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リストラ日記アーカイブ 2016年10月

読みやすいようにアーカイブは昇順(上から古いもの順)に並べ替えました。上から下へお読みください。

日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです

1061 癌は老化現象のひとつという考え 2016/10/1(土)
1062 しつこいカビを退治せよ! 2016/10/5(水)
1063 個人ポータル「Feed Watcher」 2016/10/8(土)
1064 10月前半の読書と感想、書評 2016/10/12(水)
1065 在留外国人数の推移 2016/10/15(土)
1066 好調に増加する道の駅 2016/10/19(水)
1067 平均給与は下がり、税金や社会保障費の負担は増え続ける現実 2016/10/22(土)
1068 個人事業主の中でもフリーランスとしての働き方 2016/10/26(水)
1069 世帯数や住宅総数は増えていき、空き家も増える 2016/10/29(土)




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癌は老化現象のひとつという考え 2016/10/1(土)

1061
最近、癌で亡くなる著名人や、癌に罹ってそれを公表する芸能人などを数多く見かけるようになりました。気のせいかもしれませんが。

すわっ!福島の原発事故の影響か!?っていうのは短絡過ぎますが、そうした大きな事故と並行して超高齢化社会へと突入していった社会情勢というのが実際のところでしょう。

また「癌は治らない」という過去の常識から、「癌は早期発見で治る」という医療技術や予防医学の進歩により、以前より気軽に癌に罹ったことを有名人が公表するケースが増えてきたことで、よく耳にするのだと思われます。

それはそうと、先進国では癌による死亡者は減っているというのに、日本は増えているという話しがあります。事実だとすれば問題です。

下記グラフは、「国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター」のデータを利用し加工しています。

癌の罹患者数と死亡者数推移


確かに日本では罹患者数も死亡者数も増え続けています。

欧米ではどんどん減っているのに なぜ、日本人ばかりが「がん」で死ぬのか(「週刊現代」2014年9月13日号)

2年前のちょっと古い記事ですが、状況はその後大きくは変わっていないでしょう。

要点は、癌の治療では世界でもトップクラスと言われていながら、欧米では減ってきている癌による死亡者数が日本では増えていると言うことです。

その理由として記事では、
(1)高齢者が多いので罹患者数が多く、さらに体力などが弱っていて死亡率も高い。
(2)食生活の変化。
(3)早期発見のための検診受診率が低い。
(4)医者が放射線治療ではなく、外科手術を選択する。
などが書かれています。

(1)ですが、下の年齢層別の癌による死亡者数推移をみると、確かに70歳以上の高齢者の割合が圧倒的で、しかも79歳以下に限定するとここ数年は死亡者数が減っています。つまり癌で死亡するのは80歳以上の高齢者が全体の約4割を占めていて、その数が急速に増えていることからと言えます。

年齢層別癌死亡者数推移


これだけを見ると、癌は老化現象のひとつと言ってもよさそうです。若くて早期発見なら治る可能性も高く、検診による早期発見が重要だと言うことがよくわかります。

(2)の食生活の変化とともに心配なのが、事実はどうか不明な部分もありますが、発ガン性物質が含まれる食品や加工品の輸入や販売は、他の先進国では日本よりずっと厳しいと言われています。

それらが日本人の発ガン率にどの程度影響しているかは正確なデータがないので不明ですが、体内にずっと堆積していくだけに長期的に見ると不気味です。

(3)は欧米と比べ癌の検診率が低く、早期発見ができずに死亡につながりやすいということですが、下記のグラフを見ると、罹患者数は2003年頃から急速に増えているのに、死亡者数はやや増えているに留まっています。

死亡者数を罹患者数で割った死亡率は下がってきています。これはガン検診等で治る見込みがある癌が早期発見され、罹患者数は大きく増え、また死亡者数も増えてはいるものの、罹患者数よりは増え方が少ないので、死亡率は下がっていっているということでしょう。ようやく少しずつ早期発見の検診が普及し始めてきたという感じです。

癌の罹患者数と死亡者数、死亡率推移


(4)は日本の医療制度や医学界の方向性に問題が生じている可能性があります。つまり安く通院しながら可能なコンビニエンス的な治療の放射線治療より、高く入院が必要な巨大なデパート的な外科手術を選択したがる日本の癌治療事情というものがあるようです。これは医療制度だけでなく、患者側の責任もあるかも知れません。

特に高齢者に限って言えば、手術に耐える相当な体力が必要で、リハビリにも時間がかかる外科手術よりは、入院する必要もない放射線治療を選ぶ方がいいように思いますが、医者に「切りましょう」と言われると、なかなかその選択は選びにくいのでしょう。

それらの結果、日本において癌による死亡者数は、他の先進国とは逆を行き、少なくとも団塊世代の多くが亡くなる2030年頃まで続くと予想されています。

癌死亡者数将来推計


個人的には、老年になってやがて死ぬときは、癌に罹って余命1年とか半年とか宣告されて死んでいくのが一番いいかなと思っています。

癌治療にはお金がかかるとかは横に置いておき、自分の余命がある程度わかるというのは、一見無慈悲そうですが、長く寝たきりの療養生活になったり、準備もできないままある日突然召されてしまうよりかはいいのではないでしょうか。

癌の場合、末期でも寝たきりにならず(癌で寝たきりになるのは、高齢にかかわらず大きな手術をした時などが多い)、家族と旅行したり、好きなスポーツを楽しんだりということが可能な場合が多く、何年も寝たきりで介護の世話になることを考えると、周囲にあまり迷惑もかけずにいいのではないかと思うからです。

最近でこそ、「癌は切らずに治そう」という医者も増えてきていますが、切るか切らないかは、患者の体力や年齢などによるのではないでしょうか。80歳を超えて、癌だから当たり前のように外科手術をしてというのは、考えるべきではないでしょうか。

いずれにしても医者の判断や意見を無視できる患者や家族は多くはないので、今後の医療改革に頼るところが大きいでしょう。


【関連リンク】
1049 変形性股関節症の人工股関節置換手術まとめ
1013 5年生存率と余命宣告
1005 泉質による温泉健康法
738 日本人の年齢別死因は


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しつこいカビを退治せよ! 2016/10/5(水)

1062
以前、NHKの「ガッテン」で、「カビ退治!ついに終結宣言」というのをやっていて、それマジ?って半分ぐらい疑いながら実際にやってみたところ、絶大なる効果が得られたので、テレビを見ていなかった人に紹介を。

うちでもご多分に漏れず、カビキラーなど過剰演出とも思えるようなテレビCMで、こびりついたカビが驚くほど綺麗に落ちるシーンを見せつけられて、ついついそれを買って使ってみては後悔を繰り返してきましたが、そんな高価なクリーナーなど買わなくても見事に解決することができました。

その「ガッテン」の紹介はこれ。

カビ退治!ついに終結宣言
【カビを根こそぎ退治!】 50度のお湯を90秒間かける
【カビを予防!】 1週間に1回、50度のお湯を5秒間かける

その番組では11年前にアメリカルイジアナ州で巨大ハリケーン「カトリーナ」が襲ったあと、水浸しになった部屋の壁中にカビが大発生しました。そこでアメリカのベンチャー企業が立ち上がり、拭いてもとれないしつこいカビをある方法で撃退します。

その方法とは、65度の熱風をカビに直接あててカビをすべて死滅させるという方法でした。テレビで出ていたのは映画ゴーストバスターズに出てくる心霊捕獲装置「プロトンパックレーザー」と似た、背中に背負った装置を使っていました。

研究した結果、通常のカビなら50度で5秒間あてるだけで死滅するらしく、熱風でもお湯でも可能。したがって浴室ならば、シャワーのお湯の温度を50度以上に上げて、それをかければOKです。

ただしゴムのパッキンや木部に生えたカビは、奥深くまで根を張っているので、その場合は、奥まで50度以上の高温が届くまでに90秒ぐらいお湯をかけ続ける必要があるそうです。1分半と言えば結構長いですね。

さて、我が家のお風呂は2年半前にユニットバスにリフォームしましたが、北向きの部屋で風通りも悪いことから、困ったことにすでに部屋の隅々には黒っっぽいカビが生えています。

浴室のユニットバス化リフォーム工事完了

そこで給湯リモコンを操作してみると60度まで上がることがわかり、さっそく黴退治をやってみることに。リモコンで最高温度60度に切り替えても、シャワーの根本についている温度調整レバーを最高温にしておかないと熱湯が出てこないので注意が必要です。しばらくそれに気がつかずぬるいままでやってました。60度の温水と言えば熱くて、数秒間手にかかると火傷するぐらいの温度です。

最初はシャワーを素手で持っていましたが、金属部がかなり熱くなり持てなくなりますので、持つところにタオルを巻いて作業しました。

カビが生えている周辺を中心に30秒から1分ほどかけ続けます。特にひどいところは2分ぐらい熱湯をかけ続けます。

すると黒くなっていたカビの一部ははがれ落ちてきました。そしてそれ以上繁殖することがなくなりました。

黒いカビを落とすのにゴシゴシこすってはダメということでしたので、そのまま放置しておきましたが、その後お湯や水をかけると少しずつ死滅したカビがはがれ落ちてきます。でも元通りのピカピカにはならないので、それはまた別の方法が必要です。

一度は死滅した黴も、湿気の多い場所では10日間ほどでまた新しいカビが発生するそうで、1週間に1回程度は熱湯をかけておく必要があります。根っこをやっつけておけば、次からは軽く10秒程度熱湯をかけるだけで新しい黴は退治ができるようです。

我が家では面倒なので2〜3週間に1回ぐらい熱湯退治をやってますが、それでももうカビが大きな顔してはびこるようなことはなくなりました。

カビ取り洗浄剤など使わなくても温水や温風でカビ退治ができてしまうと言う、巨額の広告費を支払ってくれる洗剤やクリーナーの巨大メーカーを敵に回しかねない内容ですから、とても民放では放送ができないでしょう。

受信料と税金で成り立っているNHKだからこその内容でしたが、こうした企業を敵に回すような番組や生活の知恵をもっとやってもらいたいものです。

そう言えば9月末までNHKの朝ドラで放送されていた「とと姉ちゃん」に出てくる雑誌のモデル「暮らしの手帖」は広告を取らず、スポンサーの影響を排除して公平な試験をおこなうというのがウリでしたね。

番組では特に紹介されていませんでしたが、押し入れの中など、温水が使えない場所なら、ヘアードライヤーを温風にしてカビにあててもいいかなと思いました。1500ワットのドライヤーなら、出口周辺の温度は確実に50度以上ありそうです。

火事には気をつけながら、できるだけ熱い温風をカビに集中的にあてれば数秒で死滅しそうです。ただし温風の風で黴菌が飛び散ってしまい周囲に拡げてしまうということにならないよう、周囲には古新聞紙などを敷き詰めて作業後はすぐに捨てるなど工夫は必要かも知れません。


【関連リンク】
940 節電が定着してきた
810 高齢者向けビジネス(第1部 居住編)
788 浴室のユニットバス化リフォーム工事完了
675 我が家のテレビ視聴環境改善 工事編
670 我が家のテレビ視聴環境改善 準備編その1
508 洗面化粧台をDIYで交換 その2工事編


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個人ポータル「Feed Watcher」 2016/10/8(土)

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様々なネットの情報を集約して自分が見やすいように加工できた個人向けのポータルMy Yahoo!が9月29日をもって終了してしまいました。

My Yahoo!を使うまでは同様なサービスのiGoogleを利用していましたが、2013年11月1日で終了となり、仕方なくMy Yahoo!へ移ってきました。こちらもとうとうサービス終了となり、まるで流浪の旅人です。

無料で使えるネットサービスの場合、儲からないと判断されると、どれだけ利用者が多くてもすぐに閉鎖されるケースが多く、これらもそういうことだったのでしょう。

どうしてiGoogleやMy Yahoo!を使っていたのか?って聞かれると、PCを起動し、ブラウザを立ち上げると、第一に自分が必要とする情報やニュース、サービスがコンパクトに一覧で並んでいると便利だからです。それだけです。

個人的には、どういう情報が必要かと言えば、

1)信頼が置ける複数のニュース一覧
2)趣味のスポーツニュース一覧
3)個人カレンダー(スケジューラー)
4)地元の天気予報
5)自分のブログ(単にコメント確認とリンクを利用)
6)定期巡回している人のブログ更新情報
7)保有している株の株価
8)路線探索

などで、それらの情報が、最初の1ページにすべて集約されますので、とても便利に使えました。

さらにMy Yahoo!では、ヤフオクの状況(入札状況やウオッチリストなど)もその同じ画面に表示ができて重宝していました。

My Yahoo!が終了するとの告知がでた時、それに代わるサービスを探していましたが、次の2つが候補としてあがりました。

NetVibes(ネットバイブズ)
iChrome

両方とも少し使ってみましたが、どうも自分の考えているイメージと違って違和感があり、そのまましばらく放置していましたが、My Yahoo!終了3日前になり、いよいよこの先困ったことになるぞと思い、他の人はどうしているのだろう?とTwitterで調べてみると「Feed Watcher」というサービスがあり、その評判もまずまず良さそうと知り、さっそく試してみました。



サービスを提供してくれるのは今までのようにGoogleやYahoo!のような外資系大手企業ではなく、カレット株式会社という練馬にある小さな?スマホアプリ制作会社。

驚くべきことで、これが良いのです。

あとでこういう記事があがっているのも知りました。

国産RSSリーダー「Feed Watcher」登場 「My Yahoo!・iGoogleをこよなく愛するユーザー向け」(ITmedia)

なにが良いかと言うと、

1)新たにメールや個人情報を登録する必要もなく無料ですぐに使える
2)RSSリーダーが使えるサービスなら簡単な操作で組み込むことができ、表示位置も自由に設定できる
3)今まで使っていたヤフオクの情報、天気予報など他社のサービスも組み込める
4)うざい広告がいっぱい出ることもなく(右上に四角いレクタングル広告は表示されます)、今のところシンプル
5)Twitterなどで追加機能などの要望などが気軽にできる

今後広告が増えたり、個人情報を収集されたり、一部のサービスが有料となったりする可能性がないとは言えませんが、今のところは快適です。あとは運営母体が小さな会社ですので、サービスの永続性や品質維持がどこまでできるのかなど不安なところもあります。

しかし今のところユーザーの要望をできるだけ取り入れて、様々な改修や追加機能が日々行われていて、これからもっと洗練されていくことが期待できます。

個人的には、デフォルトで設定されているRSS以外に、

NHKニュース http://www3.nhk.or.jp/rss/news/cat0.xml
NHKスポーツ http://www3.nhk.or.jp/rss/news/cat7.xml
スポーツナビ http://sports.yahoo.co.jp/rss/pickup_game/pc
SankeiBIZ http://www.sankeibiz.jp/rss/news/flash.xml
J-Castニュース http://rss.rssad.jp/rss/h/jcast/index.xml
Yahoo!天気予報(地域を選択) http://www.weathermap.co.jp/hitokuchi_rss/
Yahoo!オークション(yahoo!ID必要) http://special.auctions.yahoo.co.jp/html/rssconverter/guide.html
レスポンス http://response.jp/rss/index.rdf

などを新たに追加しました。

昨日は路線探索機能も追加されましたので、あとはカレンダー(スケジューラー)と株価情報が必要です。そのうちきっとなんとかしてくれると期待しています。


【関連リンク】
1050 PCデポ炎上
776 Wikipediaの成長はいつまで続くのか
755 電子書籍を普及させるには
855 日本語変換システムATOKへの讃辞
622 iGoogleがサービス終了とのことで困った
561 WEBブラウザの変遷と栄枯盛衰


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10月前半の読書と感想、書評 2016/10/12(水)

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だいこん (光文社文庫) 山本一力

2002年に「あかね空」で直木賞を受賞した時代物が多い作家さんですが、本書は2005年に単行本として、2008年に文庫本が出ています。

それにしても「あかね空」はホントいい作品でした。2006年公開の映画もテレビで見ましたが原作に忠実でこちらもなかなかいい出来でした。その後、終戦後の東京を舞台とした自伝的要素がある「ワシントンハイツの旋風」も読んでいます。

2012年1月後半の読書「あかね空」

2012年に読んだ本のベストを発表「大賞・あかね空」

2013年2月前半の読書「ワシントンハイツの旋風」


タイトルは主人公の若い女性が浅草で始めた一膳飯屋の屋号のことで、その主人公の活躍と奮闘を描いた庶民派人情時代小説です。同じく主人公が江戸で豆腐屋を始めた「あかね空」とも通じるところがあります。

主人公は三人姉妹の長女で、ちょうど9月末まで放送されていた「とと姉ちゃん」のやはり三人姉妹の長女常子が思い浮かびます。

長女が主人公で、二人の妹には早く嫁にいって幸せになってもらいたいといったところや、自分が始めた事業に誇りを持って、周囲を巻き込みながらも成功を収めていくというところがよく似ています。

同じ三人姉妹の物語でも山崎豊子著「女系家族」は長女は出戻りで意地悪、次女は既婚で他家に嫁に出た後も実家の財産を狙っているというやっかいな話しもありますが、いずれにしても小説または映画やドラマにするにしても、華やかな感じがあってモデルとしてはいいのでしょう。

残念ながら「あかね空」のような最後のどんでん返しのようなものはなく、江戸の庶民生活が淡々と描かれ、そこに大川の水害や、目黒で出火して日本橋まで焼き尽くした明和の大火、田沼老中の晩年など、実際起きた時代背景がでてきます。

★★☆


         

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫) 京極夏彦

 
著者の作品では6年ほど前に1994年刊の長編小説デビュー作品「姑獲鳥の夏」(うぶめのなつ)を読みましたが、その独特の妖しい世界観に衝撃を受けたのを記憶しています。

実はこの「姑獲鳥の夏」は発刊されて2年後の1996年に購入したものの、少し読み始めてあまりの暗さと難解なストーリーで途中で断念してしまい、4年間ほどほこりをかぶって積読状態でした。

この「魍魎の匣」(もうりょうのはこ)は、デビューの翌年の1995年刊で、前作と内容は異なりますが、登場人物などは共通で続編的な内容(シリーズ)となっています。

あらためて覚悟を決めて数年後に全部読みましたが、慣れるとこの濃さが快楽となってくるので面白いものです。スープがドロリとしたこってりラーメンがクセになって時々無性に食べたくなるのと似ています。

戦後間もない時期で東京にある古本屋の京極堂を舞台にして謎解きをおこなうシリーズはその後も不定期で続き、現在のところ2012年刊の「定本 百鬼夜行 陽」まで14作品まで続いています

また実相寺昭雄監督、堤真一主演で「姑獲鳥の夏」の映画化に続き、この「魍魎の匣」も2007年に原田眞人監督、堤真一主演で映画化されていています。見たいような見たくないような、、、

主人公は語り部であり小説家の関口。謎を解くのは友人で京極堂という古本屋を営む陰陽師でもある中禅寺秋彦。その他レギュラー陣として霊感を持つ探偵榎木津礼二郎、刑事の木場修太郎と青木文蔵など。

とにかく長い小説で、文庫では1冊にまとめられており、本編だけで1,040ページを越えます。通常の文庫本1冊が300ページぐらいですから、ざっと3冊分の長さです。

事件はバラバラ死体事件、怪しげな宗教、引退した元女優の家族の女子高生が自殺したりと、様々な事件が同時進行で起こり、やがてはそれらがひとつに結びついていくという常道ミステリー。

ただし中身は前作同様かなりショッキングでグロなところがあり、恐がりと心臓の弱い人は夜に一人っきりでは読まない方がいいのかも。

犯人や事件のバックグラウンドは最後の最後まで謎が続き、イライラするぐらいなかなか明かされることがありません。ジックリと上質?なミステリーを楽しみたければお勧めですが、とんでもなく焦らされるので短気な人にはお勧めしません。

★★☆

         

犯罪 (創元推理文庫) フェルディナント・フォン・シーラッハ

2012年本屋大賞「翻訳小説部門」の第1位に輝いた作品で、著者はドイツの刑事事件専門の現役弁護士です。

「フェーナー氏」「タナタ氏の茶碗」「チェロ」「ハリネズミ」「幸運」「サマータイム」「正当防衛」「緑」「棘」「愛情」「エチオピアの男」の11編の連作短編小説です。

著者が働く弁護士事務所で扱った事件を元にして書かれていて、中にはかなり不思議で不自然な話しもありますが、当然ながら弁護士という立場上、被害者や加害者の個人情報を守るために、小説では大きく脚色をしているのでしょう。

「タナタ氏の茶碗」では、ある日本人ビジネスマンの屋敷が空き巣に遭い、金庫の中にあった現金と小さな陶器の茶碗が盗まれます。タナタ氏にとって盗まれた茶碗はとても重要なのもので、もし故買屋などに出てきた場合は最高額で買い取ることを約束します。

蛇の道は蛇で、それを知った悪党の親玉は故買屋を通じてその茶碗を盗んで持ち込んだチンピラを調べ上げ、タナタ氏の秘書に買い取りを要求します。するとその悪党は拷問の末に殺され、故買屋も同様に襲われます。それを知っ実行犯のチンピラは震え上がり、弁護士を通じてその茶碗を持ち主へ返却します。

そうした様々な犯罪をテーマにした話しが、関わった弁護士が語るという形態で続きます。

またドイツの警察や検察と弁護士のやりとりが、日本や映画などでよく知っているアメリカのそれとも多少違っていて、なかなか新鮮で面白く読めます、

★★★


【関連リンク】
 9月後半の読書 風の影(上)(下)、小説・秒速5センチメートル、名探偵に薔薇を
 9月前半の読書 20歳からの社会科、八甲田山死の彷徨、WORLD WAR Z〈上〉(下)、サマータイム
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 7月前半の読書 ビッグデータがビジネスを変える、鍵のかかった部屋、二十五の瞳 、クジラの彼
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 6月前半の読書 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活、深泥丘奇談、他人を攻撃せずにはいられない人、日の名残り


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在留外国人数の推移 2016/10/15(土)

1065
訪日外国人が急速に伸びているというのは日本経済にとって結構なことですが、観光など短期間の訪日だけでなく、中長期で日本に居留している外国人の数はどうなっているのか気になって調べてみました。

そうした中長期に居留している外国人の数を、法務省では「在留外国人数(中長期在留者数及び特別永住者数を合わせた数)」と呼んでいます。

在留外国人数合計は2015年6月末で217万人、前年より8万6千人増え、2011年と比べると12万5千人増えています。

しかし短期間の訪日外国人数は2011年比で3倍以上、317%という高い増加率からすると、中長期で日本に居留する外国人の数はたいして増加してなく、横ばいに近いように感じます。

在留外国人の中身を細かく見ていくと、その人数が多い種別(区分)から、
1)永住者
2)特別永住者
3)留学
4)技能実習
5)定住者
6)日本人の配偶者
の順番です。



一番多いのは「永住者」で、10年以上日本に滞在し、一定の条件がクリアできる外国人が法務大臣に申請して許可されるとその資格が得られます。日本に永住できるというだけで国籍は元の国のままです。

外国人の日本永住者は2015年現在69万人で、これは全在留外国人の中で32%にあたります。4年前2011年と比較すると約15%の増加となっています。

永住者の国籍別は、2015年末時点で中国(含む台湾)245,850人(30.8%)、ブラジル109,361人(20.0%)、フィリピン120,390人(16.6%)、韓国66,803人(10.1%)、ペルー33,549人(5.6%)、タイ18,831人(2.7%)、米国15,970人(2.3%)となっていてアジアと南米からがほとんどです。

1990年代から南米の日系人に対する在留資格が緩和された影響で、2007年は南米(ブラジル、ペルー、ボリビア、アルゼンチン、パラグアイ)の日系人だけで39万人に達していましたが、その後リーマンショックで国内の景気が低迷し、現在では15万人程度まで下がっています。

次に多いのが「特別永住者」で、これは戦後から続く在日朝鮮人・韓国人・台湾人とその子孫に与えられた制度です。国籍別では2015年末時点で韓国・朝鮮が344,744人と99%を占めます。

三番目に多い「留学」は、ぜひ今後も伸びてもらいたいと思いますが、2015年データで在留外国人全体に占める割合は10%程度で、2011年比では約20%伸びています。

少子化の影響で経営的に苦境がしばらく続きそうな大学や専門学校に、外国から裕福で優秀な若者がどんどんやってきてくれると救われるでしょうね。

そのためには学校側ももっと国際化をして、英語の授業、9月入学コース、日本語速成コース、留学生シェアハウスの運営、留学生のアルバイトや就業機会の支援など、規制緩和含めてやるべきことはいっぱいありそうです。

その次は最近なにかと問題が指摘されている「技能実習」という制度の下で在住している外国人で、2015年で18万人を超えています。

技能実習という名目で農業や漁業、建設現場、工場労働など、低賃金のため、日本人労働者が集められない仕事を外国人労働者に割り当てるため、苦心して作られたような制度で、技能実習とは名ばかりに思えてきます。

もちろん一部では本当に技能実習に力を注ぎ、技術を身につけ、自国に帰ってからその技能を役立てている人もいるでしょうけど、来る日も来る日も水産加工場で、魚のはらわたをとっている中国奥地からやってきた地方出身の娘さんの技能が、帰国後も役立つと思えないケースがいくらでもありそうです。

したがって技能実習という名目で日本に入り、その後職場から脱走して、もっと実入りの良い仕事に代わっていくという外国人が後を絶ちません。そうなると不法滞在ということになりますので、強制送還されるまでに稼ぐだけ稼ごうということになり、時には不法ビジネスや犯罪に手を染めることにつながります。

2014年のデータでは、技能実習生約17万名のうち、失踪したと思われる人の数は、約6千名で、全体の4%程度が行方不明となっているそうです。わずか4%と見るか、4%も!と見るかはそれぞれ違うと思いますが、個人的には制度自体に問題があり、再検討を要すると思っています。

5番目に多いのは「定住者」で、ちょっとややこしいのですが、上記の「永住者」は期限の定めがなく無期限で在留が許可された外国人で、「定住者」は半年、または1年間限定(更新することは可能)での居留資格をもつ外国人のことです。

この定住者はなぜか年々減っていて、2011年比では-10%となっていて、2015年現在約16万人となっています。やはり不景気と関係があるのでしょうか。

在留外国人の国籍別で見ると下記の表、グラフのようになります。


データ出典:法務省「平成27年6月末現在における在留外国人数について」

2015年現在では中国人が多くて3割を占めていますが、2007年からの増加はそれほどではありません。2位の韓国・朝鮮国籍者は大きく減ってきています。南米諸国の外国人も減り、ブラジルは2007年比で45%も減っています。

以前、自動車を始めとして生産現場が海外に移ることで産業の空洞化が叫ばれていましたが、産業が空洞化するとともに、そうしたところで働いていた外国人が減らされていったとも言えます。なにか南米の日系人を使い捨てにしたみたいで嫌な感じです。

あと、ここの数値に表れてきませんが、ヨーロッパで問題となっている外国人難民の受け入れについてです。

日本は難民受け入れはかなり消極的で、2014年に難民として受け入れた外国人は年間でわずか2560人という低レベルです。内戦が続くシリア難民など、多くの難民が逃れてきているドイツ、フランス、ロシアなどがそれぞれ年間20万人近く難民を受け入れているのにです。(データ出典:UNHCR Statistical Yearbook 2014)

今後日本の国際貢献ということから、こうした難民の受け入れも準備をしておく必要がありそうです。

ちょうど、日本には限界集落で廃村にするところがいくつもありますので、そうしたところを補修し、難民の人達に開放するとかできるのではないでしょうか?

せめてヨーロッパ各国並みとまではいかなくても、数万名レベルの受け入れを今後やっていかなければ、世界に貢献しているとは言えないのではないでしょうか?

お金がかかる?

政治家やゼネコン、相手政府高官の懐に消えるODAの資金を回すとか、アイデアを出すべきです。そして受け入れた難民もやがては生活のため働いてくれるでしょうから、やがてはそこから税収も生まれます。

税金は取れず、逆に介護だ医療だ生活保護だと税金を使うばかりの高齢者を、廃村間近の地方で養っていくよりは、ずっと将来性のある事業だと思います。


【関連リンク】
1057 訪日外国人客へのおもてなしアイデア
911 visa(査証)なしで何カ国へ渡れるのか
814 日本に外国人観光客を呼ぶ
754 東京オリンピックとこれから高まるビジネスチャンス
578 外国人研修制度という名の移民政策


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好調に増加する道の駅 2016/10/19(水)

1066
過去に道の駅について何度か書いたことがあります。

955 道の駅の転換期
813 地域活性化は道の駅で
719 道の駅は次の段階へ進めるか

道の駅は毎年順調にその数を増やし、2011年25箇所、2012年19箇所、2013年19箇所、2014年26箇所、2015年39箇所、2016年28箇所が新しく増加、2016年10月現在で1,107駅となっています。

そしてこの6年間で廃止された道の駅は1箇所だけでした。この不況が蔓延する日本の中で、なにかすごい勢いを感じます。

今のところ順調そうに見えますが、今後はそう楽観視はできないと思っています。

若者のクルマ離れや、第1次マイカー世代(団塊世代)の高齢化によるマイカー離れなどの影響がジワリと効いてくるは時間の問題で、さらには地域や設置場所について十分なマーケティング調査など行わず、安易に作った道の駅同士で、客の奪い合いや他の民間施設との競合など、道の駅の経営もやがては厳しくなってくるのではないかと予想されます。

例えば民間事業者が同様の施設を作るならば、自治体の境界などは関係なく、ひとつの国道や幹線上でわずかな距離しか離れていない場所に同様の施設を作るということはしませんが、自治体が主導でおこなうと、自治体の境界を挟んですぐ隣に別の自治体が同様な施設を作ったりという困ったことが起きます。

自治体からすれば自分の自治体にはひとつの道の駅で、交通量の多い場所を選んで設置したとしても、利用者側からすれば、ひとつの幹線上に2つの道の駅や同等の施設が並んであるということになり、これは自治体視点であって、ユーザー視点ではないってことです。

2015年01月20日の記事で、ちょっと古いですが、自治体が事業母体である道の駅の問題点を指摘した記事があります。

なぜ道の駅は儲からなくても店を出せるのか
地方活性化とは名ばかりの「産直販売施設」(東洋経済ONLINE)
「道の駅の約8割は行政が設置しているという、立派な公共事業の一つ」
「破綻しても行政が事業主体だから、行政任せ」
「もし、普通に民間が事業として施設を開発するならば、施設整備の初期投資部分の回収も含めて、施設運営の売上げから捻出するのが常識です。しかし、道の駅のほとんどは、初期投資は税金で作られています。したがって、「その部分」については、稼ぐ必要がないという前提になってしまいます。そのため、事業計画の段階から、あまり売上げがあがらなくても「成立する」というような環境になってしまいます。」

ま、事業的には実際この記事に書かれた通りというところもあるのでしょう。詳しくは統計がないので不明ですが、一般的に全国の道の駅の経営状況は、1/3が黒字、1/3が収益ライン上、1/3が赤字と言われています。

成功している道の駅は、テレビや新聞などで取り上げられ、さらに客が押し寄せることになりますが、一方では、運営経費がまかなえず、単なる無人の広い駐車場と化している道の駅も相当数ありそうです。

この辺りは自治体の担当者が民間の経営意識をもって必死に取り組んだか、委託している企業や第3セクターにいいコンサルタントやリーダーがいて、利用者視点で物事を考えて客寄せに成功しているか、どっちかなのでしょう。前者は少なそうですけどね。

この9月には京都府の道の駅で道の駅の食品を競う「道の駅グランプリ」が開催されましたが、今までにないなかなか面白い発想だなって思っていました。

道の駅グランプリ 初代王者は(産経新聞社)
道の駅のグルメ人気1位を決める初の全国大会「道−1グランプリ」が京都府京丹後市で25日閉幕し、道の駅もてぎ(栃木県茂木町)の「ゆず塩ら〜めん」が初代ナンバーワンを飾った。18道府県の20駅が参加し、来場者が人気投票を行った。
2位は道の駅大月(高知県大月町)の「苺氷り」、3位は道の駅うずしお(兵庫県南あわじ市)の「あわじ島オニオンビーフバーガー」。

主催者は道の駅を認可する国交省かその天下りが占める関連団体と思いきや、そんな大胆な発想はお役人や天下り役人にはもちろんあるわけもなく、なんと人材派遣で有名なパソナグループの関連会社「株式会社丹後王国」という、今回のグランプリの会場となった道の駅の運営業者。やっぱりね。

本当なら全国の道の駅を北海道、東北、関東、中部・北陸、関西、四国・山陽・山陰、九州の7つのブロックにわけて道の駅グランプリ予選を戦い、そこで勝ち上がってきた道の駅が集まって全国大会をおこなうというのが、より多くの道の駅がエントリーできて100点満点でしょう。

しかしそれをするには1企業だけが頑張っても無理があり、まずはなんでも始めて実績を作ることが重要なので、最初は参加者が少なくてもよくやったと言えると思います。ちなみに上記の道の駅グランプリは1000以上ある道の駅の中から20駅の参加に留まっています。


【関連リンク】
955 道の駅の転換期
813 地域活性化は道の駅で
719 道の駅は次の段階へ進めるか


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平均給与は下がり、税金や社会保障費の負担は増え続ける現実 2016/10/22(土)

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9月末に昨年の給料統計調査の結果が国税局より発表されましたので、簡単に興味のあるところだけ抜粋しておきます。

元データは、
国税庁 民間給与実態統計調査結果(平成28年)
です。

国税庁によると、給料とは毎月決まった一般的に言う基本給のことで、給与とは賞与や手当(但し非課税の通勤費などは除く)を含むものとされているようです。したがって一般的に言う年収は給与の年間総額のことになります。

10年前の2005年の給与所得者数は53,043千人だったのが2015年は56,463千人と3,420千人(6%)増加しています。

これは少子化で労働力不足と言いつつも、増えているのは今まではあまり働いていなかった女性や高齢者が、10年前と比べてより多く働き出しているということなのでしょう。

保育園の拡充や高齢者雇用の義務化など労働力不足対策が進んできたのか、それとも今まで働かなくてもよかった人が、働かなくてはならないほど生活が厳しくなってきているのか、その両方のような気がします。

給与所得者のうち、1年を通じて勤務した給与所得者数は4,794 万人(対前年比0.8%増)で、これを男女別にみると、男性2,831 万人(同0.9%増)、女性1,963 万人(同0.6%増)で、女性は男性の約7割程度となっています。意外にも女性の数はあまり増えていませんね。

女性は(常勤として)7割しか働いていないのか?とみるか、育児や介護など任されることが多い中で、7割もの女性が(常勤で)働いているのかとみるか、私は後者ですねぇ。例えば昭和の高度成長期は、常勤で働く女性の数は男性の半分かそれ以下だったような気がします。

1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与(給料、賞与、手当含む)は4,204千円(対前年比1.3%増)でした。

ちなみに10年前2005年の平均給与は4,368千円でしたので、164千円下がっています。政府は(大企業や公務員などの)給料が上がっていると言いますが、全給与所得者の平均でこれだけ下がっているということは、中小零細企業の給料は推して知るべしでしょう。

一方支出は2014年に消費税が3%上がり、社会保険料の料率は2005年の8.2%から2012年に10%と上昇し、介護保険料の料率も1.25%から1.55%と上がっています。また2006年には保険加入者の医療費負担が1割から3割に増えています。消費者物価はこの10年間は下降と上昇を繰り返しています。

そうした避けられない税金や保険料が上がっていくことを考慮すると、10年前と比べると支出は確実に上昇していますので、給与が下がった一般的な生活者は以前より厳しい状態になっていることは明らかです。

男女別では男性521万円、女性276万円と男女間で大きな差がありますが、これは正規雇用か非正規雇用の割合に大きく影響されています。

つまり女性の非正規雇用の割合が男性の2倍以上あり、平均勤続期間も短くなっています。その正規、非正規の平均給与は正規485 万円、非正規171 万円となっています。

上記の1年を通じて勤務した給与所得者の平均年齢は45.6 歳(男性45.4 歳、女性45.8 歳)となっています。

事業所規模(従業員数)別の平均給与をグラフにしてみました。大企業ほど平均給料が高いという現実を見ると、「若者は大企業を目指さずにもっと中小企業に目を向けよ!」とかアホなこと言っている評論家や自称論者に騙されないようにしなければなりません。給与や福利厚生、教育制度などが充実している上に、倒産率は中小企業よりすっと低くて安全です。



100名未満の小企業と5000名以上の大企業では、平均で年間112万円違います。40年間働くとすると4千万円以上の違いです。首都圏郊外の家族向けマンション1戸分ですね。しかも転職するにしても起業するにしても住宅ローンを借りるにも大企業出身と中小企業出身では信用が違いますから、お金に換算できないメリットも大きいでしょう。


次に給与階級別給与所得者数をグラフ化してみました。


正社員以外の常勤の非正規雇用の人も含めての統計ですので、やや低めに見えますが、一番多い層は300万円超〜400万円までの519万人次が400万円超〜500万円の497万人です。

1000万円超の人は192万人で、給与所得者全体の6.8%で、2000万円超の人は20万人で全体の0.7%です。いずれも給与所得者限定ですから、個人事業や投資活動などで収入を得ている人数は含まれていません。

私も遠い昔、上場企業の役員をしていた頃には年収1千万円を越えていた時期がありましたが、その時は年収で日本国民の総収入トップ10%ぐらいには入っていたということなのでしょう。

今は遠い過去の話です。今では、普段の生活から、無駄な支出を少しでも削っていくべく、あれこれと工夫をしている毎日です。


【関連リンク】
953 年収600万円と1100万円の生活の違い
834 高齢者向けビジネス(第4部 ボランティア編)
680 サラリーマンなら関係ないが、国民年金の滞納率
660 40〜50歳代プチ高所得者がハマる罠
467 見過ごせない自賠責保険料の大幅値上げ


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個人事業主の中でもフリーランスとしての働き方 2016/10/26(水)

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昔と言うか15年ほど前、勤務していた会社から追い出されたとき、再就職をするまでのあいだ、起業する道を模索をしていたことがあります。いくつかの起業フォーラムのようなイベントへの参加や、フランチャイズ募集の説明会に出掛けたりしました。

でも、それらは、私にはまったく役立ちませんでした。

というのも、自分でやりたかったことは、既存のビジネスの延長線というか末端ではなく、まだ誰もやっていないことで起業したかったからです。

しかし前例がないというのは当然ながら難しいものです。

誰もやっていないってことは、今すぐにはそこに需要はないってことですし、これから需要を作っていかなければならず、事業計画書を書くにしてもビジネスのイメージはあるものの、具体性に乏しく、したがってわかりやすい事業計画や、収支計画なんて書けるわけもありません。つまり真剣味、本気度が不足していたということなのでしょう。

その頃は個人事業と言えば、やはり起業して会社を興すというもので、今流行のかっこいい響きのあるフリーランス的な働き方とはまたちょと違っていました。

当時はフリーランスという働き方はまだ一般的でなく、何をするにも法人を設立し、いわゆる会社としてでないと、取引先にまったく相手にされませんでしたが、この10年ぐらいの間にすっかりとその社会構造が変わり、企業がフリーランス個人と仕事の契約をすることはもう珍しくなくなってきました。

その理由のひとつにはネットを利用した簡便な仕事のやりとりが普通となり、取引先の信用とか与信というものをあまり考えなくなってきたこと(需要の拡大)と、会社員の給料が伸びないこともあって、その会社員が積極的に副業をするようになってきた(供給の拡大)と言えるのでしょう。

個人事業者とフリーランスの関係ですが、「個人事業者≧フリーランス」で、フリーランスというのは働き方の形を意味し、一般的には個人事業主だったり、単なる個人だったりします。個人事業者は税務上の形態のひとつで、多くは会社法人組織かどうかは別として、家族や少人数で経営する商店や工場などを指すことが一般的です。

実は個人事業者と言われる個人で事業をおこなっている人の数は年々減少傾向にありました。平成16年(2004年)は所得税の申告者のうち事業所得者は195万人でしたが、平成21年(2009年)は147万人と25%も減少しています。

その理由としては、経営者が高齢化し、さらに少子化で後継者がなく廃業したり、大手企業や全国FCチェーン店と競合して経営が行き詰まったりすることもあったでしょう。地方では駅前の古い商店街が寂れ、新しくできたコンビニやチェーン店居酒屋、郊外のロード店、大規模ショッピングセンターだけが残っているというパターンが多く見られます。

ところが平成23年(2011年)に増加に転じ、平成26年(2014年)は163万人と急増してきています。この間、労働者数自体は減少していますので、全労働者数に占める個人事業者数の割合は大きく増加していることになります。

この増加の最大要因が、最近急成長してきているフリーランスの人達ではないかと推測しています。

フリーランスの場合、個人事業主よりももっと軽い働き方をしているのが特徴で、法人は作らず、人も雇わず、その時々の収入に応じて割りと質素な生活をしているというのが多いパターンでしょう。もちろんフリーランスだから法人化はしない、人を雇わないというわけではありません。

またフリーランスの中には本業は別にあり、週末や夜間だけネットを利用してビジネスをしているという人もいるでしょう。

フリーランスの仕事を継続して獲得するのは容易ではなく、安ければいいというものではなく、品質が高くなければ二度とオーダーは来なくなりますし、顧客が要求する以上の成果を出してやっと認めてもらえるという厳しいものだと思います。

そしてやっと仕事ぶりが認められたからと言ってすぐに次の仕事が継続してもらえるわけではなく、その発注頻度には季節性や景気の善し悪しなどがあるのが普通です。

そうしたフリーランスをサポートする様々なビジネスがたいへん人気です。

・フリーランスの仕事を取ってきて、中間マージンや手数料をとるネットサービス
・従来の転職サービスのように、仕事の案件掲載をしてフリーランスとマッチングをするサービス
・フリーランスの経理や税務をクラウド上で簡単に行えるサービス
・フリーランス同士がつながれる会員サービス
・オンラインストレージなどWebサービス
・フリーランス向けの所得保険や福利厚生サービス
・オンラインで完結する法務、弁護士サービス

などなど。

しかし実際に、このフリーランスの仕事って長く続けられるものかって思ってしまいます。

若くて、家族もいないか、実家で親の世話になっている身分なら収入が不安定でも住む場所や日々の食費で困るってこともないのでしょうけど、毎月家賃や光熱費を自分で支払い、さらに家族や子供ができたりすると、来月は仕事にありつけるか?という不安定な仕事をやっているわけにもいかず、、、

そういう時のための、保険や案件紹介サービスなのでしょうけど、それにしても景気が上向いているときは仕事が選べるほどあっても、いざリーマンショックのような不況になると、いきなりそれまで順調に付き合ってきた企業からバッサリと斬り捨てられて、ほとんど利益のでないブラックな仕事しかありつけないという事態が予想されます。

ま、それでも、嫌な上司にサービス残業を押しつけられたり、非常識なノルマを背負わされて、身も心もズタズタになりながら、人のために働くよりはずっといいとも言えますし、人の価値観ですからなんとも言えません。

せっかく一流企業電通に入社しながら、責任感があるために多くの残業をこなし、そして疲れて自殺してしまうほど真面目な人は、同じ働くにしてもその残業時間で好きなことをフリーランスとして働いていれば、決して自死を選ぶなんてコトにはならなかったでしょうし、自分のキャリア向上にもつながったでしょう。

そう考えれば、まだ結婚していない若いうちに数年間は海外留学にでも行ったつもりになって、フリーランスとして働き、また就職するという働き方もいいのではと思ったりします。

新卒が基本の大手企業以外ということになりますが、再就職活動も時代が変わって、過去にフリーランスをやっていたからといって、それが不利になるようなこともないと思います。

あとは定年で退職した高年者が、その後の生き甲斐のために、簡易なビジネスをおこなうというケースも多く見られるようになりました。なんしろ暇と退職金をもらって小金はありますから、企業が相手にしないような細かで面倒な仕事は狙い目です。

私もあと1年と少しで定年です。そのあとどうしようかなぁと遅ればせながら考える日々です。


【関連リンク】
826 脱サラ起業ができる人、できない人
821 会社を辞めてから気がつくこと
762 客員教授と非常勤講師ってなんだ?
725 農業の大規模化と零細な起業
627 起業するのは難しくないが、引き際が難しい


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世帯数や住宅総数は増えていき、空き家も増える 2016/10/29(土)

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今回は国交省が出している「平成27年度住宅経済関連データ」から、住宅事情や空き家問題について見てみます。

平成27年度 住宅経済関連データ - 国土交通省

まずは高度成長期1968年から5年ごとの総世帯数と住宅総戸数、持ち家率をグラフにしました。



人口減少に転じた後も、総世帯数がずっと伸び続けているのは、核家族化や単身での居住が進み、1世帯あたりの人数が徐々に減っていることによります。特に子供が就職や結婚で家を出て、高齢の親だけが住む世帯がここにきて急速に増えているようです。

ざっくり言えば住宅総数−総世帯数が広義で言う空き家数に近いと思われます。もちろんその中には別荘や事務所として使っていたりして空き家とは言えなかったり、複数世帯が1つの住居に住んでいるケースも多くありますので空き家数そのものではありません。

ただ住宅総数−総世帯数が近年かなり拡がっているのが実質の空き家が増えているという実感と重なります。

不景気が続き、マイカーや高級家電品など、所有する価値観は薄れつつあると思っていましたが、持ち家比率は1980年代前半から1990年代前半までいったんは下落してましたが、その後バルブ崩壊以降、緩やかではあるものの、ずっと上昇しているのは興味深いところです。日本人の持ち家神話はまだまだ健在ということでしょうか。

  ◇  ◇  ◇

次に社会問題化しつつある空き家の推移です。

一般的に言う「空き家」とは、居住者がいない「狭義の空き家」と、その狭義の空き家を含み、その他別荘や建築中の家など、本来の空き家ではないけれど普段は誰も居住していない住宅を含む「広義の空き家」の2種類があります。

下記のグラフは、水色が狭義の空き家、黄色が広義の空き家(居住世帯なしの住宅)で表し、折れ線グラフは広義の空き家率で示しています。



平成25年(2013年)の空き家率は14.1%で、5年前より0.2%上昇していて、20年後の平成45年(2033年)には空き家率は30%を超えるという予測(出典:野村総合研究所)が出されています。ちなみに純粋な狭義の空き家だけだと2013年は13.5%となります。

都市部にある空き家は持ち主次第で若者のシェアハウス、旅行客不足を補うための民泊、高齢者のグループホーム、保育園など活用の道がありますが、地方や交通の便が悪い郊外の住宅の空き家は今後も増え続けていくのでしょう。

空き家対策と言うと、崩れそうな古家をどうするか、宅地優遇の固定資産税、空き家活用支援などが言われますが、それらはどれもお金持ち(資産持ち)優遇策に他ならず、そうしたところに税金を投入するぐらいなら、入居するのに何年もかかる特別養護老人ホームの拡充など他にもっと使うべきところがありそうです。

  ◇  ◇  ◇

次は住宅リフォームについてです。一見すると新聞のチラシやテレビでのリフォーム番組の影響、高齢化世帯の増加によるバリアフリー化需要もあり、すごく活況を浴びているかのような錯覚を覚えますが、矢野経済研究所の調査報告では、2015年は前年比で微減、その後も横ばいが続くだろうという予測です。

国土交通省の「住宅市場動向調査」(リフォーム実施者の複数回答)では、リフォームの内容として多い順番に、

 1)住宅内の設備の改善、変更(49.4%)
 2)内装の模様替え(43.1%)
 3)住宅街の改善、変更(32.7%)
 4)冷暖房設備等の変更(20.1%)
 5)高齢者等に配慮した設備(11.5%)
 6)壁の位置変更など間取りの変更(11.2%)
 7)住宅の構造に関する改善、変更(8.6%)

となっています。5番目の「高齢者等に配慮した設備」がもっと上位にくるのかと思っていましたが意外でした。

しかし今はまだ元気な人が多い団塊世代が、後期高齢者になっていく今後10年間でそうしたリフォームが急拡大していきそうな予感がしますが、消費税増税前の駆け込みや、リフォーム補助制度などとの兼ね合いもありそうです。

またリフォーム屋さんにとっては、どこの業者もベテランの職人さんが高齢化してしまい、人不足で若い人も集められず、どこも工事を行う人材不足で苦慮していると聞きます。

今の高齢者も二極化していて、お金持ちはリフォームするぐらいなら新しく建て替えするか、タワーマンションにでも引っ越してしまい、そうしたまとまったお金がない高齢者世帯が、少額でできるリフォームをするのではないでしょうか。

高齢者にお金持ちが多いとすると、新築や再建築が増えてくるはずなので、「新築・再建築戸数推移」も調べてみました。



持ち家の建て替えだけでなく、賃貸用住宅など含めての新築と建て替え戸数の推移ですが、この20年間を見る限りでは新築戸数と、その中に含まれる再建築戸数とも減少傾向にあるようです。

20年前の1994年には新築戸数が1561千戸、そのうち再建築戸数は389千戸ありましたが、2014年はそれぞれ880千戸(1994年比56%)、80千戸(同21%)とそれぞれ大きく減らし、中でも再建築戸数は1994年の2割にまで大きく減少しています。

新築住宅の中に占める再建率も21.7%からわずか9.1%まで下がってきています。これは以前は30年と言われていた日本の住宅の耐用年数が伸びてきたことが影響していると思われます。確かに戦後まもなく建てられた住宅は柱も細く耐震性もありませんでしたが、1981年に改正された新耐震基準の影響もあり、80年代以降に建てられた住宅はそれまでのものと比べると頑丈そうです。

テレビのビフォー・アフターは割りと好きで時々録画しておいて見ています。ただあれはテレビ的に絵になり、建築士の腕前が試される派手なリフォームが多く、古民家を基礎からやり直したりして、これじゃ建て替えた方が安くつきそうと思うものが少なくありません。

費用も(デザイン料含まず)数千万円用意しないと見違えるほどの十分なリフォームにはならず、安い住宅メーカーなら十分に新築できそうです。

しかしあの番組が、再建築せず、リフォームでなんとか取り繕う提案を日本に広めた功績は大きいと思います。

一般的に住宅メーカーはもちろん、工務店はリフォームよりもゼロから新築するほうが楽で、実入りも良さそうですから、施主がリフォームできるってことを知らなければ、業者の言うままに新築(再建築)するのが今までの通例だったのでしょう。

日本の住宅(都市部や都市郊外の建て売り一戸建て住宅)はせいぜい30〜40年しか持たないというのは、木造住宅が多いのと、地震が多く、また湿気が多い環境のせいでもありますが、団塊世代が競って持ち家を購入した1980年代から30数年が過ぎ、住宅の寿命が近づいており、リフォームをするか、建て替えるか、あるいは売却して住み替えるかの時期がもうそこに迫ってきていると考えられます。


【関連リンク】
810 高齢者向けビジネス(第1部 居住編)
807 労働人口と非労働人口推移と完全失業率
788 浴室のユニットバス化リフォーム工事完了
738 日本人の年齢別死因は
489 生産年齢人口の推移とは



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