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神林長平 KAMBAYASHI CHOHEI 既読書籍
004 | 003 | アンブロークンアロー戦闘妖精・雪風 | |
002 | グッドラック戦闘妖精・雪風 | 001 | 戦闘妖精・雪風改 |
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1953年新潟県生まれ。「狐と踊れ」が第5回ハヤカワ・SFコンテストに佳作入選しデビュー。1983年「言葉使い師」で星雲賞日本短編部門受賞。1984年『敵は海賊・海賊版』で、1985年『戦闘妖精・雪風』で、1987年『プリズム』で、1998年『敵は海賊・A級の敵』で、2000年『グッドラック 戦闘妖精・雪風』で、それぞれ星雲賞日本長編部門を受賞。1995年『言壺』で日本SF大賞を受賞。2001年日本SF作家クラブ会長(11代目)就任(現在は退任)。(Wikipediaより引用 2022年) |
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003 | アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風 | |
シリーズ1作目の「戦闘妖精・雪風」(1984年)、2作目の「グッドラック―戦闘妖精・雪風」(1999年)に続く3作目の作品で2009年に初出、2011年に文庫版が出ています。 前の作品を読まずにいきなりこの作品を読むと、きっとなんのこっちゃわからないということになりますから、面倒でも最初の作品から読みましょう。最初から読んでいても、前作からしばらくあいだが空くと、なんのこっちゃって考えたりするぐらいですから。あ、それは単なる物忘れが激しくなってきているせいかも。 さて本編も前作同様「ジャムになった男」、「雪風帰還せず」、「さまよえる特殊戦」、「雪風が飛ぶ空」、「アンブロークンアロー」、「放たれた矢」の連作短編で構成されています。 2作目の終盤からいわゆる地球防衛軍(FAF)と異星生命体ジャムとの闘いが本格的になってきます。そしてちょっと展開が複雑で哲学的になってきたというか、実体を持たない異星体との心理戦で、主に人間側の感情や心理面に関する話しが多くなり、なにが正しいのか、なにが本物なのかということが、歳を取って柔軟性に欠ける頭では追いつかず、苦労します。 起承転結があってスッキリと終わるというものではありませんので、それだけは覚悟が必要かも。 1作目が初出してから30年が過ぎていますが、まだ完結には遠い感じで、今後も続編が出てくるのは間違いなさそうです。著者も62歳ということで、作家としては脂がのって、これからとも言えますし、まだまだ頑張ってもらいたいものです。 ★☆☆ 11月前半の読書と感想、書評 2015/11/18(水) |
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002 | グッドラック 戦闘妖精・雪風 | 戦闘妖精・雪風(改)の続編にあたる作品で1999年に単行本、2001年に文庫本が刊行されています。あと、まだ未読ですが、その後の作品として2009年に「アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風 」(文庫は2011年)があります。 前作と同様、SFマガジンに掲載された短編をまとめたもので、物語の背景は基本的に前作と変わりがなく、それはすでに書きましたので省略します。 前作の最後で愛機のスーパーシルフ雪風が異星体ジャムに撃墜され、その直前に雪風から脱出した主人公は重傷を負い植物人間状態で救出されますが、その後復活し、やがて新しい最新型の無人偵察機と交流を始め、再び偵察活動とジャムとの戦いに臨むことになります。 収められている各短編のタイトルは下記の通りです。 00 FAF特殊戦から来た手紙 01 ショック・ウエーヴ 02 戦士の休暇 03 戦闘復帰 04 戦闘意識 05 戦略偵察・第一段階 06 戦略偵察・第二段階 07 戦意再考 08 グッドラック 前作で出てきた最初の雪風が撃墜される直前に新型の偵察機に人工知能データのすべてを送ったため、新しい雪風は主人公が育て上げてきたノウハウや知識のすべてを受け継いでいるという設定です。 この小説では未来の戦争においてひ弱な人体は不必要なものとされ、日々膨大な量の最新情報を得て処理される中央コンピュータとネットワークで結ばれている人工知能により制御された戦闘マシンが最前線に投入されるという構図です。 確かに重力や加速度、衝撃に対し極めて弱く、間違いを犯しやすい人間が乗って操縦するよりも、人は乗らずに機械の限界性能をフルに使って行動する方が兵器としてはずっと合理的です。現実の社会でも無人偵察機や無人車両の実戦配備が進められていますが、未来の戦争の姿は確実にそうなっていくのかも知れません。 そう考えると未来にはヤマトやガンダムのような人が乗って戦う兵器というのは、過去の兵器の形式を引きずったままの姿で、よく考えると旧式っぽくてあり得なさそうです。 もうひとつどうしても疑問に思えるのが、他の多くのSFでもそうなのですが、地球までやってきて攻め入るだけの高度な知性と技術力を持った異星人の戦闘機や母艦が、人間や人間が作った戦闘機と対等のレベルにしかないのか。普通に考えればはるかに進んだ戦略兵器やシステムをもっているはずで、とうていかなうはずがないというのが実際でしょう。言ってみれば槍や剣で武装した18世紀の軍隊と、21世紀の軍隊が戦うようなものでハナから勝負になりません。 それにもし人間がはるか宇宙に飛び出して資源開発や食料生産のため他の星に植民地を拡げようと考えたとき、その活動はやはり寿命の短い生物が担うのではなく、メンテさえすれば何百年間でも稼働する人工知能をもった機械に任されることになるのでしょう。 もし地球制服をたくらむ知性体があったとして、それはこの小説で書かれているように、目に見える戦闘機や兵器類はあってもそれを操る異星人など生物の実体はどこにもなく、どこかにコントロールしている人工知能体だけが存在しているということになり、他のSF小説の多くにあるような異星人がいきなり人間の前にやってくることはなさそうです。 そうした未来の戦争の姿と、そうした中においての人間の存在価値を、創造力豊かに描いたのがこのシリーズかなと思います。 3月後半の読書と感想、書評 2014/4/2(水) |
001 | 戦闘妖精・雪風(改) | この小説は今から35年も前の1979年に「SFマガジン」に掲載され、その後1983年まで連載された連作短編小説で、1984年に文庫本として発刊されました。その後1999年に続編の「グッドラック―戦闘妖精・雪風」が単行本として発刊されるときにあらためて「戦闘妖精・雪風〈改〉」として多少修正が加えられ再文庫化されたものです。 まだ詳細は不明ですが、これを原作とした実写版の映画「YUKIKAZE」がハリウッドで製作されているそうで、主演はトム・クルーズという話しが1年前にありました。 原作(この本)では主人公は偵察機雪風のパイロットで日本人の深井零(ふかいれい)中尉ですが、ハリウッドへ行くとそのあたりは地球を救うのはいつもアメリカ人というお約束のパターンに変えられてしまうのでしょうかね。 主人公の愛機が最新鋭の「スーパー・シルフ」という戦術戦闘電子偵察機で、この3番機の愛称が「雪風」です。その愛称を付けたのは主人公の友人で、日本通のイギリス人上官。もちろん名称の由来は圧倒的不利な状況の太平洋戦争で激しい戦闘に16回出撃して16度ともほとんど無傷で帰ってきた奇跡と言える日本海軍の駆逐艦名からです。 ストーリーの背景をすごく大雑把に言えば、謎の異性体ジャムが地球に襲来し、地球側も国を越えて共同で防衛軍を組織し、押し返しているという状況。その反撃する防衛軍の組織にブーメラン戦隊と呼ばれる最新の戦闘機でありながら敵の情報を得るだけで、例え目の前で仲間が敵機にやられていても援護ぜず帰ってくるという冷酷無比な特殊偵察部隊にいるのが主人公です。ブーメランのように必ず帰ってくるというのが激しい戦闘に参加しても必ず帰還した駆逐艦雪風になぞられています。 本書が出た1979年頃と言えば、まだパソコンはマニア以外には普及していない時代ですが、小説ではやがて来るであろう「コンピューター(人工知能)対人間」という未来の世界をうまく描いています。それは人間がコンピューターを扱っていると思っていたら、コンピュータは人間の知識を超えてさらに進化していき、やがてコンピュータが「人間は間違うものだ」ということを学び、勝手なことをしてしまうという、「2001年宇宙の旅」(アーサー・C・クラーク著)や、最近読んだ中では「アイの物語」(山本弘著)などでも書かれていたことと似ています。 確かに人間の寿命なんて長くてもせいぜい100年程度しかありませんが、人工知能を育てていけば、1000年でも1万年でも連続した活動ができ、しかも知識の蓄積と移行が簡単にできますので、時間や環境など生命維持という制限がある人間にはできない作業は今後機械((コンピュータ)に任せるという可能性が高くなるでしょう。 そう考えると未来の戦争は、人間同士の争いではなく、コンピュータで制御された機械同士が戦うという時代がやってくるのかも知れません。そしてそこのところにSF的要素として、現代に生きる人間がもっとも興味のあるところでしょう。 この最初の連作短編では、 00 FAF・特殊戦隊 01 妖精の舞う空 02 騎士の価値を問うな 03 不可知戦域 04 インディアン・サマー 05 フェアリイ・冬 06 全系統異常なし 07 戦闘妖精 08 スーパーフェニックス の9編と雪風の概説からなります。 3月後半の読書と感想、書評 2014/4/2(水) |
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