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003 いつまでも若いと思うなよ
002 巡礼   001 リア家の人々


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1948年〜2019年、東京都生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。イラストレーターを経て 1977年の小説『桃尻娘』で小説現代新人賞佳作。代表作に『桃尻娘』(1978年)、『蝶のゆくえ』(2004年)、『草薙の剣』(2018年)など。(Wikipediaより引用 2022年)

003 いつまでも若いと思うなよ (新潮新書)

2015年刊のエッセイ集で、元々は昨年ある記事のせいで事実上の廃刊となってしまった新潮45に2014年頃に連載していたエッセイに書き下ろしを加えたものとなっています。

読んでいるときに、著者橋本治氏の訃報が流れてきてビックリしました。

「桃尻娘」「桃尻語訳 枕草子」作家の橋本治さんが死去70歳(産経新聞2019.1.29)

著者の作品は過去に「巡礼」(2012年文庫刊)と「リア家の人々」(2013年文庫刊)の二つの小説を読んでいます。

著者の作品一覧を眺めていると、デビュー作のエロティックなコメディ「桃尻娘」から、源氏物語や平家物語を題材としたものまで、かなり幅の広い分野で活躍されています。

この本に出てきますが、40代のバブルが弾ける直前に、事務所として借りていたマンションを今に思えばバカ高い金額で購入し、毎月150万円を返済していかねばならないという貧乏への道を選択して歩んでこられました。

また何万人にひとりが罹るという難病「顕微鏡的多発血管炎」や「カリニ肺炎」「心臓病」「脊柱管狭窄症」「慢性腎不全」と次々と病気に罹り、何ヶ月も入院したりと、波瀾万丈な人生を歩んでこられました。

そうした病気を抱えたずっとフリーとしてがむしゃらに働いてきた団塊世代の著者が老いというものについてしみじみ考えたエッセイで、正直、普通のサラリーマンには参考にはなりませんw

小説はともかく、こうしたエッセイは手抜きなのか、同じ事が繰り返されたり、どうでもよい話しを長々とあったりと、著者の息抜き?出版社に頼まれたから手慰みにちょっと書いていた?と読んでいてそう感じます。

今度はちゃんとした長編小説を読んでみます。

★☆☆

2月後半の読書と感想、書評 2019/3/2(土)

002 巡礼(新潮文庫)
著者は昭和23年生まれの67歳、いわゆる団塊世代に属する作家さんで、1977年にデビュー作とも言える「桃尻娘」など、それぞれの時代を反映したユニークな作品を多数書かれています。また評論やエッセイなどでも有名な方です。この巡礼は2009年に発刊され、2012年に文庫化されています。

テーマはいま大きな社会問題となっている「ゴミ屋敷」とそこの住人で、住人の親や家族はもとより、迷惑がる周囲の住人達やゴミ屋敷がある新興住宅街が出来上がってきた歴史などもおりまぜた壮大なスケール?の小説となっています。

ちょっと話しはずれますが、ゴミ屋敷の問題は、そこの住人の健康問題、つまりゴミをゴミと認識できず、ただ集めて捨てられず、臭いや不衛生にも無頓着になってくるという住人の精神的疾患が絡んできますので、行政側もマスコミ側もうかつに手を出せないタブーな領域となっています。

それに個人の土地内であれば、持ち主の了解なしでは不衛生や臭いがするという理由だけで勝手に掃除したり処分をすることはできません。そこの住人にとってはゴミも自分の資産だと言い張るので、行政も簡単には動けないわけです。

どうしてそうした精神構造に陥ってしまったのか、周囲の住人達はどう考え行動するのか、などあくまでフィクションですが、深層心理にまで踏み込んだ、追い詰められていく人物描写がうまく描かれています。

ただ視点というか語る主役が様々な登場人物に置き換わり、途中になかだるみを感じます。ゴミ屋敷の住人と弟だけにに限定した視点だともっとわかりやすくなったかなと。

結構暗くて気の重い話しですが、小説の最後の2行「修次は、暗い闇の中にいた自分の兄が、金色の仏と夜の中で出会ったのだと思った。そのように思いたかった・・・」で少し救われた気持ちになります。

7月前半の読書と感想、書評 2015/7/15(水)

001 リア家の人々
(新潮文庫)

シェークスピアの有名な悲劇「リア王」をモチーフにしたもので、昭和の時代の一家の日常を描くという手法をとった小説です。

私は「リア王」を読んだことがありませが、ざっくり要約すれば「長女と次女に国を譲ったのち2人に事実上追い出されたリア王が、末娘の力を借りて2人と戦うも敗れてしまう。」(wikipedia)っていう17世紀初頭に書かれた小説です。

こうした古典には必ず善悪がハッキリと区別されていて、通常は善良な人が悪役に責め続けられて涙を誘うような仕様となっています。そして最後には立場が逆転して善良な人が勝利を収め、勧善懲悪で終わるってのが通例ですが、上記の要約のとおり、このリア王は敗北しハッピーエンドではありません。だから悲劇と言われているわけですね。

この小説では特に善悪があるわけではなく、また父親が娘に追い出されてしまうわけではありません。

旧文部省勤めから関連団体へ天下りしている父親と3人の娘、それに東京の学校へ進みたいという親戚の甥を預かっている家族です。妻は早くに亡くし、娘達が順番に嫁いでいき、やがてはひとりぼっちになっていくだろう年老いた男の姿を、懐かしの昭和史を散りばめながら描かれています。

戦前文部省に勤めていたことから、終戦後に公職追放されて生活が苦境に陥ったものの、それ以外は順風満帆な上流エリート家庭というのは、出てくる人みんなが傲慢で、ふてぶてしく、身勝手でどうにも好きになれず、従って感情移入もまったくできません。

また後半は当時の政治状況や学園紛争の話しが続き、小説の本質とはまったく関係のないところで話しが長々と展開していくのも無駄のような気がします。

同様にリア王をモチーフとした作品として、黒澤明監督の「」(1985年)があります。こちらは3人姉妹から3人の兄弟へと変更されていて戦国時代に合わせて悲劇をうまく表しています。

上映されたのは今から30年も前で、当時映画館へ見に行った記憶がありますが、家族の愛憎ということしか、いまいちその内容がよくつかめていませんでした。こちらは今度もう一度機会があればゆっくりとみてみたいものです。

5月後半の読書と感想、書評 2015/6/3(水)



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