置換がおこなわれ、データがとれますが、若い人の場合は、サンプル数が少ないのと、術後の関節の使い方が高齢者よりも個人差が大きく(関節の使用頻度や衝撃)、それだけインプラントの消耗も個人差があってあまり参考にならないのでしょう。

そして十年一昔、日進月歩で進歩しているのが人工股関節(インプラント)の質と耐久性能、それと手術方式で、そこにも現在の人工股関節の寿命が測りにくい理由があります。

アメリカでは合理的な考えから、若い人でも股関節が痛めば日本のように我慢して保存療法するのではなく、割とすぐに人工股関節への置換手術がおこなわれてきました。

人口1万人対比ではアメリカでは日本の3〜4倍、年間30万例の人工股関節置換手術をおこなっているそうです。

そうしたことから日本の病院でもインプラント技術が進んだアメリカの製品が多く使われてきましたが、最近では日本のメーカーも力を入れているようです。

日本製品がアメリカ製品と比べて性能が良いのか劣るのかは今後長期データをとってみないとわかりませんが、骨格などに欧米人とアジア人の差があることから、日本人に適したインプラントというのもありそうです。

そのように日々改良された新製品が出てくるのはいいことなのですが、そうした最新の医療器具の耐久性については過去のデータは参考にできず、果たして今後20年以上持つのかどうかは、その時が経たないとわかりません。必ずしも最新のものが耐久性に優れているとは言えません。

人工股関節、人工膝関節の再置換の最近のデータとしてはオックスフォード大学が20年間という長期的に調べたレポートがあります。もちろんそれは過去の医療器具のデータであり、現在の器具との比較はできません。

PubMed「Oxford Musculoskeletal Biomedical Research Unit, National Institute for Health Research.

それよると、人工股関節の再置換率は術後10年で4%、20年で15%、人工膝関節の再置換率は術後10年で4%、20年で10%ということです。

20年前の器具で8〜9割の生存率(インプラントが正常に機能)というのはちょっと驚きで、改良された現在の器具なら同じ20年でもっとその生存率は高くなっていると思われます。

性別・年齢別では50代男性の人工股関節再置換率が30%、人工膝関節再置換率が35%と高くなっていて、60代以上の場合は寿命との関係で再置換率は低くなっています。

女性も50代が再置換率が高く、人工股関節、人工膝関節とも再置換率が20%となっていますが、男性の方が再置換率が10%以上高いのは、やっぱり屋外での仕事など、使用頻度が高く、インプラントの消耗も激しいのでしょうかね。

やはり50代で手術をした場合、再置換手術になる可能性がグッと高まります。それでも全体の20〜35%ですから、過半数の人は50代での人工股関節手術をしても20年間は再置換手術は必要がありません。

20年後のことなんかわかりませんものね〜。もしかすると20年後には、人工股関節手術はもっと簡素化されていて、入院は1泊2日、手術の翌日には歩いて退院というぐらい簡単なものになっているかも知れません。

それはない?

だって今から20年前の人工股関節置換手術だと、片側だけでリハビリも含め入院1ヶ月〜2ヶ月ぐらいは当たり前だったのが、最近は入院は2週間程度(私は9泊10日)になっているのですよ。20年後の医療技術の進歩なんか誰にもわかりません。

今は「人工股関節の寿命を延ばす」という医学的な指導や訓練はおこなわれていませんが、そのうち様々な事例研究が進み、こうすれば「摩耗を減らせる」とか「インプラントの寿命が延びる」という研究成果が出てくるものと思われます。

もちろん関節を使わなければ消耗もせず、インプラントの寿命を延ばすためにはいいのですが、それでは身体の健康によくなく、仕事や日常生活、レジャーなどに制限を受けることになり人工股関節に置き換えた理由が本末転倒となります。

脱臼の恐れがある激しいスポーツや、跳躍や転倒、衝突をともなうような激しい行動は控えるとして、通常の歩行や軽いスポーツなどは現在でも推奨されています。筋肉を増やして骨やインプラントを包み込むことで関節や骨の負担を軽減することが必要だからです。

スポーツならゴルフやウォーキング、ジョギング、卓球、バトミントンなどはOKで、ラグビーや野球、サッカー、乗馬、柔道、バスケット、全力疾走、跳躍競技、スキー、スケート(フィギュア)などは控えるような感じでしょうか。

有名スポーツ選手ではプロゴルファーのジャック・ニクラウス氏が59歳で人工股関節手術をおこないその後もシニアツアーなどに出場していました。同じくプロゴルファーのトム・. ワトソン氏も人工股関節手術を受けた9ヶ月後に全英オープンに出場し2位の成績を収めています。プロテニスの名選手ジミー・コナーズも3度の人工股関節置換手術を受けていて、その後試合にも出場しています。

日々進化するインプラントの性能、身体に負担の少ない手術法、そしてインプラントを長持ちさせる経験と技術などが複合的に進歩、進化していくことで、今までの再置換に関する常識はどんどんと覆っていくことが想定できます。


【関連リンク】
1109 人工股関節全置換手術その後
1107 意外と楽しめる歩数計
1049 変形性股関節症の人工股関節置換手術まとめ


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6月後半の読書と感想、書評 2017/6/28(水)

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反逆(上)(下)(講談社文庫) 遠藤周作

1988年から1989年にかけて読売新聞に連載され、1989年に単行本として出版された時代小説です。その後に出版された「決戦の時」(1991年)、「男の一生」(1991年)と3つ併せて戦国3部作と呼ばれています。

同じく戦国時代の小西行長と加藤清正を描いた「宿敵」(1985年)はどうなるのって気もしますが、そのうちに全部読みたいと思います。

この小説の元となったのは、1959年に発見されたという戦国時代に尾張の前野家が記した「武功夜話」で、そのほか戦国時代を知るための定本となっている「信長公記」や、「フロイス日本史」なども参考にして書かれています。

主人公は、前半は信長に一度は仕えたものの、その残虐さや理不尽さに恐怖と嫌悪を感じ、信長と敵対する毛利勢が援軍に来てくれると信じ、反旗を翻した荒木村重とその家臣竹井藤蔵ら、後半は同じく信長に対して謀反を起こした明智光秀、そして信長亡き後天下統一にひた走る豊臣秀吉と対立した柴田勝家などと、時代の寵児に逆らって英雄になり損ねた戦国時代の武士をメインに置いた小説となっています。

特によく出てくる戦国時代小説と違ったところはありませんが、どちらかと言えば、戦国初心者にもよくわかるように、ところどころで、出典となった作品のことや、著者の感想や推測などが散りばめられています。

なので、もう十分に戦国時代のことには精通しているという人にはあまり面白くないというか、もっと別の視点や歴史書からすると違った解釈ができるのではないかという疑問が出てきたりするでしょう。

あとは、時代の寵児信長や秀吉メインの作品ではなく、その周囲にいて蹴散らされた多くの武士や大名達の視点でみた戦国時代というので読む価値があり、納得できます。

★★☆

著者別読書感想(遠藤周作)

         

死にたくないが、生きたくもない。 (幻冬舎新書) 小浜逸郎

昨年読んだ「なぜ人を殺してはいけないのか」(2000年)の著者で、数多くの評論や著書を出している団塊世代ど真ん中の大学教授兼評論家です。

この本が出たのが2006年ですので、今から11年前のことです。つまり著者自身が59歳と、今の私と同じ還暦の一歩手前の頃です。

この年代で考えることと言えば同じで、定年後の生活、老後の収入と支出、健康、老いと死あたりでしょうか。20代、30代の頃にはまず考える事がないことばかりです。

そしてこの年代はまだ身体もそこそこは健康ですので、死ぬときは延命などせずにコロッと死にたいという願望を必ずと言っていいほど言います。この本でもそのようなことが書かれています。ところが実際に心身とも弱って死の淵に立つと、少しでも延命したいと願うのは人間の弱さでもあります。そういうところを突っ込んで書いてもらいたかったですね。

実際に元気なうちに書いた「延命措置は不要」という書き置きも、その後数十年が経ち、寝たきりになった状態で、本人に再度確認すると、「延命処置をして欲しい」と言うのだそうです。

著者もこれを書いて11年後の今はまだその気持ちに変わりはないかも知れませんが、さらにあと10年生きて、そろそろ足腰が弱り、気弱になってきたところで、気持ちが変わらないとは言いきれません。

若い人が年金を未納にして「将来もらえるかもわからないので不要」と言いつつ、年金がもらえる年代になったら「年金は欲しい、なんとかしろ、ダメなら生活保護費をくれ」と言うのと同じではないけれど似ていますね。

高齢になってからの生き死については、久坂部羊著「日本人の死に時―そんなに長生きしたいですか」がお勧めです。 

そのほかにも老齢の恋愛や、お仕着せの高齢者対策など、これから高齢者になっていくための心がけについて幅広く書かれていてそれなりにためになります。

最近曾野綾子氏の著書と言い、そういうのを読むことが多くなってきたことも、高齢者の仲間入り目前ということなのかもね。

★★☆

         

黒警 (朝日文庫) 月村了衛

この作家さんの小説は初めて読みます。この作品は単行本が2013年、文庫版が2016年に発刊されています。

著者の作品にSF小説が多いというのは知っていたので、この小説もその系統かなと思っていましたが、まったく違い、いわゆる刑事もので警察小説でした。

長いものには巻かれろ的でやる気が出ないサラリーマン刑事が主人公で、過去には飲酒運転中だったために新宿の繁華街で助けを求めてきた外国人女性を助けず、男達に連れ去られるのを放置したことがあり、その場面を苦々しく見ていた武闘派のヤクザ幹部と妙な腐れ縁ができています。

外国人労働者を積極的に入れようとする警視庁の幹部と人身売買に手を染める中国マフィアや日本の暴力団組織との関係を知ることになりますが、人身売買の実態をよく知る女性の身を守るために預かった武闘派ヤクザはその女性共々殺されてしまい、やむなく人身売買を嫌悪する謎の集団幹部と義兄弟になり、悪事に走る警視庁幹部を罠にかけていくというストーリー。

最後はあまりにも単純、軽薄すぎて、しかも後味はあまりよくないですが、少し長めの中編と言ったページ数なので、あまり込み入った内容には出来ず、やむを得ないのかも。

たぶん同じ主人公で続編が作られそうな感じ(根拠はありません)なので、それにも期待したいところです。

★☆☆

         

ドローン・コマンド 尖閣激突! (角川文庫) マイク・メイデン

2016年に出版されたタイムリーさが売りの長編小説です。というのも数々の最新の武器や兵器が登場してきますが、そうしたものも数年も経てば古臭い技術や間違った理解となりますので、この手の小説は難しいものです。

タイトルにもありますように、いま世界的には民間でも軍事目的でもドローンがブームで、うまくそれにのっかって、ドローンや自動化された無人機、無人船などを利用し、公然と南洋進出を狙い、尖閣諸島の奪取を狙う中国との情報戦を想定して書かれています。

著者は日本に在住経験が豊富な人かと思ったら、そうではなくアメリカの大学で政治学を学び、国際関係コンサルティングなどを職としている人で、従って日本の知識と言えば、実際に見て自らが経験してきた話しではなく、歴史書やニュースなどを参考にして書いたという感じで、総じて極右政治家、大物ヤクザ、特攻隊、切腹と国民など、ステレオタイプ的な古風な日本人像というのが残念なところです。ま、一概に外れているとは言えませんけど。

ドローンが今後の戦争や紛争にどこまで効果があるのかはよくわかりませんが、現在、人が乗った戦闘機や偵察機がスクランブルをかけているのを、それこそ24時間体制でドローンが警戒、監視という役目を果たせるようになればそれはそれで大きな戦術転換が可能かも知れませんね。

ただこの小説では勝敗のキーはドローンではなく、最終的にはネットワーク侵入とそれによる妨害という点が実際的なのかも知れません。

この小説に書かれているようなシナリオではないとしても、年々軍備を増強する中国や北朝鮮が、作ったからには一度はそれらを使ってみたいと考える指導者や軍幹部が出てこないとも限りません。

憲法改正とか政治的な問題をここで言うわけではありませんが、日本も国際的なバランスに則った対応が迫られてきているように感じました。


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 6月前半の読書 本日は、お日柄もよく、巨人たちの星、ぼくらの民主主義なんだぜ、戦艦大和
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