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服部真澄 HATTORI MASUMI 既読書籍

008 深海のアトム(上)(下) 007 クラウド・ナイン
006 天の方舟(上)(下) 005 KATANAプロジェクト 
004 バカラ 003 ディール・メイカー
002 鷲の驕り 001 龍の契り
読書感想は2010年頃以降に書くようになりました。それ以前に読んだ本の感想はありません。


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1961年東京都生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。編集制作会社勤務、フリーエディターを経て、直木三十五賞候補となった『龍の契り』でメジャーデビュー。1996年第2作となる『鷲の驕り』で、第18回吉川英治文学新人賞を受賞。(Wikipediaより引用 2022年)

008 深海のアトム (角川文庫)(上)(下)

2014年に単行本、2017年に文庫化された長編小説です。

日本の東北地域を日本の特別な自治地域「陸滸国(リアス)」として、そこで暮らしている少年が主人公のひとりで、政治と大企業の癒着、エネルギー問題(原発誘致)、漁業の衰退がこの地域で起きています。

もうひとりの主人公は、アメリカで鉱物や微生物を研究している陸滸国の出身の日本人学者で、陸滸国の海洋学者とともに一発逆転の原発で出る放射性元素の処理技術を作り上げていくという流れです。

そして東北、リアスとくればそこで起きるのが大地震であり、大津波であり、原発事故です。

新しい原発を建設する場所に住んでいる少年を亡き者にしようとする男と鉱山トンネルの中で対決している時、大地震で落盤事故に遭い、また少年の姉は漁船に乗っている時に避けられない大津波に巻き込まれるなど、登場人物の多くがこの大地震や津波に襲われるシーンは迫力があります。

ともかく、サイエンスとサスペンス、それにエンタメなどがギュッと詰まった内容で、なかなかひと言で説明が難しい長編小説ですが、意外とサクサク読めます。

★★☆

12月前半の読書と感想、書評 2021/12/15(水)

007 クラウド・ナイン (講談社文庫)
2015年単行本、2018年に文庫化された長編インテリジェンス小説です。著者の小説は好きで、「龍の契り」(1995年刊)、「鷲の驕り」(1996年刊)、「ディール・メイカー」(1998年刊)、「バカラ」、「KATANA」(2010年刊)、「天の方舟」(2011年刊)と読んできました。

お得意の国際謀略とインテリジェンス(諜報)と経済などをうまく組み合わせた規模が大きい小説が多いようです。

この作品のタイトル「クラウド・ナイン」は通常は「意気揚々」という意味ですが、この小説ではバックミンスター・フラーが名付けた浮遊都市をイメージしているような感じです。

某巨大検索エンジン会社を思わせる米国大手IT企業の社長が私費を投じて巨大データセンターの電力を自力でまかなえるよう人工衛星を利用した宇宙発電を研究していたことがわかります。そのためのロケットが何の予告もなく公海上から打ち上げられ、世界が驚愕します。

しかしその社長は脳腫瘍のため手術をし、意識が戻っていない状態で、いったいどういうことが起きている?ということを同社に勤務している日本人エンジニアが副社長に命じられて調べて行くという物語です。

また同時進行として輸血用血液の不足をバイオテクノロジーで解決する新たな血清が発明され、それが様々な思惑と巨大ビジネスとして成長していきます。

その二つがどう結びつくのか、ハラハラドキドキの展開でたいへん面白く読めました。

ただ、どうしても日本人が書く国際謀略ミステリーや経済小説というのは、どうもリアリティに欠け、ありえねぇと思うほど都合良く展開していくのは、日本人にはそうしたことに似合っていないのかなぁと思うばかりです。

★★☆

5月前半の読書と感想、書評 2020/5/16(土)

006 天の方舟(上)(下) (講談社文庫)
現実の社会問題や国際問題をテーマに鋭く切り込み、上質なエンタティメントに仕上げた長編小説が多い著者の2011年刊(文庫は2012年刊)の作品です。WOWOWでドラマ化もされていると言うことです。

この作品のテーマはODA(政府開発援助)のいい加減さ、甘い蜜に群がる政治家や企業など、巨額の税金を巡る暗部をえぐり出しています。

現実のモデルとしては日本工営がコンサルティングを請け負ってODAで建設していたベトナムのカントー橋崩落事故の話しなども出てきますが、様々な要素を盛り込みあくまでフィクションとして作られています。

著者の過去の作品では、「龍の契り」(1995年)の香港返還協定について、「鷲の驕り」(1996年)はアメリカの秘密特許で濡れ手に粟の大儲けをする特許法について、「ディール・メイカー」(1998年)は金融システム、「バカラ」(2002年)は最近実現しそうなカジノ合法化問題について、「エル・ドラド」(初出時タイトルGMO、2003年)は遺伝子組み換えなどのアグリビジネスについてと、世界を股にした陰謀渦巻く業界や世界を取り上げてきました。

この小説も主人公は日本と海外を行き来して、ODAの暗部をついて私腹を肥やしたり、国内外の政治家や役人と結託して裏金作りに邁進したりと、いとも簡単に税金を食い物にしてくれます。

そして、主人公は自ら過去の犯罪を告白して外為法違反で逮捕されるわけですが、その裏には意外な隠し球があってと、なかなか読ませてくれます。

ただ主人公は悪に徹するわけでもなく、小説にするには魅力ある人物とは思えず、リアリティを考えてのことか、ちょっとあっさりしすぎって感じです。

★★☆

6月後半の読書と感想、書評 2016/6/29(水)

005 KATANAプロジェクト (角川文庫)
服部真澄と言えば、国際的なスリラーから国内の金融事情にも詳しく、カバーエリアの広いエンタテーメント小説家だと理解しています。この小説のタイトルの意味は「刀」ですが、その文字は「KATANA」、はて、どういうことか?ということでまったく内容は知らずに読み始めました。

前半は数多い登場人物達の説明を兼ねた地味な話しが長々と続くので、ちょっとつらいですが、そこでの役割や事情を知っておかないと、あとで苦労することになります。もっとも海外ミステリー小説のように本文の最初に「登場人物一覧」が書かれているので、もし混乱したらいつでも確認することができます。

内容は読んでからのお楽しみということですが、少しだけネタバレすると、この小説の中でアメリカ政府が進めようとする「KATANA」プロジェクトとは、安土桃山時代の日本で豊臣秀吉が天下統一を果たした後におこなった有名な「刀狩り」から来ているものです。アメリカでの刀狩りとはつまり銃規制のことです。

100年以上前の治安が悪かった時代に作られたアメリカの憲法に、武器の携帯を認める条項があり、それを盾にして一般市民が銃を持ち、政財界に多大な影響力を持つ銃器メーカーが新しいモデルを提供するという関係を政府は断ち切ることができるのか?そしてその方法は?と興味が尽きません。

それと同時に2000年頃から増えてきているらしい軍隊のアウトソーシング化についても触れられていて、その行き着く末もなかなか面白く描かれています。

2月後半の読書 2011/3/2(水)

004 バカラ (文春文庫)
2005/07/16読了

「BOOK」データベースより
違法なバカラ賭博で多額の借金に喘ぐ週刊誌記者・志貴大希。自己破産寸前のところで探り当てたのは、カジノ合法化を巡る巨大な陰謀。大スクープをものにできるか、借金で破綻するか―志貴の運命は嵐の中の小船のように翻弄されてゆく。金の魔力に蕩かされた男たちの夢と現実をダイナミックに描いた傑作長篇小説。

003 ディール・メイカー (祥伝社文庫)
2001/09/18読了

「BOOK」データベースより
この“取引”の真の勝利者は?弱肉強食の米国を生き抜く企業家たちの息づまる死闘。
現代の最も熾烈な闘いである企業と企業のマネーゲーム。そこでの武器は、精度の高い豊富な情報、そして金融システムに通じた人材、技術。この目に見えない武器を手にした「闘士」たちの暗闘を鮮やかに描く。

002 鷲の驕り (ノン・ポシェット)
1999/08/06読了

「BOOK」データベースより
「発明家クレイソンを調査してほしい」在米のコンピュータ・セキュリティの専門家笹生勁史に、通産省から極秘依頼があった。クレイソンは日本企業に訴訟を起こし、巨万の富を得ているという。問題は、米国の「特許法」の特異性にあった。先端技術の特許を牛耳る米国に、日本、そして正体不明の産業スパイ、マフィア、ハッカーが暗躍、手に汗握る国際サスペンス巨編。

001 龍の契り (新潮文庫)
1998/11/09読了

「BOOK」データベースより
東洋の富の一大拠点・香港。その返還を前に、永い眠りから覚醒するかのように突如浮上した、返還に関する謎の密約。いつ、誰が締結し、誰を利するものなのか―。全焼したロンドンのスタジオから忽然と消えた機密文書をめぐる英・中・米・日の熾烈な争奪戦が、世紀末の北京でついにクライマックスを迎えるとき、いにしえの密約文書は果たして誰の手に落ち、何を開示するのか。



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