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津村記久子 TSUMURA KIKUKO 既読書籍

002 とにかくうちに帰ります 001 ワーカーズ・ダイジェスト


1978年生まれ。大阪府大阪市出身。大谷大学文学部国際文化学科卒業。2005年に「マンイーター」(単行本化の際『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で第21回太宰治賞を受賞し、小説家デビュー。兼業作家として、会社から帰った後、睡眠を二回に分けてその合間に小説を執筆していた。2008年『ミュージック・ブレス・ユー!!』で第30回野間文芸新人賞受賞、2009年「ポトスライムの舟」で第140回芥川賞受賞、2011年『ワーカーズ・ダイジェスト』で第28回織田作之助賞受賞。(Wikipediaより引用 2022年)


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002 とにかくうちに帰ります(新潮文庫)

著者は作家になる前、約10数年間、会社員として勤めた経験がある方で、そうした職業経験からくる話しが多い作家さんです。

私は2015年に「ワーカーズ・ダイジェスト」(初出2011年)を読んでいます。

今回の作品は2012年に単行本、2015年に文庫化された、短編小説集で、テーマはいずれも普通にどこでもありそうな会社勤めの風景や、サラリーマン群像といったところです。

「職場の作法」は何話かの連作短編で、さらに同じ登場人物で「バリローチェのフアン・カルロス・モリーナ」が続き、単独の短編として「とにかくうちに帰ります」が続きます。

正直言うと、あまりにも平凡で抑揚もない淡々とした語りで、読み進めていくのがつらいと何度も思いました。人の生き死にもなく、憎悪や嫉妬もなく、巨額マネーも動かず、愛憎や官能を揺すぶるものもないテーマで小説を書くという難しさがわかります。

それなら途中で読まなきゃいいのですが、その先になにか面白いことがあるかも?と思って、短編でもあるので最後まで読みました。でも最後まで特になにか心に響くようなこともなく、淡々としたまま終わってしまいました。

こういう小説に共感を感じる人も多いのでしょうけど、私には時間の無駄としか思えません。

そう言えば、前に読んだ小説でも、やたらと淡々と日々が過ぎていくだけという平坦な小説があり、最近そういうのが増えてきているのでしょうかね。

いや、別にド派手なジェットコースター小説を求めているわけではないのですけど、ここまで草食系に特化した小説というのは、今は私にとっては面白くもなんともないです。

★☆☆

11月後半の読書と感想、書評 2018/12/1(土)

001 ワーカーズ・ダイジェスト(集英社文庫)

お仕事小説として有名な著者と言うことですが、読むのはこの本が初めてです。2008年に「ポトスライムの舟」で芥川賞を受賞されている若手気鋭の女流作家さんと言うのでしょうか。

この小説は2011年に単行本、その後2014年に文庫化されました。中にはタイトルになっている中編小説と、もう一編短編作品で「オノウエさんの不在」が含まれる作品です。書評などでは、もっぱらメインの中編が話題になりますが、私はこの短編のほうが気に入りました。

内容は、同姓&誕生日が同じ未婚の32歳の男女が、それぞれ東京と大阪で全然違った仕事をしながら、日々悩みながらも生活する日常が淡々と描かれます。年齢とともに中堅社員となって、そのことに閉塞感を感じて煮詰まっていくところが、とても現実的でいいですね。

その二人が仕事の関係で知り合いますが、その時はそれだけ。1年後に大阪で再会するまで仕事や私生活で様々な試練を乗り越えていくという、ただそれだけの物語で、それが果たして面白いのか、さっぱり面白くないのか、読む人によって変わってきそうな変わった小説だと思います。私の場合は後者です。

短編もお仕事小説で、大手建築設計関連の会社の中で、高卒の中途入社ながら、誰からも信頼される有能な技術士の「オノウエ」さんが、仕事ができるばかりに、大卒プロパー社員のねたみや反感を買ってしまい、子育てのために有給を取っただけで非難されるという、非情とも言える会社の掟にさらされます。

その不条理さについて、「オノウエ」さんと以前一緒に仕事をしたことがあり、慕っている若い社員達が淡々と語っていくというストーリー。その「オノウエ」さんが一人称として登場してこないのがいい。なかなか興味深い作品です。

あと、この小説に出てくる大阪のゴチャゴチャとした街の雰囲気が、以前西加奈子著「通天閣」に出てきた街の様子と似ているなぁって思っていたら、この二人がこの小説をネタに対談をしている集英社のサイトを偶然見つけました。

対談 津村記久子×西加奈子

対談を読むと、やっぱ二人は同年代で、大阪で長く生活していて、それで似た感覚の持ち主なのだなってことがよくわかりました。「通天閣」もこの作品も、織田作之助賞の大賞を受賞しているところも似てます。☆は中年オヤジ視点なのでちょっと辛め。

★☆☆

10月後半の読書と感想、書評 2015/10/31(土)



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