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マイケル・サンデル Michael Joseph Sandel 既読書籍

002 それをお金で買いますか 市場主義の限界 001 ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上)(下)
読書感想は2010年頃以降から書くようになりました。それ以前に読んだ本の感想はありません。


1953年アメリカ生まれの哲学者、政治哲学者、倫理学者。ハーバード大学教授。コミュニタリアニズム(共同体主義)の代表的論者であり、その論述の特徴は共通善を強調する点にある。また共和主義者を名乗ることも増えている。テレビ番組「ハーバード白熱教室」で知られている。主な著書に「自由主義と正義の限界」「これからの「正義」の話をしよう: いまを生き延びるための哲学」など。(Wikipediaより引用 2025年)


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002
それをお金で買いますか 市場主義の限界(早川書房)


それをお金で買いますか
2010年に出版された『これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学』が大ヒットし一躍世界的に有名な哲学者となった著者が2012年に出版した続編的な哲学本です。

原題は「What Money Can't Buy: The Moral Limits of Markets」で直訳すれば「お金で買えないもの:市場の道徳的限界」となります。日本語タイトルはややあおり気味ですが売れそうなうまいやりかたです。

過去に「ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業」(2010年早川書房)を読みましたが、理解はできるが、結局どうすりゃいいの?と、私なんかは古い日本人の典型で、すぐにハッキリした回答を求めてしまいますが、そうした明確な方向や判断は示されず、「自分で考えなさい」という話なのでモヤモヤが残ったまま早々に頭の中から消し去るようになってしまいます。

現代の市場経済で、「それは道徳的にどうなの?」「法律違反ではないけど汚らわしい」というような問題点をいくつも例に出して、賛否双方の言い分を解説してくれます。

日本でも遊園地の人気アトラクションやいつも行列が絶えない人気レストランで優先的に案内されるファストパスが堂々と高額で売られています。また注目裁判の傍聴券を得るために金で雇われて並ぶのはOKで、人気コンサートのチケットを転売目的で購入して欲しい人に高額で転売する(ダフ行為)のはダメというのはどうして?すべてお金で目的を達することに変わりはないはずです。

余命数ヶ月という重病人の生命保険(死亡保険)を買い取り、生きている間に現金を手に入れられるようにする生命保険の売買(米国では普通にある)では、生命保険を購入した投資家は人の死が自分の大きな利益になるというのは是か非か?

薬物中毒やアルコール中毒の女性が出産すると高い確率で障害をもった赤ちゃんが生まれて大きな社会負担につながることから、そうした女性にかなりの一時金が支払われる代わりに避妊手術を受けるというサービスは是か非か?

などなど、面白い実例がいっぱい出てきます。

確かに市場経済で考えさせられる様々な問題提起ですが、それぞれに考え方がみな立場や人種、宗教観、年齢、所得水準などで違ってくることが多く、「これ!」という回答はなさそうです。

それにしてもこうした道徳問題を得意とする著者に、道徳などゴミくず同然の著者の国のトップ(大統領)に対してどういう感想を持っているのか聞きたいものです。

★★☆

4月後半の読書と感想、書評 2025/5/3(土)

001
ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業〔下〕(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

なぜか下巻から読みましたが、ストーリーがあるわけではないので問題はありません。難解な哲学をこれほどまで身近な興味のある問題へと変換し、うまく講義をおこなった人は過去にいなかったでしょう。

大衆迎合の権現でもあるNHKで放送され、視聴者の多くが感銘を受けるのですから、決してハーバード大学に入学できる特定のエリートだけのものでないことは確かです。

哲学のベースを作ったと言われるアリストテレスやカントの考え方と、それが現在の社会や政治にどのように生きているのか、生きていく上での正義とは?善とは?家族とは?を深く考えさせられる内容となっています。

1回テレビで見たからもういいやと最初は思いましたが、こうして文章で読むと、わかりにくかったところを何度も読み返したり、前の講義へ戻って、復習してみたり、教授の質問に自分ならどう答えるか時間をたっぷりかけて考えたりできますので、サッと通り過ぎてしまうテレビとは違って、やはり本はいいです。

あるテーマや過去の判例を元に教授がわざと生徒を挑発するような考え方を披露し、それに対し間髪置かず生徒が反論したり、視点を変えていったりと、論理的に進めていく授業のスタイルは有名ですが、こうやってアメリカの大学ではディベートの技術が磨かれていくのだなぁというのが、いまさらながら読んで実感できます。でも実際に反応できているのは何百名の中の十数名だけなんでしょうけどね。

最後の数ページには昨年来日したときの東京大学での特別講義の模様が収録されています。それを読むとディベート慣れしている米国学生と、教授の話をひたすら聞くことが一般的な授業のスタイルの日本の学生とでは、そのやりとりに明らかな差を感じます。

あとハーバードの学生の発言には道徳や正義に宗教感が色濃く影響していますが、当然のことながら日本の学生にはまったくそれはありません。

これが実際に切った貼ったのビジネスの場において、欧米(カトリック)、中東・アラブ(イスラム)、東アジア(無宗教かその他の宗教)で、価値観や商道徳、さらには国家観にまで渡りなかなか理解しあえないところなのかなぁと思ったりします。

3月前半の読書 2011/3/18(金)



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