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読書感想INDEX

真保裕一 SHINPO YUICHI  既読書籍

022 震源 021 天魔ゆく空(上)(下)
020 レオナルドの扉 019 ダブル・フォールト
018 追伸 017 デパートへ行こう!
016 ローカル線で行こう! 015 正義をふりかざす君へ
014 真夜中の神話 013 ダイスをころがせ!(上)(下) 
012 覇王の番人(上)(下)  011 発火点
010 取引 009 朽ちた樹々の枝の下で
008 黄金の島(上)(下) 007 繋がれた明日
006 ストロボ 005 ボーダーライン
004 密告 003 奪取 上・下
002 奇跡の人 001 ホワイトアウト
読書感想は2010年頃以降に書くようになりました。それ以前に読んだ本の感想はありません。


1961年東京都生まれ。高校卒業後『ドラえもん』のような夢あふれるアニメを作りたいと考え、シンエイ動画へ入社。当初は脚本の製作管理を行なう文芸を担当し、『笑ゥせぇるすまん』『おぼっちゃまくん』で演出を担当した。シンエイ動画に仕事を減らしてもらいながらも、『連鎖』を書き上げ、1991年に同作で江戸川乱歩賞を受賞。シンエイ動画を退社して小説家に転身した。作家としては、主に推理小説、サスペンス小説を中心に手掛けているが、近年は時代小説や経済小説などといった新たなジャンルにも挑戦している。(Wikipediaより引用 2022年)


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022 震源 (講談社文庫)

1993年に単行本、1996年に文庫化された28年前のやや古い作品で、3.11前に書かれた火山や津波、地震など気象や海底火山などに関係した陰謀渦巻くミステリー小説です。

著者の作品は好きで、硬軟まじえて過去に結構読んでいます。

「天魔ゆく空」「覇王の番人」など歴史小説も好きですが、この作品のようないわゆる「公務員(小役人)シリーズ」も好きです。小役人ってなにかバカにしたような言い方に思えて好きではないので、私の中では公務員シリーズです。

タイトルと、主人公が気象庁職員といので、こりゃ「死都日本」や「M8 エムエイト」のような地震か火山関連の小説だろうと読み始めましたが、裏切られました。

気象台の仕事は表にあまり出てきませんが、途切れることがない24時間365日の観測とシミュレーションなどを通じて、マスコミ対応や大学など学術界との連携など、地味な仕事が連綿と続けられています。

その気象庁福岡気象台に勤務する主人公が、先輩が起こしたミスに自分が関わっていることを悩みますが、その後、その先輩は左遷先で誰にも理由を告げずに退職、疑念をもった主人公が調べて行くとやがて国際的な陰謀に巻き込まれていくというストーリーです。

そう言えば、「ホワイトアウト」では、いち公務員が、ひとりで巨大ダムを人質にしたテロリスト集団と対決しましたが、こちらも同様に海上保安庁や内閣情報調査室、外人スパイなどを相手に立ち回る公務員ハードボイルドと言っても良さそうです。

文庫で630ページという長編ですが、サクサク面白く読めました。

★★☆

7月後半の読書と感想、書評 2021/7/31(土)

021 天魔ゆく空 (上)(下) (講談社文庫)
2011年に単行本、2014年に文庫化された長編時代小説です。この著者には珍しい時代小説ですが、過去に明智光秀を主人公にした「覇王の番人」を読んでいます。

元々、著者の作品は、現代の外交官や警察官、自衛隊員などを主人公としたハードボイルド系ミステリーや、原題のお仕事系小説から入ってきたので、こうした時代小説というのは最初はちょっとどうかな?って思っていました。

しかし上記の「覇王の番人」がそこそこ堪能することができ、心配は杞憂でした。またそれら以外にもコミカル系の小説などもあり、幅が広い知識と才能はお見事です。

同じように、ハードボイルド小説と時代小説を取り混ぜて発表されている直木賞作家佐々木譲氏と、なにか作風にも共通するところがあるような気がします。

内容ですが、多くの日本人にはなかなか理解しにくい、室町幕府を開いた足利幕府の末期、応仁の乱の終盤からこの物語は始まります。

幕府内で権力を持つ細川本家筋の細川政元を主人公にして、鎌倉時代を築いた源氏の係留で、150年ほど続いてきた足利将軍時代が跡継ぎ争いで弱体化し、やがて全国各地で将軍の言いなりにはならない有力者が続々と登場し、国盗り物語の戦国時代へと入っていく時代の話しです。

戦国時代のまっただ中、織田信長がおこなった、家族を政略結婚に出す、一揆弾圧、比叡山焼き討ち、将軍の追放などをこの幕臣の細川政元がすでに70年前におこなっていたのですね。

私もこの時代のことはまったく知識がないまま読み始めたのですが、これを読むと、なぜ応仁の乱が起きて、それが収束した後に室町幕府が壊れていったのかがよくわかります。

主な登場人物は、足利義政(第8代将軍)、日野富子(義正の正室)、足利義視(義正の弟)、足利義稙(義材、義視の子、10代将軍)、清晃(足利義澄、11代将軍)、細川勝元(細川京兆家当主、守護大名)、細川政元(勝元の子)、洞松院(勝元の娘)、細川政国(政元の後見人)、畠山政長、畠山義就、山名宗全、赤松政則、大内義興、六角高頼、上杉房定など。

とにかく似たような名前の登場人物が入り乱れていっぱいいるので、誰が誰やら混乱します。

この物語の数十年後には、本格的な戦国時代が到来し、武田信玄、上杉謙信、織田信長など地方の有力者が力を付け、覇権を争い群雄割拠することになります。

いや、当時の事実関係は誰にもわかりませんが、これほど難解な時代をわかりやすく整理して読ませてくれる小説として面白かったです。

★★☆

11月後半の読書と感想、書評 2019/11/30(土)



020 レオナルドの扉 (角川文庫)
2015年に単行本、2017年に文庫化された長編歴史小説です。タイトルにあるようにレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452年〜1519年)にまつわる話しがテーマになっていて、小説の舞台となっているのは、ダ・ヴィンチの死後300年のイタリアとフランスで、ナポレオン(1769年〜1821年)が皇帝となり武力で支配している地域です。

前からずっと不思議に思っていたことがあり、それが本書にも出てきますが、フランス革命(1789年〜1799年)では圧政と堕落した王政に対し民衆が立ち上がり、革命を起こして王政と旧体制を壊したわけですが、その後すぐに軍人であり元貴族ののナポレオンが登場し、革命終結後わずか数年で自らが皇帝になるとというのはどうにも理解できませんでした。

もう王政はこりごりと国民は思って革命を起こしたはずなのに、そうした不可思議な事情は本書の主人公の言葉で出てきますが、その理由は書かれていません。

本書のストーリーは、元ダ・ヴィンチ村に住んでいた祖父とともに、流れ着いたイタリアの小さな村で時計屋を営んでいる若い孫の男の子を主人公として、レオナルドが300年前に書き遺した新兵器などのアイデアを書いたノートのありかをナポレオンが率いるフランス軍よりも早く見つけ出そうとします。

途中、同じくそのノートを手に入れようと、レオナルドの良きライバルでもあったミケランジェロの末裔とも一悶着が起きますが、和解ができて、協力し合い、少年がレオナルドのノートに書かれた新兵器を次々と実現化して、イタリア全土を支配するナポレオンの軍隊を圧倒するなどというエンタメ感満載のストーリーです。

さすがに波瀾万丈、快刀乱麻、よほどの予算がなければ実写映画化は難しいでしょうけど、せめてアニメ映画化しても不思議ではないかなと思います。そのうちできるかも知れませんね。

★★☆

10月前半の読書と感想、書評 2019/10/16(水)

019 ダブル・フォールト (集英社文庫)
2014年に単行本、2017年に文庫化された長編法廷ミステリー小説です。

著者の小説は過去に20作品を読んでいますが、それらに法廷が舞台の小説はなかったと思います。

主人公は若い居候弁護士で、1999年以降の司法制度改革により、需要以上の多くの弁護士が誕生し、月収が10万円前後という厳しい現実に身を置いています。

そこへ事務所の代表弁護士から、ある殺人事件の被告の弁護をするように話しがきます。

被告は、事件を起こした後、自ら警察に出頭し、事件を大筋で認めていますが、計画的な殺人か、正当防衛か、あるいは突発的な過失致死かという争点で検察側と争うことになります。

被告を弁護する側としては、殺された被害者の凶暴性や社会的な問題点を次々と表沙汰にすることで、被告のやむを得なかった正当防衛を主張していくことになりますが、当然ながら被害者の遺族は、「人を殺し、さらにその被害者の過去を暴く」と猛反発を食うことになります。

このあたりの、被害者遺族と加害者の弁護士との関係、法廷における証人に対する質問などが、スリルとサスペンス感がいっぱいでドキドキしつつ楽しめます。

タイトルは、主人公の弁護士が若い頃から続けているテニスにちなんでのものですが、もうひとつ本小説の内容とテーマ、結末が結びつかず、意味不明なところがありました。

著者は時代劇から、歴史物、刑事物、ビジネス物など幅の広いジャンルをテーマとした小説が持ち味で、そのあふれる才能には驚かされるばかりです。

★★☆

2月前半の読書と感想、書評 2019/2/16(土)

018 追伸 (文春文庫)
2007年に単行本、2010年に文庫版が発刊された、往復書簡中心の長編小説です。

こうした男女間で往復書簡のやりとりがそのまま小説となる手法は何度か見かけますが、個人的にはあまり好きではないです。

というのも、本来手紙というのは私的な文章で、それを小説に仕立て上げるには、読者にもわかりやすくするためそこに無理が生じます。

「よく知った男女間で、手紙においてそんなまどろっこしい言い回しや説明は普通ないだろう?」っていう記述が、これでもかって感じで続きますから、しらけてくる場合が多いのです。

なので、これは手紙ではなく、単にストーリーの説明文なんだと思い込んで読み進めていくことになり、それだったら、なにも手紙の風体をとらなくてもいいんじゃないか?って思ってしまいます。

著者の作品は好きで、これまで17作品を読んできましたが、割と多作な作家さんですので、いろいろと趣向を変えた作品をということなのでしょうけど、こればかりはあまり成功したとは思えません。

ストーリーは、ギリシャに単身赴任中の夫と日本にいる妻との往復書簡で、妻から一方的に離婚届が送られた夫が、なぜ妻がそういう思いに至ったかを考え、その妻の母親がなにかを隠してきたことや、やがて判明してくる妻の祖父母について不思議だった過去が、祖父母が交わしていた書簡で明らかになっていくという内容です。なので夫婦の往復書簡の中に、祖父母が取り交わしていた往復書簡があるというややこしさです。

最後もこの主人公たる夫婦がこの先どうなっていくのか、消化不良のままなんとなく終わってしまい、結局なにが言いたかったのか、よくわからないままで終わってしまいました。私の読解力不足かな。

★☆☆

3月前半の読書と感想、書評 2018/3/14(水)

017 デパートへ行こう! (講談社文庫)
2009年に講談社創業100周年記念の書き下ろし作品として発刊され、その後2012年に文庫化されました。その後、「行こう!」シリーズ化され「ローカル線で行こう!」「遊園地に行こう!」と続きます。

企業再生シリーズという話しを聞いていましたので、左前になってきた老舗デパートの復活物語かと想像していたところ、かなーり予想は外れて、深夜のデパート内で起きるドタバタ劇でした。

そのドタバタの中に、老舗デパートを継いだ若い御曹司社長とか、ライバルのデパートに安く身売りさせようと画策する連中に使われていた元刑事、贈賄、収賄事件の関係者の子供達など、デパートの不祥事とそれに続く身売り話の関係者が揃って営業を終えた深夜のデパート内に偶然居合わせることになります。

したがって主人公と言えるのは、自殺願望のリストラオヤジ、犯罪に手を染める元刑事、老舗デパートの社長、犯行を企むデパート勤務の女性、贈賄で逮捕された父親の娘など数名に及びます。

このようなありえない設定で、いくら小説でも、推理を楽しめるわけではなく、かと言ってドタバタのコメディにもならず、興味は半減してしまいます。

実は先に読んだ「ローカル線で行こう!」が、赤字ローカル線を立て直そうと奮闘するカリスマ新幹線売り子と鉄道マンという、旬なテーマでもあり、話しもテンポが良く割りと良かっただけに、こちらの「デパートへ行こう!」はちょっとグダグダで残念なストーリーとなっています。

★☆☆

12月前半の読書と感想、書評 2016/12/14(水)

016 ローカル線で行こう! (講談社文庫)
この作品は上記の「デパートへ行こう! (講談社文庫)」に続く再生がテーマの「行こう!」シリーズの第2弾で2013年の発刊(文庫版は2016年発刊)です。読む順番が逆になってしまいましたが上述の「デパートへ行こう!」の前に読みました。

主人公は親の願いを聞き入れて宮城県庁に就職したものの、同僚との出世競争に敗れ、第3セクターで運営される赤字垂れ流し状態のローカル線会社へ出向させられた独身男性と、生まれ育ったローカル線沿線に戻ってきたカリスマと言われた新幹線の売り子の女性。

そのローカル鉄道会社はやがて資金が底を打つのが見えていて、宮城県、市町村、銀行などが寄り合い所帯で、どのようにしてうまく撤退するかという議論が始まりそうな危機的状況となっています。

前の社長は銀行から送り込まれたベテランでしたが、リストラや経費削減ばかり熱心で、周囲に味方になってくれる人もなく、やがて逃げ出すように辞めてしまいます。

そこで選ばれたのが、新幹線のカリスマ売り子という経営素人で、地元愛と負けず嫌いな性格でうまく乗せられて着任してきます。その素人社長とコンビを組むのが宮城県から派遣されてきている副社長で、赤字解消に向けて次々と起死回生策を打っていきます。

ま、徹夜、休日出勤当たり前状態で、今で言えばブラック企業とも言えますが、一部の優良企業を除いて、実際の仕事の現場はこうしたものだというのがわかるだけに、働き過ぎを叩く人達にもぜひ読んで感想を聞かせてもらいたいものです。

この小説に出てくる第3セクターのローカル線は、2007年に廃線となったくりはら田園鉄道をモデルにしていると言われています。こうした常識を覆すようなリーダーが現れず、また企業努力もなかったのでしょうか。

★★☆

12月前半の読書と感想、書評 2016/12/14(水)

015 正義をふりかざす君へ (徳間文庫)
私的には作品に当たり外れが少ない好きな作家さんで、この小説は2013年発刊のものです。

主人公は、地方新聞社に勤務していたとき、取材で知り合った地元の事業家の娘と結婚し、その家の跡継ぎとして働いていたとき、ある事件がきっかけで、事業と妻とも関係が破綻してしまい、逃げるように去ってしまった男性で、ハードボイルド的な雰囲気があります。

その別れた妻とその友人から強引に頼まれ、逃げ出した街へ再び戻ってきた主人公は、次期市長選挙候補と元妻の不倫関係を脅迫する見えざる敵を探し出すため自分にとってはなんの関係もない不毛な行動を起こします。

自分が関わっていたホテル事業で死者まで出す問題を起こし、その決着を見ずしてその街から逃げ出した過去があるだけに、戻ってきたことで様々な嫌がらせや反発を受けることになります。

しかし、突然襲われたり、暴力事件の巧妙な罠を仕掛けられたりすることで、自分がこの街にいることで困る有力者がこの街にいることが段々わかってきます。

私立探偵小説を彷彿させ、なかなか緊迫する面白いストーリーで、中盤まではぐいぐい引き付けられていきましたが、ちょっと最後のどんでん返しは、そんなことありえねぇだろうという決着の付け方は、私的にはいまいちな感じで、なにかモヤッとしたものが後に残ってしまいました。

10月後半の読書と感想、書評 2014/11/5(水)

014 真夜中の神話 (文春文庫)
2004年に単行本、2007年に文庫本が発刊されている500ページを超える長編小説です。著者の作品は、十数冊を読みましたが、当たり外れが少なく、とても気に入っています。

この本を買って、読み始めるとなにか既視感を感じ、調べると文庫が発刊されたと7年前にに買って読んでいました。またやってしまいましたが、結局面白くて最後まで読み通しました。

中でも巨大ダムの監視員がテロリストと戦う「ホワイトアウト」、ヤクザと日本に密航するベトナム人が主人公の「黄金の島」、素人が集まって衆議院選挙に立候補しようとする「ダイスをころがせ!」、織田信長に仕える光秀に焦点をあてた「覇王の番人」など、まったく主人公も小説のジャンルも違う小説を次々と書いていく才能の高さには驚くばかりです。

この小説はAmazonのレビューを読むと「著者の作品ワースト3のひとつ」など、あまり評判は芳しくはないようですが、私的にはすぐにでも映像化ができそうな壮大なスペクタルミステリー作品として評価します。映像化するには、海外ロケなどかなりのお金がかかりそうですけどね。

主人公は、夫と子供を交通事故で失った研究者の女性。その主人公が乗った飛行機がインドネシアの山奥に墜落してしまいます。しかし乗客の中でただひとり山の民に救い出され、そして奇跡的に回復をします。

そのことから、山の民には科学では証明できない奇跡があるのでは?という憶測と、コウモリを自由に操る吸血鬼伝説などともつながって、主人公やそれに疑念を抱くグループが再び山の中へと戻っていきます。

さすがに数年前に一度読んでいるので、最後のどんでん返しは、途中で思い出してわかっていましたが、それなりに楽しめる内容です。

7月前半の読書と感想、書評 2014/7/16(水)

013 ダイスをころがせ!(上)(下) (講談社文庫)
「ダイスをころがせ(Tumbling Dice)」と言うと音楽好きならローリング・ストーンズや、それをカバーしたリンダ・ロンシュタットの1970年代の曲かと思われそうですが、こちらは2002年初出の長編小説です。

著者の小説は好きで、「ホワイトアウト」や「黄金の島」「奇跡の人」など数えてみると今までに15作品読みましたが、いずれもハズレはなく、どの作品も安心して読める作家さんです。すでにいくつもの文学賞を受賞されていますが、直木賞だけはどうも縁がなく、時間の問題のような気がしていましたが2003年の「繋がれた明日」以来なぜか最近はノミネートにも上がりません。

この小説の主人公は34歳で総合商社に勤務していた時に、関わっていた開発事業の失敗の責任を押しつけられて、子会社へ飛ばされます。その子会社でも上司のミスの責任をかぶることになり、嫌になって後先考えずに退職したものの、まともな仕事にありつけず困っていたときに、高校の同級生で新聞社に勤めている恋人を取り合った仲でもある元ライバルと出会います。

その同級生から新聞社を既に退職し、1年後の衆議院選挙に地元の静岡から無所属で立候補することを告げられ、その選挙参謀兼秘書をやってくれないかと頼まれます。

小説とはいえ、あまり知られていない国政選挙に出るときの諸々が書かれています。選挙資金はこれだけ必要で、どうやって事前運動を始めるのかなど、まるで立候補マニュアルのようなところがあります。

この本のタイトルは、せっかく国民の意志を反映するための唯一の選挙に、特に若い人が投票に足を運ばないことを危惧して「手の中にあるサイコロをなぜふろうとしないのか?」という辻立ちの演説の中からとられているようです。

政党に所属せず無所属で立候補することの難しさが強調され、それは結局、現職の国会議員が自らの首を絞めるような改革や制度設計ができるはずがないという流れにもっていってますが、一方ではある一定規模の政党の縛りがないと、単にテレビで有名人だからとか、無所属で特定のスポンサーや極端な思想に偏った政党に所属しない候補者が選挙で乱立してしまう可能性も否定できません。

被選挙権のすべてが自由・平等・公平というのは言葉では美しく響きますが、現実の中ではそれがいいとは言い切れません。例えば、被選挙権者の中にも当然貧富の差があり、運動員や施設、PRにより多額のお金を使えるお金持ちしか政治家になれないとうのでは、自由・平等であっても公平とは言えません。

特に現在の選挙のように浮動票が過半数を超えるような社会では、その移り気な浮動票の行方次第で頻繁に政治の風向きが変わってしまうことになり、メリットばかりではなくデメリットも生じてくるのは想像ができます。

この小説では、そのような現在の選挙制度や政党にしか配られない交付金、企業や組合、宗教団体の組織で戦う旧来の選挙についての問題提起もありますが、これからはもっと若い人が選挙に関心をもって、自分で一票を投票する行動で、日本の政治に責任をもってもらいたいという著者の願いが込められているようです。

4月前半の読書と感想、書評 2014/4/16(水)



012 覇王の番人(上)(下)  (講談社文庫)
著者の作品は「ホワイトアウト」や「黄金の島」など過去16作品をどれもたいへん面白く読ませてもらいましたが、時代小説は初めてで、どのような内容になるのかワクワクドキドキ、しかし今までの現代小説とガラリと変わってしまうのでちょっと心配しつつ読みました。この長編小説は2008年に単行本、2011年に文庫版が出ています。

警察ものなど現代小説が多く古くても幕末ぐらいの時代設定だった直木賞作家佐々木譲氏も、ある時突然「天下城」というたいへん面白い安土城建設にまつわる戦国時代の時代小説が出てきて意外な感じがしましたが、この著者に対しても同じ思いです。

タイトルに出てくる「覇王」とは魔王とも鬼とも呼ばれていた織田信長のことです。あるきっかけで運命の糸が結びつけたかのような出会いから始まり、旧来の織田勢には知るよしもなかった朝廷のしきたりや学識にも秀でている上に、忠実で勇猛な家臣として勢力をつけ、やがては天下一の謀反人として名を馳せた明智光秀を主役とした時代小説です。

実は私は織田信長も嫌いじゃありませんが、明智光秀は結構好きな武将で、美濃を出立して以降、なかなか思い通りにはいかない中で、ふとした縁から年下の信長に長く仕え、時には足蹴にされながらも、理知的で家臣や領民からも慕われていた人柄は、単に自分で天下を取りたいがために主君を裏切った謀反人とも思えず、今になってはその理由はわからないけれど、なにか原因があったに違いないと思えて仕方ありません。

特に現在記録として残っているものは、当時の勝者たる秀吉や家康に命ぜられて、あるいはご機嫌をとるために書かれたものが多く、その場合は秀吉や家康の主君であった信長を葬った明智光秀についてよく書かれるはずもないからです。

この小説の主役は明智光秀とともに、光秀が情報戦に使ったとされる甲賀の忍者衆にも準主役がいます。その忍者は子供の頃に、信長勢と思われる武士に親や兄弟を皆殺しにされ、その復讐をするために忍びの世界に入ることになりましたが、やがてはその信長の家臣となった光秀の軍勢に加わることとなり、絶対的な主従関係を結びます。

そして明智光秀の天下太平を願う姿勢にうたれ、その光秀が従う信長に対しても復讐の思いは次第に薄れてきますが、信長の世では一向に戦乱の世が治まらず、敵なら僧侶や女子供も惨殺し、気分次第で無理難題を部下に押しつけてくる信長に対して光秀の心に反目の灯火が点いたことにいち早く感づくと、それなら自分もその場にいたいと願いますがかないません。

そして、クライマックスでは明智光秀対豊臣秀吉、そして忍者対忍者の死闘が始まり、光秀は敗れ去り、忍者小太郎も光秀の密書を毛利軍へ届ける役目を果たせず、片腕と片足を失うという悲劇に見舞われます。

明智光秀の最期は、通例では坂本へ逃げる際、落ち武者狩りに竹槍で刺され絶命することになっていますが、この小説では、瀕死の重傷を負いながらも生き延び、坂本とは目と鼻の先の比叡山に匿われて生き延び、その後徳川時代においても密かに活躍する姿が描かれています。時々出てくる光秀=天海説ですね。

来年の大河ドラマは光秀とほぼ同時代に生きた黒田官兵衛ですが、当初は明智光秀が大河の主役になるのではと噂されていました。結局は見送られたわけですが、きっと何年か後にこの明智光秀が主役となる大河ドラマが作られるのでしょうけど、その時はやっぱり保守的に山科の山の中で竹槍で最後を遂げることになるのでしょう。

文庫版の上下巻で1000ページを超える長い小説ですが、時代背景や戦国時代の登場人物をそこそこ知っていると、意外にスラスラと読めてしまいます。あと忍者の活躍と忍者同士の死闘の場面に迫力があり、時代小説にエンタテーメントの要素をうまくミックスさせたところが著者のこだわりでしょう。

11月後半の読書と感想、書評 2013/12/4(水)



011 発火点 (講談社文庫)
真保氏の作品は過去に数多くを読んでいますが、テーマとする幅が広く、また想定される読者層にも偏ったものではなく、しかも長編が多いので読み応えを感じます。この「発火点」も560ページを超える長編です。

デビュー作の「連鎖」は公務員を、「ボーダーライン」ではロサンゼルスの日系人探偵、映画にもなった「ホワイトアウト」はダムの運転員を、「奇跡の人」は脳死から復活した記憶喪失の男、「奪取」は偽札作り、「朽ちた樹々の枝の下で」は森林作業員を、「黄金の島」ではベトナム難民と日本のヤクザを、「アマルフィ」では外交官をと、バラエティにとんでいて、どの作品をどこから読んでも飽きません。私にとっては「読みたい本がないときの真保頼み」となっています。

「発火点」は2002年に初出(文庫は2005年)の小説です。主人公は21歳の若者で過去に父親を父親の幼なじみに殺されるという過去を持っています。その父親を失った経緯や理由が、本文中ではずっとチラみせだけで、なかなか本題に入ってこないので、ちょっとイラっときてしまいます。

ストーリーは家を出てアルバイトを転々としすさんだ生活をおくる現在と、父親が殺された12歳の頃の話しが行ったり来たりするのは上記角田光代氏の「対岸の彼女」と同じような構成です。

著者自身、高校を卒業後、志望していた企業に落ち、その後多くの仕事を転々とした経験があり、21歳の鬱積した青春をおくっている主人公には、著者のその頃の思いや考え方が反映されているのかなと勝手に判断しています。と書いたあとで文庫の「あとがき」を読んだらそのようなことが書かれていました。

2月の後半の読書 2013/3/6(水)

010 取引 (講談社文庫)
真保裕一氏の小説はすでに5〜6冊は読んでいますが、この「取引」はデビュー作「連鎖」(1991年)のすぐ後1992年に刊行された第二作目の作品です。

そしてこの二作品や「密告」「震源」「天使の報酬」などは主人公が公務員なので、「小役人シリーズ」と呼ばれているそうです。

この「取引」では公正取引委員会の審査官が主人公です。この審査官が正義感が強く、上司に楯突いて不正を暴こうとしたところ、利権に巣くう組織から罠にはめられるところから非常に長い670ページの物語がスタートします。

とにかくでかくて重い、電車で片手で持ちながら読んでいると結構腕が疲れます。

2010年の芥川賞作品の西村賢太氏著「苦役列車」など200ページもありませんから、その3倍以上ある小説です。

かと言ってすぐに二冊三冊に分けてしまうとそれだけでトータルが高くなってしまいますから、読者としては痛し痒しのところがあります。

私が最初に真保氏の作品を読んだのが「ホワイトアウト」で、2000年には織田裕二主演で映画化され大ヒットしました。

実はこの作品を読んでから映画を見たのですが、正直に言ってこの作品に関しては映画のほうがずっとよかったという印象を持ちました。

というのも、このような雪の中の巨大なダムという壮大な自然を文章で表すのは難しく、それよりも映像でドカッと見せるのがずっとダイレクトに頭の中に入ってきます。

この映画の脚本にも著者は関わり、オリジナルを大事にしながら、かつ、織田と佐藤浩市の二大俳優の対決をエンタテインメントとしてわかりやすくうまく作ってありました。

それ以来、「アマルフィ 女神の報酬」や「アンダルシア 女神の報復」など真保映画には織田裕二がベストマッチしていくことになります。

9月後半の読書 2012/10/3(水)

009 朽ちた樹々の枝の下で (講談社文庫)
並みの文庫なら2〜3冊分はゆうにある650ページを超える長編小説です。年代が近い真保氏の小説は気に入っていて過去に5〜6冊を読んでいますが、原作を読むより先に映画で見た「アマルフィ(映画の題名はアマルフィ 女神の報酬 )」や「ホワイトアウト」などの作品も有名です。「アンダルシア」も「アンダルシア 女神の報復」として昨年に映画公開されていました。

この「朽ちた樹々の枝の下で」は、1991年に「連鎖」でデビューした後、毎年1〜2作のペースで上梓されていますが、その中では1996年と初期に書かれた作品です。

主人公は自分の一言で妻を死に追いやってしまったと悩み、周囲からの目を嫌いサラリーマンを辞め、北海道の森林組合に入り山の生活を始めたばかりの男性。

その主人公が早朝に山の中で一人の怪我をした女性を救いだします。女性はすぐ近くにある自衛隊の演習地から逃げてきた様子で、その後主人公の回りに次々と異変が起き始めます。

自衛隊の組織的な犯罪をテーマにした小説はいくつかありますが、巨大な組織に個人が対抗していくというのはかなり難しく、よく警察が組織ぐるみで警察官の犯罪を隠蔽する事件がスクープされますが、当然自衛隊組織においてもあまり表沙汰にはならないものの、実はよく起きていても不思議ではありません。

北海道の山奥で起きた事件にしては、登場人物が多く、その関係性も複雑で、一気に読まないとなかなかストーリー全体を見失ってしまいそうです。

特に自衛隊の組織と権限等については一般的にはほとんど知られてなく、そのあたりについても本書で解説が加えている分、かなり長い小説になってしまったとも考えられます。

真保裕一氏の小説の主人公の職業は、なにかに偏っているわけではなく、小説ごとに違っていて、読むたびにすごく新鮮に感じます。

書く方はよく知られている職業(例えば刑事とか出版社の編集員とか)の主人公にすれば楽なのでしょうけれど、そういうことはせずに、ちゃんと調べあげてそれぞれに違った職業の主人公を創り上げていくテクニックはさすがというしかありません。

8月後半の読書 2012/9/5(水)

008 黄金の島(上)(下)(講談社文庫)
真保裕一氏は、1961年生まれということですから、今年51歳と小説家としては脂がのっている世代でしょう。氏のデビュー作「連鎖」は文庫になってから読みましたが、なかなかの傑作で、それ以降映画でも大ヒットした「ホワイトアウト」や「アマルフィ」、テレビドラマになった「奇跡の人」など次々とヒット作を出しています。この黄金の島は、2001年に初出で、文庫版は2004年からです。

内容は、ヤクザになりきれない半端者の男が、しばらく姿を消すためにタイへ逃げ、そこでも謎の追っ手が現れたことによって、隣国ベトナムへ不法入国することになります。

最近のベトナムの話題と言えば、解放政策が取り入れられ経済絶好調で、日本からも必死に新幹線の売り込みがされていますが、20年前のベトナムはまだアジアの中でも特に貧しい閉鎖的な共産国でした。

特権階級にいるわずかな高官やその家族、親戚以外は、虐げられ抑圧され、虐め倒されています。そのあたりの暗い話しは、以前読んだ梁石日(ヤン・ソギル)氏の「闇の子供たち」を彷彿させます。

若者が生きていくために、また黄金の国といわれる先進国日本に行けば明るい未来があると信じて、命をかけて密航しようとする気持ちをこれでもかというぐらいに書き込まれています。

そのような日本へ出稼ぎにいき、大金持ちになって帰ってくることを夢見ているベトナムの若者と、命を狙われたり、ベトナムの警官に刃向かったために酷い仕打ちを受ける主人公が、様々な難関をくぐり抜けて、台風の大時化に乗じて漁船で日本を目指すといったストーリーです。

しかし主人公は決してヒーローでも格好良くもなく、そしてハッピーエンドでもなく、読んでいて気持ちがズンズンと重たく沈んでいくことうけおいの小説です。

1月上旬の読書 2012/1/18(水)


007 繋がれた明日 (新潮文庫)
2006/03/04読了

「BOOK」データベースより
あの夏の夜のことは忘れられない。挑発され、怒りに駆られてナイフを握った。そして一人の命を奪ってしまった。少年刑務所から仮釈放された、中道隆太。彼は人間味溢れる保護司に見守られ、不器用ながらも新たな道を歩みだしていた。その矢先、殺人の罪を告発するビラが撒かれた。誰が?何のために?真相を求め隆太は孤独な旅を始めたのだが―。深い感動を呼ぶ、著者の代表作。

006 ストロボ (文春文庫)
2003/05/07読了

「BOOK」データベースより
カメラマンの喜多川はある日、若い女性から余命短い母親の遺影用の写真を撮ってほしいと依頼される。母親はかつて喜多川に撮影されたことがあるというが、全く記憶にない。一体どんな因縁があったのか―(「遺影」)。50歳から22歳まで、フィルムを巻き戻すようにさかのぼって人生の哀歓を描き出す傑作。

005 ボーダーライン (集英社文庫)
2002/08/11、2007/08/16読了

「BOOK」データベースより
ロサンゼルスの日系企業で働く探偵のサム永岡は、一人の若者を探すように命じられた。国境に近い町で見つけた彼は、天使のような笑顔を見せながらいきなり発砲してきた―。人としての境界を越えた者と、そんな息子の罪を贖おうとする父親。ふたりにかかわった永岡もまた、内なるボーダーラインを見つめる…。重層的なテーマが響く傑作長篇。

004 密告 (講談社文庫)
2001/09/01読了

「BOOK」データベースより
川崎中央署生活安全総務係の萱野は、ある日、上司の矢木沢に面罵された。競技射撃で五輪出場権を懸けて争った選手時代の確執から、矢木沢の接待疑惑を密告したと思われたのだ。自らの汚名を晴らすため、萱野は真の密告者を捜す!巨大な日本の警察組織内部に潜む闇を、深く綿密に描き切った迫真のサスペンス。

003 奪取 上・下(講談社文庫)
2001/03/09読了

「BOOK」データベースより
一千二百六十万円。友人の雅人がヤクザの街金にはめられて作った借金を返すため、大胆な偽札造りを二人で実行しようとする道郎・22歳。パソコンや機械に詳しい彼ならではのアイデアで、大金入手まであと一歩と迫ったが…。日本推理作家協会賞と山本周五郎賞をW受賞した、涙と笑いの傑作長編サスペンス。

ヤクザの追跡を辛うじて逃れた道郎は、名前を変え復讎に挑む。だがその矛先は、さらなる強大な敵へと向かい、より完璧な一万円札に執念の炎を燃やす。コンピュータ社会の裏をつき、偽札造りに立ち向かう男たちの友情と闘いを、ユーモアあふれる筆緻で描いた傑作長編。予想もできない結果に思わず息をのむ。日本推理作家協会賞・山本周五郎賞W受賞。


002 奇跡の人 (新潮文庫)
2000/09/04読了

「BOOK」データベースより
31歳の相馬克己は、交通事故で一度は脳死判定をされかかりながら命をとりとめ、他の入院患者から「奇跡の人」と呼ばれている。しかし彼は事故以前の記憶を全く失っていた。8年間のリハビリ生活を終えて退院し、亡き母の残した家にひとり帰った克己は、消えた過去を探す旅へと出る。そこで待ち受けていたのは残酷な事実だったのだが…。静かな感動を生む「自分探し」ミステリー。
001 ホワイトアウト (新潮文庫)
2000/06/27読了

「BOOK」データベースより
日本最大の貯水量を誇るダムが、武装グループに占拠された。職員、ふもとの住民を人質に、要求は50億円。残された時間は24時間!荒れ狂う吹雪をついて、ひとりの男が敢然と立ち上がる。同僚と、かつて自分の過失で亡くした友の婚約者を救うために―。圧倒的な描写力、緊迫感あふれるストーリー展開で話題をさらった、アクション・サスペンスの最高峰。吉川英治文学新人賞受賞。



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