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リストラ日記アーカイブ 2012年12月

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日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです

663 11月後半の読書 2012/12/1(土)
664 本当に中高年者は豊かで若者だけが貧しいのか? 2012/12/5(水)
665 目には見えないが確実に残る身分制度について 2012/12/8(土)
666 子供の教育費の負担を覚悟しているか 2012/12/12(水)
667 減りゆくガソリンスタンドが生き残る道 2012/12/15(土)
668 12月前半の読書 2012/12/19(水)
669 ネット人口の正しい統計 2012/12/22(土)
670 我が家のテレビ視聴環境改善 準備編その1 2012/12/26(水)
671 我が家のテレビ視聴環境改善 準備編その2 2012/12/28(金)
672 日々是淡々と 2012/12/30(日)



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11月後半の読書 2012/12/1(土)

663
パーク・ライフ (文春文庫) 吉田修一

「パークライフ」は第127回芥川賞を受賞した著者の割と初期の作品で、2002年に初出、文庫は2004年に刊行されています。この本には表題の作品と、もうひとつまったく違う内容の「flowers」が収められています。

ここで言うパークとは日比谷公園を指していて、私も以前その近くで働いていたことがあり、周囲の風景描写などたいへん懐かしい思いで読むことができました。

内容は主人公の男性がよく待ち合わせやランチでよく使う日比谷公園のベンチで、時々見かける女性と地下鉄内でバッタリ出会い、近からず遠からずの会話が淡々と進んでいくちょっと風変わりな小説です。

中編小説としては気楽に読めていいのですが、「悪人」や「パレード」のように映画化するのは、特に山場もなく、つかみどころもなく、ちょっと難しいでしょう。

一方のもうひとつの作品「flowers」は仕事を辞め、夫婦で地方から東京へ出てきて、住むアパートが決まるまで高級ホテルで過ごしているという変わったカップルが主役です。

男は飲料水販売会社に就職が決まり、トラックで毎日配送の仕事に就き、女は劇団に入り役者の勉強中。そこに男の同僚に変わった先輩がいて、、、という流れですが、「パークライフ」と同様なにか尻切れトンボ的なモヤモヤが残ってしまう終わり方で、あまり好きにはなれません。

あ、いや、別に勧善懲悪、ハッピーエンドを所望しているわけではありませんが、こうした展開はこの著者の作品の特徴でもあるのでしょうね。それはそれで善とするしかありません。


スウェーデン館の謎 (講談社文庫) 有栖川有栖

1995年に発刊され1998年に文庫化されたミステリー小説です。作家有栖川有栖が一人称で作中に登場し、同級生の犯罪学者火村英生が事件の解決をしていくという「作家アリスシリーズ」または「国名シリーズ」と呼ばれている作品のひとつです。

事件は有栖川有栖氏が取材のために訪れた冬の福島磐梯山近くのペンション周辺で起きます。ペンションのすぐ近くにある童話作家の家(スウェーデン館)で殺人事件が起きます。必死で犯人捜しの推理をするも、結局は京都大学の火村助教授に連絡を取ります。

詳しくは書きませんが、過去に起きた事件(事故)をずっと引きずり、その復讐や家族を守ろうとする家族愛など、複雑に絡み合いながら物語は展開していきます。

なぜスウェーデン館かと言うと、童話作家の嫁がスウェーデン人で、連れ合いを亡くした高齢の父親も呼び一緒に暮らしている家が、スェーデンから直輸入して建築されたもので、近所からはそのように呼ばれているという設定です。

著者は大阪出身で現在も大阪在住だそうで、その著作には関西が舞台のものが多いのですが、今回は遠く東北のしかも雪深い冬と言うことで、ちょっと不思議に思っていましたが、雪に残る足跡というのがひとつのキーとなり、なるほどと思いました。関西で一日中雪が積もったままで残るということはまずないので、そのトリック?は使えませんからね。


本当は恐ろしいグリム童話 (WANIBUNKO) 桐生 操

「白雪姫」「シンデレラ」「カエルの王子さま」「青髭」「眠り姫」「ネズの木」の6編が収録されています。タイトルからわかるとおり、今では進んで子供に勧める童話ですが、最初に出した原作は童話とはいえ親が子供に読み聞かせるにはちょっとどうかという内容でした。その原作を元に書かれたのがこの作品です。

グリム童話の作者グリム兄弟は1800年代初期〜中期にドイツで活躍しましたが、最初の「グリム童話」が発刊されたのが1812年のクリスマスということですから、今年のクリスマスでちょうど200年です。おそらくはドイツではこのクリスマスには盛大な記念祭などが開かれるのでしょうね。

で、その内容ですが、例えば「白雪姫」では王様と王妃とのあいだにできた白雪姫が美しくなり(と言ってもまだローティーン)、王様が手を出し(小児愛好、近親相姦)、それに乗じた白雪姫は気に入らない家臣を殺したりわがまま勝手し放題。頭に来た王妃が森に連れ出して捨ててしまったところ、森に住む7人の年老いた小人達に救われ、料理や家事はもちろん、毎晩その夜のお相手も勤めて生き延びた。鏡の精に生きていることを知らされた王妃が物売りに化けて、毒リンゴを渡しそのリンゴを食べて死んでしまいます(親子殺人)。死んだ白雪姫をガラスの柩に寝かせておいたら、ある日別の国の王子に発見され、死体を城に持って帰り毎晩愛でます(死体愛好者)。気味悪がった家臣が寝台をひっくり返した際に喉に詰まっていたリンゴが取れて生き返るというストーリー。そして生き返った白雪姫は自分を殺そうとした王妃(実母)を拷問にかけて殺して(親子殺人)しまいます。

どうです。ちょっと子供には読んで聞かせられないでしょう?200年前とは言えなんと過激なことでしょう。

「シンデレラ」の場合は、エロチックと言うよりは暴力的で、ガラスの靴に合わせるために義理の姉たちは足の指やかかとを切り落とすというシーンや、めでたく王子に見初められて結婚式にやってきた義理の母や姉たちはシンデレラの味方の小鳥に目を突かれて失明してしまうとか。

おそらくこういう童話は元々子供のためと言うよりは、大人にも十分に面白く読めるように作られたのではないかなと勝手に想像しています。そして子供には親がうまく端折って「親の話しに逆らうと捨てられるよ」とか「他人をいじめるとその他人に仕返しをされて傷つくよ」と言うような教訓を与えたのでしょう。


本当は恐ろしいグリム童話〈2〉 (WANIBUNKO) 桐生 操

本当は恐ろしいグリム童話(2)では「ラプンツェル」「ヘンゼルとグレーテル」「三枚の蛇の葉」「ブレーメンの音楽隊」「人魚姫(アンデルセン童話)」「裸の王さま(アンデルセン童話)」「幸福な王子(オスカー・ワイルド童話)」の7編が収められています。タイトルは「グリム童話」となっていますが、ネタが尽きたのかアンデルセン童話やオスカー・ワイルド童話も使われています。

いずれも誰もが知っている有名な童話ということですが、小学生の頃から三島由紀夫や芥川龍之介、川端康成等の小説が好きだった私はグリム童話はほとんど知らなかったりします。特にこの(2)に収められている中では「ヘンゼルとグレーテル」以外は読んだり聞かされた記憶がありません。

で、いきなりこの書かれた頃の物語を読むと、いったい現代の作品とどのように違っているのかよくわかりません。おそらくはエロチックなシーンや暴力シーンが綺麗に消えてなくなっていて、その他にも主役以外が実母が継母に変わっていたりするのでしょう。

そのあたり物語の最後に、少しだけ解説が書かれていて親切なのですが、やはり現代訳を読んだ人向けの解説なので、ちょっと物足りなさを感じました。

時代を感じる読み物ですが、逆に現代では出版物にも「公序良俗」を求められ、さらには「差別用語」が拡大解釈され、言葉狩りを恐れてか、もってまわった表現や言い回しが使われ、変な文章になってしまっていることもよくあります。

「ヘンゼルとグレーテル」は原作で実の母が口減らしのため子捨てをするのはあんまりだと言うことで、現代版では「継母」のいじめということになっているようですが、現実社会に於いても親が自分の子供をいじめて殺したり、逆に子供が実の両親に手をかけたりというのは決して珍しいことではありません。

今年の4月に「大人もぞっとする初版『グリム童話』―ずっと隠されてきた残酷、性愛、狂気、戦慄の世界 」由良弥生著を読んでいますが、それよりかは解説もわかりやすいです。また2月に読んだ「九つの殺人メルヘン 」鯨 統一郎著でもミステリー仕立てで童話の真実が語られていましたね。今年は私にとってグリム童話発刊200年を記念してかグリム童話の大当たり年です。さすがにもう読まないでしょうけど。


歩く影 (ハヤカワ・ミステリ文庫) ロバート・B・パーカー

スペンサー・シリーズ21作目のこの作品は1994年に発刊(ハヤカワ文庫は2001年発刊)されました。今度のスペンサーの相手はアメリカ社会に根付く中国マフィア達との闘いです。

恋人スーザンが所属する劇団員が公演中に射殺され、地元警察は頼りにならないので、その犯人を追い詰めるため方々へ出掛けて蜂の巣を突きに回ります。

そうするとそれが気に入らない中国人マフィアのボスが出てきて最初は脅し、次には実際に若い殺し屋のベトナム人を使って襲撃を仕掛けてきます。いずれも難なくしのいで、自分のケツを守るため、いつものように相棒ホークと、射撃の名手ヴィニイ・モリスを雇っていよいよ中国マフィアとの対決を仕掛けていきます。

銃を抜くのが速いはずのスペンサーとホークが半分ぐらい抜いたところでヴィニイがすでに3発撃って敵を倒すシーンなんかはゾッとします。

タイトルの「歩く影」(原題:Walking Shadow)とは、殺された劇団のメンバーが「何者かにいつもあとをつけられている」ということと、チャイナタウンに巣くう中国人マフィアのことを、とあるチャイナタウンに詳しい白人系の刑事が自分の親に言わせるとその存在が「歩く影」だと言っていたことによります。

スペンサーシリーズとしては比較的長めの小説ですが、その分読み応えがたっぷりで、最後まで事件の真相が謎でわかりにくく、20年近く前に書かれたものですが、意外と内容の古さは感じられず(ウォークマンやカーフォンなどが出てくるのはその時代の流行だったので仕方なし)、なかなかお勧めの一冊です。

それはそうと、このスペンサーシリーズ全39作中、現在文庫版が発刊されている38冊のうち、この本が36冊目の読了となりました(たぶん)。新刊の「盗まれた貴婦人 」(2010年)はまだですが、37冊目となる「スターダスト 」(シリーズ17作目1990年)もようやく手に入れましたので、近いうちにコンプリートできそうです。

あと残すはまだ文庫化されていない「春嵐」(没後発刊2011年)だけとなりますが、一度シリーズ全体を振り返ったまとめを書いてみたいと思っています。


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本当に中高年者は豊かで若者だけが貧しいのか? 2012/12/5(水)

664
例えばスマートフォーンの普及。中高年にどっぷりつかっている私には、たかがネットが見られる携帯電話ごときに毎月8千円も9千円もほぼ永遠に支払い続けるなんてアホらしいことはできません。

しかしいま若者の多くは携帯電話といえばスマホがディフォルトになっていて、家でもスマホ、会社でもスマホ、電車の中でもスマホ、歩いていてもスマホと、自転車に乗りながらもスマホ(危ないからやめなってば)、1日の中でスマホの画面を見ている時間の合計を出すと、おそらくテレビや新聞、読書、人との会話などを押しのけて、堂々トップになると推測ができます。

つまり若者の多くは月々8〜9千円するスマホ料金は、それから得られる恩恵からすると、さして気にならないということでしょう。

一方、家族のためにも必死で働く中高年者はというと、

 ・この先いつまで働けるのか?
 ・今の給料はあと何年維持ができるのか?
 ・退職金はちゃんと出るのか?
 ・年金はどうなるのか?
 ・元気に働けるだけの健康は保てるのか?
 ・子供は私立ではなく公立へ行ってくれるのか?
 ・子供は正社員として就職ができるのか?
 ・親の介護はいつから必要となるのか?
 ・介護費用は毎月どのぐらいかかるのか?
 ・自宅の修理やリフォームにいくらかかるのか?
 ・住宅ローンの返済額が金利上昇で増えはしないか?

などと、切実にまもなく確実にやってくる(すでにやってきている)お金の心配をしなければなりません。

もしスマホに毎月プラス7000円(ガラ携の最低料金との差)の費用を負担することを考えると、躊躇わずにいられません。7千円×12=8万4千円 8万4千円×5年間=42万円(5年間の差)です。

働いてきた時期のほとんどが右肩上がりで、その集団と団結力故に政治を自分たちに有利に動かす原動力となってきた団塊世代(現在65歳付近)以上は、退職金や年金は満額を受給することができ、それなりの蓄えがありますが、その世代以降は、そうした恩恵はもうなくなりはじめています。

したがって、この中高年世代(40〜60歳)は、決して若者に負けず劣らず貧しい思いをして、さらに近づく将来への危機を募らせています。今の20代の若者には自分が60歳70歳になったときのことなど、まだ遠すぎて想像もできませんが、今の中高年者には年老いた親の介護のこともあり身近なことです。一人っ子同士の結婚ならば夫婦二人で4人の介護をしなければならないかも知れません。

可処分所得というものがあります。例えば20代の若者が実家に住み勤めに出て給料を25万円もらっているとします。実家には5万円を入れても残り20万円+ボーナスが可処分所得となります。つまり自分が自由にできるお金です。もし1人住まいで家賃8万円(共益費込み)のアパートに住んでいたとすると、17万円+ボーナスが可処分所得です。

同様に50代の男性の場合、50万円の給料で若者の倍額をもらっているとします。しかし住宅ローン返済に12万円、4人家族の生活費(食糧品、生活用品、水道光熱費など)に25万円、子供の教育費6万円(1名私立高校)、自宅の税金や修繕積み立て金に月平均2万円とすると可処分所得は5万円しか残りません。その中から家族の携帯電話代や衣料、交際費、医療代などを工面することになります。

さらに上記の条件の中、子供が二人とも同時に私立高校や私立大学へ通ったり、親の介護のために夫婦どちらかが仕事を辞めざるを得なかったり、家族の誰かが大病を患ったりすると、もう家計は破綻寸前でしょう。

それらを比べると若者と中高年、どちらが貧しいか一目瞭然です。

そのような危機に直面している中高年に対し、少し前のNHKの視聴者参加討論番組で「今すぐ年功序列を廃止し、もらいすぎの中高年の給料を下げて若者に回すべき」という若者の発言がありました。すぐさま50代の人が「自分達の若いときには『若いうちは給料は安いけどだんだんと上がっていくから』と言われ、それで今まで我慢してやってきたのに」という反論がありました。それが本音です。

若者の場合、昔であれば、衣食住を除くとレジャー用のマイカーに毎月数万円を散財していたり、国内や世界を見て歩くため、あるいは将来マイホームを買うため、さらに先の結婚資金のため、住宅財形や定期預金をして貯蓄をする人が多かったのですが、現在ではそれらの目的は大幅に減少し、スマホの支払いが最大(2年縛りの契約で計22万円)です。

さらにスキルアップのために自分への投資、その他はスポーツ(観戦含む)など比較的軽いレジャーへの出費へと変わってきています。そう考えると若者が他の欲しいものを我慢してでもスマホへ投資するという行動が少しは理解ができます。

ただもう少し深く考えてみると、それでなくても昔から独創や変化より社会的に単一志向、保守傾向が強い日本人に、スマホという便利なツールが若者の必須アイテムとなりつつあるのは、なにか危険な香りがしないでもありません。ちょっと大げさかも知れませんが。

太平洋戦争は、当時国民の唯一の情報源だった巨大新聞社が、購読数を伸ばすために国民を煽って政治や軍部に圧力をかけ開戦へ向かわせたことはよく知られています。その当時の巨大新聞社が果たした役割を、今後はスマホでビジネスをする企業や、販売する携帯キャリア(DoCoMo、au、SoftBank)が握っていくことになります。

さらに国や巨大資本企業が、スマホをうまく利用して、国民に対し一斉に「右向け右!」と号令をかけるようなことが起きないと誰が言えるでしょう。

ま、それはともかく、自動車や若者向け住宅が売れなくなったのも、少子化が進み、結婚しない男女が増えてきたのも、時代の流れというよりも、若者の行動パターン、消費パターン、将来設計が大きく変わってしまったことによるのでしょう。

つまりもっと若者に買って欲しいというトヨタ86のライバルは、ホンダCR-Zでもなければ、マツダロードスターでもなく、DoCoMoやiPhoneなのです。


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目には見えないが確実に残る身分制度について 2012/12/8(土)

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いま日本では表向きには憲法第14条が「法の下の平等」により「身分制度」は、なくなったということですが、何百年と続いてきた様々な身分制度が完全にそう簡単に消え去るということはありません。

日本で最初に貴族制度ができたのは8世紀の奈良時代とされていますが、その後は大河ドラマでもおなじみの公家や武家などが新しくその勢力を増してきて、制度を自分たちの都合に合わせて自在に変えていきます。

江戸時代には士農工商をはじめとするいくつもの身分制度が決められ、農民や商人の子供が侍を目指そうとしても、実力以上のよほどのことがない限りそれはかないませんでした。明治時代になり、その士農工商の身分制度は改められましたが、それでも華族、士族と平民とのあいだには歴然とした身分制度が保たれてきました。

橋下大阪市長がしばしば指摘されている「被差別部落」問題は、やはり中世期頃(9〜14世紀)から主として「職業差別」から自然発生的に生じたものですが、21世紀の今でも結婚相手を選ぶ際や、他人を誹謗中傷する際に使われるぐらい生き続けているひとつの身分制度です。

現代の日本では、それらの歴史的な身分制度の名残はまだ確かにあり、特に農村部では町会議員や市会議員になっている裕福な世襲議員をトップとして、大地主、役場や学校に勤務する公務員、郵便局長、医者などは世襲で、おのずとその役割と身分が生まれながらに決まっています。

都市部においても、名門大学出身の両親の子供達は、おおよそ同じ名門大学に入り、親が官僚や政治家であればその後を追い、事業家ならばその後をそっくりと譲り受けるなど身分の世襲化は脈々と続いています。

なぜ名門大学出身の親に名門大学へ入ることができる子供ができるかといえば、ひとつには遺伝的な面もあるでしょうけど、それよりも、学習に集中できる家庭生活環境や、塾や家庭教師など親が子供への教育投資を積極的におこなえる環境にあることが考えられます。

例えば東大入学者の親の収入とそれ以外の大学に入学する学生の親の平均収入を比較すると、あきらかに東大入学者の親のほうが高いという結果が出ています。その傾向はハーバードなど米国の名門大学でも、また私立の名門慶応大学や早稲田大学でも同様です。東大や慶大を卒業すると、親の力を借りなくとも就職やその後の人生でかなり有利になることは誰でも知っていることです。それに親の援助や資産が加われば怖いものなしです。

そして親の収入が高いということは、親が事業家であったり、政治家であったり高級官僚であったりします。その祖父もまた同様だった可能性が高いです。その息子達も超氷河期など関係なく、親や一族の強力なコネで一流企業へ入社したり、親の後を継いだりして将来は約束されています。

つまり今現在でもこうした親の職業や収入、先祖代々からの遺産や人脈という歴然とした身分制度があることになります。

なぜこのような身分制度が現在も続いていくのかといえば、その多くは「遺産を代々引き継いでいるから」ということです。先祖から引き継ぐのは持って生まれた能力というのもあるでしょうが、それ以外にも人脈、縁戚、友人、生活環境、学習環境、そして現金や不動産ということになります。

お金で言うと現在の相続税は比較的緩やかで、生前贈与と組み合わせればかなりの遺産を子供に残すことが可能です。また政治家や会社の後継ぎなど、相続税の網には引っかからない選挙地盤や事業相続というやり方も多くなっています。

とにかくいまの制度ではお金持ちの家に生まれると、それだけで将来の安泰は保証されていますし、逆に親が貧しかったり、早くから親を失った子供は、どうあがいても簡単には抜け出すことができない仕組みなのです。

もちろん橋下市長のように貧しい実質的な母子家庭という環境の中から、有名大学を出て司法試験に合格し弁護士になり、政治家まで成り上がってくる人がいないわけではありませんが、全体の割合からすると極めて異例で少ないでしょう。それが当たり前に普通にできる世の中でないことだけは確かです。

日本人はいまだに昔からの身分制度にすっかり慣れてしまっていて「長いものには巻かれろ」「お上には逆らえない」という一種あきらめというか、高貴な家柄だったり名門出身者に対し従順です。しかし一方では橋下氏のように下からはい上がってきた人に対しては、ひがみややっかみがあるのか極めて辛辣で差別的です。

その橋下氏が考えている政策の中に「相続税の100%課税」というのがありました。つまり金持ちの子供がなにも努力せずとも与えられる金をすべて税金で徴収してしまおうという荒っぽい政策です。こういう考え方は鳩山元総理や安倍総裁などプリンスと呼ばれ、親から何億円もの相続が得られる二世三世議員には絶対できないことでしょう。子供時代からお金持ちの子供達に、散々親の金の力を見せつけられてきたと思われる橋下氏ならではの考え方です。

この考え方にはおそらく国民の99%以上を占めるであろう基礎控除額以上の遺産を子供に残せない人にとっては歓迎されるはずでしたが、意外なことにこれは国民には支持されていないようです。なぜか考えてみたところ、この考え方が日本人の多くに嫌悪感を持たれている共産主義的に見えてしまうからなのでしょう。「私有財産を没収しようとする共産思想」というような、批判も見受けられます。

もしその相続税100%課税が実施されれば、日本の社会は大きく変わることになります。よくなるのか悪くなるのかは判断できませんが、金持ちにも貧しい人からも公平に課税する消費税増税よりも、およそ1%の大金持ち、しかもその持ち主が亡くなってから拠出してもらう相続税課税のほうが、社会や経済にとっては悪い影響が少ないからです。

そして橋下氏が狙っているのは、そのような大金持ちの財産の他に、もうひとつには65歳以上世帯の巨額の預貯金にあると思われます。世界的にみても異常に多いとされている現金性預金の平均額が2000万円を超えている65歳以上世帯(不動産なども含めると総遺産5千万円以上の人も多い)が、今後続々と亡くなっていくことにより、遺産相続が行われることになります。

一般的に今の高齢者は、新たに住宅を買ったり子供の教育費用に大きな支出することがないので、満額もらえる年金だけでも高級な完全介護施設にでも入らない限り、そこそこの生活ができます。あと10年20年生きたからといって今ある数千万円の預金や不動産がすっかりなくなってしまうわけではありません。今の相続税制度であれば単にそれを受け継ぐ資産家の子供達だけが恩恵を受けることになります。

少子化&人口減少社会でこれから減っていくであろう消費にかける税金よりも、今後20〜30年間は増え続けていくであろう相続税に網をかけようとするのは合理的な考え方です。ただそのためにはまず先に国民全員の資産を捕捉する必要があり、それを嫌がる国民が多いのも確かで(特に世襲の政治家や官僚、名門家系など資産家、事業成金)、これがなかなか一筋縄ではいかないでしょう。

     

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子供の教育費の負担を覚悟しているか 2012/12/12(水)

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ちゃんと調べてみると容易にわかることなのですが、子供の教育費というのは、その人の人生の中で住宅購入に匹敵するぐらいの大きな投資になります。

最近、職場の中堅社員と飲む機会に子育て費用に関して聞かれることが何度かあり、そこで思ったのは、子供がまだ小さかった頃の私を含め、意外とみんな知らないままで、ある日突然意外な出費に直面して慌てることになります。

親が子供の教育にお金を使うのは当たり前という考え方がありますが、収入がなかなか増えていかないばかりか前年より下がっていく今の環境では、早めに十分な備えをしておく必要があります。そのあたりのことを自分の経験から検証してみます。

私の場合、子供が3人いますが、上の二人は中学校まで公立(幼稚園は私立)、高校・大学は私立へ通わせました。私自身が高校は私立大学の付属校で、激しい競争や受験勉強もなく、比較的のんびりと学生生活をおくれましたので、子供達にもそれを勧めたわけです。

しかし自分の想像を超えていた教育費の負担と準備不足もあり、さらに40代後半以降は所得が増えず、逆に減ってしまったことにより、3番目の子供には可哀想でしたが高校も公立へ行かせることにしました。

ではいったい上の二人の子供の教育にどれぐらいの費用がかかったのか試算してみましょう。


幼稚園(私立)2年間  80万円(40万円×2年)
小学校(公立)6年間 180万円(30万円×6年)
中学校(公立)6年間 138万円(46万円×3年)
 小計A 398万円(補助教材、修学旅行代含む)
高校(私立)3年間 260万円(入学金20万円+80万円×3)
大学(文系私立)4年間 530万円(入学金50万円+120万円×4)
 小計B 790万円(教科書、教材、修学旅行、制服代等含む)
学習塾、予備校夏期講習費用 60万円
中・高校での部活関連費用 50万円
 小計C  110万円
 総計  1298万円

 ×2名 2596万円


どうです?ちょっとした額でしょう?我ながらこれだけの教育費を今まで支払ってきたことを考えると、よくやったなと(まだ終わっていませんが)思わずにはいられません。

これらのお金は一度に出ていくものではありませんが、積み重なっていくと大きな額となります。2人分の教育費だけで郊外なら中古マンションなら軽く買えてしまいそうです。

一人目の子供がまだ小学生の頃には、生まれたばかりの二人目の子供の分も合わせて(3人目はまだ生まれていなかった頃)、学資保険も含めて約1000万円を子供の教育費として準備していました。その時はそれで十分だろうと甘く考えていました。今思えばとんでもない話しです。

一般的な夫婦で、夫が30歳で第1子が生まれ、5年後に第2子が生まれると仮定します。それらの子が15年後の高校入学時の夫の年齢は45歳と50歳です。つまりこの年齢になったときに、もし二人とも高校から私立へ行かせようと思うと上記BC合計900万円ずつ2回分の教育費(計1800万円)が、生活費や住宅ローンとは別に必要になるわけです。

もし子供が海外留学したいとか、希望する大学に受からなかったから浪人したい、あるいは遠方の大学へ行くのでアパート代と仕送りが必要などと考えると気が遠くなってしまいます。

高校は公立、大学は私立へ行くとすると、上記の小計B(高校・大学計)から-200万円となり、BC計(高校・大学・塾・部活計)は700万円、二人なら1400万円です。高校も大学も国公立へ行ってくれる孝行息子や孝行娘であれば、さらに-250万円でBC計は450万円、二人なら900万円とやっと1千万円を切ります。

しかし一般的に公立の高校から浪人せずに国公立の大学へ進学するためには、学校の勉強だけでは不十分で、塾や家庭教師、夏や冬には予備校の講習会など、私立高校へ行かせるのとたいして代わらない教育投資が必要と言われています。先の「身分制度」の時に書きましたが、東大の入学生の親の平均年収は、他の私立大学へ進学する親の平均年収よりも高額だと言われていますが、より上の大学へいくためには如実に親が子供へ十分な教育投資ができる環境でなければならないということを物語っています。


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減りゆくガソリンスタンドが生き残る道 2012/12/15(土)

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あらゆる地域からガソリンスタンドが次々と姿を消しています。私が今住んでいる家に引っ越してきた20年前なら、主要県道がすぐ近くを通っているためか、自宅から半径1km以内に5〜6軒はあったガソリンスタンドが今では2軒になってしまっています。

スタンドの跡地は、市街地ならばコンビニやドラックストア、中古車販売店、マンションなど様々に形態を変えてしまい、もうその名残すらありません。しかし少し地方へ行くと、廃業したスタンドがそのまま手つかず状態で残っているのをよく見かけます。

旅の途中、ガソリンの残量が厳しくなって、国道を走ればすぐに見つかるだろうと思っていたところ、廃墟となったつぶれたスタンド跡がいくつかあるものの、営業しているスタンドが全然見つからず、いつ燃料切れになるか冷や汗たらりで苦心したことがあります。以前だったら残量警告灯が点いてから探せば問題なかったのですが、深夜や地方の知らない土地では早めに給油をしなければ安心してドライブができません。困ったものです。


ガソリンスタンド軒数推移1(データ出典:石油情報センター)


ガソリンスタンドの経営側にとってみれば、マージン率が年々減少し、スタンドの維持コストを考えると、地価や人件費が高い都市部だけでなく、地方の老人ばかりの数十〜数百世帯程度の集落では販売量も低調で、とても経営的には立ちゆきません。また安いと知ればわざわざ隣町や遠方にあるスタンドへ買いにいく人が増えていて、大量仕入大量販売で廉価に仕入できない零細な給油所では資本力のある大手チェーン店にかないません。

さらにスタンド経営を圧迫することになったのが2011年から施行された消防法で、40年以上前に埋設した燃料用地下タンクの改修を2年以内に行わなければならず、その期限が来年(2013年)2月にやってきます。費用の面でその改修ができずに廃業せざるを得ない老舗スタンドも増加しているのでしょう。

都道府県別にスタンド数の推移を見ると、1997年と2012年の15年間のあいだに、もっともガソリンスタンドが減少した率の高かったのが東京都でその率はなんと50%減。つまり半分に減りました。2番目が47%減の大阪府、3番目が44%減の福岡県、4番目は42%減の京都府、5番目は42%減の愛知県と概ね大都市圏が占めています。

ガソリンスタンド軒数推移2(同上)


逆に減少率が少なかったのは沖縄県22%減、以下秋田県26%減、新潟県27%減、山梨県28%減、青森県28%減と大都市圏から離れた地方の地域が多いです。そして減少率の全国の平均は37%減でした。

同様にこの15年間でガソリンスタンドの店舗数がもっとも減少したのは減少率で大きかった東京都で-1,380店、2番目が愛知県で-1,256店、以下大阪府-1,075店、千葉県-941店、北海道-929店となります。全国合計では21,872店舗が閉鎖されています。

それではなぜ大都市圏に集中してガソリンスタンドの数が大きく減少したのでしょうか?

理由はいくつか考えられます。例えば都市部では利益の減少により、人件費代や地代のコストと引き合わなくなったこと、廃業後の跡地の有効利用がしやすいこと、高燃費車の増加で需要が減り、またエコ意識の高まりから特に都市部では公共交通へ移ったこと、大手フランチャイズ店との熾烈な価格競争で負けて疲弊したことなどが考えられますが、実はもっとも影響が大きかったのはセルフスタンドの登場です。

さかのぼること14年前の1998年の消防法改正では、規制が大きく緩和され、外国では当たり前だったセルフ給油式のガソリンスタンド設置が可能となり、現在では約2割ほどのスタンドがこのセルフ式を取り入れています。

ガソリンスタンド推移3(出典:全国石油協会[資源エネルギー庁調べ])


このセルフ店は従来のフルサービス式のスタンドとは違い、人件費コストを大きく減らすことができ、スペースを有効に利用し給油する場所を拡大できるようになりました。結果的に経費が抑えられ1店舗あたりの売上が上がることは、ガソリン価格の競争で周囲のライバル店より優位にたてます。そして今までは家や会社から近いというだけで分散していたユーザーが、遠くても安いセルフスタンドへ集中したことで、その周囲のフルサービス型スタンドは経営が立ちゆかなくなったというわけです。

そしてセルフ式に変更すると同時に、コンビニやコーヒーショップを併設するスタンドが徐々に増えてきました。しかし今のところ需要が多い都市部の幹線道路沿いや街中に限られているようです。

それは規制によりスタンドと併設する店舗は同じ時間帯で営業しなければならず、交通量が多く需要の高い24時間営業の店などに限られているということでしょう。例えば24時間営業のセルフスタンドに10時から20時までのカーショップやスーパーを併設するようなことが現状ではできません(双方が同じ時間帯だけで営業するなら併設することは可能)。

以前ブログで「ガソリンスタンドは今後地方都市の集落において、コンビニや郵便局などを併設したラストワンマイルの拠点になるかもしれない」と書きました。しかし現状ではスタンド併設式店舗は主に都市部に限られて、人口の減少が続く地方においてはまだこれからといったところでしょう。

そうした地方集落でガソリンスタンドとコンビニなどのコラボが普及するには、以下の条件が必要です。

1)市区町村の自治体からの支援(併設コンビニ内に役場の出張所開設や指定購買先として優遇)
2)ネット通販が普及し、配送拠点が必要となる(郵便や通販物資の拠点化)
3)宅配会社と日本郵便の取り扱い併設が可能となる(1店舗で複数社の取り扱いと共同配達)
4)JAの協力(金融機関としての協力)
5)地方自治の推進と規制緩和(公有地の利用、医療・介護・薬事などの分野で地域限定の施策)

地方で過疎化が進む集落がすでに限界集落(人口の50%以上が65歳以上の集落)へ向かいつつあります。2006年の国土交通省の調査では住人の半数以上が65歳以上と回答した市町村が7,878集落あり、さらに高齢化が進むと予想される2030年代には、地方の過疎地に限らず、都市部の中でも増えていく傾向にあります。

限界集落の後にくるのは、なにか手を打たない限り、うち捨てられた消滅集落の道しかありませんので、そのような集落にまでスタンドやコンビニが必要かという議論は当然あります。そしてそこへ行く手前の準限界集落(55歳以上人口が50%を占める)は、限界集落の何倍もの規模があると想定されますので、そのようなところは今後ネット通販の拡大の可能性が大いにあり、こうしたビジネスモデルを創り上げていくことは十分可能でしょう。

【関連リンク】
小売ビジネスはどこへいくのか 2012/10/27
ガソリンスタンドの経営が厳しいと言うことはわかるが 2012/6/20
原油価格とガソリン代 2010/11/1


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12月前半の読書 2012/12/19(水)

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インターネット新世代 (岩波新書) 村井純

日本のインターネットの父とも言われた村井氏は、創業まもないIIJに関与されていた頃から、その名前はよく知っていましたが、私よりもずっと年上の人と思っていたところ、2歳だけ年上だと知って驚きです。現在の肩書きは、慶應義塾大学環境情報学部長を勤めながらも、ビジネス界で何社かの社外取締役や顧問などを務められているようで、決して象牙の塔でふんぞり返っているだけの人ではありません。

この2年前に発刊された新書では、新しく生まれた様々なネット用語や新技術の解説などもあり、また近い未来のネットの姿などもあって、歳に関係なくビジネスマンにとって興味をもって読めるのではないでしょうか。

こういう技術系の新書は発刊後旬なのは1年以内で、せいぜい2年ぐらいまでが読むに耐えられると思って間違いないでしょう。私が読んだタイミングは内容がまだ陳腐化する前で、ためになる本として読むことができました。

こういう本は読むタイミングが難しく、早く読み過ぎると理解できずに終わってしまい、遅すぎると「そんなの知ってるよ」か「想定が全然違っていたじゃん」かのどちらかになってしまいます。

この本は単なる技術者や専門家、評論家が書く文章と違い、実際にビジネスの現場でいまも活躍している人が書いているので、実感として社会とビジネスの中におけるインターネットのことがよくわかっていい感じです。


八月のマルクス (講談社文庫) 新野剛志

この本は以前から書店で気になっていたタイトルの小説として記憶に残っていましたが、「あぽやん」を読んで新野剛志氏のファンとなったので読んでみることにしました。この小説は同氏のデビュー作品で、1999年の江戸川乱歩賞の受賞作品でもあります。

マルクスといえばドイツの共産主義思想家のカール・マルクスを第一に思い浮かべると思いますが、もちろん私もそうでした。しかし初っぱなから事件で引退したお笑い芸人が主人公と知って「???」となりました。そういやアメリカの偉大なコメディアンにマルクス兄弟ってのがいたなと思い出したのは小説の中でその話題が出てきてからです。

マルクス兄弟はまだ私が生まれる以前の1930〜40年代に活躍していましたが、私も子供の頃にテレビの映画で「マルクスの二挺拳銃]」(1940年の作品)を見た記憶があります。

それはさておき、内容は元一世を風靡したお笑いコンビの片方が、ある事件がきっかけで引退をし、今では自分のマンションの大家をしながら地味な生活をおくっていたところへ、今でも現役の昔の相方が突然訪ねてきます。そしてその数日後にその相棒が謎の失踪を遂げたことで、真相を探るために探偵のようなことをはじめます。

ストーリーも、芸能関連の世界もうまく描けていて、なかなかのハードボイルド小説に仕上がっています。固ゆで小説と言っても主人公は元お笑い芸人というだけで、滅法喧嘩に強かったり、警察やヤクザや天才ハッカーに親しくて手助けしてくれる友人がいたりというのではなく、単なる自由時間がとれる1小市民ってところがいいです。


夏を拾いに (双葉文庫) 森浩美

この小説の著者の森浩美氏は男性ですが、同じ浩美でも小林浩美氏(プロゴルファー)は女性、谷口浩美氏(マラソンランナー)は男性、さらに「図書館戦争シリーズ」などで大ブレーク中の有川浩氏は女性で、4回も直木賞候補になっている荻原浩氏は男性で、「鷺と雪」で直木賞を受賞した北村薫氏も男性ですが、「『マークスの山」で直木賞を取った高村薫氏や、既に故人となられたが「グイン・サーガシリーズ」の栗本薫氏は女性と、性別不明の名前でこんがらがりやすいのですが、読んでみるとその内容は明らかに男性作家の本です。

年齢は私より3歳ほど若いのですが、ほぼ同世代。したがって小説の中に出てくる子供時代の記憶に残る遊びやテレビ番組などもかなり近しく、とても懐かしい香りがします。内容から言うとあとがきにも書かれていましたが、スティーヴン・キングの「スタンド・バイ・ミー」を彷彿とさせる内容です。

主人公は妻に頭が上がらず、自分の息子からもまともに相手にされなくなった、さえない中年男性。しかしある言葉がきっかけで、息子が父親の話しに興味を持ち、自分が子供だった頃の冒険話を始めます。

その話しの中ではファミコンも携帯電話もなく、「ザリガニ釣り」「B2弾」「忍者部隊月光」「ハレンチ学園」「フラッシャー付き自転車」など当時の子供の世界が再現されていておそらく50〜60歳あたりの人にとっては十分はまりこむでしょう。

この本は2009年に単行本、2010年には文庫版が出ましたが、最近になって書店勤務の方が推薦されていたのをなにかで読んで買ってきました。著者は作家という寄り作詞家としてのほうが有名でSMAPや酒井法子など多くの歌手に詞を提供されています。著者の本では他に最近「家族の言い訳」を読んでいます。


ひかりの剣 (文春文庫) 海堂尊

東城大学病院田口シリーズに登場する「ジェネラル・ルージュの凱旋」の天才外科医速水晃一(映画では堺雅人が好演しましたね)と、シリーズ外で代理母問題に一石を投じた小説「ジーン・ワルツ」に出てくる清川吾郎の二人を主役にした2008年に発刊された小説(文庫は2010年)です。この本を読む前には先に両者が描かれていた2つの本を読んでおくとイメージが湧きやすいのでお勧めします。

時はまだ速水も清川も大学の医学生だった1988年(「ジェネラル・ルージュの凱旋」の20年前)、勉強よりも部活に力を入れていた頃の話しです。

医学生だけの剣道大会「医鷲旗大会」というのがあり、東城大速水と帝華大清川との主将同士の闘いがメーンとなりますが、シリーズでお馴染みの速水と同期生の田口公平や島津吾郎も同じ学生としてチラッと登場してくるところが笑わせます。

「ジェネラル・ルージュの凱旋」では速水が勤務する東城大学医学部付属病院病院長として登場する、つかみ所がない高階権太もこの小説では帝華大から東城大学医学部へちょうど赴任し、剣道部の顧問に就任するという設定で、重要な役どころとなっています。

ストーリーとしては先に書かれた小説での主人公の原点がよく描かれていて、もしかすると最初からこのような設定があってから書いたのでは?と思わせるほど論理矛盾もなくよくできたものでした。

最後の決着の仕方には私的にはちょっと?でしたが、まぁ無難な収め方だったのでしょう。「ジェネラル・ルージュの凱旋」の速見ファンならぜひ読むべき小説かも知れませんね。


傷痕 (講談社文庫) 矢口敦子

今年NHKのドラマで2001年の作品「償い」が放送され一気にブレークしそうな予感がする矢口敦子氏の2009年(文庫は2011年)の小説です。「償い」もそうでしたが、家族の中に犯罪者がいたり、その家族と深い関係ができた時のことなどをリアル感たっぷりに描くのがうまい作家さんです。この作品も映画かドラマにするのには向いた作品ですので、そのうち実現するのではないでしょうか。

主人公と言えるのは二人いて、ひとりはある一家4人惨殺事件の主犯として死刑になった男が残した息子です。ただ犯罪が起きた時にはまだ生まれていなかったこともあり、生まれてからすぐに養子に出されたので、過去のことはなにも知らされないまま大学生になっています。もうひとりは刑務所で長く刑務官として勤務し、死刑囚の妻が生んだ子供(もうひとりの主人公)を、自分の親戚へ養子として斡旋した男性です。

そういう家族と親戚、養子などが複雑に絡み合い、ちょっと最初のうちは人間関係図がうまく描けずに、登場人物の誰と誰が親子、兄弟でというのが複雑でわかりにくいです。つまり殺人を犯す二人の男性それぞれの家族、惨殺される弁護士一家、刑務官の親戚家族、死刑囚と内縁関係にあり子供を産んだ女性(1人住まい)、さらに惨殺された一家に嫁いだ妻の兄など。どこかに相関関係図を書いて欲しいぐらいです。

この小説に登場する死刑囚は、実は激しやすい義理の兄を抑えるために行動を共にしていた男性で、殺人事件の後には言い訳を一切せず、罪を全部自分でかぶって死刑が宣告されたという設定です。それが主題ではないためか、結局最後まで誰が本当に一家4人を殺害したのかは謎のまま終わります。

そしてドラマが動き出すのは、無期懲役で服役をしていた、本当の主犯じゃにかと疑われる義理の兄(主人公からすると義理の叔父)が、20年間の服役後出所してきたことで、主人公の大学生が自分の本当の親とその過去を知ることになります。

また並行して、一家を惨殺された遺族も密かに復讐の機会を待ちわびています。このあたりから少々無謀とも思える展開が見られますが、ミステリー的な内容にするためには必要だったのでしょう。


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ネット人口の正しい統計 2012/12/22(土)

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総務省が発表している通信利用動向調査【平成23年(2011年)調査(平成24.05.30公表)】というのがあり、比較的信頼がおけそうなので抜粋して書いておきます。というのも今後の各種ビジネスを考えると、このネット利用人口が大きな意味をもってくると想像されるからです。

特に私の関心が一番あるのは、会社などで普通にネットを使いこなしてきた団塊世代以下の層が引退生活にはいり、若い頃とは違い、身体の衰えや健康など考えると、外へ出掛けずにネット上での購入や取引をするものが爆発的に増えていく可能性が秘められているからです。

まずここ11年間の日本のネット人口と利用率の推移です。


新しいことや機械操作が苦手な高齢者が多い日本において、人口普及率で79.1%というのは意外と高い気もしますが、これは携帯電話やスマホ、インターネットに接続できるゲーム機など、ネットに接続が可能な機器を持っていて、月に1回以上接続をしている人の割合ですから、雰囲気的には若い人ならほぼ100%近くに達し、まぁ平均するとそのようなものなのでしょう。

次に年代別のネット利用率です。60代だけは60〜64歳と65〜69歳との5歳単位となっています。いわゆる日本社会の主流を先導してきた団塊世代は現在63〜66歳あたりです。


やはり70歳以上の高齢者の利用率は歴然と低いですね。60代前半から60代後半にかけて14%ダウンし、60代後半から70代にかけては18%ダウンします。つまりこれが2000年頃から急速に普及し始めてきたパソコンや携帯電話を現役時代に会社で使ったか使わなかったかの差と考えていいでしょう。いま70歳の人は2000年の時は58歳、年賀状用のワープロはともかく、もう定年間近だったため、簡単な電子メール以外にパソコンやネットを積極的に使いこなしたり、必死に覚える必要もありませんでした。

つまりネットの中でターゲットにするのなら、人数も多く、満額の退職金を得、さらに年金も満額がもらっている比較的裕福な現在の60代と、現役時代に9割近くが普及し、ネット利用になんの障害もない現在の50代を取り込むことができれば大きく飛躍できるチャンスがありそうです。ネット関連ビジネスにおいては黄金の世代です(但し総合的に購買力があるのは可処分所得が比較的高い20代〜30代)。

次にインターネットに接続するために使っている機器がなにかを聞いたのが次のグラフです(複数回答)。


自宅のパソコンが62.6%で最も多く、携帯電話(ガラ携)52%、自宅以外のパソコン39%と続きます。スマホはまだ16%ですが、まだ伸びる余地は他の機種よりずっと高く、いずれ近いうちに携帯電話と入れ替わり、パソコンに並ぶか追い越すと思われます。ただ日本国内には特別な事情があります。それは超高齢化に入っていきますので、画面が小さくて見づらく、細かな操作もしづらいスマホよりは、タブレットやパソコンが根強く残ることになるでしょう。

同様に保有しているネット(あるいは電話線)に接続可能な機器を聞いたのが次のグラフです。(複数回答)。


携帯電話(ガラ携)95%でまだトップ、次が固定電話器(84%)、パソコンは3位で(77%)とまだまだ高率を維持しています。ネットのニュースや統計だけを見ていると、ネットゲーム機(25%)やタブレット(9%)、情報家電(6%)の普及率はもっと高そうに感じますが、実際にはまだそれほど普及はしていません。メーカーや販売企業が広告費をかけて必死にPRしているからそのように錯覚しているだけなのでしょう。ネットが普及するとすぐに消えるかと思われていたFAXがまだまだ健闘しているのには驚きです。

会社や出先からではなく、自宅でネット接続した時の利用目的を聞いたのが下記グラフです(複数回答)。


電子メール(70%)、Web・ブログ閲覧(63%)はともかく、商品・サービス購入がなんと60%と堂々3位です。これは私にとっては驚きです。その次にSNSなどソーシャルメディアの利用が41%、地図情報39%、オークションが15%、オンラインゲーム12%ですから、商品購入の高さは一段と際だっています。そういえばここ十数年間、我が世の春を謳歌してきた大手家電量販店がようやく無店舗のネット販売に対し猛烈に敵視するのもわかります。

ネットでビジネスを考える場合、ここに大きな商機を見出せそうです。と言ってもその多くはAmazon、楽天、Yahoo!ショッピング、カカクコム、さらにアップルストアやGoogle Play、その他多くのモバイル関連企業が運営するストアなどがその大部分を占めていて、あとはもう隙間を狙うしか勝機はなさそうですが。

この調査は総務省の調査だけに、具体的な購入先や商品種類(名)などは聞いていません。それもわかると今後の狙い目や大手が手を出さない隙間などがわかって面白いと思うのですが、、、タダでそういう有益な情報を集めようと思うのが間違っていますね。

最後にネットで購入した物品・サービスを聞いたのが下記グラフです(複数回答)。


書籍・CD・DVDが25%、趣味・スポーツ関連グッズ24%、化粧品・衣料が23%、エンタテーメントのチケットなどが18%、食料品17%、金融取引16%、旅行関連15%、パソコン関連13%と続きます。

これまた私には意外なのですが、商品にあまり差がありません。つまりネットで購入されているものは幅広く特定商品ではないということです。普通ならパソコン関連用品などは圧倒的にネット通販利用が多かったり、早くから行われていた書籍販売などはもっと高いという実感をもっていました。

あと今後はもう少し商品別を細かく分類して欲しいと願うばかりです。例えば家電品、日用品、薬品、靴、自動車、バイク、自転車、衣料でも男性用か女性用か、食料品も冷凍か果物か、贈答用か自分用か、酒や飲料かなど区分されるとその実態がわかりやすくなるでしょう。

私が今後大きく期待できると思って注目しているのはズバリ食料品です。

ネットを自由に操れる高齢世帯が増えると、重いものを運ばなければならない買い物が負担になってきます。これは都市部でも地方でも同じです。そんなときに、米や新鮮な野菜、加工食品、さらに一歩進めて調理した少人数用のお総菜やお弁当など、そしてペットを飼っている高齢者向け用にペットフードなど。それらをネットで注文すれば、希望する時間に自宅まで配達してくれるのならば、質と値段にもよりますがこれはきっと使いたくなります。

従来のようになぜ電話オーダーじゃダメ?

電話で応対するというのは、受注側が相手の時間やペースに合わせなければならず、1件当たりの受注に多くの時間と手間を要し、経費の中で一番重い人件費の負担増を招くのです。丁寧に電話応対をして、オーダーを入力しながら、耳が遠い高齢者に間違いないか何度も確認する作業ってとても面倒です。しかも混み合う時間に話し中ばかり続けばせっかくの受注を逃しますから、ピークに合わせて多めにオペレーターを雇う(あるいは外注契約)しなければなりません。

その点メニューの中から選ぶだけのネット販売は、受注結果だけがデータ化されて随時入ってくるので、仕分ける人だけで済みますから効率的です。決済も都度現金でやりとりするよりも、クレジットで引き落としするほうが、お互いに手間が省けとりっぱぐれもありません。

現在のネットリテラシーの低い75歳以上の高齢者にネットで注文させて、クレジットで引き落としさせるというやり方は、あまり考えられませんが、現在65歳前後の団塊世代以降の人達は、普段から当たり前にネットやネット決済を使ってきた人達なので、まったく抵抗感がありません。この世代の人が続々と引退して家庭に居るいまが狙い目です。

ローソンやセブンイレブン、ファミリーマートでも宅配サービスを都市部で順次始めていますが、ドミノピザやピザーラもいつまでもピザにこだわっていないで、あるいはお弁当チェーンのほっかほっか亭やかまどやも待っているだけではなく、高齢者が多い地域によっては、米やお総菜、日用品の配達に早く進出をすれば客単価もグッと上がりもっと儲かるし、今後20年は需要が増え続けて安心って思いますが、そこは巨大なフランチャイズチェーン店の悲しい性で、自由な発想や行動が厳しく制限されているのでしょう。


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我が家のテレビ視聴環境改善 準備編その1 2012/12/26(水)

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我が家のテレビ視聴環境は、直接CATV会社(J:COM)からラインを引きセットボックスを通って視聴するメインのライン(リビングに設置)と、同じCATV会社が2015年春まで面倒をみてくれるデジアナ変換付きアンテナ線を経由し、各部屋のアンテナコンセントにつながっているラインの2通りがあります。このCATVのアンテナ線供給はデジアナ変換サービスが終わってからも、ケーブル会社と基本契約をしている限りは継続してくれるのだろうと勝手に決めつけています。

リビングに置いたCATV会社のセットボックスと、それとつながるテレビでは、BSや一部のCSを含むケーブル会社からの多チャンネル放送が視聴できますが、その部屋以外のテレビでは、地上波しか配信されていません。

しかし我が家のベランダには15年ほど前に買って自分で取り付けたBSアンテナ(まだCSのない頃)が付いたままで、このBSのアンテナ線とCATVから来ている(デジアナ変換の)アンテナ線とを混合し各部屋へ送ればBSが見られるはずです。ちゃんとCATV会社を通じてNHK BSの聴取料は支払っています。

2年前にデジアナ変換用のアンテナ工事にやってきたCATVの業者の方にその話しをしてみたところ、デジアナ変換アンテナ供給は総務省からの要請でアナログテレビ保有者の救済策としてやっているだけなので、BS/CSの線を追加するなどそれ以上のことはできないととりつく島もない状態でした。

そりゃCATV会社やその工事業者とすれば、各部屋ごとにセットボックス付きのケーブルテレビを直接引いてもらうことが利益になるわけで、余計な無料サービスとなるデジアナ変換用アンテナ工事以上のことはやりたかないでしょう。

それでもしつこくその業者さんに食い下がって聞いてみました。その結果「技術的にはCATVの線と別のBSアンテナを混合させて各部屋にBS放送の電波を送ることは可能」「ただ自分はやったことがないし、他にどういう影響が出るかは不明」「余計なことをしてトラブルを起こすと責任問題なのでやらない」とのこと。ま、形式上そうなるでしょうね。そうしたやりとりがあったので、CATV会社へどうすればいいかなど技術的な相談がしにくいという面があります。

では、詳しい専門の電気工事屋さんにお願いするっていう方法もありますが、地デジ移行にともない数年前に地デジとBS/CSアンテナ工事を専門業者へ依頼した近所の人に話を聞いたところ、全部で12万円かかったとのことでした。地デジ移行前だったせいもあってか、えらくぼるものだと思って、それも乗り気ではありません。おそらく材料代は2万円以内であとの10万円は技術料や人件費ってことなのでしょう。アンテナの新設など高所作業を伴うとそれも仕方がないでしょう。

そこで一念発起、すでにBSアンテナはあるので、あとは自前でリビング以外の各部屋(4部屋)でも見られるよう配線だけをやってみようと決意をしました(大げさだが)。

やれパススルーだの、通電タイプがどうたら、分波器と分配器の違いがどうしたこうしたなどはさておいて、ネットでいろいろと調べると役立つ基本的な情報がいくつか見つかります。

根っからの文系(プラス昔は体育会系)の私ですから、理系の話しはさっぱりわからず、そういうのは一切合切無視して思った道をまっすぐに進んでいくことにします。突撃あるのみです。

まず、おおよその検討をつけて準備しなければならないものは、

(1)混合器(CATVのアンテナ線とBSアンテナ線の2本を1本の線にまとめる機械)
(2)分波器(リビング以外の部屋にあるテレビの数だけ)
(3)アンテナケーブル(混合器と分配器の間をつなぐ)

あれま、とりあえずこれだけですかい?

しかし、リビングを除いてもテレビが視聴できる部屋が4つあるので、綺麗な画像を得るためには電波を強くするブースター(増幅器)を入れることも考える必要があります。ブースターを入れる位置はできるだけアンテナ側に近い位置がいいそうで、もしそうしようとすると屋外の設置となります。そのブースターには電気が必要で、アンテナ線を利用してチューナー(テレビなど)から供給するタイプと、家庭の100V電源(コンセント)を利用するタイプがあります。

チューナーから電気をとるタイプなら、BSアンテナに電気を供給する仕組みと同じものを使いますが、独自に100V電源を使うものであれば、そのブースターからBSアンテナへ電気を送ることができますので、チューナーの電源設定は不要となりようです。

さらに次に混合器ですが、これも種類があって「BS/CSとUHF(地デジのこと)混合タイプ」と「CATVとBS/CS混合タイプ」があります。その他にも地デジと別のUHFの混合タイプ(UHF−UHF混合)などもあります。ここでふと悩みます。CATVからの線なのでやはりCATV用と書かれた混合器でないとダメなのだろうか?と。

さてどっちだ?とネットでいろいろと調べた結果「CATVとBS/CS混合タイプ」が望ましいらしいのですが、「UHFとBS/CS混合タイプ」でも特に問題はなさそうです。ただし自己責任で。

なにが違うかというと、もし通常の地デジ放送以外にCATVが独自チャンネルを配信をした場合、UHFタイプの混合器だと受信できない場合があるとのこと。値段は様々なのでどちらがお得かなのかはわかりません。それならばとりあえずCATV用混合器を選んでおこうと思います。

混合器だけなら2〜3千円で買えますが、ブースター付き混合器というのもあって、こちらは結構なお値段がします。買ってからこれは使えないとわかってもあとの祭りですから、注意が必要でしょう。このあたりは自己責任ゆえの大きなリスクですね。

(参考:使えるかどうか検証や保証はしていません)
◆混合器
UHF-BS/CSタイプ
YAGI BS・CSデジタル・地上デジ対応 CS・BS/U・V混合器 CS-DFHW-B 通販で2,800円程度

CATV-BS/CSタイプ
DXアンテナ 屋外用混合器(CS/BS-IF+CATV/UHF) MC0002CB 通販で2,800円程度

◆ブースター付き混合器
UHF-BS/CSタイプ
マスプロ電工 UHF・BS・CSブースター UBCB33H 通販で9,500円程度
DXアンテナ CS/BS-IF・UHF帯用ブースター 33dB型 GCU33L2 通販で8,000程度

CATV-BS/CSタイプ
DXアンテナ770MHz・BS/CS-IF帯用双方向ブースター CF30L2CH 通販で7,500円程度
日本アンテナ 双方向CATV・BS/CSブースター 下り増幅型(30dB) SRB30S 通販で12,000円程度

これでだいたい準備するべきものは決まってきました。

が、しかし、ここにきて大変なことに気がつきました、、、次号に続く(爆

         

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我が家のテレビ視聴環境改善 準備編その2 2012/12/28(金)


我が家のテレビ視聴環境改善 準備編その1はこちら

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その1ではCATVからの線と独自に取り付けたBSアンテナの線をまとめて各部屋のアンテナコンセントへ持ってくるには?ということで、それに必要なものを書きました。

それらを書くにあたっていろいろと調べていくと、思わぬ大変なことに気がつきました。

本当なら基本的なことですので、本当はまずこれを解決してからでないと次へはいけないのですが、当たって砕けろ式のいつものパターンなので、これはもう後戻りができません。結局それで失敗することも多々ありますが。

気がついた大変なことと言うのは、

1)部屋に設置されているアンテナコンセント(端子)からBSアンテナに電気を送ることができる「電源挿入型」か?
2)各部屋のアンテナ配線は分配型か直列型か?

この1)が電流を通すものでなければ、チューナー(テレビ)からBSアンテナへ電流を流すことができないので、BS放送は映りません。その判断は、チューナーの電源を入れてチューナーから電気を送る設定にして外のアンテナ線に電流が流れているかでわかることですが、テスターがないので、不安があるものの先へ進めていくしかありません(テスターぐらい買え!)。

2)は古い家に多いのですが、ちょっとやっかいです。また電波の減衰も大きく多くの部屋で見るにはブースターがないと厳しいそうです。

自宅は約20年前に新築建売で買ったものですが、その頃といえばBS放送が開始されすでに10年ぐらいが経過していましたが、まだあまり普及はしていない頃です。おそらく最近建築された家では、分配器が設置されコンセントはBS/CSアンテナに対応する電流通過型が多く使われているのでしょうけど、我が家のそれがそうしたBSアンテナを考慮した施工になっているのかはかなり怪しいです。

さて、今回の改善計画案の続きですが、まず屋外に設置されているCATVのボックスの中がどうなっているのかを確認しました。



CATVのラインは外の電柱から1本入ってきて、途中にブースター(茶色)を経由し、そのすぐ後に小型の分配器(手前の金属っぽいの)で電波が3つに分けられていることがわかりました。

その分けられている3つの線は、

(A)テレビ用セットボックスと電話回線用配線
(B)インターネット接続用配線
(C)室内アンテナ用配線

にそれぞれつながっています。意外とシンプルなものです。

この中の(C)室内アンテナ用の線を分配器から外し、その分配器と混合器のUHF入力端子とを短いケーブルでつなぎ、そして混合器のもう片方の入力端子にBSアンテナの線をつなぎ、混合器の出力端子に元々CATVの分配器に接続されていた室内アンテナ線へといくラインをつなげば論理的にはいいはずと判断しました。

現状
CATV−ブースタ−分配器−アンテナ線−部屋コンセント(直列)−TV

改良
CATV−ブースタ−分配器−混合器−アンテナ線−部屋コンセント(直列)−分波器−TV
             |
           BSアンテナ

です。

こうなると、混合器は屋外設置となり、とりあえずブースターなしで混合器だけを設置してみることにします。それでやはりBSの映りが悪いようならば、あらためてブースターを入れるという段取りです。

各部屋のアンテナコンセントにはBS/CSとCATVの地デジ電波が混合された状態で来ることになりますので、テレビチューナーの手前に分波器を入れてテレビやDVDデッキのそれぞれBS/CS、地デジへと分けてつなぐことになります。分波器はセットボックスとつないでいるテレビ以外のテレビの数だけ必要です。

(分波器参考:使えるかどうか検証や保証はしていません)
HORIC アンテナ分波器 BS・地デジ対応 白ケーブル2本付き(4CFB) 40cm BCUV-971  通販で900円程度
マスプロ VU/BS(CS)セパレーター(分波器)2600MHz対応 CSR7D-P 通販で1,100円程度


以上で事前調査と机上でできる準備は完了です。

で、AmazonでCATV-BS/CS混合器と50cmアンテナケーブル、分波器の3つをオーダーしました。

せっかくだからCS放送も拾える新しいBS/CSアンテナに交換することも考えましたが、まずはBSだけでもちゃんと映るのかを確認した上で判断することにします。

近いうちに「我が家のテレビ視聴環境改善 工事編」を書きます。

無事にBSが綺麗に映るのか、それとも無様に失敗するか!?待て次回作!


 

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日々是淡々と 2012/12/30(日)

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今年も残り少なくなりました。2002年からスタートしたこのリストラ天国日記も途中何度かの挫折(中断)もありましたが、どうにか10年が過ぎ、11年目を迎えることができそうです。これもみなさん読者の方が陰ながら、そう陰ながら応援してくださったおかげだと感謝しています。

私の今年1年間をシンプルに言うとそれは「日々是淡々」です。「日々是好日」という禅語がありますが、それを少しもじっています。

さすがに50代も半ばになると、もうこれ以上仕事で上を目指そうという意欲や野心はありませんので、日々の仕事は淡々とおこない、子供達も3人のうち上の二人はどうにかこうにか大学を卒業させることができ(卒業式は来年3月)、あとはもう一人(高校生)を淡々と育てていく日々です。

若いときには瞬間湯沸かし器までとは言われなかったものの、ちょっとしたことでも熱しやすく激しやすかった性格も、歳と共にふんわりと押さえ込むことができるようになり、腹が立つことにもある程度自分を制御することができ、何事にもほとんど動じなくなってきました。でも感情が全部消えてしまったわけではなく、その分夜中に何度も思い返してはベッドの中でぐじぐじと悩んだり寝付けなかったり、寝返りばかりうつこともあります。

そして今年は健康には自信があった身体にとうとう異変が起きていたことが判明しました。10数年ぐらい前から右足全体に引っかかり感があり、少し痛むことが気になっていて、当時も整形外科やリウマチ科などで受診しましたが、結果は不明のままでした。今年、その決着をつけるべく整形外科で診断を受けてみると、進行期にある変形股関節症だということが判明しました。

この病気、もう手術等では改善は見込めないので、毎日これ以上悪くならないよう負担をかけずに淡々と養生していく保存療法を始めました。それまでは動かなくなることを恐れ、痛いのを我慢してでも屈伸運動などストレッチをしていましたが、それは逆効果だったみたいです。

社会的弱者の立場になると
足(股関節)を痛めてできなくなったこと
ついに変形性股関節症の診断下る

「そんな淡々とした変化がない人生をおくってなにが楽しいか?」と自問自答すると、いまはジッと控えて力をためこむ我慢の時だと自分に言い聞かせています。

誰でも輝き勢いがあるときもあれば、ひたすら堪え忍ばざるを得ないときもあります。学生時代はともかく、社会人になってから20年間は仕事以外にはなにもできなかった(しなかった)時を送ってきました。確かにバブル時代以降、お金の面では平均水準からするとたくさん稼ぎ、そして欲しいものはなんでも手に入れて、気が済むまで使いまくりましたが、結局それはどこまでいっても満足するものではありません。そして今になって考えると、それは空しい生き方だったことに気がつきます。

今更家族への罪滅ぼしということではありませんが、やがてはそれぞれ家を出て行くであろう子供達との時間と関係を少しでも大事にし、自分の小遣いを削り、例え周囲から「ケチ」「守銭奴」扱いされても、お金は節約して子供達へ回すことで、親の責任を果たしそして自分の満足を得たいと考えるようになりました。

40〜50歳代プチ高所得者がハマる罠
子供の教育費の負担を覚悟しているか

なにか大きなことをするには膨大なエネルギーとそれにお金がかかります。今は子育ての真っ最中で、親鳥が雛を巣に残したまま遠くへ餌を探しに行くときではなく、節約と節制をもって「ないときの辛抱、ある時の倹約」を是に、あと一人の子供を無事に社会へ送り出すまでは、例えそれが地味で平坦で人から見るとつまらなさそうな日々であり、淡々とやり過ごす毎日でも、それはそれでいいものだと気がつきました。

仕事を引退する時、貯蓄はいくら必要か
本当に中高年者は豊かで若者だけが貧しいのか?

年内はこれが最後の更新となると思いますが、この年末年始は曜日の関係でうまく9連休となります。さらに、この9連休に合わせて毎年大きく余らせる有給休暇の数日を合体させ、もう少し連休を伸ばす予定です。

17年前の阪神淡路大震災、ようやく動き出した交通網を使い、支援物資を抱え、被災地で奮闘していた従業員の激励のため、神戸へ向かったことがあります。そこで目にした大きなビルが無惨にも横倒しになっている凄まじい光景が今も目に焼き付いたままです。

震災など非常時の備え その1
震災など非常時の備え その2

その時のことを考えるたびに、東日本大震災の被災地に直接なにか役に立てるわけではないものの、日本人として一度は災害現場と復旧の様子を見ておかなければと考えていました。震災からもう2年近くが経とうとして今更という時期になりましたが、休日を増やした分で、被害の大きかった福島県や宮城県の沿岸地域をひとりでぶらりと回ってこようと計画しています。ただ今年は寒波が強烈で、雪が多いとどこまで行けるかわかりませんが。

それでは、みなさん、よいお年をお過ごしください。
今年もありがとうございました。そして来年もよろしくお願いいたします。


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