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004 乳と卵 003 あこがれ  
002 すべて真夜中の恋人たち 001 ヘヴン


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1976年大阪府生まれ。高校卒業後は弟を大学に入れるため、昼間は本屋でアルバイト、夜は北新地のクラブでホステスとして働いた。1996年日本大学通信教育部文理学部哲学専攻科入学。2002年歌手デビュー。2007年『わたくし率 イン 歯ー、または世界』で作家メジャーデビュー。2008年『乳と卵』で芥川龍之介賞受賞。夫は再婚同士の阿部和重。代表作は、『乳と卵』(2008年)、『ヘヴン』(2009年)、『あこがれ』(2015年)など。(Wikipediaより引用 2022年)

004 乳と卵 (文春文庫)

2008年に発刊され、芥川賞を受賞した作品です。短編の「あなたたちの恋愛は瀕死」も収録されています。

この著者の作品は「ヘヴン」(2009年)「すべて真夜中の恋人たち」(2011年)「あこがれ」(2015年)を読んでいます。

男性にはよくわからない、思春期の女性が大人の女性に変化していく女性独特の話しをジンワリと教わった感じの小説です。

タイトルの卵は卵子のことを指し、乳は女性特有の象徴ですが、この小説では、主人公の少女がやがて生殖に必要な生理が始まることを鬱陶しく思い、離婚してその少女と二人暮らしの母親が豊胸手術をしたいといろいろ調べているという設定です。

もう一人の主人公は、その豊胸手術をしたがっている母親の妹で、東京で一人暮らしをしています。登場人物は女性ばかりですね。

なかなか話が進まずに、だからなに?と思っているうちに終わってしまう短い小説ですが、これが文化人が認める純文学というものか〜って気がします。時代が変われば賞の評価や対象にも変化があってしかるべきなのでしょう。

★☆☆

12月前半の読書と感想、書評 2019/12/14(土)

003 あこがれ (新潮文庫)
2008年に「乳と卵」で芥川賞を受賞した著者の作品は過去に「ヘヴン」(2009年)と「すべて真夜中の恋人たち」(2011年)の2作品を読んでいて、今回が三作目です。

この作品は「ミス・アイスサンドイッチ」と「苺ジャムから苺をひけば」の2つの連作短編小説が収録されています。

主人公が小学生という私のもっとも苦手とする小説で、最近の小学生って、こんなに気が利いて、頭が良くって、物知りで、想像力豊かで、語彙が豊富だったっけ?と思うぐらいに、小賢しい限りです。

もっとも、大人、しかも才能のある作家さんが、想像の中から創り出す小学生ですから、何でもありって言えばその通りで、楽しければそれで良いという軽い読者には十分なのかも知れません。

テレビを見ていても、そこに登場してくる子供(子役?)達は、大人顔負けの知性と将来への固い決意、そして無垢な純粋な心を合わせもち、だらしない大人を煙に巻くというのがだいたいの流れとなっていますので、小説においても、ま、そういうことになりますか。

いや、自分の小学生の頃と比べると、そのあまりの落差で、フィクションとは言えなにか恥ずかしくなってくるだけに、小中学生が理路整然と難しいうんちくを語り、高度な知性を発揮する小説というのはとても苦手です。

この小説には出てきませんが、同様に、最近の映画には欠かせない、政府機関などどこにでもハッキングができて、主役にいたく協力的な天才ハッカーの存在も、もういい加減に飽き飽きしています。

ま、そういうことで、ストーリーは、洗練された大人の頭脳?を持った普通の小学生の日常を淡々と描いたもので、なにかとりたてて、魅力的なものではありません。

★☆☆

9月後半の読書と感想、書評 2019/10/2(水)

002 すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)
小説の2作目「乳と卵」で芥川賞を受賞した優秀な作家さんで、旦那さんは同じく作家の阿部和重氏という、なにか気の休まるところがなさそうな、同業者カップルです。

著者の作品は昨年(2018年)に「ヘヴン」(2009年)を読んでいます。

この著作は上記「ヘヴン」のあと、2011年に上梓された小説です。

主人公は30代の未婚女性で、仕事は出版社などから依頼を受けて内容のチェックをおこなうフリーの校閲者です。作家というか物書きの人とは接点が深く、その習性や行動パターンなどにも理解があるのでしょう。

一応、女性向けの恋愛小説という体ですが、どちらかというと、30過ぎた未婚女性の同性同士の関係性において出てくる嫉妬やひがみ、あきらめなど深層心理に深く刺さる描写がメインのような気もします。

したがって、男性が読むと、女性の思考パターンなどが理解しやすくなるのかも。でも小説ですから、出てくる人達は決まって極端に振れている感じなので、それがすべてってわけでもないから、ややこしいです。

恋愛小説と思って読むのはちょっとどうかなぁって男性の私は思いますけど、一般的な女性からすると、これでもリアルな恋愛小説なのかもしれません。

★★☆

8月後半の読書と感想、書評 2019/8/31(土)

001 ヘヴン (講談社文庫)
2009年に発刊、2012年に文庫化された小説です。2008年に「乳と卵」で芥川賞を受賞されている作家さんですが、著者の作品を読むのは今回が初めてです。

主題は中学生のイジメ問題を中心にして物事の善悪を考えさせようとするほろ苦い内容です。

ただ、底が浅いというか、ステレオタイプというか、あまり深くは洞察せずに、著者が思ったまま感じたまま、サクッと書いたなって感じを受ける、お手軽携帯小説って感じがします。

こうした今現実に普通に起きているテーマを用いる場合、もう少し小説として考えさせられる内容にするとかできなかったのかな〜と思わずにいられません。

それでは売れないからね、て言われてしまうとそうなのですけどね。

★☆☆

6月前半の読書と感想、書評 2018/6/13(水)



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