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日本の農業はどこへ向かうか マイカーで東京から京都まで旅行する場合 ゴルフをプレイしている人の年代層割合に驚いた 世界と日本の宗教別信者数 2021年版出版社不況 客員教授と非常勤講師ってなんだ? ロバート・B・パーカー「スペンサーシリーズ」全巻まとめ 窓ガラスの熱割れで火災保険は使えるか? 天然素材でも綿はよく燃えるらしいことがわかった やっとのことでJ:COMを退会した 貯まった1円玉はどうする? 自動車整備士に未来はあるか? 液晶テレビが壊れた件 リタイア後の心配事 運転免許証取得者は意外にも増えている 著者別読書感想INDEX −−−−−−−−
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---------------------------------------------------- クルマの修理であれこれ考えたこと 2018/6/2(土) 1231 歳を取って怒りっぽくなるのはやむを得まいとは言え、それを知った上でできるだけ腹が立っても押さえ込む術を知っているのはやはり歳を重ねて経験から知るものです。 老人ぼやき漫才のごとく、まぁみなさん聞いておくなはれ。先日クルマの修理においてこういうことがありました。 本来なら頭にくるようなことではないのですが、やはり歳を取って頭が硬くなり、自分の思うようにいかないとついカッカしてくるものです。お許しください。 9ヶ月前に中古で買ったマイカーを運転中、暑くなったのでエアコンのスイッチを入れても涼しい風が出てこなくなり、通常ならACスイッチを入れるとカチッと音がしてコンプレッサーが回る音がするところそれがないので、故障はたぶんそのあたりだろうと判断しました。 ディーラーのサービス工場で故障の原因を特定してもらい(およそ1時間とディーラーの人が言っていた)、その後に部品等を揃えてからの修理になるだろうと考え、まずそのチェックをしてもらうためにクルマを買ったディーラのサービスに予約の電話をしました。 そうすると「今は混んでいて修理は2週間ほどあとになる」「チェックするのも今日とか明日は無理」と、チェックするのも面倒と言わんばかりの後ろ向きというか、嫌そうな応対でまず頭にきました。 ま、予定が詰まって忙しかったのでしょう。働き方改革が叫ばれる中、予定外の緊急修理はできるだけ受けたくないというのもわかります。 でもこちらも、早く故障箇所のチェックだけでもしてもらい、もし簡単に直せるような故障であれば暑くなる前に修理を終えたいと考えています。 通常、エアコンから冷風が出ないのは、 1)冷媒ガスが抜けている(漏れている) 2)プレッシャースイッチが故障 3)エアコン基板の故障 4)ヒューズ切れ 5)コンプレッサーの故障 6)コンプレッサーベルトの緩みや破損 辺りというのは自分でもわかります。 そのうち、2)4)6)であれば15分もあれば修理は可能ですし、1)も漏れの原因と場所によりますが、通常よく起きるシールの交換+ガス補充であれば30分もかからない作業です。 それなのにチェックするだけでも、すぐには対応してくれないというのは、どうなのよ〜。中古車とはいえ、そのお店で買ってまだ1年も経っていないクルマなんですよー。 エアコンが効かないとなにが困るかというと、昼間はエアコンがないと暑いし、雨が降ってくれば曇り止めが効かなくなって危険この上なしです。 で、どうしたかと言うと、頭にきたけど仕方ないので、とりあえずいつだったらチェックしてもらえるのか聞いておき、一度電話を切り、同じクルマを扱っている別のディーラー(運営会社も別)へ電話しました。都会なので、近くに違った会社が経営する複数のディーラーがあります。 どう、怒りを表に出さず、大人の対応でしょ? すると、2番目のディーラのサービスが言うには「10日間ほど預からせてください」と。 上記にも書きましたが、最初のサービスマンが言うには「原因特定には1時間もあれば」というのに、こちらでは有無を言わせず、一気に修理までやってしまおうという魂胆なのか、10日間預かるってどうなのよ? かなり頭にきました。明らかに他店舗で買った中古車など「やりたくない」と言っているようなものですから。いかんいかん、怒らず冷静に、、、 ちなみに「なぜ買った店とは違う他店舗に修理を依頼」するかと言うと、購入時にそのクルマのメーカーの1年保証(自然故障の修理は無料)に加入していて、そのメーカー保証は全国どこのディーラでも有効となっているのです。 なので依頼されたディーラーでは他店舗で買ったからと言って修理依頼を断れないし、修理代金はメーカーからちゃんと補填されるので損害はありません(人情的に自分の店で買ってくれた顧客を優先するとかはあるでしょうけど)。 10日も預けるって、まったく問題外なので、別の会社が運営する3社目のディーラに電話してみました。これでダメだったら当分雨の日や遠出はできないが仕方ないなと。 すると、「明日でもいいですよ、とりあえず様子を見てみましょう」と神対応(笑) さっそく時間の予約をして、サービスへ入庫して30分ほどで、「チェックしてみたところプレッシャースイッチが入らないので、それを交換したら一応冷気が出るようになりました」と。 「一応」と言うのは、「とりあえずは元通りに冷気は出ますが、コンプレッサーの動作がちょっと不安定なので、そちらも部品を取り寄せておきますから後日に交換しましょう」と提案してくれました。 もちろんそれでまったく不満はありません。いくら部品交換してもらっても保証期間中なので費用はかかりません。どうせなら古い部品はどんどんと交換して欲しいぐらいです(笑)。 2週間ほどあとにコンプレッサー交換をおこなう予約を入れて、とりあえずの修理は1時間ほどですべて終了。これでなくっちゃね、、、 もし1社目にそのまま依頼をしていたら、2週間はエアコンが使えず我慢せざるを得なかったし、2社目だと10日間預けっぱなしでクルマが使えません。 こういう1社目とか2社目の対応ってちょっと私には考えられません。ユーザーの都合は一切考えず、自分たちの都合だけで決めているのでしょう。 手一杯なので客の都合なんか考えられるか!というのも一部理解できますけど、、、本当に客商売でそれでいいの?って他人事ながら心配になります。 これもやっぱり過剰サービス気味な昭和時代を過ごしてきた老人のわがままでしょうかね、、、 1社目と2社目で怒りをグッと内に抑え込みましたので、それを発散するため、ここに書かずにはいられませんでした。 【関連リンク】 1153 気になる自動車運転マナー 1081 高齢ドライバに対する偏見と規制 864 衝突安全性テストについて ---------------------------------------------------------- 承知のことだがオークションのリスクはやっぱり高い 2018/6/6(水) 1232 最初にYahoo!オークションを利用したのは2002年ですが、まだ本格的に業者の参入も少なく、出品者はほとんどが個人という時代でした。そして慣れないことから出品するときも落札するときもドキドキしたものです。 それが今や、オークションの出品者は専門の業者やセドリビジネスをおこなっていると思われる個人(業者)が主流となり、一般素人の個人出品者というのはほとんど見かけなくなりました。 まだそうした個人出品もあるのでしょうけど、物量で遙かに上回る業者(大手も個人も)の出品が大部分を占めているので、それに埋もれてしまい個人出品をほとんど見かけなくなったと言うべきでしょうか。 あるいはメルカリなど、よりシンプルで気軽な売買サイトへ個人の出品者は流れていったのかもしれません。 業者の出品者の評価数を見ると、数千という評価が載っていて、それを仕事(副業含め)としている人以外ではあり得ない売買数です。しかも出品者としての評価ばかりで、落札はほとんどしていません。 出品者の個人と業者でなにが違うかというと、まず店舗があるような有名で大きな業者は、店の評判に傷がつくようなことを避けるため、それなりに説明も商品もキッチリしています。 しかし値段(落札価格≒即決価格)は、その他の通販で販売している価格や、実店舗で買うのとほとんど変わりないので、わざわざオークションで落札するメリットはありません。 小さなリサイクル店やセドリ業者、セミプロと思える個人業者が出品する場合、出品した製品に対して詳しく説明がなかったり、聞いても不明と返されたり、面倒なことはできるだけ避けて、右から左へと手っ取り早く取引を終え、手離れ良く回していきたいという感じがにじみ出ています。 中古品の売買においては「写真を見てくれ」とだけ書いてあり不鮮明で不親切な写真だけで判断を要求します。 その中には、在庫品ではなく、安く売っている中国の通販や海外通販会社から直接落札者へ送付されるようなケースもあります。海外通販で安く購入し、送付先を落札者にするだけで手間もかからず、その差額がまるまる利益になるわけです。 また、数多くを扱うことと専門家ではないので、その商品の知識がなく、本来ついているはずの付属品がなく出品した商品だけでは実際には使えなかったり、役に立たないというケースもありますが、そうした注意書きは、「ノークレーム、ノーリターン」という魔法の言葉の表示以外ありません。 本来ならセットであるべき必須の付属品がなくても「商品は写真に載っているものだけ」とか書かれていると、あとでクレームを言っても「嘘は書いてない」「ノークレーム、ノーリターン」と反論されるだけで返品も効きません。 その点、業者ではない個人の出品では、その多くはその製品を使ってきた知識と愛着があり、詳しい説明や、逆に欠点や不足しているものまで明らかにし、質問する落札者に対しても礼を尽くすという姿勢があります。変に難癖付けられたり評価を落とされるのは誰でもイヤですからね。 なので、個人が出品する商品を落札するときは、比較的安心できますが、聞いたこともない小さな業者が相手だと、欺されるのを半分覚悟して望む必要があります。 もちろん個人出品でも明らかな詐欺や重大なマナー違反もあるのでしょうけど、幸い私がいままでコンタクトした個人出品の方ではそういう人はいませんでした。 私が零細業者や商売(副業?)と思われる個人から落札した製品で、失敗したケースが群を抜いて多いのです。 失敗例を書いておくと、ひとつは洗濯機に直接取り付ける乾燥機台。出品者は零細なリサイクル屋のようなところで、中古品で写真を見る限りメーカー品番も問題ないので、落札したものの、洗濯機に取り付ける金具がついていませんでした。 送付された台に金具が付いてなかったので出品者に「取り付け金具はありませんか?」「もしかすると取り外した洗濯機に付いたままになっているかも」と聞くと、「その台が付いていた洗濯機はもう手元にないので金具があったかどうかはわからない」「写真に写っているものが商品なので問題ない」と相手にされませんでした。そりゃそうですけどね。 仕方なくメーカーに金具だけ売ってもらえないかと交渉しましたがダメで、自分で加工して作れないかとやってみましたがダメで、結局それはそのまま大型ゴミへ。 ふたつ目はクルマのバンパーで、個人業者らしきところから落札するも、裏側にリベット留めされているはずのステーが見事に切り取られていてこちらも使い物にならず。 出品の写真では表面しか写ってなく、常識に的に考えると、わざわざリベット留めされているステー(新品部品を購入すればステー付きがデフォルト)を外しているとは思いもよりませんでした。その専用ステーがないと取り付けることもできず、こちらも大型ゴミ行きです。 三つ目はバイクのヘッドライトユニットで、これは台湾製で純正品と互換性があると書かれていましたが、実際に取り付けようと合わせてみると、寸法やサイズが微妙に合ってなく、場所によって隙間が広かったり狭かったりします。しかも送付は落札者からではなく台湾の会社から直接送られてきました。 それでもしばらく使っていると、1年も経たずしてプラスチック部分がひび割れし、全体がパリパリと割れてきました。安物買いの銭失いを絵に描いたような製品で、見た目だけでは品質まではわからないと反省しました。 その他、小物でも思っていたものと違って役立たない商品をいくつか落札してしまいましたが、そういう場合でも下手に悪い評価をつけると、報復(逆に悪い評価を付けられる)が待っているのでうかつには書けません。仕方ない、欺された(いくつかは自分の確認不足ってことでもあるのですけどね)と思うしかありません。 そうした失敗以外にも時々事件として報道されるのは、人気ライブなどのチケットを買い占めて高額でオークションに出していたり(ダフ屋行為)、芸能人の偽のサインを出品したり(詐欺)と、個人含め悪質な出品者は一定数います。 友人も10万円以上するカーナビを落札し、振り込んだ後に夜逃げして行方をくらました出品者があり、保証もなく丸損したと言っていました。 それは明らかに計画的な犯行だったようです(最近は落札者から商品到着連絡がおこなわれてからでないと振り込まれないという仕組みもあります)。 ま、悪いヤツ、悪知恵の働くヤツはどこにもいるわけで、気にしても仕方ないとも言えますが、私はオークション自体は好きでよく見ていますが、個人業者っぽい人の商品には手を出さないようにしています。 【関連リンク】 1158 海外通販を使ってみた感想 968 日本の小売り大手が動いてきた 709 Amazonにガチ対抗できるのはイオンかセブン&アイか ---------------------------------------------------------- 運転免許証取得者は意外にも増えている 2018/6/9(土) 1233 前に運転免許証の取得推移について書いたのが2011年12月ですから、7年半ぶりに更新版を書いておきます。 運転免許証の取得推移と乗用車保有台数推移を並べてみる(2011-12-01) さすがに7年半前と比べると、運転免許証の取得者は、2008年以降続く人口減少、少子化、高齢者の免許返納、若者のクルマ離れなどの影響で、2017年では減少に転じていると、書く前までは確信していました。それがどのぐらいの勢いで減ってきているのか興味がありました。 ところが調べてみると意外や意外、伸び率は低くなっているものの、2017年現在、実数(取得者数)はまだ増加し続けているのですね。 運転免許取得者数は、2017年は前年2016年と比べて5万人、10年前の2007年と比べて230万人も増えています。驚きました。 運転免許証取得者を男女別で見ると、男性の取得者数は2009年をピークにして微減が続いていますが、女性は過去一度も下がることはなく上がり続けています。 ※黄色は前年から減少、緑は過去最高 ※元データの出典はいずれも警察庁運転免許統計より つまり、男性の免許取得者は2009年に飽和状態に達し、新たな取得者よりも、返納したり更新しない人の数が新たな取得者数を上回り、さらに今後は若年層の人口減少で急速に下がり続けていくことになるでしょう。 一方、女性の免許取得者はまだ飽和状態には達してないようで、毎年男女計の総数が増えているのは女性の免許取得者増によるものです。 免許取得者の男女比率は1970年の時点では男性82%、女性18%と圧倒的に男性が多かったのが、2017年は男性55%、女性45%とかなり接近してきています。 女性の免許保有率が高まっているのは、元々低かった取得者割合が、女性の社会進出や、公共交通機関が少ない地方での生活に必要で、男性と変わらないぐらいに増えてきているということなのでしょう。 今は人手不足が深刻なバスやトラックなどの運転手も、女性の進出が進められているようで、環境さえ整えば、女性の働く場が広がっていいことです。 女性が長寿だからと言って男性よりも保有者が増えるかというと、それは違い、さすがに高齢者の免許保有にはリスクが高く、一定の年齢で免許証返納が進むでしょうから、男女間で寿命の長さと免許証保有率には今後ともあまり関係しないように思われます。 先日には90歳のお婆ちゃんが運転するクルマが歩行者をはねるという悲惨な事故がありました。90歳でも普通に運転をしているというのには驚きましたが、地方へ行くとそれが80、90の高齢者が軽トラで走っている姿は別に珍しくないという現状もあります。 上記の事故を起こした高齢者の家族は、「もう運転をやめたら?」と何度も言っていたそうですが、ただそれを言うだけではダメで、例えば優秀な自動ブレーキや誤発進抑制がついた安全なクルマに乗り換えさせる(買ってあげる?)とかしないとダメでしょうね。 国や自治体、警察も「免許証返納しよう!」ばかり言ってないで、高齢者の事故を減らしたいなら、高齢者が買い換える安全なクルマには一定の補助金を出すなど考えるべきです。 100歳のタクシードライバーがもしいれば、微笑ましいニュースにはなるでしょうけど、それに乗りたいと思う人はそう多くはいないでしょう。 女性の免許取得者もまもなく飽和状態に近づきつつあるということで、最終的に男女比が50:50になるかどうかはわかりませんが、このまま女性の免許取得者が男性を追い越し、今後さらに伸び続けていくこともなさそうです。 2017年の日本の人口は1億2653万人ですから、運転免許取得者総数8200万人は全人口の65%にあたります。 バイクの免許等は16歳以上から取得ができますが、仮に18歳以上人口(1億400万人)で運転免許取得者総数を割ると79%、免許が取れる人の約8割の人がすでになんらかの運転免許を持っていることになります。 免許証を持っていない2割の中には、様々な理由で取得していない人もいるでしょうけど、高齢者で、以前は持っていたけど返納したとか、乗らないので更新しなかったという人達が多く含まれていると考えると、免許が取得できる人口の8割まで来ているということは、もう飽和状態になっていると思われます。 しかし毎年120万人が新たに18歳になり、増えることはわかっていますから、この新たな運転免許参入者の奪い合いが運転免許ビジネスでは続くことになります。 日本の運転免許証を取得する費用(一般的に自動車教習所費用)は世界で見ても特に高額で、規制の中でのぬるま湯体質と、国土交通省、公安委員会、警察などの利権の温床ともなっているためとも言えます。金融や製造業のように激しい国際競争にさらされることもありません。 そうしたことからすれば、人口減少という今まで経験しなかったアゲンストの風を受けて、運転免許ビジネス(主として自動車教習所)の自由化や規制緩和をして、利権を壊していっても良いのではないでしょうか。 このままでは自動車学校など自動車免許ビジネスに明るい未来はやって来ないでしょう。 【関連リンク】 1197 2017年の乗用車販売台数に思うこと 1153 気になる自動車運転マナー 1124 国内自動車販売台数や耐用年数推移など --------------------------------------------------------- 6月前半の読書と感想、書評 2018/6/13(水) 1234 フェルマーの最終定理 (新潮文庫) サイモン・シン 17世紀に数学者フェルマーが残した「3以上の自然数nについて、xn(xのn乗)+yn(yのn乗)=zn(zのn乗となる自然数の組(x,y,z)は存在しない」という定理について、フェルマーが「証明できるけど余白がないので書かない」とした証明を、360年後にやってのけた数学者アンドリュー・ワイルズのノンフィクションドラマです。 なにか難しそうで最初はためらわれましたが、多くの先駆者達のお勧め本に上がっていましたので、思い切って買ってきて読んでみました。 この文庫は2006年刊ですが、先の2000年に「フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで」という単行本が出ています。 数学者とはまったく縁がなくその論理思考は知りませんが、以前読んだ小川洋子著「博士の愛した数式」やその映画で、数学者のおかしな行動や思考については興味がありました。 こちらの著書では、ピタゴラスやアルキメデスなど小学校で習う天才数学者が歩んできた数論から始まり、世界的な数学者が次々と登場してきます。 その中でも17世紀に生まれ、裁判官をしながら数式解明に情熱を燃やし、ある数式の解は存在しないことを解明したが、余白がないので書かないと残していたフランスのピエール・ド・フェルマーについての話しが長く続きます。 その解明に向けてとにかく、約数、素数、完全数ぐらいまではともかく、無理数、過剰数、不足数、べき数、有理数、虚数、楕円方程式、モジュラー形式、4次元、5次元など次々と初めて聞くことばが出てきて混乱します。 しかし著者は素人にもわかるようにといちいち説明を入れてくれていますが、ベースにほとんど知識がない文系人間だけに、一度読んでも数ページ先に出てくると「あれ?なんだっけ?」って行ったり来たりすることになり、なかなか先へ進まないもどかしさがあります。 この300年以上解明されなかった最終定理には、「谷山-志村予想」と言われる整数論で、日本人数学者も関わっていることに驚きました。まったく普通の日本人には馴染みがないでしょうから。 こうした数論が、果たして現実の社会にどれだけ役立つのか?という疑問は一般の人と同様に持ち合わせていますが、それを言ったら、芸術家が作る作品や音楽、エンタテナーとしてのプロスポーツなどと同様、人類の能力を極限まで高めていくものという理解をしてもいいのではないかなと読んで思った次第です。 それにしても、普段ライトな小説慣れしていることもあってか、こうした難しいドキュメンタリー小説は肩が凝ってしまいます。 ★★☆ ロマンス (文春文庫) 柳広司 2011年に単行本、2013年に文庫化された昭和初期の華族社会にまつわるミステリー小説です。 実は、単行本が出てまもなく購入し、2012年に一度読んで、感想も書いています。 9月後半の読書 2012/10/3(水)「ロマンス」 ありゃりゃです。今回は文庫本を読み始めてすぐに、アレ?これ知っているぞと気がつきました。 少し前にダブって読んでいた石持浅海著「月の扉」は読み進めても気がつきませんでしたが、こちらは印象がまだ強く残っていました。 って、買うときに気がつけよ!ってことで、老化現象と思われても仕方ありません。 昭和初期の華族が幅をきかせていた時代に、両親を事故で亡くした異色の華族青年が主人公で、謎だらけの殺人事件に遭遇し、その謎を解き明かしていくという内容です。 太平洋戦争前の、陸軍、特高、共産党シンパ、華族など、一般庶民には関わりのない特殊な世界ですが、テンポ良く意外な結末で、読者を引きつけてくれます。 ★★☆ ◇著者別読書感想(柳広司) ヘヴン (講談社文庫) 川上未映子 2009年に発刊、2012年に文庫化された小説です。2008年に「乳と卵(らん)」で芥川賞を受賞されている作家さんですが、著者の作品を読むのは今回が初めてです。 主題は中学生のイジメ問題を中心にして物事の善悪を考えさせようとするほろ苦い内容です。 ただ、底が浅いというか、ステレオタイプというか、あまり深くは洞察せずに、著者が思ったまま感じたまま、サクッと書いたなって感じを受ける、お手軽携帯小説って感じがします。 こうした今現実に普通に起きているテーマを用いる場合、もう少し小説として考えさせられる内容にするとかできなかったのかな〜と思わずにいられません。 それでは売れないからね、て言われてしまうとそうなのですけどね。 ★☆☆ ◇著者別読書感想(川上未映子) 雨の日も神様と相撲を (講談社タイガ) 城平京 著者の作品では2年前に「名探偵に薔薇を」を読んでいます。その時の私の評価はあまり高くありませんでしたが、、、 9月後半の読書と感想、書評(名探偵に薔薇を)2016/9/28(水) こちらの作品もタイトルからして、若向けの携帯小説っぽいなぁ〜と思いつつ、ネットの読者の評価は高かったので購入してみました。 2016年に文庫(書き下ろし?)で発刊されています。発刊は講談社タイガという珍しいレーベルで、なぜ講談社文庫ではないのか不明です。 内容は、相撲好きの両親に育てられた男子中学生が両親を事故で失い、田舎町で刑事をやっている叔父とその親(祖父)に引き取られ、転校してくるところから始まります。 その町では相撲が人気で、なんとカエルを神と崇め、相撲を奉納するというハチャメチャな展開。 主人公の少年は両親の影響もあり、小柄で不向きながらも相撲道場に10年も通い、それなりに相撲のことは知り尽くしています。 日本書紀によって「相撲」という言葉が初めて登場し、現在では土俵の上は女人禁制となっているものの、最初に記述された相撲は男性職人の手を狂わせるために仕組まれた女相撲だったとか、相撲の歴史や、様々な技など知らなかったことも散りばめられ、相撲ファンならずとも、気軽に読めるお手軽なファンタジー&ミステリーファンなら面白く読めるかも。 平安時代から鎌倉時代の作と言われる鳥獣戯画にもウサギを投げ飛ばすカエルの絵が描かれていましたが、カエルと相撲はなにか相性が良いのかも知れません。 ★★☆ 【関連リンク】 5月後半の読書 心に雹の降りしきる、人のセックスを笑うな、人類資金VII、噂 5月前半の読書 この国の冷たさの正体 一億総「自己責任」時代を生き抜く、月の扉、時計じかけのオレンジ、光媒の花 4月後半の読書 夜明け前の死、わが心のジェニファー、ラブレス、できる人という幻想 4つの強迫観念を乗り越える ---------------------------------------------------------- 自分で起業するだけが起業じゃない 2018/6/17(日) 1235 今から4年前に書いた「後継者不足で廃業、倒産する企業 2014/6/21(土)」という記事に関して、その後の状況というか補足を書いておきます。 いや、上記は4年前に書いた記事ですけど、我ながらよく書けていて、いまさらなにか新しいことを追加で書けるのか?という疑問もありますが、事業継続問題について興味がある分野だけにその動きに関心があります。 と、いうのも先日みたNHKのバラエティ的番組で「あなたも社長になれる!」的な話しがあり、これは会社というか事業譲渡がネットで気軽におこなわれていて、その中には、前の記事にも書いたとおり、後継者不足のため、事業が続けられなくなり、それを他人に事業譲渡するというパターンが増えているというもの。 少し前の朝日新聞にも、 廃業予備軍「127万社」の衝撃 後継ぎ不足、企業3割(朝日新聞2018年4月1日)
いよいよ日本経済を裏側で支えてきた中小零細企業が後継者不在でバタバタとつぶれたり廃業したりする時代に突入しています。 帝国データバンクの調査では高齢化が急速に進む四国4県で、「2013年に休業、廃業、解散した事業が1000件を超え、倒産件数の6.4倍になっている」ということです。 そうした後継者がいない中小零細企業に「会社を売りませんか?」と片っ端に声をかけて「For Sale」の看板を貼っていくのが事業譲渡仲介会社(以下仲介会社)の役割です。 仲介会社は、仲介料(成功報酬)と、その事業が新しい経営者の元で軌道に乗るまでのコンサルや支援(有料)などが主な収入源と思われます。 ひと昔だと事業の売買は「M&Aビジネス」として、銀行や証券会社、大手経営コンサルタント会社と言った、信用のあるファイナンス系、コンサル系企業が担っていましたが、現在では新興のネットビジネスとして様変わりしているようです。 ネットを使って、中古品のオークションか、転職マッチングサイトのように、企業や事業を簡単にしかもお手頃な値段で売買する仕組みができていて、これに「鶏口牛後」とばかりに若者や脱サラしたいサラリーマン、定年前後の中高年、まだまだ元気で意気盛んな高齢者にウケているそうです。 一例ですけど、こんな会社が載っています。 アンドビズ株式会社
先日のNHKの取材では、沖縄にあるサーフショップが売りに出されているのをみて、サーフィンが趣味の番組スタッフが「俺、買おうかな、、、」って、収録中に思わずつぶやいていました。 社会全体に閉塞感がある中で、なにかきっかけがあればキャリアチェンジしたい人も多そうです。 黒字ですでに実績がある会社(事業)を譲り受けるのに、安いものなら100万円とか200万円とかその程度ですから、つい「自分でもできそう」って思ってしまいますね。決してそう甘いものでもないと思いますけど。 新たな借金さえしてなければ、万一潰しても被害はその先の投資分だけです。事業を興すときに借金をして大いにつぎ込み、結果うまくいかずに倒産して自己破産に追い込まれるようなこともありません。 通常、起業するなら自分でイチから事業計画書を書いて、資金を集めたり銀行から借りてきて、会社を登記して、サイト立ち上げて、パンフレット作って、営業して回ってと、手間も時間もかかりますが、すでに売上の実績がある事業の経営を引き継ぐわけですから、継続していく難しさはあるものの、失敗するリスクはかなり減らせるでしょう。 そんな美味しい話しが?って思いますが、欲の突っ張った高齢者がよく引っかかる「黙って投資するだけで、寝てても何倍にもなる」という投資詐欺と違って、今の日本には、優れたビジネスモデルやアイデアがあっても、わずかな収益のために手間をかけて淡々と実行してくれる人がいないという状態なので、一概に疑う話しばかりではないでしょう。 頭のよい人はもっと大きく儲かる効率のよいビジネスへ移っていきますから、そうした人が見切りをつけた仕事ってことにもなりますが、それが儲からない仕事というわけでもなさそうです。。 もちろん、中には将来性がない仕事もあるでしょうし、経営者が代わることでそれまでの人脈がリセットされてしまい、取引が続かなくなり、業績が急速に悪化してしまうことも考えられます。それは買う事業の将来性や、経営環境を見誤った人の自己責任です。 そして従業員がいるような事業はそれなりに責任が重くなりますので、こうしてネットで売買される会社の多くは経営者ひとりか、せいぜいアルバイトが数名程度で行える事業が多いのも特徴です。 仲介会社としても、購入者のリスクを減らすために、例えば旧経営者にも引き続き支援をしてもらうため、株を少し持ってもらったり、非常勤役員になってもらったりと、双方にメリットが出るような売買契約の仕組みなど工夫が必要でしょうね。 いずれにしても、私の感覚では、事業に真剣に取り組めば、数年間、自分のお小遣い程度の収入を得るならばそう難しいことではなく、そのきっかけとして、自分が得意な分野で個人事業を始めるも良し、得意ではないけれど、すでに会社組織になっている事業を買うも良しです。 小遣い程度じゃ嫌だ、金持ちになりたい、上場企業を目指す!というのなら、これは何年も苦労に苦労を重ねた後、運と才能に恵まれ、何千人、何万人にひとりがやっと成功するというぐらいにたいへんなことでしょう。 【関連リンク】 1169 定年起業 1068 個人事業主の中でもフリーランスとしての働き方 828 後継者不足で廃業、倒産する企業 ---------------------------------------------------------- 新しい元号はなにに決まる? 2018/6/20(水) 1236 もう1年後のこの時期には新しい元号(○○元年)となっています。会社の書類などでも、西暦と複数の元号が混ざり合っていて、これがまた面倒なことこの上ありません。 新元号については様々な決まりがあり、また勝手な憶測が流れています。 ・過去に元号として使われていない ・書きやすく、読みやすいこと ・俗用されてなく、商標登録などされていない ・漢字2文字で簡単に書けること ・略称のアルファベットがM(明治)、T(大正)、S(昭和)、H(平成)以外 ・アルファベットで「I(アイ)」や「O(オー)」も数字と間違えやすいので使われない ・最近の元号と同じ漢字は間違えやすいので使わない ・出典や意味がわかりやすい などいくつか考えられる条件がありますが、過去の元号候補で結局その時は使われなかったものが、再び候補となり選ばれることが確率的に65%程度あったそうで、明治も大正も平成も過去に候補となったことがあります。 恐らくですが、ネットやマスコミで噂されるような元号はまず外されるはずで、こうした予想とかに一切出てきていない意外性のある漢字二文字が選ばれるのでしょう。 但し過去の候補はそれなりに由緒正しいものなので、それから選ばれる可能性は否定できず、その中からとすると、少なくとも、M:マ行、T:タ行、S:サ行、H:ハ行で始まる元号や、中国の都市名など俗称的なものを省くと、かなり絞り込めます。 昭和、平成に決まった際に他に候補に挙がったものから上記の条件を満たしているのは、「元化(GENKA)」のみと言うことになります。すでに元化を商標登録している人とかもいそうです。 う〜む、、、いまいちか。 ネットを見ていると、ア行の「安」を使った「安久」とか「安永」「安始」とかを挙げる人が多いようです。意味としてはなんとなくわかりやすいですね。 その他ネットで調べてみると、 ア行「安延」「安化」「安長」「安仁」「永太」「永明」「永光」「永安」「永化」「永徳」 カ行「感永」「希栄」「建和」「建安」「弘徳」「弘保」「弘栄」「弘福」「弘永」「光文」 ザ行「仁福」「寿安」 バ行「文承」「文弘」 ワ行「和永」 下馬評では「安」か「永」か「弘」が最初の1文字と予想している人が多そうです。 意外とナ行とヤ行の元号候補がありませんでした。この辺りが大穴かも知れません。 ネットでの候補を見ていて、一番笑ったのは「苦節」でした。「苦節10年」とか語呂が良さそう〜 新元号の発表時期については現在のところ決まっていないらしく、2019年2月におこなわれる「天皇陛下の即位30年を祝う記念式典」の後という見方が有力のようです。 カレンダー業界は、来年はもう西暦表記メインでしか対応できず、その他、公的機関に多いですが、元号で様々な書類や証明書などを発行している機関は、5月1日の切り替えまでの準備期間が短いと大変でしょうね。 それでなくても、2020年までは人手不足が深刻ですから、元号の変更作業は、天皇やそれに紐付く元号に歴史的にあまり良い感情を持っていない中国やベトナムなどの業者に丸投げするという変な構図になりかねませんね。 【関連リンク】 1094 元号の話し 1101 除け祈願 998 天皇陛下の外国訪問 ---------------------------------------------------------- リフォーム講座へ参加してみた 2018/6/23(土) 1237 自宅もすでに25年を過ぎて、あちこちに傷みが目立つようになってきましたので、リフォームのことが気になり始めています。 我が家では、屋根と外壁を17年前に補修&塗り直し、13年前にキッチン水回りの修繕、4年前に浴室や洗面所のリフォームを行っています。 788 浴室のユニットバス化リフォーム工事完了 508 洗面化粧台をDIYで交換 その2工事編 屋根と外壁の2回目の補修&塗り直し、居間や廊下の床の張り替え、トイレ(1階と2階とも)ユニットの交換がそろそろ必要となってきています。 最近は新築の広告よりもリフォームの広告が目立つようになってきたのも、1980年代〜90年代にかけて大量に建てられた一戸建てが、一斉にリフォームが必要なほど老朽化を迎えていることからでしょう。 それと旧耐震基準(1981年以前)の建物の対策も急がれます。 そこで新聞チラシに入っていた「屋根と外壁 夏のメンテナンス講座」と銘打った「一般社団法人 市民住まい向上委員会」というところが主催する、ちょっと怪しげな無料セミナーへ怖いものみたさで参加してきました。 なにが怪しげかというと、この一般社団法人、ネットでググってみれば、いろいろと出てきますが、簡単に言えば特定のリフォーム会社が会員(スポンサー)となって設立しているようで、そこの元社員がこの社団法人の代表を務め、こうしたリフォームセミナーを全国各地で開催しています。 そしてそのセミナーで集まってきた参加者こそ、リフォーム会社の最大の見込み客だということです。 つまり、リフォームしたい客を集めて、そこから一本釣りで注文をとろうというのがミエミエなのです。 でも同じくネットで、「たいへん役立った」とか「リフォームの見積もりは複数の業者からとるようにと言われ、特定の業者だけに誘導するようなことはなかった」と、参加者を囲い込むだけがこのセミナーの目的ではなさそうと、好意的な意見も多数ありました。 この仕組みで上手いなと思うのは、セミナーが、地域の役所とか合同庁舎とか(の中にある貸し会議室)で開催されています。したがってチラシには大きく「開催場所:○○区役所」とか「市民プラザ」とか書けるわけです。 それは一見すると、行政が行う「市民講座」と錯覚しそうで、ぼんやりと生きている人に安心という誤解を与える効果があります。チコちゃんに怒られます。 そういうことを知りながら、なぜ参加するのか? タダほど高くつものはないぞ! 確かにそうなのですが、リフォームや屋根の補修というのは、私のように一般の人にとっては馴染みがなく、知識もないも同然です。 セミナーの裏に何かがあったとしても、リフォームのことについて教えてくれるなら、それが特定業者への誘導目的であっても、そうということを知っていれば良いではないですか? で、そういう理解の元で、参加してきたわけです。 休日の役所はひっそりとしていて、ほとんど無人状態です。暗い廊下を進むと会議室の前には係員さんがいて、事前予約した人のチェックをし、小冊子を渡されて席に着きます。 そしてセミナーの中身はというと、意外というと失礼ですが、なかなか良かったです、いや正直に。 当たり前ですが、バックに業者がついていることはカケラも漂わすこともなく、講師のしゃべりも手慣れたもので、リフォームする時のいくつかの注意点やポイントを素人にわかりやすく教えてくれます。 例えば、屋根の塗装で手抜きされることが多いスレート瓦の縁切りについて知っておくようにとか、外壁のサイディングで直張りか通気工法の違いで塗装に向き不向きがあるという話しとか。 業者選びの際に、塗料の種類や使用量の見積もりの見方(手抜きの見抜き方)、作業工程表からわかる塗装の乾燥時間など。普通はこうしたことって素人は知りませんよね。知る必要がどこまであるのかってこともありますが。 実際に役に立つのかどうかはわかりませんが、依頼する業者に、例えば「塗料はなにをどれぐらい使う予定か?」と聞くだけで、「この施主は下手に手抜きするとバレるかも」と思わせることができ、その後の対応が違うかもしれませんね。 そして新聞折り込みによく入っている広告では、屋根や外壁塗装の料金設定が、塗る屋根と外壁の面積単位ではなく、誰もが知っている建坪数で見積もられる不思議とかの話しも面白かったです。必ずしも建坪と外壁面積は比例しませんからね。 その時には、実際によく新聞に入っていたりポスティングされている業者のチラシを見せて「こういう外壁面積ではなく建坪で金額が決まるいい加減な見積もりは信用できますか?」と、格安広告に対して一矢を浴びせます。 さらに、建物の経年劣化を事前に写真や動画に撮って説明を受けるインスペクション(調査・検査)の重要性など、素人の発注者が喜びそうな(逆に請負業者が面倒に思う)役に立つ話が聞けました。 おそらくこのセミナーのバックにいるスポンサーのリフォーム企業は、そのあたり(外壁面積算出して見積もり+インスペクション)を、セミナー講師が言うとおりにおこない、他の安い業者と差別化をし、客に信用させるのでしょう。そっかぁ、なんとなく見えてきたぞ〜。 そしていよいよセミナーが終わり、最後に「セミナー参加者によく業者の紹介を頼まれるから」という理由をつけて、「セミナー参加者だけに外壁面積を算出し、さらに実地検分し、経年劣化を調べビデオ撮影を無料でしてあげます」と。 まさに、ここがこの無料セミナーの最大のポイントでしょう。 しかし、もちろんそれは決して脅したり強制したり、サクラが集団心理をあおったりするようなものではなく、冷静によければどうぞという感じで、人の良さそうな参加者は、戸惑いつつも割と希望しているようでした。 そりゃ、「タダでそこまでしてくれるというのには、なにかワケがあるな」って誰でもわかりますが、それでも急を要している人ならこのチャンス?に飛びつくでしょう。 セミナーの参加者は30人ぐらいでしたが、そのうちの2/3ぐらいの人が、上記の外壁面積算出と簡易なインスペクション(検査とDVD撮影)を申し込んでいる感じでしたので、見込み客獲得法としては悪くない感じです。 こうしたセミナーでは、申し込みをリードするサクラ(仕込まれた参加者)がいて、積極的な質問や、真っ先に調査を申し込む人がいても不思議ではありませんが、今回そうした人はいなかったように思います。 講師は「調査の依頼をしても、その業者に工事を頼む必要はありませんから」と、言っていましたが、検査後にキッパリ断れる勇気があるかどうかは別として、リフォームを考えている人は背中を押してくれる良い機会かもしれません。 検査をすると、そりゃ、ひどく悪いところを強調し「このままだと中が腐ってしまうので、すぐに対処した方が良いですよ」とか、リフォームをあおりまくることは間違いないでしょう。検査だけ何社にも依頼するような人はまずいないでしょうから、言ったのも勝ちです。 社団法人を作り、そのスポンサーとなり、会場費、広告宣伝費をかけて無料セミナーを実施し、その参加者の家を無料で現地調査して、そこでつかんだ魚は簡単には逃がしてくれないでしょう。そうでなければこうしたお金も手間もかかるセミナーなど行いませんから。 私? セミナー修了後、なにも申し込まず、速やかに撤収してきました。 但し個人情報は申込時に渡していますので、それがいずれDMや訪問営業につながってくるのかもしれません。 【関連リンク】 1227 今の低い住宅ローン金利が羨ましい世代 810 高齢者向けビジネス(第1部 居住編) 795 定年リタイア時の必要貯蓄額と生涯住宅費用 ---------------------------------------------------------- 道路の白線についての誤解 前編 2018/6/27(水) 1238 道路交通法の話しになりますが、知らなかったこと、誤解していたこともあり、ちょっと整理しておきます。 なお、本文の道交法等法律の解釈について、できるだけ信用がおけるところで調べましたが、解釈が分かれている場合や、間違っているケース、記述の仕方が悪く誤解を生じてしまうこともありますので、ご参考程度にしていただくよう、予めご了承願います。 まず「道路の白線(実線)と黄色線の違い」についてです。 黄色の線(基本実線しかない)については明らかで、センターライン(中央線:上り下りを分ける線)であれば「追い越しの為のはみだし禁止」、通行帯を区分する線(車両通行帯)であれば「進路(車線)変更変禁止」ということはみんな知っての通りでしょう。 追い越し禁止区間はもちろん、そうでない場所でも、黄色のセンターラインが引いてあれば、それをまたいで前車を追い越しするのは即違反となります(危険を避ける緊急回避や車線上に障害物等がある場合を除く)。 センターラインではなく、通行帯を示す黄色のラインは、交差点付近や、トンネルなどでよく見かけます。 こちらも黄色のラインは基本的にまたいじゃダメってことで、追い越しするしないに関係なく、黄色線で進路変更するのは違反です。単なる追い抜きは車線をまたぎませんので、問題ありません※。
では白線(実線)の場合は、どうでしょう? センターラインが白線(実線)の場合は、黄色の線と同様「はみだし禁止」です。 黄色線と白線の違いは、車線数(または道路幅)による(必ずしもそうではないですが)とのことで、白線(実線)だと「はみ出し可」と理解している人が多いようですが、それは間違いです。 車線数の違いとは、片側1車線のセンターラインの場合で「はみ出し禁止」の場合は黄色線、片側に複数車線あり「はみだし禁止区間」は白の実線となります(例外あり)。 この下の写真では片側1車線で、センターラインは黄色実線から途中で白実線へと変わっていますが、どちらもはみ出し禁止です。反対車線は白色破線ではみ出しての追い越し可です。 通常センターラインを超えて走るのは障害物を避ける以外では、追い越しだけでしょうから、黄色も白色(実線)も同じ意味「はみ出し禁止」と解釈して良さそうです。 あるQ&Aコーナーで誰かが書いていましたが「白の実線は白の破線と同じ意味」というのは、センターラインに関して言えば間違いで、はみ出して追い越しが可能な白色の破線と、はみ出し禁止の白色の実線という違いがあります。 (参考)道路のセンターライン(中央線)の種類と意味とは?(MOBY) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 次にこちらが問題なのですが、車両通行帯(走行レーン)に引かれているラインです。車両通行帯とは複数の車線がある場合に、路面に引かれている黄色や白のラインのことです。 黄色の通行帯は上記に書いたとおり「進路(車線)変更変禁止」ですが、白線(実線)の場合はどうでしょうか? 実は私は運転歴40数年間、ずっと通行帯においても黄色の線と同様と思っていました。つまり線の上をまたいだり、進路変更しちゃダメよと。 しかし調べてみると、通行帯の白色実線は「進路変更は可能」ということなのですね。法律的には「よい」とは書かれているわけではなく、追い越しは禁止されていますが、進路変更は禁止されていないのです。 下の写真は3車線あり、真ん中の車線からは右の車線でも左の車線でも進路変更は可能(白色実線)ですが、左の車線から右への進路変更は禁止(黄色車線)ということです。 違う角度で見ると、交差点の手前30mでは通行帯が何色であろうと「追い越しは禁止」(道交法30条第3項)となっています。 しかし交差点手前30m以内でも、車線からはみ出すことが禁じられている黄色の車両通行帯以外であれば、追い越しではない進路変更は禁止されていません。 したがって、繰り返しますが、交差点の直前であっても、通行帯が黄色でなければ、そして追い越し目的でなければ白い実線の通行帯をまたいで進路変更するのは違反ではないと言うことです。 2車線以上ある首都高を走っていると、車両通行帯は黄色の実線、白の実線、白の破線が短い区間で次々と入れ替わります。 そこで、黄色はもちろん、白の実線でも進路変更はダメと認識して今まで走っていましたが、それは間違っていると言うことです。 確かに「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」では、「進路変更禁止の道路標示は、黄色い実線で示す」と定められています。白色ならば進路変更はできるということになります。 いやこれは勘違いしてました、、、 大昔、教習所の教官から「黄色も白も実線なら同じ意味だからまたいではダメ!」ときつく言われたのでそれをずっと信じていました。「同じ意味」というのは「センターライン」に関してはということなのですね。 でも普通に交通量がある複数車線の広い道の「追い越し禁止場所」で、白の実線の通行帯をまたぎ、車線を変更し、周囲を走るクルマの前に出た場合、それが「追い越し目的」かどうか誰がどのように判断するのか?って難しい問題がありそうです。 追い越しの場合は、上記の※に書いたとおり、「車線を変えて追い抜く」と言うことですから、車線を変更して追い抜いたかどうかは、周囲の道路事情やクルマの流れによって変わってきます。意図して追い越そうとしたかどうかなんてわかるのでしょうか。 後方で見張っていた白バイ隊員や、電柱の陰に隠れてのぞいているチャリの警官が「今のは追い越し違反だ!」と言えば、それだけで通ってしまいそうです。それが嫌なら紛らわしいことはしないようにってことしか防ぎようはなさそうです。 ちなみに、追い越しの後、再び元の車線に戻るかどうかは追い越しの定義にはなっていないようです。したがって「追い越して元の車線に戻らなければ追い越しではない!」という論理は通用しません。 追い越しは「車線を変えて抜いた後、また元の車線に戻るまでの行為」と書いてある資料もありましたが、それは正しくないようです。 複数車線がある道路で車線を変えて前のクルマを追い越した後、そのままの車線で走り続けても問題ありません。ただ、その車線が追い越し車線だった場合は、いつまでも追い越し車線を走るのは「通行帯違反」となります。 よく高速道路で、追い越し車線をずっと走り続け、金魚の糞みたく後続のクルマを何台も引き連れ、のんびりと走っている空気読めないドライバーがいますよね。 我慢しきれず、内側から追い越すと、違反になるので注意を。 (参考)走行中の車線変更、車両通行帯が白破線だと変更可・黄色線は不可。では白実線は?(CLICCCAR) 後編に続く 【関連リンク】 1153 気になる自動車運転マナー 800 高齢化社会で変化している交通事故の統計を見る 661 乗用車の平均車齢と平均使用年数 ---------------------------------------------------------- 道路の白線についての誤解 後編 2018/6/30(土) 1239 「道路の白線についての誤解 前編」では、白線実線が車両通行帯(車線)に引かれている場所で、それをまたいで進路変更は可能、交差点近くなど追い越し禁止場所でも、追い越し目的でなければ進路変更をしても違反にはならないという私にとっては意外で衝撃的な(大げさ)話しを書きました。 また、白色実線は、センターラインで使われるときと、車両通行帯で使われる時とで、意味は違っているということも誤解していました。 後編では、さらに混乱しそうな、路肩に引いてある白線についてです。 みなさんは、この路肩に引かれている白色実線の意味と解釈を正しく理解していますか? 実は私も恥ずかしながら勘違いをしていましたが、この路肩に引いてある白の実線(車道外側線と言う)ですが、道路の状況によって意味が変わってくるようです。 ・歩道がある道路の歩道と車道の間(路肩)に引かれた白線 ・歩道がない道路の路肩に引かれた白線 ・高速道路等の路肩に引かれた白線 一番わかりやすいのは、高速道路等の路肩(路側帯)を示すために引かれた白線ですが、基本的に路肩部分が広いからと言ってもそこへはみ出したり、路肩へ入って走行すると通行区分違反に問われます。故障など緊急対応で路肩に入って停めるのは事故防止上、やむを得ないことです。 次に高速道路等でない一般道で、下の写真のように、歩道がない道路の端に白色実線で引かれた路肩の部分は「路側帯」と呼ばれ、通常は歩行者や軽車両(自転車など)が利用できる場所とされ、自動車(原付バイクや自動二輪車含む)は乗り入れることはできません。 歩道がない分、路側帯は歩道とほぼ同じ意味と思ってよいですね。駐停車するときも、原則この路側帯に入って停めてはいけません。但し路側帯が75cm以上ある場合は、道路の端から75cmあけて路側帯に入って停めることが可能です(駐停車禁止区間を除く)。 ま、ここまでは、常識レベルでしょう。 では車道とは別に歩道がある道路において、歩道と車道の間に白い実線(車道外側線)が引かれている場合(下の写真)はどういう意味で、それをまたいでバイクは路肩を走れるでしょうか? この場合、車道と歩道の間という微妙な道になりますが、通常の路肩ということで、細かな決まりはあるものの、そこを自動車が走行しても特に違反という規定がみつからないので、二輪のように狭い路肩でも走れるならば走っても問題はありません。 えぇ?クルマが渋滞している中、バイクが路肩を走って追い抜いていってもいいの? 実は微妙で、wikipediaの記載では、「路側端に歩道がある場合の車道外側線の外側部分(白線と歩道との間)について、車道に当たるとする判例と、車道には当たらないとする判例が対立している」とあるように、司法の場でも意見が分かれているようです。 なにかスッキリしませんね。 でも取り締まる側の立場になれば、こうした判例が分かれているような場合にあえて違反だ!とは決めつけないでしょうから、歩道がある路肩であれば、二輪で走ってもまず大丈夫と思っても良さそうです。 但し、違反とはいえないようですが、下の写真のような50cmにも満たない路肩(車道外側線の外側)をバイク等で走るのはとても危険です。実際に道路に捨てられたゴミや、脱落したクルマの部品、ガラスなどがよく散乱していて、そこを走るのはかなり危険を伴います。 これも、なんとなく理解していましたが、詳しくは知りませんでした、、、 もう一つ付け加えておくと、歩道があり、広い路側帯だからと言っても、追い越し違反や割り込みとなると話しは違ってきます。 動いているクルマを左の路肩を走って抜くと「追い越し方法等違反」に問われます。ノロノロと車線を走るクルマをバイクで左側の路肩から抜いちゃうことってありますよね。これは厳密に言えば違反。 但しずっと路肩を走り続けて「これは追い越しではなく単なる追い抜きだ。したがって追い越し方法等違反ではない」という論理は通用しそうですが、これはよくわかりません。 同様なのは高速道路とかで左側の登坂車線や走行車線を使って右側を走るクルマを追い抜くのも違反に問われることがあります。知人が以前捕まったと嘆いていました。 ちょっと理不尽ですが、右側の車線を走るクルマがなにかで詰まってスピードが落ちたため、結果的に左側の車線を走行していたクルマが追い抜いたという場合は除き、内から追い抜いたあとにそのクルマの前に出たりすると追い越しではないという言い訳は通用しないでしょう。 信号などでクルマが停止している場合は、左側の路肩を進み、停まっているクルマの前に出るのは追い越しではないので問題はなさそうです。 但し、その場合でも路肩から車線に入り、停まっているクルマの前に割り込みをすると「割り込み等の禁止」の違反となる可能性があります。 が、現実的には大きな交差点には2輪用の停止線が一番先頭に作られていたりするので、バイク乗りは普通にやっているような気もします。でも厳密に言えば違反です。 以上のように、路肩に引かれた白線にもいろいろと意味があって、知っておかないと、電柱の陰に隠れて見張っているおまわりさんに理不尽にも反則金を召し上げられることになりそうです。 最後に、道路上によく描かれているゼブラゾーン(導流帯)というのがあります。 交差点の右・左折レーンの手前(下の写真)とか、センターラインを囲むように描かれたりします。 これってどういう意味かって言うと、転回禁止や最高速度の道路標示(規制表示)などとは違って、円滑な交通や注意を促すための単なるマーク(指示表示)に過ぎず、その上を走っても罰則を伴う違反には該当しません。 したがって、ショートカットのためゼブラゾーンの上を走ってもまったく問題はありません。雨の日はよく滑りますけどね。 しかし、たまーに、黄色い線で囲まれたゼブラゾーンというのがあり、これは立ち入り禁止の規制表示となり、入ると違反となりますので注意を。 あと、ゼブラゾーンには、障害物があることを知らせる目的でつけられていたり、ゼブラゾーンを走ってくるクルマやバイクはないと思い込んで後方を確認せず車線を変えてくるドライバーも多いでしょうから、むやみにゼブラゾーンを走っていると、前に道路分岐の障害物が現れたり、前のクルマと接触したりと、予期せぬ危険があることも承知しておく必要があります。 【関連リンク】 1238 道路の白線についての誤解 前編 1152 マンホールで転ける原因 751 自動車事故と車種や装備の関係 |
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