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ジャック・フィニイ JACK FINNEY 既読書籍

002 ふりだしに戻る(上)(下) 001 ゲイルズバーグの春を愛す




1911年〜1995年、アメリカ合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキー生まれ。1947年ミステリ専門誌『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』の短編コンテストで、短編「未亡人ポーチ」(The Widow's Walk (Weak Spot))によって特賞を受賞し作家デビュー。処女長編『五人対賭博場』は1954年に出版され、翌年には映画化された。長編『盗まれた街』(1955年)は1956年の映画『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』の原作とされ、その後何度かリメイクされた。代表作は『盗まれた街』と『ふりだしに戻る』で、前者は1956年の映画『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』とその後のリメイク作品の原作である。1987年世界幻想文学会議で世界幻想文学大賞生涯功労賞を受賞した。(Wikipediaより引用 2022年)
002 ふりだしに戻る(上)(下) (角川文庫)
Time and Again

昭和48年というから1973年に日本で単行本が発刊され、平成3年、1991年に文庫化された長編小説です。原題は「TIME AND AGAIN」で、直訳すると「何回も」で、翻訳本のタイトルは意訳でしょう。

著者の小説は、2015年に、短編集「ゲイルズバーグの春を愛す」(1960年)を読んでいます。

今回の長編小説は、SFともファンタジーともミステリーとも言える、いろんな要素を含んだ歴史タイムスリップ小説です。タイトルをみた時は、なにかコミカルな小説かな?と想像していましたが、そうではありませんでした。

つい先月、「100年前の日本とは? 2021/3/10(水)」というのを書きましたが、この小説では、ほぼ100年前のニューヨークへタイムスリップします。

よくあるタイムトラベル小説と違い、そのタイムスリップが主要な話しではなく、ニューヨークという街が、100年前からどのように変わってきたのか?という街の変遷や、実際に当時起きた事件や出来事を現在と結びつけていたりすることが特徴的です。

ニューヨークの街がどう変わった、現在ある建物が建築当時どうだったか?なんて多くの日本人にはわからないし興味もわかないでしょうけど、そこは当時の写真やイラストレーターの主人公が描く絵で誰でもその変化がわかるようにできています。

例えばジョン・レノンが住んでいてその前で殺された「ダコタ・ハウス」は1884年築の高級マンションで、主人公はその現在の「ダコタ・ハウス」から、建築されて間もない、周囲にはほとんどなにもない「ダコタ・ハウス」へ時空を超えてたどり着きます。

この小説が書かれた1970年にはまだジョン・レノン殺害前で、現在ほどは有名ではありませんが、歴史ある高級マンションであることに変わりありません。

「ダコタ・ハウス」の名称の由来は、この小説では「当時の田舎町の象徴みたいなダコタ準州のように周囲になにもない閑散とした場所にある建物」という意味から名付けられたと書かれています(諸説あり)。

結構な長編作で、ちょっとかったるいところもありますが、今から50年前に書かれた小説にしてはまったく古びたところはなく(過去へ行くので当然ですが)、面白く読めました。

★★☆ 

4月後半の読書と感想、書評 2021/4/28(水)
ふりだしに戻る1

ふりだしに戻る2
001 ゲイルズバーグの春を愛す (ハヤカワ文庫 FT 26)
I Love Galesburg in the Springtime

この小説は短編として発表されたものを集め、1960年に発刊された作品で、収録作品は「ゲイルズバーグの春を愛す」(I Love Galesburg in the Spring-Time)、「悪の魔力」(Love, Your Magic Spell is Everwhere)、「クルーエット夫妻の家」(Where the Cluetts Are)、「おい、こっちをむけ!」(Hey, Look At Me!)、「もう一人の大統領候補」(A Possible Candidate for the Presidency)、「独房ファンタジア」(Prison Legend)、「時に境界なし」(Time Has No Boundaries)、「大胆不敵な気球乗り」(The Intrepid Aeronaut)、「コイン・コレクション」(The Coin Collector)、「愛の手紙」(The Love Letter)の10編です。

選んでそうなっているわけではなく、短編を読むと、なぜかその後も続いてしまいます。短編はあまり好きではないのですけどね。好きではない理由は、雑誌や週刊誌の誌面の都合上、決められた文字数で短編の1話完結型にしたいがためってケースが多く、それだと似たようなストーリー展開になり、週刊誌のコラムと変わらないじゃん、って思うようなものが多いから。

こちらの古い作品は特にそういう週刊誌の連載という事情があってのことではなさそうで、ボリュームもそれぞれに違っていますが、でもやっぱり著者が昔住んでいた場所が舞台となっていて、コラムにしても良さそうな雰囲気は漂っています。

タイトルにもなっている最初の作品の「ゲイルズバーグ」はアメリカ合衆国の中西部に位置するイリノイ州の北西部ノックス郡に実在する人口3万人ほどの街で起きた出来事の物語です。

最初は南北戦争の激戦地で、リンカーンがおこなった演説でも有名な「ゲティスバーグ」と勘違いしてました。そうしたタイトル名だったので、最初は南北戦争にまつわるような話かなぁって思っていましたが、全然違いました。この街は、著者が昔住んだことがある街のようです。

O・ヘンリ」や「サキ」など、こうした短編集で、発刊後何十年も読み継がれていく小説というのは、他にはない特別なものがあって、大きな外れはないですね。

6月前半の読書と感想、書評 2015/6/17(水)
ゲイルズバーグの春を愛す


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