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三浦しをん MIURA SHIWON 既読書籍

008 まほろ駅前狂騒曲 007 まほろ駅前番外地
006 天国旅行 005 きみはポラリス
004 木暮荘物語 003 舟を編む
002 神去なあなあ日常  001 風が強く吹いている 


1976年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2000年4月に自らの就職活動の経験をもとに3か月かけて書きあげた処女小説『格闘する者に○』(草思社)を出版。2005年には『私が語りはじめた彼は』で山本周五郎賞候補、同年7月には『むかしのはなし』で直木賞候補となった。2006年8月に『まほろ駅前多田便利軒』で同年上半期の直木賞を受賞。2012年、『舟を編む』が本屋大賞に選ばれる。


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008 まほろ駅前狂騒曲 (文春文庫)

まほろ駅前多田便利軒」(2006年単行本/2009年文庫)、「まほろ駅前番外地」(2009年単行本/2012年文庫)のシリーズ第3弾がこの「まほろ駅前狂騒曲」(2013年単行本/2017年文庫)です。

2019年2月前半の読書と感想、書評(まほろ駅前番外地)

瑛太と松田龍平コンビのテレビドラマや映画でもおなじみです。前に映画を見たので、小説を読んでいても、主人公が瑛太と松田龍平のイメージが強烈すぎて、なかなか小説の主人公に集中ができなくなりました。

こうしたイケメン男優二人を主人公とした物語には映画やドラマがよく似合い、古くは「俺たちの勲章」や、最近では「あぶない刑事」など数多くのドラマや映画が作られています。

主人公は子供を亡くし離婚したあと実家のある東京都の町田市をモデルにした街で、ひとりで便利屋を始めますが、そこに高校の同級生だった男が転がりこんできて、男二人の生活となります。

その同級生(松田龍平)は、子供の頃に親から受けた精神的な虐待でトラウマをもっていて、かなり変人というところがミソです。だんだんと父親の松田優作の演技と似てきています。

今回の作品で一応シリーズは終了とのことですが、おそらく何年か後にはまた出てくるか、あるいはスピンオフものが作られそうな気がします。

ストーリーは、まほろ市で無農薬野菜をうたった健康食品を販売する謎の団体が勢力を拡大してきて、それに危機感を感じる街の裏の顔役や、助けを求められた便利屋が、活躍するというもので、内容的にはつまらない話しです。

貧乏で、幼子を亡くしたトラウマを抱えていた主人公に、ようやく春が訪れたというのがこの回で一番救われます。

★☆☆

5月前半の読書と感想、書評 2020/5/16(土)

007 まほろ駅前番外地 (文春文庫)
シリーズ第1弾「まほろ駅前多田便利軒」(2006年)と、すでに発刊されている第3弾「まほろ駅前狂騒曲(2013年)のあいだの2009年に単行本、2012年に文庫化されたシリーズ第2弾の短編集です。

ただしこの短編では、本編のスピンアウト作品という位置づけで、それぞれの話しで主人公が代わり、例の便利軒の二人は脇役へ回っています。

収録されているのは「光る石」「星良一の優雅な日常」「思い出の銀幕」「岡夫人は観察する」「由良公は運が悪い」「逃げる男」「なごりの月」の七篇です。

第1作目の「まほろ駅前多田便利軒」は映画が製作されましたが、この第2弾は、瑛太と松田龍平など主要な出演者は同じでテレビドラマ化されています。

話しは、便利屋稼業の日常が描かれているわけですが、テンポもよく比較的短くて読みやすく、内容も軽めのものが多いので、ちょっとした暇つぶしの時などに持っていると良さそうです。

主人公は高校の同級生同士で、便利屋に居候している主人公の内のひとりに、昔、家庭内で起きた問題が、少しだけ明らかになっていきます。

すでに三作目が出ていますので、それですべて明らかになっていくのかどうかわかりませんが、なかなか焦らせながら次回へ続くみたいな手法はうまいなと思いました。

★★☆

2月前半の読書と感想、書評 2019/2/16(土)

006 天国旅行 (新潮文庫)
2010年に単行本、 2013年に文庫化された短編集小説です。収録作品は「森の奥」「遺言」「初盆の客」「君は夜」「炎」「星くずドライブ」「SINK」の7編です。

タイトルにあるように、収録された短編はすべて人の死に関連したストーリーとなっています。人生でもっとも大きな出来事と言えばやっぱり死ですから、小説には欠かせないテーマです。

事業に失敗して自殺を図ろうと青木ヶ原樹海へ踏み入れた中年男性が、その森の中でサバイバルに慣れている元自衛隊員の男性と出会う「森の奥」、亡くなった祖母に知られざる過去があったことを初めて知る孫の女性が主人公の「初盆の客」、子供の頃から死者の霊が見えて会話もできる特殊能力をもった男性が恋人の死で、その霊とともに生活する息苦しさを感じていく「星くずドライブ」、一家心中で唯一生き残ってしまった男性の心の闇を描いた「SINK」など。

それなりに楽しめますが、やっぱり短編はその道の達人以外の作品では話しが中途半端になりがちで、いまいち好きにはなれません。病院での待合とか、電車の中とか、気が散る場所で、細切れになる時間でちょっと読むのには適しています。

★★☆

11月後半の読書と感想、書評 2017/11/29(水)

005 きみはポラリス (新潮文庫)
2007年に単行本、2011年に文庫化された短編小説集です。まったく事前の情報なく読みましたが、どうも片想い、純愛、裏切り、禁断の愛、同性愛、偏愛など様々な愛の形を短編にまとめたものでした。

著者の作品では「まほろ駅前多田便利軒」「神去なあなあ日常」「風が強く吹いている」「舟を編む」などいくつか読んでいて、あまり外れのない、面白い作品が多いので、特に考えず手に取りました。

あとタイトルの「ポラリス」っていう響きがなんとなく好きで、意味はこぐま座にあるいわゆる北極星ということですが、不動の愛とその周辺を回る様々な人間模様ということを表しているのかなとちょっと感じた次第。

その短編作品は「永遠に完成しない二通の手紙」「裏切らないこと」「私たちがしたこと」「夜にあふれるもの」「骨片」「ペーパークラフト」「森を歩く」「優雅な生活」「春太の毎日」「冬の一等星」「永遠につづく手紙の最後の一文」の11編からなっています。

ま、個人的な感想で言えば、この作家さんは短編よりも前述の中・長編小説のほうがいい感じです。雑誌などの依頼でこうした一話完結スタイルの短編を求められることが多いのでしょうけど、長編がうまい人の作品は、やはり長編をちゃんと選んで読むべきだったかも。

6月後半の読書と感想、書評 2015/7/1(水)

004 木暮荘物語 (祥伝社文庫)
2014年10月に文庫版が発刊(単行本は2010年発刊)されたばかりの連作短編小説です。小田急線世田谷代田駅から徒歩で数分にある(架空の)オンボロアパート木暮荘を舞台として、そこの大家さんや住人、通りすがりの人に起きる様々な風景が描かれています。

著者の書いた小説で最初に読んだのが「風が強く吹いている」でしたが、こちらも大学の陸上部の住人が住む世田谷のおんぼろ下宿が舞台で、共通性を感じるというか著者自身この街に強い愛着があるのでしょう。

短編のそれぞれタイトルは、「シンプリーヘブン」「心身」「柱の実り」「黒い飲み物」「穴」「ピース」「嘘の味」で、シンプリーヘブンはアパートの住人の若い女性がフラリと外国に旅に出掛けて3年ぶりに戻ってきた元彼と、現在付き合っている今彼との奇妙な三角関係で悩むストーリーなど、おかしくもあり、奇妙な人間関係が展開されます。

しかし、主人公が男性の場合でも、やっぱり女性視点だなぁって強く感じます。女性の登場人物はステレオタイプと言っちゃなんですが、いずれも気だてもよく可愛く性はおおらかで、男性は風俗嬢を部屋に呼ぼうとする老人でも、天井の穴から女子大生の生活を覗く独身男でも、それなりに周囲の女性からは拒絶反応がなく、嫌われず、ありえねぇって感じ。

どうもこうした甘ったるくて都合のいい人間関係が主役の小説が最近多くて、中年域を完全に超えて、まもなく高齢域に入らんとする私には、ちょっとキツイかなぁって感じです。

著者の作品では前述の「風が強く吹いている」や「神去なあなあ日常」、「舟を編む」など、ひとつのことに打ち込む男性を主人公にした小説はたいへん面白く書かれていると思うのですが、なぜか女性を主人公にすると、変にわざとらしく作ってしまうのか、ベタになってしまっている感じがして、そうも好きになれません。これから読む前にそこのところ選ばなくては。

11月前半の読書と感想、書評 2014/11/19(水)

003 舟を編む (光文社文庫)
2012年の本屋大賞で第一位に輝いた三浦しをん著「舟を編む」は、松田龍平、宮アあおい主演で映画化もされ、今年の4月に公開されていました。本を読む限り盛り上がりもなく淡々としたストーリーですが、映画の成績はどうだったのでしょうかね?

松田龍平と言えば同じ著者原作の映画やTVドラマ「まほろ駅前多田便利軒」でも準主役を演じていますので、三浦しをん作品とは切っても切れない関係にあるのでしょうか。

著者の作品は、過去に箱根駅伝を描いた「風が強く吹いている」、三重県の山奥で営林業で働く若者を描いた「神去なあなあ日常」を読みましたが、いずれの作品も面白くて読み応えがあります。真面目に働く現代若者群像を描かせると「西の有川浩」(出身地が高知県)に「東の三浦しをん」って感じかな。

ストーリーを簡単に言えば、「老舗出版社が新しく辞典を出すにあたり、人選をしたところ、営業部でくすぶっていた入社3年目の大学院卒の変わり者を発見し、その彼が様々な難関(社会人にとっては当たり前のことで難関とはとても言い難い程度ものだが)をくぐり抜け、成長していく姿を描いたもの」で、その主人公が学生時代から住み続ける老朽化したアパートに、年老いた大家の孫が帰ってきたことで、新しく出会いが生まれ恋愛が始まったりもします。

物語は特に大きな波乱もなく淡々と進んでいき、長い月日を経てやがて辞書が完成するまでの行程が描かれているに過ぎません。そう言うことに興味がない人は薄味過ぎて退屈するかも知れません。

いっそ小説としては今回は脇役で、主人公と結婚することになる板前修行中の香具矢が、男の世界で一流の板前にのし上がっていく話しをもっと膨らませ、女性版「前略おふくろ様」っぽく書いたほうがずっと面白そうに思ったりします。

辞典がもうひとつの主役ですから、日本語についてのもうんちくも数々出てきますが、これって映画となり日本国外で上映された際、どういう見せ方をするのか不思議です。外国人に日本語の言葉の深い意味や語源、使われ方なんてわかるわけもないので。その辺りはうまく作られているのでしょうね。

巻末にはこの本を書く上で岩波書店(広辞苑)と小学館(大辞泉)の辞書制作担当へ取材したことが明記されていましたが、面白いのは映画化にあたっては、三省堂(大辞林)が制作協力し、制作者の中にはこの原作本の発行元光文社が入っています。

その他の国語辞典を発行している大手出版社(例えば角川書店、新潮社、旺文社など)は、原作にも映画にも加われず、悔しい思いをしているでしょうね。

この小説ではテーマには上がっていませんでしたが、私の世代では普通に国語、漢和、英和、和英、現代用語、百科事典などが各家庭にありましたが、これだけ電子化が進んでくるとなかなか家それぞれで各書を購入すると言うことはないでしょう。

救いはまだ学校では辞書を使った学習を教えていますが、IT教育が進むとやがてはそれもなくなってしまいそうな気がします。こうした辞典や辞書は、やがて紙の書籍から、デジタル化されたデータでしかなくなってしまうのでしょうかね。

12月前半の読書と感想、書評 2013/12/18(水)

002 神去なあなあ日常 (徳間文庫)
2009年の作品で、以前から「この作品はとても面白い」と噂は聞いていたのですが、文庫が昨年に発刊されましたのでようやく読むことができました。

著者の作品は以前「風が強く吹いている」(2006年作品)を最初に読み、直木賞受賞作「まほろ駅前多田便利軒」(2006年作品)はまだ読んでいませんが、原作の映画のDVDを先に見ることになりました。

この「神去なあなあ日常」は今後シリーズ化されそうな青春物語で、横浜の高校を卒業し特にやりたいことが見つからず、このままフリーターでもするかと思っていた次男坊の少年が、将来を心配する両親と担任の高校教師にうまくやりこめられ、人手不足の三重県の山奥にある神去村へ送り込まれます。

ま、普通なら「ならばちょっと行ってみようか」とも思わないでしょうが、なかなか骨のある主人公です。

いわゆるお仕事体験小説ですが、そこは直木賞作家、古くから伝わる山で働く者の伝承や、目に浮かびそうな高齢化した集落の姿など、古いものと新しいものをうまく結びつけながら描いています。

そして林業にまったくの素人だった主人公が、一から営林作業を教わり、そのチームの一員となって人間として成長していく過程を笑いながら読む進めていくことになります。

ちょっと設定もストーリーもあまりにもベタ過ぎだなぁ、、、って思わなくもないですが、そこはそれ、いずれはきっと人気アイドルを主役に使ったテレビドラマか映画になって取り上げられると、ガラッと雰囲気が変わるのかもしれません。たぶん見ないけど。

わかりやすいストーリーをそれなりに面白く書く作家さんというのはよくわかりましたが、きっと読んでもらいたい対象が若い層なんだろうなという印象です。

読書離れが進む若い人向けの作品も大事でしょうけど、50過ぎたおっさんが読んでも、それなりに読み応えのある物語もぜひお願いしたいものです。そんなのは浅田次郎や司馬遼太郎読んどけや!って言われそうかな。

1月前半の読書とDVD 2013/1/19(土)

001 風が強く吹いている (新潮文庫)
この歳になってくると、スポコン青春ドラマは敬遠しがちになってくるので、自ら進んでは読まないであろう、この本は2007年の本屋大賞で3位になった作品ということで買ってみました。

著者の三浦しをん氏は2006年に「まほろ駅前多田便利軒」で、20代の若さながら直木賞を受賞したすごい方ですが、私が同氏の本を読むのはこれが初めてです。

内容は東京にある私立大学に通う学生達が入居しているオンボロアパートの住人達10名が、主人公のリーダーに引っ張られ、数々の試練を乗り越え陸上競技の名門校と伍して闘い、箱根駅伝の出場キップを手に入れ、220km先のゴールを目指す10カ月間が描かれています。

一般的に陸上競技とは縁がなく、西日本以西で生まれ、その地で育った人にとって箱根駅伝というのは単なる「学生の地方大会」ということで、どうしてそれを昼間からテレビがゆっくり見られる大事なお正月に、朝から昼過ぎまでずっとテレビ生中継されているのか不思議に思うことがあります。

ただこの箱根駅伝、歴史はすごいものがあって、大正9年(1920年)に早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学などが参加して開催したのが最初で、途中太平洋戦争時に何度か中止になったことががありましたが、今年(2011年)は第87回というものです。東京六大学野球ですら1925年の開始ですからそれよりも前ということです。

その箱根駅伝のうんちくなどもわかりやすく書かれていて、これを読むと箱根駅伝に興味のなかった人も、「どれ、次は見てみようか」と思うようになります。

私事で申し訳ないのですが、私は短距離走ならクラスでもトップクラスにいる自信があったのですが(短距離リレーなどはいつも選抜メンバー)、長距離走はてんで自信がなく、中・高・大で長距離走があるといつも平均か平均のちょっと下あたりをウロウロしていました。

そういうこともあり、長距離走にはほとんど関心がない私ですが、それでも読み始めると感情移入してしまい、最後はドキドキウルルものです。映画化もされているそうで、機会があったら今度DVDを借りてこようかと思っています。

11月前半の読書 2011/11/23(水)



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