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リストラ日記アーカイブ 2010年4月
読みやすいようにアーカイブは昇順(上から古いもの順)に並べ替えました。上から下へお読みください。

日記INDEXページ(タイトルと書き出し部の一覧)はこちらです
362 有効求人倍率は改善するのか? 2010/4/2(金)
363 3月後半の読書 2010/4/4(日)
364 灰皿の行方 2010/4/6(火)
365 ハイパーインフレ 2010/4/8(木)
366 景気のいい話 2010/4/10(土)
367 「国民読書年」は政官民が一致団結して既得権益を守る年らしい 2010/4/12(月)
368 Twitterは本当に使う値打ちがあるのか? 2010/4/14(水)
369 高速道路は無料にはならないけど 2010/4/16(金)
370 4月前半の読書 2010/4/18(日)
371 定数訴訟 2010/4/20(火)
372 面接と読書の関係 2010/4/22(木)
373 4月のDVD 2010/4/24(土)
374 私が(今はまだ)スマートフォンに変えない理由 2010/4/26(月)
375 アナログ放送の終焉とブラウン管テレビの行方 2010/4/28(水)


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有効求人倍率は改善するのか? 2010/4/2(金)

362
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失業率、横ばいの4.9%=求人倍率は2カ月連続改善−2月
3月30日8時38分配信 時事通信
総務省が30日発表した労働力調査によると、2月の完全失業率(季節調整値)は前月と同じ4.9%だった。一方、厚生労働省が発表した2月の有効求人倍率(同)は、前月比0.01ポイント上昇の0.47倍と2カ月連続で改善した。
完全失業者数は前年同月比25万人増の324万人、就業者数は80万人減の6158万人だった。
有効求人倍率はハローワークの求職者1人に何件の求人があるかを示す。このうち、正社員の求人倍率は前月と同じ0.29倍で、依然として低水準にある。
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以前に「過去最悪の有効求人倍率0.47%は果たして底なのか?」というのを書きましたが、平均求人倍率が1月、2月とようやく底打ちし下げ止まってきたという報道です。

しかし人材ビジネス業界にいると当たり前の事実ですが、12〜3月というのは1年でもっとも忙しい時期で、この時期はいつも人不足に悩んでいました。理由のひとつには毎年新卒者の入社は4月からなので、それまでに退職した人の代わりには派遣でもアルバイトでも契約社員でもとにかく必要という事情があります。

そして4月から年度があらたまる会社が多く、この時期には年度内の最後の追い込み(販売や製造)と新年度の予算計画、それに余った予算や利益の調整などが一気に起きます。道路工事などの公共事業が年度末に集中していたのもこのせいです。

その他にも異動・転勤や就職、進学などのシーズンでもあり、不動産(賃貸)、家電、運送、学習用品などがこの時期に集中して売上を伸ばします。

ところが今年の求人倍率が昨年平均とほとんど変わらないというのは、本当に底を打ったと言えるのか疑問です。おそらく3月の求人倍率は多少改善されることになると思いますが、4月以降はまた一気に悪化する懸念があります。つまり新入社員で補充できた派遣社員や契約社員が雇い止め打ちきりとなるからです。

実はこの1〜2月の改善結果を受けて「私が以前書いたことは間違いでした」という正直な報告を書こうと思っていたのですが、よく読んでいるうちに「やっぱりまだ底ではないな」とあらためて思った次第です。

私の場合、完全失業率はあまり参考にならないので、いつも求人倍率を見るようにしていますが、特に正社員の求人倍率が低いまま動いていないことにすごく危機感を感じています。

政府、特にワガママ放題の社民党に知ってもらいたいのは、派遣を制限したって、直で雇うパートやアルバイト、季節労働者が増えるだけで、まったく労働者の長期安定雇用にはつながらないということです。

現実的に見ても非正規労働者のうちそのほとんどはパート・アルバイトなのですから、結局は派遣で比較的安定して働いていた人も、今回の法改悪で、より不安定で、手間のかかるパート・アルバイトに向かうしか術はありません。

派遣労働を制限して喜んでいるのは古式ゆかしい労働組合幹部と某女性党首の自己満足でしかなく、そのおかげで多数の派遣労働者が仕事を失います。今後は自分で何十社も何百社も応募し続け、不毛な面接を日々繰り返すことになります。ようこそ失業スパイラルの世界へ。

その就職活動に嫌気を感じ、よくてうつ病、最悪生きる気力をなくして自殺をする人も出てくるでしょう。派遣会社はそのような仕事を探したくてもその方法やコツがわからない人に代わり、何百社、何千社へ営業をかけ、就業の手助けをしてくれていたことをもっと理解するべきでした。その代わりが自分達は安泰の世界にいてやる気のないハローワークの職員にできるとはとても思えません。


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3月後半の読書 2010/4/4(日)

363
3月後半は読みかけて途中断念した本の中から3冊を最初から読み直しました。以前断念したという先入観があるわけではないと思うのですが、やはり読みづらく、なかなかサクサクとは読み進めません。

その中の「ナイロビの蜂」は前から映画版のレンタルDVDが気になっていたのですが、小説を読んでからと思ってまだ借りていません。今回ようやく読み終えたので、今度借りてきたいと思います。

私の中でのベスト3の名作「イングリッシュ・ペイシェント」と同じ俳優さん(レイフ・ファインズ)で、舞台も同じアフリカですが、時代と原作者は違います。

「イングリッシュ・ペイシェント」が不倫の愛に対して、「ナイロビの蜂」は歳は離れているけどちゃんとした夫婦の愛がテーマですから道徳的に言っても問題ないでしょう(笑)。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

明日なき二人 (ハヤカワ・ミステリ文庫) ジェイムズ・クラムリー

明日なき二人
知る人ぞ知るなんでも文学的価値が高いと言われるハードボイルド作家の小説ですが、以前に読み始めたところ文章と展開が難解で、十数ページいったところで理解不能となり途中で断念した小説です。本棚を整理していたところ、目に付いたので、久しぶりに手にとって読んでみました。

翻訳者はハードボイルドミステリ小説の評論家であり、自身でもテレビドラマ「探偵物語」の原案を作るなどして、小説の執筆もおこなっている小鷹信光氏なのですが、どうもこの翻訳は意味不明なことが多く、私には合わないことがわかりました。

この小説の二人の主人公ミロ・ミロドラゴヴィッチとC・W・シュグルーは、著者の過去の小説の中でシリーズ化されていますが、熱心なファン向けに格好をつけているのか、翻訳者は当然シリーズ全編をよく読み理解した上で翻訳しているので気づいていないだけなのか、クラムリー初心者にとっては古文書を読むように苦痛で難解です。

クラムリーの他の作品では別の翻訳者が訳している本があるようなので、今度はそれを選んで読んでみようと思います。それでもやはり難解で、途中で投げ出せば、翻訳者の責任ではなくクラムリーの文体やストーリーのせいということになりますが、どうもそうとは思えません。

小説の内容は、ファンにはたまらないらしい個性豊かな二人の探偵が協力し合って、アメリカやメキシコのあちこちを旅して、巨悪をやっつけるというわかったような、わからないような、もうどうでもいいって話しです。このようにマニア向けのシリーズ物を途中から読むと、内容が理解しにくいことがままあります。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

ナイロビの蜂 (上)・(下) (集英社文庫) ジョン・ル・カレ

ナイロビの蜂1 ナイロビの蜂2
こちらも2007年に購入後、すぐに読み始めたところ、最初から登場人物が多く、しかも本名とニックネームと土地の名前がいずれもカタカナで入り交じり、通勤時往き45分、帰り45分、就寝前45分に分けて読んでると、だんだんとわからなくなって降参した小説です。記憶力の低下の影響かもしれません。

内容は冒頭にアフリカのケニアに赴任している英国外交官の美しい若い妻が陵辱され殺されるという事件が発生し、精神的に強く結ばれている年の離れた旦那(外交官)が、妻がそれに関わったために謀殺された陰謀を英国とケニアと多国籍企業を敵に回し、ひとりで暴いていく物語です。

登場人物は地元のアフリカ人以外は、みな優雅なハイソサエティかつお金持ちばかりで、不況に苦しむ今の経済状況の現実を鑑みると読んでいて少々腹が立ってきます。

まぁ貧乏人で下流階級の年老いた不細工な妻が殺されても小説にはならないでしょうが、純なラブストーリーにもう夢見てあこがれる年齢でもなく、現実とのギャップが激しすぎて、なかなか感情移入して集中はできません。

但し前述しましたが、これは今度DVDを借りてきてゆっくり観たいと思っています。いい小説だと映画もいいとは限らないのと同様に、その逆を期待して、、、


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灰皿の行方と健康被害 2010/4/6(火)

364
タバコの受動喫煙論争が盛んです。世界の流れからすると当然のように思えますが、人によってそれを害悪と見るか嗜好品と見るか違ってくるところに、論争の火種があります。一応立場を明確にしておくと、私はもう30年以上の喫煙者ですが、継続は力なりと、それが素晴らしいことだとは決して思っていません。

今考えると信じ難いことですが、社会人になったときは、職場の自分のデスクの上には会社支給の灰皿がありました。数年後デスクから灰皿は撤去されましたが、間仕切りのある来客用の応接間にはまだ灰皿が設置されていて、吸いたくなるとそこへ行って吸うことができました。

そしてやがて応接間の灰皿もなくなり、今度はオフィスの隅っこに空気清浄機を設置し、そこに灰皿を置くようになったのは、いよいよ20世紀が押し迫った時でした。しかしオフィスの中では、空気清浄機があっても煙が流れ、受動喫煙になると現在のようにビルの地下や屋外に灰皿が追いやられることになりました。

4月1日から神奈川県が公共施設の喫煙規制条例を施行しました。これにより飲食店やホテルなどの第2種施設も禁煙か分煙を選択しなければならなくなり、違反者には罰金があります。

現実的には完全に分煙するには多額の設備投資が必要となるので、ほとんどの飲食店は禁煙を選ぶことになります。小さな飲食店の場合は1年間の猶予がありますが、普通の居酒屋やレストラン、ファストフードはほとんど全面禁煙となりそうです。

オフィスでの喫煙ができなくなり、緊急避難先として喫茶店やファストフード店を使っていた人も、これですべて閉め出され、難民化することになります。神奈川県に住む私も、家族連れや友人達と時々ファミリーレストランや居酒屋へ行きますが、これからは隣の東京都へ行くことになりそうです。

神奈川県の飲食店は当分の間、売上減少が続くと見られています。理由は喫煙者はタバコが吸えないなら酒を買って家で飲もうとなります。特に稼ぎの中心となる夜の客は半分程度が喫煙者ですから、影響は大きくなるでしょう。

英国のパブが法律で禁煙を始めてから5年連続して売上が減少、昨年は閉店数が過去最高といいますから、同じ事が神奈川の居酒屋やパブで起きていくのでしょう。まぁ煙草を吸わない人にとっては誰が困ろうと、目的が果たせれば知ったことではないのでしょう。

さて、非喫煙者から喫煙者に対する批判として、

 *「喫煙することで肺気腫などの罹病率が高まり、それが保険料の高騰を招く」
 *「受動喫煙することで、それらの病気にかかる可能性がある」
 *「吸い殻のポイ捨てで、ゴミが増え、火災の危険もある」
 *「歩行喫煙では子供の顔にタバコの火があたり危険」
 *「青少年の非行や発育に影響がある」

などがあります。

どれももっともな意見で、愛煙家としてはひたすらこれらの非難や忠告を真摯に受け入れることにしています。タバコの害については盛んに取り上げられていますので、あらためて説明をするまでもないと思います。でもせっかくですから、タバコ以外の嗜好品や食品の害についてもちょっとだけ考えてみましょう。

「罹病率の高いもの」と言えば別に煙草に限らず、アルコール飲料を筆頭に、高カロリーで栄養の偏ったハンバーガーしかり、大量の糖分や原料不明の成分が含まれるコーラやジュースしかり、大量の化学農薬を使った野菜や米しかり、わざわざ霜降りという余分な脂肪をつけたり、狂牛病であろうがなんでも構わず輸入される牛肉しかり、遺伝子を操作した大豆や芋や豚しかり、汚染地域で獲れた魚しかり、長期保存できるように化学合成保存料をたっぷり使ったインスタントやレトルト食品しかり、1日の標準摂取量をはるかに超える糖分や塩分たっぷりの洋菓子、和菓子、駄菓子などしかり、生産管理と全量安全検査がおこなえない海外から輸入される食品しかりです。

もっともそれらの中の「罹病率の高い食品」の多くは、それらがなくては日本人のほとんどが餓死してしまうので、それらを規制したり禁止することはできません。

しかし嗜好品の中で特にタバコの罹病率が高いとあげつらうのは、意図的な情報操作で、個人の嗜好品で、かつ業界の圧力団体がなく、単に与しやすいからに過ぎません。

青少年への健康の影響や、社会的な迷惑、生命の危険度を考えると、タバコよりはるかにアルコールのほうが高いのは明かです。煙草の影響で、喧嘩をしたり、セクハラしたり、痴漢をしたり、猥褻行為をしたり、無謀運転で人を殺したり、家庭内暴力を起こしたり、睡眠障害を起こしたりという話しは聞いたことがありませんが、酔っぱらいには日常的によくみられることです。

新歓コンパの季節ですが、急性アルコール中毒で死亡する事故が毎年報道されます。アルコールにより肝臓や脳障害などを起こし、それが原因で死亡する人も少なくありません。WHOの統計ではおよそ26人に1人がアルコール中毒、または依存症だということです。

その中にはもちろんトラック・バス・電車などのプロの運転手、航空機パイロット、外科医、警察官、教員、自衛隊員、原子力発電所のオペレータなどに従事している人達が除外されているわけでもありません。しかし一般的には酔っぱらって起こした行為は大目に見てあげようというムードがあるのは不思議なことです。

なぜこれほど有害なアルコールが煙草ほどに規制がかからないかと言うと、圧力団体の力が強いのと、政治家、官僚、業界を巻き込んだ利権構造が出来上がっているのと、飲食業の経済的インパクトが大きいからです。私としては「タバコを規制する暇があるならアルコールが先だろ」という思いがずっとあります。

同様に成人が1日に必要な摂取量の何倍、何十倍もの糖分やカロリーや合成物質を含むコーラやジュース、缶コーヒー、キャンディ、チューインガム、ケーキ、饅頭、チョコレート菓子、ファストフードなどは、糖尿病や肥満症、高血圧、高脂血症などをはじめとする生活習慣病の原因となり、健康へのダメージが大いに懸念されます。しかもタバコやアルコールと違い、成長期の子供に対してもなんの規制や予防もされず放置されたままです。

つまり健康問題で規制をするならば、すべての飲食店や販売店では、煙草はもちろんのこと、アルコールや生活習慣病に罹る確率が高いソフトドリンクの販売禁止、コーラや缶コーヒーの自動販売機に年齢と体脂肪証明カードの導入、大量飲酒や大量摂取を避けるため、毎月の購入数を制限する飲料手帳の発行と提示義務、テレビCM・看板など広告全面禁止、公共の建物や電車、バス等での飲酒・飲用禁止はもちろんのこと、酒気を帯びての乗車も禁止、ボトルや缶のラベルの1/3以上を使って、健康に与える危険性や社会的迷惑の事実を大きな文字で入れるなどが必要です。

タバコもアルコールもコーヒーもお茶もジュースもお菓子もすべて嗜好品です。米や肉や野菜のようにそれがなければ生命の維持が難しいわけではありません。当然、健康に害があるものすべてに公平に同様の規制をかけるべきでしょう。

私は酔っぱらいの酒臭い息をかいだだけで頭痛が起きますし、甘ったるいアイスクリームやケーキを見ただけで胸焼けになります。受動飲酒や受動摂取になりますので、飲酒した人や健康に害のあるものを持った人はみな隔離し、もちろん公共の場所や、電車等の乗り物には絶対乗せてはいけません。

と、言うようにタバコの世界的な規制や禁止運動を見ていると、捕鯨禁止、マグロ輸出禁止とまったく同根で、ある推定に基づく論理で危機感を煽り、集団ヒステリー的に拙速に善悪を決めてしまっているようにしか思えません。

このタバコ規制の後に来るのはアルコールなのか、コーラなのか、アイスクリームなのか、ハンバーガーなのか、コーヒーなのか、クリスマスケーキなのか、チューインガムなのか、高級マグロなのかわかりませんが、嗜好品がやがて根拠の薄い理由で順番に消し去られていくことになるのでしょう。いや、これは決して大げさではなく、世論操作と言うのはそういうものなのです。


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ハイパーインフレ 2010/4/8(木)

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伝説のディーラーと呼ばれたこともあるフジマキ・ジャパンの藤巻健史氏が、日本の巨額の財政赤字、長く続いてきた超低金利、日本国債の信用リスクなどを根拠にし、1997年のタイや韓国が引き起こしたアジア通貨危機と同様な形で、日本発信の株、国債、円が同時に売られるトリプル安(ジャパンクラッシュ)が起きる可能性があると東洋経済のインタビューに答えています。

ジャパンクラッシュが起きると、どういう事になるかと言えば、世界中で日本の国債や株や円が大量に売り浴びせられ、それに応じて日本の金利が一気に上昇します。

また日本の通貨は世界的に信用を失い、大きく円安に動くことで、国内消費のほとんどを海外からの輸入に頼っている食料品や燃料などの価格が一気に高騰します。これらが合わさって起きるのがハイパーインフレです。

ハイパーインフレは1980年代にブラジルやアルゼンチンで起きていますが、その時は1年間で物価が40倍とも50倍、ひどいときにはひと月で80%も物価が上がったことがあると言われています。

つまり「先月までリッター130円だったガソリン代が今月からリッター6000円で、満タンにすると24万円必要です」「お米や芋など需給率の高い食料でも10倍、それ以外の食料品が全部50倍になった」「800円だった宅急便の配達料が1個4万円になった」「100円ショップがそのまま5千円ショップに看板を掛け替えた」というイメージです。

ガソリンや100円ショップだけなら買わなくても命に支障はないですが、食料品はそうはいかないでしょう。農家で自給自足できる人以外は、いくら高くても買わなければ餓死します。農家だって肥料や耕耘機の燃料が高騰しますので買えなければ生産ができなくなります。

それでも国民の所得がその物価に応じて上がっていくなら問題はないのですが、年金で生活している人を含め決してそうはなりません。

つまり物価が10倍になったからと言っても給料はせいぜい2〜3倍、年金にいたってはそのスピードにはついて行けず、ほとんど変わらないということです。

輸出が多いメーカーは一見すると円安により思わぬ利益が出ると思われますが、海外ですべてを生産をしていない限り、製品を作る原料代、燃料代、輸送代、それに人件費が高騰しますので、利益の恩恵よりも結局は販売価格に転嫁せざるを得なくなり、ますます国際競争力が失われていくことになります。

それより先に銀行がつぶれたり融資がとまったり引き上げられたりしますので、無借金でもない限り製造業で生き残れるのは少ないでしょう。

トヨタバッシングや普天間飛行場の移設先問題を見るまでもなく、日米関係は悪化してきています。通常ならば円安、株暴落、国債などはお互いに協調しあって維持をしていくものですが、両国の関係からするとそれがあまり期待できません。

欧米の投資家達はいつジャパンクラッシュが起きるかと虎視眈々とそのタイミングを狙っています。つまりいち早くその流れにのってジャパン売りをより早く大胆におこなった者が勝利する比較的リスクの少ないマネーゲームだからです。

アメリカの借金である米国債の最大の引受先だから「日本が危なくなるとアメリカも同じ運命だからきっと助けてくれる」と言っていた時期がありました。しかし2007年頃から日本を抜きアメリカ国債の最大の引受先となった中国を始め、ブラジルやインドなどのBRICKS各国、中東の産油国などのシェアが急速に伸びてきており、10年前と比べると日本の存在感はかなり薄くなっています。

アメリカにとって日本の財政破綻がまったく影響がないとは言えませんが、積極的に日本を救おうという機運は、アメリカの政治家も国民世論も起きないでしょう。

但し、ハイパーインフレは悪いことだけではありません。

行き詰まったいる日本の財政赤字は、ハイパーインフレのおかげで一気に解消に向かうことも考えられます。つまり2010年3月現在1千兆円を超える日本全体の借金が、物価上昇により自然と目減りしていきます。

物価が10倍上昇し、超楽観的に税収も10倍に膨れあがれば、国の借金は相対的に1/10に下がります。なんと900兆円が一瞬にして消えてしまう?のです。

同様に住宅ローンを固定金利で借りている人は、ハイパーインフレ後の借金の価値は相対的に下がっていきます。簡単に言えば毎月給料の1/4を住宅ローン返済にあてていたのが、ハイパーインフレで給料が10倍になれば、返済は給料の1/40で済むということです。

これならローン返済は楽勝ですね。但し、これが最大の難問ですが、失業せず、インフレに応じた収入が得られるという極めて特殊な条件の元での計算ですが。

逆に変動金利でローンを借りている人は毎月の返済額が何倍になってしまう可能性だってあります。

現在の住宅ローンの変動金利は約1%ですが、今から27〜29年前、1981年〜1984年は多少インフレ気味で変動金利は8%を超えました。またバブル景気の終盤も7%を超えていました。

例えば3000万円を30年ローンで借りた場合、毎月の返済額は現在の1%の金利では約96,500円、8%になると220,100円とその差は123,600円です。

多少のインフレで返済額が2倍以上になるわけですから、ハイパーインフレともなれば変動金利で借りている人は確実に破綻するでしょう。

と、考えると、収入よりも借金のほうが多い国家や一部の個人は、いっそインフレにでもなってくれないかと、いささか期待しても不思議ではありません。

実は住宅ローン(固定金利)を支払い中の私もデフレで給料が下がる今はまさにその通りなのですが、そう思い通りにはいきません。

結局あと10年ほどでやっと住宅ローンを払い終えれば、今度はデフレを期待することになりますが、このところツキのない私のことですから、世の中は不公平にも逆をいき、急にインフレが加速していくって気がしなくもありません。その時すでに年金生活だったらもうそれは悲惨なことですね。

リアルタイム財政赤字カウンター
注意:日本政府の抱える国および地方の債務残高(概算値)をリアルタイムで表示されています。見ていると間違いなく憂鬱になってくるので、精神的にまいっている時は決して見ないでください


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景気のいい話 2010/4/10(土)

366
ここのところ景気の悪い話しを書いてばかりで、こんなことではますます自分が落ち込んでしまうと思って今回は景気のいい話を探してみました。

ユニクロや餃子の王将、ニトリ、コストコの繁盛は世間でも大きく取り上げられていますので、ここはまだそれほどメジャーになっていないところやモノに絞って、、、

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坂本龍馬関連→○
さすがに天下のNHK大河の力というか元々人気先行の人じゃき。高知の坂本龍馬記念館なぞは入場者数は昨年の5倍とか。龍馬と縁のある高知、京都、江戸それぞれに観光ビジネスが盛り上がっていそうです。本屋へ行けば坂本龍馬関連本がわんさかと平積みされています。またこの3月23日から始まった日経新聞電子版のパンフレットを街頭で配っていましたが、タイトルは「新聞の夜明けぜよっ」で龍馬がパソコンに向かっていました(笑)。もっともこの人気は今年年末までの一時的なものでしょう。来年は乱世となり戦国時代関連の人気沸騰か?!

日経新聞電子版のパンフレット

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iPhoneなどスマートフォン→◎
年間契約純増数で首位を保っているソフトバンクの切り札iPhone(携帯情報端末)ですが、4月1日にはDoCoMoから強力な対抗機種としてGoogleのアンドロイドOSを搭載したソニー・エリクソン製Xperia(SO-01B)が発売されます。既に多くの予約が入っていて、数ヶ月待ちだそうです。 昔からアップルvsソニーっていう図式(デジタルオーディオやノートPCなど)がありましたが、今度は携帯で激突です。

さらに今後auからも6月にユニークなスマートフォンの対抗機種が出てきたり、Google自らがNexus Oneというスマートフォンを作って加わってくるようですし、この市場はしばらくは目が離せません。ただ、今までのガラパゴス携帯からスマートフォンへ移行するというだけで、新たな需要が増えるというものではありません。それよりもそのスマートフォン経由で気軽に購入できるアプリケーションやゲームなどの需要が期待されてます。

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桃屋など食べるラー油→×
なんでもテレビやネットで紹介され売り切れ続出、大ヒット驀進中とのことですが、私には一時的な流行としか思えません。来年の今頃には在庫の山ってことに、、、お金を持っている高齢者にとって健康的な食べ物とは言えませんし、子供に積極的に食べさせたい食品でもありません。

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ゲーム業界→△
任天堂と言えば元々は地味な京都の花札とトランプ屋。今では世界中でWiiやDSを売りまくり、1社員あたりの売上が約10億円!というど派手な超優良会社。叩かれる前のトヨタでもせいぜい1.8億円なのに。原価なんてしれているので、社員ひとりひとりに毎年5億円ずつボーナス配っても十分やっていけそうな感じです。しかも任天堂はゲーム機本体を若者ではなく高齢者に買わせて孫へのプレゼントというシナリオを描いているところが憎いです。不況でも逆に巣ごもり効果でなんのその。今年の暮れか来春には新しいDS(3D)が登場するらしくしばらくは盤石。

その他ゲーム関連ではモバイルゲームやネットゲームで盛り返しているが、結局は若者がターゲットで栄枯盛衰が激しくすぐに飽きられてしまう可能性も。ネトゲ廃人(バーチャルのネットゲームに入り込み、仕事にも行かず次第に睡眠も食事もしなくなり廃人同様に)で社会問題化し、法規制の動きが。ネットゲームが日本よりも進んでいる韓国ではすでに深刻な社会問題になっている。

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ネット通販→○
国内の消費総額は落ちていても、元々シェアの小さかったネット通販は拡大中。ただ、どんなECサイトも伸びるかというとそうではなく、誰でも簡単に資本も要らず始められるので(1)安さ(2)品揃え(3)速さ(4)信頼が必要。常に進化や便利さを追求し続けなければ、やがて淘汰される運命に。今までネット通販には無縁だった中・高年者をどのように取り込めるかが勝敗を決めるかもです。

国内大手のネット通販会社に死角がないとは言えません。それはネット通販には国籍は関係がないということ。すでに書籍のネット通販から始まった米国のAmazonが、書籍以外でも楽天の牙城に果敢に挑んできていますし、これからも中国発、台湾発、韓国発の同様なモデルが日本に上陸することが考えられます。

例えばルイヴィトンのバックを購入する際、日本と香港では値段が違い、香港のサイトでカード決済すれば何割か安く買えることになります。利用者(売る側・買う側双方)はどこが一番安いか、便利かだけで判断し、楽天やYahoo!というブランドに利用者が忠誠を尽くしているわけではないのです。

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住宅用火災警報器(報知器)→○
今までは新築住宅だけに義務づけられていた各部屋ごとの火災警報器の設置が、遅くとも来年2011年6月まで(市町村により違う)に既存住宅にも義務づけられます。まぁ罰則はないのですが、少なくとも多くの古い賃貸マンションやアパートなどは消防法の絡みもあり、早々に設置せざるを得ないでしょう。

またメーカーや家電量販店、ガス会社などが、不安心理を煽るPRを流すことで心理的に「早く付けなくては」と思う人が増えるはずです。しかも洗濯機のように1家に1つあれば事足りるわけではなく、台所、階段、寝室、子供部屋と一軒家の場合、最低でも4〜5つぐらいの警報器が必要となります。

そして昔に流行った高齢者向けの強引な訪問販売が活性化しそうです。

「こんにちは!消防署のほうから来ました。お宅さんところはまだ火災報知器取り付けていないでしょう?困るんですよね〜、この辺りは火事が多くて、逃げ遅れて死ぬ人も増えていてねぇ。不安でしょう?それに6月からは法律で火災報知器の設置義務があるんですよ。区役所から連絡ありませんか?えっ知らない?おかしいなぁ?ご近所ではみんな知っていましたよ。それでわざわざ買いに行くのもたいへんでしょうから、今私が持っている火災報知器を今だけ特別に安く分けてあげますよ。部屋の壁に掛けておくだけだから簡単でいいでしょう?そうすると法律違反にもならないからね。部屋はいくつあるの?4つ?あと階段にも必要だから合計5つだね。価格は本当はひとつ5万円するんだけど、特別に5つで20万円にしておくからね。どう安いでしょう?ついでに消火器もどう?えっ?いま持ち合わせがない?それじゃ銀行まで連れて行ってあげるよ、お年寄りは労らなくちゃねぇ…」

みたいな。もちろん消防署の制服っぽい服装をしているからと言って、また消防署の方角から来たと言うだけで、1個3千円程度のものを5個で20万円ぐらいで売りつける、高齢者専門の押し売りなんですけど。

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医薬品業界、薬局チェーン→△
新型インフルエンザ特需もあり一息ついた感じの医薬品業界ですが、高齢化社会に向けて需要は高まってきます。どーっこも悪くない高齢者っていないですからね。しかも今の高齢者の世代は薬が大好き世代でもあります。効きもしないが害も少ない薬(関節痛や神経痛などの薬はその最たるものです)を派手に宣伝し売りまくることで、ドラッグストアも製薬会社も儲かるって仕組みは永遠に不滅です。ただ最近ドラッグストアは乱立気味で勝者と敗者が早々に決まるかも。

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健康食品、化粧品業界→○
5歳はお肌が若返るという化粧品を70過ぎの高齢者に売りまくったり、運動して汗をかいても大丈夫という「かつら」や元気になるというビタミン剤を滅多に外出しない高齢者に売りまくる。やっぱりいくつになっても若く見せたい、元気でいたいと思うのは誰もが同じです。そして販売ターゲットをしっかりお金をため込んでいる中・高齢者に絞れているところが最大の強みです。

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法律事務所、弁護士事務所→○
最近テレビでも盛んにコマーシャルを流すようになりましたが、民事専門の法律事務所はこういう不況には強そうです。つまり債権を回収する側もされる側にも弁護士が必要だからです。アメリカのようになんでもかんでもすぐに訴訟を起こす社会ではないですが、アメリカの後追いが好きな日本人としてはそれに習っていく傾向にあることは間違いありません。

選挙の定数是正、隣近所との諍い、遺産相続など今後弁護士の活躍の場はますます増えていきそうです。特に中国語ができる弁護士だと今後特許や契約関連でビジネス上で特に需要が高まりそうです。

元々2000年までは日弁連で弁護士の広告を規制していましたが、インターネットの普及で事務所のWebサイトすら掲載できないという問題がありました。現在は、ズバッとまるまるOKになりましたので、電車内広告やテレビなどでも時々見かけるようになりました。同様に病院も広告規制がありましたが、2007年以降はだいぶんと緩くなってきたようです。いずれも業界団体が既得権益を守るため様々な規制をしていましたが、それが崩れています。

テレビによく出演する弁護士や医者というのは、商売に結びつけるというよりも、近い将来政治家へうって出て社会的な名誉・地位を得たいという戦略があるのだと理解しています。社民党の福島瑞穂党首、参議院の丸山和也氏、大阪府の橋下徹知事などがテレビに出て顔を売ったあとに政治家に転身した弁護士です。

元々弁護士出身者の政治家というのは多く、谷垣禎一自民党総裁や山口那津男公明党代表、千葉景子法務大臣、仙谷由人国家戦略担当大臣、枝野幸男行政刷新担当大臣などがいます。

やはりクロをシロと言い切れる議論が得意なのと、法律にやや詳しいという最大の利点を生かしつつ、しかも落選してもすぐに弁護士として返り咲けるのでリスクがありません。一般の会社員や公務員だと会社や役所を辞めて出馬できるかというと、落ちたときのことを考えるとなかなかそうはいきません。
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ふぅ、ちょっと本題を外れてしまった感がありますが、今日はこんなところで勘弁しておきましょう。


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「国民読書年」は政官民が一致団結して既得権益を守る年らしい 2010/4/12(月)

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2010年は「国民読書年」とのことらしいのですが、知っていました?

私はまったく知りませんでした。

で、どういうことをやっているのか調べてみました。

まず決まった経緯は、2005年に「文字・活字文化振興法」というのが国会で制定されました(これも知らん)。

「文字・活字文化振興法」は「文字・活字にかかわる著作物再販制度の維持」と「著作者及び出版者の権利保護の充実」を目的とした法律で、簡単に言えば、出版社等の既得権益である忌まわしき再販制度とメディア等の著作権保護ということで、 読者(=ユーザー)にとっては、な〜んのメリットもない法律です。

その出版社や新聞社などの手前味噌な法律が制定され、2008年に国会(衆参両議院)で「文字・活字文化振興法」ができてから5年後にあたる2010年を「国民読書年」とすることを決議したらしい。

あまりにも自らの既得権益保護が露骨すぎて恥ずかしかったのか、あるいは、取り上げるほどのニュースバリューがないと判断したのか、キッチリと報道されたという記憶がありません。まぁ内輪の利益誘導のためだけの法律や決議ですからね。部外者は知らなくていいの!って感じでしょう。

その既得権益者が徒党を組むのが「財団法人文字・活字文化推進機構」という団体です。ここの理事連中の肩書き見ると作家、出版、新聞、テレビ、印刷、広告など業界団体がこぞって入っているのがよくわかります。

ちなみにちゃ〜んと「国民読書年」のロゴまであります。

 国民読書年

文字・活字文化推進機構の役員名簿を見ると、少なくとも上層部には文科省や経産省の(直接の)天下りが入っていなさそうなのはマル優を差し上げたいのですが、利益代表でもある作家の肥田美代子議員や、日本経済新聞出身の中川秀直議員などがこの法制化の中心となり、理事長や理事にもなっているところがいかにもって感じです。

で、2010年の「国民読書年」になるとなにが起きるのか(起きているのか)?

決議では「政官民協力の下で、国をあげてあらゆる努力を重ねること」が宣言された、らしい。

わっー!そりゃたいへんなことだ。太平洋戦争も政官民一致団結し、国を挙げてあらゆる努力を重ねた戦(いくさ)でしたね。しかも新聞、雑誌、ラジオの各メディアがこぞって世論を開戦ムードへと高めていったわけだし。そりゃ凄い!さすがです!やっぱりやることが違います。60年以上前からずっと考え方が変わらず一貫しています。

そして今回も雑誌・テレビ・ラジオ・新聞の(絶滅間近の)4種マスメディアが中心となり、2010年は様々な特集やセミナー等が組まれているそうです。さすがに昭和一桁の時代と違い、いくらマスメディアでPRしたとしても、認知度は上がらず、世論の形成もそう簡単ではなさそうです。

しかし、たぶん後年には、2010年は「国民読書年」ではなく「電子書籍元年」だったんじゃね?と言われてしまいそうです。


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Twitterは本当に使う値打ちがあるのか? 2010/4/14(水)

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1年ほど前にTwitterのアカウントを取ってやっています。いや、やっているというのは正確ではなく、最近は時々人のつぶやきを読むだけで、自分がツイート(つぶやき)したのは最初の頃に数回だけで、使いこなしているにはほど遠い状態です。ですのでこの評価については理解や知識不足からくる錯誤も多々あることを先に言っておきます。

一部の人達にはこのTwitterがたまらなく役立ち、面白いそうで、私はどうもそれが理解ができません。やっぱり50歳代のオールドタイマーにはこの最新のツールは不似合いなのだろうと思っていたら、20代、30代の利用者が多いのは当たり前として、19歳までの利用よりも50歳以上の利用が多く、決して若者のツールというのではなく、意外と年配者もよく使っているというアスキー総合研究所のデータもあり、人それぞれなんだなぁと思った次第です。

アスキー総合研究所(アスキー総研ニュース)
http://asciimw.jp/info/release/pdf/20091228.pdf

ただ、自分が使っていいと思ったからと言って、人に強く勧めたり、中には社長が気にいったからと言って、命令されれば従うしか術のない部下の社員に使うことを強要したりと、アホらしいことをする人もいます。これはつまりTwitterは自分がフォローする人やされる人をたくさん作ることによってはじめてうまく機能しますので、部下や信者や熱心なファンには命令やPRをしてフォローをさせたくなるのでしょう。

□Twitterが便利と思えるところ

1)実名で登録したり発言している人が多く、実名での発言には信頼がおける。特に完全に匿名の掲示板等と比べると、明らかに無責任発言が少ない。
→でも実名の発言を知りたければ、別にTwitterでなくても、暇なときにその人の実名のブログをみればいいじゃん!って思うのだが。

2)メディアのひとつとして考えると情報発信スピードがとても速い。例えば電車が事故で停まっているという情報は車内に閉じこめられている人から実況生中継が入ることもある。
→本当にそれが必要かどうか、正確かどうかは別としてです。つまり間違った重大な情報が一人歩きする危険性(例:●●銀行がいよいよ危ないそうだ→取り付け騒ぎ)もあるし、意図して集団で情報操作をおこなうことが可能。

3)多数の仲間内での連絡網代わりに使おうと思えば使える(●●の居酒屋なう。参加者募集!とか)
→雑音やゴミと感じる人も多いはずだが。


□Twitterがダメと思えるところ

1)1投稿は140字以内という制限があるので、書かれる情報が極めて淡泊。意味不明なことも多い。
→これについては略語や絵文字ばかりで会話が成り立つ若い世代と、じっくりと文章を書いたり読む世代の違いを感じる。またTwitterはこの簡潔さが特徴なのでそれを理解していないといけない。

2)単にWebサイトへのリンク(誘導)を目的としたケースが目立つ
→興味をひくための煽りの言葉を書いてリンクをクリックさせる。集客が目的のサイトやメディア、個人ブログなどが多く、本当に役立つ情報(私にとって)は10件に1件もない。

3)同様に商売が目的で使われているのも目立つ
→飛んだ先はアフェリエイトサイトだったり、何かの宣伝だったり。口コミのようなフリをして書かれるがその多くはサクラと思って間違いない。

そこで思ったのは、特定の師匠や先生がいて、その人が書くツイートを全部読んでおきたい、大好きなアイドルがなにをしてなにを考えているのか知っておきたいという時には、その人が発言すれば自分からわざわざ情報を取りに行かなくても、発言が自動的に送られてくるわけですから便利でしょう。

だから野心のある宗教家が弟子や在家信者に対してとか、カリスマ的経営者が部下や自分の共感者に対してとか、有名芸能人が多くの熱狂的ファンに対してとかは、大いにアリのツールだと思います。

あと、非常に社交的で同じようにTwitterを使いこなす友人や知人がいっぱいいる人。これは上記で書いたように「自分がフォローする人やされる人」が多いので活用する価値があるかもしれません。

そしてもう一つは、内向的で全然友達がいない人。引きこもりやリアルなコミュニケーションが苦手な人。これは、自分が誰からもフォローされなくても、勝手に他人をフォローをしておけば、まるで自分宛にメッセージが送られてくるような錯覚が得られ、寂しさが紛れます。

しかも匿名でリツイート(引用返信)も送れますから、羞恥心や遠慮やマナーを知らなくても会話に加われます。相手からフォローを拒否されても、別のアカウントでストーカー的につきまとうこともできますし、そんなことをしなくても、フォローできる相手はいくらでもいます。

このあたりは「アスキー総合研究所の調査データ」の「外向的と内向的、両極端な利用者が共存!?」である程度の検証がなされていて納得感があります。

ところで、最近増えている各メディアが発信するツイートは「記事や媒体には書けない裏情報」や「記事にする前の速報」ではなく、ほとんどが自社のメディアの出来上がった記事への誘導に過ぎませんし、フリージャーナリストの書き込みも売名行為や自著の紹介ばかりですからすぐに飽きてしまいます。

Twitterのもっとも特徴的な点は、そのリアルタイム性にあります。つまりずっとパソコンの前にいなくても、テレビを見ながらでもスポーツをしながらでも、もちろん外出している時にでも、携帯端末(iPhoneとか)があれば、次々とフォローしている人からの情報が入ってきます。

もちろん自分から何か聞きたいことがあれば、直ちにそのフォローが返ってくることが期待できます。例えば「今出張で名古屋にいるのだが、旨い味噌カツ屋を教えてくれ」と聞けば、フォローされている知り合いからも、まったく知らない人から「●●の味噌カツは絶品」とかのフォローがすぐに返ってきたりすることもあります。

リアルタイムということで考えれば、若い人のブログも携帯端末からの投稿やコメントが主になっているように、Twitterもそれ以上にモバイル端末ありきのツールかなと思います。

前述の「アスキー総合研究所の調査」では、まだPCからのアクセスが多い(複数回答 PC 94.3%、携帯 42.5%、スマートフォン 39.1%)ですが、携帯+スマートフォン(81.6%)とPCの比較で言えばその差は少なく、今後はスマートフォンの流行が続きそうですので、その差はさらに縮まると思われます。つまり最初のうちは慣れるまでPCを使い、その後はスマートフォンや携帯へと移っていくと考えています。

私のようにネットはパソコンで、外出時はネット接続はせず、携帯電話(ガラパゴス)は電話とメール機能しか使わず、帰社や帰宅してからネットにつながる人には、Twitterのリアルタイム性は役に立ちません。Twitterで5時間前のツイートを読んだり、リツイートしてあまり意味がありません。

いずれ時代の流れからして、私もいつかはスマートフォンを持つようになると思いますが、その時になってようやくTwitterのいいところがわかるのかも知れません。

Twitterの楽しみ方を勝間女史(公式ブログ)が書いています。初心者で、もひとつよくわからないという人にはお勧めです。

勝間和代のTwitter初心者のための使いこなしの10ステップ


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高速道路は無料にはならないけど 2010/4/16(金)

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高速道路の新料金が紆余曲折ありましたが、ようやく決まりました。

今まで休日(土日祝祭日)が上限1,000円(但し都市部は別途課金あり)だったのが、6月からは一部無料区間を除き、平日も含めて上限2,000円(一部区間は別途課金あり)となります。

また首都高速や阪神高速は距離別課金が導入されることが決まりましたが、実施はすべての出口にETCゲートを作らなければならないので、12月頃からの予定だそうです。また無駄なことを、、、

私の考えからすると、今までは休日しか大幅な割引がなく、平日に長距離を安く走ろうとすると、50%オフの深夜(0時〜4時に出入りする)割引を利用するしかなかったのですが、これで安心して平日昼間に長距離ドライブが可能となります。

特に土・日は仕事で、平日しか休めないという人達(サービス業や不動産業など)の人は、ほとんどその恩恵にあずかれず、ずっと気の毒に思っていました。しかしようやくこれで平日の空いた時間に長距離ドライブが楽しめます。

また、今まで土日に高速道路が集中し、従来なら考えられないような場所や時間に渋滞が起きていました。これは明らかに割引を土・日限定にしていた弊害です。特に金曜日の深夜のサービスエリアやパーキング、ひどいのは路肩にまであふれた車が、出口ゲートの前で土曜日0時が来るのをジッと待っています。そりゃ、数分のことで青森−浦和間、通常が9,350円(ETC平日深夜割引)が1,450円(ETC休日)と7,900円も安くなるのですから、誰だってそうしたいと考えます。

休日と平日との割引に差がなくなれば、時間を気にすることなく、いつでもゲートをくぐることができますし、休日に混みそうだと思えば、時間や日を変えて平日に異動しようと考えます。土・日のサービスエリアはどこも駐車場に入れないほどの混雑です。これも平日分散化すえば、気持ちよく使えるようになりそうです。

マスコミや一部の評論家は「高速道の近距離の走行が割高となる」「首都高の距離別では長距離が割高になる」「ETCのメリットが薄まる」「別途課金される瀬戸大橋などを通行すると割高になる」「旧道路公団が無駄を削った分の深夜割引やポイント制度がなくなる」と、デメリットばかりを強調しますが、 私は、今回の改正はそこそこに納得感があります。

「近距離の走行が割高となる」
地方の高速道路が多いのですが一部区間では高速無料のところもあり、一概にそうは言えません。わざわざ高くなるケースだけを抽出して声高に非難するのは、意図的な偏向報道です。また近距離であれば、高いと思う高速道路を走らなくてもいいではないですか。

「首都高の距離別では長距離が割高になる」
首都高や阪神高速の最大のメリットは都内や阪神間の混雑する一般道を一部ショートカットし、移動時間を減らすことにあります。それにより一般道の混雑やCo2排出も多少は減らすことができます。つまり首都高や阪神高速は、横断するように端から端まで通り抜けをするのではなく、主に短・中距離(端から中央までやその逆)で利用することを主な利用法と想定とすれば、従来の一律課金より安くなります。そのことをちゃんと説明して欲しいものです。

「ETCのメリットが薄まる」
首都高や阪神高速では最初に徴収されますので、ETCではなく現金で乗る人は最大料金を徴収されるそうです。ETCの場合は、現在でも一部の区間ではそうですが、短距離の場合、自動的に割り戻しされます。またETCのおかげで料金の支払いの手間がドライバー側にも相当役立っています。もちろんETC制度に群がる利権構造についての問題点は山ほどありますが、今さら後戻りはできず、今後もっといい方法を考えてもらうしかないでしょう。

「別途課金される瀬戸大橋などを通行すると割高になる」
競合するフェリーなどに配慮したという説明ですが、そうすることでどれだけフェリーに流れるのかというとまったく未知数です。少なくとも長距離を走って来た人が、わざわざ高速を降りて高いフェリーを使う人はいないでしょうから、結局は地元の人達が、それでも安い高速を使うか、高いフェリーを使うかの選択ということになります。できるだけシンプルにしたという今回の改正ですが、意味があるのかどうか私にはわかりません。

「旧道路公団が無駄を削った分の深夜割引やポイント制度がなくなる」
そもそも旧道路公団のようなところが自ら無駄を削ったなんて、民間企業からすると大甘に違いありませんし、おこがましい限りです。税金が投入されている会社なので、今後は政治家がもっと厳しく精査し、ギリギリまで無駄を削り、特に国交省や警察庁からの官僚含む公務員の天下りを一掃してもらいたいものです。無駄の一番はそこでしょう。しかし自民党道路族がいてそれはできませんでした。

またマイレージポイント還元は私は当初から使っていますが、多くの人は「登録が面倒」、「知らなかった」などで実際の利用率は50%を切っているそうです。つまり多くの人が、その旧公団のありがたいはずの還元は知らないし納得していないということです。それらの複雑なことは全部辞め、もっとシンプルにわかりやすくしてもらうほうが、国民にとってずっと便利で公平です。

と、上記のようなデメリットだけがいつも強調され、けしからんとなりますが、私にとっては、いつも渋滞する休日ではなく、堂々と平日に休みを取ってリーズナブルに長距離ドライブが可能ということです。特に一般のサラリーマンにとっては子供の夏休みや冬休みの平日に、一向に取得率が上がらない有給休暇をとって、長距離ドライブをするには最適だと思います。

そもそも私も毎年のように往復してきた東京−大阪間が1年前まで1万数千円を当たり前に払っていたことを考えると、1年中いつでも2000円なのですから、これが大きな進歩と言わないでなんなのでしょう?リーマンショック後の一時的な景気刺激対策のため土日曜日千円にしたからと言って、それよりも安くしろ!というのは、それこそ財政を考えない無責任な発言です。

先日、テレビ報道番組では猪瀬直樹氏と石原伸晃氏が、馬淵国交省副大臣の説明を遮ってまで上記のようなデメリットだけを繰り返し、この政策を一方的に批判していましたが、自分達がやってきたことを否定され、よほど頭にきているのでしょう。でも政権が代わり同時に価値観が変わったのですから、自民党政権時代に妥協して作った産物と持論だけでは説得力はなく、負け犬の遠吠えに近いみっともない限りです。


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4月前半の読書 2010/4/18(日)

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永遠のとなり (文春文庫) 白石一文

永遠のとなり
親子で直木賞作家となった息子さんのほうの白石氏は、私と歳が近いこともあり(1歳違い)、本名で出版された最初の作品「一瞬の光」からずっと読んできた好きな作家です。

作者と同世代と言うことはつまり主人公とも同世代ということが多く、共感を覚えることが多々あります。

この「永遠のとなり」はかなり作者本人の自伝的な要素が多く含まれていそうで(作者も主人公も早稲田卒、パニック障害になって大企業を退職し、郷里の福岡で療養という点など)、主人公が生きてきた時代と自分のそれがシンクして(小学生時代に大阪万博が開催されシンボルだった太陽の塔がそのイメージとして残っているとか)、小説の主人公ほどには波瀾万丈(浮気が妻にばれて、離婚を経験したり)でないにしろ、自分の生き様を思い返すいい機会にもなりました。

著者別読書感想(白石一文)

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真夏の島に咲く花は (中公文庫) 垣根涼介

真夏の島に咲く花は
南太平洋の楽園と言われるフィジーを舞台にした小説です。しかし現地に住む人達(フィジー人、インド人、日本人等)にとっては、楽園とは言い難い様々な問題や生活があります。

日本人にとってはフィジーやトンガ、ツバル、タヒチなど南太平洋の国々はみな同じように思えてしまいますが、それぞれの国や民族に特徴があります。特に以前植民地として支配をしていた国の事情にも影響されているようです。

小説では2000年に起きたフィジーでのクーデターによる混乱の前後を現地に移住した日本人レストラン経営者、その恋人のインド人女性、学友のフィジー人、フィジー人の恋人の日本からワーキングビザで来ている女性が複雑に絡み合います。

元々フィジーの住民は現地人のフィジー人が51%、英国の植民地時代に労働力として強制的に移民させられたインド人(の子孫)が44%と人口が伯仲していて、それが2000年のクーデターの一因となっていますが、楽園にはあまりふさわしくない根深いものがあるようです。

つまりフィジー人にとって、自分たちの国で他民族に大きな顔をしてもらいたくないという理屈があり、一方移民インド人にとっては、フィジー人にとって有利な政策の上に、真面目に働かず利益の分配やだけを求めるフィジー人に対して苛立ってしまうという根深いものがあります。

普段知り得ない行ったこともない外国のしかも小国の様々な事情が、どこまでが真実でどこまでがフィクションなのかは考える必要があるものの、それらを知ることができるというのは小説ならではの醍醐味です。

通常ならフィジーと言えば南国のマリンレジャーのために行く場所というイメージしかありませんでしたが、そこで生活をしている人達や民族のことなどは例え旅行で行ったとしてもわからないことばかりだと思います。

で、2000年のクーデターで観光客が激減してしまい、その後どうなったのか知りたくなり調べてみると、現在は軍事政権が掌握し、民主選挙が行われていないということで、周辺のオーストラリアやニュージーランドなどとも対立し、その隙をついて中国が漁業資源の拡大を視野に入れてうまく入り込んでいるようです。

著者別読書感想(垣根涼介)

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時代小説の愉しみ (講談社文庫) 隆慶一郎

時代小説の愉しみ
エッセイが主で、超短編小説?もあったり、隆慶一郎氏の元々の本業であった映画やテレビドラマの脚本家時代の話し、時代小説に対する考え方や発想法、小説の背景などがわかる本です。隆慶一郎ファンには必携かも知れませんね。

この隆慶一郎氏は処女作の「吉原御免状 」含め二度直木賞候補に挙がったそうですが、まだ作家としての経験が短い、また次があるということで逃してしまい、作家活動を始めてわずか5年(66歳)で他界され、結局受賞ができなかったことで、その後直木賞の選考方法にも影響を及ぼしたそうです。

著者別読書感想(隆慶一郎)

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応酬 (講談社文庫)  ポール・リンゼイ

応酬
主人公はマフィアの大ボス(病気療養中)の娘と結婚したばかりに、下部組織のリーダーをやらざるを得ないやる気のあまりない男と、一方ではFBIの中では鼻つまみものが集められてダーティな潜入捜査や、盗聴・追跡などの張り込みを専門におこない、容疑が固まり犯人を挙げるときには、地元の警察署にそのすべてを引き渡してしまうという縁の下の力持ち部隊のリーダーです。

長編小説ですが、そのマフィアとFBIの両名が接触するのは最後の最後で、それまではずっと善悪それぞれが別々に事が進んでいきますが、本来は善と信じているFBIのダーティなところと、悪と思われるマフィアの意外と律儀で真面目なところが対照的で楽しめます。

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ZOKU (光文社文庫)  森博嗣

ZOKU
この本は、ずっと前に購入し、数ページ読んだところで、ハチャメチャで理解不能となり、長く書棚の肥やしとして溜めておかれた小説です。今回、熟成した肥やし救出計画のもと(単に図書購入費削減)、ほこりを払って一気に読んでみました。

森博嗣と言えばデビュー作「すべてがFになる」や「スカイ・クロラ」などが有名なSF推理ミステリー作家ですが、読むのは初めてです。

この作家の小説はしばしば漫画やゲーム、映画にもなり、マニアックな人達(単にオタクとも言えなくはない)にはとてもウケているのがわかります。またわずか10年ぐらいのあいだに数十の作品を上梓していて多作な作家といえるでしょう。

映画の「スカイ・クロラ」はDVDを借りてきて見ましたが、精密な航空機の描写など、大人でも十分に楽しめる作品でした。しかしストーリーがこれもまたぶっ飛んでいて、ストーリーは中学生〜高校生向けなのかなぁと思った次第です。

著者別読書感想(森博嗣)

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定数訴訟 2010/4/20(火)

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以前にも選挙の1票の格差と定数是正について、これからますますその関連する訴訟が増えるのではと書きましたが、前回の夏の衆議院選挙についてはすでに8件の訴訟が行われているそうです。そんなに行われているとは知りませんでした。現在は地方から高等裁判所へ場所を移しており、近々最高裁へと移っていきそうな勢いです。

高等裁判所は全国に8箇所あり、そのすべてで訴訟が行われているようですが、現在のところ判決が出たのは7件、そのうち6件が「違憲」または「違憲状態」、1件が「合憲」となっています。

こうなると世の中の趨勢はもう明らかなのですが、それでも絶対に負けを認めないのが行政側の官僚やお役人達(総務省や選挙管理委員会)であり、そして官僚の機嫌を損ねたくない政治家ということになります。

政治家はこの判決が出るたびにカメラの前では神妙な顔をして「判決を重く受け止めます」と必ずのたまうものの、すぐに官僚から指示され次の「上告」を準備しているわけで、決して重くは受け取ってはいません。

もう何年もの間、本気で変えようとはしていません。蛙の面にションベン、糠に釘、柳に風みたいなものです。ごく一部のお金持ちの口にしか入らない、地球の裏側で獲れる地中海のクロマグロなんかより、ずっと重要な問題だと思うのですが。

それは一体なぜなのでしょう?

そもそも、政治家自身に自分や所属する党の身を削り、不利益を被ることになる、議員定数の削減、議員手当のカット、特典(JRグリーン無料)の返上、福利厚生(豪華議員宿舎とか)の廃止などができるはずがありません。

だって政治活動にはお金がいっぱいかかるんです。せっかく嫌なヤツにも頭を下げて、声をからせて、汗まみれ油まみれの労働者の汚い手とガッチリ握手しまわり、プライドが高く絶対人に頭を下げたくないというブランド大好き妻に、言い聞かせて質素な服を着せて、控えめに頭を下げさせたり、メルセデスベンツを奥に隠して、自転車や選挙カーに乗って走り回るのは大変な苦労で、やっと議員という特権者になれたのに、どうして愚かな大衆と同じか、それより低い待遇に甘んじなければならないのでしょうか?とんでもないことです。なんのためにそんな苦労して政治家になったんだと思っているんですか!

と叱られてしまいそうです。

そして自分達だけ美味しい蜜を吸っていながらと、税務署やら公安やら警察やらの公の力を結集し、政治家の首根っこを押さえてしまいますので、やはり特権階級たる公務員改革もできた試しがありません。

政治家と官僚など上級公務員とは、ミッキーとミニー、ペコちゃんとポコちゃん、小林弘二と吉川操(あっ、知る人ぞ知る「俺は男だ」です)なんです。一心同体どちらかがいなくなったら共倒れしてしまう、切っても切れない運命共同体なのです。

話しが逸れてしまいましたが、定数是正は、政治家は「触れたくない」、官僚や公務員も「負けを認めたくない」なので、一応独立しているという建前ですが、司法(裁判所)も、違法状態なのは明らかなのに、政治家や官僚に遠慮し、最高裁に至っては逃げ腰、及び腰の判決となります。

今まで自民党政権では定数是正を考える場合、議員の定数を増やすことで格差を縮めていくという政治家や政党にとって都合のいい方法で行ってきました。

そのため憲法で規定されている議員定数をはるかにオーバーする違憲状態のまま、見てみないふりを続けてきましたが、さすがに巨額の財政赤字と人口減少を前にして、これ以上定員を増やす理由が付けられず、みんな誰がネコに鈴を付けようとするのかジッと待っているような状態なのです。

もし本当に定数是正=定数削減をおこなうには、道州制の導入がひとつのきっかけになるかもしれませんが、基本的な解決にはならないでしょう。それよりも、いっそ政治家や官僚達の息のかからない、外国の民間シンクタンクか大学に依頼をして「日本における適正な定数分析と選挙エリア分け」をしてもらうというのはどうでしょう。

これなら特定の既得権益者の邪魔も入らず、過去からのしがらみや悪しき慣習にもとらわれず、公平と言えます。国内の根幹に関わる制度改革を外国に頼らないとできないというのは、アフリカの新興国並みですが、それが今の日本の硬直化した政治や司法、行政組織の現実なのかもしれません。

元々、日本の政治スタイルや憲法、民主主義はそのほとんどが外国からの輸入でコピーです(象徴天皇や憲法9条などは独自のものかもしれませんが)。現代においても自らが絶対におこなえない選挙改革に、外国の知恵と経験と論理的手法を取り入れたって構わないのではないでしょうか。

マニフェストだとかタスクフォースだとかプロジェクトチームだとか、政治においてみんな臆面もなく今でも軽々しく外国の政治手法を真似ているではないですか。


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面接と読書の関係 2010/4/22(木)

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新入社員が会社に入って、研修を終え本配属される季節となりましたが、同時に来年の採用(内定)が現在佳境に入っています。

昔々そう15〜20年ほど前には、人事部門から依頼され新卒者の採用面接を行うことがよくありました。

その時に聞く質問はいくつか準備しておくのですが、その頃すでに面接対策として予想される質問と優等生の回答が多く出回っていたので、普通の質問では同じ回答しか返ってこず、面接の判断材料にはなりません。

普通によくある面接での質問とは、例えば、

 「学校では勉強以外になにかやっていましたか?」
 「自分の長所、短所を言ってください」
 「当社を選んだ理由は?」
 「当社ではなにをやってみたいですか?」
 「尊敬する人は?」
 「愛読書は?」
 「好きな言葉、座右の銘は?」
 「もし100万円あったら何に使いますか?」

などでしょうか。

ここで出てくる「愛読書は?」ですが、30年ほど前の私の就職の時にも想定質問としてありましたが、この意味がよく理解できませんでした。

愛読書ではなく好きな著者とかジャンルとか聞かれるといくらでも言えるのですが、愛読する書物と言うからには「好きで何度も繰り返し読んだ本」という私なりの理解でしたから、そんな本はありません。せいぜい、こじつければ国語事典とか広辞苑とかになってしまいます。

若い頃の私にとって、本は次々にとっかえひっかえ読むものでしたので、いくら面白いと思った本でも繰り返して読む本は1冊もありません。

なので、もしそういう質問が出るとどう答えたものかと真剣に悩みました。今考えると「愛読書」=「読んでみて気に入った本」という理解でよかったんですね。この歳になってようやく気づきました。

質問する側に立ってからは「愛読書は?」なんて意味不明な質問は封印し、代わりに「最近読んだ本を言ってください」という質問をしていました。

しかしこの質問は当時の面接質問想定集にはなかったのか、優秀な大学に在籍している学生でも、なぜかほとんどはしばらく答えに詰まってしまいます。

最後まで1冊の書名も出てこない人もいましたし、しばらく考えた後、大学の授業に使ったと思われる誰も知らない学術書をあげる人、考えあぐねて恥ずかしそうに漫画の名前をあげる人もいました。

続いて「その感想は?」と聞かれる恐れがあるので、さすがに読んでいない本を適当に答えることはできないようで、いかにもみんな本を読んでいないんだなと思った次第です。繰り返しますがネットはまだ一般家庭までは普及していない15〜20年前頃の話です。

学生の本分は勉強だなんてヤボなことは言いませんが、せめて時々は専門分野以外の本を読むというのは、最高学府で教育を受けている人間として当たり前というのが私の見解です。別に哲学書など難しい本を読む必要はなく、様々な人の生き方や、世代や国による価値観の違い、世の中の問題点など、同好会やアルバイトや観光旅行では経験できない貴重な幅広い情報や知識が本から得られます。

同好会で会長を務めていたとか、ボランティアでどこそこへ行ったとか、アルバイトでチーフをやっていたとか言っても、多くの知識を吸収すべき学生時代に僅かな費用で、ちょっとした合間にできる読書ができない、興味がないという人を私は信用できません。

ところで、話は変わって、高校受験や大学受験の際、国語の試験問題に本のタイトルと著者を結びつけるというのがよくありました。試験に常連で出てくるのは、

夏目漱石(それから、こころ、三四郎)、森鴎外(ヰタ・セクスアリス、舞姫、山椒大夫、阿部一族)、三島由紀夫(潮騒、金閣寺)、芥川龍之介(或る阿呆の一生、羅生門)、太宰治(人間失格、斜陽、走れメロス)、二葉亭四迷(浮雲)、樋口一葉(たけくらべ、にごりえ)、有島武郎(生れ出づる悩み)、泉鏡花(高野聖)、井伏鱒二(山椒魚)、井原西鶴(好色一代男)、川端康成(雪国、古都)、菊池寛(恩讐の彼方に、父帰る)、志賀直哉(城の崎にて、暗夜行路)、島崎藤村(破壊、夜明け前)、谷崎潤一郎(痴人の愛、細雪)、永井荷風(断腸亭日乗、墨東奇譚)、堀辰雄(風立ちぬ)、室生犀星(あにいもうと)、武者小路実篤(友情)、国木田独歩(武蔵野)、萩原朔太郎(月に吠える)、鴨長明(方丈記)、中島敦(山月記)、高村光太郎(智恵子抄)、井伏鱒二(山椒魚、黒い雨)、宮沢賢治(銀河鉄道の夜、セロ弾きのゴーシュ)、坂口安吾(堕落論)、徳冨蘆花(不如帰)、シェークスピア(ヴェニスの商人)、ゲーテ(ファースト、若きウェルテルの悩み)、トルストイ(戦争と平和、アンナ・カレーニナ)、ドストエフスキー(罪と罰、カラマーゾフの兄弟)、イプセン(人形の家)、ルナール(にんじん)、スタインベック(怒りの葡萄)、トーマス・マン(ヴェニスに死す)、ヘルマン・ヘッセ(車輪の下)、ヘミングウェイ(誰がために鐘は鳴る、老人と海)、カミュ(異邦人)、ミルトン(失楽園)、トマス・モア(ユートピア)、チェーホフ(桜の園)、ゴーリキー(どん底)、ヴィクトル・ユーゴー(レ・ミゼラブル)、スウィフト(ガリバー旅行記)、スタンダール(赤と黒)、メルヴィル(白鯨)、パール・バック(大地)、魯迅(阿Q正伝)、サマセット・モーム(月と六ペンス)、ロマン・ロラン(ジャン・クリストフ)

など。(ふぅ)
思いつくまま(+ちょっと検索)書いたら、意外と結構あります。上記は30年以上前の受験勉強に出てきたものですから、最近では大江健三郎や村上春樹なども加わっているのかと思います。

では、高校生や大学生が、試験に出ているこれらの有名な本を読んでいるのか?と言うと、私は恥ずかしながら受験勉強で知るまでほとんど読んでいませんでした。小・中学生でも定番の夏目漱石や宮沢賢治、「ガリバー旅行記」などは読んでいましたが。

教科書や試験によく出てくる世界または日本の名作を読まないというのは、これは問題だぞと思って、高校と大学時代に意識して読むようにしました。おかげで大学受験の時には読んだ小説から一部引用問題が出題され、前後の流れもよくわかっていたので、その問題は楽勝だったことがあります。

なるほど、多くの人が名作と認め、勧めるだけのことはあって、どれも素晴らしい小説や詩集、エッセイです。しかも一部を除き、概ね短編か、中編なので、気軽に読むことができます。短編小説の感想文を真剣に書くと、本編より長くなってしまうのでは?と思えるほどのものもあります。

私の「暇があれば読書」の生活はこの時に始まったと言えます。もっとも速読などはできず、何度も行きつ戻りつしながらじっくり読むタイプなので、速さと量を自慢するするつもりはまったくありません。

ただ、さすがに学生時代に読んだ本は内容もうる覚えだったり、若いときに読むのと、今読むのとではまた違った印象を持つだろうと思い、再度読んでみるのもいいかなと最近では思っています。

タイトルばかり仰々しい新刊書を読むのもいいですが、たまにはこう言った世界・日本の名作を読んでみるのもいいものです。


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4月のDVD 2010/4/24(土)

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2012 2009年 アメリカ
ローランド・エメリッヒ監督 キウェテル・イジョフォー主演

2012
ストーリーとしては高度に発達していたマヤ文明の暦が2012年12月に区切りがあることから2012年人類の滅亡説が噂されるテーマで、大騒ぎした1999年のノストラダムスの大予言に似通ったものがあります。

アメリカ人が大好きな地球崩壊に際しての人間愛というところで、「アルマゲドン」や「インデペンデンス・デイ」 「地球が静止する日」など数多くの作品がありましたが、この作品はなんと言っても最新のCGが最高によくできています。

街や山が隆起し崩壊していく様子や、津波に襲われるシーンなど日本映画のみすぼらしいCGと比べると雲泥の差があります。このCGを見るだけでもこのDVDを見る価値があります。

最近のアメリカ映画を観ていて気がつくのは、ストーリーの中で重要な役割を占める中国との関係です。政治的にも米中関係の親密度がよく言われていますが、映画の世界ではそれ以上に深まっていることがわかります。

以前ならアメリカ映画が外国というとヨーロッパが多く、中国はロシアと同様に敵国というイメージがデフォルトでしたが、最近は中国が米国のパートナーという立場で出てくることが多く、なんか国民世論の操作っぽく見えてしまいます。それと13億人を抱える中国での上映と成功を意識しているのは当然なのでしょう。

結局、自然との闘いでは人類ができることは限られ、生き残れるのは、津波災害が一番遅くなる先日大地震が起きた中国チベット自治区の標高4000メートル級の高地に作られた現代版ノアの箱舟に乗れた政治家や大金持ちが中心で、ほとんどの人類は死滅してしまいます。

なので決してハッピーエンドではなく見終わった後は、なすすべもない庶民としては決して気持ちのいい物ではありません。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

ノウイング 2009年 アメリカ 
アレックス・プロヤス監督 ニコラス・ケイジ主演

ノウイング
こちらも太陽のスーパーフレアによって、地球が猛烈な高温にさらされ、地殻変動が起き、人類の滅亡が迫るという、人類滅亡の映画です。地球滅亡までの限られた時間の中で家族愛や葛藤が描かれています。

同時期に公開された同じようなテーマの2012と比べると、2012が壮大な最新CG技術がウリで、ノウイングはニコラス・ケイジの個性で持っている映画と言えるかも知れません。

2012と違うのは、地球の生命種を救おうとする良心的なエイリアンが地球にやってきて、ミステリー要素も含まれ「地球が静止する日」とも似てなくもないです。

ただ人類の多くが生き残ってきた以前のこういう映画と比べると、エイリアンに連れて行かれた一部の選ばれた種以外は、主人公のニコラス・ケイジを含め地上の生き物はほとんど死滅してしまい、鑑賞後はなんとなくやるせない気持ちにさせ、せいぜい「今を一生懸命に生きよう!」と思わせるのが最近の傾向なのでしょうか。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

20世紀少年 -最終章- ぼくらの旗 2010年東宝 
堤幸彦監督 唐沢寿明主演

20世紀少年 -最終章- ぼくらの旗
大ヒット映画の最終版です。前編の第一章、第二章を見ておかないと最終章で明らかになる様々な事象や謎の意味がちょっと理解できません。

一応前章の折々の場面が再現はされていきますが、やはりストーリーとしては一本筋が通っています。ただ過去(1970年前後)と現在・未来が入り交じりますので、ちょっと油断すると混乱します。

史上最悪の世界征服者「ともだち」が最後に死に、あの覆面がはがされ顔が明らかになりますが、エンドロールが流れて、ありゃ?これで終わるの?と思ったら、さらに約10分間の続きがあり、最後の謎解きがおこなわれます。そこで始めて「ともだち」の本当の正体がわかるようになっています。これ以上のネタは明かせません。

なんでもプレス向けの先行上映会ではこの最後の10分間は上映されず、ちゃんとお金を払った人だけが最後の謎がわかるという仕掛けだったようです。なかなかやるな。

この20世紀少年は、主人公のケンヂやその同級生達が生まれたのが1959年で、私と2年違い(私のほうが年上)です。なので、映画に出てくる様々なシーンや出来事が自分が経験してきたことと多く重なっていたりして懐かしく楽しめます。それに本来なら主演を張れるような蒼々たる俳優陣や有名人がちょい役で登場しているのも驚かされます。

CGも多用されていますが、日本映画のCGの中では比較的よくできているほうだとだと思います。原作がコミックなので、マニアも多く、そのあたりはこだわりがあるようです。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

トランスフォーマー/リベンジ 2009年 アメリカ
マイケル・ベイ監督 シャイア・ラブーフ主演

トランスフォーマー/リベンジ
トランスフォーマーシリーズの第2弾です。戦闘シーンは第一話よりもずっと派手で、ブリキのおもちゃや実際にはなにもない仮想のCGを相手にしながら、いい大人が一生懸命に真面目な顔をして戦争ゲームしているのが目に浮かび、滑稽過ぎて笑えます。CGはよくできていますが、これほどCG多用なら実写版じゃなくてもガンダム(見たことないけど)のようなアニメか全編CGでも十分な気もします。

あと映画の内容はまったく子供向けなのですが、露出好きなセクシーお姉さんや犬の交尾シーンなどがたっぷり登場し、子供向けの映画に大人向けのウイットを入れたつもりなのか、人間の交尾だと成人規制がかかってしまうので、異種犬同士の交尾に変えたのか、この映画はいったい誰を対象にしたものなのかよくわからないというのが率直な感想です。


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私が(今はまだ)スマートフォンに変えない理由 2010/4/26(月)

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仕事柄、周りではiPhoneやXPERIA(SO-01B)などのスマートフォンを使っている人が、社員の半分以上(たぶん6〜7割)にのぼっています(それもまたすごいと思うのだが)。

今後このスマートフォンが携帯端末の主流となり、成長分野であることは、以前の日記で「景気のいい話」にも書きましたが、まったく疑っていません。

特にTwitterやブログなどに代表されるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)がプライベートでもビジネスでも盛り上がってきた現在、そのための閲覧・投稿ツールとして最適に近いものかもしれません。最近米国で販売開始されたiPadは、大きなスマートフォンと言ったところでしょう。

しかし、私は日本独自の規格で進化してしまったガラパゴス携帯(ガラ携)を使っていて変える気はありません。

今使っている携帯は約3年前に経費削減のため、DoCoMoからSoftbankへ買い替えたもので、そろそろ新機種に替えても、新たな費用は発生しないばかりか、買い換えの時に使えるポイントもそこそこ溜まってきています。

このポイントはうまく考えられていて、使えるのはオプション品を購入するか、新機種に買い替えする時だけに使え、ポイント獲得から3年経過すると順次消滅しまいます。つまり3年間のうちに「同じキャリアで新機種に買い替えてね」というキャリア側からのメッセージなのでしょう。

それはさておき、周囲から「遅れているヤツ」とばかりに白い目で見られながらも、ガラ携を使い続け、まだ当分買い替える気はありません。

その理由は、いくつかありますが、

1)標準でワンセグTVが観られない(外出中のスポーツ生中継にはすごく役立ちます)
2)文章を打つときやネットを見る時は携帯よりもPCを使うので必要性を感じない
3)携帯電話の料金が高くなる
4)年齢的に老眼が入っていて小さな文字を長く見ているとストレスがたまる


が主な理由です。

1)は現在のスマートフォンの状態はPCの歴史で例えると、日本独自規格のPC-9801からようやく世界標準のDOS/Vパソコンに変わった時のように、まだ日本人が日本国内で使うには十分にこなれてなく、とりあえず先進的なアーリーアダプター達が、多少の不便は顧みず使っているような状況です。

いずれ近いうちには、世界標準携帯に日本流の様々なサービス(ワンセグテレビ、電子マネー、高解像度カメラ、片手操作など)の機能を標準で供えたスマートフォンが出てくると思われます。

また電池の持続時間については普通の携帯電話と違い大きな画面で消費電力が大きく長持ちしません。つまり日進月歩で成長期にあるスマートフォンは、逆に言えばガラ携やPCのようにまだ成熟していないということです。

3)は携帯電話を個人連絡用の道具として使っているだけであれば、月2,000円もあれば事足ります(ホワイトプラン980円+メールや留守電などのオプション数百円+税金等)。しかしスマートフォンの場合は、当然ネットにつなぐことを基本としているのでパケットの送受信を無制限にする必要があり、一番安い契約でも月5,000円以上は必要です。

スマートフォンを使いながらネットにはほとんどつながないというのでは、それでは使うメリットはありません。給料が上がるどころか下がる一方の経済環境下で、毎月この数千円の差を余分に負担するためには、よほどのメリットがないと壁は越えられません。

2)と4)はこれは40代後半以降の人でないとわからないことですが、老眼が進むにつれ小さな文字はもちろん、速い動きや素早く点滅する画面には嫌悪感を感じるようになってきます。スマートフォンの当初のターゲットは、25〜40歳ぐらいまでの第一線で活躍する老眼になる前のビジネスパーソンだと思いますが、現状を見る限り、標準の文字サイズや操作方法は50過ぎの中高年者の目や手に馴染みません

またパソコンのしっかりと打てるキーボードや、それほど敏感ではないマウス操作は動きが鈍ってきた高齢者の味方です。

パソコンも音声案内やタッチパネルなどの導入により、より便利になってきますので、現役ビジネスパーソンほどにはアクティブに動き回る必要のない高齢者は、持ち歩く端末ではなく、じっくりと向き合えるパソコンのほうがずっと適していると思われます。

かと言ってスマートフォンの高齢者向け「らくらくフォン」が出れば使いたいか?と聞かれると、ちょっと複雑な気持ちになり微妙ですね。


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アナログ放送の終焉とブラウン管テレビの行方 2010/4/28(水)

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いよいよテレビのアナログ放送の終焉が近づき、画面の右上には「アナログ」の表示があったり、時々画面に「アナログは終了する」旨のメッセージが表示されています。来年2011年7月24日にアナログ放送は完全に停波となりますが、それまでは普通にアナログテレビが視聴ができると思っていたら、どうもそうではなさそうです。

と言うのも、アナログ放送の画面に残り1年に迫ってくると、今まで以上に様々な妨害というか邪魔な警告が入ってくるそうです。すでに一部の放送局では地デジの横長の16:9映像(アナログテレビは横4:縦3)がディフォルトで流されていますが、その上下の余った黒い部分に大きなお世話なメッセージが入るそうです。

その他順次「ロゴマーク」、「お知らせ画面」、「告知スーパー」が各所にしかも常時入るということです。まったく余計なことを、、、

さすがにもう従来のテレビがそのままでは観られなくなるらしいことを知らない日本人はいないと思うのですが、アナログから変えない多くの人達に、早くテレビの買い替えや、地デジ対応を推し進めるためのことだと思われます。

しかし一方では「もうテレビはほとんど観ないので、映らなくなればもう観ないし」と考える人も増えているそうです。そういう人にとってはあのアナログ終了告知は邪魔者以外なにものでもありません。せめてテレビを観る最後ぐらいは、ちゃんと綺麗にフル画面で観させてくれよ!という声も聞こえてきそうです。

テレビ局側としては、視聴者を減らしたくないので、地デジが映るようにしてもらいたいはずです。

家電メーカーや販売店にとっては、なんとか新しい機器に買い替えてもらいたいはずです。

通信各社にとってはこれを機会にアンテナなしで地デジが観られるCATVや光回線を導入してもらいたいはずです。

なんの権限があってのことか不明ですが、一民間企業のB-CAS社は、地デジ受信者から得られる個人情報や放送局から得る手数料の既得利権を守りたいはずです。

これらのように、アナログからデジタルへの変更には、すべて利権が絡んだものとして、消費者側には大きな不満が充満しています。

ちなみに、アナログの電波を停波しなければならない理由はかなり希薄です。そのままアナログ放送を流し続けることで、少なくとも一般消費者にとってなにも不利益はありません。つまりアナログ停波は国や各業界の利益を守るためにおこなわれるわけです。

しかしその不満やおかしな事をキチンと伝えるべきマスコミが、実は一番の既得権益者でもあり、まともな報道がなされることはありません。

昔Yahoo!BBがADSLを普及させるためにモデムを駅前で無料で配ったり、基本料金と通話料で稼げるので本体価格は無料にするゼロ円携帯などと同様、せめてアナログテレビに接続できる地デジチューナーやアンテナは無料で配布するべきです(生活保護世帯だけにはなぜか無料配布されるらしいが、生活保護世帯より厳しい家計の世帯はいくらでもあります)。

テレビ局は視聴者を多くの獲得することによって広告価値が高まり、利益を上げ、NHKに至っては視聴者から直接お金を取っているので、減ってもらっては困るはずです。だからデジタル化による受益者である各民放テレビ局やNHK、テレビ広告の代理店、デジタル化によって多くの天下り先が新たに確保できる国が、責任を持ってその無料配布の原資を出すべきなのです。

ところで、私の家では、リビングに設置している主に子供や妻が観るテレビは既にケーブルテレビで地上デジタルに対応(ネットをケーブルで引くときに同時に加入)していますが、私の部屋や子供部屋では、アナログ放送しか観られません。

ケーブルテレビにそこそこ高額な追加料金を払えばいいのですが、ほとんど観ないのでどうしようか思案中です。同様に迷っている人も多いと思います。

つまり別に観たいテレビ番組はそれほどあるわけでもないし、ニュースや天気予報はネットで十分だし、ドラマもすぐにレンタルDVDでまとめて観られるしということです。それに携帯電話やPCがワンセグ対応していれば、それで十分と感じられます。

景気も悪く新しいテレビを買ったり毎月通信会社に高額な請求を支払う余裕もないので、なければないで構わないと思っている人は多いのではないでしょうか。

さて、あと大きな問題が、6000万台以上と言われる廃棄されるブラウン管式のテレビ受像器の行方です。いくつかはアジア諸国へ中古品として輸出されるでしょうが、有害物質を含むブラウン管テレビが各所で大量に不法投棄されることは間違いないでしょう。

以前にヤマダ電機やコジマという上場までしている大手家電量販店が、客から廃棄代金を取っていながら回収したテレビを不法投棄していたことが発覚したことがありました。上場企業ですらそんな感じですから、中小零細の業者のモラルは推して知るべしです(もちろんキチンと処理しているところがほとんどだと思いますが)。

無料のチューナーとアンテナを希望者に配れば、とりあえずは捨てずに置いておけるので、環境にとってもいいはず(よく液晶テレビに買い替えれば省電力だとか言いますが、大画面にすればあまり変わりません)なのに、なぜそれができないのでしょう。

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