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池上彰 IKEGAMI AKIRA 既読書籍

004 おとなの教養3 私たちは、どんな未来を生きるのか? 003 おとなの教養 2 私たちはいま、どこにいるのか?
002 おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか? 001 わかりやすく(伝える)技術



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1950年長野県出身。慶應義塾大学経済学部卒業。NHKに記者として入局。2009年信州大学経済学部特任教授に就任。2012年東京工業大学リベラルアーツセンター専任教授に就任(2016年退職)。2014年愛知学院大学経済学部特任教授、日本大学文理学部客員教授に就任。2015年名城大学特別講師就任。2016年名城大学教授、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院特命教授、立教大学グローバル教育センター客員教授に就任。(Wikipediaより引用 2022年)

004 おとなの教養3 私たちは、どんな未来を生きるのか?(NHK出版新書)

おとなの教養3過去にこのシリーズの(1)と(2)を読んでいて、とても良かったので2021年に出版されたシリーズ3作目となる本著を読みました。

1作目は時代が動いても変わらない普遍的教養(リベラル・アーツ)について、2作目が歴史や政治学、宗教、経済学を基礎に日頃のニュースを捉え直して考える力を、そしてこの3作目では不確実な未来を予測し備えるために、過去の経験や失敗から学ぶという内容です。

今回の具体的なテーマは、未来に備える上で重要な要素、つまり気候変動、未知のウイルス、データ経済とDX、米中新冷戦、人種・LGBT差別、ポスト資本主義となっています。

本著は2021年4月に発刊されましたので、新型コロナウイルスに翻弄された世界は含まれていますが、2022年2月から始まったロシアのウクライナ侵攻による世界中の混乱や、2023年10月に始まったイスラエルとパレスチナのハマスとの戦争については当然含まれません。もし次の4作目が出ればきっとその2つの戦争について、歴史の必然性が解説されるのでしょう。

ビジネスマンや職員として毎日開かれた社会と触れていると、ある程度のニュースや、国際情勢、経済活動、IT知識などは自然と会議や同僚との会話の中に出てきて、そうした知識は上書きされていきますが、いったんリタイアしてしまい、社会とのつながりが希薄になると、端から端まで熱心に新聞を読み込む人はともかく、うわべだけのニュースや情報番組ばかりで、教養という点ではどんどん後れを取ってしまいます。

そうした社会と隔絶された状態のリタイア後の高齢者にはこうした解説本はたいへんありがたいし、高齢者以外でも、受験生や就活生も確実に時事問題や面接で強くなりそうです。

著者はテレビにもよく出演し、時事問題の解説をしていますが、概ねはバラエティ番組の中で、一時的に面白おかしく楽しむことはできても、それを自分でじっくり考えてどのように発展させていくかということについては、やはり書籍に勝るものはありません。そういう意味でこのシリーズは役立つのでお勧めです。

★★★

4月後半の読書と感想、書評 2024/5/4(土)

003 おとなの教養 2 私たちはいま、どこにいるのか? (NHK出版新書)

2014年に発刊された「おとなの教養:私たちはどこから来て、どこへ行くのか?」の続編にあたる本著は2019年に新書として出版されました。

「おとなの教養:私たちはどこから来て、どこへ行くのか?」は今年4月に読みましたが、とてもわかりやすく為になりましたので、今回その続編を買ってきました。

第1章はAIとビッグデータ、第2章はキャッシュレス社会と仮想通貨、第3章は民族や人種問題、第4章は中国や中東諸国を中心とするジオポリティクス、第5章は某国大統領を中心とするポピュリズム、第6章は日本国憲法という構成です。

2019年から2020年頃において、社会人はもちろん、まもなく就活する学生さんは知っておいて損はない知識でしょう。

第1章と第2章はすでにある程度知識や経験があるので、特に目新しいことはないものの、第3章の民族、人種、部族は、知らなかったことも多く「なるほど、そうだったのか!」ということもありました。

ユダヤ民族はわかりやすいですが、中東の国々に住まう様々な民族は、歴史は古く、近代に入ってから西洋やロシアなどに翻弄され、そうした事情がわかりにくいのと、その結果として現在様々な問題が起きて気の毒に思います。そうしたこともこの本を読むまでは理解できていませんでした。

最終章の「日本国憲法」については、難しい解説ではなく、なぜ安倍前総理(執筆時は総理大臣)がなぜ憲法改正をしたがっていたのかなど、わかりやすく、腑に落ちる感じで解説されています。

そして、それらに対して、どうするべきかというのは「自分の頭で考えろ」ということが一貫しています。

★★☆

11月後半の読書と感想、書評 2020/12/2(水)

002 おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか? (NHK出版新書)
2014年に発刊された新書ですが、ベストセラーとしてよく知られています。なにかありふれたタイトルですが、書かれているテーマは(1)宗教、(2)宇宙、(3)人類の旅路、(4)人間と病気、(5)経済学、(6)歴史、(7)日本と日本人と7章立てです。

ジャーナリストの著者ですが、2012年から理系のエリートが集う東京工業大で教鞭をとることになり、そこのリベラルアーツ(現代の教養)センターに属し、学生に理系バカにならないよう、理系以外の教養を身につけてもらおうとしています。

そうした流れから、「大人の教養」として、上記の7つのテーマで講義をしているという体裁です。

今のコロナ騒動にタイムリーな話題として、前の前のブログで少し(4)人間と病気に触れましたが、そうした知らなかった雑学や知識が目一杯詰まっていて、なんだか賢くなったような気にさせてくれます。

その他にも、現在は敵対することが多いキリスト教とイスラム教、ユダヤ教ですが、ルーツはいずれも同じで経典も元々は同じところから来ていたりと、知っていて損はなさそう(特に役立つとは思えないけど)知識が学べます。

研究者からすると、「ちょっと違うんじゃないか?」って思うところもあるかも知れませんが、時代と友に研究が進めば次々と変わっていくこともあるので、細かなことは言わないで、自分が興味があることだけを学ぶのではなく、いくつになっても大雑把でも良いから幅広い知識を身につけようとする姿勢が大事なのですね。

続編の「おとなの教養 2―私たちはいま、どこにいるのか?」も既刊です。今度読まなくっちゃ。

★★★

4月前半の読書と感想、書評 2020/4/15(水)

001 わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)
執筆活動に力を入れたいからと最近ブラウン管では時々しか見かけなくなった池上彰氏ですが、元々はキャスターも務めたNHK記者ということもあり、その頃から身に付けてきた人に「わかりやすく伝える技術」をまとめたものです。

新聞記者とテレビ記者の大きな違いはおそらく新聞記者が書く力(読ませる技術)であるのに対して、テレビ記者は伝える力(表現力)に主眼が置かれます。

それは新聞の場合は、記者が書いた原稿がそのまま活字となり新聞に掲載される(当然編集者の手は入るにしても)のに対し、テレビの場合は、アナウンサーが原稿を読む場合でも、記者が現地から生中継するときでも、主役は映像であり、言葉はサブ的なものとなります。したがって主役の映像を元にしていかにわかりやすく言葉や文字で伝えるかに主眼がおかれるというわけです。

そしてある程度は購読層が限られる新聞に対し、テレビの場合は老若男女様々な相手を対象とします。そこでも必要になってくるのは、どんな相手にもわかりやすく伝える技術でしょう。

ただそのテレビでの経験だけではこの本を読むであろう学生やビジネスマンに応用できる範囲は限られるので、企業や学校の場で、会議やプレゼンテーションに使える有効な技術がいくつか紹介されています。

例えば「プレゼン原稿を作ってから図を描くのではなく、まず自分で図解をしてから原稿を作る」とか「プレゼン画面は大項目を3つだけ描いておき、その詳細は資料には書かず口頭で述べる」「聴衆の予想を裏切ることで引きつける」などなど。

テレビの報道番組ではみのもんた氏のちょい見せプレゼンや間の取り方、久米宏氏の口に出さずともテレビに映ることで意志を表現する手法などを絶賛し、テレビに出るときのお手本となったとベタ褒めです。逆に「政府には早急な対策を望みたいですね」などと言っているキャスターに対しては怒りさえ覚えると、ゴールデンタイムの某報道番組キャスターを名指しこそしていませんが、バッサリと切り捨てているのは痛快です。

11月後半の読書 2011/12/4(日)



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