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柳美里 YU MIRI 既読書籍
004 | JR上野駅公園口 | 003 | 人生にはやらなくていいことがある |
002 | 家族シネマ | 001 | フルハウス |
1968年茨城県生まれ。国籍は韓国。ミュージカル劇団東京キッドブラザースに最年少で入団。最年少で岸田國士戯曲賞を受賞後、1994年に小説家デビュー。1997年『家族シネマ』で芥川賞受賞。ラジオ番組『柳美里のオールナイトニッポン』、福島県の臨時災害放送局「南相馬ひばりエフエム」にて「柳美里のふたりとひとり」のパーソナリティを務める。福島県立小高産業技術高等学校の校歌の作詞を担当(作曲は長渕剛)。2020年『JR上野駅公園口』の英訳版『Tokyo Ueno Station』が、TIME誌の2020年の必読書100選に選ばれ、米国の文学賞である全米図書賞(翻訳文学部門)を受賞。(Wikipediaより引用 2023年) |
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004 | JR上野駅公園口(河出文庫) | |
2014年に単行本、2017年に文庫化された小説で、福島の相馬出身で、息子と妻に先立たれ、若い頃に長く出稼ぎ労働者として住んでいた東京に老いてから戻り、上野公園でホームレス生活をしている高齢男性が主人公で語っていくというストーリーです。 主人公が生きてきた時代と社会情勢は、年齢は私の世代よりも10年は上の団塊世代だと思いますが、一部にかぶるところがあり、私は出稼ぎではないものの、就職後に関西から東京へ出てきたこともあり、懐かしく様々な出来事を振り返ることがありました。 上野にはアメ横周辺には何度も行きましたが、上野公園はなんだか敷居が高くて2度ほどしか行ったことがありません。 隅田川の河川敷などにホームレスのブルーシートとダンボールで作った簡易ハウスなどは見たことがありますが、上野公園で実際には見ていません。これが書かれたのは2017年頃で、2度目の東京オリンピックやコロナ禍前なので、現在はどうなっているかはわかりません。 私を含め、ほとんどの日本人はそのホームレスが連なって住まう光景は、実際に見ても、見ない振りをするというのが通例となっています。 上野公園にある美術館や博物館などに皇室の方がやって来る度に、その期間だけダンボールハウスは撤去され、持ち主はどこかへ追いやられ、周辺は綺麗に清掃されるというのは、都知事や区長など誰かの見栄なのか、皇室への過剰な忖度なのか知りませんが、日本の社会はそういう決まりになっているようです。 様々な理由でホームレスを続けている人達がいることを、ホームレスの人が語っていくというなかなか深遠な小説でした。 ★★★ 5月前半の読書と感想、書評 2023/5/20(土) |
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003 | 人生にはやらなくていいことがある(ベスト新書) | 著者の作品は20年以上前に2作品を読んでいますが、どのような背景のある方かは一切知りませんでした。 今回この2016年に出版された新著では、韓国から渡ってきた両親のことや、何度も家出や自殺未遂を繰り返し、名門高校から退学を迫られ中退したこと、10代で劇団に加わりそこで知り合って一緒に住んでいた恋人との死別、シングルマザーとなり、新しい離れた年下のパートナー、購入した鎌倉の家から震災後に福島南相馬市へ引っ越しをした事情など、本人の半生記が何度も同じ事が繰り返して書かれていました。 もちろん、著者にはそういう気はさらさらないでしょうけど、読んでいてこれほどの不幸自慢、貧乏自慢、社会貢献自慢を読まされても気の毒とも思えないし、きっと自己主張が強烈で我の強い人なんだろうなぁというのが感想です。随筆というより自分が波瀾万丈な小説の主人公のようです。 ま、それはともかく、過去に読んだ「家族シネマ」と「フルハウス」は、あまり記憶には残っていないですが、悪い印象はなく(よい印象がなければ2作品目は読まなかった)、作家という特殊な創造性をもった方には、なにか突き抜けた経験と、自信、才能があるものなのでしょう。 この新書を読んだことで、作家のバックボーンが良くも悪くも頭の中に残り、今度著者の小説を読むときには、それらが頭の中を横切り、普通とは違った感想になってしまいそうです。 もちろん著者の大ファンであれば、必読書であることは間違いありません。 ★☆☆ 3月前半の読書と感想、書評 2023/3/15(水) |
002 | 家族シネマ(講談社文庫) | 2000/01/19読了 「BOOK」データベースより 失われた家を求め、映画出演を決めた家族を描いた「家族シネマ」、同棲中の部屋を飛び出した登校拒否の過去を持つ女を描いた「真夏」、転校生といじめを題材にした「潮合い」―心に傷を負った人間が強く生きようとする姿を描き、家族が価値あるものかを現代に問う名作。芥川賞に輝く表題作含むベストセラー。 |
001 | フルハウス(文春文庫) | 1999/05/31読了 「BOOK」データベースより 「家を建てる」が口癖だった父は、理想の家族を夢みて、本当に家を建ててしまう。しかし、娘たちも、十六年前に家を出た妻もその家には寄りつかなかった。そこで、父はホームレスの一家を家に招き、一緒に暮らし始めるのだが…。第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞受賞の表題作のほか、不倫の顛末を通して家族の不在をコミカルに描いた「もやし」を収録。 |
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