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奥田英朗 OKUDA HIDEO 既読書籍

021 噂の女
020 向田理髪店 019 我が家のヒミツ
018 我が家の問題 017 沈黙の町で
016 港町食堂 015 純平、考え直せ
014 無理(上)(下) 013 オリンピックの身代金(上) (下) 
012 家日和 011 町長選挙
010 ガール 009 ララピポ
008 空中ブランコ 007 サウスバウンド 上・下
006 真夜中のマーチ 005 東京物語
004 ウランバーナの森   003 イン・ザ・プール
002 邪魔 上・下 001 最悪
読書感想は2010年頃以降に書くようになりました。それ以前に読んだ本の感想はありません。


1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。新人賞経由ではなく出版社への持ち込みでのデビュー。1999年『最悪』が「このミステリーがすごい!」2000年版で第7位に、2001年、『邪魔』が「このミステリーがすごい!」2002年版で第2位にランクインする。2004年に代表作である精神科医・伊良部シリーズの第2作目『空中ブランコ』で第131回直木賞を受賞。(Wikipediaより引用 2022年)


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021 噂の女(新潮文庫)

2012年に単行本、2015年に文庫化された連作短編小説です。2018年にはBSジャパンでテレビドラマ化されています。噂の女(主演)はグラビアアイドル?足立梨花です。

「中古車販売店の女」「麻雀荘の女」「料理教室の女」「マンションの女」「パチンコの女」「柳ケ瀬の女」「和服の女」「檀家の女」「内偵の女」「スカイツリーの女」の10編からなりますが、そのすべてに同じひとりの謎多き女性が登場します。

その噂の女は次々とお金持ちの男を替え、結婚するとその夫はまもなく死亡するとかすっかり街中の噂が拡がっていきます。

その美人ではないけれど、男好きがする肢体と男あしらいで、したたかに、疑惑の輪からうまく逃れていきます。

現実の事件にも時々そういう女性が現れますが、おしなべて「えっ、どうしてこの女が?」と(自分的には)美人とはとても思えない容姿の女が何人もの男を食い物にして、財産を奪ったりしています。

悪女というと響きは良いですが、愛人や夫に酒と睡眠薬を飲ませて風呂で溺れさせるなどからすると別の言い方で毒婦とも言えます。

そう言えば関係ないですが、悪男とか毒夫とはいわないですね?女性を指す特有の言葉で、きっと男中心社会の中で、触れてはいけない怖い女性を指すこととして作られたのでしょう。

ま、面白いのは面白かったですが、著者の作品は本格的な長編ミステリーが私は好きです。一般的な評価では「精神科医・伊良部シリーズ」など連作短編のウケが良い(シリーズ二作目「空中ブランコ」が直木賞受賞)ようですけど。

★★☆

1月後半の読書と感想、書評 2021/1/30(土)

020 向田理髪店 (光文社文庫)
小説宝石に2013年〜2015年連載され、2016年に単行本、2018年に文庫化された連作短編小説です。

好きな作家さんで、1999年の実質デビュー作「最悪」以来、ほとんどの作品を読んでいます。

最近は「我が家のヒミツ」「我が家の問題」などの「平成の家族小説シリーズ」をチマチマと読んでいます。感想の評価はあまり高くないですが。

この作品は「向田理髪店」「祭りのあと」「中国からの花嫁」「小さなスナック」「赤い雪」「逃亡者」の6編からなり、主人公はいずれも北海道の夕張をイメージできる、財政破綻したひなびた元炭鉱都市にある、理髪店の50代店主です。

店主の息子は都会へ出て働いていましたが、実家へ帰ってきて理髪店の跡を継ごうとしますが、父親の店主はこんなところで店をやっていても将来性はないと乗り気でありません。

そうした疲弊した地方都市での騒動がテーマとなりますが、これがまた「若者は大都市へ出て行き高齢者だらけで活気のない町」「跡取り息子の嫁のきてがなく中国の地方から」「出戻りで故郷に帰ってスナックを始めた色気たっぷりなママさん」「映画ロケに町中あげての応援とエキストラ出演」など、誰でもがすぐにこれといった産業がないくたびれた地方都市をイメージする内容で、ちょっとガッカリ。

短編で直木賞を受賞した「伊良部シリーズ」や、長編だけど「サウスバウンド」「オリンピックの身代金」のようなキレのある小説はもう出てこないのかな、、、

ちょっと期待していただけに、残念ながら最近読む著者の作品は私にとってはあまり向かない感じです。

★☆☆

9月後半の読書と感想、書評 2020/9/30(水)

019 我が家のヒミツ (集英社文庫)
2015年単行本刊、2018年文庫版刊の短編小説集です。

著者の作品は好きで、文庫になっているものはほとんど読んでいます。こうした短編小説も多くありますが、著者の作品では、本格的なミステリー小説が秀逸と思っています。でもN木賞に輝いたのは、コミカル路線の連作短編小説でしたね。

今回の著者と同様の短編小説集では、「家日和」(文庫版2010年刊)は2010年に、「我が家の問題」(文庫版2014年)は2019年にそれぞれ読んでいます。

今回収録されている短編は、「虫歯とピアニスト」、「正雄の秋」、「アンナの十二月」、「手紙に乗せて」、「妊婦と隣人」、「妻と選挙」の6編です。

実は上記の「我が家の問題」は、著者の作品としては、あまり面白く感じず、昭和時代の夫婦関係を引きずったままのように見えて、低い評価をしました。

しかし今回の著書は同じような一般家庭と夫婦をテーマにしながらも、もっと奥深い感じがして面白く読めました。

著者からすれば、「別に前作から変化はない」ということでしょうけど、読み手側のその時々の精神状態によっても変わってくるのか、今回は別物?と感じました。

「虫歯とピアニスト」は、昔に憧れていたピアニストが、自分の勤務する歯医者へやってきた話し。「正雄の秋」は熾烈な会社の中での出世競争で、好きではなかった同期に負けてしまった話し、「アンナの十二月」は、自分の出生の秘密を知り、実の父親に会いに行った話し、「手紙に乗せて」は、妻を亡くした男性同士の相哀れむ手紙、「妊婦と隣人」は産休のため家にいることになり、それで知ることになった不可解な隣人、「妻と選挙」は、N木賞作家で今は落ち目になった作家の妻が、市会議員選挙に出馬するという出来事。

どれも上々の出来と言えます。

★★☆

11月後半の読書と感想、書評 2019/11/30(土)

018 我が家の問題 (集英社文庫)
2011年単行本刊、2014年に文庫化された短編小説集で、「甘い生活?」「ハズバンド」「絵里のエイプリル」「里帰り」「夫とUFO」「妻とマラソン」の6編が収録されています。

この「家シリーズ」とも言える短編集では、過去に「家日和」(2007年刊)を2010年に文庫版を読んでいます。

主に主婦からの視点で、日常の淡々としたくだらない話しが淡々と書かれていますが、気になったのは、「専業主婦」「寿退社」などというパターンが多く、どうも現代の話しとは思えず、昭和の高度成長期の話し?って思ってしまいますが、発表されたのは2009年から2010年とのことで、なにか一般世間とずれている感じです。

その中では、夫婦が共働きで、お盆休みを合わせ、それぞれの実家へ里帰りする「里帰り」は、なるほど夫婦がともにずっと離れた地方出身だと、せっかくの連休も海外旅行ではなく、里帰りのはしごをすることになり、そういうこともあるなとは思います。

かなり女性読者を意識した内容になっていると思われますが、ちょっと著者が得意としている緻密でウイットに富んだ作品とはかけ離れた作品となってしまっているような気がします。

「家シリーズ」の続編「我が家のヒミツ」(2015年)も読みたかったのですが、ちょっと考え直さなければなりません。

★☆☆

7月後半の読書と感想、書評 2019/7/31(水)

017 沈黙の町で (朝日文庫)
この長編小説は朝日新聞朝刊に2011年から2012年にかけて連載されたもので、2013年に単行本として、そして2016年に文庫版として発刊されました。

著者の書く小説は、コミカル系、シリアス系などどれをとっても大好きで、文庫になったものはほとんど読んでいます。

直木賞にも輝いた「空中ブランコ」を含む「精神科医・伊良部シリーズ」はもちろん、映画やドラマになった「サウスバウンド」「オリンピックの身代金」などもどれも気に入っています。

普段はあまり好んで読まないエッセィ集も、著者が書いた「港町食堂」は、これは読まなくちゃと思って買ってきました。

この小説の内容はシリアス系で、しかも中学生のいじめ問題や、学校と親たちの葛藤を取り上げたかなり重い内容となっています。

地方都市の中学校で生徒が転落して亡くなっているのが発見されます。直前まで一緒にいたテニス部の同級生達との関係は?という点が焦点となっていきますが、生徒はもちろん、学校関係者、生徒の保護者たち、警察、検事、新聞記者などが入り乱れ、事件の真相が徐々にわかってくるという流れです。

新聞小説という長さが決まった小説の性なのかどうか不明ですけど、ちょっとあちこち余分と思えそうな話題に飛びがちで、それがちょっと気になるところです。

新聞連載小説の場合、毎回新聞紙上で読むと気にならなくても、こうした文庫で一気読みをすると、ちょっとまどろっこしく感じることがよくあります。

単行本で出すときには、多少は見直されているのでしょうけど、どうせなら、新聞で使われた挿絵でも入れた上で、思い切ってバッサリ余計な脂肪は削っちゃうというのも必要かも。

ビックリするようなミステリー仕立てではなく、モンスター保護者や、学校関係者の危機管理の無能ぶりとか、実際起きそうな事象が丁寧に書き込まれているという印象です。

★★☆

11月前半の読書と感想、書評 2018/11/14(水)

016 港町食堂 (新潮文庫)
この著者の作品は過去文庫化されている小説はだいたい読んでいますが、これは珍しい?っていうか、たぶん初めての紀行エッセイ集で2005年刊(文庫は2008年刊)です。

旅先は、すべて新潮社がセッティングし、同行の編集者やカメラマンがお世話してくれるあご・足・枕つきの優雅な旅で、訪れる場所、そして港町独特のおいしい魚料理を食べる店まで出版社におまかせというご大尽ぶりで、なんのご褒美?っていうぐらいのうらやましさ満載の紀行集です。

人気が出てきてそのうちに大きな賞をとりそうな(このエッセイ連載中に直木賞受賞)作家先生に、講談社(デビュー作他多数)や文藝春秋(直木賞受賞作品他多数)に大きく差をつけられ、遅ればせながらも新潮社で書いてもらおうための接待攻勢か?って思わなくもありません。それにしては船の中では同行者と相部屋の二等部屋だったりして不満?タラタラのところもあったりしますが。

行き先は高知土佐清水、長崎五島列島、宮城牡鹿半島、韓国釜山、新潟佐渡、礼文島となっています。テーマが港町ですので、船に乗ってその目的地へ入ることにこだわっています。

そういえばNHKの番組「ブラタモリ」で、長崎を訪れたタモリが「長崎のような港町は、船が着く場所が表玄関で、こうした港町へは船で来るのが正統な訪れ方」って言ってましたっけね。よくわかっていらっしゃる。

その中でも宮城県牡鹿半島編では、震災前の石巻、金華山、女川の美しい風景の描写が出てきて当時を偲ばせます。また女川港へ向かう船からは、巨大な女川原発が見え、その原発設置の恩恵として女川に建てられていた豪華な近代的な公共ビル群を淡々と「女川住人の選択」と書いてあるのが、それから6年後に町の8割の建物が津波でなくなってしまうことをなにか暗示していたかのようです。

5月後半の読書と感想、書評 2015/6/3(水)

015 純平、考え直せ (光文社文庫)
2004年に「空中ブランコ」で直木賞を受賞している奥田氏の作品は、文庫になっている小説はほとんど読んでいます。この「純平、考え直せ」は2009年から2010年にかけて小説宝石に連載された作品ですが、4月末現在まだ文庫化はされていません。

著者の作品は昨年「オリンピックの身代金」を読みましたが、こちらはシリアスな小説で、1964年当時の高度成長まっただ中の日本を、浮かれたありきたりの視点ではなく、東京など大都市だけが繁栄し、東北の寒村など地方は貧しいまま置いていかれ、そこから出稼ぎに来ている肉体労働者と、贅沢で華やかな東京で暮らす人達とを対比をするやり方に感心しました。

この「純平、考え直せ」はユニークなタイトルですが、最近は映画にもなった朝井リョウ氏の「桐島、部活やめるってよ」(2010年2月刊)などもあり、こういう呼びかけるタイトルが流行ってきているのでしょうか。

主人公の純平は22才で新宿歌舞伎町を根城とするヤクザの見習い中。まだまだ下っ端で使いっ走りの身ながら、組員の半数は刑務所へ入っている中で、今まではどうにか無難にしのいできています。

ところが組同士の争いから、組の親分から抗争相手の幹部の命をとるため鉄砲玉として任命され、ようやく男を上げるときがきたと意気上がる中、なぜか周囲にいる人達からは心配され、そして様々な世話も焼かれ、あげくにはネット上にもその話しが掲載されてしまいます。

個人的には官僚やヤクザをヒーロー扱いするたぐいの話しは好かないのですが、そこは奥田氏の書いたものなので、不快感は感じずスラスラと読めます。

奥田流「サウスバウンド 」や「イン・ザ・プール 」などに共通するコメディタッチの軽いノリの小説です。

4月後半の読書 2013/5/1(水)

014 無理(上)(下)(文春文庫)
直木賞作家奥田英朗氏の小説はお気に入りなので、文庫化されたものはほとんどは読んでいます。「サウスバウンド」や「イン・ザ・プール」のようなコミカルなものもいいですが、今回は「最悪」「邪魔」に続くシリアスな内容の犯罪小説です。

この「無理」は単行本が2009年に刊行され、文庫化されるまで3年かかり、2012年6月にやっと登場しました。ビジネス的なことがあるのもわかりますが、お願いですからもう少し文庫化までの期間を短縮してくれないでしょうかね?

その小説の舞台になるのは日本中どこにでもありそうな雪が多い地方の一都市。日本の地方都市はどこも似たり寄ったりとなってしまい、昔あった商店街はシャッターが降り、少し離れた国道沿いに大きな駐車場をもったショッピングセンターや郊外のパチンコ店が繁盛しているという構図です。

そういえば少し前に読んだ楡周平氏の「プラチナタウン」も同じような廃れて高齢化が激しい寒冷な地方都市が舞台でしたが、こちらは誘拐、殺人、政治家と土木業者の癒着、主婦売春など犯罪絡みでもっと暗い世界が拡がっていきます。

さらには今年になって急速に話題が拡がった生活保護の不正受給の問題や、遠い昔の感となってしまいましたが、怪しい教祖が主宰する新興宗教教団など話題性もたっぷりです。

主人公は複数いて、市役所で生活保護の申請を受け付ける公務員、新興宗教にのめり込む離婚した中年女性、引きこもりのゲームオタクに誘拐された女子高生、元暴走族リーダーで現在は高齢者相手に不要な商品を売りつけるセールスマン、親の後を継いで市会議員となった二世議員とそれぞれに全然違った個性、立場、職業でありながら、狭い地方都市の中でそれが複雑に絡み合っていくことになります。

現代日本の貧しい地方都市問題と、その中で暮らす人々の縮図がギュッと1冊にまとめられたような小説で、都会に住んでいるとわからないことが多く、社会を学ぶのにもいい本です。

7月前半の読書 2012/7/18(水)

013 オリンピックの身代金(上) (下)(講談社文庫)
時は1964年の東京。新幹線、国立競技場、武道館、首都高速道路、代々木体育館などオリンピック景気に沸く中で、東北などの地方から多くの労働者が出稼ぎに来ています。

華やかな東京都の表部分と、地方の電気さえ十分に届かない裏の部分がくっきりと付いてきた時代でもあります。戦争に負けて20年、世界から敗戦国として侮蔑されてきて、ようやく世界から許しを得られた証明がこの東京オリンピックでした。

そのオリンピック開催を間近にして、貧しい地方から出てきたエリート東京大学大学院生が、繁栄のために地方を犠牲にするその象徴であるこの東京オリンピックを妨害しようとします。彼にとってはなんでもよかったハズだけど、目の前に世界中が注目する東京オリンピックを人質にした恐喝を始めます。

長い小説ですが、その前段である東京と地方の格差、日雇い労働者と大手企業や役人との格差、そして1960年の安保運動以来急速に力を付けてきた公安警察と警視庁捜査1課との確執などが盛りだくさんで、途中でダレルこともなく、クライマックスの10月10日の開会式へ向かって突き進んでいきます。

東京オリンピック開催の時は私はまだ小学生で、しかも関西にいたので、その影響(恩恵)はなにもなく、家で家族と一緒に白黒テレビで入場行進を見ていたことぐらいしか印象には残っていません。その後のメダルを取ったバレーボールやマラソンなどは興味はなかったものの、家族がみな大喜びしているのを不思議な思いで見ていたものです。

これはもちろんフィクションで、著者はまだ当時小学生で当時のことを知っていたわけがありませんが、よく1964年の世相をよく調べて書かれています。おそらくいまもっとも余裕のある団塊世代以上の人達が大喜びしそうな小説でしょう。おそらく映画化されるのではないでしょうか。

12月前半の読書 2011/12/17(土)

012 家日和 (集英社文庫)
私と同年代の作家さんで、すでに「空中ブランコ」で直木賞、「オリンピックの身代金」で吉川英治文学賞など大きな賞をすでにいくつも取っています。この短編集の作品も柴田錬三郎賞を受賞されています。私は受賞作品以外に映画にもなった「サウスバウンド」や「真夜中のマーチ」「東京物語」がお勧めです。

ほぼ同年代で1950年代生まれの荻原浩氏や盛田隆二氏より少しだけ若い作家さんですが、上記のように多くの賞を取っているのにはどういう理由があるのか不明です。扱うテーマが広く、機を見るに敏な作家さんなのかも知れません。

淡々と過ぎていく日々の生活や夫婦の姿が当たり前のようで当たり前でなく描かれているこの短編集は、奥田英朗氏の作品としては珍しい気がしますが、その中に光るエピソードやユーモアが散りばめられていてちょっとした空き時間にちょっと読むのに適しています。

私はちょうどワールドカップ期間中だったので、ハーフタイムの時間や、キックオフまでの待ち時間に読んでいましたが、このような短編集の場合は区切りやすくて便利です。ただ、実際の初出は知らないのですが、いかにも女性向け雑誌か月間文芸誌の読み切り小説っぽさが伺えます。

7月前半の読書 2010/7/16(金)

011 町長選挙 (文春文庫)
2009/03/17読了

「BOOK」データベースより
町営の診療所しかない都下の離れ小島に赴任することになった、トンデモ精神科医の伊良部。そこは住民の勢力を二分する町長選挙の真っ最中で、なんとか伊良部を自陣営に取り込もうとする住民たちの攻勢に、さすがの伊良部も圧倒されて…なんと引きこもりに!?泣く子も黙る伊良部の暴走が止まらない、絶好調シリーズ第3弾。

010 ガール (講談社文庫)
2009/02/05読了

「BOOK」データベースより
さ、いっちょ真面目に働きますか。キュートで強い、肚の据わったキャリアガールたちの働きっぷりをご覧あれ。爽快オフィス小説。

009 ララピポ (幻冬舎文庫)
2008/08/28読了

「BOOK」データベースより
みんな、しあわせなのだろうか。「考えるだけ無駄か。どの道人生は続いていくのだ。明日も、あさっても」。対人恐怖症のフリーライター、NOと言えないカラオケボックス店員、AV・風俗専門のスカウトマン、デブ専裏DVD女優のテープリライター他、格差社会をも笑い飛ばす六人の、どうにもならない日常を活写する群像長篇。下流文学の白眉。

008 空中ブランコ (文春文庫)
2008/01/24読了

「BOOK」データベースより
伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が…。この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!?直木賞受賞、絶好調の大人気シリーズ第2弾。

007 サウスバウンド 上・下 (角川文庫)
2007/09/25読了

「BOOK」データベースより
小学校6年生になった長男の僕の名前は二郎。父の名前は一郎。誰が聞いても変わってるという。父が会社員だったことはない。物心ついた頃からたいてい家にいる。父親とはそういうものだと思っていたら、小学生になって級友ができ、よその家はそうではないことを知った。父は昔、過激派とかいうのだったらしく、今でも騒動ばかり起こして、僕たち家族を困らせるのだが…。―2006年本屋大賞第2位にランキングした大傑作長編小説。

元過激派の父は、どうやら国が嫌いらしい。税金など払わない、無理して学校に行く必要なんかないとかよく言っている。そんな父の考えなのか、僕たち家族は東京の家を捨てて、南の島に移住することになってしまった。行き着いた先は沖縄の西表島。案の定、父はここでも大騒動をひき起こして…。―型破りな父に翻弄される家族を、少年の視点から描いた、新時代の大傑作ビルドゥングスロマン、完結編。


006 真夜中のマーチ (集英社文庫)
2007/01/29読了

「BOOK」データベースより
自称青年実業家のヨコケンこと横山健司は、仕込んだパーティーで三田総一郎と出会う。財閥の御曹司かと思いきや、単なる商社のダメ社員だったミタゾウとヨコケンは、わけありの現金強奪をもくろむが、謎の美女クロチェに邪魔されてしまう。それぞれの思惑を抱えて手を組んだ3人は、美術詐欺のアガリ、10億円をターゲットに完全犯罪を目指す!が…!?直木賞作家が放つ、痛快クライム・ノベルの傑作。

005 東京物語 (集英社文庫)
2006/12/25読了

「BOOK」データベースより
1978年4月。18歳の久雄は、エリック・クラプトンもトム・ウェイツも素通りする退屈な町を飛び出し、上京する。キャンディーズ解散、ジョン・レノン殺害、幻の名古屋オリンピック、ベルリンの壁崩壊…。バブル景気に向かう時代の波にもまれ、戸惑いながらも少しずつ大人になっていく久雄。80年代の東京を舞台に、誰もが通り過ぎてきた「あの頃」を鮮やかに描きだす、まぶしい青春グラフィティ。

004 ウランバーナの森 (講談社文庫)
2006/05/25読了

「BOOK」データベースより
一九七九年、軽井沢。世界を熱狂させたポップスター・ジョンは、妻と愛する息子との静かな隠遁生活を楽しんでいた―はずだった。猛烈な便秘に襲われるまでは。不安を抱え小さな医院に通うジョンが遭遇した不思議なできごと、そして奇跡。

003 イン・ザ・プール (文春文庫)
2006/03/20読了

「BOOK」データベースより
「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。

002 邪魔 (上)(下) (講談社文庫)
2004/05/18読了

「BOOK」データベースより
及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供二人と東京郊外の建売り住宅に住む。スーパーのパート歴一年。平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機に足元から揺らぎ始める。恭子の心に夫への疑惑が兆し、不信は波紋のように広がる。日常に潜む悪夢、やりきれない思いを疾走するドラマに織りこんだ傑作。

九野薫、36歳。本庁勤務を経て、現在警部補として、所轄勤務。7年前に最愛の妻を事故でなくして以来、義母を心の支えとしている。不眠。同僚・花村の素行調査を担当し、逆恨みされる。放火事件では、経理課長・及川に疑念を抱く。わずかな契機で変貌していく人間たちを絶妙の筆致で描きあげる犯罪小説の白眉。

001 最悪 (講談社文庫)
2003/05/23読了

「BOOK」データベースより
不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。銀行員のみどりは、家庭の問題やセクハラに悩んでいた。和也は、トルエンを巡ってヤクザに弱みを握られた。無縁だった三人の人生が交差した時、運命は加速度をつけて転がり始める。比類なき犯罪小説、待望の文庫化。



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