003 | 会社という病 | ||
002 | 絆 | 001 | 非情銀行 |
江上 剛(えがみ ごう、1954年1月7日 - 、本名小畠晴喜(こはた はるき))は、日本の作家、コメンテーター、実業家。元日本振興銀行取締役兼代表執行役社長。元(旧)みずほ銀行築地支店長。オフィス・トゥー・ワン所属。 兵庫県氷上郡山南町(現・丹波市)出身。兵庫県立柏原高等学校、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。1977年から2003年まで旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)に勤務。 1997年、第一勧業銀行総会屋利益供与事件に際し、広報部次長として混乱の収拾に尽力する。この事件後は、同行のコンプライアンス体制構築に大きな役割を果たす。また、この事件を元にした高杉良の小説およびそれを原作とした映画『金融腐蝕列島』のモデルともなった。 2002年、経済小説『非情銀行』で作家デビュー。2003年3月に、築地支店長を最後に(旧)みずほ銀行を退行。(Wikipediaより引用 2022年2月) |
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003 | 会社という病 (講談社+α新書) | |
巨大都市銀行に26年間、その後は後に破綻する日本振興銀行の役員に名を連ねたビジネスマン作家さんです。最近はテレビ番組のコメンテーターとしても時々拝見します。 そうした著者の経験から、作品は金融系のビジネス小説が多く、過去には「非情銀行」と「絆」を読んでいます。 この新書は2015年刊の本ですので、最近起きた(発覚した)東芝、フォルクスワーゲン、旭化成建材などの不祥事の話しも繰り返し出てきます。 ま、目から鱗となるような話しは出てきませんが、会社という組織の本質を知り、自分の中で整理するにはいい本だと思います。できればビジネスに深く関わる前の、10代後半とか20代のうちに読みたかったものです。 先般ノンフィクションでオリンパス事件の本を読みましたが、こうした企業不祥事に関わっていく人達というのは、その時には人を騙したり、法を犯す事への罪悪感はまったくないのだろうなという気がします。会社のためという自己弁護や、自己保身のためやむを得ずにやっているのだからと、自分を納得させているのだろうと思います。 数年後に不正が発覚し、事実や推定を突きつけられたときにも「悪いことをした」という認識があるのかどうか微妙です。 それだけに「企業の存続や、権力を維持するためならば、法を逸脱することはやむを得ない」という、世の中の非常識が、経営者にとっては常識となるところが怖いところです。 バブルの頃は日本の物作りは世界一と持て囃されていましたが、ここ数年の間に、その物作りで輝いていた日本のメーカーの偽装や隠蔽、不祥事、それに経営不振が数多く見られます。 例えば東洋ゴム工業、三菱自動車工業、スズキ、シャープ、東芝、タカタ、オリンパス、カネボウ化粧品、ルネサスエレクトロニクスなどなど。 東芝のように大きな不祥事でも起きないと、なかなか表面には出てこず、現在進行形で密かに悪化した業績を隠し続けたり、責任や損害を子会社に付け替えたりと、自転車操業でしのいでいるメーカーも少なくなさそうです。 日本の製造業が再び輝きを取り戻し、世界をリードする時代がまたやってくるのでしょうか。 ★★☆ 3月前半の読書と感想、書評 2017/3/16(木) |
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002 | 絆 (講談社文庫) | 著者は元銀行員でビジネス書やビジネス系の小説が多い作家さんですが、この小説は二人の幼なじみの少年二人が、昭和の時代をそれぞれ違った道で生きてきた大河ドラマ的な小説で、2007年に単行本、2009年に文庫版が発刊されています。 私は著者の作品では過去に「非情銀行」だけ読んでいますが、著者と私は4歳違い(著者のほうが年上)ということもあり、生きてきた時代はほぼ同年代と言ってもいいでしょう。 この作品の中で、主人公がまだ少年だった頃の描写は、著者が子供の頃の情景を元に描いたものと考えられますが、それは現代の日本からすると、考えがたいほど貧しく、そして差別や古くからの風習がまだ根強く残っていた社会で、大阪万博が開催された1970年頃以前は、それが田舎というか地方の現実だったことを思い起こさせます。 いまでこそ格差社会などという名前を付けて貧富の差や勝ち組負け組などと騒いでいますが、昭和30年代と言えば、今よりももっと差別や貧富格差は激しく、それこそ子供を育てるお金がない人は、実質的に子供を売り飛ばすがごとく赤子の時に養子へと出したり、「捨て子」と言って、親から捨てられ養護施設に収容される子供の数は決して少なくありませんでした。 この主人公も丹波の田舎町で母ひとり子ひとりの貧しい暮らしをしていましたが、小学生の時に唯一の肉親の母親に先立たれ、意地悪なお金持ちの同級生の家に引き取られることになり、その同級生と母親に奴隷のようなひどい扱いを受けながら、どうにか高校まで進みます。どうしてこの家に引き取られたのかは最後のほうで明かになります。 引き取られた家の同級生が女性を襲い、その共犯にされそうになり、同級生を殴ったことから、家出同然に大阪へ飛び出しますが、捨てる神あれば拾う神もあり、そこで偶然知り合った愛知県尾西市(現一宮市)にある染色会社の社長に気に入られて入社することになります。この子供時代の苦労話しはまるで男性版「おしん」です。 主人公は工場で働き、やがては子供がいない経営者に信頼されて養子となり、会社の跡継ぎになってからも、この幼なじみとの縁は切れず、逆に様々な場面で騙されたり無理難題を押しつけられ、それでもあきれるほど我慢を続ける主人公には、さすがに読んでいてもあきれるばかりです。しかしそれは最後の最後でひっくり返されます。 巻頭に「アセ興株式会社 社長森雄三氏」に捧げる旨のことが書かれていますので、この小説のモデルとなった方なのでしょう。現在その会社は匠染色という社名に代わり、経営者も変わっているようです。 6月前半の読書と感想、書評 2014/6/18(水) |
001 | 非情銀行 (講談社文庫) | 旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)に26年間勤め、広報部時代には銀行の大きなスキャンダル事件にも巻き込まれた経験のある著者は、映画化もされた高杉良氏原作の「金融腐蝕列島」のモデルとなった方です。 まだ銀行在籍時に書いた作品がこの「非情銀行」で、様々な軋轢もあったのかもしれませんが、翌年に銀行は退職されています。 銀行をテーマにした小説は数多くありますが、私も若い頃には城山三郎氏や清水一行氏、高杉良氏、山田智彦氏などの作品を数多く読みました。 最近でも江波戸哲夫氏、幸田真音氏、真山仁氏、池井戸潤氏などの銀行が主役(悪役)の小説は好んで読んでいます。 銀行がテーマの小説の場合、元バンカーだった作家が書く場合と、そうでない場合がありますが、やはり元銀行に勤めていた人の小説の中に出てくるエピソードなどはかなり真実味があって単に人から聞いて書いたというものとはディテールが全然違うなと感じます。 この小説ではバブルがはじけてしまい、多くの不良債権を抱え込み、さらには総会屋など反社会勢力との腐れ縁が話題となった1990年代に大手都銀で起きたことがテーマです。 ちょうどその頃には、財務省の指導もあり、都銀同士の合併が盛んにおこなわれていた時期でもあり、「銀行頭取になったらまず合併を考えるのが仕事」と言われていました。 高杉良氏の小説を30冊は読んでいるので、それと似たような流れで新鮮味はありませんが、実際にその嵐のような大手都銀の中枢部にいただけに書けることもあり、なかなか迫真の展開がスリル満点です。 今ではすっかり都銀は3グループ(りそなグループを含めると4グループ)に収斂して落ち着いてしまいましたが、私が新入社員だった頃は、三菱、住友、三井、三和、富士、第一勧銀、日本興業、東京、太陽神戸、東海、協和、大和、埼玉、北海道拓殖と14行も都銀と称される銀行がありました。 それが次々と合併を繰り返し、毎年のように銀行名が代わり、支店が統廃合され、ユーザーのためというより、自分たちの組織のため、国策のため、経営陣のために不便を強いられたこともあります。 その頃の出来事はこうした小説でしかもう知りうることができませんが、若い人にぜひ読んでおいてもらいたい本です。おそらく登場する経営陣の考え方や、それになびく部下達の滑稽とも言える行動は、若い人達にとってはまったく理解できないでしょうし、すべてフィクションだと思うでしょう。でも事実は小説よりも奇なりなのです。 9月前半の読書 2012/9/22(土) |
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