035 | 砂の街路図 | ||
034 | 地層捜査 | 033 | 北帰行 |
032 | 廃墟に乞う | 031 | 巡査の休日 |
030 | 警官の紋章 | 029 | 夜を急ぐ者よ |
028 | 警官の血 (上)(下) | 027 | 天下城〈上〉〈下〉 |
026 | ラストラン | 025 | 飛ぶ想い |
024 | 犬どもの栄光 | 023 | 制服捜査 |
022 | 北辰群盗禄 | 021 | くろふね |
020 | 牙のある時間 | 019 | 警察庁から来た男 |
018 | 笑う警官 | 017 | 疾駆する夢 上・下 |
016 | ユニット | 015 | きょうも舗道にすれちがう |
014 | 黒頭巾旋風録 | 013 | 屈折率 |
012 | 昭南島に蘭ありや 上・下 | 011 | 鷲と虎 |
010 | 総督と呼ばれた男 上・下 | 009 | ネプチューンの迷宮 |
008 | 新宿のありふれた夜 | 007 | 勇士は還らず |
006 | ハロウィンに消えた | 005 | 愚か者の盟約 |
004 | 夜にその名を呼べば | 003 | サンクスギビング・ママ |
002 | エトロフ発緊急電 | 001 | ベルリン飛行指令 |
佐々木 譲(ささき じょう、1950年3月16日 -)は、日本の作家。本名は同じ漢字で「ささき ゆずる」と読む。東京農業大学客員教授。日本アレンスキー協会の名誉会長。 北海道夕張市生まれ。北海道中標津町在住。北海道札幌月寒高等学校卒業。美術系大学への進学を断念したのち、京都や東京などで溶接工、自動車組立て工などのアルバイト生活を続ける。その後広告代理店や本田技研で広告関連の仕事に従事、1979年「鉄騎兵、跳んだ」で文藝春秋「オール讀物新人賞」を受賞し、作家デビュー。同作は映画化もされ評判となった。歴史や犯罪を主に題材に採り、ジュブナイル小説も手がけている。近年は電子絵本の制作や自作の舞台化にも積極的である。また、直木賞をはじめ数々の文学賞を受賞している。(Wikipediaより引用 2022年2月) |
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035 | 砂の街路図(小学館文庫) |
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2015年に単行本、2018年に文庫版が発刊された北海道を舞台にした長編小説です。 小樽などいくつかの都市をモチーフとした架空の郡府という市内にある運河が四方に流れる明治時代に栄えた運河町という場所だけで話は進みます 主人公は東京に住む独身の高校国語教師の男性で、両親がこの郡府にある大学を卒業していて、父親が20年前に誰にも告げずこの郡府の運河町で事故で溺死となって発見されています。 父親がなぜ誰にも告げずに郡府へ来たのか、そこであまり強くない酒を大量に飲んで運河に転落する事故が起きたのか、など死に至る謎を調べるために運河町へやってきて、まるで探偵のように父親が死んだ理由を確かめていきます。 ま、小説ですから当たり前ですが、行く先々でそのヒントになることを知っている関係者に都合良く出会い、死の真相は20年前に突然起きたわけではなく、父親が学生だった40年以上前に起きた事件が元だったことがわかってきます。 そうした探偵もどきの事件と事故の謎解きで終始しますが、私も20年以上前に訪問したことがある小樽の町を思い浮かべる運河やガラス工房、古い歴史あるビルなどが次々と登場し、懐かしさが募りました。 そう言えば、以前読んでとても面白かった「地層捜査」(2012年)も、東京都新宿区の荒木町の一角だけで事件捜査が進む内容と似ている感じがします。 ◇2019年7月前半の読書と感想、書評(地層捜査) ◇小説の舞台を歩く(佐々木譲著編その2) 本著にも地層捜査にも最初に舞台の地図が描かれていますが、著者と地図は切っても切れない関係になっているようです。 ★★☆ 9月前半の読書と感想、書評 2022/9/17(土) |
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034 | 地層捜査 (文春文庫) | 多くの警察小説を書いてきた著者ですが、2012年に単行本、2014年に文庫化されたこの作品は、警視庁の特命捜査対策室シリーズの第1作目と位置づけられています。第二作目は「代官山コールドケース」(2013年)が既刊です。 このシリーズ2作は、松重豊と山本未來を主演とし、「警視庁特命刑事☆二人」というテレビドラマが2015年と2017年に作られています。 著者の作品は、「エトロフ発緊急電」や「警官の血」、「制服警官」「道警シリーズ」など、映画ではなく、テレビドラマ化されるケースが多いようです。これは原作者の著者の志向が映画よりもテレビということがあるのでしょうかね?よくわかりません。 テレビドラマの場合、小説の原作とは違い、演じる役者に合わせてぱっと見の派手さ、面白さや、ながらで見てもそれなりに理解できるストーリーの単純化が優先され、そして限られた時間内に収めるため、設定が大きく変わっていたりすることが多く、それは仕方がないことでしょう。 どちらかというと、映画の方が原作に割と忠実に作られているような気がします。 さて、この小説は、警視庁の中で、捜査を指揮する若手のエリート管理官にたてつき、謹慎処分を受けていた主人公が、15年前に起きて迷宮入りしたままの殺人事件の再捜査を命ぜられ、それの真実を暴き出していくという警察もの小説ではよくあるパターンです。 マイクル・コナリー著の「刑事ハリー・ボッシュシリーズ」でも「未解決事件捜査課(コールド・ケース)」に所属して解決していく「エコー・パーク」や「終決者たち」などの作品が多くあります。 アメリカでは元々重犯罪に時効という概念がなく、こうした未解決事件を取り上げることはしばしばありましたが、日本では2010年になり、それまで15年で時効が成立していた殺人など重犯罪に対し法改正がおこなわれ公訴時効が無効化されました。 以前ならできなかったDNA検査など、捜査技法の進歩により、古い事件においても新しい技術を使うことで、犯人の特定などが容易になってきたことからです。 この小説の舞台は新宿区の四谷三丁目の戦前までは花街として賑わっていたエリアで、バブルが弾けた頃に、元置屋の女将が土地売買に絡んで地上げ屋の暴力団員に殺されたのではと思われた未解決事件に、主人公と、四谷署で定年を迎えた元刑事の二人がパートナーを組んで挑むというストーリーです。 小説の事件現場となった四谷三丁目界隈については、新宿と四谷に挟まれたエリアで、私も知らなかったのですが、深い谷のような地形があり、なかなか興味深い地域です。 実在の地域を舞台とした小説で、しかも職場からはそう遠くないので、近々周辺を少し歩いてみて、その模様を書きたいと思っています。 ★★★ 小説の舞台を歩く(佐々木譲著編その2) 2019/8/3(土) 7月前半の読書と感想、書評 2019/7/17(水) |
033 | 北帰行 (角川文庫) | 「廃墟に乞う」(2009年)で直木賞を受賞したその翌年2010年にこの小説の単行本を発刊、2012年に文庫化された長編小説です。ジャンルはお得意の警察ものや歴史ものではなく、現代のハードボイルド作品です。 主人公は旅行会社から独立をして、たったひとりで旅行代理店や海外からの旅行者のアテンドをやっている男性で、ロシアから来た女性のアテンドをしたために、大きな事件に巻き込まれてしまいます。 そのアテンドをした旅行客は、数週間前にヤクザに殺された出稼ぎにきていた女性の姉で、殺された妹の復讐のためロシアンマフィアから送り込まれた殺し屋という設定です。ちょっと「007ロシアから愛を込めて」を思い出してしまいます。 実際的にはどうも現実感がなく、さらにこの主人公は自分が運転手となってアテンドをした女性が、自分の目の前でヤクザの組事務所を襲った後も、逃走に手を貸し、その際に怪我をしたロシア女性に哀れみの感情さえ持ってしまいます。したがって警察に通報することもせず、ヤクザからの追跡から逃げ回る結果となり、飛躍しすぎていて、とうてい考えられないアホなことを始めます。わずかばかりのアテンド費用で命張ってどうするよ。 その結果、警察からもヤクザを殺した女の共犯者として追われ、偶然顔見知りだったヤクザからは脅され、実家の家族にまで被害が及ぶことになります。いくらハードボイルドでも、ボディガードを頼まれたわけでもなく、自ら墓穴を掘っていく姿が情けないやら哀れだったり。 ちょっとそういうことで、内容的には東京−新潟−稚内というロードムービー的な要素を持つ面白そうなハードボイルド逃避行小説ながら、エンタメ要素を無理矢理詰め込んだせいで、設定にかなり無理があり、同氏の作品にしてはやっつけ仕事っぽくてイマイチかなぁというのが感想です。 2月前半の読書と感想、書評 2014/2/19(水) |
032 | 廃墟に乞う (文春文庫) | 佐々木譲氏の小説では、北海道警刑事のシリーズが大ヒットしていますが、その流れをくむ刑事が主人公の連作短編集です。ただし登場人物は他の道警シリーズとかぶってはいません。そして過去の実績と実力と照らし合わせると遅きに感じる直木賞を受賞(2009年下期)したのがこの作品です。 私個人的には、佐々木氏の小説は文庫化されたものはほとんど読んでいますが、その中でもどちらかと言えば現代の警察もの以外の「エトロフ発緊急電」(1989年)や「昭南島に蘭ありや」(1995年)に代表される太平洋戦争ものや「天下城」(2004年)「くろふね」(2003年)など歴史もの小説が好きです。 さてこの小説の主人公は北海道警察本部捜査一課の刑事ですが、終章で明らかにされるある事件がきっかけで心的外傷後ストレス障害(PTSD)に罹り、現在は治療のため休職中の身。したがって4週間に一度心療内科を受診するだけで暇を持てあましています。 そこで知り合いから頼まれ、行き詰まっている事件の調査や真相を単独で行うことになります。もちろん休職中ですから調査の権限も警察手帳もない状態です。アメリカの小説に出てくるようなタフな元警官の私立探偵を日本版で作ろうとしたら、このような手法にするのがベターでしょう。 そして捜査を始めると地元の警察から「余計なことをするな」と煙たがられ、時には事件に関係する地元のヤクザに絡まれそうにもなります。激しいアクションもなければ、華麗に活躍する場面はありませんが、警察では追い切れない、または公にできない事件の裏側を、地道に詰めていき、明らかにしていくというスタイルは新鮮です。 そして事件の大筋が見えた段階で、地元警察のプライドを傷つけないよう、そして刑事の手柄となるよう巧みに捜査の範囲やベクトルを修正し誘導していきます。 アメリカの私立探偵小説の主人公ならば、警官に楯突いてでも強引な捜査をおこない、ドヤ顔で結果だけを警官に伝え、恩を売っておくために手柄を渡すというパターンが多いのですが、この小説の主人公は休職中とは言え同じ警官同士ということもあり、地元警官への気の使い方は半端ではなく、これを読むと逆に警察官のプライドの高さと縄張り意識の強さだけが際だちます。 1月後半の読書 2012/2/4(土) |
031 | 巡査の休日 | 北海道警シリーズの「笑う警官」「警察庁から来た男」「警官の紋章」に続く第4弾となるこの本は2009年10月に発刊されましたが、2011年1月時点ではまだ文庫化はされておらず、知人からいただいた単行本を読みました。 以前のシリーズ作品と登場人物含め共通した点は多いのですが、今回の事件はそれらとはほとんど関係ない(関係なくはないのですが)、ストーリーとなっています。 特に過去の一連の作品で共通した「腐敗した北海道警のキャリアや幹部達」という流れは、今回は抑えた内容となっています。 その代わりに札幌の名物となっている「YOSAKOIソーラン祭り」をメイン舞台とし、シリーズを通して出てくるレギュラー陣の北海道警警察官が活躍します。 小説の中で一箇所、犯人とおぼしき男が乗っていたバイク(スーパーカブ125cc)のナンバー照会を、警官が陸運局に問い合わせをする場面がありましたが、この原付2種のバイクの登録は市区町村なので、陸運局に問い合わせるのは間違いです。 この点は本田技研で働いていたこともあり、バイクをテーマにした作品をいくつか残しているバイク好きの作者にしてはちょっと残念なところです。 2月前半の読書 2011/2/17(木) |
030 | 警官の紋章 北海道警察 (ハルキ文庫) | 2010/06/25読了 感想文なし 「BOOK」データベースより 北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。そのさなか、勤務中の警官が拳銃を所持したまま失踪。津久井卓は、その警官の追跡を命じられた。一方、過去の覚醒剤密輸入おとり捜査に疑惑を抱き、一人捜査を続ける佐伯宏一。そして結団式に出席する大臣の担当SPとなった小島百合。それぞれがお互いの任務のために、式典会場に向かうのだが…。 |
029 | 夜を急ぐ者よ (集英社文庫) | 昔出版した文庫を新装して一見すると新刊かな?と思うものが時々あります。カバーのデザインを変えたり、帯を替えたりと努力は認めますが紛らわしいです。 でも同じ出版社の文庫であれば奥付に書かれている第1刷の日付を見ると、いつ発刊されたものかわかるのですが、一番困るのは違う出版社から出された古い小説の場合です。 初出が20年前でも、その時の出版社とは違うところから出ると、奥付の日付がリセットされてしまい、最新刊かどうかの区別がつきません。 解説などに書かれていることもありますが、いつもそれを読んでから買うわけではありませんので、そのせいで何冊かダブって購入したことがあります。 「夜を急ぐ者よ 」は結果から言えば佐々木譲氏が作家デビュー間もない1986年に書かれた小説です。その時は集英社から出版され、文庫は集英社文庫でした。 その後23年が経ちあらためてポプラ社から文庫が出版されました。奥付を見ると「2009年12月5日第1刷発行、2010年1月20日第4刷」となっていましたので、新作と思い中身も見ず買ってきました。 読んでいるうちに「どうも佐々木譲の切れ味がないなぁ」って思いつつ、消化不良のまま読み終わってから解説を読んで初めてこれが1986年に発表された初期の作品だと言うことを恥ずかしながら知りました。 先に23年前に書かれた小説だと知っているとまた違った感想にもなるのかも知れませんが、直木賞までとった佐々木氏が書いたとは思えない稚拙なストーリーと無理のある設定にちょっとガックリです。 直木賞をとってから書店には「佐々木譲コーナー」や「白石一文コーナー」ができていて、過去の本が並べられていますが、「おぉ直木賞作家の佐々木譲の(文庫)新作か?!」と思って購入する人も多いと思います。 この文庫は直木賞をとる1ヶ月前に発刊されていますので、そういうのを狙ったのではわけではなく、たまたまポプラ社の企画のタイミングがよかったのでしょう。 2月後半の読書 2010/3/3(水) |
028 | 警官の血 (上)(下) (新潮文庫) | 佐々木譲氏渾身の作品です。佐々木氏は北海道出身で現在も北海道に住んでいますが、奥様がこの小説の舞台である谷中あたりの出身で今でもお住まい(佐々木氏は北海道で単身生活)ということです。 先日直木賞受賞されましたが、えっ?まだだったの?って思っいました。「エトロフ発緊急電」や「ストックホルムの密使」「ベルリン飛行指令」の3部作はもちろん、「昭南島に蘭ありや」「鷲と虎」など戦記ものが好きです。警察ものも豊富で昨年映画にもなった「笑う警官」など北海道警シリーズもあります。 警官の血はタイトル通り、祖父、父、子と三代続いた警官一家が、祖父が死亡した原因を突き止めていく物語で、戦後まもなくから次第に復興していく日本の姿がよく描けています。 昭和30年代の頃のパートを読んでいると、そのままALWAYS 続・三丁目の夕日(映画)のワンシーンを思い出しそうです。また最近ではほとんど忘れ去られてしまった過激派との闘いも著者自身が団塊世代でその渦中にいたのかどうかは知りませんが、思い出させてくれました。 1月後半の読書 2010/2/2(火) |
027 | 天下城〈上〉〈下〉 (新潮文庫) | またまた買ってしまいました佐々木譲。天下城は三年前に出版されていた時代小説だけど、主人公は信長でも家康でも秀吉でもなく(3人とも登場しますが)単なる石積み職人。 時代の寵児達の中で、様々な石垣を作っていく職人を中心にして、現在ではもう見られない各地の城の特徴が明らかになり、戦国絵巻が再現されていきます。 前半はややかったるい話しが続きますが、信長、秀吉が登場してくると一気に盛り上がりを見せていきます。現在まだ下巻の読書中ですが、読み終えるのがもったいないです。 「天下城 下巻は織田信長の絢爛豪華な安土城の完成、そして謎の炎上をクライマックスに迎えて一気に加速をしていきます。 それにしても日本の城の歴史は石積の歴史でもあったんですね。穴太衆や穴太積みについてよくわかりました。 佐々木謙は「エトロフ発緊急電」や「ストックホルムの密使」など太平洋戦争物、警官小説の「警官の血」や「笑う警官」、それにバイクものやミステリーなどとともにこの歴史物の小説も多く書いています。 全部を読んでいないのであくまでも読んだ中での私の好みですが、(1)「ベルリン飛行指令 」1993年1月(2)「天下城」2006年10月(3)「夜にその名を呼べば」 1995年5月と言ったところでしょうか。 いやいややっぱり順位をつけるなんてできません。 「勇士は還らず 」「ネプチューンの迷宮 」「愚か者の盟約 」「昭南島に蘭ありや 」「鷲と虎 」「北辰群盗録 」「くろふね 」「制服捜査 」「屈折率 」「疾駆する夢 」なども当然上位にランクされます。 しかし意外にも大きな賞とは縁がないのですね。 7月後半の読書 2009年8月2日 (日) |
026 | ラストラン (ポプラ文庫) | 2009/04/22読了 「BOOK」データベースより 次年度の契約ライダー獲得に奔走するメーカーの広報マンと英国人ライダー。交渉の裏側に隠された執着と友情の物語。衝撃的なラストを迎える表題作「ラストラン」をはじめ、バイクをテーマに青春の血気と情熱を描きこんだ5編の短編集。 |
025 | 飛ぶ想い (扶桑社文庫) | 2009/04/21読了 「BOOK」データベースより ニューヨーク、ロスアンゼルス、ラスベガスなどを舞台に男と女が織り成す、軽妙なロマンティック・サスペンス!裏切りの果てに、詐欺事件の容疑者として、女の元に帰ってきた男と女の関係を描いた「飛ぶ想い」を始め、LAに夢を見る/ソー・ホワット/疑うべきは/記憶のふるえなど、名作と呼ばれる「短編の形を借りた長編の醍醐味」が味わえる5篇を収録。 |
024 | 犬どもの栄光 (集英社文庫) | 2009/03/30読了 「BOOK」データベースより 倶知安町郊外の古い廃工場の中、背中に強い衝撃を受けて関口啓子は倒れた。気がついたとき一人の男が…。その男は通称“丸秀”と呼ばれ、大工をしながらひっそりと生きている男だった。“丸秀”とはいったい何者なのか?関口の問いに何も語らない“丸秀”。しかし、彼は何かを恐めている。その恐れているものとは何なのか。北海道を舞台に描く逃走と追跡の物語。 |
023 | 制服捜査 (新潮文庫) | 2009/03/10読了 「BOOK」データベースより 札幌の刑事だった川久保篤は、道警不祥事を受けた大異動により、志茂別駐在所に単身赴任してきた。十勝平野に所在する農村。ここでは重大犯罪など起きない、はずだった。だが、町の荒廃を宿す幾つかの事案に関わり、それが偽りであることを実感する。やがて、川久保は、十三年前、夏祭の夜に起きた少女失踪事件に、足を踏み入れてゆく―。警察小説に新たな地平を拓いた連作集。 |
022 | 北辰群盗録 (徳間文庫) | 北辰群盗録は佐々木氏お得意の北海道ものだが、あまり知られていない明治初期に北海道で共和国独立を画策し、その後新政府軍に敗れ去った彰義隊員のその後の物語でなかなか興味深かった。 2009年2月の読書 2009年3月8日 (日) 「BOOK」データベースより 開拓使の犬となった男。共和国騎兵隊の理想を貫く男。五稜郭生き残りの二人の宿命の対決が迫る。 |
021 | くろふね (角川文庫) | 2008/09/30読了 「BOOK」データベースより 黒船来る!嘉永六年(1853)六月、ペリー提督率いる四隻の艦隊が浦賀に来航、幕府に開国を迫った。尻ごみする浦賀奉行の代役としてペリーとの交渉にあたったのは、同奉行組与力・中島三郎助。日本人として初めて黒船に乗り込んだ三郎助は西洋の新しい技術に触れ、日本を外国に負けない近代国家に導こうとするが…。激動の幕末。古い体制を打ち破るために闘ったラスト・サムライ中島三郎助の生涯を描いた歴史大作。 |
020 | 牙のある時間 (ハルキ文庫) | 2008/06/23読了 「BOOK」データベースより 北海道の小さな町に移住した絵描きの守谷順一と妻の久美。そこで隠遁生活をおくる、隣人で農場主の円城夫妻との出会いが、彼らを退廃と官能と狂気の渦のなかへ引きずり込んで行った。森から聞こえてくる死滅したはずの狼の叫び、そして少女の失踪事件。いつしか順一は、円城に狼の姿を重ねあわせるようになっていった…。狼をめぐる恐怖をテーマに二重視点で描く、ホラーミステリーの傑作。 |
019 | 警察庁から来た男 (ハルキ文庫) | 2008/05/29読了 「BOOK」データベースより 北海道警察本部に警察庁から特別監察が入った。監察官は警察庁のキャリアである藤川警視正。藤川は、半年前、道警の裏金問題の為に百条委員会でうたった(証言した)津久井刑事に監察の協力を要請した。一方、札幌大通署の佐伯刑事は、ホテルでの部屋荒らしの捜査を進めていた。被害者は、すすき野の風俗営業店で死んだ男の父親だった。大通署に再捜査の依頼の為、そのホテルに泊まっていたのだという。佐伯は、部下の新宮と事故現場に向かうのだが…。『笑う警官』に続く道警シリーズ第二弾。 |
018 | 笑う警官 (角川文庫 赤 520-2) | 2007/05/24 「BOOK」データベースより ベトナム反戦デモが荒れた夜、放置された一台のバスに現職刑事八人を含む死体が! 史上初の大量殺人事件に警視庁の殺人課は色めき立つ。アメリカ推理作家クラブ最優秀長編賞受賞の傑作。 |
017 | 疾駆する夢〈上〉〈下〉 (小学館文庫) | 2006/07/06読了 「BOOK」データベースより 今こそ必読の日本人の戦後史がここにある―。戦後、焦土と化した日本にあって自動車作りの夢を追い続けた男がいた。その名は多門大作。バラック小屋の整備工場でのオート三輪生産から、ついには乗用車生産の夢を実現、多門自動車を立ち上げる。―日本自動車産業の戦後史に挑む。 不屈の企業家精神こそがあらゆる難関を乗り越える―企業小説の最高到達点がここに。 |
016 | ユニット (文春文庫) | 2005/12/29読了 「BOOK」データベースより 十七歳の少年に妻を凌辱され殺された男、真鍋。警察官である夫の家庭内暴力に苦しみ、家を飛び出した女、祐子。やがて二人は同じ職場で働くことになる。ある日、少年の出所を知った真鍋は復讐を決意。一方、祐子にも夫の執拗な追跡の手が迫っていた。少年犯罪と復讐権、さらに家族のあり方を問う長編。 |
015 | きょうも舗道にすれちがう (中公文庫) | 2005/07/25読了 「BOOK」データベースより モノクロームの街角に一瞬きらめく人生の交差。ほろ苦くもせつない出逢いと別れ。あなたと隣人たちの物語。珠玉の連作掌篇。 |
014 | 黒頭巾旋風録 (徳間文庫) | 2005/06/20読了 「BOOK」データベースより 天保八年、臨済宗の僧侶・恵然は蝦夷地アッケシにある幕府建立の国泰寺に赴任する。蝦夷は松前藩の圧政と悪徳商人の非道にアイヌの人々の血と涙が流れる大地であった。ある日、処刑寸前のアイヌの青年を助けたのが、黒装束を翻した騎馬の男だ。鞭を武器に刀や銃を持つ武士と闘う黒頭巾の正体とは?そして、一陣の疾風が巻き起こしたのは。 |
013 | 屈折率 (光文社文庫) | 2003/03/14読了 「BOOK」データベースより やり手の元商社マン・安積啓二郎は、兄に代わり、経営が傾き始めた実家のガラス工場の社長になった。当初は工場を売り払うつもりだった啓二郎だが、ガラス工芸作家の透子との出会いから、次第にガラスの魅力に目覚めてゆく。難問山積の工場再建に向け、彼が放つ起死回生の一手とは?ものづくりの現場に再起をかけ、悪戦苦闘する男の姿を描く長編企業小説。 |
012 | 昭南島に蘭ありや(上)(下) (中公文庫) | 2002/02/20読了 「BOOK」データベースより 昭和16年、シンガポールに在住する日本人に引き上げ命令が降りた。台湾生まれの客家の青年・梁光前は、その日から己の存在を問い続けることになる。中華の民か、大日本帝国の臣民か。どちらでもあり、どちらにもなれない己とは何か?ふとしたことから中華義勇軍に入ることとなった光前は…。 昭和十七年、日本軍はシンガポールを占領し、昭南島と改名した。過酷な軍政を敷く帝国軍に華僑は抵抗する。戦争という歴史の歯車が軋みを上げる中、己の存在に悩む光前はついに決断する。自分自身の手で自分が何者なのかを示すことを。そして東条英機暗殺計画が密やかに進行し始めた…。 |
011 | 鷲と虎 (角川文庫) | 2001/11/14読了 「BOOK」データベースより 1937年7月、北京郊外で軍事衝突が発生。戦火はたちまち広がり、日中両国は全面的な戦争に突入した。帝国海軍航空隊の麻生哲郎は勇んで中国へと向かい、アメリカ人飛行士デニス・ワイルドは中国義勇航空隊の一員として出撃する。上海、南京、漢口、重慶。長江上空に展開する戦闘機乗りたちの熱き戦い。やがてふたりはお互いを、名前を持った敵として意識するようになった…。中国の大空を翔けた男たちの勇姿を見事に謳いあげた航空冒険小説。 |
010 | 総督と呼ばれた男 上・下 (集英社文庫) | 2000/10/14読了 「BOOK」データベースより 大正の頃、木戸辰也は日本人娼婦を母にシンガポールの日本人街で育った。伯父の孝作にひきとられて、マレーの鉄鉱山で働き始めるが、労働争議に巻きこまれて孝作が殺される。辰也はただちに報復して、矯正院に送りこまれる。出所後シンガポールに戻り、辰也は暗黒街で頭覚を現していく。しかし、南国をも戦争の翳が覆い始めた。流転の人生を綴る波瀾の大河冒険小説。 木戸辰也は、シンガポールの暗黒街で名を上げていった。ハリマオと組んでの列車強盗。日本人暴力組織との抗争。混血のシンディとの恋。一家を構え、「裏総督」と呼ばれて怖れられる存在になった。しかし、日中戦争から中国系組織との抗争が始まる。さらに、太平洋戦争勃発、日本軍のシンガポール占領、そして終戦。戦争に翻弄される流転の人生を綴る波瀾の大河冒険小説。 |
009 | ネプチューンの迷宮 (新潮文庫) | 1999/11/04読了 「BOOK」データベースより 太平洋、赤道直下の小国ポーレア共和国。良質のリン鉱石を産し、世界でも有数の裕福な国家だった。しかし、その資源も枯渇寸前で、政情不安に陥っている。そんな中、海中に沈むゼロ戦の引き揚げ作業でポーレアを訪れた日本人ダイバー宇佐美。彼は友人の殺害をきっかけに、大統領派、クーデター派、そして某大国の思惑が絡み合う国際的陰謀に巻き込まれていく。長編海洋冒険小説。 |
008 | 新宿のありふれた夜 (角川文庫) | 1997/11/04読了 「BOOK」データベースより 新宿で10年間任された酒場を畳む夜、郷田克彦は血染めのシャツを着た少女を店内に匿った。怯えながらメイリンと名のる少女は、監禁場所から脱けだす際、地回りの組長戸井田を撃ち、組織に追われていた。さらに克彦は日本に流れつくまでの難民生活、日本での過酷な労働を凌いできたメイリンの境遇に衝撃を受ける。欲望を孕んだ週末の新宿に蠢く暴力団の凶手。警察の執拗な捜査。この娘を救わなければならない。メイリンの姿が、この街に逃れてきた自分の姿と交叉した時、克彦は刻々と迫る二重包囲網の突破をはかった。 |
007 | 勇士は還らず (文春文庫) | 1997/11/01 「BOOK」データベースより サンディエゴで日本人男性が殺害され、妻子と友人たちが現場に向かう。だが警察の取調べに妻はなぜか口をつぐむ。遺留品には、1969年にサイゴンで起きた日本人爆死事件の切抜きが。事件の背景には札幌の新設校に集った男女六人の過去が、深く関わっていた…。「政治の季節」の青春と今を繋ぐミステリ長編。 |
006 | ハロウィンに消えた (角川文庫) | 1996/11/01読了 「BOOK」データベースより シカゴ郊外の町パクストン。日本企業クラタが買収したオルネイ社工場は、従業員や市民との間に様々な軋轢を生みだしていた。神話ともて囃された“日本的経営”も差別とした映らない。脅迫状。不審火。姿なき抗議がオルネイ社を襲う。そして、子供達が心待ちにしていたハロウィンの日。工場に爆弾が仕掛けられたという騒ぎの後、日本人の少年が消えた!誘拐か?事故か?それとも!?オルネイ社を調査にきた経営コンサルタント・田畑は、この町の深き亀裂を目のあたりにしていく―。日本経済の崩壊を暗示した戦慄のハードサスペンス。 |
005 | 愚か者の盟約 (講談社文庫) | 1995/09/26読了 「BOOK」データベースより 権力は至上の媚薬…。世界を獲得するのは光か影か?同じ年、同じ町に生まれた二人の男。対照的な運命を背負う男たちの迫真の人間ドラマ。書下ろし長編小説。 |
004 | 夜にその名を呼べば (ハヤカワ文庫JA) | 1995/06/01、 2008/06/15読了 「BOOK」データベースより 1986年10月、ベルリン。欧亜交易現地駐在員の神崎は何者かに襲撃された。親会社の共産圏への不正輸出が発覚、証拠湮滅を図る上層部の指令で命を狙われたのだ。殺人の濡れ衣まで着せられた神崎は壁を越えて東側へと亡命、そのまま消息を絶つ―それから五年、事件の関係者に謎の手紙が届けられ、神崎を追う公安警察もその情報を掴む。全員が雨の小樽へと招き寄せられたとき、ついに凄絶な復讐劇の幕が切って落とされた。 |
003 | サンクスギビング・ママ (新潮文庫) | 1995/04/21読了 「BOOK」データベースより アメリカを西海岸から中西部へとドライブしながら、ダイナーの紙ナプキンやタブロイド新聞の端っこに書き留める。そんな風にしてこの本は書かれた。感謝祭に行き場のない男達が集うバーの盛衰を描く表題作はじめ、移動への憧憬を結晶させた13編のロード・ノヴェル。 |
002 | エトロフ発緊急電 (新潮文庫) | 1994/12/30読了 「BOOK」データベースより 1941年12月8日、日本海軍機動部隊は真珠湾を奇襲。この攻撃の情報をルーズベルトは事前に入手していたか!?海軍機動部隊が極秘裡に集結する択捉島に潜入したアメリカ合衆国の日系人スパイ、ケニー・サイトウ。義勇兵として戦ったスペイン戦争で革命に幻滅し、殺し屋となっていた彼が、激烈な諜報戦が繰り広げられる北海の小島に見たものは何だったのか。山本賞受賞の冒険巨篇。 |
001 | ベルリン飛行指令 (新潮文庫) | 1994/11/26読了 「BOOK」データベースより 開戦前夜の一九四〇年、三国同盟を楯に取り、新戦闘機の機体移送を求めるドイツ。厳重な包囲網の下、飛べ、零戦。ベルリンを目指せ! |
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