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読みやすいようにアーカイブは昇順(上から古いもの順)に並べ替えました。上から下へお読みください。

日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです
1640 5月後半の読書と感想、書評 2022/6/1(水)
1641 総合商社栄枯盛衰 2022/6/4(土)
1642 その後限界集落はどうなっている? 2022/6/11(土)
1643 6月前半の読書と感想、書評 2022/6/15(水)
1644 生活保護申請・受給者は増えているのか? 2022/6/18(土)
1645 BMWミニの勢いとVWゴルフの落日 2022/6/25(土)

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5月後半の読書と感想、書評 2022/6/1(水)

1640
切羽へ(新潮文庫) 井上荒野

著者は小説家井上光晴の長女として1961年に生まれ、出版社勤務の後、1989年に小説家デビュー、2008年には本書で直木賞を受賞した女性作家さんです。名前は「こうや」ではなく「あれの」で本名とのことです。

本書の内容は、昔炭坑として栄えた離島に住む夫婦を中心に、島の人間関係、東京からやってきた非常勤の小学校教師など、感情に訴えかける日常が淡々と綴られています。

文庫の裏表紙に書かれている紹介には「官能的な大人のための恋愛長編」とありますが、私の読後感としては恋愛小説とは思えず、どちらかと言うと、島の紀行と生活スタイル小説という感じです。

おそらくこの微妙な恋愛感情をわからないヤツと言われるのでしょうけど、どっちつかずであまり意味もなく揺れ動く感情というのが苦手で、読んでいてどうにもイライラさせられます。

都会に住む人には、理解できない島の狭くて濃密な人間関係など、そういう異世界な話しとして読む分には、そういう世界、生き方もあるのねと納得できそうです。

タイトルの「切羽」は、「切羽詰まる」の「せっぱ」と読むことが多いのですが、この著書では「きりは」とふりがながふってあります。

意味は、「トンネル工事、鉱石の採掘現場などで、掘り進めている坑道の先端」(コトバンク)で、本書ではそれから連想した意味として使われています。

余談ですが、「せっぱ」と読むと、意味は変わり、「刀のつばを固定するため柄と鞘に接する部分に使う金具。または、差し迫っていること。どたん場」となります。

著者の作品を読むのはこれが初めてですが、数多くの作品があるので、そのうちまた手に取ってみたいと思います。

★★☆

著者別読書感想(井上荒野)

            

虚無回廊 I(徳間文庫) 小松左京
虚無回廊 II(徳間文庫) 小松左京
虚無回廊 III(ハルキ文庫) 小松左京

著者の作品には「果しなき流れの果に」「さよならジュピター」など宇宙を舞台にしたSF長編作品も数多くありますが、晩年になってから書かれた本作品が未完のまま残されました。

1985年の雑誌で連載が始まり、途中中断のあと1991年から1992年まで連載されされて雑誌の都合で終了します。続編の執筆の意欲はありながら2011年に亡くなり最後の長編小説となります。

内容は、琴座と白鳥座の間の方向の地球から5.8光年離れた場所に、巨大な人工物と思われる物体が現れたり消えたりすることが観測されます。

しかしその時の宇宙船で現場へ行くには片道だけで何十年もかかり人間が乗船して行くのは無理で、AIロボットのその先を研究していたAE(人工実存)ロボットを送り込むことになります。

AE(Artificial Existence)ロボットは、指示を与えられなくとも自らの判断だけで行動することができるロボットで、自己修復、自己改良、自己再生が可能で、開発研究者の経験や知識、さらには魂までが移植されています。

AEを乗せた宇宙船が巨大人工物に到着する前に、地球にいるAEの開発者が寿命を終え、それを知ったAEは、これで義務や義理がなくなったと、地球との定期交信を終了する判断をし、その後は単独で人工物の探査を始めます。

まるで宇宙の中の集蛾灯のような存在の巨大人工物に何万年も前から様々な生命体や人工生命が集まってきていて、その中で地球から送られたAEはコミュニケーションが可能な異星人や異星人が送ってきたロボットと情報を交換し共に探査活動を始めます。

と、言った内容ですが、まだ宇宙、時に太陽系以外のことがよくわかっていなかった1980年代に、よくこれだけ宇宙開発について想像しながら書けるものだと驚きです。

この小説にも出てきますが、天の川銀河の中心近くにあり電波を発している天体「いて座Aスター」のことが、先日大きなニュースで出てきました。

天の川銀河のブラックホール撮影 最も近くに存在、2例目―国立天文台など国際研究チーム
地球から約2万7000光年離れた銀河系の中心部には、「いて座Aスター」と呼ばれる電波を発する天体が存在する。周囲の恒星の動きから、この天体は太陽系よりも狭い範囲に太陽の400万倍の質量を持つことが判明。巨大なブラックホールと考えられてきたが、今回の撮影で裏付けられた形だ。

宇宙にはまだわからないことがいっぱいあるので、ロマンがあふれます。

そしてこの未完の長編を誰かが引き継いで書かないか?ということですが、ハルキ文庫の3巻で解説を書いている瀬名秀明氏などが有力な候補になるでしょう。

でも、実際のところ、偉大な著者がこの遺作とも言える長編のラストをどのようにしたかったのかわからないので、なかなか難しいでしょう。

この3巻まででも十分に楽しめるので、これでいいんじゃない?と私は思います。

★★☆

著者別読書感想(小松左京)

            

ナニカアル(新潮文庫) 桐野夏生

なにも知らずに読み始めましたが、「タイトルからするとこれはホラーものか?」と思ってましたが、全然違いました。

2010年に単行本、2012年に文庫化された長編小説で、主人公は戦前戦後に活躍した女性作家林芙美子です。

以前、林芙美子著の「放浪記」を読みましたが、不幸な貧しい生い立ちから、母親と共に生きるために様々な仕事をし、やがて文才を認められて日記を元にしたエッセイや小説を書くようになります。

2016年4月後半の読書と感想、書評(放浪記)

しかし当時の文壇は高学歴で高尚な思想、芸術家が権力と支配力を持っており、貧しい家の出身で、高等教育も受けていない芙美子はその性の奔放さもあって、様々なところで差別や軋轢を生むことになります。しかし芙美子の書く大衆文学は広く庶民に愛され、人気に火が付いて売れっ子作家となっていきます。

その林芙美子の伝記風小説というわけでもなく、芙美子とその夫で画家の緑敏も亡くなり、その夫の後妻となった遺族が自宅にあった遺品を整理していたとき未発表の原稿を発見し、それをどうしようかと相談するところからこの小説は始まります。

その原稿には戦争中に南方へ渡って視察し、軍の宣伝用のレポートを新聞に寄稿するという役目ですが、その旅の途中では、徴用された民間船の船員や、スパイの疑いがかかっている馴染みの新聞記者との密会、さらには、不倫でできた子供を夫に内緒で出産し、しれっと孤児の赤ちゃんとをもらい受けたと画策するなど、「これは事実を書いた自伝なのか、それとも小説なのか?」という謎が、誰にもわかりません。

この遺稿の部分は著者の創作ですが、それ以外の部分は林芙美子のわかっている人生をなぞっていて、小説でありながらも伝記的な側面があり興味深く読めました。

ただ南方インドネシアに滞在していた時の話し、しかも色恋沙汰のベタベタした話しがやたらと長く、ダラダラと続き、ちょっと中だるみを感じました。

それにしても、瀬戸内晴美とかこの林芙美子とか、十分に保守的だった昭和の時代に、性に対してあっけらかんとした女性だからこそ、大衆向けの小説やエッセイを書く作家という職業に向いていたのでしょうかね。

★★☆

著者別読書感想(桐野夏生)

【関連リンク】
 5月前半 アンダスタンド・メイビー(上)(下)、戦国時代の大誤解、隻眼の少女、生きる
 4月後半 世界の中心で愛を叫んだけもの、溺レる、生きている理由、ミーナの行進
 4月前半 蜜蜂と遠雷(上)(下) 、となり町戦争、連続殺人犯、追想五断章


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総合商社栄枯盛衰 2022/6/4(土)

1641
私が新人社員だった1980年代前半は、商社が一番輝いていた時代でした。

三井物産本社ビル当時5大総合商社と言えば三菱商事、三井物産、丸紅、住友商事、伊藤忠商事で、10大総合商社という場合には、兼松江商、日商岩井、トーメン、ニチメン、安宅産業(1977年に消滅)が加わりました。

総合商社も元々は専門商社からスタートし、その後扱い品目が増えていき、それぞれに得意分野とか、海外の輸出入ルートを開拓してきました。

最初は商社はその名称通り、買ったり売ったりしてそのわずかなマージンだけが利益と思っていましたが、やがてそればかりではなく、商圏を拡大するために開発事業や、相手国の政府に潜り込んで公共事業を共におこなったり、石油やガスを採掘したりなど巨大なプロジェクトを動かすダイナミックな商売だと知りました。

私も新卒の就活で、冷やかしがてらにある商社の説明会にも行きましたが、会場には入りきれないほど学生が詰めかけ、競争率は天文学的な数字ですぐに諦めました。

1977年に破綻し伊藤忠商事に吸収されることになった安宅産業も、それまで堅実におこなってきた金属や繊維原料、鉱物などの輸入事業から他の総合商社に追いつこうと拡大を急ぎ、慣れない原油ビジネスに手を出した直後にオイルショックが起き、経営破綻することになりました。

この破綻へ至る模様は、松本清張の小説「空の城」(1978年)を原作とした1980年放送のNHKテレビドラマ「ザ・商社」で見られました。

が、このように大きなリスクに社運をかけ、他の分野へ積極的に拡大していった企業が大手総合商社として上り詰めていきます。

私は仕事柄、これらすべての大手商社に出入りをすることがあり、そこで感じたのは、それぞれに特徴というか社内風土があり面白かったことを覚えています。都銀と総合商社の社員と言えば日本ではトップクラスのエリートばかりですから話しをしても学ぶことが多かったです。

特に成り立ちが三菱商事や三井物産のように東京で創業して地盤が東京にあるスマートな商社と、大阪の繊維商社から大きくなった目端の利いた商売人が集まったような丸紅や伊藤忠商事、社名からも大阪の繊維専門商社の呪縛から抜けきれてなかった「まいどおおきに!」的なニチメンやトーメンなどとは明らかに社員の出身地や出身大学が違い、社内の雰囲気も違いました。

兼松江商は、それぞれに繊維関連の輸入を手がけていた兼松と江商が1967年(昭和42年)に合併した総合商社ですが、1980年代においても社内は兼松派と江商派の目に見えないバリアがあり、社内の統一感というかワンチームという雰囲気が乏しかった印象が残っています。

日商岩井も日商と岩井の合併会社ですが、1978年に起きたダグラス・グラマン事件で常務が自殺するなど1980年当時もまだダークサイドというイメージが社内にも残っていて、社員の士気はいまいち高くなく、その後ニチメンに救済されるようにして生き残ります。

総合商社以外にも、繊維商社や食料品商社、エネルギー商社、電子部品商社、医療機器商社、建設機器商社、など様々な専門商社が大中小の規模で活躍していて国内はもとより、海外との交易で日本の産業を動かしていることを実感できました。

そうした商社が少しおかしくなってきた象徴的な事件が「イトマン事件」で、1990年に発覚した不正事件ですが、バブル崩壊以降、それまでの無理をしてきたひずみが現れました。

ただ私は1990年以降、仕事(職務)が変わり商社へ出入りすることはほとんどなくなり、その後の動向はあまり知りませんでした。

昔は十大商社と言われていた総合商社は現在7大総合商社と言われ、三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅、豊田通商、双日の7社です。

双日は、日商岩井とニチメンが合併し、二つの日が合併した、安易な感じの社名です。そして世界中で自動車を売りまくり、トヨタ自動車の成長に支えられて好調の豊田通商はトーメンを吸収して大手総合商社に加わっています。

かつて十大商社の一角を占めていた兼松江商(現兼松)は、バブル崩壊後に多くの事業を失うことになり、現在は総合商社の看板を降ろし専門商社となっています。

2022年時点の商社売上上位12社は下記の表の通りです。

社名 売上高 従業員数 総合/専門別
01 三菱商事 12.8兆円 5,725人 総合商社
02 伊藤忠商事 10.3兆円 4,264人 総合商社
03 三井物産 8兆円 5,587人 総合商社
04 丸紅 6.3兆円 4,389人 総合商社
05 豊田通商 6.3兆円 2,692人 総合商社
06 住友商事 4.6兆円 5,240人 総合商社
07 メディパル ホールディングス 3.2兆円 169人 専門商社
08 アルフレッサ ホールディングス 2.6兆円 38人 専門商社
09 スズケン 2.1兆円 4116人 専門商社
10 日鉄物産 2兆円 1,840人 専門商社
11 阪和興業 1.7兆円 1,532人 専門商社
12 双日 1.6兆円 2,551人 総合商社

この中にちょっと聞き慣れない企業名が2社入っていますが、メディパル ホールディングスは医薬品や日用雑貨等の卸売り企業グループ、アルフレッサ ホールディングスも医薬品や医療用検査試薬等の卸販売企業グループで、いずれも持ち株会社(ホールディングス)です。だから従業員数が極端に少ないのですね。あとの10社はそれぞれ歴史がある名門商社あるいは合併後の商社です。

売上で豊田通商に抜かれた名門の住友商事ですが、どうでもいいつまらない話しをひとつ。

1980年代、住友商事本社(大阪)のオフィスに行った時の話しで、担当者とオープンな応接間で話しをしていたとき、近くをウロウロと歩く年配の人がいて、「?」と思ったら、担当者の方が「あの人知っている?」「いえ」「あれが小松左京の弟さん(当時住商の社員)」「・・・」「いつもあーしてウロウロしてんだよなぁ」「ww」ということがありました。言われれば顔も体型も兄によく似てました。いろんなエリートがウロウロしていたのが総合商社です。

【関連リンク】
1525 異動や引越は喜び楽しめ
560 若者の大企業志向を非難する前に
319 天然素材でも綿はよく燃えるらしいことがわかった


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その後限界集落はどうなっている? 2022/6/11(土)

1642
このブログでも過去に書いたことがある「限界集落」についてですが、その後どのようになっているのか調べてみました。

調べると、過去2回、9年前の2013年と、4年前の2018年に書いていました。

地方が限界集落化していく 2013/5/11(土)
過疎と限界集落の行方とコンパクトシティ 2018/3/24(土)

今回の元データ、「過疎地域等における集落の状況に関する現況把握調査報告書」(令和2年、総務省 地域力創造グループ 過疎対策室、調査時期:令和元年9月11日〜令和元年11月29日)
を元にしてその概要を少し書いておきます。

まず過疎集落についてですが、過疎法(過疎地域自立促進特別措置法)により過疎地域に指定された地域のことで、市町村単位ではありません。

過疎集落2022年5月時点で市町村数は1,724ありますが、その市町村からさらに区分けした現存する(居住者のいる)全集落数は調査時点で76,710集落あり、その中の49,341(64.3%)集落が過疎集落と言われています。

前回調査の4年前(2016年)は、過疎集落数が46,831(61.9%)集落だったので、4年間で2,510集落が新たに増加しています。

都市部に住んでいると、集落の6割以上が過疎という実感は感じにくいですが、旅で地方へ行くと、シャッター通りや、放置された田畑、空き家、神社などを見かけることがあります。

前回調査時点で過疎地域であった集落数は 0.6%(349 集落)減少しています。その内訳は、消滅(無人化)した集落(139 集落)や集落再編により減少した集落(327 集落)のほか、新たに誕生した集落(74 集落)等ということです。

過疎集落の中で住民の半数以上が65歳以上の集落(いわゆる高齢化率50%以上)は20,372集落あり、過疎集落全体の32.2%(4年前は22.1%)を占めます。その中には住民全員が65歳以上(高齢化率100%)の集落が956集落(1.5%)あります。

地域別では、住民の半数以上が65歳以上の集落の割合が中国圏と四国圏では40%を超えています。

同じく過疎集落において住人の半数以上が75歳以上である集落の割合は3,676集落で割合は5.8%、住民全員が75歳以上の集落は339集落で0.5%となっています。

都会でも高齢化率が3割に近づきつつあるとか言ってますが、すでに高齢化率100%の集落が国内に千近くもある(そのうち339集落は75歳以上だけの集落)とは驚くしかありません。

集落住民全員が75歳以上の集落(339集落)のほとんどが10人未満・10世帯未満の基礎集落で、約6割が集落機能の維持が困難な状況とされています。そりゃそうでしょうね。

それでも、こういう意見を述べている学者さんがいます。

限界集落の真実―過疎の村は消えるか?(2019年、首都大学東京都市教養学部准教授山下祐介)
私は「消えた」とされる集落を調べてみました。しかし高齢化が理由で消えた集落はありませんでした。消えた真相は、戦後開拓がうまくいかなかった、災害移転、ダム建設に伴う移転などであり、本当の意味で高齢化が理由で消えた集落は探してもないというのが私の結論です。

どうなんでしょうね。

つまるところ、出て行く一方で、財産を守り、新たなことを始める新しい血が入らず、開拓がうまくいかなかったのも、インフラを新しく更新し災害を未然に防いだり、復旧させることができなかったのは住民の高齢化が一番の原因と思いますが、どうなのでしょう。

今後10年以内に消滅(無人化)する可能性がある集落は454集落0.7%(4年前515集落)で、いずれ消滅(無人化)すると予測されている集落は2,744集落4.3%(4年前2,697集落)です。

地方ブロック別でみると、今後「10 年以内に消滅」あるいは「いずれ消滅」と予測されている集落の割合が最も高いのは四国圏です。

前回調査時に「10年以内に消滅(無人化)する可能性がある」と予測されていた集落の中の508集落が、今回調査までの4年間で実際に消滅(無人化)したのは47集落(9.3%)でした。

地方ブロック別でみると、北陸圏で多く、10年以内に消滅すると予測された集落の3割近くが消滅しています。

前回調査時に「10年以内に消滅(無人化)する可能性がある」と予測されながら現在も存続している集落の8割以上は、10人未満・10世帯未満の小規模集落で、いずれにしても今後数年以内には消滅する可能性が高いと思われます。

過疎集落の生活サービス機能の特徴としては、 公民館や集会所は33.2%の集落に、商店・スーパーは21.8%、、駅やバス停は53.5%の集落にある一方、病院・診療所やガソリンスタンド、郵便局、ATM、デイサービスセンター、小学校、幼稚園・保育所等がある集落は1割に満たない状況です。

コンビニや駅はもちろん、各種の病院やATMなどがすべて徒歩圏にあるという都会育ちには考えられないことでしょう。

ザクッと概要だけを抜き出しましたが、毎年国内では、茨城県や山口県の県民全人口に相当する60万人以上が減少しているので、地方の集落が毎年数百消えていくのは仕方がないことだと思います。

同じように寒村と言っても岐阜県の白川村のように、なにも努力をしなければとっくに消えていたような山深き中の集落が、今では世界遺産に指定され、国内はもとより世界中から観光客を集め、若い人の移住者が増えるという成功を収めた集落もあります。

いずれにしても、人口減少が続く日本において、その集落を生かすも殺すも、そこに住む人達の能力と努力次第で、集落を出て行った子供達や、ましてや政治や役所の力をあてにしていてはダメなのでしょう。

【関連リンク】
1587 地方の道の駅の正しい方向性は
1154 地方の可能性と限界
1089 プチ移住という選択


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6月前半の読書と感想、書評 2022/6/15(水)

1643
凍える牙(新潮文庫) 乃南アサ

1996年の直木賞に輝いた長編警察小説で、その後シリーズ化される「女刑事・音道貴子シリーズ」の第1作目です。1996年に単行本、2000年に文庫化されています。

読んでいると、元白バイ警官でもあった離婚経験がある女性刑事が活躍する内容で、映像化に向いた作品だなと思っていたら、すでに2001年と2010年にテレビドラマ化されていました。

2001年のNHKドラマでは天海祐希で、相棒になる中年刑事が大地康雄、2010年のテレ朝版では木村佳乃と橋爪功です。なるほどなって感じの配役です。

ストーリーは、ある日、東京立川のファミレスの中で客の男性から突然火が出て燃え上がります。

その事件を調べるために刑事達が集められますが、主人公のクールな女性刑事と、男尊女卑で警察は男社会という伝統を引きずる中年の男性刑事とがペアを組み、事件の解決に向けて奔走します。

その二人の掛け合いと、徐々に互いのバックボーンなどを知るようになり打ち解けていくところが面白いところですが、それはこういう小説では予定調和です。

その後のシリーズは読んでいませんが、「もう嫌」と言っていたこの凸凹コンビが再びタッグを組んで活躍する話しもあるそうです。

著者の作品は過去にいくつか読んでいますが、警察小説は初めてで、どちらかというと、か弱い女性主人公が苦労しながら成長していくというストーリーが多いと思っていました。

しかし、こうしたクールで1200ccのバイクにまたがり颯爽と走るカッコイイ女性主人公の作品で大きな賞を取っていたというのは意外でした。ま、苦労しながら成長という点では共通しているのかも知れませんが。

★★☆

著者別読書感想(乃南アサ)

            

脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法(文春新書) 新井平伊

著者は精神科医で、主に老年精神科医、認知症の専門家です。この著書は2020年に発刊された新書で比較的最新データが使われ、かつ素人にもわかりやすいことばで、認知症予防について書かれています。

認知症患者は、現在およそ600万人で、20年後には800万人を超えると予想されています。

高齢者の数が増えていくことと、寿命が延びていることが大きな要因ですが、それ以外にも生活習慣病などの増加もそれに拍車をかけていることになります。

そうした認知症に罹らないために、現在わかっている範囲で、できること、すぐ対処するべきこと、その方法などがまとめられています。

サブタイトルにある18の方法ですが、そのうちのいくつかを紹介すると、

・糖尿病は最大の敵、真っ先に治す
・歯周病は認知症を促進するので治療する
・社会的孤立をしないよう周囲が気を配る
・脳トレよりも麻雀、トランプなど対人ゲームが良
・飲酒はタバコよりも脳に害

など。

その他にも有酸素運動の推奨や、睡眠の質、血圧、コレステロール値、中性脂肪などに注意を促しています。

一般的に健康増進活動に準じていますが、ちょっと変わっているのは、アルコールの害、ひとりでおこなう脳トレの無意味さ、何事にも意欲をもって社会的孤立を避けデュアル、トリプルな行動、意識で脳を活性化するという点でしょうか。

ま、新書を出すと言うことは、著者が概ねなにかをPRしたいからというのは通例ですが、この場合は、著者が院長を務める認知症のクリニック、しかもそれが丸の内にあるというPRというか自慢が散りばめられていて、それがちょっと鼻につくぐらいで、あとはたいへん参考になった指南書でした。

★★☆

            

ありふれた祈り(ハヤカワ・ミステリ文庫) ウィリアム・ケント・クルーガー

原題は「Ordinary Grace」で、直訳すると「普通の思いやり」とか「普通の親切」といったところでしょうか。2013年にアメリカで刊行され、翻訳版が2014年に発刊されています。

著者の作品はこれが初めて読みますが、アメリカはミネソタ州に住む1950年生まれの作家さんで、元保安官が主人公の「コーク・オコナー・シリーズ」など多くのミステリー小説を書いています。

著者の書く作品の舞台の多くはミネソタ州が舞台ということですが、このシリーズ外の長編ミステリー小説も舞台はミネソタ州の架空の街、ニューブレーメンが舞台となっています。

小説の雰囲気としては、トマス・H・クックの小説と大変よく似ています。著者名がなかったら間違えそうです。

つまりそういうことで、主人公の子供時代の古き時代のアメリカの田舎町で起きる事件や、日々の生活を大人になった主人公が淡々と語るといった内容です。

語り手の主人公が13歳の時は、ミネソタ州の田舎町に暮らし、父親はベトナム戦争に従軍したことがあり、帰還後は神父になっています。

母親は歌がうまく聖歌隊に参加し、兄弟には姉と弟がいます。また父親の戦友で部下だった独身男が、教会に住み込みで下働きをしています。

小説の舞台となるミネソタ州は、前田健太が所属しているMLBのミネソタツインズ以外、日本人にはあまり馴染みがなくよく知りませんでしたが、ネイティブアメリカンが多く住む地域で、昔には差別や白人との摩擦があり反乱が起きた土地柄です。

子供時代の主人公の友人が事故か事件か自殺か不明な状況で亡くなり、その後にその同じ場所で旅人らしい身元不明の死体を発見します。

さらに姉が何者かに撲殺され川に捨てられるという事件までが起き、続けて起きたこの3件の死を中心に謎が暗澹と広がっていきます。

結構長い小説で、なんにでもすぐ首を突っ込みたがる子供(主人公)の行動が不自然だったり、あまりにも都合良くできていたり、中だるみも感じます。

また長い割には、友人の死の謎や、父親と戦友の関係や従軍時代のことなど、様々な謎が最後までわからないことなど、読み終わった後に消化不良を感じました。

★☆☆

            

倒立する塔の殺人(PHP文芸文庫) 皆川博子

執筆当時すでに70代だった著者が2007年に単行本を発刊、そして2011年に文庫化された長編ミステリー小説です。

時代は太平洋戦争末期の東京、比較的裕福な子女が通う女子高(女学院)が舞台ですが、アメリカによる東京空襲が激化し、人生で一番華やかな時期の日常が徐々に奪われていくのが哀れです。

変わった内容だけに、あらすじを書くのは難しく、要は、女生徒が日記風の小説と過去に学内で起きた事件の推理を白紙のノートに書いていき、それを次に回して次の人が続きを書くというような感じです。

って言ってもよくわからないでしょうけど。

出てくる女生徒が、上流階級のお嬢様ということもあるでしょうけど、音楽、美術、文学にいずれも造詣が深く、まるで美術品のキュレーターで人気女性作家の原田マハ氏の小説のように、様々な名画についてのうんちく話しが出てきます。

あれ?前に読んだ絵画がいっぱい出てくる「楽園のカンヴァス」って著者の作品だったっけ?とか、ピアノ曲がいっぱい出てくる「蜜蜂と遠雷」は恩田陸さんの著作だったよね?とちょっと混乱してしまいました。

しかし70代になっても若々しくみずみずしいティーンエージャーのやりとりを普通に表現できるというのは作家という枠を超えても著者自身が若々しいということなんでしょう。

ミステリーはミステリーなのですが、なにか事件の謎を誰かが見事に解決するというだけのものではなく、ますます深まる謎を提供して終わるということで、読後感はスッキリしたものではなりません。終戦直後の混乱した時代をまるで反映しているかのように。

★★☆

著者別読書感想(皆川博子)

【関連リンク】
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 5月前半 アンダスタンド・メイビー(上)(下)、戦国時代の大誤解、隻眼の少女、生きる
 4月後半 世界の中心で愛を叫んだけもの、溺レる、生きている理由、ミーナの行進


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生活保護申請・受給者は増えているのか? 2022/6/18(土)

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2020年から続く新型コロナウイルスによる経済的なダメージは、大きな利益を出している多くの大手企業ではなく、日々の仕事で資金繰りをやりくりしている零細企業や、仕事が安定しないパートや非正規社員、そして健康に不安がある高齢者を直撃しています。

さらにロシアのウクライナ侵攻による燃料価格や、多くの食料品、生活用品などが高騰する影響はこれから出てくるでしょう。

つまり給料は増えないのに商品やサービスの価格が上昇するとモノが売れなくなります。モノが売れないと雇用状態は悪化し、従業員、特にパートやアルバイトなど非正規社員は減らされ、生産性が高いとは言えない高齢者は仕事を失うことになります。

雇用環境や健康状態の悪化等で失業した時の最後のセーフティーネットとしてあるのが生活保護制度で、経済不況と失業者数、生活保護受給者数とはリンクしている場合が多いです。

そして最近の生活保護申請者の特徴としてよく言われている「高齢者の受給申請が多くなっている」は、単に高齢者数が増加しているからと言うだけでは済みそうにありません。

例えば、昭和時代なら親子関係、親戚関係など血縁者が高齢者を世話していたのが、少子化と核家族が当たり前になってからはそうした血縁者に高齢者の生活を見てもらうケースが減ってきました。

昔なら親の面倒を当たり前にみていた子供の方も、バブル崩壊以降30年間給料が上がらず、逆に非正規社員で生活が不安定だったりして、「頼ってもらっては困る」ということにもなります。

そのような中で、憲法で保障された最後の砦となる生活保護ですが、以前は申請してもなかなか受理してもらえず、水道代や電気代が払えず、それによって餓死したり熱中症で孤独死するという悲惨なことが繰り返されました。

最近は受給資格に以前ほど厳しくはなっていないのと、水道など命に直結するインフラは最後の最後まで停めないなど、犠牲者を出した反省が生かされています。

その生活保護受給について、各種データの概要を記しておきます。

データ出典は厚生労働省の被保護者調査です。

まず、生活保護を受給している人数(被保護実人員)と被保護世帯数の1990年から2021年までの推移です。1世帯に親と子供の3人がいれば、世帯数は1ですが、受給者数は3人です。

生活保護を受給している人数と被保護世帯数推移グラフ

1990年頃の100万人台から徐々に増加し、2011年からはずっと2倍以上の200万人台で推移しています。

最近は高齢者の独居が増えているためか、受給者数はやや減少していますが、世帯数は横ばいで、受給者数と世帯数の割合が1990年は1.63人/世帯だったのが2021年には1.24人/世帯と受給者数と世帯数が近づいています。

 ◇   ◇   ◇

次に、生活保護の申請件数推移、受理された保護開始世帯数、申請受理比率、保護廃止世帯数は下記の表の通りです。これはその年度中に新たに生活保護を申請された件数、その中で受理した件数、その割合、生活保護の受給が終わった世帯です。

コロナが表面化した2020年には申請数が増えていますが、逆に受理比率は下がっています。上記に「最近は受給資格がそれほど厳しくない」と書きましたが、受理比率を見る限りはまた最近は厳しくなっているのかも知れません。

(世帯数)  申請件数  保護開始世帯数 申請受理比率 保護廃止世帯数
2016年度 19,603 17,686 90.2% 17,138
2017年度 18,868 17,004 90.1% 17,114
2018年度 18,698 16,713 89.4% 16,880
2019年度 18,587 16,564 89.1% 16,753
2020年度 19,009 16,906 88.9% 16,399

新たな申請数と受給が終わった(保護廃止)世帯数とがほぼ同数に近いのは偶然なのでしょうか?

なにか「新たな受給者を増やすときは廃止も増やす」と言った作為的なバランス調整がおこなわれているような感じがこの表からは感じられます。トータルがゼロとなるゼロサム理論は経済理論だけにして欲しいものです。

 ◇   ◇   ◇

生活保護が受理された開始の理由は下記の通りです。

生活保護が受理された開始の理由推移グラフ

目立つのは、「傷病による理由(黄緑)」は年々下がり続けているのと、2020年に限って見ると、「働きによる収入減少・喪失(緑)」「貯金の減少・喪失(青)」が増えています。後者についてはコロナ禍の影響と思われます。

 ◇   ◇   ◇

生活保護世帯の内訳(どういう構成の世帯か)をコロナ前の2016年とコロナ禍に入った2020年を比較してみます。

生活保護世帯の内訳

やはり2020年は高齢世帯が増えていることがわかります。高齢者世帯の増加と上記の開始理由の「働きによる・・」「貯金の・・」がそれに関係しているのでしょう。

ザクッと見てきましたが、まとめると生活保護受給者は30年前から倍増していて、その受給者の過半数が貯金が尽き、働きたくとも働けない独居の高齢者世帯が増えています。

そして160万世帯の生活保護世帯のうち、毎年1万7千世帯(1.1%)が入れ替わっているが、逆に言えば生活保護受給者の99%は制度が変わらない限り今後もおそらくずっと受給し続けることになるだろうとも言えます。

そう考えると、生活保護制度は、セーフティーネットというよりは、年金が少ない人や医療費が嵩む人、病気等で働けない人など一部の人に適用するベーシックインカムに近いものとも考えられます。

今後、この生活保護制度が改正されることも考えられますが、年金制度とともにどうあれば正解なのかは難しい今後の政治的な課題です。

【関連リンク】
1224 生活保護を受ける壁のこと
970 生活保護世帯の増加は高齢者増加だけが原因なのか?
510 生活保護受給者200万人時代


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BMWミニの勢いとVWゴルフの落日 2022/6/25(土)

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日本は世界の中でも特異な国産車大国で、これは戦後に日本産業、特に工業振興のために輸入車を制限して国産化を優遇してきた結果です。

戦後から1993年頃まで輸入外国乗用車の割合は、国内で販売された全乗用車の中で5%にも達していませんでした。

その理由には国の税制など様々な外国車輸入規制もありましたが、燃費の悪さ、左ハンドルの使いにくさ、修理や部品代などメンテナンス代の高さ、狭い日本での使い勝手の悪さ、販売店の少なさなど、外国車に対するあこがれはあるものの、実用性としては良くなかったことがあるでしょう。

1990年代半ば頃より、大幅な円高の影響があり、外国車の値段が下がったためにやや上昇し始めますが、それでも外国車の割合が10%を超えるのは2015年頃までかかります。

参考までに同じく自動車大国のドイツの場合、ドイツ国産車の割合は2019年で約60%です。残り40%が外国車で、日本車も約9%を占めています。

そうした外国車にとって売りにくい日本で、長い間外国車モデル別販売ナンバー1を続けていたのがフォルクスワーゲンゴルフで、モデル別の統計データのある1988年以降28年間ずっと1位を維持してきました。

自動車の場合、普通はモデルチェンジしたあとはよく売れますが、その後は下がっていき、大きく順位を落とすのが普通です。

しかしこのゴルフは、この1988年から2016年までの間に5回のフルモデルチェンジをおこなっていながら、そのモデル末期でも常にトップを維持し続けてきたというのは驚きしかありません。

フォルクスワーゲンゴルフ

ちょっと旧聞になりますが、その絶対的な王者と思っていたフォルクスワーゲンゴルフですが、6年前の2016年にBMW ミニ(以下MINI)に外国車登録数で1位の座を初めて明け渡していました。

しかも一時のことではなく、2016年から2021年まで6年連続してトップの座を維持し続けています。

BMW MINI

フォルクスワーゲンゴルフとBMW MINIの販売台数推移は下記の通りです。

フォルクスワーゲンゴルフとBMW MINIの販売台数推移グラフ

これを見ると、ゴルフ(青)は2015年以降急速に台数を減らしています。2020年はコロナの影響もあってか前年の半分以下です。ちょうどモデル末期の時期と重なった不幸もあったのでしょう。

MINIも2019年以降減らしていますが、ゴルフはなにか自滅っぽい感じがします。実際には他の車種(ポロやT-Crossなど)へ顧客が分散してしまったということなのでしょうけど、それにしても過去の輸入車最強ぶりは微塵も感じられません。

MINIは元々1959年設立の英国のメーカーブリティッシュ・モーター・コーポレーションのクルマでしたが、2000年にBMWに救済される形でグループ入りし、2001年からはBMWミニという新たなブランドの元で販売されるようになりました。

日本においてもMINIの販売に力を入れるため、高級車のイメージが強いBMWディーラーがついでに売るのではなく、MINIだけの専門ディーラーを次々と開設していく戦略が当たったようです。

小型車ヤリスを売る店と高級車レクサスを売る店を分けているトヨタの戦略と同じですね。セカンドカーやサードカーならともかく、当然購入者層がまるで違います。

今年2022年は、その前年の2021年6月に、9年ぶりにゴルフの新型を国内で販売開始していますので、さてどうなるでしょうか。

外国メーカー車モデル別新車登録台数の1位〜5位を2003年から2021年まで書いておきます。

輸入車TOP5 1位 2位 3位 4位 5位
2021年度 ブランド BMWミニ VW BMW ボルボ VW
モデル ミニ ゴルフ 3シリーズ 60シリーズ T-Roc
台数 17,849 8,947 7,849 7,413 7,240
2020年度 ブランド BMWミニ M.Benz VW BMW ボルボ
モデル ミニ Aクラス T-Cross 3シリーズ 60シリーズ
台数 20,837 8,723 8,641 8,194 7,376
2019年度 ブランド BMWミニ VW M.Benz M.Benz BMW
モデル ミニ ゴルフ Cクラス Aクラス 3シリーズ
台数 22,255 18,416 13,438 12,946 10,720
2018年度 ブランド BMWミニ VW M.Benz VW M.Benz
モデル ミニ ゴルフ Cクラス ポロ Eクラス
台数 25,793 19,660 19,215 12,158 9,524
2017年度 ブランド BMWミニ VW M.Benz M.Benz BMW
モデル ミニ ゴルフ Cクラス Eクラス 3シリーズ
台数 25,566 22,968 16,615 13,209 10,840
2016年度 ブランド BMWミニ VW M.Benz BMW VW
モデル ミニ ゴルフ Cクラス 3シリーズ ポロ
台数 24,917 22,372 18,043 11,647 11,570
2015年度 ブランド VW BMWミニ M.Benz BMW VW
モデル ゴルフ ミニ Cクラス 3シリーズ ポロ
台数 24,085 21,640 18,408 11,811 10,823
2014年度 ブランド VW M.Benz BMWミニ VW BMW
モデル ゴルフ Cクラス ミニ ポロ 3シリーズ
台数 27,812 19,465 18,831 14,547 13,533
2013年度 ブランド VW BMW BMWミニ M.Benz M.Benz
モデル ゴルフ 3シリーズ ミニ Aクラス Cクラス
台数 30,974 20,742 17,163 14,595 11,864
2012年度 ブランド VW BMWミニ M.Benz BMW VW
モデル ゴルフ ミニ Cクラス 3シリーズ ポロ
台数 19,464 15,903 14,408 13,134 12,275
2011年度 ブランド VW VW BMWミニ M.Benz BMW
モデル ゴルフ ポロ ミニ Cクラス 5シリーズ
台数 26,125 18,254 16,027 14,115 9,045
2010年度 ブランド VW VW BMWミニ BMW M.Benz
モデル ゴルフ ポロ ミニ 3シリーズ Eクラス
台数 25,151 14,524 11,513 10,834 10,195
2009年度 ブランド VW BMW BMWミニ M.Benz M.Benz
モデル ゴルフ 3シリーズ ミニ Eクラス Cクラス
台数 24,302 13,731 10,920 9,374 8,846
2008年度 ブランド VW BMW M.Benz BMWミニ VW
モデル ゴルフ 3シリーズ Cクラス ミニ ポロ
台数 21,575 16,050 13,814 12,197 8,133
2007年度 ブランド VW BMW BMWミニ M.Benz VW
モデル ゴルフ 3シリーズ ミニ Cクラス ポロ
台数 25,783 22,785 14,015 13,918 11,226
2006年度 ブランド VW BMW BMWミニ VW M.Benz
モデル ゴルフ 3シリーズ ミニ ポロ Eクラス
台数 23,237 22,823 13,073 12,258 10,346
2005年度 ブランド VW BMW BMWミニ VW M.Benz
モデル ゴルフ 3シリーズ ミニ ポロ Cクラス
台数 27,400 18,701 13,602 11,452 10,112
2004年度 ブランド VW BMW M.Benz BMWミニ VW
モデル ゴルフ 3シリーズ Eクラス ミニ ポロ
台数 26,218 17,589 13,187 13,042 11,990
2003年度 ブランド VW BMW VW BMWミニ M.Benz
モデル ゴルフ 3シリーズ ポロ ミニ Eクラス
台数 21,162 21,009 13,825 12,535 12,423

メーカー別(ブランド別)で見ると、フォルクスワーゲンの場合はゴルフ以外にポロやT-Rocなど、同じくメルセデスベンツも複数のモデルが上位に入っています。

したがってメーカー別の外国車販売台数ランキングでは、2021年の1位はメルセデスベンツで5万551台、2位※がフォルクスワーゲンで3万5,011台で、BMWミニは5位1万7,851台でまだ上位のメーカーとは大きな差があります。
※日本の自動車メーカーの海外輸入車を含めると日産が2位(38,344台)

外国乗用車のブランド(メーカー)別総数でも、ずっと長くフォルクスワーゲンが首位でしたが、こちらも2016年からメルセデスベンツに首位を明け渡しています。どうしたVW?って感じです。

こうして見ると、戦後まもなくから外国車、特にフォルクスワーゲンゴルフを輸入販売し、苦労して市場を開拓、拡大してきたヤナセから、1992年にフォルクスワーゲンの日本法人へ移って今年で30年。なにか行き詰まってしまった感があります。おそらく有能な経営者がいないのでしょう。

それにしても、最近出掛けるとMINIをよく見かけるようになりました。この話題を書いたのも、「これだけよく見かけるMINIはどれほど売れているの?」というのがきっかけです。

1970年代から2000年代まで、フォルクスワーゲンゴルフは初代モデルからずっと世界中の自動車メーカーから、小型車(B・Cセグメント)の比較対象、ベンチマークで、常に追いつき追い越せとターゲットにされてきました。

しかしこれからは、ゴルフではなくミニやベンツAクラスが世界の小型車のベンチマークとなる日も近いかも知れません。

【関連リンク】
1617 2021年の車種名別販売ランキングとEV化
1614 自動車整備士に未来はあるか?
1524 2020年自動車(メーカー別、ブランド別、輸入車)販売台数
1233 運転免許証取得者は意外にも増えている

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