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河合雅司 KAWAI MASASHI 既読書籍

003 未来を見る力 人口減少に負けない思考法
002 未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること 001 未来の年表 人口減少日本でこれから起きること
読書感想は2010年頃以降から書くようになりました。それ以前に読んだ本の感想はありません。


1963年愛知県生まれ。ジャーナリスト。中央大学を卒業後、産経新聞社入社。同社で政治部、論説委員をつとめる。政治部記者歴が長く、人口政策や社会保障政策を専門としており、内閣官房有識者会議、厚生労働省検討会、農林水産省第三者委員会の各委員、日本医師会「赤ひげ大賞」の選考委員を務める。大正大学客員教授。(Wikipediaより引用 2023年)


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003 未来を見る力 人口減少に負けない思考法(PHP新書)

著者は「未来の年表」がベストセラーになり、その後「未来」を銘打ったシリーズ新書が柳の下のドジョウというか雨後の竹の子というか、次々と矢継ぎ早に出版しているジャーナリストです。

本著はその未来シリーズ5作目となる作品で2020年に出版されています。

こうした出生率や生産人口などのデータを元にした新書は、藻谷浩介著「デフレの正体 経済は「人口の波」で動く」など、数多くありますが、こうした話しはほとんどの日本人にとって「不都合な真実」であり、記憶に残したくない、議論のテーマにもしたくない一過性の話題にしかなりません。

というのも、政治家でも重鎮と言われる人達は概ね60歳以上で、さらにそうした政治家を選ぶ最大勢力の団塊世代が75歳以上ということもあり、せいぜいあと20年が無事に過ごせれば良いので、その先の未来がどうなろうと関係なく、考えたくもないというのが実態だからでしょう。

ちなみに現在の衆議院議員の平均年齢は55.5歳、昨年の参議院選挙の当選者の平均年齢は56.6歳ということです。いずれにしても30年後にはほとんどいなくなる人ばかりです。そう言う人達に50年後、100年後を考えた政治ができるとも思えません。

それはさておき、本著はコロナ禍が始まったあとに書かれたもので、そうした未曾有の厄災をきっかけに日本の社会構造や働き方などを変化させるアイデアなども書かれています。

ただ日本人というのは外圧によって変化する(させられる)のは得意ですが、厄災ごときで変化できるか?ってことは懸念するところです。

仕事や市場、老後、地域などの未来について、おおまかな想像図を示してくれていて、それに対してどうすれば良いかというヒントを与えてくれます。

しかし先に書いたように、こうした悩ましい不都合な真実の問題が、グルグルと頭の中に留まっているのがせいぜい1ヶ月ぐらいというのが残念なところです。

★★☆

2月後半の読書と感想、書評 2023/3/1(水)

002 未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書)

以前読んだ「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」(2017年)の続編で、2018年に発刊されています。

その前作がベストセラー(著者の弁)になりましたので、二匹目のドジョウです。って書いていたら、著者が丁寧にも本書の最初と最後に「これは二匹目のドジョウ本ではない」と書かれていました。

でもやっぱり良い意味を込めてこれは立派な二匹目のドジョウ以外のなにものでもありません。

というのも、様々な機関が発行する統計データや推定を元にし、未来の国の形はこう変わっていくというテーマ自体は変わりありません。

要はデータや推計を見て、どこまで創造力を発揮できるか?というのがポイントで、創造力に欠ける人はこの本を読んで、理解してくださいってことです。

したがって、これは預言書でもなければ、お金を取って代わりに考えてあげるコンサルでもなく、各種のデータが示す「こうなるから、その影響はこれに出る」という事実をわかりやすくまとめてあるものです。

この本では多くは触れられていませんが、それ以外にも、クルマが猛烈なスピードで内燃機関からEV化されていくことや、寿命が近くなった団塊世代が大量死する時代に起きること、お隣の中国や韓国が日本経済に大きな影響力を持つことで起きる出来事など、この未来予測の話しを始めると尽きることがありません。

ただ著者が何度も主張している「定年後も働ける限り働く」というのは、「定年でとっとと仕事から引退」した、以前読んだ勢古浩爾著「定年後のリアル」の勝ちかなと思ったりしています。

著者がまだ一度も経験していないし、おそらく今後も経験することがない定年後にどうすべきかという予測より、決して裕福とは言えないまま定年を迎え、スパッと不安を断ち切って仕事から引退した生の声のほうが説得力があります。定年後、仕事なんか無理して続けなくてもなんとかなりますよ、要は考え方、気持ちの持ち方ですよと。

よくあるケースとして、有名大学を卒業し、大手有名企業へ新卒で入社し、その後、その有名大学卒と大手企業出身というのを武器として独立した人が、「学生は大手企業ばかり志向していないで、中小企業やベンチャー企業を狙え」とか臆面もなく言っているのと同じです。

★★☆

4月前半の読書と感想、書評 2019/4/17(水)

001 未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

著者は産経新聞社の元論説委員で、同新聞に「少子高齢化」について毎月連載を書いていました。その流れから、今後日本で起きることを様々な統計データを元にして年代順に書かれたものが2017年刊のこの新書です。

年の初めの早々に、超高齢化と少子化による労働人口の急速な減少が続く日本の未来という、破壊的、悲観本を読み、その感想を書くのはつらいものがあります。

私は今まで自分の性格を悲観的だと思っていますが、この著者も著書を売らんかなのためかどうかわかりませんが、とにかく危機を煽り、悲壮感を漂わせ、読んでいると暗澹とした気持ちになります。

ま、それが例え避けようがない事実であっても、そういう国にしてきた著者や私を含む多くの日本人がそれを選択してきたわけなので、甘んじて受けましょうと明るくなぜ言えないのかな?

百数十年後に、世界地図から日本が消えていようと、それは致し方ないではないですか。過去にも消えた国はオスマン帝国や清国、満州国、ムスタン王国などいくらでもあります。

それがもし戦争以外で成し遂げられたとしたら、それはかつての日本の平和憲法のおかげだったということかも知れません。

ま、それはさておき、とにかく年代が増えて行くにつれ、著者の想像というか様々な統計データは膨れ上がっていきますので、50年後の日本の姿はもう怖くて見ていられなくなります。

この本を読んでいると、そこまで日本人は底抜けにアホなのか?と思ってしまいますが、農耕民族的で変化を嫌い、お上には逆らってはいけないという日本人のDNAは、外圧によってのみ大きな変革を遂げられるという慣行からすれば、今回の移民の大量受け入れによって初めて変革を成し遂げることが可能という事かも知れません。

ちなみに、ベストセラーとなった本書に続き、柳のドジョウ的に続編の「未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書)」がすでに発刊されています。

★★☆

1月前半の読書と感想、書評 2019/1/16(水)



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